(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
[課税標準額検証システムSの構成例]
図1は、第1の実施形態の課税標準額検証システムSの構成例を示す図である。課税標準額検証システムSは、課税標準額を算出する課税標準額検証装置1と、地番に関連付けて課税標準額を管理する課税標準額管理装置2とを備える。
【0019】
課税標準額管理装置2は、通常、市区町村の役所又は役場に設置されており、課税標準額を含む各種情報を統合的に管理する基幹システムとして機能する。課税標準額管理装置2は、例えば、土地情報、評価情報、課税情報及び登記情報を管理している。土地情報には、筆の地番を示す地番情報、当該筆の地目を示す地目情報、当該筆の面積を示す地積情報及び当該筆の所有者を示す所有者情報が含まれている。評価情報には、例えば、当該筆が属する領域を示す状況類似情報、当該筆が属する領域の標準的な土地であることを示す標準地情報、当該標準地が属する領域を示す状況類似情報、当該筆が沿接する街路の番号、価格及び当該街路が属する領域を示す状況類似情報を含む沿接路線情報、並びに筆の利用形態、間口距離、奥行距離などを示す画地情報が含まれている。課税情報には、例えば住宅用地の特例を示す情報、土地評価額、課税標準額及び税額を示す情報が含まれている。登記情報には、所在地番、所有者、異動受付日、異動事由、登記地目及び登記地積を示す情報が含まれている。
【0020】
課税標準額管理装置2は、職員が専用のコンピュータにおいて入力した情報を記憶している。例えば、市区町村の役所又は役場の職員は、土地情報、評価情報、課税情報及び登記情報を、専用のコンピュータのキーボードを用いて入力する。課税標準額管理装置2は、専用のコンピュータから入力された土地情報、評価情報、課税情報及び登記情報を記憶するとともに、土地情報、評価情報、課税情報及び登記情報に基づいて課税標準額を算出する。本明細書においては、課税標準額管理装置2が算出する課税標準額を「第2課税標準額」という。また、課税標準額管理装置2が第2課税標準額の算出に用いる土地情報、評価情報、課税情報及び登記情報等の情報を「第2筆情報」という。
【0021】
課税標準額検証装置1は、インターネット又はローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して課税標準額管理装置2と通信可能なコンピュータにより構成されている。課税標準額検証装置1は、土地情報、評価情報、課税情報及び登記情報を取得し、課税標準額を算出する。本明細書においては、課税標準額検証装置1が算出する課税標準額を「第1課税標準額」という。また、課税標準額検証装置1が第1課税標準額の算出に用いる土地情報、評価情報、課税情報及び登記情報等の情報を「第1筆情報」という。課税標準額検証装置1は、算出した第1課税標準額に基づいて、課税標準額管理装置2が管理している第2課税標準額に誤りがあるか否かを照合する。
【0022】
課税標準額検証装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、表示部14と、操作部15とを有する。
制御部11は、例えば、CPUにより構成される。制御部11は、記憶部13に記憶されている各種プログラムを実行することにより、課税標準額検証装置1に係る機能を統括的に制御する。
【0023】
通信部12は、例えば、課税標準額管理装置2と情報を送受信する通信インターフェイスを有する。具体的には、課税標準額検証装置1と課税標準額管理装置2とがローカルエリアネットワークを介して互いに接続されている場合に、通信部12はLANコントローラを有する。
【0024】
記憶部13は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。記憶部13は課税標準額検証装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。また、記憶部13は、通信部12又は操作部15を介して取得された各種情報、及び制御部11が生成した各種情報を記憶する。
【0025】
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等で構成される。表示部14は、文字や図形等を表示する。
操作部15は、例えば、キーボード及びマウスである。操作部15は、課税標準額検証装置1のユーザから操作入力を受け付ける。
【0026】
以下、制御部11の構成を詳細に説明する。制御部11は、取得部111と、記憶制御部112と、算出部113と、受信部114と、判定部115と、出力部116とを有する。制御部11が、記憶部13に記憶された課税標準額検証用プログラムを実行することにより、制御部11は、取得部111、記憶制御部112、算出部113、受信部114、判定部115及び出力部116として機能する。課税標準額検証用プログラムは、CD−ROMのような記憶媒体に格納されていてもよく、ネットワークを介してサーバからダウンロードすることにより、記憶部13に記憶されてもよい。
【0027】
取得部111は、筆の地番を示す地番情報と、当該地番に対応する筆の課税標準額の算出に用いられる複数の第1筆情報とを取得する。例えば、取得部111は、地番情報とともに、地目情報と、地積情報と、所有者情報と、状況類似情報と、標準地情報と、路線情報と、画地情報と、住宅用地の特例率等の各種特例率と、前年課税標準額とを取得する。
【0028】
地番情報は、一筆の土地ごとに法務局において付される、大字名、小字名、本番、枝番のような番号情報である。地目情報は、それぞれの筆の土地の用途による分類を示す情報である。地目情報は、例えば、宅地、田、畑、山林などの土地の用途を示すテキスト情報又は土地の用途に関連付けられた数値情報である。地積情報は、それぞれの筆の面積を示す情報である。路線情報は、例えば市区町村の役所又は役場で公開されている、同年1月1日時点での街路に沿接する標準的な宅地1平米あたりの価格を示す情報である。
【0029】
取得部111は、地番情報、地目情報、地積情報及び所有者情報を、例えば、通信部12を介して受信する法務局が発行する土地異動通知書から取得する。取得部111は、操作部15を介して課税標準額検証装置1のユーザが入力した地番情報、地目情報、地積情報、所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報及び画地情報を取得してもよい。
【0030】
記憶制御部112は、地番情報と複数の第1筆情報とを関連付けて記憶部13に記憶させる。例えば、記憶制御部112は、地番情報と、地目情報と、地積情報と、所有者情報と、状況類似情報と、標準地情報と、路線情報と、画地情報とを関連付けて記憶部13に記憶させる。具体的には、記憶制御部112は、地番情報に対応する地番ごとに割り当てられた記憶部13のアドレスに、地目情報、地積情報、所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報及び画地情報を記憶させる。また、記憶制御部112は、課税標準額検証装置1が算出する第1課税標準額と、課税標準額管理装置2が算出する第2課税標準額とを、それぞれ地番情報及び地番特定情報に関連付けて記憶部13に記憶させる。
【0031】
算出部113は、地番情報に対応する地番ごとに、複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つに基づいて第1課税標準額を算出する。例えば、算出部113は、地番情報に対応する地番ごとに、記憶部13に記憶されている地目情報と、地積情報と、所有者情報と、状況類似情報と、標準地情報と、路線情報と、画地情報と、課税情報とに基づいて第1課税標準額を算出する。具体的には、算出部113は、地番ごとに、当該地番に対応する地目情報と、当該地番に対応する地積情報と、当該地番に対応する所有者情報と、当該地番に対応する状況類似情報と、当該地番に対応する標準地情報と、当該地番に対応する路線情報と、当該地番に対応する画地情報とに基づいて、当該地番の土地評価額を算出する。算出部113は、算出した土地評価額に、当該地番に対して定められている特例率と、前年課税標準額及び土地評価額から求める負担水準に基づく率とを乗じることによって、第1課税標準額を算出する。
【0032】
受信部114は、筆の地番を特定するための地番特定情報と、地番特定情報に関連付けられた第2課税標準額とを課税標準額管理装置2から受信する。受信部114は、第2課税標準額とともに、当該第2課税標準額が算出された日を示す情報を受信してもよい。地番特定情報は、地番情報と同様に、一筆の土地である筆ごとに法務局において付される番号情報である。本明細書において、課税標準額管理装置2において管理されている地番を示す情報を、「地番特定情報」と称する。
【0033】
判定部115は、受信部114が取得した第2課税標準額と、第2課税標準額に関連付けられた地番特定情報と同一の地番情報に関連付けられた第1課税標準額とが一致するか否かを判定する。具体的には、判定部115は、まず、課税標準額管理装置2から受信した複数の地番特定情報の中から、1つの地番特定情報を選択し、当該地番特定情報に関連付けて記憶部13に記憶されている第2課税標準額を抽出する。次に、判定部115は、抽出した地番特定情報が示す地番と同一の地番を示す地番情報に関連付けて記憶部13に記憶されている第1課税標準額を抽出する。続いて、判定部115は、抽出した第1課税標準額と第2課税標準額とを照合する。
【0034】
なお、第1課税標準額と第2課税標準額とを照合する対象となる地番特定情報と地番情報とは、完全に同一の情報でなくてもよい。例えば、地番特定情報が半角文字の数値情報であり、地番情報が全角文字の数値情報であっても、地番特定情報と地番情報とが同一の地番を示していると考えられる場合に、判定部115は、地番特定情報と地番情報とが同一であるとみなしてよい。
【0035】
出力部116は、判定部115により、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致しないと判定された場合に、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致していないことを示す不一致情報を、地番情報に関連付けて出力する。出力部116は、例えば、地番と、当該地番に対応する第2課税標準額と、当該地番に対応する第1課税標準額とを表形式にして表示部14に出力する。出力部116は、地番と、当該地番に対応する第2課税標準額と、当該地番に対応する第1課税標準額とを、通信部12を介して課税標準額管理装置2に送信してもよい。
【0036】
以下、課税標準額管理装置2の構成例について説明する。課税標準額管理装置2は、制御部21、通信部22及び記憶部23を備える。制御部21は、例えば、CPUにより構成される。制御部21は、記憶部23に記憶されている各種プログラムを実行することにより、課税標準額管理装置2に係る機能を統括的に制御する。
【0037】
通信部22は、課税標準額検証装置1と情報を送受信する通信インターフェイスを有する。
記憶部23は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。記憶部23は課税標準額管理装置2を機能させるための各種プログラムを記憶する。また、記憶部23は、例えば課税標準額管理装置2のユーザである市区町村の役所又は役場の職員により入力された、筆の地番を特定するための地番特定情報と、地番特定情報に関連付けられた第2課税標準額とを記憶する。
【0038】
制御部21は、送信部211と、取得部212と、記憶更新部213とを有する。送信部211は、第2課税標準額を課税標準額検証装置1に送信する。例えば、送信部211は、課税標準額管理装置2のユーザによる操作に応じて、又は課税標準額検証装置1から送信された要求メッセージに応じて、第2課税標準額と、当該第2課税標準額に関連付けられて記憶部23に記憶されている地番特定情報とを送信する。
【0039】
取得部212は、課税標準額検証装置1が出力した地番情報、第1課税標準額及び不一致情報を取得する。記憶更新部213は、取得部212が不一致情報を取得すると、地番情報に関連付けられて記憶部23に記憶されている第2課税標準額を第1課税標準額に更新する。例えば、記憶更新部213は、課税標準額管理装置2のユーザに不一致情報と第1課税標準額が表示された後にユーザから所定の操作を受けると、第2課税標準額を第1課税標準額に更新する。
【0040】
[通信シーケンス]
図2は、第1の実施形態に係る課税標準額検証システムSの通信シーケンス例を示す図である。課税標準額検証装置1は、地番情報、地目情報、地積情報、所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報、画地情報、各種特例率及び前年課税標準額を取得すると、地番情報に対応する地番ごとに第1課税標準額を算出する(S201)。続いて、課税標準額管理装置2から、地番特定情報及び第2課税標準額を受信すると、地番ごとに、当該地番に対応する第1課税標準額と第2課税標準額とが一致するか否かを照合する(S202)。課税標準額検証装置1は、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致していない場合に、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致していない地番を示す情報を含む不一致情報を出力する(S203)。
【0041】
なお、
図2においては、課税標準額検証装置1が第1課税標準額を算出した後に、課税標準額管理装置2から第2課税標準額を受信するシーケンスを示しているが、本実施形態は、本シーケンスに限定されない。例えば、課税標準額検証装置1が課税標準額管理装置2から第2課税標準額を受信した後に、第1課税標準額を算出してもよい。
【0042】
[第1の実施形態における効果]
以上のとおり、第1の実施形態に係る課税標準額検証装置1によれば、判定部115により、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致しないと判定された場合に、出力部116は、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致していないことを示す不一致情報を、地番情報に関連付けて出力する。したがって、課税標準額検証装置1のユーザは、第2課税標準額に誤りが生じていることを容易に検出することができるという効果を奏する。
【0043】
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係る課税標準額検証装置1の動作フローチャートを示す図である。第1の実施形態における課税標準額検証装置1は、第2課税標準額を受信すると第1課税標準額と第2課税標準額とを照合したが、本実施形態における課税標準額検証装置1は、第1課税標準額と第2課税標準額とを照合する前に、他の情報を照合する点で異なる。
【0044】
受信部114は、地番特定情報に関連付けられた第2課税標準額の算出に用いられた複数の第2筆情報のうちの少なくとも1つをさらに課税標準額管理装置2から受信する。第2筆情報は、例えば、筆の地目を特定する地目特定情報、当該筆の面積を示す地積特定情報、当該筆の所有者を示す所有者情報、当該筆が属する領域を示す状況類似情報、当該筆が属する領域の標準的な土地を示す標準地情報、当該筆が沿接する街路の番号及び価格を示す路線情報、当該筆の利用形態、間口距離、奥行距離及び形状等を示す画地情報、住宅用地の特例率等の各種特例率、並びに前年課税標準額である。
【0045】
判定部115は、受信部114が受信した第2筆情報と、第2筆情報に関連付けられた地番特定情報と同一の地番情報に関連付けられた複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つと、が一致するか否かを判定し、複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つと第2筆情報とが一致すると判定された場合に、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致するか否かを判定する。例えば、判定部115は、受信部114が受信した地目特定情報と、地目特定情報に関連付けられた地番特定情報と同一の地番情報に関連付けられた地目情報とが一致するか否かを判定し、地目特定情報と地目情報とが一致すると判定された場合に、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致するか否かを判定する。
【0046】
判定部115は、受信部114が受信した地積特定情報と、地積特定情報に関連付けられた地番特定情報と同一の地番情報に関連付けられた地積情報とが一致するか否かを判定し、地積特定情報と地積情報とが一致すると判定された場合に、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致するか否かを判定してもよい。
【0047】
出力部116は、判定部115により、複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つと第2筆情報とが一致しないと判定された場合に、複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つと第2筆情報とが一致していないことを示す不一致情報を出力する。例えば、出力部116は、判定部115により地目特定情報と地目情報とが一致しないと判定された場合に、地目特定情報と地目情報とが一致していないことを示す地目不一致情報を出力する。
【0048】
以下、
図3に沿って、本実施形態に係る課税標準額検証装置1の動作について説明する。
まず、課税標準額検証装置1は、地番情報と、第1筆情報(例えば地目情報、地積情報、所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報、画地情報、特例率、及び前年課税標準額)とを取得する(S301)。次に、課税標準額検証装置1は、取得した地番情報と、複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つとに基づいて、第1課税標準額を算出する(S302)。続いて、課税標準額検証装置1は、地番特定情報と、地番特定情報に対応する第2筆情報と、当該地番の第2課税標準額とを課税標準額管理装置2から受信する(S303)。
【0049】
続いて、課税標準額検証装置1は、S301において取得した複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つと、S303において受信した複数の第2筆情報のうちの少なくとも1つとを照合する。例えば、課税標準額検証装置1は、地目情報と、S303において課税標準額管理装置2から受信した地目特定情報とを照合する(S304)。地目情報と地目特定情報とが一致している場合には、S305に進み、S301において取得した地積情報と、S303において課税標準額管理装置2から受信した地積特定情報とを照合する(S305)。
【0050】
地積情報と地積特定情報とが一致している場合には、S306に進み、S302において算出した第1課税標準額と、S303において受信した第2課税標準額とを照合する(S306)。第1課税標準額と第2課税標準額とが一致している場合には、課税標準額検証装置1は、
図3に示す動作を終了する。
【0051】
S304において地目情報と地目特定情報とが一致していない場合に、課税標準額検証装置1は、地目情報と地目特定情報とが一致していないことを示す地目不一致情報を出力する(S307)。課税標準額検証装置1は、地目不一致情報を出力すると、地積情報と地積特定情報との照合、及び第1課税標準額と第2課税標準額との照合をすることなく、
図3に示す動作を終了する。
【0052】
同様に、S305において地積情報と地積特定情報とが一致していない場合に、課税標準額検証装置1は、地積情報と地積特定情報とが一致していないことを示す地積不一致情報を出力する(S307)。課税標準額検証装置1は、地積不一致情報を出力すると、第1課税標準額と第2課税標準額との照合をすることなく、
図3に示す動作を終了する。S306において第1課税標準額と第2課税標準額とが一致していない場合に、課税標準額検証装置1は、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致していないことを示す不一致情報を出力する(S307)。
【0053】
なお、上記の説明において、課税標準額検証装置1は、S304において地目情報と地目特定情報とを照合した後に、S305において地積情報と地積特定情報とを照合するものとして説明したが、地積情報と地積特定情報とを照合した後に地目情報と地目特定情報とを照合してもよい。また、課税標準額検証装置1は、地目情報と地目特定情報との照合、及び地積情報と地積特定情報との照合のいずれか一方だけを行ってもよい。すなわち、課税標準額検証装置1は、S304及びS305のいずれか一方だけを実行してもよい。
【0054】
また、課税標準額検証装置1は、第1課税標準額と第2課税標準額とを照合する前に、S301において取得した所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報、画地情報、及び各種特例率のいずれかと、S303において受信した所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報、画地情報、及び各種特例率のいずれかと、を照合してもよい。照合した結果が一致しない場合には、課税標準額検証装置1は、第1課税標準額と第2課税標準額とを照合することなく不一致情報を出力する。
【0055】
[第2の実施形態における効果]
以上のとおり、第2の実施形態に係る課税標準額検証装置1によれば、判定部115は、受信部114が受信した複数の第2筆情報のうちの少なくとも1つと、当該第2筆情報に関連付けられた地番特定情報と同一の地番情報に関連付けられた複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つとが一致するか否かを判定し、第1筆情報と第2筆情報とが一致すると判定された場合に、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致するか否かを判定する。したがって、第1課税標準額と第2課税標準額との照合をするまでもなく第2課税標準額に誤りが生じていることが明らかな場合に、第2課税標準額と第1課税標準額を照合する必要が生じないので、照合処理の時間を短縮することができるという効果を奏する。また、第1課税標準額と第2課税標準額との照合結果が出力されるだけでなく、不一致が生じている第1筆情報が出力されるので、課税標準額検証装置1のユーザは、課税標準額管理装置2において算出された第2課税標準額に誤りが生じている場合の誤りの原因を容易に特定することができるという効果も奏する。
【0056】
<第3の実施形態>
第1の実施形態においては、法務局で管理されている地目情報、地積情報、及び所有者情報等の情報が更新されることが考慮されていなかった。これに対して、本実施形態に係る課税標準額検証装置1は、地目情報、地積情報、所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報、画地情報、及び各種特例率が更新され、更新日が異なる複数の地目情報、地積情報、所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報、画地情報、及び各種特例率が存在する場合を考慮して第1課税標準額と第2課税標準額とを照合する点で第1の実施形態と異なる。
【0057】
具体的には、取得部111は、複数の第1筆情報のいずれかが更新された場合に、更新された第1筆情報を取得する。記憶制御部112は、地番情報に関連付けて、それぞれ独立に更新された複数の第1筆情報を、更新された日に関連付けて記憶部13に記憶させる。例えば、第1筆情報のうち、地目情報、地積情報、所有者情報及び画地情報は日々更新され、状況類似情報は3年ごとに更新され、標準地情報及び路線情報は1年ごとに更新される。
【0058】
取得部111は、第1課税標準額の算出日を指定する算出日指定情報をさらに取得する。取得部111は、例えば、課税標準額管理装置2から受信部114が受信する第2課税標準額が算出された日を示す情報を、算出日指定情報として取得する。取得部111は、課税標準額検証装置1のユーザが操作部15によって入力する日時を示す情報を算出日指定情報として取得してもよい。取得部111は、課税標準額検証装置1が内蔵する時計を参照して、課税標準額検証装置1のユーザから第1課税標準額を算出するための操作を受け付けた日時を算出日指定情報として取得してもよい。
【0059】
算出部113は、記憶部13に記憶された複数の第1筆情報が更新された日時のうち、算出日指定情報により指定される算出日の前の、当該算出日に最も近い日に更新された複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つに基づいて、第1課税標準額を算出する。例えば、算出部113は、記憶部13に記憶された複数の地目情報、複数の地積情報、複数の所有者情報、複数の状況類似情報、複数の標準地情報、複数の路線情報、複数の画地情報及び複数の各種特例率が更新された日時のうち、算出日指定情報により指定される算出日の前の、当該算出日に最も近い日に更新された地目情報、地積情報、所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報、画地情報及び各種特例率のうちの少なくとも1つに基づいて、第1課税標準額を算出する。
【0060】
例えば、地目情報及び地積情報が、平成25年6月1日と平成25年10月1日とに更新され、路線情報が平成24年7月1日と平成25年7月1日とに更新されたとする。この場合に、例えば、課税標準額管理装置2から受信した第2課税標準額の算出日又は課税標準額検証装置1のユーザから第1課税標準額を算出するための操作を受け付けた日が平成25年6月30日だとすると、算出部113は、平成25年6月1日に更新された地目情報及び地積情報と、平成24年7月1日に更新された路線情報とに基づいて、第1課税標準額を算出する。算出日指定情報が示す第1課税標準額を算出すべき日が平成25年10月31日だとすると、算出部113は、平成25年10月1日に更新された地目情報及び地積情報と、平成25年7月1日に更新された路線情報とに基づいて、第1課税標準額を算出する。
【0061】
[第3の実施形態における効果]
以上のとおり、第3の実施形態に係る課税標準額検証装置1によれば、算出部113が、指定された算出日の前の、当該算出日に最も近い日に更新された複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つに基づいて第1課税標準額を算出することにより、正しい値であるか否かを確認する対象となる第2課税標準額の算出日が変動する場合であっても、第2課税標準額が算出された日における条件と同じ条件に基づいて、第1課税標準額を算出することができる。したがって、誤りの有無を判定するべき対象の第2課税標準額が算出された日と、地目情報、地積情報、及び路線情報が更新された日との関係によらず、判定部115は、第2課税標準額が正しいか否かを適切に判定することができる。
【0062】
<第4の実施形態>
図4は、第4の実施形態に係る課税標準額検証装置1の動作フローチャートを示す図である。第1の実施形態において、課税標準額検証装置1は、地番ごとに1つの第1課税標準額を算出し、第2課税標準額と当該第1課税標準額とが一致しない場合に、不一致情報を出力した。これに対して、本実施形態における課税標準額検証装置1は、地番ごとに異なる地目情報、地積情報等の第1筆情報を用いて複数の第1課税標準額を算出し、1つの第1課税標準額が第2課税標準額と一致しない場合に、複数の第1課税標準額のうち第2課税標準額と一致する第1課税標準額を探索する点で異なる。
【0063】
具体的には、取得部111は、地目情報、地積情報及び路線情報等の第1筆情報が更新されるたびに、更新された情報を取得する(S401)。記憶制御部112は、地番情報に関連付けて、それぞれ独立に更新された複数の第1筆情報を記憶部13に記憶させる。続いて、算出部113は、それぞれ独立に更新された複数の第1筆情報のうちの少なくとも一部に基づいて、複数の第1課税標準額を算出する(S402)。算出部113は、例えば、複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つが更新されるたびに、第1課税標準額を算出する。記憶制御部112は、算出部113が算出した複数の第1課税標準額を、算出日に関連付けて記憶部13に記憶させる(S403)。
【0064】
続いて、受信部114は、課税標準額管理装置2から第2課税標準額と、当該第2課税標準額の算出日を示す情報とを受信する(S404)。続いて、判定部115は、第1課税標準額と第2課税標準額とを照合する(S405)。具体的には、判定部115は、第2課税標準額の算出日の前の、当該算出日に最も近い日に更新された複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つに基づいて算出部113が算出した第1課税標準額と、第2課税標準額とを照合する。
【0065】
S405において判定部115が、第2課税標準額と、第2課税標準額の算出日の前の、当該算出日に最も近い日に更新された複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つに基づいて算出された第1課税標準額とが一致していると判定した場合には、課税標準額検証装置1は、
図4に示した動作を終了する。
【0066】
判定部115により、第2課税標準額と、第2課税標準額が算出された日の前の最も近い日に更新された複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つに基づいて算出された第1課税標準額とが一致しないと判定された場合に、出力部116は、記憶部13に記憶されている複数の第1課税標準額のうち、課税標準額管理装置2から受信した第2課税標準額に一致する第1課税標準額を探索し(S406)、第2課税標準額に一致する第1課税標準額の算出に用いられた複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つを出力する(S407)。出力部116は、例えば、第2課税標準額に一致する第1課税標準額の算出に用いられた複数の第1筆情報のうち、第2課税標準額が算出された日の前の最も近い日に更新された第1筆情報と異なる第1筆情報を出力する。
【0067】
図5は、算出部113が算出し、記憶部13に記憶されている複数の第1課税標準額の例を示す図である。
図5は、特定の地番における地目情報、地積情報及び路線情報のうちの少なくとも1つが更新された日と、それぞれの更新日における地目、地積及び路線価と、それぞれの地目、地積及び路線価に基づいて算出部113が算出した第1課税標準額とを示している。
【0068】
更新日が平成24年1月1日の課税標準額は、平成24年度の課税標準額を示している。更新日が平成24年6月1日の課税標準額は、分筆により平成24年6月1日時点で計算された平成25年度の課税標準額を示している。平成24年7月1日の課税標準額は、路線価下落に伴う修正により平成24年7月1日時点で計算された平成25年度の課税標準額を示している。平成24年10月1日の課税標準額は、地目変更に伴い平成24年10月1日時点で計算された平成25年度の課税標準額を示している。
【0069】
算出部113は、平成25年1月1日に第1課税標準額を算出する場合に、直前の更新日である平成24年10月1日の情報に基づいて、第1課税標準額を26,880千円と算出する。ところが、課税標準額検証装置1が課税標準額管理装置2から受信した第2課税標準額が44,800千円である場合には、第2課税標準額に誤りが発生していると考えられる。
【0070】
そこで、出力部116は、
図5の表に示されている複数の第1課税標準額のうち、平成24年7月1日に更新された情報に基づく第1課税標準額が44,800千円であることを探索し、平成24年7月1日の更新日に関連付けられて記憶部13に記憶されている「地目=宅地、地積=200平米、路線価=280(千円)」という情報を出力する。出力部116は、第2課税標準額と等しい第1課税標準額が複数ある場合には、それぞれの第1課税標準額に対応する情報を出力する。出力部116は、通信部12を介して、当該情報を課税標準額管理装置2に送信してもよい。
【0071】
[第4の実施形態における効果]
以上のとおり、第4の実施形態に係る課税標準額検証装置1によれば、第1課税標準額と第2課税標準額とが一致しない場合に、出力部116が、記憶部13に記憶されている複数の第1課税標準額のうち、第2課税標準額に一致する第1課税標準額の算出に用いられた地目情報、地積情報、所有者情報、状況類似情報、標準地情報、路線情報、画地情報及び各種特例率を出力するので、課税標準額検証装置1のユーザ又は課税標準額管理装置2のユーザは、第2課税標準額に誤りがある場合に、誤りの原因を容易に把握することができる。
【0072】
<第5の実施形態>
図6は、第5の実施形態に係る課税標準額検証システムSの構成例を示す図である。
図7は、第5の実施形態に係る課税標準額検証装置1の動作フローチャートを示す図である。
図6に示した課税標準額検証装置1は、差異検出部117をさらに備える点で
図1に示した課税標準額検証装置1と異なり、その他の点で同じである。
【0073】
差異検出部117は、地目及び地積等の第1筆情報に異動があったことを検出する。具体的には、差異検出部117は、取得部111が、記憶部に記憶されている第1筆情報よりも新しい更新筆情報を地番情報に関連付けて取得すると(S701)、当該地番情報に関連付けて記憶部に記憶されている第1筆情報と更新筆情報との差異を検出する(S702)。
【0074】
算出部113は、受信部114が第2課税標準額を受信すると、差異検出部117が検出した差異に対応する更新筆情報に基づいて第1課税標準額を算出し(S703)、出力部116は、差異検出部117が検出した差異に対応する更新筆情報に関連付けられた地番情報と、算出部113が算出した第1課税標準額とを出力する(S704)。
【0075】
出力部116は、更新前の第1筆情報に対応する第1課税標準額と、更新後の更新筆情報に対応する第1課税標準額とを出力してもよい。また、出力部116は、操作部15を介して入力された課税標準額検証装置1のユーザの操作に応じて、ユーザにより指定された期間内に更新された情報と第1課税標準額とを出力してもよい。出力部116は、更新筆情報と第1課税標準額とを課税標準額管理装置2に送信してもよい。
【0076】
[第5の実施形態における効果]
以上のとおり、第5の実施形態に係る課税標準額検証装置1によれば、地目情報及び地積情報等の複数の第1筆情報のうちの少なくとも1つが更新された場合に、出力部116が、更新前後の差異と、更新後の第1課税標準額とを出力するので、課税標準額検証装置1のユーザは、地目及び地積等の筆の異動の内容を容易に把握することができるという効果を奏する。また、出力部116が出力した情報を課税標準額管理装置2のユーザが参照することにより、異動が発生した地番の課税標準額を確認しやすくなるという効果を奏する。
【0077】
<第6の実施形態>
[地積情報の誤りを検出する]
上記の実施形態において、課税標準額検証装置1は、取得部111が取得した地積情報に誤りがないことを前提に、第1課税標準額と第2課税標準額とを照合していた。しかし、課税標準額検証装置1は、第1課税標準額の精度を高めるために、以下のような方法により、地積情報に誤りがあるか否かについて判定してもよい。
【0078】
まず、算出部113は、基準日において、所定の領域に含まれている筆の地積の合計値(以下、「所定領域基準面積」という)を算出し、記憶制御部112は、所定の領域ごとに所定領域面積を記憶部13に記憶させる。基準日は任意に定められてよく、例えば、地目情報及び地積情報に間違いがないことが確認された日である。
【0079】
算出部113は、受信部114が課税標準額管理装置2から第2課税標準額を受信すると、第2課税標準額の算出日の前に更新された地積情報のうち、当該算出日に最も近い日に更新された地積情報に基づいて、所定領域の面積(以下、「所定領域面積」という)を算出する。具体的には、算出部113は、所定の領域に含まれている筆に対応する、第2課税標準額の算出日に最も近い日に更新された地積情報が示す地積の合計値を算出する。判定部115は、所定領域面積が所定領域基準面積と異なっている場合には、所定領域内のいずれかの筆の地積に誤りがあると判定し、出力部116は、地積に誤りがあることを示す情報を出力する。
【0080】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。例えば、上記の説明においては、路線価を付設している地区における宅地の課税標準額の検証について説明したが、上記の宅地以外の土地に係る課税標準額の検証にも本発明を適用できる。また、上記の実施形態において、課税標準額検証装置1は、課税標準額管理装置2とネットワークを介して接続されている課税標準額検証システムSを構成する装置として説明したが、課税標準額管理装置2とネットワークを介して接続されていない構成であってもよい。