特許第6139791号(P6139791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139791
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】無人航空機及びそのデータ処理方法
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20170522BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   B64C39/02
   B64D27/24
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-526105(P2016-526105)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公表番号】特表2016-538179(P2016-538179A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】CN2014073424
(87)【国際公開番号】WO2015135194
(87)【国際公開日】20150917
【審査請求日】2016年4月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジャンユー
(72)【発明者】
【氏名】シー,ジュン
【審査官】 諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−251678(JP,A)
【文献】 特開2011−041747(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0308685(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/097319(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/20
B64C 27/08−27/10
B64C 39/02
B64D 27/24
B64D 31/06
H02P 5/00− 5/753
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのコントローラと、少なくとも2つの電子調速機と、少なくとも2つのモータとを備える無人航空機において、
前記少なくとも2つの電子調速機が、それぞれ前記少なくとも2つのコントローラから少なくとも2組の制御データを取得するように、いずれも前記少なくとも2つのコントローラに電気的に接続され、
前記少なくとも2つの電子調速機はさらに、それぞれ対応するように前記モータに電気的に接続され、前記少なくとも2つの電子調速機が、いずれも前記少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択し、前記最適制御データに基づいて前記モータの回転数を制御する、無人航空機。
【請求項2】
前記少なくとも2つの電子調速機は、前記最適制御データを選択した後、前記最適制御データと残りの制御データとの差が予め設けられた範囲にあるかどうかをさらに判断し、前記範囲にない場合、前記最適制御データを残りの制御データに対応する前記コントローラにフィードバックする、請求項1に記載の無人航空機。
【請求項3】
前記電子調速機が前記コントローラより少なくとも1つ多い場合、前記制御データの中で最も多く利用される前記制御データを提供する前記コントローラの前記制御データを前記最適制御データとする、請求項1に記載の無人航空機。
【請求項4】
前記電子調速機が前記コントローラよりも少なくとも1つ多い場合、利用される前記制御データの数を前記コントローラ毎に計数して、利用の多い順または少ない順に前記コントローラを並べ、前記コントローラの数nが、奇数である場合、並べられた(1)番目の制御データを前記最適制御データとして選択し、奇数でない場合、並べられたn/2またはn番目の制御データを前記最適制御データとして選択る、請求項1に記載の無人航空機。
【請求項5】
前記少なくとも2組の制御データの各々は、いずれもピッチングデータと、横ローリングデータと、進路角データと、高さデータとを含む、請求項1に記載の無人航空機。
【請求項6】
少なくとも2つのコントローラと、少なくとも2つの電子調速機と、少なくとも2つのモータとを備え、前記少なくとも2つの電子調速機がいずれも前記少なくとも2つのコントローラに電気的に接続され、前記少なくとも2つの電子調速機がさらに、対応するように前記モータに電気的に接続される無人航空機のデータ処理方法において、
前記少なくとも2つの電子調速機が、それぞれ前記少なくとも2つのコントローラから少なくとも2組の制御データを取得するステップと、
前記少なくとも2つの電子調速機が、いずれも前記少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択するステップと、
前記少なくとも2つの電子調速機が、前記最適制御データに基づいて前記モータの回転数を制御するステップとを含む、無人航空機のデータ処理方法。
【請求項7】
前記少なくとも2つの電子調速機が前記最適制御データを選択した後、
前記最適制御データと残りの制御データとの差が予め設けられた範囲にあるかどうかを判断し、前記範囲にない場合、前記最適制御データを残りの制御データに対応するコントローラにフィードバックするステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも2つの電子調速機が前記少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択することは、
前記電子調速機が少なくとも3つある場合、前記制御データの中で最も多く利用される前記制御データを提供する前記コントローラの前記制御データを前記最適制御データとするステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも2つの電子調速機が前記少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択することは、
前記電子調速機が少なくとも3つある場合、利用される前記制御データの数を前記コントローラ毎に計数して、利用の多い順または少ない順に前記コントローラを並べ、前記コントローラの数nが、奇数である場合、並べられた(1)番目の制御データを前記最適制御データとして選択し、奇数でない場合、並べられたn/2またはn番目の制御データを前記最適制御データとして選択するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型飛行機に関し、特に、無人航空機及びそのデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無人航空機モードにおいては、一般的にアービター14を適用してデータ処理が行われる。図1に示すように、図1は、従来技術における無人航空機の構造模式図である。アービター14は、各コントローラとの間にデータ伝送が行われると共に、電子調速機がどのコントローラのデータを使うかを決定する。具体的には、アービター14は、第1のコントローラ11、第2のコントローラ12、及び第2のコントローラ13からデータを取得し、データを取得した上で、最適制御データが得られるように、データを解析し、また、電子調速機に最適制御データに基づいてモータの回転数を制御させるために、最適制御データに対応するコントローラ(例えば、第1のコントローラ11)が電子調速機との間にデータ伝送を行うように制御する。従来のモードでの電子調速機のデータは保証されるが、一旦、アービター14に故障が発生すると、コントローラのデータが電子調速機に伝送されなくなり、無人航空機全体が必ず作動できなくなる。
【0003】
上記によれば、前記課題を解決するために、無人航空機及びそのデータ処理方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする主な技術的課題は、電子調速機が直接コントローラからデータを取得し、最適制御データを選択してモータの回転数を制御することによって、設計コスト及び安全リスクを効率よく低減させることができる、無人航空機及びそのデータ処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術方案は、少なくとも2つのコントローラと、少なくとも2つの電子調速機と、少なくとも2つのモータとを備える無人航空機において、少なくとも2つの電子調速機が、それぞれ少なくとも2つのコントローラから少なくとも2組の制御データを取得するように、いずれも少なくとも2つのコントローラに電気的に接続され、少なくとも2つの電子調速機がさらに、それぞれ対応するようにモータに電気的に接続され、少なくとも2つの電子調速機が、いずれも少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択し、最適制御データに基づいてモータの回転数を制御する、無人航空機を提供する。
【0006】
その中で、少なくとも2つの電子調速機は、最適制御データを選択した後、最適制御データと残りの制御データとの差が予め設けられた範囲にあるかどうかをさらに判断し、この範囲にない場合、最適制御データを残りの制御データに対応するコントローラにフィードバックする。
【0007】
その中で、少なくとも2つの電子調速機は、少なくとも2つの電子調速機に必要な少なくとも2組の制御データの中でその数が一番多い制御データを最適制御データとする。
【0008】
その中で、少なくとも2つの電子調速機は、少なくとも2組の制御データを大きい順または小さい順に並べ、少なくとも2組の制御データの数が奇数であるかどうかを判断し、奇数である場合、並べられた第(n+1)/2組の制御データを最適制御データとして選択し、奇数でない場合、並べられた第n/2またはn/2+1組の制御データを最適制御データとして選択する。ただし、nは少なくとも2組の制御データの数である。
【0009】
その中で、少なくとも2組の制御データの各々は、いずれもピッチングデータと、横ローリングデータと、進路角データと、高さデータとを含む。
【0010】
前記技術的課題を解決するために、本発明が採用する他の技術方案は、少なくとも2つのコントローラと、少なくとも2つの電子調速機と、少なくとも2つのモータとを備え、少なくとも2つの電子調速機がいずれも少なくとも2つのコントローラに電気的に接続され、少なくとも2つの電子調速機がさらに、対応するようにモータに電気的に接続される無人航空機のデータ処理方法において、少なくとも2つの電子調速機が、それぞれ少なくとも2つのコントローラから少なくとも2組の制御データを取得するステップと、少なくとも2つの電子調速機が、いずれも少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択するステップと、少なくとも2つの電子調速機が、最適制御データに基づいてモータの回転数を制御するステップとを含む、無人航空機のデータ処理方法を提供する。
【0011】
その中で、少なくとも2つの電子調速機が最適制御データを選択した後、最適制御データと残りの制御データとの差が予め設けられた範囲にあるかどうかを判断し、この範囲にない場合、最適制御データを残りの制御データに対応するコントローラにフィードバックするステップをさらに含む。
【0012】
その中で、少なくとも2つの電子調速機が少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択することは、少なくとも2つの電子調速機が、少なくとも2つの電子調速機に必要な少なくとも2組の制御データの中でその数が一番多い制御データを最適制御データとするステップを含む。
【0013】
その中で、少なくとも2つの電子調速機が少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択することは、少なくとも2つの電子調速機が、少なくとも2組の制御データを大きい順または小さい順に並べ、少なくとも2組の制御データの数が奇数であるかどうかを判断し、奇数である場合、並べられた第(n+1)/2組の制御データを最適制御データとして選択し、奇数でない場合、並べられた第n/2またはn/2+1組の制御データを最適制御データとして選択するステップを含む。ただし、nは少なくとも2組の制御データの数である。
【0014】
その中で、少なくとも2組の制御データの各々は、いずれもピッチングデータと、横ローリングデータと、進路角データと、高さデータとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明による有益な効果については、従来技術の場合と異なり、本発明に係る無人航空機は、少なくとも2つのコントローラと、少なくとも2つの電子調速機と、少なくとも2つのモータとを備え、少なくとも2つの電子調速機は、それぞれ少なくとも2つのコントローラから少なくとも2組の制御データを取得するように、いずれも少なくとも2つのコントローラに電気的に接続され、少なくとも2つの電子調速機がさらに、それぞれ対応するようにモータに電気的に接続され、少なくとも2つの電子調速機は、いずれも少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択し、最適制御データに基づいてモータの回転数を制御するものである。これによって、本発明における電子調速機は、直接コントローラからデータを取得し、最適制御データを選択してモータの回転数を制御することができる。また、少なくとも2つの電子調速機にデータが供給されているコントローラに故障が発生すると、少なくとも2つの電子調速機は、フレキシブルに他のコントローラにより正常なデータ伝送を行うことが可能であり、安全リスク及び設計コストが効率よく低減される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は従来の技術における無人航空機の構造模式図である。
図2図2は本発明に係る無人航空機の第1の実施例の構造模式図である。
図3図3は本発明に係る無人航空機の第2の実施例の構造模式図である。
図4図4は本発明に係る無人航空機のデータ処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面および実施例を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【0018】
図2に示すように、図2は本発明に係る無人航空機の第1の実施例の構造模式図である。無人航空機は、少なくとも2つのコントローラと、少なくとも2つの電子調速機と、少なくとも2つのモータとを備える。
【0019】
その中で、少なくとも2つのコントローラは、いずれもピッチングデータと、横ローリングデータと、進路角データと、高さデータ及び他のデータが含まれる少なくとも2組の制御データを生成する。勿論、コントローラは、2個、4個、5個又はそれ以上であってもよいが、具体的には、実際の設計によって決められる。本実施例において、コントローラは、第1のコントローラ20と、第2のコントローラ21と、第3のコントローラ22との3つに分けられる。好ましくは、当該第1のコントローラ20が第1のバス23に接続され、当該第2のコントローラ21が第2のバス24に接続され、当該第3のコントローラ22が第3のバス25に接続される。
【0020】
本実施例において、電子調速機は、それぞれのコントローラから制御データを取得するように、それぞれバスを介してコントローラに接続される。すなわち、電子調速機の各々は、コントローラからピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータ及び他のデータを取得する。その中で、電子調速機は、2個、3個、4個、5個又は他の個数であってもよいが、具体的には、実際の設計によって決められる。
【0021】
本実施例において、前記無人航空機は、第1の電子調速機26と、第2の電子調速機27と、第3の電子調速機28と、第4の電子調速機29と、第5の電子調速機30と、第6の電子調速機31との6つの電子調速機を備える。前記第1のバス23は、前記第1の電子調速機26と、第2の電子調速機27と、第3の電子調速機28と、第4の電子調速機29と、第5の電子調速機30と、第6の電子調速機31のいずれにも電気的に接続される。前記第2のバス24は、前記第1の電子調速機26と、第2の電子調速機27と、第3の電子調速機28と、第4の電子調速機29と、第5の電子調速機30と、第6の電子調速機31のいずれにも電気的に接続される。前記第3のバス25は、前記第1の電子調速機26と、第2の電子調速機27と、第3の電子調速機28と、第4の電子調速機29と、第5の電子調速機30と、第6の電子調速機31のいずれにも電気的に接続される。
【0022】
さらに、各電子調速機はそれぞれ、モータにも電気的に接続され、その中で、電子調速機は、制御データから最適制御データを選択し、最適制御データに基づいてモータの回転数を制御する。本実施例において、前記無人航空機は、第1のモータ32と、第2のモータ33と、第3のモータ34と、第4のモータ35と、第5のモータ36と、第6のモータ37との6つのモータを備える。前記第1の電子調速機26と前記第1のモータ32が電気的に接続され、前記第2の電子調速機27と前記第2のモータ33が電気的に接続され、前記第3の電子調速機28と前記第3のモータ34が電気的に接続され、前記第4の電子調速機29と前記第4のモータ35が電気的に接続され、前記第5の電子調速機30と前記第5のモータ36が電気的に接続され、前記第6の電子調速機31と前記第6のモータ37が電気的に接続される。
【0023】
以下、実施例を参照しながら、無人航空機の作動原理を解釈する。
【0024】
前記第1の電子調速機26と前記第1のモータ32を例にすると、まず、前記第1の電子調速機26は、前記第1のバス23を介して前記第1のコントローラ20からピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータ及び他のデータのような制御データを取得する。前記第1の電子調速機26は、前記第2のバス24を介して前記第2のコントローラ21から制御データを取得する。前記第1の電子調速機26は、前記第3のバス25を介して前記第3のコントローラ22から制御データを取得する。
【0025】
次に、前記第1の電子調速機26は、制御データを取得した上で、すべての電子調速機に必要な少なくとも三組の制御データの中でその数が一番多い制御データを優先的に最適制御データとする。すべての電子調速機に対して、コントローラの制御データが必要となる場合、前記第1の電子調速機26は、前記第1のコントローラ20の制御データを選択する必要があり、前記第2の電子調速機27は、前記第1のコントローラ20の制御データを選択する必要があり、前記第3の電子調速機28は、第2のコントローラ21の制御データを選択する必要があり、前記第4の電子調速機29は、第3のコントローラ22の制御データを選択する必要があり、前記第5の電子調速機30は、第1のコントローラ20の制御データを選択する必要があり、前記第6の電子調速機31は、第2のコントローラ21の制御データを選択する必要があるので、すべての電子調速機に対して、必要とする前記第1のコントローラ20の制御データの数は3であり、必要とする前記第2のコントローラ21の制御データの数は2であり、必要とする前記第3のコントローラ22の制御データの数は1であることが分かり、必要とする前記第1のコントローラ20の制御データの数が一番多いので、前記第1のコントローラ20の制御データが最適制御データとして選択される。
【0026】
勿論、他の実施例において、前記第1の電子調速機26は、データを取得した後、制御データを大きい順または小さい順に並べ、制御データの数が奇数であるかどうかを判断し、奇数である場合、並べられた第(n+1)/2組の制御データを最適制御データとして選択し、奇数でない場合、並べられた第n/2またはn/2+1組の制御データを最適制御データとして選択する。ただし、nは、少なくとも三組の制御データの数である。nが3である場合、前記第2のコントローラ21の制御データが最適制御データとして選択される。
【0027】
勿論、他の実施例において、前記第1の電子調速機26は、データを取得した後、例えば、先にピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータ及び他のデータが予め設けられた値を上回るかどうかを判断するなどのように、制御データ中のデータが現在必要となる値に合致するかどうかを判断し、上回っていない場合、ピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータ及び他のデータが現在の無人航空機の作動に必要な基準値に最も近接したかどうかを判断し続け、上回った場合、当該制御データが現在必要な値に合致することを示すので、当該制御データを最適制御データとして選択する。例えば、前記第1のコントローラ20と前記第2のコントローラ21からのピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータ及び他のデータがいずれも予め設けられた値を上回っていないが、前記第1のコントローラ20のピッチングデータが現在の無人航空機の作動に必要な基準値に近接しなくて、前記第2のコントローラ21のピッチングデータが現在の無人航空機の作動に必要な基準値に最も近接した場合、前記第2のコントローラ21の制御データが現在必要な値に合致しているので、前記第2のコントローラ21の制御データが最適制御データとして選択される。
【0028】
そして、前記第1の電子調速機26は、最適制御データを選択した後、最適制御データと残りの制御データとの差が予め設けられた範囲にあるかどうかをさらに判断し、この範囲にない場合、最適制御データを残りの制御データに対応するコントローラにフィードバックして、残りの制御データに対応するコントローラに出力する制御データを修正させようにする。
【0029】
最後に、前記第1の電子調速機26は、ピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータまたは他のデータに基づいて前記第1のモータ32に対応する回転数を制御するなどのように、最適制御データに基づいて前記第1のモータ32の回転数を制御する。
【0030】
また、前記第1のコントローラ20の制御データが最適制御データである場合、前記第1のコントローラ20に故障が発生すると、前記第1の電子調速機26は、現在の無人航空機に正常な作動を維持させるように、新たに第2のコントローラ21と第3のコントローラ22との制御データから最適制御データを選択する。
【0031】
その中で、前記第2の電子調速機27、第3の電子調速機28、第4の電子調速機29、第5の電子調速機30及び第6の電子調速機31の作動原理は、上述の第1の電子調速機26の作動原理と同じものであるので、ここでは省略する。
【0032】
図3に示すように、図3は、本発明に係る無人航空機の第2の実施例の構造模式図である。第2の実施例による無人航空機は、作動原理が第1の実施例による無人航空機と同じであるが、主に、第4のバス42に電気的に接続される第4のコントローラ41をさらに備えるという点が異なっている。その中で、前記第4のバス42は、前記第1の電子調速機43と、第2の電子調速機44と、第3の電子調速機45と、第4の電子調速機46と、第5の電子調速機47と、第6の電子調速機48のいずれもに電気的に接続される。
【0033】
図4に示すように、図4は、本発明に係る無人航空機のデータ処理方法のフローチャートである。図4における無人航空機は、前記図2における無人航空機に対応する。その中で、この方法は、以下のようなステップを含む。
【0034】
S101:少なくとも2つの電子調速機は、それぞれ少なくとも2つのコントローラから少なくとも2組の制御データを取得する。
【0035】
その中で、少なくとも2組の制御データは、いずれもピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータまたは他のデータを含む。
【0036】
S102:少なくとも2つの電子調速機は、少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択する。
【0037】
本実施例において、少なくとも2つの電子調速機は、すべての電子調速機に必要な少なくとも2組の制御データの中でその数が一番多い制御データを最適制御データとする。
【0038】
勿論、他の実施例において、少なくとも2つの電子調速機は、少なくとも2組の制御データを大きい順または小さい順に並べ、少なくとも2組の制御データの数が奇数であるかどうかを判断し、奇数である場合、並べられた第(n+1)/2組の制御データを最適制御データとして選択し、奇数でない場合、並べられた第n/2またはn/2+1組の制御データを最適制御データとして選択する。ただし、nは少なくとも2組の制御データの数である。
【0039】
勿論、他の実施例において、少なくとも2つの電子調速機は、例えば、先にピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータ及び他のデータが予め設けられた値を上回るかどうかを判断し、上回っていない場合、ピッチングデータ、横ローリングデータ、進路角データ、高さデータ及び他のデータが現在の無人航空機の作動に必要な基準値に最も近接したかどうかを判断し続け、上回った場合、当該制御データが現在必要な値に合致するなどのように、制御データ中のデータが現在必要となる値に合致するかどうかを判断することによって、当該制御データを最適制御データとして選択する。
【0040】
本実施例において、少なくとも2つの電子調速機は、最適制御データを選択した後、最適制御データと残りの制御データとの差が予め設けられた範囲にあるかどうかをさらに判断し、この範囲にない場合、最適制御データを残りの制御データに対応するコントローラにフィードバックする。
【0041】
S103:少なくとも2つの電子調速機は、最適制御データに基づいてモータの回転数を制御する。
【0042】
本実施例において、最適制御データが供給されたコントローラに故障が発生すると、電子調速機は、現在の無人航空機に正常な作動を維持させように、新たに残りの他のコントローラの制御データから最適制御データを選択する。
【0043】
以上によると、本発明に係る無人航空機は、少なくとも2つのコントローラと、少なくとも2つの電子調速機と、少なくとも2つのモータとを備え、少なくとも2つの電子調速機は、それぞれ少なくとも2つのコントローラから少なくとも2組の制御データを取得するように、いずれも少なくとも2つのコントローラに電気的に接続され、少なくとも2つの電子調速機がさらに、それぞれ対応するようにモータに電気的に接続され、少なくとも2つの電子調速機は、いずれも少なくとも2組の制御データから最適制御データを選択し、最適制御データに基づいてモータの回転数を制御する。これによって、本発明における電子調速機は、直接コントローラからデータを取得し、最適制御データを選択してモータの回転数を制御することができる。また、少なくとも2つの電子調速機にデータが供給されているコントローラに故障が発生すると、少なくとも2つの電子調速機は、フレキシブルに他のコントローラにより正常なデータ伝送を行うことが可能であり、安全リスク及び設計コストが効率よく低減される。
【0044】
以上の記載は、本発明の実施形態に過ぎず、それにより本発明の特許範囲を限定することなく、本発明の明細書および添付図面からなされたすべての等価な構造または等価なフローの変更や、直接又は間接に他の関連技術分野に適用されたものは、全て本発明の特許保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4