特許第6139788号(P6139788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6139788ピリミジンFGFR4阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139788
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】ピリミジンFGFR4阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/48 20060101AFI20170522BHJP
   A61K 31/505 20060101ALI20170522BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20170522BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20170522BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   C07D239/48CSP
   A61K31/505
   C07D401/12
   A61K31/506
   C07D403/12
   A61K31/5377
   C07D413/12
   A61P1/16
   A61P35/00
【請求項の数】36
【全頁数】145
(21)【出願番号】特願2016-523266(P2016-523266)
(86)(22)【出願日】2014年10月16日
(65)【公表番号】特表2016-535000(P2016-535000A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】US2014060857
(87)【国際公開番号】WO2015057938
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2017年3月17日
(31)【優先権主張番号】61/892,881
(32)【優先日】2013年10月18日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506137147
【氏名又は名称】エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ,ドミニック
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,ミン−ホン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】プラジャーパティ,スディープ
(72)【発明者】
【氏名】サトウ,タカシ
(72)【発明者】
【氏名】セルバラジュ,アナンド
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−520768(JP,A)
【文献】 特表2008−503537(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/071821(WO,A1)
【文献】 特表2010−516788(JP,A)
【文献】 GUAGNANO, V. et al.,Discovery of 3-(2,6-Dichloro-3,5-dimethoxy-pheny)-1-{6-[4-(4-ethyl-piperazin-1-yl)-phenylamino]-pyrimidin-4-yl}-1-methyl-urea (NVP-BGJ398), A Potent and Selective Inhibitor of the Fibroblast Growth Factor Receptor Family of Receptor Tyrosine Kinase,Jornal of Medicinal Chemistry,2011年,Vol. 54, No. 20,pp. 7066-7083
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]

[式中、
は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、NR10111〜6アルキル、R10ヘテロシクリルC1〜6アルキル、R10アリールC1〜6アルキル、およびR10ヘテロアリールC1〜6アルキルからなる群から選択され、ここで、R10およびR11は、各々独立して、水素およびC1〜6アルキルからなる群から選択され;
Eは、
−NR13C(O)CR14=CHR15、および
−NR13C(O)C≡CR14
からなる群から選択され、
ここで、R13は、水素およびメチルからなる群から選択され、かつR14およびR15は、各々独立して、水素、メチル、フルオロ、およびクロロからなる群から選択され;
12は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ヒドロキシC1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、Rヘテロシクリル、−C(O)ヘテロシクリルR、RヘテロシクリルC1〜6アルキル、NR、NR1〜6アルキル、−C(O)NR、およびNR1〜6アルキシからなる群から選択され、ここで、RおよびRは、各々独立して、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、アミノC1〜6アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、およびC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択され;かつ
は、フェニルであり、ここで、前記フェニルは、独立して選択されるハロまたはC1〜6アルコキシで2回、3回、または4回置換されている]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
が、C1〜6アルキルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
が、メチル、メトキシエチル、4−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、2−ピリジルメチル、ベンジル、N,N−ジメチルアミノプロピル、3−メチルイソオキサゾール−5−イル−メチル、および4−メチルピペラジン−1−イル−プロピルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
Eが、−NR13C(O)CH=CHR15または−NR13C(O)CF=CHであり、ここで、R13およびR15は、上で定義したとおりである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
Eが、−NHC(O)CH=CHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
12が、水素、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、N,N−ジメチルアミノエチル、ピペラジン−1−イル、4−エチルピペラジン−1−イル、4−エチルピペラジン−1−イル−メチル、1−メチルピペリジン−4−イル、1−エチルピペリジン−4−イル、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノプロピル、ピペリジン−4−イル、モルホリノ、3,5−ジメチルピペラジン−1−イル、4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル、N,N−ジメチルアミノエトキシ、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、ヒドロキシエトキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、2−メトキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−アミノプロピル、4−メチルピペラジン−1−イル−カルボニル、4−エチルピペラジン−1−イル−カルボニル、4−[2−プロピル]ピペラジン−1−イル、4−アセチルピペラジン−1−イル、N−メチル−N−ヒドロキシエチル−アミノ、N,N−ジメチルアミド、および4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イルからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
12が、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、Rヘテロシクリル、RヘテロシクリルC1〜6アルキル、−C(O)NR、NR1〜6アルキル、NR1〜6アルキシ、C1〜6アルコキシ、およびC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、ここで、RおよびRは、各々独立して、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、およびC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
12が、Rヘテロシクリルであり、ここで、RおよびRは、上で定義したとおりである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
ヘテロシクリルが、Rピペラジニルであり、ここで、RおよびRは、上で定義したとおりである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
12が、4−エチルピペラジン−1−イルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
12が、水素ではない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
が、2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニルである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
前記化合物が、式I(a):
【化2】
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[式中、R、E、R12、およびRは、上で定義したとおりである]
の化合物である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
前記化合物が、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]

【化4】
[この文献は図面を表示できません]

【化5】
[この文献は図面を表示できません]

【化6】
[この文献は図面を表示できません]

【化7】
[この文献は図面を表示できません]

【化8】
[この文献は図面を表示できません]

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
前記化合物が、
【化9】
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【化10】
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【化11】
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からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項16】
前記化合物が、
【化12】
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からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項17】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]

である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物または塩と、薬学的に許容可能なキャリアとを含む、医薬組成物。
【請求項19】
前記組成物が、経口投与、静脈内投与、または皮下投与のために製剤化される、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
肝細胞癌の治療を必要とする対象において肝細胞癌を治療するための、請求項18またはに記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記肝細胞癌が、FGF19の状態変化を有する、請求項20に記載の医薬組成物
【請求項22】
記FGF19の状態変化が、FGF19の発現の増加を含む、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項23】
肝細胞癌の治療を必要とする対象において肝細胞癌を治療する方法に使用するための、請求項18または19に記載の医薬組成物であって、前記方法が、
前記肝細胞癌の細胞を含有する生物学的試料中のFGF19の状態変化を検出することと、前記肝細胞癌が前記FGF19の状態変化を有する場合に、
前記医薬組成物を治療有効量で前記対象に投与することと
を含む、医薬組成物
【請求項24】
記FGF19の状態変化が、FGF19の発現の増加を含む、請求項23に記載の医薬組成物
【請求項25】
医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物または塩の使用。
【請求項26】
前記医薬が、肝細胞癌の治療のためのものである、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
前記肝細胞癌が、FGF19の状態変化を有する、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
記FGF19の状態変化が、FGF19の発現の増加を含む、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
請求項17に記載の化合物または塩と、薬学的に許容可能なキャリアとを含む、医薬組成物。
【請求項30】
肝細胞癌の治療を必要とする対象において肝細胞癌を治療するための、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記肝細胞癌が、FGF19の状態変化を有する、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記FGF19の状態変化が、FGF19の発現の増加を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
肝細胞癌の治療を必要とする対象において肝細胞癌を治療する方法に用いるための請求項29に記載の医薬組成物であって、前記方法が、
前記肝細胞癌の細胞を含有する生物学的試料中のFGF19の状態変化を検出することと、前記肝細胞癌が前記FGF19の状態変化を有する場合に、
前記医薬組成物を治療有効量で前記対象に投与することと
を含む、医薬組成物。
【請求項34】
前記FGF19の状態変化が、FGF19の発現の増加を含む、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
がメチルであり、Eが−NHC(O)CH=CHであり、Rが2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項36】
Eが、−NHC(O)CH=CHであり、R12が水素であり、Rが2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
線維芽細胞増殖因子(FGF)は、種々の生物学的活性を有する構造的に関連する20種を超えるタンパク質のファミリーである。それらの主要な受容体である線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR1、FGFR2、FGFR3およびFGFR4)は、FGFと結合し、細胞増殖および分化の過程に関わる受容体チロシンキナーゼのファミリーである。FGFRシグナル伝達ネットワークの脱制御(deregulation)が、多種類のヒト癌を含む多くの病態生理学的状態の原因とされている。
【0002】
「線維芽細胞増殖因子受容体4」または「FGFR4」は、増殖および抗アポトーシスを調節することが知られており、多くの癌において発現または高発現する。例えば、Dieci et al. 2013, Cancer Discovery, 0F1-0F16を参照されたい。研究により、FGFR4の発現が、癌のより攻撃的な表現型の前兆となり、またFGFR4の発現のノックダウンまたは低減が、増殖を減少させかつアポトーシスを促進するのに役立つということが明らかになっている。例えば、Wesche et al. 2011, Biochem J 437:199-213を参照されたい。
【0003】
例えば、FGFR4の発現または過剰発現は、胃癌(Ye et al. 2011, Cancer, 5304-5313)、前立腺癌(Xu et al. 2011, BMC Cancer, 11;84)、横紋筋肉腫(Taylor VI et al. 2009, J Clin Invest, 119(11):3395-3407)のような肉腫、黒色腫(Streit et al. 2006, British J Cancer, 94:1879-1886)のような皮膚癌、胆管癌(Sia et al. 2013, Gastroenterology 144:829-840)および肝細胞癌(French et al. 2012, PLoS ONE 7(5): e367313; Miura et al. 2012, BMC Cancer 12:56; Chiang et al. 2008, Cancer Res 68(16):6779-6788; Sawey et al. 2011, Cancer Cell 19:347-358)のような肝臓癌、膵上皮内腫瘍および膵管腺癌(Motoda et al. 2011, Int’l J Oncol 38:133-143)のような膵臓癌、非小細胞性肺癌(Fawdar et al. 2013, PNAS 110(30):12426-12431)のような肺癌、結腸直腸癌(Pelaez-Garcia et al. 2013, PLoS ONE 8(5): e63695; Barderas et al. 2012, J Proteomics 75:4647-4655)、および卵巣癌(Zaid et al. 2013, Clin Cancer Res 19:809-820)において、癌の攻撃性と関連があるとされている。
【0004】
いくつかのFGFR阻害剤の臨床開発により、抗腫瘍剤としてのそれらの有用性が確証されている。Dieci et al. 2013, Cancer Discovery, 0F1-0F16。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、FGFR、特にFGFR4を標的化するのに有用な新規薬剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本発明の目的は、式I:
【化1】
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[式中、
は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、NR10111〜6アルキル、R10ヘテロシクリルC1〜6アルキル、R10アリールC1〜6アルキル、およびR10ヘテロアリールC1〜6アルキルからなる群から選択され、ここで、R10およびR11は、各々独立して、水素およびC1〜6アルキルからなる群から選択され;
Eは、
−NR13C(O)CR14=CHR15、および
−NR13C(O)C≡CR14
からなる群から選択され、
ここで、R13は、水素およびメチルからなる群から選択され、かつR14およびR15は、各々独立して、水素、メチル、フルオロ、およびクロロからなる群から選択され;
12は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ヒドロキシC1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、Rヘテロシクリル、−C(O)ヘテロシクリルR、RヘテロシクリルC1〜6アルキル、NR、NR1〜6アルキル、−C(O)NR、およびNR1〜6アルキオキシ(alkyoxy)からなる群から選択され、ここで、RおよびRは、各々独立して、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、アミノC1〜6アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、およびC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択され;かつ
は、フェニルであり、ここで、前記フェニルは、独立して選択されるハロまたはC1〜6アルコキシで2回、3回、または4回置換されている]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供することである。
【0007】
一部の実施形態において、Rは、C1〜6アルキルである。
【0008】
一部の実施形態において、Rは、メチル、メトキシエチル、4−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、2−ピリジルメチル、ベンジル、N,N−ジメチルアミノプロピル、3−メチルイソオキサゾール−5−イル−メチル、および4−メチルピペラジン−1−イル−プロピルからなる群から選択される。
【0009】
一部の実施形態において、Eは、−NR13C(O)CH=CHR15または−NR13C(O)CF=CHであり、ここで、R13およびR15は、上で定義したとおりである。一部の実施形態において、Eは、−NHC(O)CH=CHである。
【0010】
一部の実施形態において、R12は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、N,N−ジメチルアミノエチル、ピペラジン−1−イル、4−エチルピペラジン−1−イル、4−エチルピペラジン−1−イル−メチル、1−メチルピペリジン−4−イル、1−エチルピペリジン−4−イル、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノプロピル、ピペリジン−4−イル、モルホリノ、3,5−ジメチルピペラジン−1−イル、4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル、N,N−ジメチルアミノエトキシ、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、ヒドロキシエトキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、2−メトキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−アミノプロピル、4−メチルピペラジン−1−イル−カルボニル、4−エチルピペラジン−1−イル−カルボニル、4−[2−プロピル]ピペラジン−1−イル、4−アセチルピペラジン−1−イル、N−メチル−N−ヒドロキシエチル−アミノ、N,N−ジメチルアミド、および4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イルからなる群から選択される。
【0011】
一部の実施形態において、R12は、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、Rヘテロシクリル、RヘテロシクリルC1〜6アルキル、−C(O)NR、NR1〜6アルキル、NR1〜6アルキオキシ(alkyoxy)、C1〜6アルコキシ、およびC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、ここで、RおよびRは、各々独立して、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、およびC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択される。
【0012】
一部の実施形態において、R12は、Rヘテロシクリルであり、ここで、RおよびRは、上で定義したとおりである。
【0013】
一部の実施形態において、Rヘテロシクリルは、Rピペラジニルであり、ここで、RおよびRは、上で定義したとおりである。
【0014】
一部の実施形態において、R12は、4−エチルピペラジン−1−イルである。
【0015】
一部の実施形態において、R12は、水素ではない。
【0016】
一部の実施形態において、Rは、2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニルである。
【0017】
一部の実施形態において、当該化合物は、式I(a):
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、E、R12、およびRは、上で定義したとおりである]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0018】
さらなる目的は、本明細書に記載される化合物または塩と、薬学的に許容可能なキャリアとを含む、医薬組成物である。一部の実施形態において、この組成物は、経口投与または非経口投与のために製剤化される。
【0019】
さらなる目的は、肝細胞癌の治療を必要とする対象において肝細胞癌を治療する方法であって、治療有効量の本明細書に記載される化合物もしくは塩または組成物を前記対象に投与することを含む方法である。一部の実施形態において、肝細胞癌は、FGFR4および/またはFGF19の状態変化(例えば、FGFR4および/またはFGF19の発現の増加)を有する。
【0020】
さらなる目的は、肝細胞癌の治療を必要とする対象において肝細胞癌を治療する方法であって、前記肝細胞癌の細胞を含有する生物学的試料中のFGFR4および/またはFGF19の状態変化(例えば、FGFR4および/またはFGF19の発現の増加)を検出することと、前記肝細胞癌が前記FGFR4および/またはFGF19の状態変化を有する場合に、本明細書に記載される化合物または組成物を治療有効量で前記対象に投与することとを含む方法である。
【0021】
さらなる目的は、肝細胞癌の治療方法における、本明細書に記載される化合物もしくは塩または組成物の使用である。
【0022】
さらなる目的は、肝細胞癌の治療のための医薬の製造における、本明細書に記載される化合物または塩の使用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、HUH7細胞を用いた肝細胞癌モデルにおけるインビボ有効性試験の結果を示している。化合物108(25mg/kgまたは37.5mg/kg)またはビヒクルコントロールを腹腔内注射により投与し、腫瘍体積を15日の間週2回測定した。
図2図2は、HEP3B細胞を用いた肝細胞癌モデルにおけるインビボ有効性試験の結果を示している。化合物108(12.5mg/kg、25mg/kgまたは37.5mg/kg)またはビヒクルコントロールを腹腔内注射により投与し、腫瘍体積を15日の間週2回測定した。
図3図3は、JHH7細胞を用いた肝細胞癌モデルにおけるインビボ有効性試験の結果を示している。化合物108(12.5mg/kg、25mg/kgまたは37.5mg/kg)またはビヒクルコントロールを腹腔内注射により投与し、腫瘍体積を15日の間週2回測定した。
図4図4は、HEP3B細胞を用いた肝細胞癌モデルにおける比較インビボ有効性試験の結果を示している。化合物108(25mg/kg、37.5mg/kgまたは50mg/kg)を1日2回腹腔内注射により投与するか、またはBGJ398(30mg/kgまたは60mg/kg)を1日2回経口投与した。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施形態の詳細な説明
本明細書では、FGFR4阻害剤として有用な化合物が提供される。一部の実施形態において、これらの化合物は、FGFR1および/またはFGFR2および/またはFGFR3に対する結合親和性および/または阻害作用と比べてより大きな(例えば、10倍、100倍もしくは1000倍またはそれ以上のより大きな)FGFR4に対する結合親和性および/または阻害作用を有しているので、これらは、選択的FGFR4阻害剤である。
【0025】
A.定義
本開示に従う活性薬剤として有用な化合物は、以上および以下に一般的に記載されるものを含み、本明細書に開示される実施形態、下位実施形態、および種概念によってより具体的に説明される。本明細書で使用される場合、別段の指摘がない限り、以下の定義が適用されるものとする。
【0026】
本明細書に記載されるように、本発明の化合物は、本明細書で一般的に示されているもののような、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および種によって例示されているような、1個以上の置換基で、任意選択で置換され得る。一般的に、用語「置換される」とは、所与の構造中の水素の指定された置換基への置き換えをいう。別段の指摘がない限り、置換される基は、その基のそれぞれの置換可能な位置に置換基を有し得、また、任意の所与の構造中の1つより多くの位置が指定された基から選択される1個より多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、同じであっても位置ごとに異なっていてもどちらでもよい。本発明により想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定な化合物の形成を結果としてもたらすものである。本明細書で使用される場合、「安定な」とは、化学的に実現可能な化合物であって、少なくとも1週間にわたり湿気または他の化学的に反応性の条件の不在下において40℃以下の温度で維持された場合に実質的に変化しない化合物をいう。
【0027】
当業者により理解されるであろうように、本明細書で使用される場合、「H」は水素であり、「C」は炭素であり、「N」は窒素であり、「S」は硫黄であり、そして「O」は酸素である。
【0028】
本明細書で使用される場合、「アルキル」または「アルキル基」とは、完全に飽和している直鎖(すなわち、分岐なし)または分岐の炭化水素鎖を意味する。一部の実施形態において、アルキルは、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する。特定の実施形態において、アルキル基は1〜6個の炭素原子を含有する(C1〜6アルキル)。特定の実施形態において、アルキル基は1〜4個の炭素原子を含有する(C1〜4アルキル)。特定の実施形態において、アルキル基は1〜3個の炭素原子を含有する(C1〜3アルキル)。なお他の実施形態において、アルキル基は2〜3個の炭素原子を含有し(C2〜3アルキル)、さらに他の実施形態において、アルキル基は1〜2個の炭素原子を含有する(C1〜2アルキル)。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」または「アルケニル基」とは、1個以上の二重結合を有する直鎖(すなわち、分岐なし)または分岐の炭化水素鎖をいう。一部の実施形態において、アルケニルは、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する。特定の実施形態において、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を含有する(C2〜8アルキル)。特定の実施形態において、アルケニル基は2〜6個の炭素原子を含有する(C2〜6アルキル)。なお他の実施形態において、アルケニル基は3〜4個の炭素原子を含有し(C3〜4アルキル)、さらに他の実施形態において、アルケニル基は2〜3個の炭素原子を含有する(C2〜3アルキル)。別の態様によれば、アルケニルという用語は、「ジエン」とも称される2個の二重結合を有する直鎖炭化水素をいう。典型的なアルケニル基の非限定的な例としては、−CH=CH、−CHCH=CH、−CH=CHCH、−CHCHCH=CH、−CHCH=CHCH、−CH=CHCHCH、および−CH=CHCH=CHが挙げられる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」または「アルキニル基」とは、1つ以上の三重結合を有する直鎖(すなわち、分岐なし)または分岐の炭化水素鎖をいう。一部の実施形態において、アルキニルは、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する。特定の実施形態において、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を含有する(C2〜8アルキニル)。特定の実施形態において、アルキニル基は2〜6個の炭素原子を含有する(C2〜6アルキニル)。なお他の実施形態において、アルキニル基は3〜4個の炭素原子を含有し(C3〜4アルキニル)、さらに他の実施形態において、アルキニル基は2〜3個の炭素原子を含有する(C2〜3アルキニル)。
【0031】
「Ar」または「アリール」とは、1つ以上の閉じた環を有する芳香族炭素環式部分をいう。例としては、限定するものではないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントラセニル、ビフェニル、およびピレニルが挙げられる。
【0032】
「ハロ」とは、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)またはヨード(I)をいう。
【0033】
「ハロアルキル」とは、アルキル基を介して親分子部分に付加されている1個以上のハロ基をいう。例としては、クロロメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
「ヘテロアリール」とは、環のうちの少なくとも1つに1個以上のヘテロ原子(酸素、窒素または硫黄)があり、それらの環のうちの少なくとも1つは芳香族であり、その1つまたは複数の環は、独立して、縮合および/または架橋したものであり得る、1つ以上の閉じた環を有する環状部分をいう。例としては、限定するものではないが、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ピロリル、インダゾリル、チエノ[2,3−c]ピラゾリル、ベンゾフリル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、チオフェニルピラゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、チアゾリル、2−フェニルチアゾリル、およびイソオキサゾリルが挙げられる。
【0035】
「−OR」または「オキシ」とは、酸素原子を介して親分子部分に付加されているR基をいい、Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニルなどである。
【0036】
「アルコキシ」とは、本明細書で定義される場合、酸素(「アルコキシ」)原子を介して主炭素鎖と結合しているアルキル基をいう。「アルコキシ」の代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、フェノキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
「ヒドロキシ」とは、−OH基をいう。
【0038】
「カルボニル」は、化学式においてしばしばC(O)として示される、酸素原子に二重結合した炭素原子(C=O)を有する基である。
【0039】
「アセチル」は、基−C(O)CHである。
【0040】
「アミン」または「アミノ」とは、基−NHをいい、これらの水素のうちの0個、1個または2個は、本明細書に記載されるような好適な置換基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニルなど)に置き換えられ得る。
【0041】
「アミド(amide)」または「アミド(amido)」とは、−C(O)NHのような窒素原子と結合したカルボニルを有する基をいい、これらの水素のうちの0個、1個または2個は、本明細書に記載されるような好適な置換基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニルなど)に置き換えられ得る。
【0042】
「−SR」とは、硫黄原子を介して親分子部分に付加されているR基をいい、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、またはヘテロアリールである。「−SR」の代表的な例としては、エタンチオール、3−メチル−1−ブタンチオール、フェニルチオールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」とは、3〜8個またはそれ以上の炭素を含有する飽和環状炭化水素基をいう。シクロアルキルの代表的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」とは、3〜8個またはそれ以上の炭素を含有しかつ1個以上の二重結合を有する不飽和環状炭化水素基をいう。
【0045】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキニル」とは、3〜8個またはそれ以上の炭素を含有しかつ1個以上の三重結合を有する不飽和環状炭化水素基をいう。
【0046】
本明細書で使用される場合、「求電子剤」とは、低下した電子密度を有する基であって、典型的には、より電気陰性度の高い原子(例えば、酸素、窒素またはハロ)に直接結合している炭素原子を含む基をいう。典型的な求電子剤としては、ジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン、例えばヨウ化メチル、臭化ベンジルなどのような、ハロゲン化アルキル、例えばメチルトリフレートなどのような、アルキルトリフレート、例えばトルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸ブチルなどのような、アルキルスルホナート、例えば塩化アセチル、臭化ベンゾイルなどのような、ハロゲン化アシル、例えば無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸などのような、酸無水物、例えばイソシアン酸メチル、イソシアン酸フェニルなどのような、イソシアナート、例えばイソチオシアン酸メチル、イソチオシアン酸フェニルなどのような、イソチオシアナート、例えばクロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ベンジルなどのような、クロロホルマート、例えばメタンスルホニルクロリド、メタンスルホニルフルオリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどのような、ハロゲン化スルホニル、例えばトリメチルシリルクロリド、tert−ブチルジメチルシリルクロリドなどのような、ハロゲン化シリル、例えばクロロリン酸ジメチルなどのような、ハロゲン化ホスホリル、例えば2−メチルオキシランのような、エポキシド、例えば2−メチルアジリジンのような、アジリジン、例えば1−クロロ−2−プロパノンのような、α−ハロケトン、例えばアクロレイン、メチルビニルケトン、シンナムアルデヒド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのような、α−β−不飽和カルボニル化合物、および、例えば(E)−6−クロロヘキサ−4−エン−3−オンのような、γ−ハロ−α−β−不飽和カルボニル化合物が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、求電子剤は、α−ハロケトン、イソチオシアナート、エポキシド、アジリジン、ハロゲン化スルホニル、またはα−β−不飽和カルボニルである。
【0047】
一部の実施形態において、求電子剤は、マイケルアクセプターである。当該技術分野において知られているように、「マイケルアクセプター」は、形態
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
のアルケンまたはアルキンであり;ここで、Zは、電子求引性基(CHO、COR、COOR、CONRR’、CONROR’、CN、NO、SOR、SORが挙げられるが、これらに限定されない)を含む。Rは、H、アルキル、またはアリールであり得;ここで、R’は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアリールである。別の実施形態において、アゾジカルボキサミドおよびキノンがマイケルアクセプターである。Santos, M.M.M. and Moreira, R., Mini-Reviews in Medicinal Chemistry, 7:1040-1050, 2007を参照されたい。マイケル反応の一例を、以下のスキームに示す。
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
ここで、電子求引性基Z、Z’およびZ’’は、上に記載したとおりである。一部の実施形態において、マイケルアクセプターは、α−β−不飽和カルボニル化合物(α−β−不飽和アミド、α−β−不飽和ケトン、α−β−不飽和エステル、共役アルキニルカルボニルおよびα−β−不飽和ニトリルが挙げられるが、これらに限定されない)である。
【0048】
本明細書で使用される場合、「α−β−不飽和アミド」または「不飽和アミド」とは、アミドカルボニル基に直接結合しているアルケンまたはアルキンを含むアミドをいい、構造
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R’は、水素またはアルキルである]によって表される。
【0049】
「ヘテロ原子」とは、O、SまたはNをいう。
【0050】
本明細書で使用される場合、「複素環」または「ヘテロシクリル」とは、環中に少なくとも1個のヘテロ原子を含有する単環式複素環、二環式複素環、または三環式複素環を意味する。
【0051】
単環式複素環は、O、N、およびSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環である。一部の実施形態において、この複素環は、O、NおよびSからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含有する3員環または4員環である。一部の実施形態において、この複素環は、0個または1個の二重結合、ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含有する5員環である。一部の実施形態において、この複素環は、0個、1個または2個の二重結合、ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含有する6員環、7員環、または8員環である。単環式複素環の代表的な例としては、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ジヒドロピラニル(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−6−イルを含む)、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルを含む)、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、およびトリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
本発明の二環式複素環は、アリール基と縮合した単環式複素環、または単環式シクロアルキルと縮合した単環式複素環、または単環式シクロアルケニルと縮合した単環式複素環、または単環式複素環と縮合した単環式複素環によって例示され得る。二環式複素環の代表的な例としては、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、1,3−ベンゾジオキソリル、1,3−ベンゾジチオリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾチエニル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
三環式複素環は、アリール基と縮合した二環式複素環、または単環式シクロアルキルと縮合した二環式複素環、または単環式シクロアルケニルと縮合した二環式複素環、または単環式複素環と縮合した二環式複素環である。三環式複素環の代表的な例としては、2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1H−カルバゾリル、5a,6,7,8,9,9a−ヘキサヒドロジベンゾ[b,d]フラニル、および5a,6,7,8,9,9a−ヘキサヒドロジベンゾ[b,d]チエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
上記のヘテロアリールおよび複素環において、窒素または硫黄原子は、任意選択で、種々の酸化状態に酸化されたものであり得る。具体的な例において、基S(O)0〜2は、それぞれ−S−(スルフィド)、−S(O)−(スルホキシド)、および−SO−(スルホン)を表す。便宜上、窒素、特に、但し限定するものではないが、環構成芳香族窒素として定義されるものは、それらの対応するN−オキシド形態を包含することが意図される。
【0055】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」は、本開示における化合物の酸付加塩または塩基付加塩をいう。薬学的に許容可能な塩は、親化合物の活性を保持し、かつ、それが投与される対象に対し、それが投与される状況において、過度に有害なまたは望ましくない作用を何ら与えない、任意の塩である。薬学的に許容可能な塩としては、金属錯体ならびに無機酸およびカルボン酸の双方の塩が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容可能な塩には、アルミニウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マグネシウム塩、マンガン塩および錯塩のような金属塩も含まれる。さらに、薬学的に許容可能な塩としては、酢酸塩、アスパラギン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、アキセチル(axetil)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル(esyl)、エシル酸(esylic)塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサミン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸(hexylresorcinoic)塩、ヒドラバミン酸(hydrabamic)塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ムコン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、p−ニトロメタンスルホン酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、フタル酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸(sulfanlic)塩、スルホン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トルエンスルホン酸塩のような酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容可能な塩は、アミノ酸(システインが挙げられるが、これに限定されない)から誘導され得る。化合物を塩として製造するための方法は、当業者に知られている(例えば、Stahl et al., Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, Wiley-VCH; Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, 2002; Berge et al., J. Pharm. Sci. 66: 1, 1977を参照されたい)。
【0056】
別段の指摘がない限り、本明細書で使用されるような化学基または部分を記載するために使用される命名法は、名称を左から右に読み、分子の残部への結合点が名称の右側にあるという慣習に従う。例えば、基「アリールC1〜6アルキル」は、アルキル末端で分子の残部と結合している。
【0057】
別段の指摘がない限り、化学基が「−」で示される末端結合部分を含むその化学式により記載される場合は、結合を左から右に読むことが理解されるであろう。例えば、−C(O)C1〜6アルキルは、カルボニル末端で分子の残部と結合している。
【0058】
別段の記述がない限り、本明細書に示される構造は、その構造の全てのエナンチオマー形態、ジアステレオマー形態、および幾何(または配座)形態(例えば、各不斉中心についてのRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)配座異性体)を含むことも意図される。したがって、本化合物の単一の立体化学的異性体、ならびにエナンチオマー混合物、ジアステレオマー混合物、および幾何(または配座)混合物が、本発明の範囲内にある。別段の記述がない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体形態が、本発明の範囲内にある。さらに、別段の記述がない限り、本発明の化合物の全ての回転異性体形態が、本発明の範囲内にある。別段の記述がない限り、本明細書に示される構造は、1個以上の同位体富化された原子の存在の点でのみ異なる化合物を含むことも意図される。例えば、重水素もしくは三重水素への水素の置き換え、または13Cもしくは14C富化炭素への炭素の置き換え以外は本構造を有する化合物が、本発明の範囲内にある。そのような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして有用である。
【0059】
「異性体」とは、同じ数および種類の原子を有し、したがって同じ分子量を有しているが、原子の配列または配置に関して異なっている化合物をいう。しかしながら、異性体またはラセミ体もしくは他の異性体混合物の中には、他のものよりも大きな活性を示すものがあり得ることが理解されるであろう。「立体異性体」とは、空間における原子の配列の点でのみ異なる異性体をいう。「ジアステレオ異性体」とは、互いの鏡像ではない立体異性体をいう。「エナンチオマー」とは、重ね合わせることができない互いの鏡像である立体異性体をいう。
【0060】
一部の実施形態において、本明細書で教示されるエナンチオマー化合物は、実質的に単一のエナンチオマー、例えば、90%、92%、95%、98%、もしくは99%以上、または100%の単一のエナンチオマーを含む、「鏡像異性的に純粋な(enantiomerically pure)」異性体であり得る。
【0061】
一部の実施形態において、本明細書で教示されるエナンチオマー化合物は、立体異性的に純粋であり得る。本明細書で使用される場合、「立体異性的に純粋な(stereomerically pure)」とは、化合物の1つの立体異性体を含み、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない、化合物またはその組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物は、その化合物の逆のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物は、その化合物のジアステレオマーを実質的に含まず、かつその化合物の逆のエナンチオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性的に純粋な化合物は、その化合物の1つの立体異性体を約80重量%より多く含み、その化合物の他の立体異性体を約20重量%より少なく含み、より好ましくは、その化合物の1つの立体異性体を約90重量%より多く含み、その化合物のその他の立体異性体を約10重量%より少なく含み、さらにより好ましくは、その化合物の1つの立体異性体を約95重量%より多く含み、その化合物のその他の立体異性体を約5重量%より少なく含み、最も好ましくは、その化合物の1つの立体異性体を約97重量%より多く含み、その化合物のその他の立体異性体を約3重量%より少なく含む。例えば、米国特許第7,189,715号を参照されたい。
【0062】
異性体を説明する用語としての「R」および「S」は、非対称に置換された炭素原子における立体化学的配置の記述語である。非対称に置換された炭素原子の「R」または「S」としての指定は、当業者によく知られ、かつInternational Union of Pure and Applied Chemistry (IUPAC) Rules for the Nomenclature of Organic Chemistry. Section E, Stereochemistryにも記載されている、カーン・インゴルド・プレローグ順位則の適用によって行われる。
【0063】
エナンチオマーの「エナンチオマー過剰率」(ee)は、[(主エナンチオマーのモル分率)−(副エナンチオマーのモル分率)]×100である。
【0064】
B.化合物
式I:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、NR10111〜6アルキル、R10ヘテロシクリルC1〜6アルキル、R10アリールC1〜6アルキル、およびR10ヘテロアリールC1〜6アルキルからなる群から選択され、ここで、R10およびR11は、各々独立して、水素およびC1〜6アルキルからなる群から選択され;
Eは、
−NR13C(O)CR14=CHR15、および
−NR13C(O)C≡CR14
からなる群から選択され、
ここで、R13は、水素およびメチルからなる群から選択され、かつR14およびR15は、各々独立して、水素、メチル、フルオロ、およびクロロからなる群から選択され;
12は、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ヒドロキシC1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、Rヘテロシクリル、−C(O)ヘテロシクリルR、RヘテロシクリルC1〜6アルキル、NR、NR1〜6アルキル、−C(O)NR、およびNR1〜6アルキオキシ(alkyoxy)からなる群から選択され、ここで、RおよびRは、各々独立して、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、アミノC1〜6アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、およびC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択され;かつ
は、フェニルであり、ここで、前記フェニルは、独立して選択されるハロまたはC1〜6アルコキシで2回、3回、または4回置換されている]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、一部の実施形態に従う活性薬剤として本明細書において提供される。
【0065】
一部の実施形態において、Rは、C1〜6アルキルである。
【0066】
一部の実施形態において、Rは、メチル、メトキシエチル、4−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、2−ピリジルメチル、ベンジル、N,N−ジメチルアミノプロピル、3−メチルイソオキサゾール−5−イル−メチル、および4−メチルピペラジン−1−イル−プロピルからなる群から選択される。
【0067】
一部の実施形態において、Eは、−NR13C(O)CH=CHR15または−NR13C(O)CF=CHであり、ここで、R13およびR15は、上で定義したとおりである。一部の実施形態において、Eは、−NHC(O)CH=CHである。
【0068】
一部の実施形態において、R12は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、N,N−ジメチルアミノエチル、ピペラジン−1−イル、4−エチルピペラジン−1−イル、4−エチルピペラジン−1−イル−メチル、1−メチルピペリジン−4−イル、1−エチルピペリジン−4−イル、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノプロピル、ピペリジン−4−イル、モルホリノ、3,5−ジメチルピペラジン−1−イル、4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル、N,N−ジメチルアミノエトキシ、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、ヒドロキシエトキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、2−メトキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−アミノプロピル、4−メチルピペラジン−1−イル−カルボニル、4−エチルピペラジン−1−イル−カルボニル、4−[2−プロピル]ピペラジン−1−イル、4−アセチルピペラジン−1−イル、N−メチル−N−ヒドロキシエチル−アミノ、N,N−ジメチルアミド、および4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イルからなる群から選択される。
【0069】
一部の実施形態において、R12は、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、Rヘテロシクリル、RヘテロシクリルC1〜6アルキル、−C(O)NR、NR1〜6アルキル、NR1〜6アルキオキシ(alkyoxy)、C1〜6アルコキシ、およびC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、ここで、RおよびRは、各々独立して、水素、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、およびC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択される。
【0070】
一部の実施形態において、R12は、Rヘテロシクリルであり、ここで、RおよびRは、上で定義したとおりである。
【0071】
一部の実施形態において、Rヘテロシクリルは、Rピペラジニルであり、ここで、RおよびRは、上で定義したとおりである。
【0072】
一部の実施形態において、R12は、4−エチルピペラジン−1−イルである。
【0073】
一部の実施形態において、R12は、水素ではない。
【0074】
一部の実施形態において、Rは、2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニルである。
【0075】
一部の実施形態において、当該化合物は、式I(a):
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、E、R12、およびRは、上で定義したとおりである]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0076】
C.医薬製剤
本発明の活性薬剤を薬学的に許容可能なキャリアと組み合わせて、その医薬製剤を提供し得る。キャリアおよび製剤の特定の選択は、組成物が向けられることになっている特定の投与経路によって決まる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能なキャリア」とは、それが共に製剤化される化合物の薬理学的活性を損なわない非毒性のキャリア、アジュバント、またはビヒクルをいう。本発明の組成物において使用され得る薬学的に許容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルとしては、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリラート、蝋、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
本発明の組成物は、非経口投与、経口投与、吸入噴霧投与、局所投与、直腸投与、経鼻投与、口腔粘膜投与、膣内投与、または植込みレザバー投与などに好適であり得る。一部の実施形態において、製剤は、天然源または非天然源からのものである成分を含む。一部の実施形態において、製剤またはキャリアは、滅菌形態で提供され得る。滅菌キャリアの非限定的な例としては、エンドトキシンフリー水またはパイロジェンフリー水が挙げられる。
【0079】
本明細書で使用される場合、用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、鞘内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を包含する。特定の実施形態において、当該化合物は、静脈内投与されるか、経口投与されるか、皮下投与されるか、または筋肉内投与により投与される。本発明の組成物の滅菌注射可能形態は、水性または油性の懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、好適な分散助剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて当該技術分野において知られている技術に従って製剤化され得る。滅菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液または懸濁液であり得る。使用され得る許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに、滅菌した固定油が、溶媒または懸濁媒として従来から使用されている。
【0080】
この目的のために、任意の無刺激の固定油(合成のモノまたはジグリセリドを含む)が使用され得る。脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、天然の薬学的に許容可能な油(例えば、オリーブ油またはヒマシ油)、特にそのポリオキシエチル化型のものと同様に、注射可能物質の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、または薬学的に許容可能な剤形(乳剤および懸濁剤を含む)の製剤において一般的に使用されている類似の分散助剤)を含有し得る。他の一般的に使用されている界面活性剤(例えば、Tween、Span、および薬学的に許容可能な固体、液体または他の剤形の製造において一般的に使用されている他の乳化剤)もまた、製剤化の目的のために使用され得る。
【0081】
経口投与のためには、化合物または塩は、許容可能な経口剤形(カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または水剤が挙げられるが、これらに限定されない)で提供され得る。経口使用のための錠剤の場合において、一般的に使用されているキャリアとしては、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが挙げられる。滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)もまた添加され得る。カプセル形態での経口投与のために有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁剤が経口使用のために必要とされる場合、有効成分は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わされ得る。所望される場合、特定の甘味剤、フレーバー剤または着色剤もまた添加され得る。さらに、保存剤もまた添加され得る。薬学的に許容可能な保存剤の好適な例としては、溶媒、例えばエタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、第4級アンモニウム塩、およびパラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)のような種々の抗菌剤および抗真菌剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
D.対象および使用方法
本発明の活性薬剤は、肝細胞癌を治療するために使用され得る。
【0083】
「治療」、「治療する」および「治療すること」とは、本明細書に記載されるような疾患または障害を逆転させること、緩和すること、その発症を遅延させること、その進行を抑制すること、またはさもなければそれを改善することをいう。一部の実施形態において、治療は、1つ以上の症状が発現した後に投与され得る。他の実施形態において、治療は、症状の不在下で投与され得る。例えば、治療は、症状の発症の前に(例えば、症状の病歴を考慮しておよび/または遺伝的もしくは他の易罹患性因子を考慮して)易罹患性のある個体に投与され得る。治療はまた、症状が消滅した後も、例えばその再発を予防するまたは遅延させるために、継続され得る。
【0084】
本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」とは、動物対象、好ましくは哺乳動物対象、特にヒト対象(男性および女性の両方の対象を含み、新生児、乳幼児、少年、青年、成人および老齢の対象を含む)を意味する。対象には、実験目的または獣医学的目的のための、他の哺乳動物対象(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、サル、トリなど)もまた含まれ得る。
【0085】
一部の実施形態において、治療は、FGFR4および/またはFGF19(線維芽細胞増殖因子19)の状態が変化した肝細胞癌を有する対象に提供される。
【0086】
一部の実施形態において、治療は、前記肝細胞癌の細胞を含有する生物学的試料中のFGFR4および/またはFGF19の状態を分析することと、前記肝細胞癌がFGFR4および/またはFGF19の変化を示した場合に、治療有効量の本明細書に記載される活性薬剤で対象を処置することとを含むか、またはそうすることと共に行われ得る。
【0087】
FGFR4および/またはFGF19に関して本明細書で使用される場合、「状態変化」は、対応する非癌性組織と比較して、その発現の増加(例えば、mRNAレベルの増加またはタンパク質レベルの増加)、ゲノム中のコピー数の増加、および/または突然変異の結果としてのコードされたタンパク質の活性の増加などを包含する。一部の実施形態において、FGFR4および/またはFGF19の状態変化は、活性の増加を結果としてもたらすかまたはさもなければより攻撃的な形態の肝細胞癌と関係する、遺伝子および/またはコードされたタンパク質の突然変異を含む。
【0088】
FGFR4および/またはFGF19の「発現」とは、それをコードする遺伝子が転写されること、好ましくは翻訳されることを意味する。典型的に、コード領域の発現が、コードされたポリペプチドの産生を結果としてもたらす。
【0089】
FGFR4およびFGF19タンパク質は知られており、それらの変化した状態および/または発現は、当該技術分野において標準的な技術(例えば、突然変異またはコピー数異常のゲノム解析(例えば、核酸増幅、配列決定分析、および/またはハイブリダイゼーションに基づく技術によるもの)、RNA発現解析(例えば、ノーザンブロットまたはqRT−PCR)、ウェスタンブロットまたは他の免疫ブロットもしくはイムノアッセイ、蛍光活性化細胞選別(FACS)など)を用いて測定され得る。
【0090】
本明細書に記載される発明がより十分に理解され得るように、以下の実施例を示す。これらの実施例は、単に例示を目的とするものであり、限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【実施例】
【0091】
実施例
一般:
マイクロウェーブ加熱は、Biotage Emrys LiberatorまたはInitiatorマイクロウェーブを用いて行った。カラムクロマトグラフィーは、Isco Rf200dを用いて実施した。溶媒除去は、Buchi回転エバポレーターまたはGenevac遠心エバポレーターのいずれかを用いて実施した。分取LC/MSは、酸性移動相条件下でWaters自動精製装置および19×100mmのXTerra5ミクロンMS C18カラムを用いて行った。NMRスペクトルは、Varian400MHz分光計を用いて記録した。
【0092】
反応器(例えば、反応容器、フラスコ、ガラス反応器など)を記載するために用語「不活性化された」が使用される場合、その反応器中の空気が、実質的に湿気を含まないまたは乾燥した、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴンなど)に置き換えられていることが意味される。
【0093】
本発明の化合物を調製するための一般的な方法および実験を以下に示す。ある場合には、特定の化合物を例として説明する。しかしながら、それぞれの場合において、本発明の一連の化合物を下記のスキームおよび実験に従って調製したことが理解されるであろう。
【0094】
目的化合物の精製のための分取HPLC条件
クロマトグラフィー条件:
計器:Waters 2767-SQD Mass trigger Prep System
カラム:Waters Xbridge C18 150mm*19mm*5μm
検出器:VWD SQD
流量:15mL/分
【0095】
【表A】
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【0096】
代表的な移動相:
1)
移動相:A:水中0.1%TFA
移動相:B:ACN
2)
移動相:A:水中0.1%NHHCO
移動相:B:ACN
3)
移動相:A:水中0.1%NHOAc
移動相:B:ACN
4)
移動相:A:水中0.1%NHOH
移動相:B:ACN
【0097】
定義:以下の略語は、示された意味を有する。
ACN:アセトニトリル
BocO:二炭酸ジ−tert−ブチル
Brettphos:2−(ジシクロへキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル
tBuONa:ナトリウムtert−ブトキシド
CHI:ヨードメタン
CsCO:炭酸セシウム
DCC:N,N’−ジシクロへキシルカルボジイミド
DCM:ジクロロメタン
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DME:ジメチルエーテル
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EGTA:エチレングリコール四酢酸
ESI−MS:エレクトロスプレーイオン化−質量分析
EtOH:エタノール
HATU:1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート
SO:硫酸
iPrOH:イソプロパノール
CO:炭酸カリウム
KHMDS:カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
KOH:水酸化カリウム
LCMS:液体クロマトグラフィー−質量分析
MeOH:メタノール
MsCl:塩化メタンスルホニル
NaBHCN:シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaBH(OAc):トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
NHCl:塩化アンモニウム
NHHCO:重炭酸アンモニウム
NaI:ヨウ化ナトリウム
NaNO:硝酸ナトリウム
NaOAc:酢酸ナトリウム
nBuOH:n−ブタノール
分取HPLC:分取高速液体クロマトグラフィー
分取TLC:分取薄層クロマトグラフィー
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBDMS−CL:tert−ブチルジメチルシリルクロリド
TBSCl:tert−ブチルジメチルシリルクロリド
TBSOTf:トリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリル
TEA:トリエチルアミン
TESCl:クロロトリエチルシラン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
Ti(OPr):チタンイソプロポキシド
TLC:薄層クロマトグラフィー
PPTS:p−トルエンスルホン酸ピリジニウム
PE:石油エーテル
PEG:ポリ(エチレングリコール)
PtO:二酸化白金
EtOAc:酢酸エチル
Pd/C:炭素担持パラジウム(0)
Pd(dba):トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dppf)Cl:[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Ruphos:2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル
Xantphos:4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
【0098】
材料:以下の化合物は、市販されており、かつ/または有機合成の技術分野の当業者によく知られている多くのやり方で調製され得る。より具体的には、開示される化合物は、本明細書に記載される反応および技術を用いて調製され得る。下記の合成方法の説明において、全ての提案される反応条件(溶媒、反応雰囲気、反応温度、実験期間、およびワークアップ手順の選択を含む)は、別段の指摘がない限り、その反応について標準的な条件となるように選択され得ることが理解されるべきである。分子の様々な部分に存在する官能基は、提案される試薬および反応と適合性があるべきであることが、有機合成の技術分野の当業者により理解される。そうした反応条件と適合性がない置換基は、当業者には明らかであり、したがって、代替的な方法が必要とされる。実施例のための出発物質は、市販されているか、または知られている物質から標準的な方法により容易に調製される。
【0099】
実施例化合物の合成および試験
2A〜2Lの手順によって表1の化合物を調製した。
【0100】
【表1-1】
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【0101】
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0102】
【表1-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0103】
【表1-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0104】
【表1-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0105】
【表1-6】
[この文献は図面を表示できません]
【0106】
【表1-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
【表1-8】
[この文献は図面を表示できません]
【0108】
【表1-9】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
【表1-10】
[この文献は図面を表示できません]
【0110】
【表1-11】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
【表1-12】
[この文献は図面を表示できません]
【0112】
【表1-13】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
【表1-14】
[この文献は図面を表示できません]
【0114】
【表1-15】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
手順2A:実施例−100
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
【化9】
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a.N−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド
トルエン(110mL)中の3,5−ジメトキシ−フェニルアミン(20g、0.131mol)の溶液に、無水酢酸(14g、0.137mmol)を室温で添加した。結果として生じた混合物を、室温で18時間撹拌した。PE(55mL)を添加し、沈殿物を濾過し、PE(100mL)で洗浄して、表題化合物(24.2g、収率:95%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.16(s,3H),3.77(s,6H),6.23(s,1H),6.75(s,2H),7.20(s,1H).
【0116】
【化10】
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b.N−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド
ACN(75mL)中のN−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド(5g、25.6mmol)の溶液に、塩化スルフリル(6.9g、51.2mmol)を、窒素雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を、この温度で30分間撹拌し、飽和NaHCO水(40mL)でクエンチした。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、表題化合物(2.3g、収率:34%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.25(s,3H),3.86(s,6H),6.54(s,1H),6.90(s,1H).
【0117】
【化11】
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c.2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニルアミン
EtOH(130mL)およびKOH(2M、75mL)中のN−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド(3.6g、13.7mmol)の溶液を、24時間にわたり加熱還流した。反応物を0℃に冷却し、この温度で1時間撹拌した。沈澱物を濾過し、乾燥させて、表題化合物(2.3g、収率:76%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ3.90(s,6H),4.57(bs,2H),6.05(s,1H).
【0118】
【化12】
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d.2,4−ジクロロ−3−イソシアナト−1,5−ジメトキシ−ベンゼン
ジオキサン(15mL)中の2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニルアミン(500mg、2.25mmol)、トリホスゲン(335mg、1.12mmol)およびTEA(342mg、3.38mmol)の混合物を、マイクロウェーブ下で2時間にわたり130℃に加熱した。反応物を濃縮し、残留物を、DCMで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(450mg、収率:80%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ3.92(s,6H),6.42(s,1H).
【0119】
【化13】
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e.(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−メチル−アミン
iPrOH(50mL)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(7.45g、50mmol)の溶液に、THF中のメチルアミンの溶液(2M、30mL、60mmol)を室温で添加した。結果として生じた混合物を、18時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を、DCM:EtOAc=6:1〜1:1で溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(4.4g、収率:62%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ2.96(d,3H),5.22−5.36(bs,1H),6.35(s,1H),8.35(s,1H);MS(ESI):144[M+H]
【0120】
【化14】
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f.N−メチル−N’−(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン
DME(50mL)中の(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−メチル−アミン(1g、7mmol)、2−ニトロ−フェニルアミン(965mg、7mmol)、Brettphos(279mg、0.35mmol)およびtBuONa(2g、21mmol)の混合物を、窒素雰囲気下で1時間にわたり90℃に加熱した。反応物を濃縮し、残留物を、DCM:EtOAc=10:1〜1:1で溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(600mg、収率:35%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ2.94(d,3H),4.99(bs,1H),5.82(s,1H),7.04(t,1H),7.60(t,1H),8.21(d,1H),8.33(s,1H),8.75(d,1H),9.91(s,1H);MS(ESI):246[M+H]
【0121】
【化15】
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g.3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−1−[6−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−尿素
THF(15mL)中のN−メチル−N’−(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン(150mg、0.61mmol)の溶液に、NaH(60%、60mg、1.5mmol)を0℃で添加し、この混合物を室温で30分間撹拌した。2,4−ジクロロ−3−イソシアナト−1,5−ジメトキシ−ベンゼン(180mg、0.73mmol)の溶液を、室温で滴下した。結果として生じた混合物を2時間撹拌した。水(2mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、残留物を、DCM:EtOAc=6:1〜1:1で溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(54mg、収率:18%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ3.38(s,3H),3.93(s,6H),6.75(s,1H),6.91(s,1H),7.34(t,1H),7.72(t,1H),7.79(d,1H),8.01(d,1H),8.38(s,1H),9.99(s,1H),11.78(s,1H);MS(ESI):493[M+H]
【0122】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
h.1−[6−(2−アミノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−尿素
THF(10mL)およびMeOH(10mL)中の3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−1−[6−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−尿素(50mg、0.1mmol)の溶液に、ラネーNi(水中懸濁液)を室温で添加し、結果として生じた混合物を、水素雰囲気下で2時間撹拌した。反応物を濾過し、濃縮して、表題化合物(38mg、収率:82%)を得、これを次の工程で直接使用した。H NMR(400MHz,CDCl)δ3.28(s,3H),3.85(s,2H),3.94(s,6H),5.86(s,1H),6.52(s,1H),6.78−6.87(m,3H),7.16−7.20(m,2H),8.39(s,1H),12.62(s,1H);MS(ESI):463[M+H]
【0123】
【化17】
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i.N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
THF(10mL)中の1−[6−(2−アミノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−尿素(25mg、0.05mmol)の溶液に、THF中のアクリロイルクロリドの溶液(20mg/mL、0.5mL、0.1mmol)を−10℃で添加し、結果として生じた混合物を、この温度で1時間撹拌した。MeOH(1mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、残留物を分取TLCにより精製して、表題化合物(12mg、収率:43%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ3.26(s,3H),3.94(s,6H),5.74(d,1H),6.24(d,1H),6.37(s,1H),6.47−6.54(m,1H),6.90(s,2H),7.20(d,2H),7.56−7.58(m,1H),7.66−7.68(m,1H),8.38(s,1H),9.99(s,1H),9.70(s,1H),11.99(s,1H);MS(ESI):517[M+H]
【0124】
化合物102、103および105を、化合物100と同様にして合成した。
【0125】
手順2B:実施例−107
【化18】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−3−イルメチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
【化19】
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a.(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ピリジン−3−イルメチル−アミン
ジオキサン(20mL)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(1g、6.71mmol)の溶液に、ピリジン−3−イル−メチルアミン(745mg、6.9mmol)の溶液を室温で添加した。結果として生じた混合物を、室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(680mg、収率:46%)を得た。MS(ESI):221[M+H]
【0126】
【化20】
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b.N−(2−ニトロ−フェニル)−N’−ピリジン−3−イルメチル−ピリミジン−4,6−ジアミン
トルエン(10mL)中の(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ピリジン−3−イルメチル−アミン(300mg、1.36mmol)、2−ニトロ−フェニルアミン(188mg、1.36mmol)、Pd(dba)(128mg、0.14mmol)、Xantphos(161mg、0.28mmol)およびCsCO(913mg、2.8mmol)の脱気混合物を、100℃で4時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(150mg、収率:34%)を得た。MS(ESI):323[M+H]
【0127】
【化21】
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c.3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−[6−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1−ピリジン−3−イルメチル−尿素
THF(15mL)中のN−(2−ニトロ−フェニル)−N’−ピリジン−3−イルメチル−ピリミジン−4,6−ジアミン(150mg、0.467mmol)の溶液に、NaH(60%、48mg、1.2mmol)を0℃で添加し、この混合物を、室温で30分間撹拌した。2,4−ジクロロ−3−イソシアナト−1,5−ジメトキシ−ベンゼン(手順2A、工程a〜d;180mg、0.73mmol)の溶液を、室温で滴下した。結果として生じた混合物を2時間撹拌した。水(2mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(85mg、収率:32%)を得た。MS(ESI):570[M+H]
【0128】
【化22】
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d.1−[6−(2−アミノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−3−イルメチル−尿素
AcOH(5mL)中の3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−[6−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1−ピリジン−3−イルメチル−尿素(85mg、0.149mmol)およびFe(84mg、1.5mmol)の混合物を、50℃で2時間加熱した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(53mg、収率:66%)を得た。MS(ESI):540[M+H]
【0129】
【化23】
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e.N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−3−イルメチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
THF(10mL)中の1−[6−(2−アミノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−3−イルメチル−尿素(53mg、0.1mmol)の溶液に、THF中のアクリロイルクロリドの溶液(20mg/mL、0.5mL、0.1mmol)を−10℃で添加し、この混合物をこの温度で1時間撹拌した。MeOH(1mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、残留物を分取TLCにより精製して、表題化合物(9mg、収率:15%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ3.84(s,6H),5.01(s,2H),5.69(d,1H),5.75(s,1H),6.10(dd,1H),6.34(d,1H),6.47(s,1H),7.00(d,1H),7.09−7.24(m,2H),7.28(t,1H),7.32(s,1H),7.47(d,1H),7.69−7.71(m,2H),8.31−8.34(m,2H),8.40−8.42(m,1H),12.60(s,1H);MS(ESI):594[M+H]
【0130】
手順2C:実施例−108
【化24】
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N−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
【0131】
【化26】
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b.4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニルカルバミン酸tert−ブチル
トルエン(85mL)中の4−ブロモ−2−ニトロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(5.4g、17mmol)、1−エチルピペラジン(2.91g、25.5mmol)、Pd(dba)(2.1g、3.4mmol)、キサントホス(3.92g、6.8mmol)およびCsCO(11.1g、34mmol)の脱気混合物を、100℃で4時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物を、MeOH:DCM=1:50〜1:20で溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(3.3g、収率:55%)を得た。MS(ESI):351[M+H]
【0132】
【化27】
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c.4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリン
DCM(50mL)中の4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(3.3g、9.43mmol)の溶液に、TFA(20mL)を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で3時間撹拌した。真空中での全ての揮発性物質の除去後に、残留物をDCMに再溶解させ、飽和KCO水で中和し、DCMで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して、表題化合物(2.1g、収率:90%)を得、これを次の工程で直接使用した。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ1.02(t,3H),2.36(q,2H),2.47−2.49(m,4H)2.97−3.00(m,4H),6.97(d,1H),7.20(s,2H),7.25(s,1H),7.34(dd,1H);MS(ESI):251[M+H]
【0133】
【化28】
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d.N−(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)−N−メチルピリミジン−4,6−ジアミン
トルエン(45mL)中の4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリン(2.1g、8.4mmol)、6−クロロ−N−メチルピリミジン−4−アミン(手順2A、工程e;1.2g、8.4mmol)、Pd(dba)(1.54g、1.68mmol)、キサントホス(1.94g、3.36mmol)およびCsCO(5.48g、16.8mmol)の脱気混合物を、100℃で1時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物を、MeOH:DCM=1:40〜1:20で溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(870mg、収率:29%)を得た。MS(ESI):358[M+H]
【0134】
【化29】
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e.3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(6−(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1−メチル尿素
THF(15mL)中のN4−(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)−N6−メチルピリミジン−4,6−ジアミン(870mg、2.44mmol)の溶液に、NaH(60%、200mg、5mmol)を0℃で添加し、この混合物を、室温で30分間撹拌した。THF中の2,4−ジクロロ−3−イソシアナト−1,5−ジメトキシ−ベンゼン(手順2A、工程a〜d;908mg、3.66mmol)の溶液を、0℃で滴下した。結果として生じた混合物を、室温で2時間撹拌した。飽和NHCl水溶液(2mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、DCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(330mg、収率:21%)を赤色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ1.44(t,3H),3.01(t,2H),3.21(q,2H),3.41−3.49(m,5H),3.73−3.80(m,4H),3.92(s,6H),6.27(s,1H),6.55(s,1H),7.25(d,1H),7.69(s,1H),8.32(d,1H),8.52(s,1H),10.28(br s,1H),12.05(br s,1H);MS(ESI):605[M+H]
【0135】
【化30】
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f.1−(6−(2−アミノ−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素
THF(20mL)およびMeOH(20mL)中の3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(6−(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1−メチル尿素(330mg、0.546mmol)の溶液に、ラネーNi(水中懸濁液)を室温で添加し、結果として生じた混合物を、水素雰囲気(1atm)下で3時間撹拌した。反応物を濾過し、濃縮した。残留物をMeOHで2回洗浄して、表題化合物(280mg、純度:90%)を得、これを次の工程で直接使用した。MS(ESI):575[M+H]
【0136】
【化31】
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g.N−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
THF(30mL)中の1−(6−(2−アミノ−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素(280mg、純度:90%、0.44mmol)の溶液に、THF中のアクリロイルクロリドの溶液(20mg/mL、2mL、0.44mmol)を−10℃で添加し、結果として生じた混合物を、この温度で1時間撹拌した。MeOH(1mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCおよび分取TLCにより精製して、表題化合物(20mg、収率:7%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ1.31(t,3H),2.65(q,2H),2.62−2.68(m,4H),3.27(s,3H),3.36−3.38(m,4H),3.91(s,6H),5.76(d,1H),5.90(s,1H),6.24(dd,1H),6.41(d,1H),6.52(s,1H),6.74(dd,1H),7.07(br s,1H),7.23(d,1H),7.72(br s,1H),7.98(br s,1H),8.37(s,1H),12.52(s,1H);MS(ESI):629[M+H]
【0137】
実施例−110
【化32】
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N−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−フェニル)−2−フルオロアクリルアミド
手順2A(実施例100)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(i)を以下の手順に変更した:クロロホルム(100mL)中の1−[6−(2−アミノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−尿素(130mg、テトラクロロアニリンと混合した)およびDCC(118mg、0.56mmol)の溶液に、クロロホルム(50mL)中の2−フルオロアクリル酸(50mg、0.56mmol)の溶液を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で一晩撹拌した。水(1mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、残留物を逆相カラムおよび分取TLCにより精製して、表題化合物(4mg、収率:5%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ12.17(s,1H),8.45(s,1H),8.35(s,1H),7.84(d,1H),7.37(d,1H),7.29(t,1H),7.26(t,1H),6.47(s,1H),5.94(s,1H),5.78(dd,1H),5,21(dd,1H),3.85(s,6H),3.25(s,3H);MS(ESI):535[M+H]
【0138】
手順2E:実施例−111
【化33】
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N−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(1−エチルピペリジン−4−イル)フェニル)アクリルアミド
【化34】
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a.4−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル
ジオキサンおよび水(30mL、8:1)中の4−ブロモ−2−ニトロアニリン(1g、4.6mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.42g、4.6mmol)、リン酸三カリウム三水和物(3.9g、14.64mmol)の脱気混合物に、Pd(dppf)Cl(337mg、0.46mmol)を添加した。混合物を、110℃で3時間還流させた。濾過および濃縮により粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.1g、収率:75%)を得た。MS(ESI):320[M+H]
【0139】
【化35】
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b.1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)尿素
DMF(15mL)中の6−クロロ−N−メチルピリミジン−4−アミン(手順2A、工程e;460mg、3.21mmol)の溶液に、NaH(60%、193mg、4.81mmol)を0℃で添加し、この混合物を、室温で30分間撹拌した。DMF(5mL)中の2,4−ジクロロ−3−イソシアナト−1,5−ジメトキシ−ベンゼン(手順H、工程a〜d;1.03g、4.17mmol)の溶液を、室温で滴下した。結果として生じた混合物を、0.5時間撹拌した。DMF(2mL)中のSEMCl(804mg、4.81mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で1時間撹拌した。飽和NHCl水を添加して、反応をクエンチした。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過した。濾液を真空下でエバポレートして粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(470mg、収率:28%)を得た。MS(ESI):521[M+H]
【0140】
【化36】
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c.(4−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−3−ニトロフェニル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル
トルエン(10mL)中の1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)尿素(470mg、0.9mmol)、4−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル(320mg、1mmol)、Pd(dba)(92mg、0.1mmol)、キサントホス(115mg、0.2mmol)およびCsCO(652mg、2mmol)の脱気混合物を、100℃で5時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(400mg、収率:57%)を得た。MS(ESI):804[M+H]
【0141】
【化37】
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d.4−(3−アミノ−4−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
MeOH(10mL)中の4−(4−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−3−ニトロフェニル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル(380mg、0.473mmol)の溶液に、PtO(38mg、10重量%)および1滴のクロロベンゼンを室温で添加し、結果として生じた混合物を水素雰囲気(1atm)下で一晩撹拌した。反応物を濾過し、濃縮した。残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(130mg、収率:37%)を得た。MS(ESI):776[M+H]
【0142】
【化38】
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e.N−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(ピペリジン−4−イル)フェニル)アクリルアミドのTFA塩
THF(15mL)中の4−(3−アミノ−4−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(130mg、0.168mmol)の溶液に、アクリロイルクロリドの溶液(10mg/mL、1.7mL、0.19mmol)を−10℃で滴下し、結果として生じた混合物を、0℃で1時間撹拌した。LC−MSは、反応が完了したことを示した。MeOH(5mL)を添加して反応をクエンチし、反応物を濃縮した。DCM(2mL)中の残留物を、DCM/TFAの混合物(2/1、v/v、3mL)に滴下した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。残留物(50mg、定量的)を、さらなる精製なしに次の工程のために直接使用した。MS(ESI):600[M+H]
【0143】
【化39】
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f.N−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(1−エチルピペリジン−4−イル)フェニル)アクリルアミド
EtOH(1mL)中のN−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(ピペリジン−4−イル)フェニル)アクリルアミドのTFA塩(35mg、0.049mmol)の溶液に、NaOAc(4mg、0.05mmol)およびアセトアルデヒド水(1mL、0.9mmol、40%)を添加した。この混合物を室温で1時間撹拌した後に、NaBHCN(12mg、0.18mmol)を添加し、溶液を室温でさらに3時間撹拌した。真空中での全ての揮発性物質の除去後に、残留物を、DCMおよび水の間で分配した。水層を、クロロホルムで2回抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過した。濾液を真空下でエバポレートして粗生成物を得、これを分取HPLCにより精製して、表題化合物(3mg、収率:10%)を得た。H NMR(400MHz,MeOH−d4)δ8.38(s,1H),7.68(s,1H),7.54(d,1H),7.24(dd,1H),6.83(s,1H),6.46−6.35(m,3H),5.81(d,1H),3.97(s,6H),3.74−3.70(m,2H),3.37(s,3H),3.26(q,2H),3.17−3.11(m,2H),2.99−2.96(m,1H),2.26−2.22(m,2H),2.06−1.99(m,2H),1.43(t,3H);MS(ESI):628[M+H]
【0144】
実施例−112
【化40】
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N−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)−5−(1−メチルピペリジン−4−イル)フェニル)アクリルアミド
手順2E(実施例111)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(f)でホルムアルデヒドを代わりに用いて表題化合物(1.5mg、収率:11.6%)を得た。H NMR(400MHz,MeOH−d4)δ8.26(s,1H),7.55(s,1H),7.41(d,1H),7.11(d,1H),6.71(s,1H),6.34−6.22(m,3H),5.68(d,1H),3.84(s,6H),3.55−3.52(m,2H),3.25(s,3H),3.21−3.08(m,2H),2.90−2.83(m,4H),2.11−2.08(m,2H),1.89−1.85(m,2H);MS(ESI):614[M+H]
【0145】
手順2F:実施例−113
【化41】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−ジメチルアミノメチル−フェニル)−アクリルアミド
【化42】
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a.4−フルオロ−3−ニトロ−ベンズアルデヒド
0℃のDCM(40mL)中の(4−フルオロ−3−ニトロ−フェニル)−メタノール(750mg、4.4mmol)の撹拌溶液に、デス−マーチン試薬(3.0g、7mmol)を添加した。溶液を室温で4時間撹拌した。TLCは、出発物質の消失を示した。反応を、10%NaHCOおよび10%Na水溶液でクエンチし、DCM層を分離し、水(100mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。反応物を濃縮し、残留物を、シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(570mg、収率:75%)を得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.09(d,1H),8.36(t,1H),8.06(dd,1H),7.97(m,1H).
【0146】
【化43】
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b.4−アミノ−3−ニトロベンズアルデヒド
THF(20mL)中の4−フルオロ−3−ニトロ−ベンズアルデヒド(570mg、3.3mmol)の溶液に、NHOH(5mL)を添加した。この反応混合物を、室温で1時間撹拌した。結果として生じた黄色固体を収集し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(300mg、収率:53%)を得た。H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ9.76(s,1H),8.57(d,1H),8.18(br s,2H),7.80(dd,1H),7.10(d,1H).
【0147】
【化44】
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c.4−ジメチルアミノメチル−2−ニトロ−フェニルアミン
MeOH(4mL)中のジメチルアミンの撹拌溶液(4.0mL、2M、8.0mmol)にTi(OPr)(1.15g、4mmol)を添加し、溶液を室温で15分間撹拌した。次いで、MeOH(2mL)中の4−アミノ−3−ニトロ−ベンズアルデヒド(160mg、1.0mmol)を添加し、溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、NaBH(78mg、2mmol)を添加し、溶液を室温で1時間撹拌した。LCMSは、主生成物ピークを示した。溶液をEtOAc(60mL)で希釈し、水(2×100mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。溶液を蒸発乾固し、130mgの粗生成物を収集し、これをさらなる精製なしに次の工程のために使用した。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ7.82(s,1H),7.35(br s,2H),7.31(dd,1H),6.97(d,1H),3.26(s,2H),2.12(s,6H).
【0148】
【化45】
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d.1−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−[6−(4−ジメチルアミノメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−メチル−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素
トルエン(5mL)中の1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素(手順L、工程b;260mg、0.5mmol)の撹拌溶液に、4−ジメチルアミノメチル−2−ニトロ−フェニルアミン(100mg、0.5mmol)、CsCO(400mg、1.25mmol)、Pd(dba)(46mg、0.05mmol)、キサントホス(90mg、0.15mmol)を添加した。溶液を100℃で一晩撹拌した。LCMSは、主生成物ピークを示した。溶液をシリカゲルでエバポレートし、EtOAc(0.5%TEAを含む):MeOH(0.5%TEAを含む)=10〜10:0.5で溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(100mg、収率:30%)を得た。MS(ESI):680[M+H]
【0149】
【化46】
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e.[6−(2−アミノ−4−ジメチルアミノメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素
MeOH(10mL)中の1−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−[6−(4−ジメチルアミノメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−メチル−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素(100mg、0.15mmol)の撹拌溶液に、4滴のクロロベンゼン、次いでPtO(30mg、30重量%)を添加した。溶液を、水素雰囲気下において室温で一晩撹拌した。反応物を濾過し、濃縮した。残留物を、さらなる精製なしに次の工程に使用した。MS(ESI):650[M+H]
【0150】
【化47】
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f.1−[6−(2−アミノ−4−ジメチルアミノメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−尿素
無水DCM(10mL)中の1−[6−(2−アミノ−4−ジメチルアミノメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素の撹拌溶液に、TFA(10mL)を室温で添加した。溶液を室温で3時間撹拌した。LCMSは、主生成物ピークを示した。溶液を蒸発乾固し、DCM(40mL)で希釈し、10%飽和NaCO(10mL)で洗浄した。DCM層を、無水NaSO上で乾燥させた。真空下での濃縮により粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.5%EtNを含む10%MeOH/DCM)により精製して、表題化合物(45mg、収率:2工程で58%)を得た。MS(ESI):520[M+H]
【0151】
【化48】
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g.N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−ジメチルアミノメチル−フェニル)−アクリルアミド
−10℃のTHF(40mL)中の1−[6−(2−アミノ−4−ジメチルアミノメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−尿素(45mg、0.11mmol)の撹拌溶液に、THF(3mL)中のアクリロイルクロリド(30mg、0.33mmol)を添加した。溶液を、−10℃で5時間撹拌した。LCMSは、主生成物ピークを示した。反応をMeOH(3mL)でクエンチし、エバポレートした。残留物を分取HPLC(NHHCO条件下の水/ACN)により精製して、表題化合物(6mg、収率:15%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ8.25(s,1H),7.47(d,1H),7.44(s,1H),7.16(dd,1H),6.70(s,1H),6.33−6.20(m,3H),5.67(dd,1H),3.84(s,6H),3.43(s,2H)3.22(s,3H),2.20(s,6H);MS(ESI):574[M+H]
【0152】
実施例−114
【化49】
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N−(2−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)プロピオルアミド
手順2C(実施例108)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(g)を以下の手順に変更した:クロロホルム(50mL)中の1−[6−(2−アミノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−尿素(50mg、0.108mmol)およびDCC(46mg、0.22mmol)の溶液に、クロロホルム(50mL)中のプロピオル酸(16mg、0.22mmol)の溶液を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で一晩撹拌した。水(1mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、残留物を逆相カラムおよび分取TLCにより精製して、表題化合物(5mg、収率:9.1%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ12.04(s,1H),10.36(s,1H),9.03(s,1H),8.45(s,1H),7.67(d,1H),7.59(d,1H),7.30−7.25(m,2H),6.96(s,1H),6.50(s,1H),4.42(s,1H),4.00(s,6H),3.35(s,3H);MS(ESI):515[M+H]
【0153】
実施例−116
【化50】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(2−メトキシ−エチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(2−メトキシ−エチル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素(以下に調製を示す)を代わりに用いて表題化合物(40mg、5工程にわたる収率:16%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ11.28(s,1H),9.71(s,1H),8.85(s,1H),8.38(s,1H),7.70−7.68(m,1H),7.55−7.53(m,1H),7.20−7.18(m,2H),6.89(s,1H),6.69(s,1H),6.50(dd,1H),6.26(d,1H),5.75(d,1H),4.03(t,2H),3.94(s,6H),3.56(t,2H),3.24(s,3H);MS(ESI):437[M+H]
【0154】
1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(2−メトキシ−エチル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素の調製:
【化51】
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a.(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(2−メトキシ−エチル)−アミン
iPrOH(70mL)およびDIPEA(1.94g、15mmol)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(2g、14mmol)の溶液に、2−メトキシ−エチルアミン(1.13g、15mmol)の溶液を室温で添加した。結果として生じた混合物を、室温で1時間撹拌した。水を添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.95g、収率:82%)を得た。MS(ESI):188[M+H]+.
【0155】
【化52】
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b.1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(2−メトキシ−エチル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素
DMF(10mL)中の(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(2−メトキシ−エチル)−アミン(300mg、1.6mmol)の溶液に、NaH(60%、96mg、2.4mmol)を0℃で添加し、この混合物を、室温で10分間撹拌した。DMF(5mL)中の1−イソシアナト−3,5−ジメトキシ−ベンゼン(590mg、2.4mmol)の溶液を、0℃で滴下した。結果として生じた混合物を30分間撹拌した。DMF(2mL)中のSEMCl(400mg、2.4mmol)を添加し、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。飽和NHCl水を添加して、反応をクエンチした。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を、水およびブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(720mg、収率:78%)を得た。MS(ESI):565[M+H]
【0156】
実施例−120
【化53】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミドトリフルオロ酢酸
手順2I(実施例142)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(c)で2−ニトロアニリンおよびN−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−N’−(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン(以下に概説する方法により調製した)を代わりに用いて表題化合物(11mg、6工程にわたる収率:7.5%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.30(s,1H),9.80(s,1H),9.28(m,1H),8.92(s,1H),8.42(s,1H),7.64(d,1H),7.55(d,1H),7.24−7.16(m,2H),6.90(s,1H),6.53(s,1H),6.49(dd,1H),6.25(d,1H),5.76(d,1H),3.95(s,6H),3.91−3.88(m,2H),3.11−3.05(m,2H),2.74(d,6H),1.97−1.92(m,2H);MS(ESI):588[M+H]
【0157】
N−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−N’−(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミンの調製
【化54】
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a.N’−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−N,N−ジメチル−プロパン−1,3−ジアミン
iPrOH(20mL)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(1g、6.7mmol)およびDIPEA(1.03g、8mmol)の溶液に、N,N−ジメチル−プロパン−1,3−ジアミン(714mg、7mmol)を室温で添加した。結果として生じた混合物を2時間撹拌した。水を添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.15g、収率:80%)を得た。MS(ESI):215[M+H]
【0158】
【化55】
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b.N−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−N’−(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン
トルエン(15mL)中のN’−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−N,N−ジメチル−プロパン−1,3−ジアミン(800mg、3.74mmol)、ニトロアニリン(525mg、3.8mmol)、Pd(dba)(348mg、0.38mmol)、Xantphos(438mg、0.76mmol)およびCsCO(3.05g、9.35mmol)の脱気混合物を、100℃で4時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(530mg、収率:45%)を得た。MS(ESI):317[M+H]
【0159】
実施例−121
【化56】
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N−[2−(6−{3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−ウレイド}−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェニル]−アクリルアミド
手順2I(実施例142)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(e)で2−ニトロアニリンおよびN−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−N’−(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン(以下に調製を示す)を代わりに用いて表題化合物(8mg、6工程にわたる収率:1.2%)を得た。H NMR(300MHz,メタノール−d4)δ8.17(s,1H),7.46(d,1H),7.32(d,1H),7.12−7.08(m,2H),6.62(s,1H),6.29−6.14(m,3H),5.58(d,1H),3.82(t,2H),3.75(s,6H),2.27−2.19(m,8H),2.06(s,3H),1.67(t,2H);MS(ESI):643[M+H]
【0160】
N−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−N’−(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミンの調製
【化57】
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a.(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミン
iPrOH(50mL)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(1.5g、10mmol)およびDIPEA(1.55g、12mmol)の溶液に、3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピルアミン(1.73g、11mmol)の溶液を室温で添加した。結果として生じた混合物を、室温で2時間撹拌した。水を添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して表題化合物(1.4g、51%)を得、これをさらなる精製なしに次の工程で直接使用した。MS(ESI):270[M+H]
【0161】
【化58】
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b.N−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−N’−(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン
トルエン(15mL)中の(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミン(600mg、2.22mmol)、ニトロアニリン(317mg、2.3mmol)、Pd(dba)(210mg、0.23mmol)、Xantphos(265mg、0.46mmol)およびCsCO(1.81g、5.55mmol)の脱気混合物を、100℃で4時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(400mg、収率:48%)を得た。MS(ESI):372[M+H]
【0162】
実施例−122
【化59】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アクリルアミドトリフルオロ酢酸
手順2E(実施例111)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(e)および(f)を以下の手順に置き換えた:THF(15mL)中の4−(3−アミノ−4−(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(手順2E、実施例111、65mg、0.084mmol)の溶液に、アクリロイルクロリドの溶液(10mg/mL、0.9mL、0.1mmol)を−10℃で滴下し、結果として生じた混合物を、0℃で1時間撹拌した。MeOH(5mL)を添加して反応をクエンチし、反応物を濃縮した。残留物をDCM(2mL)に溶解させ、DCM/TFAの混合物(2:1、3mL)に滴下した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、表題化合物(23mg、収率:47%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.92(s,1H),9.64(s,1H),8.98(s,1H),8.60(m,1H),8.36(s,1H),8.25(m,1H),7.66(s,1H),7.51(d,1H),7.05(d,1H),6.90(s,1H),6.52(dd,1H),6.41(s,1H),6.24(d,1H),5.74(d,1H),3.96(s,6H),3.49(d,2H),3.28(s,3H),3.02(q,2H),2.85(t,1H),1.96(d,2H),1.78(q,2H);MS(ESI):600[M+H]
【0163】
手順2G:実施例−123
【化60】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アクリルアミド
【化61】
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a.4−ブロモ−2−ニトロフェニルカルバミン酸ジ−tert−ブチル
THF(250mL)中の4−ブロモ−2−ニトロアニリン(10g、46mmol)、(Boc)O(20.7g、95mmol)の混合物を、還流下で一晩加熱した。混合物を濃縮して表題化合物(19.2g、収率:定量的)を得、これをさらなる精製なしに次の工程で直接使用した。
【0164】
【化62】
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b.(4−モルホリン−4−イル−2−ニトロ−フェニル)−カルバミン酸ジ−tert−ブチルエステル
トルエン(30mL)中の4−ブロモ−2−ニトロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(1g、2.4mmol)、モルホリン(314mg、3.6mmol)、Pd(dba)(220mg、0.24mmol)、Xantphos(278mg、0.48mmol)およびCsCO(1.56g、4.8mmol)の脱気混合物を、100℃で1時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物およびモノBoc生成物の粗混合物(744mg)を得た。この混合物を、さらなる精製なしに次の工程で直接使用した。MS(ESI):324[M−Boc+H]
【0165】
【化63】
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c.4−モルホリン−4−イル−2−ニトロ−フェニルアミン
DCM(20mL)中の(4−モルホリン−4−イル−2−ニトロ−フェニル)−カルバミン酸ジ−tert−ブチルエステルおよびモノBoc生成物(744mg)の溶液に、TFA(10mL)を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で3時間撹拌した。真空中での全ての揮発性物質の除去後に、残留物をDCMに再溶解させ、飽和NaHCO水により中和し、DCMで抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(290mg、2工程にわたる収率:54%)を得た。MS(ESI):251[M+H]
【0166】
【化64】
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d.1−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−メチル−3−[6−(4−モルホリン−4−イル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素
トルエン(15mL)中の4−モルホリン−4−イル−2−ニトロ−フェニルアミン(290mg、1.3mmol)、1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素(手順2E、工程b;624mg、1.2mmol)、Pd(dba)(110mg、0.12mmol)、Xantphos(139mg、0.24mmol)およびCsCO(782mg、2.4mmol)の脱気混合物を、100℃で2.5時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(chromatography flash)により精製して、表題化合物(440mg、収率:49%)を赤色固体として得た。MS(ESI):708[M+H]
【0167】
【化65】
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e.{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イル}−(4−モルホリン−4−イル−2−ニトロ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
THF(10mL)中の1−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−メチル−3−[6−(4−モルホリン−4−イル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素(200mg、0.28mmol)、(Boc)O(93mg、0.42mmol)および触媒量のDMAPの混合物を、還流下で1時間加熱した。混合物を濃縮し、残留物をさらなる精製なしに次の工程のために使用した。MS(ESI):808[M+H]
【0168】
【化66】
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f.(2−アミノ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
MeOH(20mL)中の{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イル}−(4−モルホリン−4−イル−2−ニトロ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(粗、上で調製した)の溶液に、ラネーNi(水中懸濁液)を室温で添加し、結果として生じた混合物を、水素雰囲気(1atm)下で2時間撹拌した。反応物を濾過し、濃縮した。残留物をMeOHで2回洗浄して、表題生成物(160mg、収率:70%)を得た。MS(ESI):778[M+H]
【0169】
【化67】
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g.(2−アクリロイルアミノ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DCM(5mL)中の(2−アミノ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(80mg、0.103mmol)の溶液に、TEAの溶液(10mg/mL、1.2mL、0.12mmol)およびアクリロイルクロリドの溶液(10mg/mL、1mL、0.11mmol)を0℃で滴下し、結果として生じた混合物を、室温で1時間撹拌した。LC−MSは、反応が完了したことを示した。水(5mL)を添加して反応をクエンチし、反応混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を真空下でエバポレートして粗生成物を得、これをさらなる精製なしに次の工程のために使用した。
【0170】
【化68】
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h.N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アクリルアミド
CHCl(10mL)中の(2−アクリロイルアミノ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(粗、上で調製した)の溶液に、TFA(3mL)を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、NH.HOで中和して粗化合物を得、これを分取HPLCにより精製して、表題化合物(10mg、収率:2工程で16%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ12.05(s,1H),9.60(s,1H),8.74(s,1H),8.32(s,1H),7.33−7.30(m,2H),6.89(s,1H),6.83(d,1H),6.48(dd,1H),6.25−6.21(m,2H),5.72(d,1H),3.96(s,6H),3.73(br,4H),3.44(s,3H),3.10(br,4H);MS(ESI):602[M+H]
【0171】
実施例−124
【化69】
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N−[2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で4−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミン(以下に調製を示す)を代わりに用いて表題化合物(26mg、3工程にわたる収率:30%)を得た。H NMR(300MHz,メタノール−d4)δ8.32(s,1H),7.36−7.33(m,2H),6.95(d,1H),6.80(s,1H),6.43−6.37(m,2H),6.15(s,1H),5.77(d,1H),3.95(s,6H),3.70(d,2H),3.29(s,3H),3.18−3.13(m,2H),2.45(t,2H),1.24(d,6H);MS(ESI):629[M+H]
【0172】
4−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミンの調製
【化70】
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a.4−ブロモ−2−ニトロフェニルカルバミン酸ジ−tert−ブチル
THF(250mL)中の4−ブロモ−2−ニトロアニリン(10g、46mmol)、(Boc)O(20.7g、95mmol)の混合物を、還流下で一晩加熱した。混合物を濃縮して表題化合物(19.2g、定量的)を得、これをさらなる精製なしに次の工程のために使用した。
【0173】
【化71】
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b.[4−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−カルバミン酸ジ−tert−ブチルエステル
トルエン(30mL)中の4−ブロモ−2−ニトロフェニルカルバミン酸ジ−tert−ブチル(1g、2.4mmol)、2,6−ジメチル−ピペラジン(410mg、3.6mmol)、Pd(dba)(220mg、0.24mmol)、Xantphos(278mg、0.48mmol)およびCsCO(1.56g、4.8mmol)の脱気混合物を、100℃で1時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物およびモノBoc生成物の混合物(600mg)を得た。この混合物を、さらなる精製なしに次の工程で直接使用した。MS(ESI):350[M−Boc+H]
【0174】
【化72】
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c.4−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミン
DCM(20mL)中の[4−(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−カルバミン酸ジ−tert−ブチルエステルおよびモノBoc生成物(600mg)の溶液に、TFA(10mL)を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で3時間撹拌した。真空中での全ての揮発性物質の除去後に、残留物をDCMに再溶解させ、飽和NaHCO水により中和し、DCMで抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(233mg、2工程にわたる収率:39%)を得た。MS(ESI):251[M+H]
【0175】
実施例−125
【化73】
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N−[2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で4−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミン(以下に調製を示す)を代わりに用いて表題化合物(15mg、収率:5工程で9.6%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ12.03(s,1H),9.62(s,1H),8.76(s,1H),8.33(s,1H),7.37−7.32(m,2H),6.89−6.83(m,2H),6.46(dd,1H),6.26−6.21(m,2H),5.72(d,1H),3.93(s,6H),3.34−3.16(m,11H),2.93(s,3H);MS(ESI):679[M+H]
【0176】
4−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミンの調製
【化74】
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a.4−ブロモ−2−ニトロフェニルカルバミン酸ジ−tert−ブチル
THF(250mL)中の4−ブロモ−2−ニトロアニリン(10g、46mmol)、(Boc)O(20.7g、95mmol)の混合物を、還流下で一晩加熱した。混合物を濃縮して表題化合物(19.2g、定量的)を得、これをさらなる精製なしに次の工程で直接使用した。
【0177】
【化75】
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b.[4−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−カルバミン酸ジ−tert−ブチルエステル
トルエン(30mL)中の4−ブロモ−2−ニトロフェニルカルバミン酸ジ−tert−ブチル(1g、2.4mmol)、1−メタンスルホニル−ピペラジン(590mg、3.6mmol)、Pd(dba)(220mg、0.24mmol)、Xantphos(278mg、0.48mmol)およびCsCO(1.56g、4.8mmol)の脱気混合物を、100℃で1時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物およびモノBoc生成物の混合物(755mg)を得た。この混合物を、さらなる精製なしに次の工程で直接使用した。MS(ESI):400[M−Boc+H]
【0178】
【化76】
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c.4−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミン
DCM(20mL)中の[4−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−カルバミン酸ジ−tert−ブチルエステルおよびモノBoc生成物(755mg)の溶液に、TFA(10mL)を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で3時間撹拌した。真空中での全ての揮発性物質の除去後に、残留物をDCMに再溶解させ、飽和NaHCO水により中和し、DCMで抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、残留物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(290mg、収率:2工程で40%)を得た。MS(ESI):301[M+H]
【0179】
実施例−126
【化77】
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N−[2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−フェニル]−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で4−(3−ジメチルアミノ−プロパ−1−イニル)−2−ニトロ−フェニルアミン(以下に調製(preparatin)を示す)を代わりに用い、工程(f)で酸化白金を代わりに用いて表題化合物(4mg、収率:5工程で1.4%)を得た。H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.98(s,1H),9.66(d,1H),8.88(s,1H),8.36(s,1H),7.52(d,1H),7.44(d,1H),7.04(dd,1H),6.90(s,1H),6.48(dd,1H),6.34(s,1H),6.24(dd,1H),5.72(dd,1H),3.94(s,6H),3.25(s,3H),2.59(t,2H),2.24(t,2H),2.11(s.6H),1.71(m,2H);MS(ESI)602[M+H]
【0180】
4−(3−ジメチルアミノ−プロパ−1−イニル)−2−ニトロ−フェニルアミンの調製
【化78】
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a.4−(3−ジメチルアミノ−プロパ−1−イニル)−2−ニトロ−フェニルアミン
TEA(20mL)中の4−ブロモ−2−ニトロ−フェニルアミン(1.08g、5mmol)およびジメチル−プロパ−2−イニル−アミン(1.0g、12mmol)の撹拌溶液に、Pd(PPhCl(0.7g、1mmol)およびCuI(360mg、2mmol)を添加した。溶液を、窒素下において60℃で3時間撹拌した。溶液をシリカゲルでエバポレートし、シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.1g、70%純度)を得た。この表題化合物を、さらなる精製なしに次の工程に直接使用した。MS(ESI)221[M+H]
【0181】
実施例−127
【化79】
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N−[2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−フェニル]−アクリルアミド
化合物123について手順2Gで概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−2−ニトロ−フェニルアミン(以下に調製(preparatin)を示す)を代わりに用い、工程(f)で酸化白金を代わりに用いて表題化合物(4.3mg、5工程にわたる収率:8%)を得た。H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ12.04(s,1H),9.58(s,1H),8.81(s,1H),8.33(s,1H),7.43(d,1H),7.33(d,1H),6.89(s,1H),6.79(dd,1H),6.51(dd,1H),6.26〜6.20(m,2H),5.73(dd,1H),4.04(t,2H),3.96(s,6H),3.27(s,3H),2.67(t,2H),2.24(s,6H);MS(ESI)604[M+H]
【0182】
4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−2−ニトロ−フェニルアミンの調製
【化80】
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a.4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−2−ニトロ−フェニルアミン
ブタノン(40mL)中の4−アミノ−3−ニトロ−フェノール(1.54g、10mmol)および(2−クロロ−エチル)−ジメチル−アミン塩化水素(1.43g、10mmol)の撹拌溶液に、CsCO(10g、30mmol)およびNaI(150mg、1mmol)を添加した。この溶液を、1時間かけて80℃までゆっくりと加熱した。次いで、溶液を80℃で2時間撹拌した。溶液をCelite(登録商標)に通して濾過し、アセトンで洗浄した。溶液をシリカゲルでエバポレートし、シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.0g、収率:45%)を褐色固体として得た。H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ7.38(d,1H),7.24(s,2H),7.16(dd,2H),6.99(d,1H),3.98(t,2H),2.58(t,2H),2.20(s,6H);MS(ESI)226[M+H]
【0183】
実施例−128
【化81】
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ブト−2−イン酸(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−ニトロ−フェニルアミンを代わりに用い、工程(e)を省き、工程(g)を次の下記の手順に置き換えて表題化合物(7mg、5工程にわたる収率:4.8%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.97(s,1H),10.07(s,1H),8.89(s,1H),8.39(s,1H),7.60(d,1H),7.53(d,1H),7.24−7.15(m,2H),6.90(s,1H),6.44(s,1H),3.93(s,6H),3.29(s,3H),2.22(s,3H);MS(ESI):529[M+H]
【0184】
【化82】
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DCM(50mL)中の(2−アミノ−フェニル)−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(50mg、0.075mmol)およびDCC(42mg、0.2mmol)の溶液に、DCM(10mL)中のブト−2−イン酸(13mg、0.15mmol)の溶液を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で一晩撹拌した。水(1mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、残留物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(20mg、収率:34%)を得た。MS(ESI):659[M+H]
【0185】
化合物100と同様にして、化合物129を合成した。
【0186】
実施例−130
【化83】
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N−(2−{6−[1−ベンジル−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−ニトロ−フェニルアミンおよび1−ベンジル−1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素(以下に調製を示す)を代わりに用いて表題化合物(26mg、5工程にわたる収率:20%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ12.27(s,1H),9.68(s,1H),8.90(s,1H),8.39(s,1H),7.69(d,1H),7.33−7.19(m,6H),6.92(s,1H),6.45(dd,1H),6.24(d,1H),6.18(s,1H),5.74(d,1H),5.07(s,2H),3.95(s,6H);MS(ESI):593[M+H]
【0187】
1−ベンジル−1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素の調製
【化84】
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a.ベンジル−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン
iPrOH(40mL)およびDIPEA(1.55g、12mmol)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(1.5g、10mmol)の溶液に、ベンジルアミン(1.28g、12mmol)の溶液を室温で添加した。結果として生じた混合物を、室温で2.5時間撹拌した。水を添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.5g、収率:68%)を白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.35(br s,1H),7.20−7.38(m,5H),6.35(s,1H),4.52(s,2H);MS(ESI):220[M+H]
【0188】
【化85】
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b.1−ベンジル−1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素
DMF(15mL)中のベンジル−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン(800mg、3.64mmol)の溶液に、NaH(60%、218mg、5.45mmol)を0℃で添加し、この混合物を、室温で10分間撹拌した。DMF(2mL)中の1−イソシアナト−3,5−ジメトキシ−ベンゼン(手順2A、工程a〜d;1.35g、5.45mmol)の溶液を、0℃で滴下した。結果として生じた混合物を、室温で2時間撹拌した。飽和NHCl水(2mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、DCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.7g、収率:77%)を得た。MS(ESI):599[M+H]
【0189】
実施例−131
【化86】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−2−イルメチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−ニトロ−フェニルアミンおよび1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−2−イルメチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素(以下に調製を示す)を代わりに用いて表題化合物(35mg、5工程にわたる収率:13%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ12.15(s,1H),9.65(s,1H),8.83(s,1H),8.50(s,1H),8.39(s,1H),7.80(t,1H),7.66(d,1H),7.31−7.25(m,3H),7.17(t,1H),7.09(t,1H),6.91(s,1H),6.45(dd,1H),6.39(s,1H),6.23(d,1H),5.74(d,1H),5.17(s,2H),3.94(s,6H);MS(ESI):594[M+H]
【0190】
1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−2−イルメチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素の調製
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
a.(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ピリジン−2−イルメチル−アミン
iPrOH(40mL)およびDIPEA(1.16g、9mmol)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(1g、7mmol)の溶液に、2−ピリジニルメタンアミン(970mg、9mmol)の溶液を室温で添加した。結果として生じた混合物を、室温で2.5時間撹拌した。水を添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.2g、収率:78%)を得た。MS(ESI):221[M+H]
【0191】
【化88】
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b.1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−2−イルメチル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素
DMF(5mL)中の(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ピリジン−2−イルメチル−アミン(200mg、0.91mmol)の溶液に、NaH(60%、55mg、1.37mmol)を0℃で添加し、この混合物を、室温で10分間撹拌した。DMF(2mL)中の1−イソシアナト−3,5−ジメトキシ−ベンゼン(手順2A、a〜d;337mg、1.37mmol)の溶液を、0℃で滴下した。結果として生じた混合物を30分間撹拌した。DMF(2mL)中のSEMCl(230mg、1.37mmol)を添加し、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。飽和NHCl水を添加して、反応をクエンチした。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物(420mg、収率:78%)を得た。MS(ESI):598[M+H]
【0192】
実施例−132
【化89】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−ピリジン−4−イルメチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(e)で3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−[6−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1−ピリジン−4−イルメチル−尿素を代わりに用いて表題化合物(14mg、収率:8.1%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ12.03(s,1H),9.68(s,1H),8.92(s,1H),8.49(d,2H),8.39(s,1H),7.67(d,1H),7.27−7.17(m,4H),7.10(t,1H),6.92(s,1H),6.48(dd,1H),6.24(d,1H),6.15(s,1H),5.74(d,1H),5.09(s,2H),3.94(s,6H);MS(ESI):594[M+H]
【0193】
3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−[6−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1−ピリジン−4−イルメチル−尿素の調製
【化90】
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a.(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ピリジン−4−イルメチル−アミン
iPrOH(40mL)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(1.5g、10.5mmol)およびDIPEA(1.62g、12.6mmol)の溶液に、4−ピリジニルメタンアミン(1.2g、11mmol)を室温で添加した。結果として生じた混合物を、室温で2時間撹拌した。水を添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.8g、収率:80%)を得た。MS(ESI):221[M+H]
【0194】
【化91】
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b.N−(2−ニトロ−フェニル)−N’−ピリジン−4−イルメチル−ピリミジン−4,6−ジアミン
トルエン(10mL)中の(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ピリジン−4−イルメチル−アミン(500mg、2.27mmol)、2−ニトロアニリン(317mg、2.3mmol)、Pd(dba)(200mg、0.22mmol)、Xantphos(253mg、0.44mmol)およびCsCO(1.48g、9.35mmol)の脱気混合物を、100℃で3時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物を逆相クロマトグラフィー、続いてシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(330mg、収率:45%)を得た。MS(ESI):323[M+H]
【0195】
【化92】
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c.3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−[6−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1−ピリジン−4−イルメチル−尿素
DMF(10mL)中のN−(2−ニトロ−フェニル)−N’−ピリジン−4−イルメチル−ピリミジン−4,6−ジアミン(330mg、1.02mmol)の溶液に、NaH(60%、56mg、1.4mmol)を0℃で添加し、この混合物を、室温で30分間撹拌した。DMF(2mL)中の1−イソシアナト−3,5−ジメトキシ−ベンゼン(手順2A、工程a〜d;345mg、1.4mmol)の溶液を、0℃で滴下した。結果として生じた混合物を、室温で2時間撹拌した。飽和NHCl水(2mL)を添加して、反応をクエンチした。混合物を濃縮し、DCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これを分取TLCにより精製して、表題化合物(190mg、収率:33%)を得た。MS(ESI):570[M+H]
【0196】
実施例−133
【化93】
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5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミンの調製
【化94】
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1.5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミン
DMF(15mL)中の1−エチル−ピペラジン(1.2mL、9.6mmol)、5−フルオロ−2−ニトロ−フェニルアミン(1g、6.4mmol)、DIPEA(1.24g、9.6mmol)の混合物を、80℃で一晩加熱した。反応混合物を氷水に注入し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1g、収率:63%)を得た。ESI−MS:251[M+H]
【0197】
N−[2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−4−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アクリルアミドトリフルオロ酢酸塩
手順2G(実施例123)で概説されたアプローチに従って化合物を合成したが、工程(a)で5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニルアミンを代わりに用いて表題化合物(20mg、収率:39%)を得た。H NMR(300MHz,メタノール−d4)δ8.37(s,1H),7.49(d,1H),7.25(s,1H),6.98(d,1H),6.82(s,1H),6.43−6.38(m,3H),5.78(d,1H),3.96−3.88(m,8H),3.68−3.64(m,2H),3.37(s,3H),3.33−3.08(m,6H),1.40(t,3H);MS(ESI):629[M+H]
【0198】
実施例−135
【化95】
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N−[2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミン(以下に調製を示す)を代わりに用いて表題化合物(30mg、5工程にわたる収率:31%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.97(s,1H),9.71(s,1H),8.95(s,1H),8.37(s,1H),7.60(s,1H),7.50(d,1H),7.12(d,1H),6.90(s,1H),6.50(dd,1H),6.39(s,1H),6.25(d,1H),5.73(d,1H),3.93(s,6H),3.48(s,2H),3.32(s,3H),2.50−2.25(m,10H),0.98(t,3H);MS(ESI):643[M+H]
【0199】
4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミンの調製
【化96】
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a.4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミン
MeOH(30mL)中の1−エチル−ピペラジン(1.37g、12mmol)の撹拌溶液に、Ti(OPr)(1.73g、6mmol)を添加した。次いで、溶液を室温で15分間撹拌した。次いで、MeOH(10mL)中の4−アミノ−3−ニトロ−ベンズアルデヒド(手順2F、工程a〜b、1.5g、9mmol)を添加し、溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、NaBH(380mg、10mmol)を添加し、溶液を室温で1時間撹拌した。この溶液をEtOAcで希釈し、濾過した。濾液を水およびブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。濃縮により生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(800mg、収率:34%)を得た。MS(ESI):265[M+H]
【0200】
実施例−136
【化97】
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N−(2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イルメチル)−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェニル)−アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イルメチル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素(以下に調製を示す)を代わりに用い、工程(f)で60℃で鉄/酢酸を代わりに用いて表題化合物(26mg、収率:5工程で12%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.78(s,1H),9.72(s,1H),8.97(s,1H),8.40(s,1H),7.66(d,1H),7.45(d,1H),7.21−7.15(m,2H),6.90(s,1H),6.52−6.43(m,2H),6.26(d,1H),6.09(s,1H),5.74(d,1H),5.16(s,2H),3.93(s,6H),2.18(s,3H);MS(ESI):598[M+H]
【0201】
1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イルメチル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素の調製
【化98】
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a.(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イルメチル)−アミン
iPrOH(40mL)およびDIEA(690mg、5.35mmol)中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(660mg、4.46mmol)の溶液に、C−ピリジン−2−イル−メチルアミン(560mg、5mmol)の溶液を室温で添加した。結果として生じた混合物を、室温で2時間撹拌した。水を添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(650mg、収率:65%)を得た。MS(ESI):225[M+H]
【0202】
【化99】
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b.1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イルメチル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−尿素
DMF(5mL)中の(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イルメチル)−アミン(300mg、1.34mmol)の溶液に、NaH(60%、80mg、2mmol)を0℃で添加し、この混合物を、室温で10分間撹拌した。DMF(2mL)中の1−イソシアナト−3,5−ジメトキシ−ベンゼン(手順2A、工程a〜d、337mg、1.37mmol)の溶液を、0℃で滴下した。結果として生じた混合物を、0.5時間撹拌した。DMF(2mL)中のSEMCl(230mg、1.37mmol)を添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。飽和NHCl水を添加して、反応をクエンチした。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液を真空下でエバポレートして粗生成物を得、これをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物(440mg、収率:55%)を得た。MS(ESI):604[M+H]
【0203】
実施例−137
【化100】
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N−[2−{6−[3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレイド]−ピリミジン−4−イルアミノ}−4−(2−ジメチルアミノ−エチル)−フェニル]−アクリルアミドのTFA塩
手順2Gで概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で5−(2−ジメチルアミノ−エチル)−2−ニトロ−フェニルアミン(以下に概説する方法により調製した)を代わりに用いてTFA塩として表題化合物(39mg、収率:29%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.86(s,1H),9.76−9.70(m,2H),9.02(s,1H),8.40(s,1H),7.86(d,1H),7.51(s,1H),7.12(d,1H),6.90(s,1H),6.57−6.48(m,2H),6.24(d,1H),5.74(d,1H),3.94(s,6H),3.35−3.28(m,5H),2.98−2.92(m,2H),2.79(s,6H);MS(ESI):588[M+H]
【0204】
5−(2−ジメチルアミノ−エチル)−2−ニトロ−フェニルアミンの調製
【化101】
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a.[2−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェニル)−ビニル]−ジメチル−アミン
2−フルオロ−4−メチル−1−ニトロ−ベンゼン(3g、19.3mmol)、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(10mL)および3mLのDMFの混合物(30mL)を、125℃で1時間加熱した。混合物を冷却し、減圧下で濃縮して、純粋な固体を得た。ヘキサンで粉砕して、純粋な表題生成物(2.5g、収率:63%)を得た。MS(ESI):211[M+H]
【0205】
【化102】
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b.[2−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ジメチル−アミン
MeOH中の[2−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェニル)−ビニル]−ジメチル−アミン(1.7g、8mmol)の溶液に、NaBHCN(770mg、12mmol)および1滴のAcOHを添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、水でクエンチした。真空中での全ての揮発性物質の除去後に、残留物を、DCM中の10%メタノールで2回抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下での濃縮により粗生成物を得、これを逆相カラムにより精製して、表題化合物(1.08g、収率:63%)を得た。MS(ESI):213[M+H]
【0206】
【化103】
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c.5−(2−ジメチルアミノ−エチル)−2−ニトロ−フェニルアミン
MeOH(20mL)中の[2−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ジメチル−アミン(800mg、3.76mmol)の溶液に、水酸化アンモニア(ammonia hydroxide)(5mL)を添加した。反応混合物を、マイクロウェーブ加熱下において100℃で1.5時間加熱した。結果として生じた黄色固体を収集し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、先のバッチと合わせて、純粋な表題化合物(560mg、収率:55%)を得た。MS(ESI):210[M+H]
【0207】
手順2H:実施例−139
【化104】
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N−(2−((6−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
【化105】
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a.1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素
ジオキサン(10mL)中の6−クロロ−N−メチルピリミジン−4−アミン(1g、6.965mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(3.6mL、20.895mmol)およびトリホスゲン(0.81g、2.786mmol)を、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を70℃で1時間撹拌し、次いで室温まで放冷した。結果として生じた混合物を、ジオキサン(4mL)中の3,5−ジメトキシアニリン(1.2g、8.358mmol)およびDIPEA(1.2mL、6.965mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃でカニューレを介して添加した。この反応混合物を室温まで放温し、12時間撹拌した。TLC(ヘキサン:EtOAc、7:3)に基づく反応の完了後に、反応混合物を、酢酸エチルおよび飽和NaHCO水溶液で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、70:30)により精製して、1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素(1.1g、収率:50%)を白色固体として得た。HNMR(CDCl,300MHz):δ12.38(s,1H),8.71(s,1H),6.99(s,1H),6.79(d,2H),6.26(t,1H),3.81(s,6H),3.45(s,3H);MS(ESI):323.10[M+H]
【0208】
【化106】
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b.1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナート尿素
NaH(0.124g、3.098mmol)を、無水DMF(4mL)中の1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素(0.5g、1.549mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を15分間撹拌し、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.50mL、2.323mmol)を0℃で添加した。結果として生じた反応混合物を室温まで放温し、16時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルおよび過剰の冷水で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、80:20)により精製して、表題化合物(0.45g、69%の収率)を白色固体として得た。HNMR(CDCl,300MHz):δ8.72(d,1H),8.78(d,1H),6.43−6.37(m,3H),3.77(s,6H),3.49(s,3H),1.40(s,9H);MS(ESI):424.10[M+2]
【0209】
【化107】
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c.1−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(6−((4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1−tert−ブチルカルボナート尿素
Pd(dba)(0.095g、0.104mmol)およびXantphos(0.1202g、0.208mmol)を、アルゴン雰囲気下の室温の封管中の10mLの乾燥トルエンに入れた。アルゴンガスパージをさらに5〜10分間継続した。次いで、1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ジメチル−3−tert−ブチルカルボナート尿素(0.43g、1.042mmol)および4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリン(手順2C、工程a〜c;0.317g、1.25mmol)を添加し、結果として生じた反応混合物をアルゴンガスで5分間パージし、次いでCsCO(0.676g、2.08mmol)を添加した。アルゴンガスパージをさらに5分間継続した後に、反応バイアルを密封した。次いで、反応混合物を、100℃で12時間加熱した。TLC(DCM:MeOH、98:2)に基づく反応の完了後に、反応マスを、EtOAcおよび水の間で分配した。水層をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空下でエバポレートした。粗残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH/97:3)により精製して、表題化合物(0.250g、37%の収率)を得た。HNMR(CDCl,300MHz):δ9.30(s,1H),8.58(s,1H),8.17(d,1H),7.59(d,1H),7.14(s,1H),7.08(dd,1H),6.42(d,2H),6.36(t,1H),3.75(s,6H),3.49(s,3H),3.23(t,4H),2.62(t,4H),2.49(q,2H),1.39(s,9H),1.14(t,3H);MS(ESI):637.4[M+H]
【0210】
【化108】
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d.(6−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル
NaH(0.0314g、0.786mmol)を、無水DMF(4mL)中の1−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(6−((4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1−tert−ブチルカルボナート尿素(0.25g、0.393mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を、15分間撹拌した。次いで、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.12mL、0.589mmol)を、0℃で添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、18時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルおよび冷水で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、97:3)により精製して、表題化合物(0.280g、96%の収率)を褐色固体として得た。HNMR(CDCl,300MHz):δ8.44(s,1H),8.30(s,1H),7.60(d,1H),7.14−7.03(m,2H),6.48(d,1H),6.44−6.21(m,2H),3.75(s,6H),3.49(s,3H),3.49(t,4H),2.62(t,4H),2.49(q,2H),1.38(d,18H),1.14(t,3H);MS(ESI):737.5[M+H]
【0211】
【化109】
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e.(2−アミノ−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)(6−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
MeOHおよびTHF(1:1)の混合物(10mL)中の(6−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル(0.280g、0.380mmol)およびラネーニッケル(0.05g)の混合物を、水素雰囲気(バルーン)下において室温で36時間撹拌した。反応混合物を、Celiteパッドに通して濾過した。濾液を濃縮して、表題化合物(0.14g、52%の収率)を得た。MS(ESI):707.7[M+H]
【0212】
【化110】
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f.(2−アクリルアミド−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)(6−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
無水DCM(5mL)中の(2−アミノ−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)(6−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.14g、0.183mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.08mL、0.594mmol)を、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を15分間撹拌し、アクリロイルクロリド(0.03mL、0.396mmol)を0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、3時間撹拌した。反応混合物を、DCMおよび水で希釈した。水層を分離し、DCM(3×20mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、97:3)により精製して、表題化合物(0.070g、46%の収率)を褐色固体として得た。MS(ESI):761.4[M+H]
【0213】
【化111】
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g.N−(2−((6−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
TFA(0.35mL、5体積)を、乾燥DCM(2mL)中の(2−アクリルアミド−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)(6−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.070g、0.124mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、24時間撹拌した。反応の進行をLCMSによりモニタリングし、反応の完了後に、余分な溶媒を減圧下で除去した。結果として生じた残留物を、DCMおよび飽和NaHCO水溶液で希釈した。水層を分離し、DCM(3×10mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、97:3)により精製して、HPLC純度80%の45mgの所望の生成物を得、これを分取HPLC(条件:カラム:XBRIDGE-C18(19.0×150mm、5ミクロン);(移動相:A;水中0.1%TFA、B;ACN)により精製して、表題化合物(19mg、37%の収率)をオフホワイトの固体として得た。HNMR(CDCl,300MHz):δ12.85(s,1H),8.39(s,1H),7.72(s,1H),7.55(s,1H),7.19(d,1H),6.79(s,2H),6.75(d,1H),6.64(s,1H),6.39(d,1H),6.22−6.13(m,2H),5.80−5.73(m,2H),3.78(s,6H),3.28(t,4H),3.21(s,3H),2.60(t,4H),2.47(q,2H),1.12(t,3H);MS(ESI):561.60[M+H];HPLC:96.04%,rt:6.40min.
【0214】
実施例−140
【化112】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
手順2H(実施例139)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(a)で2,6−ジクロロアニリンを代わりに用い、工程(b)で(2−(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシランを代わりに用いて表題化合物(18mg、3.2%の収率)をオフホワイトの固体として得た。HNMR(CDCl,300MHz):δ12.58(s,1H),8.39(s,1H),7.75(s,1H),7.61(s,1H),7.37(d,2H),7.22(d,1H),7.14(t,1H),6.77(dd,1H),6.67(s,1H),6.42(d,1H),6.25−6.16(m,1H),5.85(s,1H),5.78(d,1H),3.35−3.24(m,7H),2.62(t,4H),2.49(q,2H),1.14(t,3H);MS(ESI):569.10[M];HPLC:96.98%,rt:3.49min.
【0215】
実施例−141
【化113】
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N−(2−((6−(3−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
手順2H(実施例139)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(a)で2−クロロ−3,5−ジメトキシアニリン(以下に手順を示す)を代わりに用いて表題化合物(20mg、6.8%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H−NMR(CDCl,400MHz):δ13.46(s,1H),8.43(s,1H),7.79−7.71(m,2H),7.56(s,1H),7.18(d,1H),6.74(dd,1H),6.61(s,1H),6.38(d,1H),6.26(d,1H),6.21−6.15(m,1H),5.79−5.74(m,2H),3.86(s,3H),3.81(s,3H),3.28(t,4H),3.23(s,3H),2.59(t,4H),2.47(q,2H),1.12(t,3H);MS(ESI):595.15[M];HPLC:98.14%,rt:3.49min.
【0216】
2−クロロ−3,5−ジメトキシアニリンの調製
【化114】
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a.N−(3,5−ジメトキシフェニル)アセトアミド
無水酢酸(6.5mL)を、トルエン(50mL)中の3,5−ジメトキシアニリン(10g、65.359mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において室温でゆっくりと添加し、結果として生じた反応混合物を15時間撹拌した。反応の完了後に、反応物をヘキサンで希釈し、結果として生じた沈殿物を濾過により収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(12.5g、98%の収率)をオフホワイトの固体として得た。HNMR(CDCl,300MHz):δ7.38(s,1H),6.75(d,2H),6.23(s,1H),3.76(s,6H),2.15(s,3H);MS(ESI):196.1[M+H]
【0217】
【化115】
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b.N−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)アセトアミド
酢酸(17mL)中のN−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド(5g、25.64mmol)の撹拌溶液に、32%塩酸水溶液(14mL)、続いて水(1.5mL)中の塩素酸ナトリウム(1.16g、11mmol)の溶液を、0℃で添加した。結果として生じた反応混合物を、0℃で30分間撹拌した。その後、反応混合物を氷水に注入し、それをKCO粉末で塩基性にした。沈殿物を濾別し、水で洗浄した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、88:12)により精製して、表題化合物(1.8g、31%の収率)を白色固体として得た。HNMR(DMSO−d,300MHz):δ9.36(s,1H),7.03(d,1H),6.53(d,1H),3.84(s,3H),3.74(s,3H),2.08(s,3H);MS(ESI):230.2[M+H]
【0218】
【化116】
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c.2−クロロ−3,5−ジメトキシアニリン
水酸化カリウム(2.19g、39.18mmol)を、EtOH(100mL)および水(10mL)中のN−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)アセトアミド(1.8g、7.837mmol)の溶液に添加し、この反応混合物を、12時間加熱還流した。余分なEtOHを減圧下で除去して残留物を得た。次いで、この残留物を、水およびジエチルエーテルの間で分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(1.2g、82%の収率)を白色固体として得た。HNMR(CDCl,300MHz):δ5.97(s,2H),4.08(brs,2H),3.84(s,3H),3.75(s,3H);MS(ESI):188.1[M+H]
【0219】
手順2I:実施例−142
【化117】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル)アクリルアミド
【化118】
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a.4−(2−メトキシエトキシ)−2−ニトロアニリン
粉末の乾燥した炭酸カリウム(3.58g、0.025mol)を、DMF(20mL)中の4−アミノ−3−ニトロフェノール(2g、0.012mol)の溶液に、窒素雰囲気下において0℃で添加した。これに、1−ブロモ−2−メトキシエタン(1.34mL、0.014mol)を滴下し、結果として生じた反応混合物を一晩還流させた。次いで、反応混合物を、セライトに通して濾過した。濾液を濃縮し、酢酸エチルおよび水で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.6g、収率:24%)を固体として得た。MS(ESI):213.15[M+H]
【0220】
【化119】
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b.N−(4−(2−メトキシエトキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルピリミジン−4,6−ジアミン
4−(2−メトキシエトキシ)−2−ニトロアニリン(0.6g、2.830mmol)および6−クロロ−N−メチルピリミジン−4−アミン(0.404g、2.830mmol)を、アルゴン雰囲気下の室温の封管中の10mLの乾燥トルエンに入れた。アルゴンガスパージをさらに5〜10分間継続した。次いで、CsCO(2.3g、7.075mmol、2.5当量)およびXantphos(0.490g、0.849mmol)を添加し、結果として生じた反応混合物をアルゴンガスで5分間パージし、続いてPd(dba)(0.518g、0.566mmol)を添加した。アルゴンガスパージをさらに5分間継続した後に、反応バイアルを密封した。次いで、反応混合物を、100℃で7時間加熱した。TLC(DCM:MeOH、98:2)に基づく反応の完了後に、反応マスをセライトに通して濾過し、濾液を真空下でエバポレートして、粗残留物を得た。この粗残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.93g、収率:70%)を得た;MS(ESI):320.3[M+H]
【0221】
【化120】
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c.3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(6−((4−(2−メトキシエトキシ)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−1−メチル尿素
ジオキサン(10mL)中の2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシアニリン(500mg、2.252mmol)の撹拌溶液に、トルエン中20%ホスゲン(4.4mL、9.0mmol)を、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を、90℃で6時間撹拌し、次いで室温まで放冷した。溶媒を除去し、残留物をトルエン(10mL)に溶解させた。これに、N4−(4−(2−メトキシエトキシ)−2−ニトロフェニル)−N6−メチルピリミジン−4,6−ジアミン(0.718g、8.358mmol、1.0当量)を添加した。次いで、結果として生じた反応混合物を6時間還流させた。TLC(ヘキサン:EtOAc、7:3)に基づく反応の完了後に、反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮して、粗反応混合物を得た。この粗反応混合物への酢酸エチルの添加により沈殿した固体を濾過し、エーテルおよびペンタンで洗浄して、表題化合物(0.285、収率:32%)を白色固体として得た。MS(ESI):567.0[M+H]
【0222】
【化121】
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d.(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)(4−(2−メトキシエトキシ)−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル
DMAP(0.025g、0.2mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(0.438g、2.009mmol)を、無水THF(10mL)中の3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(6−((4−(2−メトキシエトキシ)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−1−メチル尿素(0.285g、0.502mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を、3〜4時間還流させた。TLC(ヘキサン:EtOAc、1:1)に基づく反応の完了後に、反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.35g、収率:88%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):767.1[M+H]
【0223】
【化122】
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e.(2−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
ラネーニッケル(0.05g)を、THFおよびMeOHの混合物(10mL)中の(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)(4−(2−メトキシエトキシ)−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル(0.350g、0.456mmol)の溶液に添加し、結果として生じた混合物を、水素雰囲気(バルーン)下において室温で14時間撹拌した。反応混合物を、Celiteパッドに通して濾過した。濾液を濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH:DCM、5:95)により精製して、表題化合物(0.26g、収率:77%)を固体として得た。MS(ESI):737.2[M+H]
【0224】
【化123】
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f.(2−アクリルアミド−4−(2−メトキシエトキシ)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
無水DCM(6mL)中の(2−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.26g、0.352mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.09mL、0.704mmol)を、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を15分間撹拌し、アクリロイルクロリド(0.04mL、0.528mmol)を0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を室温まで放温し、2時間撹拌した。この反応混合物を、DCMおよび水で希釈した。水層を分離し、DCM(3×30mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.200g、収率:72%)を固体として得た。MS(ESI):791.2[M+H]
【0225】
【化124】
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g.N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(2−メトキシエトキシ)フェニル)アクリルアミド
TFA(0.38mL、5.05mmol)を、乾燥DCM(2mL)中の(2−アクリルアミド−4−(2−メトキシエトキシ)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.2g、0.252mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、12時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによりモニタリングした。反応の完了後に、余分な溶媒を減圧下で除去した。粗固体をエーテルで洗浄して、表題化合物(86mg、収率:58%)を白色固体として得た。HNMR(DMSO−d6,400MHz):δ12.01(s,1H),9.60(s,1H),8.85(s,1H),8.33(s,1H);7.42(s,1H),7.34(d,1H),6.89(s,1H),6.79(d,1H),6.51(dd,1H),6.23(d,2H),5.72(d,1H),4.08(m,2H),3.93(s,6H),3.66(m,2H),3.31(s,3H),3.23(s,3H).MS(ESI):591.3[M+H];HPLC:96.04%,rt:3.72min.
【0226】
実施例:144
【化125】
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N−(2−((6−(3−(2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
手順2I(実施例142)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(c)でN−(4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)−N−メチルピリミジン−4,6−ジアミン(手順2C、実施例108、工程a〜d)および2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリン(以下に手順を示す)を代わりに用いて最終表題化合物の直前の化合物(0.46mg、5工程にわたる収率:2.6%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):813.1[M+H].この遊離アミン(46mg、0.075mmol)を酢酸エチル:DCM:MeOHの混合物に溶解させ、リン酸(7mg、0.075mmol)で処理した。1時間の撹拌後に、沈殿した固体を濾過し、エーテルおよびペンタンで洗浄して、表題化合物(34.7mg、収率:65%)をオフホワイトの固体として得た。HNMR(DMSO−d6,300MHz):δ12.15(s,1H),9.60(s,1H),8.76(s,1H),8.32(s,1H),7.29(d,2H),6.9(d,2H),6.81(dd,1H),6.51−6.45(m,1H),6.25−6.20(m,2H),5.72(d,1H),3.91(s,3H),3.89(s,3H),3.23(t,4H),3.14(t,4H),2.54−2.50(m,5H),1.05(t,3H);MS(ESI):613.2(M−HPO;HPLC:98.6%,rt:6.13min.
【0227】
2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリンの調製
【化126】
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a.2−フルオロ−3,5−ジメトキシ安息香酸メチル
アセトニトリル(1.1L)中のSelectfluor(48.9g、0.15mol)の懸濁液を、アセトニトリル中の3,5−ジメトキシ安息香酸メチル(20g、0.10mol)の溶液に、窒素雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで温め、一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、飽和炭酸ナトリウム溶液および酢酸エチルで希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配 ヘキサン/エーテル 30:1から4:1まで)により精製して、表題化合物(4g、収率:16.9%)を得た。
【0228】
【化127】
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b.2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシ安息香酸メチル
SOCl(2.20g、0.016mol)を、アセトニトリル(40mL)中の2−フルオロ−3,5−ジメトキシ安息香酸メチル(3.5g、0.016mol)の溶液に、窒素雰囲気下において0℃で滴下した。結果として生じた反応混合物を、室温までゆっくりと温め、1時間撹拌した。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、溶離剤(勾配 ヘキサン/エーテル(20:1)からヘキサン/エーテル(5:1)までを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.7g、収率:67%)を固体として得た。
【0229】
【化128】
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c.2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシ安息香酸
無水エタノール(30mL)中の2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシ安息香酸メチル(2.7g、0.010mol)および水酸化ナトリウム(1.088g、0.0272)の懸濁液を、24時間還流させた。結果として生じた反応混合物を、室温まで冷却し、真空下で濃縮して、粗残留物を得た。この粗残留物を水に溶解させ、エーテル(3×30mL)で抽出した。水層を濃HClで酸性化し、沈殿した固体を濾過し、冷水で洗浄し、真空中で乾燥させて、表題化合物(1.8g、収率:71%)を固体として得た。
【0230】
【化129】
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d.2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリン
tert−BuOH(50mL)中の2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシ安息香酸(1.8g、0.0077mol)およびトリエチルアミン(0.934g、0.0092mol)の懸濁液を、5分間撹拌した。結果として生じた反応混合物に、ジフェニルホスホリルアジド(2.53g、0.0092mol)を添加し、82℃まで加熱し、この温度で一晩維持した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮して、粗残留物を得た。この粗残留物をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、0℃まで冷却した。TFA(4mL)を反応混合物に添加し、次いで、結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、粗残留物を酢酸エチルおよび飽和炭酸ナトリウム溶液で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、溶離剤(勾配 ヘキサンからヘキサン−エーテル(65:35)まで)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.95g、収率:60%)を固体として得た。MS(ESI):205.7[M+H]
【0231】
手順2J−実施例145
【化130】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(ヒドロキシメチル)フェニル)アクリルアミド
【化131】
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a.1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナート尿素
DMAP(0.080g、0.655mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(2.9mL、12.6mmol)を、無水THF(20mL)中の1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素(手順2E、工程b;2.6g、6.632mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。次いで、結果として生じた混合物を、2時間還流させた。TLC(EtOAc:ヘキサン 3:7)に基づく反応の完了後に、反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.5g、収率:69.4%)を固体として得た。H−NMR(CDCl,300MHz):δ8.73(d,1H),7.95(d,1H),6.61(s,1H),3.95(s,6H),3.63(s,3H),1.35(s,9H).
【0232】
【化132】
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b.4−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸メチル
4−アミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(0.956g、0.004mol)および1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナート尿素(2g、0.004mol)を、室温の封管中の10mLの乾燥トルエンに入れ、アルゴンガスを5〜10分間パージした。次いで、CsCO(3.25g、0.01mol)およびXantphos(0.46g、0.0008mol)を添加し、結果として生じた反応混合物をアルゴンガスで5分間パージし、続いてPd(dba)(0.36g、0.0004mol)を添加した。アルゴンガスパージをさらに5分間継続した後に、反応バイアルを密封した。次いで、反応混合物を、100℃で12時間加熱した。TLCに基づく反応の完了後に、反応マスをセライトに通して濾過し、濾液を真空下でエバポレートして、粗残留物を得た。この粗残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.10g、収率:79%)を得た;H−NMR(CDCl,300MHz):δ10.3(s,1H),9.00−8.95(m,2H),8.75(s,1H),8.22(dd,1H),7.63(s,1H),6.61(s,1H),3.95(s,6H),3.94(s,3H),3.67(s,3H),1.39(s,9H).
【0233】
【化133】
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c.4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸メチル
DMAP(0.039g、0.322mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(1.48mL、6.45mmol)を、無水THF(5mL)中の4−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸メチル(2.1g、3.22mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を、12時間還流させた。TLC(EtOAc:ヘキサン 40:60)に基づく反応の完了後に、反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.1g、収率:87%)を固体として得た。MS(ESI):751.0[M]
【0234】
【化134】
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d.(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)(4−(ヒドロキシメチル)−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル
水素化ホウ素リチウム(0.049g、2.26mmol)を、無水THF(18mL)中の4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸メチル(1.7g、2.26mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。次いで、結果として生じた反応混合物を、室温まで2.5時間放温した。次いで、反応混合物を氷−水でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.480g、収率:29%)を固体として得た。MS(ESI):723.2[M]
【0235】
【化135】
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e.(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
イミダゾール(0.071g、1.051mmol)およびTBDMS−Cl(0.118g、0.787mmol)を、無水ジクロロメタン(5mL)中の(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)(4−(ヒドロキシメチル)−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル(0.380g、0.525mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた反応混合物を、室温で4時間撹拌した。次いで、反応混合物を、DCMおよび水で希釈した。水層を分離し、DCM(3×10mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.330g、収率:75%)を固体として得た。MS(ESI):837.4[M]
【0236】
【化136】
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f.(2−アミノ−4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
ラネーニッケル(0.06g)を、MeOH(5mL)中の(4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.3g、0.358mmol)の溶液に添加し、結果として生じた反応混合物を、水素雰囲気(バルーン)下において室温で12時間撹拌した。反応混合物を、Celiteパッドに通して濾過した。濾液を濃縮して粗残留物を得、次いでこれをカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.180g、収率:64%)を固体として得た。MS(ESI):807.2[M]
【0237】
【化137】
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g.(2−アクリルアミド−4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
無水DCM(5mL)中の(2−アミノ−4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.180g、0.223mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.08mL、0.557mmol)を、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を15分間撹拌し、アクリロイルクロリド(0.03mL、0.334mmol)を0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、4時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の表題化合物(0.130g、収率:68%)を固体として得た。MS(ESI):861.3[M]
【0238】
【化138】
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h.N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(ヒドロキシメチル)フェニル)アクリルアミド
TFA(1.0mL)を、乾燥DCM(3mL)中の(2−アクリルアミド−4−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−tert−ブチルカルボナートウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.130g、0.150mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、13時間撹拌した。反応の進行をLCMSによりモニタリングし、反応の完了後に、余分な溶媒を減圧下で除去した。結果として生じた残留物を、DCMおよび飽和NaHCO水溶液で希釈した。水層を分離し、DCM(3×10mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、HPLC純度84%の95mgの所望の生成物を得、次いでこれを分取HPLC(条件:カラム:X bridge C18(19mm×150mm、5μm);(移動相:A;水中0.01%TFA、B;ACN)により精製して、表題化合物(16mg、収率:16%)を白色固体として得た。H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ12.08(s,1H),9.70(s,1H),8.95(s,1H),8.37(s,1H),7.64(s,1H),7.49(d,1H),7.15(s,1H),6.90(s,1H),6.53−7.46(q,1H),6.32(s,1H),6.25(d,1H),5.74(d,1H),5.42(s,1H),5.35(s,1H),4.49(s,2H),3.94(s,6H),3.25(s,3H);MS(ESI):547.0[M+H];HPLC:97.4%,rt:3.83min.
【0239】
実施例147
【化139】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(メトキシメチル)フェニル)アクリルアミド
手順2I(実施例142)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(c)でN−(4−(メトキシメチル)−2−ニトロフェニル)−N−メチルピリミジン−4,6−ジアミン(以下に手順を示す)を代わりに用いて表題化合物(5.0mg、収率:1.8%)をオフホワイトの固体として得た。1H−NMR(CDCl,400MHz):δ12.30(s,1H),8.41(s,1H),7.86(s,1H),7.81(s,1H),7.52(d,1H),7.49(s,1H),7.30(d,1H),6.54(s,1H),6.46(d,1H),6.26(dd,1H),6.07(s,1H),5.83(d,1H),5.18(s,2H),3.93(s,6H),3.82(s,3H),3.34(s,3H);MS(ESI):561.1[M+H];HPLC:95.76%,rt:4.36min.
【0240】
−(4−(メトキシメチル)−2−ニトロフェニル)−N−メチルピリミジン−4,6−ジアミンの調製
【化140】
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a.4−アミノ−3−ニトロ安息香酸メチル
塩化チオニル(19.4g、164.85mmol)を、メタノール(200mL)中の4−アミノ−3−ニトロ安息香酸(20g、109.89mmol)の溶液に、0℃で添加した。次いで、結果として生じた混合物を、12時間還流させた。反応混合物を、室温まで放冷した。沈殿した黄色固体を濾過し、乾燥させて、表題化合物(22g、収率:100%)を固体として得た。1H−NMR(CDCl,300MHz):δ8.85(d,1H),7.99(dd,1H),6.83(d,1H),6.40(s,2H),3.90(s,3H).
【0241】
【化141】
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b.4−((6−(メチルアミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸メチル
6−クロロ−N−メチルピリミジン−4−アミン、3(3g、20.97mmol)および4−アミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(3.9g、20.97mmol)を、アルゴン雰囲気下の室温の封管中のトルエン(5mL)に入れた。アルゴンガスを、5〜10分間パージした。次いで、CsCO(17.0g、52.4mmol)およびXantphos(3.6g、6.29mmol)を添加し、結果として生じた反応混合物をアルゴンガスで5分間パージし、続いてPd(dba)(3.8g、4.19mmol)を添加した。アルゴンガスパージをさらに5分間継続した後に、反応バイアルを密封した。次いで、反応混合物を、110℃で16時間加熱した。TLCに基づく反応の完了後に、反応混合物を室温まで冷却し、セライト床に通して濾過し、濾液を真空下でエバポレートして、粗残留物を得た。この粗残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(3.2g、収率:51%)を固体として得た;MS(ESI):304.2[M+H]
【0242】
【化142】
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c.4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸メチル
DMAP(0.497g、4.078mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(8.89g、40.78mmol)を、無水THF(35mL)中の中間体−4(3.1g、10.197mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において室温で添加した。結果として生じた混合物を、2〜3時間還流させた。TLCに基づく反応の完了後に、反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.9g、収率:37%)を固体として得た。MS(ESI):504.0[M+H]
【0243】
【化143】
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d.(6−((tert−ブトキシカルボニル)(4−(ヒドロキシメチル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
水素化ホウ素リチウム(0.157g、7.14mmol)を、THF(20mL)中の4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸メチル(1.8g、3.57mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。次いで、結果として生じた混合物を、室温まで放温し、12時間撹拌した。次いで、この反応混合物を、氷−水でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の中間体−6(1.2g、75%)を固体として得た。MS(ESI):476.1[M+H]
【0244】
【化144】
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e.(6−((tert−ブトキシカルボニル)(4−(メトキシメチル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
アルゴン雰囲気下の0℃のアセトン(20mL)中の(6−((tert−ブトキシカルボニル)(4−(ヒドロキシメチル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.5g、3.488mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.48g、6.97mmol)、続いて硫酸ジメチル(0.87g、6.97mmol)を添加した。次いで、結果として生じた反応混合物を、24時間還流させ、次いで室温まで放冷した。反応混合物を真空下で濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.3g、収率:19%)を固体として得た。MS(ESI):490.55[M+H]
【0245】
【化145】
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f.N−(4−(メトキシメチル)−2−ニトロフェニル)−N−メチルピリミジン−4,6−ジアミン
TFA(5mL)を、乾燥DCM(10mL)中の(6−((tert−ブトキシカルボニル)(4−(メトキシメチル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(0.85g)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、1時間撹拌した。反応の完了後に、余分な溶媒を減圧下で除去し、エーテルで洗浄して、表題化合物(0.7g粗)を固体として得た。MS(ESI):290.2[M+H]
【0246】
手順2K−実施例148
【化146】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)アクリルアミド
【化147】
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a.4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸
水酸化リチウム(0.08g、2.99mmol)を、THF(10mL)および水(2mL)の混合物中の4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸メチル(1.5g、1.997mmol)(手順2J、工程c)の溶液に、0℃で添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、5時間撹拌した。TLC(EtOAc:ヘキサン 3:7)に基づく反応の完了後に、反応混合物を真空下で濃縮して、粗残留物を得た。この粗残留物を水に溶解させ、エーテル(3×30mL)で抽出した。水層を10%クエン酸溶液で酸性化し、沈殿した固体を濾過し、冷水で洗浄し、真空中で乾燥させて、表題化合物(1.3g、収率:93%)を淡褐色固体として得た。MS(ESI):737.2[M+H]
【0247】
【化148】
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b.(2−ニトロ−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
DIPEA(0.3mL、1.62mmol)、HATU(0.515g、1.355mmol)およびN−メチルピペラジン、6(0.09mL、0.813mmol)を、DMF(5mL)中の4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸(0.4g、0.542mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。次いで、結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、18時間撹拌した。TLC(MeOH:DCM 1:19)に基づく反応の完了後に、水を反応混合物に添加した。沈殿した粗固体を濾過し、乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.27g、収率:61%)を固体として得た。MS(ESI):819.1[M+H]
【0248】
【化149】
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c.(2−アミノ−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
ラネーニッケル(0.06g)を、MeOH(4mL)およびTHF(4mL)の混合物中の(2−ニトロ−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.27g、0.329mmol)の溶液に添加し、結果として生じた反応混合物を、水素雰囲気下において室温で20時間撹拌した。反応混合物を、Celite床に通して濾過した。濾液を濃縮して、粗表題化合物(0.22g、収率:84%)を固体として得た。MS(ESI):789.4[M+H]
【0249】
【化150】
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d.(2−アクリルアミド−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル
無水DCM(5mL)中の(2−アミノ−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−tert−ブトキシカルボニル−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.22g、0.278mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.08mL、0.557mmol)を、アルゴン雰囲気下において0℃で添加した。結果として生じた混合物を15分間撹拌し、アクリロイルクロリド(0.037g、0.417mmol)を0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、2時間撹拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、DCMで希釈した。水層を分離し、DCM(3×20mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.060g、収率:25%)を固体として得た。MS(ESI):843.3[M+H]
【0250】
【化151】
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e.N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)アクリルアミド
TFA(0.2mL)を、乾燥DCM(2mL)中の(2−アクリルアミド−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−tert−ブチルカルボニル−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.060g、0.0711mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、18時間撹拌した。反応の進行をLCMSによりモニタリングし、反応の完了後に、余分な溶媒を減圧下で除去した。結果として生じた残留物を、DCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液でクエンチした。水層を分離し、DCM(3×10mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、粗残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、HPLC純度35%の70mgの所望の生成物を得、次いでこれを分取HPLC(条件:カラム:Gemini NX C18(21.2mm×150mm 粒径5μm);(移動相:A;水中0.1%重炭酸アンモニウム、B;ACN)により精製して、所望の化合物を得た。次いで、この化合物を、ジクロロメタンおよび水で希釈した。水層を分離し、DCM(3×10mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(0.005g、収率:11%)を白色固体として得た。1H−NMR(CDOD,400MHz):δ8.41(s,1H),7.79−7.76(m,2H),7.36(dd,1H),6.82(s,1H),6.47−6.42(m,3H),5.82(d,1H),3.96(s,6H),3.81−3.55(m,8H),2.54(s,3H),2.37(s,3H),;MS(ESI):643.1[M+H];HPLC:97.26%,rt:6.19min.
【0251】
実施例149
【化152】
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3−アクリルアミド−4−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N,N−ジメチルベンズアミド
手順2K(実施例148)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(b)でジメチルアミンを代わりに用いて表題化合物(12.0mg、収率:6.1%)をオフホワイトの固体として得た。1H−NMR(CDOD,400MHz):δ8.38(s,1H),7.78−7.72(m,2H),7.34(dd,1H),6.80(s,1H),6.46−6.38(m,3H),5.80(dd,1H),3.94(s,6H),3.36(s,3H),3.10(s,6H);MS(ESI):587.9[M+H];HPLC:99.04%,rt:3.98min.
【0252】
実施例150
【化153】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)アクリルアミド
手順2K(実施例148)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(b)で1−エチルピペラジンを代わりに用いて表題化合物(10.0mg、収率:9.7%)をオフホワイトの固体として得た。1H−NMR(CDOD,400MHz):δ8.41(s,1H),7.76−7.79(m,2H),7.36(d,1H),6.82(s,1H),6.38−6.47(m,3H),5.82(d,1H),3.96(s,6H),3.72−3.82(m,2H),3.53−3.65(m,3H),3.39(s,4H),2.49−2.54(m,6H),1.15(t,3H);MS(ESI):657.0[M+H]+;HPLC:95.98%,rt:6.25min.
【0253】
実施例151
【化154】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミドリン酸
手順2J(実施例145)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(b)で4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリン(以下に手順を示す)を代わりに用い、工程(d)および(e)を省いて表題化合物の遊離塩基(0.1g、全体の収率:9.7%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):643.1[M+H].85%HPOを、95%THF−MeOH(5mL)中のN−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド(0.1g)の溶液にゆっくりと添加した。次いで、結果として生じた反応混合物を、室温で30分間撹拌しておき、溶媒をエバポレートし、ジエチルエーテルで粉砕し、真空下で乾燥させて、表題化合物(0.16g)をオフホワイトの固体として得た。HNMR(DMSO−d,400MHz):δ12.08(s,1H),9.62(s,1H),8.76(s,1H),8.32(s,1H),7.30(d,2H),6.89(d,1H),6.81(d,1H),6.46−6.49(m,1H),6.21−6.25(m,2H),5.72(d,1H),3.93(s,6H),3.35−3.41(m,1H),3.23(s,3H),3.12−3.17(m,4H),2.67−2.70(m,4H),1.05−1.11(m,6H);MS(ESI):643.3(M+1);HPLC:95.41%,rt:6.48min.
【0254】
4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリンの調製
【化155】
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a.4−イソプロピルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
Bocピペリジン、1(10g、53.76mmol)およびアセトン(4mL)を、乾燥DCM(100mL)および酢酸(3.2mL)の混合物に入れた。室温で20分間撹拌した。Na(OAc)BH(17g、80.2mmol)を添加し、撹拌を室温で12時間継続した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、粗表題化合物(13g、粗)を得た。MS(ESI):229.2[M+H]
【0255】
【化156】
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b.1−イソプロピルピペラジン
TFA(15mL)を、乾燥DCM(20mL)中の4−イソプロピルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(13g粗)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を、室温まで放温し、18時間撹拌した。反応マスを真空下で濃縮し、残留物をn−ヘキサンおよびジエチルエーテルで粉砕した。真空下で乾燥させて、表題化合物(7g、収率:97%)を得た。MS(ESI):129.1[M+H]
【0256】
【化157】
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c.(4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル
1−イソプロピルピペラジン(1.29g、5.66mmol)および(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル(1.5g、4.71mmol)を、アルゴン雰囲気下の室温の封管中の乾燥トルエン(15mL)およびジオキサン(2mL)の混合物に入れた。アルゴンガスを、5〜10分間パージした。次いで、CsCO(3.06g、9.43mmol)およびXantphos(0.54g、0.94mmol)を添加し、結果として生じた反応混合物をアルゴンガスで5分間パージし、続いてPd(dba)(0.43g、0.47mmol)を添加した。アルゴンガスパージを、さらに5分間継続した後に、反応バイアルを密封した。次いで、反応混合物を、100℃で12時間加熱した。TLCに基づく反応の完了後に、反応混合物を室温まで冷却し、セライト床に通して濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH/97:3)により精製して、表題化合物(1.2g、収率:70.5%)を得た。MS(ESI):365.5[M+H]
【0257】
【化158】
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d.4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリン
TFA(3mL)を、乾燥DCM(5mL)中の(4−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)カルバミン酸tert−ブチル(1.2g、3.29mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下において0℃でゆっくりと添加した。結果として生じた反応混合物を室温まで放温し、12時間撹拌した。反応の進行をLCMSによりモニタリングし、反応の完了後に、余分な溶媒を減圧下で除去して、粗残留物を得た。この粗残留物をエーテルで繰り返し洗浄して、表題化合物(1g、収率:80.6%)を赤色固体として得た。MS(ESI):265.1[M+H]
【0258】
実施例−154
【化159】
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N−(5−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの調製
N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(ピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド(手順2L、実施例157)(8.6mg、0.014mmol)およびDIEA(7.5μl、0.043mmol)を、DCM(1.0ml)中で、窒素雰囲気下において室温で撹拌した。DCM(11μl)中の塩化アセチル(1.0μl、0.016mmol)の溶液を添加し、この反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒をエバポレートし、結果として生じた物質を400μlのDMSOに溶解させた。このDMSO溶液を1.0mlのMeOHで希釈し、分取HPLC(ギ酸条件下の水/ACN)により精製して、表題化合物(1.4mg、収率:15%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ2.16(s,3H)3.65−3.80(m,4H)3.94(s,6H)5.76(dd,1H)6.15(s,1H)6.28−6.49(m,2H)6.78−6.82(m,1H)6.95(dd,2.89Hz,1H)7.28−7.38(m,2H)8.31(d,1H)8.58(br.s.,1H);ESI−MS:643[M+H]
【0259】
実施例−155および156
【化160】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(1−メトキシエチル)フェニル)アクリルアミドおよびN−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(1−ヒドロキシエチル)フェニル)の調製
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で4−(1−メトキシエチル)−2−ニトロアニリン(以下に手順を示す)を代わりに用い、90%〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーを用いた精製後に、表題化合物を得た。非極性画分は、N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(1−メトキシエチル)フェニル)アクリルアミド(16mg、収率:5工程で6%)であった。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ1.46(d,3H)3.29(s,3H)3.96(s,6H)4.12(d,1H)4.40(q,1H)5.78−5.82(m,1H)6.33−6.50(m,3H)6.82(s,1H)7.27(dd,1H)7.55−7.64(m,2H)8.37(d,1H);ESI−MS:575[M+H].極性画分は、N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(1−ヒドロキシエチル)フェニル)アクリルアミド(22mg、収率:5工程で8%)であった。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ1.53(d,3H)4.00(s,6H)5.83(dd,1H)6.29−6.56(m,3H)6.86(s,1H)7.38(dd,1H)7.57(d,1H)7.69(s,1H)8.40(d,1H);ESI−MS:661[M+H]
【0260】
4−(1−メトキシエチル)−2−ニトロアニリンの調製
【化161】
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a.1−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)エタノール
1−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)エタノン(1.0g、5.46mmol)をMeOH(15.0ml)に溶解させ、氷浴上で撹拌した。NaBH(0.62g、16.0mmol)を少しずつ(portionwise)添加した。添加の完了時に、反応混合物を、室温で10分間撹拌した。反応混合物を、EtOAcおよびブラインに注入した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質を、20%〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(881mg、収率:87%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.53(d,4H)4.99(dd,1H)7.22−7.33(m,1H)7.66(ddd,1H)8.09(dd,1H)
【0261】
【化162】
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b.1−フルオロ−4−(1−メトキシエチル)−2−ニトロベンゼン
1−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)エタノール(870mg、4.7mmol)をMeOH(10ml)に溶解させ、濃硫酸(2.5ml、47mmol)を注意深く添加した。この反応混合物を、マイクロウェーブ(Biotage Initiator)を用いて150℃で5分間加熱した。室温まで冷却した後に、反応混合物をEtOAc/水に注入した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質を、0%〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(664mg、収率:71%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.45(d,3H)3.27(s,3H)4.36(q,1H)7.28−7.32(m,1H)7.56−7.63(m,1H)7.98−8.04(m,1H)
【0262】
【化163】
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c.4−(1−メトキシエチル)−2−ニトロアニリン
1−フルオロ−4−(1−メトキシエチル)−2−ニトロベンゼン(664mg、3.33mmol)を、THF(10ml)中で撹拌した。NHOH(0.39ml、10.0mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。さらに780μlのNHOHを添加し、反応混合物を、マイクロウェーブ(Biotage Initiator)を用いて120℃で10分間、次いで140℃で50分間加熱した。室温まで冷却した後に、反応混合物をEtOAc/水に注入した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質を、0%〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(290mg、収率:44%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.42(d,3H)3.22(s,3H)4.24(q,1H)6.05(br.s.,2H)6.83(d,1H)7.38(dd,2.01Hz,1H)8.04(d,1H)
【0263】
手順2L:実施例−157
【化164】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(ピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミドの調製
【化165】
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a.2−(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)イソインドリン−1,3−ジオン
4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(2.0g、9.1mmol)およびカリウム1,3−ジオキソイソインドリン−2−イド(2.0g、10.9mmol)をマイクロウェーブバイアル(0.5〜2ml)に入れ、NMP(12.0ml)を添加した。この反応混合物を、マイクロウェーブ(Biotage, Initiator)を用いて200℃で1分間加熱した。室温まで冷却した後に、反応混合物を撹拌水に滴下すると、沈殿物が形成した。固体を収集し、水で洗浄し、窒素流下で乾燥させて、表題化合物(2.89g、収率:92%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.26(s,2H)7.43(d,2H)7.81−7.87(m,3H)7.91(dd,,2H)7.95−8.05(m,3H)8.33(d,1H)
【0264】
【化166】
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b.4−(4−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
2−(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)イソインドリン−1,3−ジオン(500mg、1.4mmol)、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(402mg、2.2mmol)、Pd(dba)(66.0mg、0.07mmol)、Xantphos(83mg、0.144mmol)およびCsCO(939mg、2.9mmol)を、反応バイアル(マイクロウェーブ反応バイアル10〜20ml)に入れ、窒素でパージした。トルエン(5.0ml)を添加し、窒素を10分間通気した。この反応混合物を、100℃で5時間加熱した。加熱を停止し、室温まで冷却した。反応混合物をセライトのパッドに通して濾過し、濾液をエバポレートした。残存している物質を、20%〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(275mg、収率:42%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.51(s,6H)3.28−3.39(m,2H)3.57−3.70(m,2H)7.20−7.24(m,1H)7.35(d,1H)7.66(d,1H)7.75−7.87(m,1H)7.96(dd,1H)
【0265】
【化167】
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c.4−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
THF(5.0ml)中の4−(4−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(275.4mg、0.6mmol)の懸濁液に、THF(1.8ml、1.8mmol)中の1.0Mヒドラジンを室温で添加した。この反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc/水に注入し、有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた油状物を、20%〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(182mg、93%収率)を得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ1.42(s,9H)2.89−2.99(m,4H)3.44(d,4H)6.98(d,1H)7.22(s,2H)7.26−7.38(m,2H)
【0266】
【化168】
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d.4−(4−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
1−(6−クロロピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)尿素(175mg、0.34mmol)、4−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(90mg、0.28mmol)、Pd(dba)(13mg、0.014mmol)、Brettphos(13mg、0.028mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(54mg、0.56mmol)を、反応バイアル(2〜5ml)に入れ、窒素でパージした。トルエン(1.0ml)を添加し、窒素を5分間通気し、次いで反応混合物を100℃で一晩加熱した。加熱を停止し、室温まで冷却した。反応混合物を、Celite(登録商標)のパッドに通して濾過した。濾液をエバポレートし、結果として生じた物質を、20%〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(102.4mg、収率:45%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ0.01(s,9H)0.85−0.98(m,2H)1.50(s,9H)3.03(s,3H)3.17(br.s.,4H)3.56−3.66(m,4H)3.75−3.97(m,8H)5.22(s,2H)6.50(s,1H)6.95(s,1H)7.65(s,1H)8.46(s,1H)
【0267】
【化169】
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e.4−(4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−(4−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(162mg、0 0.2mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(53mg、0.24mmol)およびDMAP(4.9mg、0.04mmol)を、THF(2.0ml)中で、窒素雰囲気下において室温で1時間撹拌した。この反応混合物を、EtOAcおよび水に注入した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質を、10%〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(148mg、収率:82%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ0.01(s,9H)0.80−1.04(m,2H)1.4(s,9H)1.49(s,9H)3.12(s,3H)3.19−3.36(m,4H)3.50−3.70(m,4H)3.83−3.92(m,9H)3.96(d,1H)5.14(d,1H)5.42(d,1H)6.46(s,1H)7.05−7.19(m,2H)7.58(d,1H)8.03(s,1H)8.29(s,1H)
【0268】
【化170】
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f.4−(3−アミノ−4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−(4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(149mg、0.164mmol)を、THF(1.5ml)およびMeOH(1.5ml)中で撹拌した。5滴の水中ラネーニッケル懸濁液を添加した。この溶液を、水素雰囲気下において室温で一晩撹拌した。反応物をCelite(登録商標)のパッドに通して濾過し、濾液を濃縮して粗表題化合物を得、これをさらなる精製なしに次の工程に使用した。ESI−MS:877[M+H]
【0269】
【化171】
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g.4−(3−アクリルアミド−4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
粗4−(3−アミノ−4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(95mg、0.11mmol)を、THF(1.5ml)に溶解させ、氷浴上で、窒素雰囲気下で撹拌した。DIEA(57μl、0.30mmol)、続いてアクリロイルクロリド(13μl、0.16mmol)を添加し、この反応混合物を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を、EtOAcおよびブラインに注入した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質(maerial)を、30%〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(47mg、収率:47%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ0.02(s,9H)0.79−1.04(m,2H)1.36(s,9H)1.49(s,9H)3.08(s,4H)3.05(s,3H)3.25(br.s.,4H)3.64(br.s.,4H)3.86(s,6H)5.27(s,1H)5.67−5.79(m,1H)6.15−6.56(m,2H)6.48(s,1H)7.03−7.14(m,1H)7.87−8.09(m,2H)8.19−8.29(br.s.,1H)8.44(s,1H).
【0270】
【化172】
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h.N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(ピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
4−(3−アクリルアミド−4−((tert−ブトキシカルボニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(59mg、0.06mmol)を、DCM(2.0ml)中で撹拌した。TFA(97μl、1.3mmol)を添加し、混合物を室温で6時間撹拌した。この反応混合物をエバポレートした。残存している残留物をDCMに溶解させ、飽和NaHCOで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質をTHF(2.0ml)に溶解させ、NHOH(74μl、1.9mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で5分間撹拌した。反応混合物をエバポレートして、表題化合物(34mg、収率:90%)を得、これをさらなる精製なしに次の工程に使用した。H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ2.62(br.s.,4H)3.08−3.27(m,7H)3.77−4.03(m,6H)5.72(d,1H)6.11−6.34(m,2H)6.40−6.62(m,1H)6.70−6.98(m,2H)7.22−7.37(m,2H)8.32(s,1H)8.70(s,1H)9.58(br.s.,1H)12.06(s,1H);ESI−MS:601[M+H]
【0271】
実施例−158
【化173】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド
手順2L(実施例157)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(b)で2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−N−メチルエタンアミン、Pd(dba)およびRuphosを代わりに用い、工程(d)でPd(dba)、Brettphosおよびナトリウムtert−ブトキシドを代わりに用いて表題化合物(64mg、収率:7工程で16%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ3.04(s,3H)3.26(s,3H)3.51(s,2H)3.69−3.81(m,2H)3.94(s,6H)5.71−5.78(m,1H)6.03−6.10(m,1H)6.26−6.45(m,2H)6.72(d,1H)6.79(s,1H)7.04−7.10(m,1H)7.23(d,1H)8.28(d,1H);ESI−MS:590[M+H].
【0272】
2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−N−メチルエタンアミンの調製
【化174】
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a.2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−N−メチルエタンアミン
2−(メチルアミノ)エタノール(1.0g、13.3mmol)を、DCM(25.0ml)中で、窒素の雰囲気下で撹拌した。DIEA(3.23ml、18.6mmol)、続いてtert−ブチルクロロジメチルシラン(2.0g、13.3mmol)を添加し、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、エーテル/水に注入した。水層をエーテルで3回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、エバポレートし、残存している物質を高真空下で乾燥させて、表題化合物(1.4g、収率:56%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ0.08(s,6H)0.91(s,9H)1.93(br.s.,1H)2.48(s,3H)2.71(t,2H)3.75(t,2H).
【0273】
実施例−160
【化175】
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N−(5−(1−アミノエチル)−2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドのTFA塩
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で(1−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル、Pd(dba)、Brettphosおよびナトリウムtert−ブトキシドを代わりに用いて遊離塩基を得、これをTFA塩に変換した。遊離塩基をDCMに溶解させ、1当量のTFAを添加した。混合物をエバポレートし、エーテルで粉砕して、表題化合物(65mg、収率:5工程で23%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ1.67(d,3H)3.33−3.37(s,3H)3.92−3.97(s,6H)4.49(m,1H)5.75−5.83(m,1H)6.30−6.50(m,3H)6.81(s,1H)7.36(dd,,1H)7.69(d,1H)7.82(d,1H)8.36−8.43(m,1H);ESI−MS:560[M+H].
【0274】
(1−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)エチル)カルバミン酸tert−ブチルの調製
【化176】
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a.1−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)エタンアミン
発煙HNO(0.48ml、10.8mmol)を、氷浴で冷却した濃HSO(3.6ml、68.2mmol)に注意深く添加した。この混合物に、1−(4−フルオロフェニル)エタンアミン(1.0g、7.2mmol)を滴下した。この反応混合物を、冷却しながら50分間撹拌した。反応混合物を氷に注入し、3M NaOH溶液(24ml、72.00mmol)で約pH8.0に塩基性化した。このアルカリ性溶液を、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、エバポレートして、表題化合物(1.3g、収率:96%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.41(d,6H)4.25(q,1H)7.21−7.26(m,1H)7.67(ddd,1H)8.10(dd,1H)
【0275】
【化177】
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b.(1−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル
THF(10.0ml)中の1−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)エタンアミン(1.3g、6.9mmol)の懸濁液に、DIEA(2.4ml、13.8mmol)、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(1.9ml、8.3mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素雰囲気下において室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc/水に注入し、有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質(maerial)を、10%〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.5g、収率:75%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.37−1.50(m,12H)4.81(br.s.,2H)7.23−7.26(m,1H)7.59(ddd,1H)8.01(dd,1H).
【0276】
【化178】
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c.(1−(4−アミノ−3−ニトロフェニル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル
(1−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル(500mg、1.75mmol)を、THF(2ml)中で撹拌した。NHOH(0.978ml、7.0mmol)を添加し、この反応混合物を、マイクロウェーブ(Biotage Initiator)を用いて150℃で30分間加熱した。NHOH(0.600ml)を添加し、次いで180℃で加熱した。室温まで冷却した後に、反応混合物をEtOAc/水に注入した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質を、0%〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(376mg、収率:76%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.43−1.48(m,12H)4.71(br.s.,2H)6.79(d,1H)7.34(dd,1H)8.05(d,1H).
【0277】
実施例−161
【化179】
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N−(5−(4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イル)−2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの2TFA塩の調製
【化180】
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a.(2−(4−(3−アクリルアミド−4−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ピペラジン−1−イル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル
THF(1.0ml)およびMeOH(1.0ml)中のN−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(ピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド2,2,2−トリフルオロアセタート(手順2L、実施例157)(30mg、0.042mmol)の溶液に、(2−オキソエチル)カルバミン酸tert−ブチル(13mg、0.08mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で10分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(7.0mg、0.12mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒をエバポレートし、飽和NaHCO溶液を添加した。この混合物を、DCMで3回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、エバポレートした。残存している物質を、DCM中0%〜15%MeOHで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(17mg、収率:54%)を得た。ESI−MS:744[M+H]
【0278】
【化181】
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N−(5−(4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イル)−2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの2TFA塩
(2−アクリルアミド−4−(4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)(6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ウレイド)ピリミジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(17mg、0.017mmol)を、DCM(1.0ml)中で撹拌した。TFA(200μl、2.6mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒をエバポレートし、残存している物質をエーテルで粉砕した。結果として生じた固体を収集し、エーテルで洗浄し、窒素流下で乾燥させて、表題化合物(15mg、収率:96%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ2.90(br.s.,6H)3.15−3.22(m,2H)3.33−3.41(m,4H)3.94(s,6H)5.74−5.79(m,1H)6.17(s,1H)6.32−6.44(m,2H)6.81(s,1H)6.92−6.98(m,1H)7.35(d,2H)8.32(d,1H);ESI−MS:644[M+H]
【0279】
実施例−162
【化182】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−フルオロフェニル)アクリルアミド2,2,2−トリフルオロアセタート
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−フルオロ−6−ニトロアニリン、Pd(dba)、Brettphosおよびナトリウムtert−ブトキシドを代わりに用いて遊離塩基を得、これをTFA塩に変換した。遊離塩基をDCMに溶解させ、1当量のTFAを添加した。混合物をエバポレートし、エーテルで粉砕して、表題化合物(47mg、収率:4工程で22%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ3.30(s,3H)3.93(s,6H)5.72−5.78(m,2H)6.21−6.29(m,1H)6.23(d,1H)6.27(d,1H)6.32−6.40(m,1H)6.56(dd,1H)6.90(s,1H)7.10(t,1H)7.25−7.37(m,1H)7.76(d,1H)8.32(s,1H)8.89(s,1H)9.66(s,1H)11.96(s,1H);ESI−MS:535[M+H]
【0280】
実施例−163
【化183】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(2−(ジメチルアミノ)エチル)フェニル)アクリルアミド2,2,2−トリフルオロアセタート
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で4−アミノ−3−ニトロフェネチルカルバミン酸tert−ブチル(以下に手順を示す)、Pd(dba)およびBrettphosを代わりに用いて遊離末端アミンの粗TFA塩を得、これを以下のさらなる工程でそのまま使用した:THF(1.0ml)およびMeOH(1.0ml)中のN−(5−(2−アミノエチル)−2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−(ヒドロキシメチル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド2,2,2−トリフルオロアセタート(9.2mg、0.014mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド(5.1μl、0.068mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で10分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.4mg、0.055mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒をエバポレートし、飽和NaHCO溶液を添加した。この混合物を、DCMで3回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、エバポレートした。残存している物質を、DCM中10%〜70%MeOHで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、遊離塩基を得た。DCM中の遊離塩基の溶液に、TFA(11μl、0.014mmol)を添加した。溶媒をエバポレートし、高真空下で乾燥させて、表題化合物(6.3mg、収率:66%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ2.97(s,6H)3.10(dd,2H)3.34(s,3H)3.45(dd,2H)3.94(s,6H)4.63−4.63(m,1H)5.76−5.81(m,1H)6.31−6.48(m,3H)6.81(s,1H)7.25(dd,1H)7.55(d,1H)7.62−7.72(m,1H)8.35(s,1H);ESI−MS:588[M+H].
【0281】
4−アミノ−3−ニトロフェネチルカルバミン酸tert−ブチルの調製
【化184】
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a.4−フルオロ−3−ニトロフェネチルカルバミン酸tert−ブチル
2−(4−フルオロフェニル)エタンアミン(1.0g、7.2mmol)を濃HSO(4.0ml、75mmol)に溶解させ、氷浴上で冷却した。発煙HNO(0.48ml、10.8mmol)を、この混合物に注意深く滴下した。この反応混合物を、冷却しながら45分間撹拌し、氷に注入した。混合物を3M NaOH溶液(60ml、180mmol)で塩基性化し、このアルカリ性溶液をDCMで3回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、エバポレートして、粗アミンを得た。この粗物質を、THF(15.0ml)に溶解させた。二炭酸ジ−tert−ブチル(1.7g、7.9mmol)およびDIEA(2.5ml、14.4mmol)を添加し、この反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を水に注入し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質を、0%〜20%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(569mg、収率:28%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.44(s,9H)2.88(t,2H)3.40(d,2H)7.24(t,1H)7.42−7.54(m,1H)7.89(dd,1H)
【0282】
【化185】
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b.4−アミノ−3−ニトロフェネチルカルバミン酸tert−ブチル
4−フルオロ−3−ニトロフェネチルカルバミン酸tert−ブチル(569mg、2.00mmol)を、THF(2.64ml)中で撹拌した。NHOH(2.50ml、17.97mmol)を添加し、この反応混合物を、マイクロウェーブ(Biotage Initiator)を用いて150℃で30分間加熱した。NH4OH(0.600ml)を添加し、次いで180℃で加熱した。室温まで冷却した後に、反応混合物をEtOAc/水に注入した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質を、0%〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(257mg、収率:46%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.44(s,9H)2.73(t,J=7.03Hz,2H)3.34(m,2H)4.46−4.62(m,1H)6.78(d,J=8.53Hz,1H)7.24(dd,J=8.53,1.76Hz,1H)7.94(d,J=1.76Hz,1H).
【0283】
実施例−164
【化186】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(2−(ジメチルアミノ)エチル)フェニル)アクリルアミド2,2,2−トリフルオロアセタート
手順2L(実施例157)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−ニトロ−4−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エトキシ)アニリン(以下に調製を示す)およびナトリウムtert−ブトキシドを代わりに用いて表題化合物(7mg、4工程にわたる収率:2.7%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ3.28(s,3H)3.88−3.97(m,8H)4.06−4.14(m,2H)5.76(dd,1H)6.12(s,1H)6.32−6.46(m,2H)6.79(s,1H)6.91(dd,1H)7.34−7.41(m,2H)8.31(d,1H);ESI−MS:577[M+H]
【0284】
2−ニトロ−4−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エトキシ)アニリンの調製
【化187】
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a.2−ニトロ−4−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エトキシ)アニリン
4−アミノ−3−ニトロフェノール(2.0g、12.977mmol)をDMF(20ml)に溶解させ、炭酸カリウム(3.59g、25.953mmol)を添加した。この混合物に2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(2.55ml、16.87mmol)を添加し、この反応混合物を、50℃で6時間、次いで室温で3日間撹拌した。反応混合物を、EtOAc/ブラインに注入した。水層を、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで3回洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、エバポレートした。結果として生じた物質を、5%〜40%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.4g、収率:38%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ1.51−1.68(m,4H)1.71−1.89(m,2H)3.46−3.61(m,1H)3.72−3.99(m,2H)4.03−4.24(m,3H)4.64−4.79(m,1H)6.78(d,1H)7.09−7.17(m,1H)7.60(d,1H).
【0285】
実施例−165
【化188】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−メチル−6−ニトロアニリン、Pd(dba)、Brettphosおよびナトリウムtert−ブトキシドを代わりに用いて表題化合物(3.0mg、収率:5工程で6%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ3.52(m,3H)3.95(m,6H)5.69(dd,1H)6.21(dd,1H)6.46(dd,1H)6.64(d,1H)6.73(d,1H)6.82(s,1H)7.11(t,1H)8.06(d,1H)8.55(d,1H);ESI−MS:531[M+H]
【0286】
実施例−166
【化189】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−メトキシフェニル)アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−メトキシ−6−ニトロアニリン、Pd(dba)、Brettphosおよびナトリウムtert−ブトキシドを代わりに用いて表題化合物(33.0mg、収率:5工程で6.1%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ3.76(s,3H)3.93(s,6H)5.70(dd,1H)6.23(d,1H)6.52(d,1H)6.88−6.95(m,2H)7.27(t,1H)7.44−7.56(m,1H)8.28(s,1H)8.57(br.s.,1H)9.40−9.57(m,1H)12.15(s,1H);ESI−MS:547[M+H]
【0287】
実施例−167
【化190】
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N−(3−クロロ−2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−クロロ−6−ニトロアニリン、Pd(dba)、Brettphosおよびナトリウムtert−ブトキシドを代わりに用いて表題化合物(11.0mg、収率:5工程で5%)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ3.29(s,3H)3.94(s,6H)5.71−5.75(m,1H)6.23(dd,1H)6.56(dd,1H)6.90(s,1H)7.31−7.39(m,2H)7.94(d,1H)8.30(s,1H)9.01(s,1H)9.51−9.70(m,1H)12.04(s,1H);ESI−MS:551[M+H]
【0288】
実施例−168
【化191】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミドのTFA塩の調製
実施例161で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(a)で2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセトアルデヒドを代わりに用いて、表題化合物(13mg、収率:42% 2工程)を得た。H−NMR(400MHz,MeOH−d)δ3.14−3.20(m 2H)3.35−3.37(m,2H)3.73−3.76(m,2H)3.84−3.96(m,10H)5.75−5.79(m,1H)6.24(s,1H)6.37−6.47(m,2H)6.81(s,1H)6.99(dd,1H)7.37−7.46(m,2H)8.34−8.36(m,1H);ESI−MS:645[M+H]
【0289】
実施例−170
【化192】
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(E)−3−クロロ−N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド
手順2A(実施例100)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(i)を以下の手順に変更した:0℃に冷却したDCM(0.4ml、6.22mmol)中の1−(6−((2−アミノフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素(10mg、0.022mmol)、トリエチルアミン(10.9mg、0.11mmol)、および(E)−3−クロロアクリル酸(2.76mg、0.026mmol)の溶液に、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシド(0.023ml、0.039mmol、EtOAc中50%溶液)を添加した。結果として生じた混合物を、室温で4時間撹拌し、濃縮した。残存している残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(7.2mg、収率:61%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl3)δ3.30(s,3H)3.90(s,6H)6.02(s,1H)6.36(d,J=12.92Hz,1H)6.49(s,1H)7.21−7.33(m,2H)7.36−7.50(m,2H)7.75(d,J=6.53Hz,1H)7.93(br.s.,1H)8.41(s,1H)12.50(s,1H);MS(ESI):551.0[M+H]
【0290】
実施例−171
【化193】
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(Z)−3−クロロ−N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド
手順2A(実施例100)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(i)を以下の手順に変更した:0℃に冷却したDCM(0.86ml、13.3mmol)中の1−(6−((2−アミノフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素(20mg、0.043mmol)、トリエチルアミン(21.8mg、0.22mmol)、および(Z)−3−クロロアクリル酸(5.5mg、0.052mmol)の溶液に、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシド(49mg、0.78mmmol、EtOAcの50%溶液)を添加した。結果として生じた混合物を、室温で2時間撹拌し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(15mg、収率:63%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl3)δX;MS(ESI):551.0[M+H]
【0291】
実施例−172
【化194】
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(Z)−N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ブト−2−エンアミド
手順2A(実施例100)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(i)を以下の手順に変更した:DCM(0.86ml、13.3mmol)中の1−(6−((2−アミノフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素(20mg、0.043mmol)、トリエチルアミン(21.8mg、0.22mmol)、および(Z)−ブト−2−エン酸(4.5mg、0.052mmol)の溶液に、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシドの溶液(49.4mg、0.78mmol、50%EtOAc溶液)を0℃で添加し、結果として生じた混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムにより精製して、表題化合物(8.5mg、収率:37%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.20(dd,J=7.28,1.76Hz,3H)3.30(s,3H)3.92(s,6H)5.85(dd,J=11.42,1.76Hz,1H)5.99(s,1H)6.29(dd,J=11.36,7.34Hz,1H)6.52(s,1H)7.23−7.34(m,2H)7.46(d,J=7.40Hz,1H)7.55(br.s.,1H)7.78(d,J=7.53Hz,1H)8.40(d,J=0.88Hz,1H)12.50(s,1H);MS(ESI):531.3[M+H]
【0292】
実施例−175
【化195】
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(S,Z)−N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−ヒドロキシペンタ−2−エンアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で2−ニトロアニリンを代わりに用い、工程(g)でメタクリロイルクロリドを代わりに用いて表題化合物(13mg、収率:72%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)2.03(br.s.,3H)3.31(s,3H)3.92(s,6H)5.49(s,1H)5.81(s,1H)6.00(s,1H)6.53(s,1H)7.29(m,3H)7.44(d,J=7.91Hz,1H)7.83(d,J=7.53Hz,1H)7.92(s,1H)8.41(s,1H)12.34(s,1H).MS(ESI):531.1[M+H]
【0293】
実施例−181
【化196】
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(Z)−3−クロロ−N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
手順2C(実施例108)で概説したアプローチに従って表題化合物を合成したが、工程(g)を以下の手順に変更した:DCM(0.4ml、6.21mmol)中の1−(6−((2−アミノ−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル尿素(11mg、0.019mmol)、トリエチルアミン(9.67mg、0.096mmol)、および(Z)−3−クロロアクリル酸(2.43mg、0.023mmol)の溶液に、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシド(21.9mg、0.034mmol)の溶液を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムにより精製して、表題化合物(7.5mg、収率:59%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.29(t,J=8.0Hz,3H)2.90(br.s.,4H)3.27(s,3H)3.45(t,J=4.64Hz,4H)3.91(s,6H)5.90(s,1H)6.32(d,J=8.41Hz,1H)6.52(s,1H)6.59(d,J=8.41Hz,1H)6.73(dd,J=8.78,2.76Hz,1H)7.09(br.s.,1H)7.24(s,2H)7.83(br.s.,1H)8.36(s,1H)8.69(br.s.,1H)12.52(s,1H);MS(ESI):663.1[M+H]
【0294】
実施例−185
【化197】
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N−(2−((6−(3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル)アミノ)−6−フルオロフェニル)アクリルアミド
手順2G(実施例123)で概説したアプローチに従って化合物を合成したが、工程(d)で3−フルオロ−2−ニトロアニリンを代わりに用い、工程(e)を省き、工程(g)を以下の手順に変更した:DCM(1ml、15.54mmol)中の1−(6−((2−アミノ−3−メチルフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)尿素(31mg、0.051mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(13.1mg、0.103mmol)、およびアクリル酸(39.9mg、0.055mmol)の溶液に、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシドの溶液(48.1mg、0.076mmol、50%EtOAc溶液)を0℃で添加し、結果として生じた混合物を、室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムにより精製して、SEM保護された表題化合物(24mg、収率:3工程で71%)を得た。最終工程(g)に続いて、表題化合物を単離した(12mg、収率:62%)。H−NMR(400MHz,CDCl)δ3.40(s,3H)3.93(m,6H)5.91(d,1H)6.20(s,1H)6.30−6.45(m,1H)6.50−6.58(m,2H)7.01(t,1H)7.28−7.35(m,1H)7.42−7.63(m,2H)8.41(s,1H)12.43(br.s.,1H);ESI−MS:535[M+H]
【0295】
生物学的活性のアッセイ
FGFR4への結合アッセイ。精製された組換えFGFR4を、10μMの化合物と共に4℃で一晩または室温で1時間プレインキュベートした。プレインキュベーションに続き、SDS−PAGEを用いてタンパク質試料を分離し、ゲルをSimplyBlue(商標)SafeStain(Life Technologies, Grand Island, New York)で染色した。FGFRバンドを切り出し、In-Gel Tryptic Digestion Kit(Thermo Scientific, Waltham, Massachusetts)を用いて消化した。消化された試料を、Thermo Scientific Q Exactive(商標)LCMSで、逆相分離およびタンデム質量分析を用いて処理して、変性ペプチドを同定した。
【0296】
代替的に、プレインキュベーションに続き、OPTI-TRAPタンパク質濃縮および脱塩用C4カラム(Optimize Technologies)でFGFR4を濃縮し、バッファーを交換した。0.1%ギ酸を含有するアセトニトリル中にタンパク質を溶離させ、直接注入によりThermo Scientific Q Exactive(商標)LCMSで処理して、変性したそのままのFGFR4を同定した。
【0297】
以下で表2に示す結果は、ペプチド−リガンド付加物の予想される質量と実測された質量との一致により、試験化合物とペプチドとの共有結合付加物の形成を確証している。
【0298】
【表2】
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【0299】
キナーゼ活性阻害のIC50プロファイリング。Reaction Biology Corporation(Malvern, Pennsylvania)において、そのKinase HotSpot(役務商標)アッセイを用いて、化合物をFGFR阻害活性についてプロファイリングした。Anastassiadis et al., 2011, Comprehensive assay of kinase catalytic activity reveals features of kinase inhibitor selectivity. Nat Biotechnol 29, 1039-1045を参照されたい。
【0300】
組換えFGFR1(2.5nM)、FGFR2(1nM)、FGFR3(5nM)、またはFGFR4(12nM)(Invitrogen(商標))を、キナーゼ反応バッファー(20mM HEPES−HCl、pH7.5、10mM MgCl、2mM MnCl、1mM EGTA、0.02%Brij35、0.1mM NaVO、0.02mg/ml BSA、2mM DTT、および1%DMSO)中の基質KKKSPGEYVNIEFG(配列番号:1)(20μM、FGFR1基質);およびポリ[E,Y]4:1(0.2mg/ml、FGFR2、3、4基質)]との混合物として調製した。化合物を、音響技術(Labcyte(登録商標)Echo 550, Sunnyvale, California)を用いてこの酵素/基質混合物に添加し(Olechno et al., 2006, Improving IC50 results with acoustic droplet ejection. JALA 11, 240-246参照)、室温で0、15または60分間プレインキュベートした。化合物のプレインキュベーション後に、ATP(Sigma-Aldrich(登録商標))および33P−γ−ATP(PerkinElmer)の混合物を、10μMの最終濃度になるように添加して、キナーゼ反応を開始した。反応物を室温で120分間インキュベートし、次いでWhatman(商標)P81イオン交換濾紙上にスポットした。0.75%リン酸中でフィルターをくまなく洗浄することにより、結合していないホスファートを除去した。Anastassiadis et al., 2011, Comprehensive assay of kinase catalytic activity reveals features of kinase inhibitor selectivity. Nat Biotechnol 29, 1039-1045を参照されたい。
【0301】
FGFR4およびFGFR1についての結果を、上の表1に列挙した個々の化合物の横に示す。これらの化合物は、FGFR1に対してより高いIC50を有しており、FGFR4の選択的阻害を示した。
【0302】
理論に拘束されることを望むものではないが、FGFR1に対するIC50活性は、一般的に、FGFR1、FGFR2、およびFGFR3に対する活性を代表する。Dieci et al., 2013, Fibroblast Growth Factor Receptor Inhibitors as a Cancer Treatment: From a Biologic Rationale to Medical Perspectives. Cancer Discovery, F1-F16も参照されたい。
【0303】
確認するために、これらの化合物のうちのいくつかを、FGFR2およびFGFR3の阻害についても試験した。以下で表3に示すこれらの結果は、FGFR1へのIC50活性が一般的にFGFR1、FGFR2、およびFGFR3への活性を代表することと一致しており、これらのFGFR4阻害剤の選択性をさらに証明している。
【0304】
【表3】
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【0305】
腫瘍モデルにおけるインビボ有効性。化合物108を、3つの異なるヒト肝細胞癌腫瘍細胞株に由来する腫瘍異種移植片を有するヌードマウスにおいて腫瘍増殖を阻害するその能力について評価した。これらの細胞株は、FGFR4および/またはFGF19の状態変化を有する癌を代表する。Sawey et al., Cancer Cell 19(3): 347-358 (2011)を参照されたい。
【0306】
動物:6〜8週齢の体重約19〜25gのヌードマウスを、Taconic(Taconic, Hudson, New York)から購入した。全ての動物実験を、施設内動物管理使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)によって承認されたプロトコルに従って行った。
【0307】
腫瘍異種移植片および処置:各々総体積100μlの1:1Matrigel(Corning Inc, Corning, NY)中の7.5×10個のHUH7細胞(HSRRBカタログ番号JCRB0403)、5×10個のHep3B(ATCCカタログ番号HB8064)、または2.5×10個のJHH7細胞(HSRRBカタログ番号JCRB1031)を、右側側腹部に皮下注射(s.c.)した。腫瘍が150〜200mmに達した時に、マウスを5〜10匹の動物からなる処置群に無作為化した。投与は、5%DMSO(Alfa Aesar, Ward Hill, MA)、10%PEG300(Sigma, St. Louis, MO)、8%TWEEN(登録商標)80(Sigma, St. Louis, MO)、77%USP生理食塩水からなるビヒクル中で所望の濃度で製剤化した化合物108を用いて、15日間、示された投与量で腹腔内注射により1日2回行った。腫瘍体積を、体積=(長さ*幅)/2という式を用いて週2回収集した。体重もまた、週2回収集した。全ての動物を、The Guide for Care and Use of Laboratory Animals, 8th edition(National Academies Press, Washington D.C.)に従って観察および管理した。
【0308】
統計的方法:実験の終わりに、GraphPad Prism 5を用いて、処置群の比較のために、ボンフェローニポストテストを伴う反復測定分散分析を用いた統計的比較を行った。進行疾患、安定疾患、部分後退、および完全後退を判定するために、以下の基準を使用した。進行疾患は、最良の応答から増加したかまたは>120%初期腫瘍体積の3回連続測定として定義される。安定疾患は、初期腫瘍体積の<120%かつ>50%の3回連続測定である。一方、<50%初期腫瘍体積の3回連続測定は、部分後退と認められる。完全後退は、<30mmの3回連続測定である。処置群間の応答を比較するために、カイ二乗検定を使用した(マイクロソフトエクセル)。
【0309】
HUH7、HEP3B、およびJHH7癌細胞に由来する腫瘍を有する動物からの結果を、それぞれ図1〜3に示し、表4にも反映する。
【0310】
【表4】
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【0311】
これらのデータは、化合物108が全てのモデルにおいて有効であることを証明している。化合物108に対し、3つのモデルの中で、HEP3Bが最も感受性が高く、JHH7が最も感受性が低く、HUH7は中間の感受性を示す。JHH7については図3では用量応答が見られ得るが、試験した全ての用量レベルにおいて進行疾患があった。
【0312】
化合物108とBGJ398との比較研究。化合物108および知られているFGFR阻害剤BJG398を用いて比較研究を行った。
【0313】
IC50を得るための生化学的キナーゼアッセイプロトコル:組換えFGFR1(2.5nM)またはFGFR4(12nM)を、キナーゼ反応バッファー(20mM HEPES−HCl、pH7.5、10mM MgCl、2mM MnCl、1mM EGTA、0.02%Brij35、0.1mM Na3VO4、0.02mg/ml BSA、2mM DTT、および1%DMSO)中の基質KKKSPGEYVNIEFG(配列番号:1)(20μM、FGFR1基質);ポリ[E,Y]4:1(0.2mg/ml、FGFR2、3、4基質)]との混合物として調製した。化合物を、音響技術を用いてこの酵素/基質混合物に添加し、室温で0、15または60分間プレインキュベートした。化合物のプレインキュベーション後に、33P−γ−ATPを10μMの最終濃度で添加して、キナーゼ反応を開始させた。反応物を室温で120分間インキュベートした。基質のリン酸化を、上記のようにフィルターアッセイによりモニタリングした。結果を表5に示す。報告した結果は、化合物108がより強力なFGFR4阻害剤であるのに対して、BGJ398がより強力なFGFR1阻害剤であることを示している。
【0314】
【表5】
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【0315】
GI50を得るための細胞生死判別アッセイプロトコル:細胞株を、37℃、5%COおよび95%湿度で培養した。培地はGIBCO(登録商標)(USA)から購入した。生死判別アッセイのために、2000細胞/ウェルを96ウェルプレートに播種し、化合物処理前に24時間インキュベートした。化合物の添加に続いて、プレートを5%COで37℃にて72時間インキュベートし、次いでCTGアッセイ(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay、カタログ番号:G7572、Promega)により測定した。結果を表6に示す。この表は、FGF19増幅株であるHep3B細胞において、化合物108の方がBGJ398よりも強力であることを示している。他の2つのFGF19増幅株であるHUH7およびJHH7における効力は、化合物108およびBGJ398の間で類似する。HepG2(ATCCカタログ番号HB−8065)、SNU398(ATCCカタログ番号CRL−2233)およびSNU449(ATCCカタログ番号CRL−2234)は、コントロールとして使用したFGF19非増幅細胞株である。
【0316】
GI50は、100×(T−T0)/(C−T0)=50となるところの試験薬物の濃度である。例えば、Monks et al., Feasibility of a High-Flux Anticancer Drug Screen Using a Diverse Panel of Cultured Human Tumor Cell Lines, J Natl Cancer Inst (1991) 83(11):757-766; Boyd et al., Data Display and Analysis Strategies for the NCI Disease-oriented In Vitro Antitumor Drug Screen, in CYTOTOXIC ANTICANCER DRUGS: MODELS AND CONCEPTS FOR DRUG DISCOVERY AND DEVELOPMENT, Valeriote et al., eds. (1990), pp. 11-34を参照されたい。試験薬物への曝露の72時間の期間後の試験ウェルの発光がTであり、時間ゼロにおける発光がT0であり、そしてコントロール発光がCである。GI50は、試験薬剤の増殖阻害力の尺度となる。
【0317】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0318】
インビボ有効性比較:これらの実験にも、上記のようにヌードマウスを使用した。総体積100μlの1:1Matrigel(Corning Inc, Corning, New York)中の5.0×10個のHep3B細胞を、右側側腹部に注射(s.c.)した。腫瘍が150〜200mmに達した時に、マウスを5〜10匹の動物からなる処置群に無作為化した。次いで、5%DMSO(Alfa Aesar, Ward Hill, MA)、10%PEG300(Sigma, St. Louis, MO)、8%TWEEN(登録商標)80(Sigma, St. Louis, MO)、77%USP生理食塩水からなるビヒクル中で所望の濃度で製剤化した化合物108を用いて、処置を開始した。0.5%メチルセルロース(Sigma)/0.2%TWEEN(登録商標)80中の懸濁液として製剤化されるBGJ398を、所望の濃度で懸濁させた。両方の薬物を、1つの処置群を除いて18日間投与した(下記参照)。腫瘍体積を、体積=(長さ*幅)/2という式を用いて週2回収集した。体重もまた、週2回収集した。全ての動物を、The Guide for Care and Use of Laboratory Animals, 8th edition(National Academies Press, Washington D.C.)に従って観察および管理した。この比較インビボ研究の結果を図4に示す。
【0319】
データは、化合物108の方が、許容可能な投与量レベルのBGJ398よりも有効であることを示している。60mg/kgのBGJ398は化合物108に匹敵する有効性を示したが、このBGJ398の60mg/kg群の投与は、動物の健康状態が良くなかったため、11日目に打ち切らなければならなかった。BGJ398を30mg/kgで経口投与した動物群は良くない健康状態を示さなかったので、毒性におけるこの差異は、投与経路によるものではない。
【0320】
上述の事項は本発明を例示するものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本発明は以下の特許請求の範囲により定義され、特許請求の範囲の均等物もそこに含まれることになる。
図1
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図2
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図3
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図4
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]