(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて、本発明の第1実施形態に係る成型容器(冷菓材用容器)について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る成型容器(冷菓材用容器)10を上方から見た外観斜視図であり、
図2は、
図1におけるA−A線に沿う側断面図である。なお、
図1においては、説明の都合上、外蓋16の図示を省略している。
【0020】
この成型容器10は、アイスクリームやシャーベットなどの冷菓材用の容器であって、冷菓材が収容可能な円筒形状の本体12と、この本体12の内側空間に一部が収容され、本体12の上部に嵌め込まれる逆円錐形状の内蓋14と、本体12と内蓋14の上部に嵌め込まれる外蓋16と、を有して構成されている。なお、本例の成型容器10は外蓋16を備えているが、本発明に係る成形容器は、外蓋16を備えていなくてもよいし、外蓋16に代えて、本体12や内蓋14の上方を塞ぐことが可能なシールを備えていてもよい。
【0022】
次に、本体12について説明する。本体12は、薄肉の円筒形状で半透明(又は透明)の部材である。また、本体12の一端側(上側)は開口され、他端側(下側)には底部12aが形成されており、本体12の内側空間12bには、アイスクリームやシャーベットなどの冷菓材18(
図4(b)参照)が収容可能である。本例では本体12を半透明の部材としているため、内部に収容する冷菓材の状態を目視で容易に確認することができる。なお、本体12の色は、半透明又は透明に限らず、着色されていてもよい。収容される冷菓材18に遮光が必要な場合は、本体12を着色するとよい。
【0023】
なお、本体12は、冷菓材が収容できる程度の大きさと形状を備えていればよく、本体12の大きさ,形状,または材質は特に限定されない。したがって、本体12の形状は、例えば、角筒形状や円錐形状であってもよい。また、本体12の材質は、例えば、プラスティック、金属、紙、可食容器(例えば、モナカ、コーン)などを用途に応じて採用することができる。また、本体12に収容する冷菓材としては、アイスクリームやシャーベットのほかに、ゼリー、プリン、シャーベット、かき氷などが挙げられる。なお、本体12は、冷凍温度下でも割れにくい素材を使用することが好ましい。
【0025】
次に、内蓋14について説明する。内蓋14は、白色で薄肉の逆円錐形状であり、一端側(上側)から他端側(下側)に向かって徐々に外径が小さくなる先細り形状である。内蓋14の一端側(上側)は開口され、他端側(下側)には底部14aが形成されており、内蓋14の逆円錐形状の内側空間14bには、果肉、果実、焼き菓子などの菓子素材等やソース等が収容可能である。なお、内蓋14の色は白色に限らない。
【0026】
なお、内蓋14は、本体12に収容された冷菓材を成型可能なものであればよく、内蓋14の大きさ,形状,または材質は特に限定されない。したがって、内蓋14の形状は、例えば、円筒形状であってもよい。また、内蓋14の材質は、例えば、プラスティック、金属、紙、可食容器(例えば、モナカ、コーン)などを用途に応じて採用することができる。
【0027】
図3は、
図2において符号Bで示す範囲を拡大して示す部分拡大図である。内蓋14の外面14cには、一端側(上側)から他端側(下側)に向かって螺旋状の段差が形成されている。
【0028】
本例では、段差の幅Hを、一端側(上側)から他端側(下側)までの領域内で略一定(本例では約2mm)にしているとともに、水平線Lを基準とした段差の傾斜角度αも、一端側(上側)から他端側(下側)までの領域内で略一定(本例では約20度)としている。
【0029】
なお、段差の幅や傾斜角度は、本例に限定されるものではなく、例えば、段差の幅Hを、一端側(上側)から他端側(下側)にかけて徐々に狭めてもよい。また、段差の傾斜角度αを20度以外の角度に設定してもよい。
【0030】
また、内蓋14の上側端部には、全周に亘って外側に突出形成された把持部14dが設けられている。この把持部14dは、内蓋14を本体12に嵌め込む際や、内蓋14を回転させながら冷菓材から引き離す際に利用者が指を掛ける部位である。なお、把持部14dの形状は特に限定されず、例えば、利用者が指を掛けやすいように、把持部14dの1カ所または複数箇所に凹部や凸部を形成してもよい。
【0032】
次に、
図4を用いて成型容器10の使用方法について説明する。
図4(a)は成型容器10に冷菓材18を収容する前の様子を写した写真であり、
図4(b)は成型容器10によって冷菓材18を成型した後の様子を写した写真である。
【0033】
アイスクリームやシャーベットなどの冷菓材18を成型する際には、最初に、本体12から外蓋16と内蓋14を外し、本体12の内側空間に凍結前の冷菓材18を収容する。次に、内蓋14を本体12に嵌め込んで、冷菓材18を内蓋14の外面14cに十分に密着させた後、内蓋14を嵌め込んだ状態の本体12を冷凍庫などに収容して冷菓材18を凍結させる。
【0034】
冷菓材18が凍結したら、内蓋14の把持部14dに指を掛けて、内蓋14を、冷菓材18の表面に形成された螺旋状の段差に沿って回転させながら上方に引き抜く。これにより、冷菓材18には、内蓋14の外面と相補的形状を有する窪み(飲料充填スペース)が成型される。
【0035】
このようにして成型された冷菓材18の窪みに、コーヒー、ジュース、アルコールなどの飲料を注ぎ込めば、飲料は、凍結した冷菓材18に冷却されて氷状に変化するとともに、冷菓材18の一部と混ざりあって、フローズン飲料となる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態に係る成型容器(例えば、成型容器10)は、冷菓材を収容することが可能な本体(例えば、本体12)と、前記本体に収容された前記冷菓材の少なくとも一部を成型することが可能な蓋体(例えば、内蓋14)と、を備えた成型容器であって、前記蓋体の外面には、螺旋状の段差が形成されている、ことを特徴とする成型容器である。
【0037】
本実施形態に係る成型容器10によれば、蓋体(内蓋14)の外面に段差を形成しているため、成型する冷菓材の表面に、蓋体の段差と相補的形状を有する段差を形成することができる。このため、成型した冷菓材に、コーヒー、ジュース、アルコールなどの飲料を注ぎ込んだ場合に、段差が無い場合と比べ、飲料との接触面積を大きくすることができ、飲料を素早くフローズン飲料に変化させることができる。
【0038】
また、冷菓材を成型する際に、蓋体が冷菓材に強固に密着してしまうことを防止することができ、段差が無い場合と比べ、蓋体を冷菓材からスムーズに引き抜くことができ、例えば、成型容器を使ってフローズン飲料を客に提供するような場合に、フローズン飲料を迅速に提供することができる。
【0039】
また、蓋体の外面に形成する段差を螺旋状にしているため、冷菓材の表面に形成された螺旋状の段差に沿って蓋体を回転させることにより、蓋体を冷菓材からスムーズに引き抜くことができる。このため、蓋体を引き抜く際に冷菓材の一部を傷つけてしまい、冷菓材に注ぎ込んだ液体を十分に冷やすことができないといった従来の問題点や、蓋体を引き抜く際に蓋体の形状が崩れてしまい、蓋体の再利用が困難になってしまうといった従来の問題点などを解消することができる。
【0040】
また、前記蓋体の一方側端部に、前記蓋体を回転させるための把持部(例えば、把持部14d)を設けてもよい。
【0041】
このような構成とすれば、蓋体を容易に回転させることができ、蓋体を冷菓材からより一層、スムーズに引き抜くことができる。
【0042】
また、前記蓋体の形状は、開口部を有する逆円錐形状であり、前記開口部に、前記把持部が設けられていてもよい。
【0043】
このような構成とすれば、冷菓材との接触面積を把持部から遠ざかる方向に向かって徐々に減らすことができる。このため、蓋体を回転させるために必要な回転力を把持部から遠ざかる方向に向かって徐々に減らすことができ、蓋体を冷菓材からより一層、スムーズに引き抜くことができる。
【0044】
また、前記蓋体には、菓子素材が収容可能な内側空間が形成されていてもよい。
【0045】
このような構成とすれば、フローズン飲料に添加する菓子素材を冷菓材とは別に収容することができ、成型容器の使用用途を広げることができる。
【0046】
なお、本発明に係る成型容器の構成は、上記実施形態で説明した成型容器10の構成に限定されるものではなく、例えば、内蓋14の形状は、逆円錐形状に限定されず、例えば、円筒形状であってもよい。また、内蓋14に内側空間を形成する例を示したが、内側空間を形成しなくてもよい。また、内蓋14に把持部14dを設けなくてもよい。
【0048】
成型容器10と同一形状の成型容器(実施例)と、外面に段差の無い(外面が平坦な)内蓋を備えた従来の成型容器(比較例)と、を用いてシャーベットを成型し、内蓋の引き抜きやすさと、成型後の冷菓材の形状の比較を行った。
【0049】
実験の結果、比較例に係る成型容器では、内蓋が冷菓材に密着してしまい、内蓋をスムーズに引き抜くことができなかったが、実施例に係る成型容器では、冷菓材の表面に形成された螺旋状の段差に沿って内蓋を回転させることにより、内蓋をスムーズに引き抜くことができた。
【0050】
また、比較例に係る成型容器では、内蓋を引き抜く際に成型後の冷菓材を傷つけてしまう場合があったが、実施例に係る成型容器では、成型後の冷菓材を傷つけることなく内蓋をスムーズに引き抜くことができた。
【0053】
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態に係る冷菓材用容器について説明する。以下の実施形態では、冷菓材用容器110が第1実施形態の成型容器10とほぼ同様の構成である場合を例に説明するが、冷菓材用容器110は、成型容器10とは異なる構成であってもよく、例えば内蓋114の外面には、螺旋状の段差が形成されていなくてもよい。
【0054】
図5は、冷菓材用容器110を示す図であり、同図(a)が全体の分解側面図であり、同図(b)が組み立てた状態の側断面図であり、同図(c)が同図(b)の破線部分の拡大図である。
【0055】
同図(a)に示すように、冷菓材用容器110は、冷菓材を収容することが可能な本体112と、第一の蓋体(内蓋)114と、第二の蓋体(外蓋)116とを有する。なお、第2実施形態において、説明を省略している構成については、第1実施形態の本体12、内蓋14および外蓋16とそれぞれ同様の構成である。ここでは、本体112の材質は一例としてポリプロピレンであり、内蓋14および外蓋116の材質は一例としてポリスチレンである。
【0056】
内蓋114は、第一の周縁部(内蓋周縁部)114Aと、内蓋周縁部114Aより内周側に内側空間14bを形成する、冷菓材成形用の凸部114B(以下、成型用凸部114Bという。)を備え、外蓋116は、第二の周縁部(外蓋周縁部116A)とカバー部116Bを備える。カバー部116Bは、内蓋114の内側空間14bを覆う形状であればよいが、埃等の不純物が溜まりにくく、除去も容易な平坦な形状(またはできる限り平坦に近い形状)とすることが望ましい。
【0057】
同図(b)(c)に示すように、内蓋114の内蓋周縁部114Aは、本体112の開口部と嵌め合わされる。より詳細には、同図(c)に示すように、本体112の開口部は端部を外側にカールさせて全周に亘って曲面部112Rが形成されている。一方、内蓋周縁部114Aは本体112の開口部を覆う逆向きの略U字状に成形されている。略U字状の内側の側面は本体112の内側に位置し、略U字状の外側の側面は本体112の外側に位置すると共に、本体112の曲面部112Rに沿うように、同図では上方から下方に向かって周縁凸部114C、周縁凹部114Dが設けられ、最外端部が中心側から外側に向かって広がるスカート部114Sとなっている。このような構造によって、本体112の曲面部112Rと内蓋周縁部114Aの周縁凸部114Aとが嵌合(係合)する。この嵌合部位を以下、第1嵌合部121という。
【0058】
また、外蓋116の外蓋周縁部116Aは、内蓋114の内蓋周縁部114Aと嵌め合わされる。より詳細には、外蓋周縁部116Aは、略U字状の内蓋周縁部114Aの外側部分を覆うように逆向きの略L字状に成形され、周縁凹部116Cが設けられる。また最外端部が中心側から外側に向かって広がるスカート部116Sとなっている。このような構造によって、外蓋周縁部116Aの周縁凹部116Cが内蓋周縁部114Aの周縁凹部114Dに収容されるようにして嵌合する。この嵌合部位を以下、第2嵌合部122という。この時、外蓋周縁部116Aのスカート部116Sと内蓋周縁部114Aのスカート部114Sは、略一体的に重なる。なお、外蓋116は内蓋114のみと係合している。
【0059】
そして、本体112、内蓋114および外蓋116を組み立てた状態では、内蓋114および外蓋116の嵌合部(第2嵌合部122)が、本体112と内蓋周縁部114Aの嵌合部(第1嵌合部121)よりも、本体112の底部112a(下方)側に位置する。
【0060】
このような構成により、内蓋114の成型用凸部114Bの開口部側が外蓋116のカバー部116Bによってカバーされるので、冷菓材製品として店舗において陳列された場合などに、成型用凸部114Bによって生じる内側空間14bに埃等の不純物が入り込むことを防止でき、外観上も衛生的に保つことができる。
【0061】
また、冷菓材製品については後に詳述するが、本実施形態の冷菓材用容器110に冷菓材を封入した冷菓材製品は、開封時に、外蓋116の外蓋周縁部116Aを把持して本体112から取り外すと、内蓋114が外蓋116に嵌め合わされた状態で外蓋116と共に本体112から取り外される。つまり、内蓋114と本体112の嵌め合わせ構造は、内蓋114と外蓋116の嵌め合わせ構造よりも取り外し容易な構造となっている。以下これについて説明する。
【0062】
外蓋116を本体112から取り外す際には、外蓋116を本体112から離れる方向(上方)に引き上げる(同時に本体112の軸中心に回転させる場合もある)。このとき本実施形態の構成であれば、通常は、最も外側に位置し、且つ本体112の側面からも離れた位置にある外蓋116のスカート部116S、またはスカート部116Sを含んだその上方を把持し、外蓋116を(回転させつつ)引き上げることになる。このとき内蓋114と外蓋116が第2嵌合部122で嵌合していると共に、内蓋114のスカート部114Sと外蓋116のスカート部116Sが略一体的に重なっているため、両者が離反しにくく、外蓋116と同時に内蓋114を引き上げることができる。
【0063】
また、第1嵌合部121では、本体112の曲面部112Rと内蓋周縁部114Aの周縁凸部114Cとが当接した状態で嵌合しているのに対し、第2嵌合部122では内蓋114と外蓋116は、曲面が(ほとんど)無い溝形状同士(周縁凹部114Dと周縁凹部116C)で嵌合している。つまり内蓋114と本体112の嵌合の摩擦力が内蓋114と外蓋116の嵌合よりも小さくなっている。
【0064】
さらに、外蓋116(及び内蓋114)を上方に引き上げると、第2嵌合部122が曲面部112Rを乗り越える際に第1嵌合部121では外蓋周縁部116A及び内蓋周縁部114Aが外側に広がる状態となる。その弾性変形による応力が、第1嵌合部121より下方に位置する第2嵌合部122に及び、第2嵌合部122を内側に押すような状態となる。
【0065】
本実施形態ではこのような構成によって、内蓋114と本体112の嵌め合わせ構造が、内蓋114と外蓋116の嵌め合わせ構造よりも取り外し容易な構造となっている。
【0066】
ここで、「内蓋114と本体112の嵌め合わせ構造は、内蓋114と外蓋116の嵌め合わせ構造よりも取り外し容易な構造である」とは、内蓋周縁部114Aと本体112の開口部(第1嵌合部121)の嵌め合わせの程度が、内蓋周縁部114Aと外蓋周縁部116A(第2嵌合部122)の嵌め合わせの程度よりも弱いとも言える。さらに具体的には、嵌め合わされた内蓋114を本体112から再び取り外す際に、所定の力(第一の力)で取り外すことができる(そのような状態で第1嵌合部121が嵌め合わされている)とすると、嵌め合わされた内蓋114を外蓋116から再び取り外す際には、上記の第一の力よりも大きい所定の力(第二の力)が必要となる(そのような状態で第2嵌合部122が嵌め合わされている)、ということもできる。
【0067】
なお、本実施形態では、内蓋114と本体112の嵌め合わせ構造は、内蓋114と外蓋116の嵌め合わせ構造よりも取り外し容易な構造であればよい。すなわち、嵌め合わせ構造の取り外し易さの程度に差を設ける構成は、上記の構成に限らず、本体112,内蓋114,外蓋116の材質や、嵌め合わせ構造の形状などによって適宜選択することができる。
【0068】
これにより、内蓋114と外蓋116の二重構造であっても、冷菓材製品としては1つの蓋体として取り扱うことができ、冷菓材製品の取扱いが容易となる。
【0069】
また、外蓋116は、外蓋周縁部116Aを含むその近傍の面積を大きく確保することができるため、内蓋114のみの場合と比較して把持可能な面積が大きくなり、外蓋116のハンドリング性を向上させることができ、本体112から蓋体(外蓋116および内蓋114)を容易に取り外すことができる。
【0070】
更に、本実施形態の冷菓材用容器110は、冷菓材18を封入して冷菓材製品とした場合、飲用時に本体112の外側から両手で揉むなどして外力を加え、冷菓材18を崩して飲料とする(これについても詳細は後述する)。このため、本体112は撓み変形量が大きく、僅かな力で変形可能となっている。
【0071】
具体的には、本体112は、例えばポリプロピレン等によって円筒形状に成形された部材である。一方、内蓋114は例えばポリスチレン等によって、内側空間14bが形成される凸部を有するように成形された部材である。
【0072】
内蓋114の引張弾性率は、例えばポリスチレンの場合、1378.2Mpaであり、本体112の引張弾性率は、例えばポリプロピレンの場合、1136.8Mpaである。なお、これらの引張弾性率は、JIS K7127に準拠した測定方法によって測定した一定条件下での物性値である。また、上記の引張弾性率は、樹脂をシート成形する時にシートを送り出す方向に引っ張った時の引張弾性率(強度)と、送り出し方向から90°の方向(シートの幅方向)で引っ張った時の引張弾性率(強度)との平均値である。この引張弾性率は、JIS規格で定められている「変形のし易さ」を示す材料の物性値であり、数値が低いほど柔らかい(撓み変形量が大きい)材料であると言える。
【0073】
このような構成によって、例えば成人の両手で本体112を保持し外側から外力(押圧力)を加えた場合の撓み変形量は、同様にして内蓋114の外側から外力(押圧力)を加えた場合の撓み変形量より大きいものとなる。
【0074】
外蓋116は、一例として内蓋114と同じ材料で成形されており、本体112を保持し外側から外力(押圧力)を加えた場合の撓み変形量は、外蓋116の外側から外力(押圧力)を加えた場合の撓み変形量より大きくなる。
【0075】
本体112は、内蓋114(あるいは外蓋116)に対して撓み変形量が大きいものであるが、一旦冷菓材を充填し、内蓋114を本体112に装着した状態では、硬い内蓋114が芯となるため、冷菓材製品としての強度は維持される。更に、内蓋114に外蓋116を装着することによって、本体112の特に開口部付近の強度を高めることができ、これによっても冷菓材製品の強度を保つことができる。その一方で、外蓋116(及び内蓋114)を本体112から取り外した場合には、本体112を撓ませて容易に冷菓材を崩すことが可能となる。
【0076】
なお、少なくとも内蓋114が本体112よりも撓み変形量が小さい構成であればよく、内蓋114と外蓋116の材質および撓み変形量は異なるものであってもよい。
【0077】
<冷菓材容器の組立方法および冷菓材のパッケージ方法>
【0078】
図6および
図7を参照して、冷菓材用容器110の組立工程および冷菓材用容器110を用いた冷菓材のパッケージ方法について説明する。
図6は、冷菓材のパッケージ工程を示す、製造ライン200の概要図である。また、
図7(a)は、内蓋キャッパー203を抜き出して示す側面図であり、
図7(b)は、外蓋キャッパー204を抜き出して示す側面図である。なお、冷菓材のパッケージ工程において、冷菓材用容器110が組み立てられるので、以下これらを合わせて説明する。
【0079】
製造ライン200は、本体供給装置201と、充填機202と、内蓋キャッパー203と、外蓋キャッパー204と、冷菓材18(例えば、かき氷のミックス)用の削氷装置205と、冷菓材18の氷の粒度を調整するラインクラッシャー206とを主に有する。尚、同図においては、本実施形態の説明において必要な構成を抽出して示しており、既知の構成要素は適宜省略している。
【0080】
本体供給装置201にはその内部に、複数の本体112が重ねた状態でストックされており、不図示のロボットハンドによって1つずつ取り出され、底部に印字された後に開口部が上方となるようにコンベア207上に載置され、下流側(同図右側)に搬送される。本体112は搬送途中で異物除去装置208により外周および内部の異物が除去され、充填機202の直下に移動する。充填機202には、削氷装置205で削氷された後、ラインクラッシャー206で氷の粒度が調整された冷菓材18が充填されており、充填機202の下方に移動する本体112を認識して所定量の冷菓材18を本体112に充填する。この充填時に、冷菓材18のオーバーランは例えば10%〜30%に調整される。
【0081】
冷菓材18が充填された本体112が下流に移動すると、内蓋キャッパー203によって本体112に内蓋114が装着される。
図7(a)に拡大して示すように、内蓋キャッパー203はストック部203a内に、成型用凸部114Bが上方を向くように複数の内蓋114が重ねた状態でストックされている。ロボットハンド203bは、ストック部203aの直下に位置し、最も下の内蓋114から1つずつ取り出し、180度回転させて成型用凸部114Bを下方に向けて本体112に装着する。
【0082】
これにより、
図6に示すように、内蓋114の成型用凸部114Bは冷菓材18内に没入されるとともに本体112に収容される。内蓋114は先細りの成型用凸部114Bの先端から冷菓材18に接触するため、スムーズに没入させることができ、冷菓材18の飛び散り等を抑制できる。
【0083】
内蓋114の内蓋周縁部114Aは、本体112の開口部と嵌め合わされる。ここで、内蓋周縁部114Aと本体112の開口部の嵌め合わせの程度は、嵌め合わされた内蓋114を本体112から再び取り外す際に、所定の力(第一の力)で取り外すことが可能な程度とする。取り外しに必要な第一の力(内蓋114と本体112の嵌め合わせの程度)は、両者の材質や、嵌め合わせ構造の形状などによって適宜選択する。
【0084】
内蓋114が装着された本体112が更に下流に移動すると、外蓋キャッパー204によって内蓋114に外蓋116が装着される。
図7(b)に拡大して示すように、外蓋キャッパー204は、ストック部204a内に、内側(冷菓材側)が上方を向くように複数の外蓋116が重ねた状態でストックされている。ロボットハンド204bは、ストック部204aの直下に位置し、最も下の外蓋116から1つずつ取り出して180度回転させ、内蓋114に装着する。
【0085】
これにより、
図5および
図6に示すように、外蓋116のカバー部116Bが内蓋114の成型用凸部114Bの内側空間14bを覆うと共に、内蓋114の内蓋周縁部114Aと外蓋116の外蓋周縁部116Aとが嵌め合わされる。ここで、内蓋周縁部114Aと外蓋周縁部116Aの嵌め合わせの程度は、嵌め合わされた内蓋114を外蓋116から再び取り外す際に、上記の第一の力よりも大きい所定の力(第二の力)で取り外すことが可能な程度とする。取り外しに必要な第二の力(内蓋114と外蓋116の嵌め合わせの程度)は、両者の材質や、嵌め合わせ構造の形状などによって適宜選択する。
【0086】
本実施形態では、内蓋114と外蓋116を別工程で本体112に装着しているが、内蓋114と外蓋116とを予め嵌め合わせてユニット化した後、冷菓材18が充填された本体112に嵌め合わせてもよい。
【0087】
しかし、内蓋114と外蓋116とを予め嵌め合わせてユニット化すると、本実施形態の内蓋キャッパー203および外蓋キャッパー204のように重ねてストックすることができず、スペース的に非効率となる。また、内蓋114と外蓋116の嵌合(係合)状態が不十分な場合には、製造工程上でいずれかが離脱して落下する恐れもある。更に、内蓋114が自立できない形状であるため、内蓋114と外蓋116を嵌め合わせる際に内蓋114の保持手段が必要となる。このようなことから、本実施形態の如く、本体112に内蓋114を装着し、その後、外蓋116を装着する工程とすることが望ましい。
【0088】
また、第1嵌合部121は第2嵌合部122よりも取り外しやすい嵌め合い構造となっているが、上方から押下して内蓋114および外蓋116をはめ込む際にはこれらの構造は何ら影響を及ぼさず、組み立てが容易である。
【0090】
図8(および
図4(b))を参照して、本実施形態の冷菓材製品およびこれを用いた飲料の製造方法について説明する。
【0091】
本実施形態の冷菓材製品20は、冷菓材用容器110に冷菓材18を充填したものである(
図4(b)参照)。冷菓材18は、冷菓材用容器110に収容されることによって、中心部分に凹部18Dが形成された状態で冷凍されている。
【0092】
そして
図8(a)に示すように、飲用時には、外蓋116を本体112から外し(内蓋114も同時に外れる)、本体112の外側から、例えば両手で揉むようにして内蓋114の取り外しによって出現した空洞の凹部18D側に向かって外力を加え、凹部Dを埋め込むように冷菓材18を任意の形状に崩す。
図8(b)に示すように、冷菓材18をある程度崩した状態で、コーヒー、ミルクなどの飲料を注入する。これにより冷菓材18の解凍を促進させ、短時間で容易にフローズン飲料を得ることができる。
【0093】
冷菓材製品20は、例えばコンビニエンスストアなどで販売され、購入した消費者が店舗に設置されている飲料の専用サーバから飲料を注入してフローズン飲料となる。つまり、冷菓材製品20は店舗などに置いて冷凍状態で保存されるが、飲用時には素早く解凍できることが望ましい。本実施形態の冷菓材製品20の冷菓材18は、一般的なかき氷アイス(例えば、市販されている棒付きのかき氷アイスなどをいい、以下、単に「かき氷アイス」という。)よりも柔らかく製造するとともに、中央部分に凹部18Dが生じるように成形し、さらに冷菓材用容器110の本体112を撓み変形量の大きい構造とする。ここで、「かき氷アイスよりも柔らかい冷菓材18」とは、例えば、凝固点が、かき氷アイスの凝固点よりも低い冷菓材18をいう。
【0094】
図9は、本実施形態の冷菓材18と、かき氷アイス(棒付きかき氷アイス)の凝固点を比較した表であり、同図(a)が本実施形態の冷菓材18の凝固点の算出例を示す表であり、同図(b)がかき氷アイスの凝固点の算出例を示す表である。
図9において、凝固点降下の大きさΔTは、以下の式
【0095】
ΔT=1.856×モル(mol)濃度 (式1)
【0096】
によって算出している。式1における1.856は、水の凝固点降下定数である。
【0097】
冷菓材18およびかき氷アイスは、糖類を含むため凝固点降下によって凝固点が0℃より低くなる。また、凝固点は、糖類(単糖類、二糖類、多糖類)の配合割合によって変化する。本実施形態の冷菓材18は、同図に示す様に、糖類の配合割合を調整して一般的なかき氷アイスよりも凝固点を低くし、同温における凍結の状態を、一般的なかき氷アイスよりも柔らかいものとしている。
【0098】
一例として、同図(a)に示すように冷菓材18の最終凝固点(凝固点降下の大きさ)は、−3.18℃であり、同図(b)に示すように、かき氷アイスは−2.34℃である。なお、冷菓材18の凝固点は同図(a)に示した値に限らず、かき氷アイスの凝固点が−2.34℃の場合には、例えば、冷菓材18の凝固点は−2.5℃以下(−2.5℃〜−4℃)などであってもよい。更に、同図は本実施形態の冷菓材18の柔らかさをかき氷アイスと比較するための凝固点の算出の一例であって、成分として含まれる果汁、乳製品、リキュールなど他の要因によっても凝固点降下の大きさは変化する。つまり、本実施形態の冷菓材18は、かき氷アイスよりも凝固点が低く、同温においてかき氷アイスよりも凍結の状態が柔らかいものであれば良い。
【0099】
これにより、外力(人の両手で軽く揉む程度の外力)を与えて冷菓材18を任意の形状に崩しやすくし、解凍を促すことができる。このため、冷菓材製品20を購入した消費者は、その場で直ぐにフローズン飲料を楽しむことができる。
【0100】
本実施形態では、飲用時に本体112の外側から冷菓材18を揉み崩してフローズン飲料とするものであり、これを短時間で容易にするために容器にも工夫がされている。すなわち上述の通り、本体112は内蓋114よりも撓み変形し易い材料により構成されている。しかしこのような構成であっても、店舗などの陳列時(販売時)には、硬い内蓋114の成型用凸部114Bが芯になるとともに、蓋部分を内蓋114と外蓋116の二重構造にすることによって、冷菓材18を充填して封止した冷菓材製品20の強度を高めることができる。
【0101】
また、外蓋周縁部116Aと内蓋周縁部114Aの二重構造によって、周縁部の強度が増すため、飲用時に内蓋114を本体112から取り外す際に、外蓋116の外蓋周縁部116Aを把持して回転し、容易に引き抜くことができる。
【0102】
また、外蓋116を本体112から取り外すことで内蓋114も同時に取り外しできるので、蓋体が二重構造であっても、店舗での取扱いも容易となる。
【0103】
さらに、本体12を半透明(または透明)の部材としているため、内部の冷菓材18の状態(揉み崩した状態)を目視で容易に確認することができる。なお、既述の如く、本体112は着色してもよく、この場合には冷菓材18を遮光することができる。
【0104】
なお、冷菓材用容器110(本体112または外蓋116)には、蓋体(内蓋114および外蓋116)を本体112から取り外した後に本体112の外側から冷菓材の凹部側に向かって外力を加えることを示唆する情報(例えば、本体112の外側から両手で揉んで冷菓材を崩すことを示すようなイラストや文字情報)などを表示すると望ましい。
【0105】
以上、本発明の冷菓材用容器(例えば、冷菓材用容器110)の組立方法は、冷菓材(例えば、冷菓材18)を収容することが可能な本体(例えば、本体112)と、第一の周縁部(例えば、内蓋周縁部114A)と該第一の周縁部より内周側に内側空間(例えば、内側空間14b)を形成する凸部(例えば、成型用凸部114B)を備える第一の蓋体(例えば、内蓋114)と、第二の周縁部(例えば、外蓋周縁部116A)とカバー部(例えば、カバー部116B)を備える第二の蓋体(例えば、外蓋116)と、を組み立てる冷菓材用容器の組立方法であって、前記本体を供給する工程と、前記第一の蓋体の前記凸部を前記本体に収容し、前記第一の周縁部と前記本体の開口部とを嵌め合わせる工程と、前記第二の蓋体の前記カバー部で前記第一の蓋体の前記内側空間を覆い、前記第一の周縁部と前記第二の周縁部とを嵌め合わせる工程と、を具備する、ことを特徴とする冷菓材用容器の組立方法である。
【0106】
このような構成により、内蓋114の成型用凸部114Bの開口部側が外蓋116のカバー部116Bによってカバーされるので、冷菓材製品として店舗において陳列された場合などに、成型用凸部114Bによって生じる内側空間14bに埃等の不純物が入り込むことを防止でき、外観上も衛生的に保つことができる。
【0107】
また、前記第一の蓋体と前記本体とを嵌め合わせた後に、前記第二の蓋体を前記第一の蓋体に嵌め合わせる、ものとしてもよい。
【0108】
内蓋114と外蓋116とを予め嵌め合わせてユニット化すると、本実施形態の内蓋キャッパー203および外蓋キャッパー204のように重ねてストックすることができず、スペース的に非効率となる。また、内蓋114と外蓋116の嵌合(係合)状態が不十分な場合には、製造工程上でいずれかが離脱して落下する恐れもある。更に、内蓋114が自立できない形状であるため、内蓋114と外蓋116を嵌め合わせる際に内蓋114の保持手段が必要となる。しかし、本実施形態によれば内蓋114と外蓋116をそれぞれ重ねてストックすることができ、スペース的な無駄がなくなる。また、製造工程中における内蓋114と外蓋116の離脱が抑制できるとともに、内蓋114を直接本体に装着できるので、保持手段等の別途の設備が不要となる。
【0109】
また、前記第一の周縁部と前記本体の開口部の嵌合部が、前記第一の周縁部と前記第二の周縁部の嵌合部よりも取り外しやすくなるような状態で嵌め合わせる、ものとしてもよい。
【0110】
また、本発明の冷菓材のパッケージ方法は、冷菓材(例えば、冷菓材18)を収容することが可能な本体(例えば、本体112)と、第一の周縁部(例えば、内蓋周縁部114A)と該第一の周縁部より内周側に内側空間(例えば、内側空間14b)を形成する凸部(例えば、成型用凸部114B)を備える第一の蓋体(例えば、内蓋114)と、第二の周縁部(例えば、外蓋周縁部116A)とカバー部(例えば、カバー部116B)を備える第二の蓋体(例えば、外蓋116)と、を有する容器に冷菓材を収容する冷菓材のパッケージ方法であって、前記本体を供給する工程と、前記本体に前記冷菓材を収容する工程と、前記第一の蓋体の前記凸部の一部を前記冷菓材内に没入させ、前記第一の周縁部と前記本体の開口部とを嵌め合わせる工程と、前記第二の蓋体の前記カバー部で前記第一の蓋体の前記内側空間を覆い、前記第一の周縁部と前記第二の周縁部とを嵌め合わせる工程と、を具備する、ことを特徴とする冷菓材のパッケージ方法である。
【0111】
このような構成により、内蓋114の成型用凸部114Bの開口部側が外蓋116のカバー部116Bによってカバーされるので、冷菓材製品として店舗において陳列された場合などに、成型用凸部114Bによって生じる内側空間14bに埃等の不純物が入り込むことを防止でき、外観上も衛生的に保つことができる。
【0112】
また、前記第一の周縁部と前記本体の開口部とを、第一の力で取り外し可能な状態で嵌め合わせ、前記第一の周縁部と前記第二の周縁部とを、前記第一の力より大きい第二の力で取り外し可能な状態で嵌め合わせる、ものとしてもよい。
【0113】
また、本発明の冷菓材用容器(例えば、冷菓材用容器110)は、冷菓材(例えば、冷菓材18)を収容することが可能な本体(例えば、本体112)と、中央部分に内側空間(例えば、内側空間14b)を形成する凸部(例えば、成型用凸部114B)を備える蓋体(例えば、内蓋114)と、を有する冷菓材用容器であって、外力を加えた場合の前記本体の撓み変形量は、前記蓋体の撓み変形量より大きい、ことを特徴とする冷菓材用容器である。
【0114】
このような構成により、本体112に冷菓材18を収容して冷菓材製品20とした場合に、飲用時には蓋体(内蓋114)を取り外した後に本体112の外側から冷菓材18を容易に揉み崩すことができ、素早く解凍することができる。
【0115】
また、冷菓材製品20の店舗などにおける陳列時(販売時)には、硬い内蓋114の成型用凸部114Bが芯になるとため、冷菓材18を充填して封止した冷菓材製品20の強度を高めることができる。
【0116】
また、前記蓋体を覆う他の蓋体(例えば、外蓋116)を有し、外力を加えた場合の前記本体の撓み変形量は、前記他の蓋体の撓み変形量より大きい、ものとしてもよい。
【0117】
このような構成により、蓋体が二重構造となるため、周縁部の強度が増すため、飲用時に内蓋114を本体112から取り外す際に、外蓋116の外蓋周縁部116Aを把持して回転し、容易に引き抜くことができる。
【0118】
また、前記蓋体の第一の周縁部と前記本体の開口部とは第一の嵌合部(例えば、第1嵌合部121)で嵌合し、前記他の蓋体の第二の周縁部と前記第一の周縁部とは第二の嵌合部(例えば、第2嵌合部122)で嵌合し、前記第二の嵌合部は、前記第一の嵌合部よりも前記本体の底部側に位置する、ものとしてもよい。
【0119】
また、前記第一の周縁部と前記第二の周縁部は端部において一体的に重なり合う、ものとしてもよい。
【0120】
このような構成により、第一の嵌合部が、第二の嵌合部よりも取り外しやすくすることができるため、外蓋116を本体112から取り外すことで内蓋114も同時に取り外すことが可能となり、蓋体が二重構造であっても、取扱いが容易となる。
【0121】
また、本発明の冷菓材製品(例えば、冷菓材製品20)は、上述の冷菓材用容器(例えば、冷菓材用容器110)に収容されることによって、中心部分に凹部(例えば、凹部18D)が形成された状態で冷凍された冷菓材製品である。
【0122】
このような構成によれば、飲用時に本体112の外側から冷菓材18を容易に揉み崩すことができ、素早く解凍することができる。
【0123】
また、冷菓材製品20の店舗などにおける陳列時(販売時)には、硬い内蓋114の成型用凸部114Bが芯になるとため、冷菓材18を充填して封止した冷菓材製品20の強度を高めることができる。
【0124】
また、前記冷菓材は、一般的なかき氷アイスと比較して凝固点降下が低いものであってもよい。
【0125】
このような構成によれば、冷菓材自体も、例えば通常のかき氷アイスと比較して柔らかくできるため、飲用時により崩しやすく、短時間で飲料にすることができる。
【0126】
また、前記冷菓材用容器には、前記蓋体を前記本体から取り外した後に前記本体の外側から前記凹部の側に向かって外力を加えることを示唆する情報が表示されている、ものとしてもよい。
【0127】
また、本発明の飲料(例えば、フローズン飲料)の製造方法は、本体(例えば、本体112)と、中心部分に凸部(例えば、成型用凸部114B)が形成された蓋体(例えば、内蓋114)とを備えた容器に収容されることによって中心部分に凹部(例えば、凹部18D)が形成された状態で冷凍された冷菓材(例えば、冷菓材18)の少なくとも一部を解凍して飲料とする飲料の製造方法であって、前記蓋体を前記本体から取り外す工程と、前記本体の外表面から前記凹部側に向かって外力を加え、前記冷菓材を任意の形状に崩す工程と、前記冷菓材に液体を注入して前記冷菓材の少なくとも一部を解凍する工程と、を具備する、ことを特徴とする飲料の製造方法である。
【0128】
近年ではコンビニエンスストアなどにおいて店舗に飲料の専用サーバを設置し、提供するシステムが普及しているが、現状では、飲料の種類としてコーヒーが主流であり、店舗においても消費者にとっても、飲料の種類の増加が望まれている。また、飲食店等では、食感や風味に様々な工夫を凝らした多彩な飲料が提供されており、消費者はこれらを飲食店等に出向かなくても手軽に楽しみたいという要望もある。
【0129】
本実施形態の冷菓材製品によれば、従来飲食店等で提供されていたようなフローズン飲料を、コンビニエンスストア等の身近な店舗で購入して、あるいはスーパーマーケットなどで購入して家庭で、気軽に楽しむことができる。
【0130】
以上、本実施形態の一例を説明したが、第2実施形態の冷菓材用容器は、冷菓材18を収容することが可能な本体112と、中央部分に内側空間14bを形成する成型用凸部114Bを備える蓋体(内蓋114)と、を備えるものであれば上記の例に限らない。
【0131】
例えば、冷菓材用容器110の内蓋114の成型用凸部の形状は、円筒形状であってもよいし、複数の成型用凸部114Bを備えるものであってもよい。また、内蓋114の溝は、螺旋状に限らず、成型用凸部114Bの深さ方向に、複数設けられた直線状の溝であってもよいし、溝が設けられていない構成であってもよい。成型用凸部114Bに溝を設けない場合は、冷菓材との離反を容易にするために成型用凸部114の表面(冷菓材と接触する表面)に超撥水加工を施したり、潤滑材を塗布するなどしてもよい。
【0132】
また、内蓋114の内側空間14bには、第1実施形態と同様に食材を収納するものであってもよい。外蓋116を本体112から取り外した状態であれば、内蓋114と外蓋116は容易に取り外すことができるので、内蓋114の内側空間14bに収納された食材を取り出し、フローズン飲料に添加することで多彩な味を楽しむことができる。
【0133】
また、冷菓材用容器110は、使い捨ての容器であってもよいし、洗浄して繰り返し使用が可能なものであってもよい。
【0134】
更に、内蓋114の内蓋周縁部114Aを十分な強度にすれば、外蓋116はシール状のカバー材であってもよい。