(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記TFTは、前記アレイ基板の上に半導体層が形成され、前記半導体層を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上で、前記半導体層に対応する部分にゲート電極が形成され、前記ゲート電極を覆って層間絶縁膜が形成され、前記層間絶縁膜の上で、前記半導体層に対応する部分に距離をおいてドレイン電極と前記第1の電極が形成され、前記ドレイン電極および前記第1の電極は前記層間絶縁膜および前記ゲート絶縁膜に形成されたスルーホールを介して前記半導体層と導通した構成であり、
前記第2の電極は前記突起上に設けられた第1の絶縁膜に形成された接続孔を介して前記第1の電極に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記TFTは、前記アレイ基板上にゲート電極が形成され、前記ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上にドレイン電極と前記第1の電極が形成された構成であり、
前記突起は、前記TFTから延在した前記ゲート絶縁膜の上に形成されており、
前記第2の電極は、前記突起上において、前記第1の電極と接続していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記TFTは、前記アレイ基板の上に半導体層が形成され、前記半導体層の上に間隔をおいて、ドレイン電極と前記第1の電極が形成され、前記半導体層を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上で、前記半導体層に対応する部分にゲート電極が形成された構成であり、
前記第2の電極は、前記突起上において、前記ゲート絶縁膜に形成された接続孔を介して前記第1の電極と導通し、
前記突起は、前記アレイ基板の上に直接形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記TFTは、前記アレイ基板上にゲート電極が形成され、前記ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート電極の上方で、前記ゲート絶縁膜の上にドレイン電極と前記第1の電極が形成され、
前記ゲート電極の上方で、前記ゲート絶縁膜、および前記ドレイン電極の一部および前
記第1の電極の一部を覆って半導体層が形成された構成であることを特徴とする請求項1
に記載の表示装置。
前記TFTは、前記アレイ基板の上に半導体層が形成され、前記半導体層を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上で、前記半導体層に対応する部分にゲート電極が形成され、前記ゲート電極を覆って層間絶縁膜が形成され、前記層間絶縁膜の上で、前記半導体層に対応する部分に距離をおいてドレイン電極と前記第1の電極が形成され、前記ドレイン電極および前記第1の電極は前記層間絶縁膜および前記ゲート絶縁膜に形成されたスルーホールを介して前記半導体層と導通した構成であり、
前記突起は、前記TFTから延在した層間絶縁膜の上に形成されていることを特徴とす
る請求項10に記載の表示装置
前記TFTは、前記アレイ基板上にゲート電極が形成され、前記ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上にドレイン電極と前記第1の電極が形成された構成であり、
前記突起は、前記TFTから延在した前記ゲート絶縁膜の上に形成されており、
前記配線は、前記突起上において、前記第一の電極と導通していることを特徴とする請求項10に記載の表示装置
前記TFTは、前記アレイ基板の上に半導体層が形成され、前記半導体層の上に間隔をおいて、ドレイン電極と前記第1の電極が形成され、前記半導体層を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上で、前記半導体層に対応する部分にゲート電極が形成された構成であり、
前記突起は、前記アレイ基板の上に直接形成されていることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態にかかる表示装置の等価回路を示す回路図である。
【
図2】1つの画素回路の構成の一例を示す平面図である。
【
図3】実施例1による画素回路に含まれる薄膜トランジスタの断面図である。
【
図4a】
図3に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図4b】
図3に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図4c】
図3に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図4d】
図3に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図4e】
図3に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図4f】
図3に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図4g】
図3に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図4h】
図3に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図5】
図3に示す薄膜トランジスタの構成を示す平面図である。
【
図6】薄膜トランジスタの比較例を示す断面図である。
【
図7a】
図6に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図7b】
図6に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図7c】
図6に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図7d】
図6に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図7e】
図6に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図7f】
図6に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図8】
図6に示す薄膜トランジスタの構成を示す平面図である。
【
図9】実施例2による画素回路に含まれる薄膜トランジスタの断面図である。
【
図10a】
図9に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図10b】
図9に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図10c】
図9に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図10d】
図9に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図10e】
図9に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図10f】
図9に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図10g】
図9に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図10h】
図9に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図11】実施例3による画素回路に含まれる薄膜トランジスタの断面図である。
【
図12a】
図11に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図12b】
図11に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図12c】
図11に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図12d】
図11に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図12e】
図11に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図12f】
図11に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図12g】
図11に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図13】実施例4による駆動回路に含まれる薄膜トランジスタの断面図である。
【
図14a】
図13に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図14b】
図13に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図14c】
図13に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図14d】
図13に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図14e】
図13に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図14f】
図13に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図14g】
図13に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図15】実施例5による画素回路に含まれる薄膜トランジスタの断面図である。
【
図16a】
図15に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図16b】
図15に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図16c】
図15に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図16d】
図15に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図16e】
図15に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図16f】
図15に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図16g】
図15に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【
図16h】
図15に示す薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。構成要素のうち同一機能を有するものには同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、以下で説明する実施形態は、IPS(In-Plane-Switching)方式の液晶表示装置に本発明を適用した場合の例である。
【実施例1】
【0011】
本実施形態にかかる表示装置は液晶表示装置であって、アレイ基板と、当該アレイ基板と対向し、カラーフィルタが設けられた対向基板と、両基板に挟まれた領域に封入された液晶材料と、アレイ基板に取付けられたドライバICとを含んで構成される。アレイ基板及び対向基板は、いずれもガラス基板などの絶縁基板に加工がされたものである。
【0012】
図1は、本発明の実施形態にかかる表示装置の等価回路を示す回路図である。
図1に示す等価回路は、上述のアレイ基板における表示領域の一部に相当する。アレイ基板では、多数のゲート信号線GLが並んで横方向に延びており、また、多数の映像信号線DLが並んで縦方向に延びている。そして、これらゲート信号線GL及び映像信号線DLにより表示領域がマトリクス状に区画されており、その一つ一つの区画が一つの画素回路に相当する。また、各ゲート信号線GLに対応してコモン信号線CLが横方向に延びている。
【0013】
ゲート信号線GL及び映像信号線DLにより区画される画素回路の隅には、薄膜トランジスタTFTが形成されており、そのゲート電極GTはゲート信号線GLに接続され、ドレイン電極DTは映像信号線DLに接続されている。また、各画素回路には画素電極PX及びコモン電極CTが対になって形成されており、画素電極PXは薄膜トランジスタTFTのソース電極STに接続され、コモン電極CTはコモン信号線CLに接続されている。
【0014】
図2は、1つの画素回路の構成の一例を示す平面図である。
図2に示すように、ゲート信号線GLと映像信号線DLとが交差する箇所に対応して薄膜トランジスタTFTが存在する。薄膜トランジスタTFTは半導体膜SCと、ゲート電極GTと、ソース電極STと、ドレイン電極DTとを有する。
【0015】
上述の画素回路では、各画素のコモン電極CTにコモン信号線CLを介してコモン電圧を印加し、ゲート信号線GLにゲート電圧を印加することにより、画素回路の行が選択される。また、その選択のタイミングにおいて、各映像信号線DLに映像信号を供給することにより、各画素回路に含まれる画素電極PXに映像信号の電圧が印加される。これにより、画素電極PXとコモン電極CTの間に映像信号の電圧に応じた強度の横電界が発生し、この横電界の強度に応じて液晶分子の配向が決まるようになっている。
【0016】
薄膜トランジスタTFTの詳細について説明する。薄膜トランジスタTFTは、半導体膜SC、ドレイン電極DT、ソース電極ST、ゲート電極GTからなる。ドレイン電極DTは映像信号線DLの一部であり、下面が半導体膜SCに接する部分を含む。半導体膜SC、およびゲート電極GTと平面的に重なっている。またソース電極STは、ドレイン電極DTと離れた位置であって、半導体膜SC、およびゲート電極GTと平面的に重なる位置から右方向に延び、突起BK上に延在し、画素電極PXに接続されている。またゲート電極GTは、図中上方向に延び、その下端はゲート信号線GLに接続されている。
【0017】
図3は、画素回路に含まれる薄膜トランジスタTFTの断面図である。本図は、
図2のA−A切断線における断面を示している。ガラス基板SUBの上には、ガラス基板SUBに接するゲート電極GTを含む導電層が設けられる。その導電層の上にはゲート絶縁層GIが設けられる。半導体膜SCはゲート絶縁層GIの上面に接し、かつゲート電極GTの上方に設けられている。また、ゲート絶縁層GI上には突起BKが設けられる。半導体膜SCの上面には離間してソース電極ST及びドレイン電極DTが配置される。ソース電極STからはソース配線SLが突起BK上に延在し、突起BK上で画素電極PXに接続されている。薄膜トランジスタTFT及び突起BKを覆って無機パッシベーション膜PASが形成される。また、有機パッシベーション膜INは無機パッシベーション膜PAS上に薄膜トランジスタTFTを覆い、突起BKを埋め込んで形成されている。
【0018】
有機パッシベーション膜IN上にはコモン電極CTが形成され、続いて上部絶縁膜UPSが形成される。ソース配線SLは突起BK上のコモン電極CT及び上部絶縁膜UPSに形成された接続孔CHにて画素電極PXに接続している。ここで、ソース配線SLはソース電極より突起BK上に突起BKの基底部から頂部に沿って延在している。
【0019】
以下では上述の薄膜トランジスタTFTを製造する工程について説明する。
図4a〜
図4hは、
図3に示す薄膜トランジスタTFTの製造工程を示す断面図である。はじめの工程では、ガラス基板SUB上に厚さ150nmのMo層をスパッタし、フォトリソグラフィとウェットエッチングによりゲート電極GTを形成する。ゲート電極GTには、Al、Mo、W、Cu、Cu−Al合金、Al−Si合金、Mo−W合金などの低抵抗金属の単層、もしくはこれらの積層構造を用いてもよい。
【0020】
次の工程では、ゲート電極GTが形成されたガラス基板SUBの上に、ゲート絶縁膜GIを構成するシリコン窒化膜を成膜する。シリコン窒化膜はCVD装置を用いて成膜する。続いてCVD装置を用いてアモルファスSi層及びコンタクト層SCNを形成した後フォトリソグラフィにより所望の形状にエッチング加工して半導体膜SCを形成する。なお、コンタクト層SCNは、半導体とドレイン電極およびソース電極とオーミックコンタクトをとるためのn+層のことである。
【0021】
次の工程では、薄膜トランジスタTFTの半導体膜SCまで形成したガラス基板SUBの上に感光性材料を塗布した後に、感光性材料の所望の領域に選択的に光を照射しその後現像することによりパターニングし、ゲート絶縁膜GIの上に所望の高さの突起BKを形成する。(
図4a参照)。感光性材料には有機絶縁膜材、フォトスペーサ材、フォトレジストなどがあるが、要するに露光・現像により基板上の所望の領域に凸部を形成できればどのようなものでもよい。
【0022】
次の工程ではソース電極STおよびドレイン電極DTを形成するために、厚さ100nmのTiの層、厚さ450nmのAlSiの層、厚さ100nmのTiの層を順に成膜し、それらの膜にフォトリソグラフィおよびドライエッチングの処理を行いソース電極STおよびドレイン電極DTを形成する。上述の層を成膜する代わりに、Al、Mo、W、Cu、Cu−Al合金、Al−Si合金、Mo−W合金などの低抵抗金属の単層、もしくはこれらの積層構造を成膜してもよい。このとき同時に、ソース配線SLもソース電極STより突起BK上まで延在して形成される。ソース配線SLは光を透過しないため開口率の観点からは配線幅を狭くするのが望ましい。
【0023】
次の工程では外部からの水分や不純物などの侵入を防ぐ無機パッシベーション膜PASを構成するシリコン窒化膜をCVD法を用いて成膜する(
図4b)。その後、有機パッシベーション膜INを塗布形成する(
図4c)。突起BK上にも有機パッシベーション膜INが塗布されるが、有機パッシベーション膜INは焼成前は流動性を有しているので、突起BK上の有機パッシベーション膜INの厚さは突起BKの高さより小さくすることができる。さらに、有機パッシベーション膜INをフォトリソグラフィにより突起BK上部が露出するよう加工する(
図4d)。このとき、突起BK上の有機パッシベーション膜INの厚さは突起BKの高さより小さいので、突起BKの高さ分の穴加工をする場合と比較して露光及び現像に要する時間を短縮できる。その後、加熱することによりリフローさせ平坦化させつつ焼成する (
図4e)。
【0024】
次の工程ではさらに例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングしてコモン電極CTを形成した後上部絶縁膜UPSを形成する (
図4f)。コモン電極CTは平面的に見た場合、突起BKの近傍では窓Wが開くようにパターニングされる。次の工程では無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSをフォトリソグラフィおよびドライエッチングにより突起BK頂部において一括して加工して開口させソース配線SLを露出させる(
図4g)。
【0025】
次の工程では開口部でソース配線SLと接続するように例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングして画素電極PXを形成することにより、
図3に示す薄膜トランジスタTFTを含む表示装置ができる(
図4h)。なお、本実施例では半導体膜SCにアモルファスSiを用いているが、結晶性のSiやその他の半導体材料でもよいのはもちろんである。
【0026】
図4により説明した薄膜トランジスタTFTの構成のソース・ドレイン電極と突起BKとの関係を平面的に表した図が
図5である。突起BK部におけるソース配線SLの幅bは、ソース配線SLと画素電極PXとの接続孔の最大径cより広いことが望ましい。これは該接続孔を形成するエッチング工程で金属のソース配線SLがエッチングストッパとして作用することを期待できるためである。また、金属のソース配線SLは光を透過しないので、開口率を確保する観点からは該配線幅bは突起BKの最大幅aより狭くすることが望ましい。
【0027】
以上に説明した構成により、ソース配線SLの幅が狭くでき、開口率の向上に寄与する。また、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSのパターニングに関しても突起上で行えるため加工尤度が向上する。さらに、コモン電極CTと上部絶縁膜UPSは平面上で積層されているため熱応力がかかってもコモン電極CTと上部絶縁膜UPSの界面ではがれにくいという効果を奏する。また、あらかじめ突起を形成しておくため、有機パッシベーション膜INの加工が容易であるという効果も奏する。
【0028】
本実施例では突起BKを感光性材料のパターニングによって形成したが、他の、例えばインクジェット法等の印刷技術によって形成してもよいのはもちろんである。感光性材料のパターニングは位置精度を出しやすいという利点があり、一方、印刷技術を用いれば、所望の位置に突起BKを配置するのに一回の工程で済むという利点がある。また、本実施例ではTFTの電極形成をフォトリソグラフィとウェットエッチングにより行っているが、これに代えて当業者に公知の印刷法により形成してもよい。
【0029】
以下に従来技術の構成による表示装置を比較例として説明する。表示装置の等価回路は同様である。
【0030】
図6は、比較例の画素回路に含まれる薄膜トランジスタTFTの断面図である。ガラス基板SUBの上には、ガラス基板SUBに接するゲート電極GTを含む導電層が設けられる。その導電層の上にはゲート絶縁層GIが設けられる。半導体膜SCはゲート絶縁層GIの上面に接し、かつゲート電極GTの上方に設けられている。半導体膜SCの上面には離間してソース電極ST及びドレイン電極DTが配置される。ソース電極STからはソース配線SLが延在し、コンタクトホールCONT底部で画素電極PXに接続されている。
【0031】
無機パッシベーション膜PAS及び有機パッシベーション膜INは薄膜トランジスタTFTを覆って形成されている。有機パッシベーション膜INにはコンタクトホールCONTが形成される。有機パッシベーション膜IN上にはコモン電極CTが形成される。コモン電極CTはコンタクトホールCONT部では開口されている。さらに、コモン電極CT及びコンタクトホールCONTを覆って上部絶縁膜UPSが形成され、上部絶縁膜UPS上に画素電極PXが形成されている。ソース配線SLはコンタクトホールCONT底部の無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSに形成された接続孔CHにて画素電極PXに接続している。
【0032】
なお、この構成ではコンタクトホールCONTの内壁の傾斜部分において液晶の配向が乱れ、光漏れが起こる。この対策としてソース配線SLは平面的に見てコンタクトホールCONTの上面の開口をカバーする領域に設けられる(
図8)。
【0033】
以下では上述の薄膜トランジスタTFTを製造する工程について説明する。
図7a〜
図7fは、
図6に示す薄膜トランジスタTFTの製造工程を示す断面図である。ゲート電極GTを形成する工程から半導体膜SCを形成する工程までは実施例1と同様である。(
図7a参照)
次の工程ではソース電極STおよびドレイン電極DTを形成するために、厚さ100nmのTiの層、厚さ450nmのAlSiの層、厚さ100nmのTiの層を順に成膜し、それらの膜にフォトリソグラフィおよびドライエッチングの処理を行いソース電極STおよびドレイン電極DTを形成する。さらに、無機パッシベーション膜PASを構成するシリコン窒化膜をCVD法を用いて成膜する(
図7b)。
【0034】
次の工程では有機パッシベーション膜INを2μm塗布形成する。さらに、有機パッシベーション膜INをフォトリソグラフィによりすり鉢状に穴開け加工した後、加熱することにより焼成する(
図7c)。この工程では、有機パッシベーション膜INの加工すべき膜厚が厚いため、実施例1に比べ露光時間が長くかかる。
【0035】
次の工程ではさらに例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングしてコモン電極CTを形成した後上部絶縁膜UPSを形成する(
図7d)。コモン電極CTは平面的に見た場合、コンタクトホールCONTの近傍では窓Wが開くようにパターニングされる。
【0036】
次の工程ではコモン電極CT及び上部絶縁膜UPSをフォトリソグラフィおよびドライエッチングによりコンタクトホールCONT底部において一括して加工して開口させソース配線SLを露出させる(
図7e)。この工程ではフォトリソグラフィ時、コンタクトホールCONTの穴底にフォトレジストが溜まるので、露光量を多く必要とし、また解像度が低下する。穴底であるので実施例1に比べアライメントの制御も難しい。
【0037】
次の工程では接続孔CH部でソース配線SLと接続するように例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングして画素電極PXを形成することにより、
図6に示す薄膜トランジスタTFTを含む表示装置ができる(
図7f)。この工程以降加熱工程が行われると、コモン電極CTの端部がコンタクトホールCONT開口端にあるため、コンタクトホールCONT傾斜部の上部絶縁膜UPSと平坦部のコモン電極CTにかかる熱応力の方向が異なることになり、はがれやすい。
【0038】
図6により説明した薄膜トランジスタTFTの構成のソース・ドレイン電極とコンタクトホールCONTとの関係を平面的に表した図が
図8である。ソース配線SLの幅eは、コンタクトホールCONT部においてコンタクトホールCONTの開口径dより広いことが望ましい。これはコンタクトホールCONT傾斜部において液晶分子の配向が乱れ光漏れを起こすので、光を透過させない金属材料のソース配線SLを設けることで光漏れ防止の効果を期待できるからである。しかしながら、開口率は減少する。
【実施例2】
【0039】
以下に本発明の別の構成による表示装置を説明する。表示装置の等価回路は実施例1と同様である。
図9は、画素回路に含まれる薄膜トランジスタTFTの断面図である。ガラス基板SUBの上には、突起BK、半導体層及びソース・ドレイン配線が設けられる。半導体層及びソース・ドレイン配線の上にはゲート絶縁層GIが設けられる。半導体膜SCはバリア層PRの上面に接し、端部はソース・ドレイン電極と重なっている。ゲート絶縁層GIの上に、平面的に半導体層と重なるようにゲート電極GTが設けられている。無機パッシベーション膜PASはゲート電極GTの上にあり、薄膜トランジスタTFT及び突起BKを覆っている。
【0040】
ソース電極STからはソース配線SLが突起BK上に延在し、突起BK上で画素電極PXに接続されている。有機パッシベーション膜INは薄膜トランジスタTFTを覆い、突起BKを埋め込んだ形態となっている。有機パッシベーション膜IN上にはコモン電極CTが形成され、続いて上部絶縁膜UPSが形成される。ソース配線SLは突起BK上のゲート絶縁層GI、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSに形成された接続孔CHにて画素電極PXに接続している。ここで、ソース配線SLはソース電極より突起BK上に突起BKの基底部から頂部に沿って延在している。
図9において、ガラス基板SUBからの不純物が半導体層SCを汚染することを防止するため、あるいは、半導体層の密着性を向上させるために、バリア層PRがガラス基板SUBに形成されている。
【0041】
以下では上述の薄膜トランジスタTFTを製造する工程について説明する。
図10a〜
図10hは、
図9に示す薄膜トランジスタTFTの製造工程を示す断面図である。
図10a〜
図10hでは、ガラス基板SUB上に形成されたバリア層PRは図示を省略されている。はじめの工程では、ガラス基板SUB上にインクジェット法により突起BKを形成する(
図10a)。インクジェット法によりガラス基板SUB上に着弾したインクは光照射ないし加熱等の硬化過程を経て突起BKを形成する。突起BKは硬化後に絶縁性の材料であればどのようなものでもよいが、開口率確保の観点からは光の透過率の高い材料が望ましい。
【0042】
次の工程ではソース電極STおよびドレイン電極DTを形成するために、ITOの膜を成膜し、その膜にフォトリソグラフィおよびエッチングの処理を行いソース電極STおよびドレイン電極DTを形成する(
図10b)。上述の層を成膜する代わりに、Al、Mo、W、Cu、Cu−Al合金、Al−Si合金、Mo−W合金などの低抵抗金属の単層、もしくはこれらの積層構造を成膜してもよい。このとき同時に、ソース配線SLもソース電極STより突起BK上まで延在して形成される。
【0043】
次の工程では、酸化物半導体をスパッタリングし、半導体層SILを形成する。酸化物半導体のスパッタリングの手法としてDCスパッタを用い、ターゲット材はIn:Ga:Zn:O=1:1:1:4の比率となる材料である。この半導体層SILをフォトリソグラフィにより所望の形状にエッチング加工して半導体膜SCを形成する(
図10c)。
【0044】
次の工程では、半導体膜SCが形成されたガラス基板SUBの上に、ゲート絶縁層GIを構成するシリコン酸化膜を成膜する。シリコン酸化膜はプラズマCVD装置を用いて成膜している。その後、Al層Mo層を順にスパッタし、フォトリソグラフィとエッチングによりゲート電極GTを形成する(
図10d)。ゲート電極GTには、Al、Mo、W、Cu、Cu−Al合金、Al−Si合金、Mo−W合金などの低抵抗金属の単層、もしくはこれらの積層構造を用いてもよい。
【0045】
次の工程では外部からの水分や不純物などの侵入を防ぐ無機パッシベーション膜PASを構成するシリコン酸化膜をCVD法を用いて成膜する(
図10e)。その後、有機パッシベーション膜INを塗布形成する。さらに、有機パッシベーション膜INをフォトリソグラフィにより突起BK上部が露出するよう加工した後、加熱することによりリフローさせ平坦化させつつ焼成する(
図10f)。これは実施例1と同様である。
【0046】
次の工程ではさらに例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングしてコモン電極CTを形成した後上部絶縁膜UPSを形成する(
図10g)。コモン電極CTは平面的に見た場合、突起BKの近傍では窓Wが開くようにパターニングされる。次の工程ではゲート絶縁層GI、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSをフォトリソグラフィおよびドライエッチングにより突起BK頂部において一括して加工して開口させソース配線SLを露出させる。次の工程では開口部でソース配線SLと接続するように例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングして画素電極PXを形成することにより、
図9に示す薄膜トランジスタTFTを含む表示装置ができる(
図10h)。
【0047】
以上に説明した構成により、実施例1同様、ソース配線SLの幅が狭くでき、開口率を向上させることが出来る。また、ゲート絶縁層GI、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSのパターニングに関しても突起上で行えるため加工尤度が向上し、コモン電極CTと上部絶縁膜UPSは平面上で積層されているため熱応力がかかってもコモン電極CTと上部絶縁膜UPSの界面ではがれにくいという効果を奏する。また、あらかじめ突起を形成しておくため、有機パッシベーション膜INの加工が容易であるという効果も奏する。
【0048】
また、本実施例の構成ではソース・ドレイン配線形成の後に半導体層を形成し、その後ゲート絶縁膜で半導体層を被覆してしまう。この構成によれば後続の工程におけるプラズマプロセスやエッチング工程等からの物理的および化学的影響を軽減することができる。
【0049】
本実施例では突起BKをインクジェット法によって形成したが、他の、例えば感光性材料のパターニング等によって形成してもよいのはもちろんである。インクジェット法等の印刷技術を用いれば、所望の位置に突起BKを配置するのに一回の工程で済むという利点があり、一方、感光性材料のパターニングには位置精度を出しやすいという利点がある。また、本実施例ではTFTの電極形成をフォトリソグラフィとウェットエッチングにより行っているが、これに代えて当業者に公知の印刷法により形成してもよい。
【実施例3】
【0050】
以下に本発明の別の構成による表示装置を説明する。表示装置の等価回路は実施例1と同様である。
図11は、画素回路に含まれる薄膜トランジスタTFTの断面図である。ガラス基板SUBの上には、バリア層PRが形成され、バリア層PRの上に、突起BK、半導体膜SC及びソース・ドレイン配線が設けられる。半導体層及びソース・ドレイン配線の上にはゲート絶縁層GIが設けられる。半導体膜SCはバリア層PRの上面に接し、端部はソース・ドレイン電極と重なっている。
【0051】
ゲート絶縁層GIの上に、平面的に半導体層と重なるようにゲート電極GTが設けられている。無機パッシベーション膜PASはゲート電極GTの上にあり、薄膜トランジスタTFT及び突起BKを覆っている。ソース電極STからはソース配線SLが突起BK上に延在し、突起BK上で画素電極PXに接続されている。有機パッシベーション膜INは薄膜トランジスタTFTを覆い、突起BKを埋め込んだ形態となっている。有機パッシベーション膜IN上にはコモン電極CTが形成され、続いて上部絶縁膜UPSが形成される。ソース配線SLは突起BK上のゲート絶縁層GI、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSに形成された接続孔CHにて画素電極PXに接続している。
【0052】
図11において、ソース配線SLはソース電極より突起BK上に突起BKの基底部から頂部に沿って延在している。本実施例ではソース配線SLは突起BKの頂部が終端となっているが、実施例1のごとく更に延在させても差し支えない。
図11において、ガラス基板SUBからの不純物が半導体層SCを汚染することを防止するため、あるいは、半導体層の密着性を向上させるために、バリア層PRがガラス基板SUBに形成されている。
【0053】
以下では上述の薄膜トランジスタTFTを製造する工程について説明する。
図12a〜
図12gは、
図11に示す薄膜トランジスタTFTの製造工程を示す断面図である。
図12a〜
図12gにおいて、ガラス基板SUBの上に形成されたバリア層PRは図示を省略されている。はじめの工程では、ガラス基板SUB上にアモルファスシリコンをスパッタし、フォトリソグラフィとウェットエッチングによりアモルファスシリコン層を形成する。その後該アモルファスシリコン層にレーザ照射を行い結晶化させ多結晶化させた半導体膜SCを形成する(
図12a)。なお、ガラス基板SUB上に密着性向上や不純物拡散の抑制などのためにバリア膜を設けておくこともできる。
【0054】
次の工程では、ガラス基板SUB上にインクジェット法により突起BKを形成する(
図12b)。インクジェット法によりガラス基板SUB上に着弾したインクは光照射ないし加熱等の硬化過程を経て突起BKを形成する。突起BKは硬化後に絶縁性の材料であればどのようなものでもよいが、開口率確保の観点からは光の透過率の高い材料が望ましい。
【0055】
次の工程ではソース電極STおよびドレイン電極DTを形成するために、Mo−Zr合金の膜を成膜し、その膜にフォトリソグラフィおよびエッチングの処理を行いソース電極STおよびドレイン電極DTを形成する(
図12c)。上述の層を成膜する代わりに、Al、Mo、W、Cu、Cu−Al合金、Al−Si合金、Mo−W合金などの低抵抗金属の単層、もしくはこれらの積層構造を成膜してもよい。
【0056】
このとき同時に、ソース配線SLもソース電極STより突起BK上まで延在して形成される。ソース配線SLは光を透過しないため開口率の観点からは配線幅を狭くするのが望ましい。次の工程では、半導体膜SC及びソース電極、ドレイン電極が形成されたガラス基板SUBの上に、ゲート絶縁層GIを構成するシリコン酸化膜を成膜する。シリコン酸化膜はプラズマCVD装置を用いて成膜している。
【0057】
その後、W層をスパッタし、フォトリソグラフィとエッチングによりゲート電極GTを形成する(
図12d)。ゲート電極GTには、Al、Mo、W、Cu、Cu−Al合金、Al−Si合金、Mo−W合金などの低抵抗金属の単層、もしくはこれらの積層構造を用いてもよい。
【0058】
次の工程では外部からの水分や不純物などの侵入を防ぐ無機パッシベーション膜PASを構成するシリコン酸化膜をCVD法を用いて成膜する。その後、有機パッシベーション膜INを塗布形成する。さらに、有機パッシベーション膜INをフォトリソグラフィにより突起BK上部が露出するよう加工した後、加熱することによりリフローさせ平坦化させつつ焼成する(
図12e)。これは実施例1と同様である。
【0059】
次の工程ではさらに例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングしてコモン電極CTを形成した後上部絶縁膜UPSを形成する(
図12f)。コモン電極CTは平面的に見た場合、突起BKの近傍では窓Wが開くようにパターニングされる。次の工程ではゲート絶縁層GI、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSをフォトリソグラフィおよびドライエッチングにより突起BK頂部において一括して加工して開口させソース配線SLを露出させる。次の工程では開口部でソース配線SLと接続するように例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングして画素電極PXを形成することにより、
図11に示す薄膜トランジスタTFTを含む表示装置ができる(
図12g)。
【0060】
以上に説明した構成により、実施例1同様、ソース配線SLの幅が狭くでき、開口率を向上させることが出来る。また、ゲート絶縁層GI、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSのパターニングに関しても突起上で行えるため加工尤度が向上し、コモン電極CTと上部絶縁膜UPSは平面上で積層されているため熱応力がかかってもコモン電極CTと上部絶縁膜UPSの界面ではがれにくいという効果を奏する。また、あらかじめ突起を形成しておくため、有機パッシベーション膜INの加工が容易であるという効果も奏する。さらに、最初に基板上に半導体膜を形成する構成としたため、例えば多結晶シリコンを半導体層として用いる場合にはレーザ照射条件や処理温度等のプロセスの自由度が高まる効果を有する。
【0061】
本実施例では突起BKをインクジェット法によって形成したが、他の、例えば感光性材料のパターニング等によって形成してもよいのはもちろんである。インクジェット法等の印刷技術を用いれば、所望の位置に突起BKを配置するのに一回の工程で済むという利点があり、一方、感光性材料のパターニングには位置精度を出しやすいという利点がある。また、本実施例ではTFTの電極形成をフォトリソグラフィとウェットエッチングにより行っているが、これに代えて当業者に公知の印刷法により形成してもよい。
【実施例4】
【0062】
以下に本発明の別の構成による表示装置を説明する。表示装置の等価回路は実施例1と同様である。
図1に示す等価回路は画素部分を示しているが、ゲート信号線GL及び映像信号線DLはそれぞれの駆動回路に接続されている。本実施例では画素回路と駆動回路を同一基板上に形成している。
【0063】
図13は、駆動回路に含まれる薄膜トランジスタTFTの断面図である。ガラス基板SUBの上には、ガラス基板SUBに接するゲート電極GTを含む導電層が設けられる。その導電層の上にはゲート絶縁層GIが設けられる。また、ゲート絶縁層GI上には突起BKが設けられる。ゲート絶縁層GIの上面には離間してソース電極ST及びドレイン電極DTが配置される。ソース電極STからはソース配線SLが突起BK上に延在し、突起BK上で上部配線WIに接続されている。
【0064】
半導体膜SCはゲート絶縁層GIの上面に接し、かつゲート電極GTの上方に設けられ、離間しているソース電極ST及びドレイン電極DTの端部と重なるように配置される。さらに、薄膜トランジスタTFT及び突起BKを覆って無機パッシベーション膜PASが形成される。また、有機パッシベーション膜INは無機パッシベーション膜PAS上に薄膜トランジスタTFTを覆い、突起BKを埋め込んで形成されている。有機パッシベーション膜IN上には上部絶縁膜UPSが形成される。ソース配線SLは突起BK上の無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSに形成された接続孔CHにて上部配線WIに接続している。
【0065】
以下では上述の薄膜トランジスタTFTを製造する工程について説明する。
図14a〜
図14gは、
図13に示す薄膜トランジスタTFTの製造工程を示す断面図である。はじめの工程では、ガラス基板SUB上に厚さ350nmのAl層と厚さ100nmのMo層を順にスパッタし、フォトリソグラフィとウェットエッチングによりゲート電極GTを形成する。ゲート電極GTには、Al、Mo、W、Cu、Cu−Al合金、Al−Si合金、Mo−W合金などの低抵抗金属の単層、もしくはこれらの積層構造を用いてもよい。次の工程では、ゲート電極GTが形成されたガラス基板SUBの上に、ゲート絶縁膜GIを構成するシリコン窒化膜を成膜する(
図14a)。シリコン窒化膜はCVD装置を用いて成膜する。
【0066】
次の工程では、ゲート絶縁膜GIの上に感光性材料を塗布した後に、感光性材料の所望の領域に選択的に光を照射しその後現像することによりパターニングし、ゲート絶縁膜GIの上に所望の高さの突起BKを形成する(
図14b)。感光性材料には有機絶縁膜材、フォトスペーサ材、フォトレジストなどがあるが、要するに露光・現像により基板上の所望の領域に凸部を形成できればどのようなものでもよい。
【0067】
次の工程ではソース電極STおよびドレイン電極DTを形成するために、厚さ450nmのAlSiの層を成膜し、フォトリソグラフィおよびドライエッチングの処理を行いソース電極STおよびドレイン電極DTを形成する(
図14c)。上述の層を成膜する代わりに、Al、Cu−Al合金、Al−Si合金などのp型不純物を含む材料を成膜してもよい。
【0068】
このとき同時に、ソース配線SLもソース電極STより突起BK上まで延在して形成される。ソース配線SLは光を透過しないため開口率の観点からは配線幅を狭くするのが望ましい。続いてCVD装置を用いてアモルファスシリコン層を形成した後フォトリソグラフィにより所望の形状にエッチング加工して半導体層からなる半導体膜SCを形成する(
図14d)。この後熱処理を加えAlSiの層からAlを拡散させコンタクト層とする。
【0069】
次の工程では外部からの水分や不純物などの侵入を防ぐ無機パッシベーション膜PASを構成するシリコン窒化膜をCVD法を用いて成膜する(
図14e)。その後、有機パッシベーション膜INを塗布形成する(
図14f)。これは実施例1と同様である。
【0070】
次の工程では上部絶縁膜UPSを形成した後、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSをフォトリソグラフィおよびドライエッチングにより突起BK頂部において一括して加工して開口させソース配線SLを露出させる。次の工程では開口部でソース配線SLと接続するように例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングして上部配線WIを形成することにより、
図13に示す薄膜トランジスタTFTを含む表示装置ができる(
図14g)。本実施例で示したのは表示装置の周辺駆動回路を構成するp型トランジスタの一例である。
【0071】
以上に説明した構成により、実施例1同様、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSのパターニングに関しても突起上で行えるため加工尤度が向上する。また、あらかじめ突起を形成しておくため、有機パッシベーション膜INの加工が容易であるという効果も奏する。さらに、半導体層の形成が配線形成の後にできるため、半導体層のダメージコントロールに優位性がある。
【0072】
本実施例では突起BKを感光性材料のパターニングによって形成したが、他の、例えばインクジェット法等の印刷技術によって形成してもよいのはもちろんである。感光性材料のパターニングは位置精度を出しやすいという利点があり、一方、印刷技術を用いれば、所望の位置に突起BKを配置するのに一回の工程で済むという利点がある。また、本実施例ではTFTの電極形成をフォトリソグラフィとウェットエッチングにより行っているが、これに代えて当業者に公知の印刷法により形成してもよい。
【実施例5】
【0073】
以下に本発明の別の構成による表示装置を説明する。表示装置の等価回路は実施例1と同様である。
図15は、画素回路に含まれる薄膜トランジスタTFTの断面図である。ガラス基板SUBの上には、ガラス基板SUBからの不純物拡散の抑制と密着性向上の目的でバリア膜PRを設ける。さらに、バリア膜PRに接する半導体膜SCが設けられ、その半導体膜SCの上にはゲート絶縁層GIが設けられる。ゲート絶縁層GIの上に、平面的に半導体膜SCと重なるようにゲート電極GTが、ゲート電極GTを覆って層間絶縁膜GI2が設けられている。また、層間絶縁膜GI2上には突起BKが設けられる。
【0074】
層間絶縁膜GI2の上面には離間してソース電極ST及びドレイン電極DTが配置される。ソース電極ST及びドレイン電極DTは、ゲート絶縁層GIおよび層間絶縁膜GI2を貫通するスルーホールTHを介してそれぞれ半導体膜SCと接続している。ソース電極STからはソース配線SLが突起BK上に延在し、突起BK上で画素電極PXに接続されている。さらに、薄膜トランジスタTFT及び突起BK、ソース電極ST及びドレイン電極DT、ソース配線SLを覆って無機パッシベーション膜PASが形成される。また、有機パッシベーション膜INは無機パッシベーション膜PAS上に薄膜トランジスタTFTを覆い、突起BKを埋め込んで形成されている。有機パッシベーション膜IN上にはコモン電極CTが形成され、続いて上部絶縁膜UPSが形成される。ソース配線SLは突起BK上の無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSに形成された接続孔CHにて画素電極PXに接続している。
【0075】
以下では上述の薄膜トランジスタTFTを製造する工程について説明する。
図16a〜
図16hは、
図15に示す薄膜トランジスタTFTの製造工程を示す断面図である。はじめの工程では、ガラス基板SUB上に、密着性向上や不純物拡散の抑制などのために主にシリコンナイトライドからなるバリア膜PRをCVDにより形成した後、アモルファスシリコンをスパッタし、フォトリソグラフィとウェットエッチングによりアモルファスシリコン層を形成する。なお、
図16a〜
図16hにおいて、バリア膜PRは図示を省略している。その後該アモルファスシリコン層にレーザ照射を行い結晶化させ多結晶化させた半導体膜SCを形成する(
図16a)。
【0076】
次の工程では、半導体膜SCが形成されたガラス基板SUBの上に、ゲート絶縁層GIを構成するシリコン酸化膜を成膜する。シリコン酸化膜はプラズマCVD装置を用いて成膜している。その後、W層をスパッタし、フォトリソグラフィとエッチングによりゲート電極GTを形成する(
図16b)。ゲート電極GTには、Al、Mo、W、Cu、Cu−Al合金、Al−Si合金、Mo−W合金などの低抵抗金属の単層、もしくはこれらの積層構造を用いてもよい。
【0077】
次の工程では層間絶縁膜GI2を構成するシリコン酸化膜をCVD法を用いて成膜する(
図16c)。その後、層間絶縁膜GI2上にインクジェット法により突起BKを形成する(
図16d)。インクジェット法によりガラス基板SUB上に着弾したインクは光照射ないし加熱等の硬化過程を経て突起BKを形成する。突起BKは硬化後に絶縁性の材料であればどのようなものでもよいが、開口率確保の観点からは光の透過率の高い材料が望ましい。さらに、ゲート絶縁層GI及び層間絶縁膜GI2をフォトリソグラフィ及びエッチングにより層間絶縁膜GI2表面から半導体膜SCまで貫通するスルーホールTHを形成する(
図16e)。
【0078】
次の工程ではソース電極STおよびドレイン電極DTを形成するために、CVD法を用いてWの層を成膜し、フォトリソグラフィおよびドライエッチングの処理を行いソース電極STおよびドレイン電極DTを形成する(
図16f)。このとき同時にスルーホールTH部の穴埋めも行われ、ソース電極STおよびドレイン電極DTと半導体膜SCとの接続がとられる。また、Wの層を成膜した後、配線部の抵抗を抑制する目的で例えばAl、Cu−Al合金、Al−Si合金などの材料を成膜して積層化してもよい。
このとき同時に、ソース配線SLもソース電極STより突起BK上まで延在して形成される。ソース配線SLは光を透過しないため開口率の観点からは配線幅を狭くするのが望ましい。次の工程では外部からの水分や不純物などの侵入を防ぐ無機パッシベーション膜PASを構成するシリコン窒化膜をCVD法を用いて成膜する。その後、有機パッシベーション膜INを塗布形成する(
図16g)。これは実施例1と同様である。
【0079】
次の工程ではさらに例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングしてコモン電極CTを形成した後上部絶縁膜UPSを形成する。コモン電極CTは平面的に見た場合、突起BKの近傍では窓Wが開くようにパターニングされる。さらに、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSをフォトリソグラフィおよびドライエッチングにより突起BK頂部において一括して加工して開口させソース配線SLを露出させる。続いて接続孔CHでソース配線SLと接続するように例えばITOなどの透明導電膜を成膜、パターニングして画素電極PXを形成することにより、
図11に示す薄膜トランジスタTFTを含む表示装置ができる(
図16h)。
【0080】
以上に説明した構成により、実施例1同様、ソース配線SLの幅が狭くでき、開口率の向上に寄与する。また、ゲート絶縁層GI、無機パッシベーション膜PAS及び上部絶縁膜UPSのパターニングに関しても突起上で行えるため加工尤度が向上し、コモン電極CTと上部絶縁膜UPSは平面上で積層されているため熱応力がかかってもコモン電極CTと上部絶縁膜UPSの界面ではがれにくいという効果を奏する。また、あらかじめ突起を形成しておくため、有機パッシベーション膜INの加工が容易であるという効果も奏する。
【0081】
さらに、最初に基板上に半導体膜を形成する構成としたため、例えば多結晶シリコンを半導体層として用いる場合にはレーザ照射条件や処理温度等のプロセスの自由度が高まる効果を有する。また、半導体層をゲート絶縁膜で保護した後に突起形成、配線形成するため半導体層のダメージコントロールに優位性がある。
【0082】
本実施例では突起BKをインクジェット法によって形成したが、他の、例えば感光性材料のパターニング等によって形成してもよいのはもちろんである。インクジェット法等の印刷技術を用いれば、所望の位置に突起BKを配置するのに一回の工程で済むという利点があり、一方、感光性材料のパターニングには位置精度を出しやすいという利点がある。本実施例ではTFTの電極形成をフォトリソグラフィとウェットエッチングにより行っているが、これに代えて当業者に公知の印刷法により形成してもよい。
【0083】
以上の説明において、実施例1乃至3および5は、画素内におけるTFTを含む本発明の構成について説明し、実施例4は、駆動回路内のTFTを含む本発明の構成について説明した。しかし、実施例1乃至5は、いずれも画素内の構成としても周辺駆動回路の構成としても使用することは可能である。
【0084】
なお、本発明の実施形態を上記複数の実施例では液晶表示装置として説明しているが、これに限定されることはなく、同様の絶縁層や導電層の積層構造を有していれば、たとえば有機/無機EL(Electro Luminescence)素子等の他の表示装置、あるいは太陽電池、メモリ、電力制御用半導体等の半導体装置にも適用できることはいうまでもない。