【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔販売した場所〕 南甲府駅(山梨県甲府市南口町1−36) 〔販売日〕 平成27年(2015年)11月24日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る鉄道車両と除雪装置との着脱構造の好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。
【0015】
先ず、鉄道用除雪車としての構成を説明すると、
図1〜
図4に示すように、レール1上を前後の車輪2,3により走行する軌道車両4は、回動自在な車輪2,3を支持するフレーム状の台枠5を有し、この台枠5の上部に運転室6及び機関室7が配設される。台枠5の一端側におけるロータリ除雪装置連結部8には、ロータリ除雪装置9が着脱可能に連結されると共に、台枠5の他端側におけるスノープラウ連結部10には、スノープラウ11が着脱可能に連結される。
【0016】
前記機関室7の内部には、通常時における軌道車両4の走行用動力源となる主ディーゼ
ルエンジン12と、この主ディーゼルエンジン12に連結するパワーシフトトランスミッション13が、台枠5に支持された状態で並設される。主ディーゼルエンジン12の動力はパワーシフトトランスミッション13に伝達され、除雪装置9を動作させない通常の回送時に、パワーシフトトランスミッション13は主ディーゼルエンジン12から伝達された動力を、台枠5の下方に設けた走行用前推進軸14および終減速機15を介して、前方の車輪2へと伝達すると共に、同じく台枠5の下方に設けた別な走行用後推進軸16および終減速機17を介して、後方の車輪3へと伝達する構成となっている。ここでは、パワーシフトトランスミッション13の出力軸18に、プロペラシャフトにより構成される走行用前推進軸14および走行用後推進軸16の基端部が連結する。また、終減速機15,17は所定の減速比を得るのに常時噛合い方式のかさ歯車により構成され、走行用前推進軸14の先端部に連結された終減速機15に車輪2が取り付けられる一方で、走行用後推進軸16の先端部に連結された終減速機17に車輪3が取り付けられる。
【0017】
台枠5はさらに、主ディーゼルエンジン12が故障した際の非常時の走行用動力源として、減速機付の補助電動モータ21を並設しており、補助電動モータ21の回転軸はパワーシフトトランスミッション13に連結され、補助電動モータ21の動力をパワーシフトトランスミッション13に直接伝達する構成となっている。ここでの補助電動モータ21は、軌道車両4単独での単車時には3.0km/h程度の、またロータリ除雪装置9やスノープラウ11の牽引時には1.5km/h程度の微速度で、連続運転可能な能力を有する小型モータであればよく、例えば5.5kWのサイクロ(登録商標)減速機付のインバーターモータなどが用いられる。
【0018】
前記パワーシフトトランスミッション13は、トルクコンバータ部とトランスミッション部の一体構造品で構成され、運転室6内に設置した計器操作盤(図示せず)からの操作に応じて、主ディーゼルエンジン12と補助電動モータ21からの動力を個別に断続して、主ディーゼルエンジン12からの動力と、補助電動モータ21からの動力の何れか一方を、パワーシフトトランスミッション13の出力軸18から走行用前推進軸14および走行用後推進軸16に伝達するクラッチ22としての機能を備えている。このように本実施形態では、補助電動モータ21から出力軸18への動力が、クラッチ22により主ディーゼルエンジン12から出力軸18への動力と切替可能になっており、補助電動モータ21は台枠5の他端側に設けたエンジン発電機23から電源供給される。エンジン発電機23は、非常時に軌道車両4を走行させるための電源として、主ディーゼルエンジン12とは別に独立して使用され、本実施形態では台枠5の下部に配置される主ディーゼルエンジン12用の燃料タンク24とは別に、エンジン発電機23用の燃料タンク(図示せず)を備えて構成される。
【0019】
31は、パワーシフトトランスミッション13のクラッチ32に連結されるピストンポンプなどの油圧ポンプである。ここでのクラッチ32は、主ディーゼルエンジン12から油圧ポンプ31への動力の伝達を断続可能にするPTOクラッチなどで構成される。油圧ポンプ31は、ピストンモータなどの油圧モータ33と組み合わせて油圧機構35を構成しており、クラッチ32を繋いで主ディーゼルエンジン12から油圧ポンプ31へ動力が伝達する状態で、油圧ポンプ31からの油圧により油圧モータ33の出力軸36を回転させて、軌道車両4に装着されたロータリ除雪装置9を駆動する。また台枠5の下部中央には、油圧ポンプ31からの油圧を利用して、軌道車両4を持ち上げて回転させる転車台38を備えている。
【0020】
そして本実施形態では、何れも図示しないが、主ディーゼルエンジン12を始動または停止させるための機関始動キーや、エンジン発電機23から補助電動モータ21への電源供給を許可または停止させるためのモータ走行キーや、パワーシフトトランスミッション13の出力軸18への動力源を、主ディーゼルエンジン12または補助電動モータ21の
何れかにするために、クラッチ22を動作させるモータクラッチスイッチや、補助電源モータ21の回転軸に対して、パワーシフトトランスミッション13の出力軸18を正方向または逆方向に回転させる方向スイッチや、主ディーゼルエンジン12の回転軸に対して、パワーシフトトランスミッション13の出力軸18を正方向または逆方向に回転させる逆転操作スイッチや、クラッチ32を連結または切り離すためのPTOスイッチや、油圧ポンプ31からの油圧を転車台38のみならず油圧モータ33にも作用させて、油圧装置であるロータリ除雪装置9の作動を許可するための除雪スイッチなどが、手動操作可能な操作部として前記計器操作盤に各々配設される。
【0021】
その他、軌道車両4には、パワーシフトトランスミッション13に各々取付けられる1・2速電磁弁41、前進電磁弁42および後進電磁弁43や、主ディーゼルエンジン12に隣接する冷却装置44や、油圧機構35の作動油を貯留する作動油タンク45などが配設される。冷却装置44は、主ディーゼルエンジン12の冷却水用およびインタークーラー用として、またパワーシフトトランスミッション13のオイルクーラー用として、機関室7の内部に設置される。なお、パワーシフトトランスミッション13に設けられる油圧ポンプ31と、台枠5のロータリ除雪装置9側に設けられる油圧モータ33との間には、油圧機構35として作動液を流通させる油圧ホース(図示せず)が接続される。また
図3は、除雪装置であるロータリ除雪装置9やプラウ11を装着していない状態を示している。
【0022】
次に、ロータリ除雪装置9とその周辺の着脱構造に係る構成について、
図5〜
図10を参照して説明する。ロータリ除雪装置9は、ブロワ(図示せず)を内蔵する装置本体51の一側にフード状のカッターケース52を取付け、装置本体51の他側に伸縮自在な複数のアームを組み合わせた昇降リンク53を取付け、さらに装置本体51の上部に投雪筒となるシュート54を取付けて構成される。カッターケース52にはオーガとなるカッター55が回動自在に設けられ、ロータリ除雪装置9の動作時に、回転するカッター55の中央部に導かれて粉浄化した雪をブロワに吸引し、そこからシュート54を通してロータリ除雪装置9の側方に吹き出す構成となっている。
【0023】
また、軌道車両4側からロータリ除雪装置9のカッター55に回転力を与えるために、カッター55にはプロペラシャフトによる伸縮可能な除雪装置駆動推進軸56が機械的に接続される。除雪装置駆動推進軸56の先端部は、軌道車両4に取付けた油圧モータ33の出力軸36に着脱可能に設けられ、除雪装置駆動推進軸56の先端部を出力軸36と連結することで、油圧モータ33の動作時にカッター55の回転駆動が可能となる。本実施形態では、前記油圧機構35で生じる油圧を利用して、昇降リンク53の伸縮ひいてはロータリ除雪装置9の昇降および傾斜や、シュート54の回転や、シュート54の上部に取り付けたフラップ57の傾斜を可能にするために、軌道車両4とロータリ除雪装置9との間に、作動油を流通させる複数の油圧ホース58(
図11などを参照)が接続される。なお前記
図1では、除雪作業時におけるロータリ除雪装置9の降下位置を実線で示し、格納時や回送時におけるロータリ除雪装置9の上昇位置を破線で示しており、双方の位置関係を明確にするために、除雪装置駆動推進軸56を意図的に省略してある。
【0024】
昇降リンク53は、装置本体51の他側に取付け固定された基部61と、軌道車両4のロータリ除雪装置連結部8に着脱可能に連結される先端部62と、基部61と先端部62との間に設けられるアーム部63とにより構成される。アーム部63は、伸縮しない上支持アーム64および下支持アーム65と、伸縮する左右一対の伸縮アーム66と、下支持アーム
65に取付け固定されたプレート67とにより構成される。上支持アーム64および下支持アーム65の各基端は基部61に回動自在に連結する一方で、上支持アーム64および下支持アーム65の各先端は先端部62に回動自在に連結する。また伸縮アーム66の基端は先端部62に回動自在に連結し、伸縮アーム66の先端はプレート67に回動
自在に連結する。
【0025】
この中の伸縮アーム66は、油圧機構35で生じる油圧を利用して伸縮するもので、ロータリ除雪装置9を軌道車両4に装着した状態から、
図6に示すように伸縮アーム66を油圧力で伸張すると、プレート67と一体の下支持アーム
65の基端が先端よりも下方に位置するようになり、昇降リンク53の基部61も先端部62に対して下方に移動して、ロータリ除雪装置9がレール1に近付く方向に降下する。冬季にはこの位置でロータリ除雪装置9を動作させて、除雪作業を行なうことが可能になる。一方、
図7に示すように伸縮アーム66を油圧力で収縮すると、下支持アーム
65の基端が先端よりも上方に位置するようになり、昇降リンク53の基部61が先端部62に対して上方に移動して、ロータリ除雪装置9がレール1から離れる方向に上昇する。そのため、軌道車両4の一端側でロータリ除雪装置9を格納して、ロータリ除雪装置9を含む軌道車両4をレール1上に回送させることができる。なお、フラップ57を含むシュート54は、装置本体1の上部に回動自在に取付けられており、
図6に示す除雪作業時にはシュート54が起立状態となり、
図7に示す回送時にはシュート54が横倒し状態となる。
【0026】
次いで、ロータリ除雪装置連結部8の詳細構成を説明すると、71は軌道車両4への昇降リンク53の着脱を可能にする左右のブラケットである。このブラケット71は、連結装置72(
図3を参照)を取り外した状態のロータリ除雪装置連結部8に、複数のボルト73を利用して取付け固定される。また74は、軌道車両4とロータリ除雪装置9との間に油圧ホース58を連結するための油圧カプラである。
【0027】
図9や
図10において、76は軌道車両4にロータリ除雪装置9を装着または取り外す作業の際に、ロータリ除雪装置9をその上に載置する車輪付きの台車である。台車76は、ロータリ除雪装置9を除雪作業時と同じ直立状態で載置可能にする枠体77に、レール1上に接する第1車輪78と、レール1以外の地面Gに接する第2車輪79とを備えて構成される。第1車輪78と第2車輪79は何れも回動自在で、枠体77の底部の前後左右に各々配置されるが、特に第1車輪78は、枠体77をレール1上にロータリ除雪装置9を載せて移動させる車輪である。一方、第2車輪79の下端は第1車輪78の下端よりも下方に位置しており、第1車輪78を地面Gから浮かせた状態で、第2車輪79を接地できるようになっている。そのため、この第2車輪79を利用して、ロータリ除雪装置9を載せた台車76を、レール1以外の場所に移送させることができる。
【0028】
ロータリ除雪装置9には、装置本体51の底部に回動自在な車輪80を備えている。この車輪80は樹脂製で、装置本体51に対してレール1間の幅である軌間Lの方向にスライドできる構造を有している。除雪作業中は、ロータリ除雪装置9の下部とレール1との間隔が定められた寸法以下になると、ロータリ除雪装置9の損傷や、地上の電気設備・踏切などの通過で支障をきたすため、車輪80が前記間隔を一定に保つ役割をする。車輪80を軌間Lの方向にスライド可能にするのは、除雪作業中に曲線のレール1上を通過したり、ポイントを渡ったりするときに、軌道車両4の前方にロータリ除雪装置9を装着しているために、軌道車両4とレール1が異なる方向になって車輪80が脱線するのを防ぐためである。また、車輪80を樹脂製にするのは、軌道短絡事故の防止と、踏切の異常動作を起こさないようにするためである。
【0029】
ロータリ除雪装置9側において、前記昇降リンク53の先端部62には、逆L字状の爪81が突出して一体的に設けられる。これに対向して、軌道車両4側のブラケット71には、爪81と係合が可能で、且つ爪81から離脱が可能な爪受け部82が一体的に設けられる。爪受け部82は上部を開放した鉤状のフックとして構成され、ロータリ除雪装置9を台車76に載せた状態で、昇降リンク53を動作させて先端部62を降下させたときに、爪受け部82の上部から爪81が入り込んで、爪81と爪受け部82が係合し、軌道車
両4にロータリ除雪装置9が装着される。逆に、昇降リンク53を動作させて先端部62を上昇させたときには、爪受け部82の上部から爪81が出てきて、爪81と爪受け部82との係合が解除され、軌道車両4からロータリ除雪装置9が取り外される。
【0030】
以上の構成から、鉄道車両4に対するロータリ除雪装置9の着脱作業の手順を説明する。最初に、夏季から冬季への移行作業として、ロータリ除雪装置9の装着時の手順を説明すると、予め軌道車両4側でロータリ除雪装置連結部8から連結装置72を取り外し、代わりにボルト73を用いて左右のブラケット71を取り付ける。また、運転室6の内部に除雪操作盤を接続しておく。そして、レール1上に第1車輪79を載せた状態で、ロータリ除雪装置9が搭載される台車76を鉄道車両4のロータリ除雪装置連結部8側に近付け、鉄道車両4とロータリ除雪装置9との間で作動油が流通するように、油圧カプラ74の全8箇所に油圧ホース58を連結する。
図11は、ロータリ除雪装置9からの油圧ホース58を油圧カプラ74に接続した状態を示している。
【0031】
その後、運転室6の内部で機関始動キーを操作して、主ディーゼルエンジン12を始動させ、モータクラッチスイッチの位置を「切」から「入」に切替えて、主ディーゼルエンジン12の回転軸とパワーシフトトランスミッション13の出力軸18との間を、クラッチ22により機械的に切り離す。ここでPTOスイッチをオフからオンに切替操作すると、クラッチ32が繋がって、主ディーゼルエンジン12から油圧ポンプ31へ動力が伝達し、油圧ポンプ31が作動する。さらにPTOスイッチをオンにして、除雪スイッチをオフからオンに切替操作すると、油圧ポンプ31からの油圧が転車台38のみならず油圧モータ33にも作用し、主ディーゼルエンジン12を動力とした油圧機構35によるロータリ除雪装置9の各部の作動が可能になる。
【0032】
この状態では、昇降リンク53の動作により先端部62を持ち上げながら、ロータリ除雪装置9側の爪81を軌道車両4側の爪受け部82に掛け合わせる。具体的には、
図12に示すように、除雪取付操作盤(図示せず)の「下」ボタンを押し続けて、昇降リンク53の先端部62を油圧ポンプ31からの油圧で持ち上げた状態で、台車76を軌道車両4側に押動させ、ロータリ除雪装置連結部8の左右両側で、爪81が爪受け部82の上方に近付くように位置を合わせる。次に「下」ボタンを離すと、先端部62が自重で下がり、爪81が爪受け部82の上部から入り込んで爪受け部82に係合する。この場合、
図13に示すように、爪81が爪受け部82に完全に係るのを、爪受け部82の上部から目視で確認できる。
【0033】
こうして、左右両側の爪81が爪受け部82に完全に係ったのを確認したら、図示しないボルトを締め付けて昇降リンク53の先端部62をロータリ除雪装置連結部8に取付け固定し、除雪装置駆動推進軸56を軌道車両4側の出力軸36に連結する。その後、除雪取付操作盤の「上」ボタンを押し続けると、油圧ポンプ31からの油圧で昇降リンク53が動作し、軌道車両4の端部でロータリ除雪装置9が台車76から浮き上がる。これにより台車76を引き抜いて、作業を終了することができる。
【0034】
次に、冬季から夏季への移行作業として、ロータリ除雪装置9の取り外し時の手順を説明する。ここでは先ず、主ディーゼルエンジン12を始動させ、モータクラッチスイッチの位置を「切」から「入」に切替えた後、PTOスイッチをオフからオンに切替操作し、さらに除雪スイッチをオフからオンに切替操作する。これにより、主ディーゼルエンジン12を動力とした油圧機構35によるロータリ除雪装置9の各部の作動が可能になる。
【0035】
その後、ロータリ除雪装置9の下方に台車76を移動させ、除雪取付操作盤の「下」ボタンを押し続けて、軌道車両4の端部でロータリ除雪装置9を降下させ、台車76の枠体77上に確実にセットする。そして、軌道車両4側の出力軸36から除雪装置駆動推進軸
56を取り外し、ボルトを外して昇降リンク53の先端部62とロータリ除雪装置連結部8との固定を解除した状態にする。
【0036】
この状態では、昇降リンク53の動作により先端部62を持ち上げながら、軌道車両4側の爪受け部82からロータリ除雪装置9側の爪81を外す。具体的には、前述の
図13に示す爪81をセットした状態から、除雪取付操作盤の「下」ボタンを押し続けて、昇降リンク53の先端部62を持ち上げる。すると、爪受け部82の上部から爪81が抜け出して、双方の係合が解除される。ここですぐに軌道車両4から離れる方向に、レール1上の台車76を移動させると、爪受け部82から爪81を外すことができる。前述のように「下」ボタンを離すと、先端部62が自重で下がるので、昇降リンク53が他の部材と干渉しないように気を付けながら、先端部62の降下が停止するのを待つ。
【0037】
先端部62の動きが完全に停止したら、油圧カプラ74の全8箇所から油圧ホース58を外し、PTOスイッチや除雪スイッチをオンからオフに切替操作した後、ボルト73を緩めてロータリ除雪装置連結部8から左右のブラケット71を取り外し、代わりに連結装置72を取り付ける。また、台車76に載せた状態のロータリ除雪装置9単体は、第1車輪79を利用してレール1上を、さらに第2車輪80を利用して地面G上を保管場所に向けて移動し、作業を終了することができる。
【0038】
そして、ロータリ除雪装置9やスノープラウ11を使用しない通常の回送時には、エンジン発電機23を始動させることなく、主ディーゼルエンジン12を始動させる。次に、主ディーゼルエンジン12による鉄道用除雪車の走行を可能にするために、モータクラッチスイッチが「切」の位置にあって、クラッチ22により主ディーゼルエンジン12の回転軸とパワーシフトトランスミッション13の出力軸18との間が連結していることを確認した後、別な逆転操作スイッチを適宜操作すると、主ディーゼルエンジン12からの動力で出力軸18が正方向または逆方向に回転して、レール1上を鉄道用除雪車が前進または後進する。この主ディーゼルエンジン12によるエンジン走行では、後述する補助電動モータ21によるモータ走行よりも高速で、軌道車両4単体若しくは除雪装置を牽引する軌道車両4を走行させることができる。さらに、前述した油圧機構35によるロータリ除雪装置9の各部の作動が可能な状態で、除雪取付操作盤の「上」ボタンを押動操作すれば、レール1から離れた位置にロータリ除雪装置9を上昇保持させることができる。
【0039】
一方、ロータリ除雪装置9やスノープラウ11を使用する除雪作業時には、通常時と同様に主ディーゼルエンジン12を始動させた後に、エンジン発電機23を始動させ、モータ走行キーを「無効」から「有効」側に切替えると、エンジン発電機23から補助電動モータ21への電源供給を許可する状態となる。ここで、モータクラッチスイッチの位置を「切」から「入」に切替えると、クラッチ22により補助電動モータ21の回転軸とパワーシフトトランスミッション13の出力軸18との間が連結し、補助電動モータ21によるモータ走行が可能になる。この状態から別な方向スイッチを適宜操作すると、補助電動モータ21からの動力で出力軸18が正方向または逆方向に回転して、レール1上を鉄道用除雪車が前進または後進する。補助電動モータ21の出力は主ディーゼルエンジン12の出力よりも小さく、軌道車両4単体若しくは除雪装置を牽引する軌道車両4を一定の微速度で走行させることができる。
【0040】
また、モータクラッチスイッチが「入」の位置に切替わると、主ディーゼルエンン12の回転軸とパワーシフトトランスミッション13の出力軸18との間は、クラッチ22により機械的に切り離される。ここでPTOスイッチをオフからオンに切替操作し、さらにPTOスイッチをオンにして、除雪スイッチをオフからオンに切替操作すると、前述のように主ディーゼルエンジン12を動力とした油圧機構35によるロータリ除雪装置9の作動が可能になる。
【0041】
除雪作業時には、運転室6の内部に接続した除雪操作盤(図示せず)を利用して、手動操作によりロータリ除雪装置9の各部を油圧で動作させる。これにより、除雪操作盤に設けた回転スイッチをオフからオンに切替え操作すると、主ディーゼルエンジン12の回転数に応じた回転速度で、ロータリ除雪装置9のカッター55を回転動作させることができる。
【0042】
こうして、除雪作業時には補助電動モータ21により軌道車両4を一定な微速度で走行させると共に、主ディーゼルエンジン12の動力により油圧機構35を介してロータリ除雪装置9のカッター55を高トルクで駆動させる。カッター55の回転速度は、主ディーゼルエンジン12の回転数を可変して制御することができる。
【0043】
さらに、補助電動モータ21によるモータ走行は、除雪作業時のみならず、主ディーゼルエンジン12が故障した非常時にも利用できる。この場合も、故障した軌道車両4単体若しくは除雪装置を牽引する軌道車両4を、一定の微速度で走行させることができる。
【0044】
以上のように、通常時のエンジン走行における動力は、走行用ディーゼルエンジン12→パワーシフトトランスミッション13→走行用推進軸14,16→終減速機15,17→車軸2,3へ伝達され、非常時のモータ走行における動力は、補助電動モータ21→パワーシフトトランスミッション13→走行用推進軸14,16→終減速機15,17→車軸2,3へ伝達される。また、除雪作業時には、上述したモータ走行における動力に加えて、主ディーゼルエンジン12からの動力を利用して、主ディーゼルエンジン12→パワーシフトトランスミッション13→油圧機構35→除雪装置駆動推進軸56→ロータリ除雪装置9へと伝達される。
【0045】
以上のように上記実施形態では、軌道となるレール1上を走行可能な構造の鉄道車両としての軌道車両4と、この軌道車両4の端部に設けられる除雪装置としてのロータリ除雪装置9との着脱構造であって、ロータリ除雪装置9は昇降リンク53を備え、当該昇降リンク53を介して軌道車両4の端部に昇降可能に連結される。そしてここでは、ロータリ除雪装置9を載置可能な載置台としての台車76と、軌道車両4に設けられ、台車76にロータリ除雪装置9を載置した状態で、昇降リンク53の先端可動部となる先端部62を昇降動作させることで、先端部62の爪81と係脱可能な受け部としての爪受け部82とを備えている。
【0046】
つまり、ロータリ除雪装置9を台車76に載置することなく、昇降リンク53を介してロータリ除雪装置9を軌道車両4の端部に装着した状態では、昇降リンク53を動作させることで、ロータリ除雪装置9を作業位置に降下させて除雪作業を行なったり、ロータリ除雪装置9を格納位置に上昇させて軌道車両4の回送を行なったりすることができる。その一方で、ロータリ除雪装置9の自重を支えるようにロータリ除雪装置9を台車76に載置すると、昇降リンクの先端可動部が昇降動作するのを利用して、軌道車両4に設けた爪受け部82に昇降リンク53の先端部62と一体の爪81を係脱させることができる。したがって、クレーンのような大掛かりな作業車ではなく、ロータリ除雪装置9を載置できる程度の簡素な台車76を用いるだけで、軌道車両4に対するロータリ除雪装置9の着脱作業を簡単且つ安全に行なうことができる。
【0047】
また本実施形態では、爪受け部82がその上部を開放した鉤状のフックで構成される。つまり、爪受け部82として開放したフックの上部に昇降リンク53の先端部62に設けた爪81を出し入れすることで、その先端部62の爪81がフックに係脱するのを確実に確認できる。
【0048】
さらに本実施形態では、載置台が車輪付きの台車76で構成され、この車輪は、レール1上に接する第1車輪78と、第1車輪78とは別に地面Gに接する第2車輪79とにより構成される。
【0049】
この場合、軌道車両4から取り外したロータリ除雪装置9単体を台車76に載せた状態で、第1車輪78によりレール1上に移動させ、また別な第2車輪79でレール1以外の地面G上にも移動させることができる。そのため、軌道車両4の端部と任意の保管場所との間で、車輪付きの台車76を利用してロータリ除雪装置9を簡単に搬送できる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば本発明は、ロータリ除雪装置9以外の各種除雪装置にも適用可能である。
【解決手段】レール上を走行する軌道車両4と、この軌道車両4の端部に設けられるロータリ除雪装置9との着脱構造である。ロータリ除雪装置9は昇降リンク53を備え、当該昇降リンク53を介して軌道車両4の端部に昇降可能に連結される。またここでは、ロータリ除雪装置9を載置可能な台車と、軌道車両4に設けられ、台車にロータリ除雪装置9を載置した状態で、昇降リンク53の先端可動部となる先端部62を昇降動作させることで、先端部62の爪81と係脱可能な受け部としての爪受け部82とを備えている。