特許第6139825号(P6139825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139825
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】パレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/24 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   B65D19/24 A
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-93357(P2012-93357)
(22)【出願日】2012年4月16日
(65)【公開番号】特開2013-220833(P2013-220833A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】小島 篤史
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭48−050454(JP,A)
【文献】 特開2004−231293(JP,A)
【文献】 特公昭61−004328(JP,B2)
【文献】 欧州特許出願公開第02228312(EP,A1)
【文献】 英国特許出願公開第01310898(GB,A)
【文献】 特開平10−258838(JP,A)
【文献】 特開2002−128079(JP,A)
【文献】 特開2011−111169(JP,A)
【文献】 意匠登録第1409572(JP,S)
【文献】 特開2003−170937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00−19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状に形成された下面デッキと、
平面視略矩形状に形成された上面デッキと、
下面デッキと上面デッキの中央部同士を連結する中央桁と、
下面デッキと上面デッキの隅部同士を連結する隅桁と、
下面デッキと上面デッキの各辺の中間部同士を連結する中間桁を備え、
下面デッキと上面デッキの間に、平面視略井の字状のフォーク挿入孔が形成され、下面デッキにおいて前記略井の字状のフォーク挿入孔の夫々の交差部に対応する部分に開口部が形成された合成樹脂製のパレットであって、
下面デッキが、
隅桁と中間桁を連結する下面外周連結部と、
中間桁と中央桁を連結する下面中央連結部とを有し、
当該隅桁に下面外周連結部を介して連結された2つの中間桁のうちの一方を一方中間桁とすると共に他方を他方中間桁とし、
中央桁が、
一方中間桁側に臨む中央桁一方中間桁側面と、
他方中間桁側に臨む中央桁他方中間桁側面と、
中央桁一方中間桁側面と中央桁他方中間桁側面とでなす中央桁隅部を有し、
一方中間桁が、
当該隅桁側に臨む一方中間桁隅側面と、
中央桁側に臨む一方中間桁中央側面と、
一方中間桁隅側面と一方中間桁中央側面とでなす一方中間桁隅部を有し、
他方中間桁が、
当該隅桁側に臨む他方中間桁隅側面と、
中央桁側に臨む他方中間桁中央側面と、
他方中間桁隅側面と他方中間桁中央側面とでなす他方中間桁隅部を有し、
当該隅桁が、
一方中間桁側に臨む隅桁一方中間桁側面と、
他方中間桁側に臨む隅桁他方中間桁側面と、
隅桁一方中間桁側面と隅桁他方中間桁側面とでなす隅桁隅部を有し、
一方中間桁隅部と当該隅桁を連結する下面外周連結部の縁部と、中央桁隅部を挟んで位置する2つの下面中央連結部の縁部は、その上面に開口部側に行く程下り傾斜する傾斜面がそれぞれ形成され、
中央桁隅部を挟んで位置する2つの下面中央連結部の側縁にあっては、他方中間桁側の下面中央連結部の側縁が中央桁一方中間桁側面と一直線状に形成されると共に、一方中間桁側の下面中央連結部の側縁が中央桁他方中間桁側面よりも他方中間桁とは反対側に控えた位置に形成され、
一方中間桁隅部を挟んで位置する下面外周連結部の側縁と下面中央連結部の側縁にあっては、下面外周連結部の側縁が一方中間桁中央側面と一直線状に形成されると共に、下面中央連結部の側縁が一方中間桁隅側面よりも当該隅桁とは反対側に控えた位置に形成され
他方中間桁隅部を挟んで位置する下面中央連結部の側縁と下面外周連結部の側縁にあっては、下面中央連結部の側縁が他方中間桁隅側面と一直線状に形成されると共に、下面外周連結部の側縁が他方中間桁中央側面よりも中央桁とは反対側に控えた位置に形成され、
当該隅桁を挟んで位置する2つの下面外周連結部の側縁にあっては、一方中間桁側の下面外周連結部の側縁が隅桁他方中間桁側面と一直線状に形成されると共に、他方中間桁側の下面外周連結部の側縁が隅桁一方中間桁側面よりも一方中間桁とは反対側に控えた位置に形成され、
前記開口部が平面視矩形状であることを特徴とするパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は平面視略井の字状のフォーク挿入孔を有する合成樹脂製のパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には平面視略矩形状の下面デッキと上面デッキの中央部同士、隅部同士、並びに各辺の中間部同士が桁で連結され、下面デッキと上面デッキの間に平面視略井の字状のフォーク挿入孔が形成された四方差しの合成樹脂製パレットが開示されている。このパレットは、下面デッキにおいて前記略井の字状のフォーク挿入孔の夫々の交差部に対応する部分を開口部としている。この開口部にはフォーク挿入孔から挿入されたハンドリフトの車輪を挿通させることができる。また、パレットの下面デッキの開口部の四方には隣り合う桁同士を連結する下面連結部が形成され、各下面連結部の開口部側の縁部上面には開口部側に向かって下り傾斜した傾斜面が形成されている。これにより、フォーク挿入孔に挿入されたハンドリフトの車輪が下面連結部に引っ掛かることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−231293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パレットが段ボールで梱包された荷物の上に載置される場合がある。ここで、特許文献1のパレットは前記開口部の四方に形成された下面連結部の開口部側の側縁が両側の桁の側面よりも開口部外側に控えた位置にあり、桁の隅部が開口部側に突出している。このため、前記段ボールの上面に前記桁の突出した隅部が押し付けられて、隅部の跡が付いてしまう可能性がある。また、パレットを段ボールで梱包された荷物以外の物に載置した場合も同様に当該物の上面に桁の隅部の跡が付く可能性がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、パレット上の荷物を介して段積みした際等に、パレット下方の荷物に桁の隅部の跡が付き難くすることができるパレットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のパレットは、平面視略矩形状に形成された下面デッキ2と、平面視略矩形状に形成された上面デッキ3と、下面デッキ2と上面デッキ3の中央部同士を連結する中央桁40と、下面デッキ2と上面デッキ3の隅部同士を連結する隅桁41と、下面デッキ2と上面デッキ3の各辺の中間部同士を連結する中間桁42を備え、下面デッキ2と上面デッキ3の間に、平面視略井の字状のフォーク挿入孔5が形成され、下面デッキ2において前記略井の字状のフォーク挿入孔5の夫々の交差部に対応する部分に開口部12が形成された合成樹脂製のパレットであって、下面デッキ2が、隅桁41と中間桁42を連結する下面外周連結部91と、中間桁42と中央桁40を連結する下面中央連結部90を有し、隅桁41に下面外周連結部91を介して連結された2つの中間桁42のうちの一方を一方中間桁42aとすると共に他方を他方中間桁42bとし、中央桁40が、一方中間桁42a側に臨む中央桁一方中間桁側面と、他方中間桁42b側に臨む中央桁他方中間桁側面と、中央桁一方中間桁側面と中央桁他方中間桁側面とでなす中央桁隅部を有し、一方中間桁42aが、当該隅桁41側に臨む一方中間桁隅側面420と、中央桁40側に臨む一方中間桁中央側面421と、一方中間桁隅側面420と一方中間桁中央側面421とでなす一方中間桁隅部422aを有し、他方中間桁42bが、当該隅桁41側に臨む他方中間桁隅側面420と、中央桁40側に臨む他方中間桁中央側面421と、他方中間桁隅側面420と他方中間桁中央側面421とでなす他方中間桁隅部422bを有し、当該隅桁41が、一方中間桁42a側に臨む隅桁一方中間桁側面と、他方中間桁42b側に臨む隅桁他方中間桁側面と、隅桁一方中間桁側面と隅桁他方中間桁側面とでなす隅桁隅部を有し、一方中間桁隅部422aと当該隅桁41を連結する下面外周連結部91の縁部と、中央桁隅部を挟んで位置する2つの下面中央連結部9の縁部は、その上面に開口部12側に行く程下り傾斜する傾斜面6がそれぞれ形成され、中央桁隅部を挟んで位置する2つの下面中央連結部90の側縁にあっては、他方中間桁42b側の下面中央連結部90の側縁が中央桁一方中間桁側面と一直線状に形成されると共に、一方中間桁42a側の下面中央連結部90の側縁が中央桁他方中間桁側面よりも他方中間桁42bとは反対側に控えた位置に形成され、一方中間桁隅部422aを挟んで位置する下面外周連結部91の側縁と下面中央連結部90の側縁にあっては、下面外周連結部91の側縁が一方中間桁中央側面421と一直線状に形成されると共に、下面中央連結部90の側縁が一方中間桁隅側面420よりも当該隅桁41とは反対側に控えた位置に形成され、他方中間桁隅部422bを挟んで位置する下面中央連結部90の側縁と下面外周連結部91の側縁にあっては、下面中央連結部90の側縁が他方中間桁隅側面420と一直線状に形成されると共に、下面外周連結部91の側縁が他方中間桁中央側面421よりも中央桁40とは反対側に控えた位置に形成され、当該隅桁41を挟んで位置する2つの下面外周連結部91の側縁にあっては、一方中間桁42a側の下面外周連結部91の側縁が隅桁他方中間桁側面と一直線状に形成されると共に、他方中間桁42b側の下面外周連結部91の側縁が隅桁一方中間桁側面よりも一方中間桁42aとは反対側に控えた位置に形成され、前記開口部12が平面視矩形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明にあっては、中間桁の隅部を挟んで位置する下面外周連結部の側縁と下面中央連結部の側縁のうち、下面外周連結部の側縁が中間桁中央側面と一直線状に形成される。このため、中間桁の隅部が開口部側に突出せず、例えば段ボールで梱包された荷物にパレットを載置した場合に、段ボールの上面が中間桁の隅部によって押さえつけられて当該段ボールの上面に中間桁の隅部の跡が付くことを抑制できる。
【0008】
また、中間桁の隅部を挟んで位置する下面外周連結部の側縁と下面中央連結部の側縁のうち、下面中央連結部の側縁は、中間桁隅側面よりも中間桁の中央側に控えた位置に形成されている。このため、パレットの成形の際には、下面中央連結部の側縁に対応する部分に、当該下面中央連結部の傾斜面を成形するコア部(例えば後述の実施形態における傾斜面用コア部171)と、これに面接触するコア(例えば後述の実施形態におけるインサートコア20)を配置することが可能になる。このため、当該傾斜面を成形するコア部とこれに面接触するコアを正確に位置合わせすることが可能になり、また、当該傾斜面を成形するコア部と下面デッキを成形する金型の局所的な接触に伴う破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態のパレットの全体斜視図である。
図2】同上のパレットの正面図である。
図3図2のA−A断面図である。
図4】同上のパレットの平面図である。
図5】同上のパレットの底面図である。
図6図4のB−B断面図である。
図7】同上のパレットの開口部近傍部分の断面斜視図である。
図8】同上のパレットの開口部近傍部分の図7とは異なる角度から見た断面斜視図である。
図9】同上のパレットの成形時におけるロングスライドコアとショートスライドコアの位置を示す平面図である。
図10図9のC−C断面図である。
図11】同上のパレットを成形するインサートコアを下降させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1乃至図8に示される本実施形態のパレット1は一体成形品であって合成樹脂製である。本実施形態のパレット1は、四方いずれの方向からもハンドリフトやフォークリフトを差し込むことができる四方差し運搬用パレットである。
【0011】
パレット1は図1に示されるように下面デッキ2、上面デッキ3、及び桁4を備えている。下面デッキ2は平面視略矩形状に形成されている。上面デッキ3は平面視略矩形状に形成され、下面デッキ2の上方に位置している。ここで、「矩形状」とは正方形状及び一方向に長い長方形状の両者を含むものである。本実施形態の下面デッキ2及び上面デッキ3は平面視略正方形状に形成されている。
【0012】
桁4には、図4に示されるようにパレット1の中央に位置する中央桁40、四隅に位置する隅桁41、各辺の中間部に位置する中間桁42がある。下面デッキ2と上面デッキ3は、中央部同士が中央桁40によって連結され、隅部同士が隅桁41によって連結され、下面デッキ2と上面デッキ3の各辺の中間部同士が中間桁42によって連結される。
【0013】
下面デッキ2と上面デッキ3の間には桁4により仕切られた平面視略井の字状のフォーク挿入孔5が形成されている。フォーク挿入孔5は、平面視略矩形状のパレット1の対向する二辺と平行な二本のフォーク通路50と、他の対向する二辺と平行なフォーク通路51とで構成されている。各フォーク通路50及び各フォーク通路51はパレット1の対向する二辺の間に亘って形成されている。なお、フォーク通路50,51の幅は同じであるが、異なってもよい。
【0014】
図5に示されるように下面デッキ2において平面視略井の字状のフォーク挿入孔5の夫々の交差部に対応する部分には、上下に貫通する平面視矩形状の開口部12が形成されている。各開口部12にはフォーク挿入孔5から挿入したハンドリフトの車輪を挿通させることができる。このため、ハンドリフトの車輪を、開口部12からパレット1の下方の地面等に接触させて、当該ハンドリフトのフォークを上昇させることによって上面デッキ3を持ち上げることができ、これにより当該ハンドリフトを用いてパレット1を移動することができる。
【0015】
図4に示される各桁4は平面視略矩形状に形成されている。各桁4の上端部には上面デッキ3の一部を構成する天面部43が形成されている。また、図5に示されるように各桁4の下端部には下面デッキ2の一部を構成する底面部44が形成されている。
【0016】
上面デッキ3は図4に示されるように各桁4の天面部43を除く部分の略全部が格子状リブ7により構成されている。格子状リブ7は平面視略矩形状のパレット1の対向する二辺と平行な多数の縦リブと他の対向する二辺と平行な多数の横リブとで構成されている。
【0017】
以下、上面デッキ3において、隣り合う桁4同士を連結する平面視直線状の部分を「上面連結部8」と記載する。また、特に中央桁40と中間桁42を連結する上面連結部8については「上面中央連結部80」と記載し、中間桁42と隅桁41を連結する上面連結部8については「上面外周連結部81」と記載する。また、開口部12の上方に位置し、隅桁41を介して隣接する二つの上面外周連結部81と中央桁40を介して隣接する二つの上面中央連結部80とで囲まれた矩形状の部分を「開口部上方部10」と記載する。
【0018】
また、図5に示される下面デッキ2において、隣り合う桁4同士を連結する平面視直線状の部分を「下面連結部9」と記載する。また、特に中央桁40と中間桁42を連結する下面連結部9については「下面中央連結部90」と記載し、中間桁42と隅桁41を連結する下面連結部9については「下面外周連結部91」と記載する。
【0019】
図4に示されるように上面中央連結部80は中央桁40を中心に十字状に配置され、上面外周連結部81は隅桁41や中間桁42を介して平面視ロ字状に配置されている。
【0020】
各上面中央連結部80には上下に貫通する抜孔13が形成されている。抜孔13は各上面中央連結部80の両側の開口部上方部10のうち一方の開口部上方部10側にのみ設けられている。各抜孔13は中央桁40と中間桁42の間に亘る平面視長方形状に形成されている。
【0021】
抜孔13は平面視矩形状の開口部上方部10の四辺のうちの一辺に対応する部分にのみ形成されており、一つの開口部上方部10(すなわち開口部12)に対して抜孔13が一つだけ設けられている。
【0022】
上面デッキ3における平面視長方形状の抜孔13の長辺を構成するリブ30(長側側のリブ)は、このリブ30と平面視で垂直なリブに繋がれている。このため、リブ30の曲げ強度や衝撃強度を高め、リブ30にフォークの先端が接触したとしても破損が生じ難くなっている。
【0023】
また、リブ30は、図6に示されるように断面L字状に形成されており、その下端部には抜孔13とは反対側の側方に向かって突出する突出部分がある。このため、リブ30の曲げ強度や衝撃強度はさらに高められている。さらに、図4及び図6に示されるように上面デッキ3の平面視矩形状の開口部上方部10は、その抜孔13側を除く三辺を構成するリブ31(なお、残りの一辺を構成するリブは前記リブ30である)が断面L字状に形成されている。このため、隅桁41、中間桁42、中央桁40の各桁4間を断面L字状リブで連結することになり(四角形状)、曲げ強度が高められる。更にリブ31にフォークの先端が接触したとしても、リブ31が破損し難くなる。
【0024】
図5に示されるように下面中央連結部90は中央桁40を中心に十字状に配置されており、上面中央連結部80の下方に位置している。下面外周連結部91は隅桁41や中間桁42を介してロ字状に配置されており、上面外周連結部81の下方に位置している。
【0025】
各下面外周連結部91はフォーク通路50の端部の下面部又はフォーク通路51の端部の下面部を構成している。各下面外周連結部91の両側の縁部のうち、パレット1外側に位置する縁部、すなわち隣接する開口部12と反対側の縁部は、フォーク挿入孔5の矩形状の挿入口15の下縁を構成する。これら各下面外周連結部91のパレット1外側に位置する縁部の上面には、図6に示されるようにパレット1外側に向かって下り傾斜したガイド面11が同縁部の全長に亘って形成されている。同様に、図1図2に示されるように挿入口15の側縁部を構成する各隅桁41の隅部や各中間桁42の隅部、挿入口15の上縁部を構成する各上面外周連結部81の縁部にも、パレット1外側に行く程挿入口15を広げるように傾斜したガイド面11が形成されている。これらガイド面11により、ハンドリフトのフォークや車輪、あるいはフォークリフトのフォークを、フォーク挿入孔5にスムーズに挿入することが可能になる。
【0026】
図6図8に示されるように各下面外周連結部91の隣接する開口部12側の縁部上面、及び、各下面中央連結部90の両側の縁部の上面の夫々には、隣接する開口部12側に向かって下り傾斜した傾斜面6が形成されている。すなわち、中間桁42の隅桁41側に臨む側面を「中間桁隅側面420」、中間桁42の中央桁40側に臨む側面を「中間桁中央側面421」、中間桁42の中間桁隅側面420と中間桁中央側面421とでなすコーナー部分を「隅部422」としたとき、各中間桁42の隅部422を挟んで位置する下面外周連結部91の縁部と下面中央連結部90の縁部は、その上面に開口部12側に行く程下り傾斜する傾斜面6が形成されている。各傾斜面6は下面連結部9の縁部の全長に亘って形成されている。このように各開口部12の周縁部に傾斜面6を形成することで、ハンドリフトの車輪が下面連結部9に引っ掛かり難くなり、フォーク挿入孔5に対するハンドリフトの抜き差しをスムーズに行うことができる。
【0027】
以下、下面中央連結部90に形成された傾斜面6を「内側傾斜面60」と記載し、下面外周連結部91に形成された傾斜面6を「外側傾斜面61」と記載する。また、特に上面中央連結部80における抜孔13と反対側の端部に対応する位置に形成された下面中央連結部90の内側傾斜面60については「第一内側傾斜面600」と記載し、他の内側傾斜面60、すなわち抜孔13に対応する位置に形成された内側傾斜面60については「第二内側傾斜面601」と記載する。また、開口部12を介して第一内側傾斜面600に対応する位置に形成された外側傾斜面61を「第一外側傾斜面610」と記載し、開口部12を介して第二内側傾斜面601に対応する位置に形成された外側傾斜面61を「第二外側傾斜面611」と記載する。
【0028】
各下面中央連結部90は、図7に示されるように両側の内側傾斜面60の間の上面部を平坦な面状部902としている。このように下面中央連結部90に面状部902を形成することで、下面中央連結部90の衝撃強度や曲げ強度を高めることができる。従って、下面中央連結部90にフォークの先端が接触したとしても、下面中央連結部90が破損し難くなる。下面中央連結部90の面状部902は、水抜け孔を形成することも可能であり、その時には、下面外周連結部91より小さな孔を開けることによって、フォークの先端で破損し難くなる。なお、本実施形態の下面外周連結部91は下面中央連結部90よりも幅が広く強度が高い。また、下面外周連結部91はフォーク挿入孔5の挿入口15に近い位置にあって視認しやすく、フォークの先端部が接触する可能性が低い。このため、本実施形態では、各下面外周連結部91の上面部に水抜き及び軽量化のために多数の孔912を形成しているが、下面中央連結部90と同様に面状部902を形成しても構わない。
【0029】
ここで、図1に示されるように各隅桁41の両側に配置される中間桁42のうち、一方の中間桁42を「一方中間桁42a」、他方の中間桁42を「他方中間桁42b」とする。また、一方中間桁42aの中間桁隅側面420と中間桁中央側面421とでなすコーナー部分を隅部422aとする。隅部422aを挟んで位置する、下面外周連結部91の側縁(第一外側傾斜面610に対応する部分)をなす端面910と、下面中央連結部90の側縁(第二内側傾斜面601に対応する部分)をなす端面900にあっては、下面外周連結部91の端面910が一方中間桁42aの下端部の中間桁中央側面421と一直線状に連続して形成されると共に、下面中央連結部90の端面900が一方中間桁42aの下端部の中間桁隅側面420よりも、当該隅桁41とは反対側に控えた位置に形成されている。すなわち、端面900と、端面910に一直線状に連続する一方中間桁42aの中間桁中央側面421とによって、開口部12の平面視L字状の隅部が形成され、これにより一方中間桁42aの隅部422aは開口部12側に突出しない態様となる。
【0030】
また、他方中間桁42bの中間桁隅側面420と中間桁中央側面421とでなすコーナー部分を隅部422bとすると、隅部422bを挟んで位置する、下面外周連結部91の側縁(第二外側傾斜面611に対応する部分)をなす端面911と、下面中央連結部90の側縁(第一内側傾斜面600に対応する部分)をなす端面901にあっては、下面外周連結部91の端面911が他方中間桁42bの下端部の中間桁中央側面421よりも中央桁40とは反対側に控えた位置に形成されると共に、下面中央連結部90の端面901が他方中間桁42bの下端部の中間桁隅側面420と一直線状に連続して形成されている。すなわち、端面911と、端面901に一直線状に連続する他方中間桁42bの中間桁隅側面420とによって開口部12の平面視L字状の隅部分が形成され、これにより他方中間桁42bの隅部422bは開口部12側に突出しない態様となる。
【0031】
また、端面900は、中央桁40の下端部の他方中間桁42b側に臨む側面と比べて他方中間桁42bとは反対側に控えた位置に形成されているのに対して、端面901は、中央桁40の下端部の一方中間桁42a側の側面と一直線状に連続して形成されている。このため、中央桁40の開口部12側の隅部分も開口部12側に突出しない。
【0032】
また、端面911は当該隅桁41の下端部の一方中間桁42a側に臨む側面と比べて一方中間桁42aとは反対側に控えた位置に形成されるのに対して、端面910は、当該隅桁41の下端部の他方中間桁42b側に臨む側面と一直線状に連続して形成される。このため、隅桁41の開口部12側の隅部も開口部12側に突出しない。
【0033】
パレット1の成型装置は、図10に示されるように下面デッキ2を成形する下型16と、上面デッキ3を成形する上型17を備えている。また、成型装置は、型締めした下型16と上型17の間に形成された空間に側方から挿入されてフォーク挿入孔5を成形するロングスライドコア18並びにショートスライドコア19、及び下型16に対して上下動自在に設けられて開口部12を成形するインサートコア20を備えている。
【0034】
固定型となる下型16には、下面デッキ2を成形する下面デッキ成形面160が形成されている。下型16には、各開口部12に対応する位置にインサートコア20を配置するための孔161が形成されている。
【0035】
可動型となる上型17には、上面デッキ3を成形する上面デッキ成形面170が形成されている。また、上型17には、上面デッキ成形面170において各抜孔13に対応する位置から下方に向けて突出した傾斜面用コア部171が形成されている。
【0036】
各傾斜面用コア部171の一側面の下端部には下方に行く程反対側の側面側に向かって傾斜する成形面部172が形成されており、この成形面部172によって第二内側傾斜面601が成形される。各傾斜面用コア部171の下端面は水平な当面部173となっており、当面部173の端縁は成形面部172の下縁に連結されている。上型17を下型16に対して上方に移動して型開きする際には、傾斜面用コア部171は抜孔13からパレット1の上方に抜き出される。
【0037】
図9に示されるように、ロングスライドコア18及びショートスライドコア19は、型締めした下型16と上型17の間に四方から挿入され、各方向からはロングスライドコア18及びショートスライドコア19が一つずつ挿入される。なお、図9に示す矢印はロングスライドコア18及びショートスライドコア19の夫々の抜き方向を示している。
【0038】
パレット1の成形の際には、各ロングスライドコア18は、挿入方向における中途部が挿入方向と平行に配置された傾斜面用コア部171に沿って配置される。また、各ロングスライドコア18は、その先端面が挿入方向に対して垂直な傾斜面用コア部171の側面に当接する。
【0039】
各ショートスライドコア19は二段スライドコアである。図10に示されるように、各ショートスライドコア19は、上型17と下型16の間に挿抜自在に挿入される本体部材190と、本体部材190の先端部に設けられたスライド部材191を備えている。
【0040】
本体部材190の先端部下面は先端側に行く程上方に位置するように傾斜した摺接面192となっている。摺接面192には蟻ほぞ状の係合部193が本体部材190の挿抜方向に亘って形成されている。
【0041】
スライド部材191の摺接面192に対向する面には、本体部材190の挿抜方向に伸びる蟻溝状の被係合部194が形成されている。スライド部材191の被係合部194は、本体部材190の係合部193にスライド自在に係合されている。これにより、スライド部材191は本体部材190の摺接面192に沿ってスライド可能になっている。なお、スライド部材191を本体部材190に対してスライドさせる機構は、被係合部194と係合部193による係合に限定されるものではなく、従来から知られている種々のスライド機構を採用できる。
【0042】
スライド部材191は本体部材190に設けられたばね等で構成される第一弾性部材(不図示)を介して接続され、第一弾性部材により摺接面192に沿って本体部材190の先端側に付勢されている。スライド部材191の下面には傾斜した成形面195が形成されており、この成形面195によって第二外側傾斜面611が成形される。また、スライド部材191の先端部下面は水平な当接面部196となっている。当接面部196の端縁は成形面195の下縁に接続されている。
【0043】
ショートスライドコア19の本体部材190は、パレット1の成形の際、先端面が当該ショートスライドコア19に対して直交する方向に挿入されたロングスライドコア18の一側面に当接する成形位置まで挿入される。この際、スライド部材191の先端面はロングスライドコア18の側面に当接してロングスライドコア18側への移動が規制される。このため、スライド部材191は第一弾性部材に抗って、傾斜した摺接面192に沿って相対的に本体部材190の基端側に移動する。また、この際、スライド部材191は本体部材190のロングスライドコア18側への移動に伴って下方に移動し、これによりスライド部材191は図10に示される成形位置に配置される。
【0044】
前記成形位置に配置されたスライド部材191は、本体部材190をパレット1から引き抜く際、第一弾性部材の付勢力により摺接面192に沿って相対的に本体部材190の先端側に移動し、この際、スライド部材191はパレット1から引き抜くことが可能な上方位置まで移動する。
【0045】
ところで、ショートスライドコア19の本体部材190の上端部の先端と、これに対抗するロングスライドコア18の側面との境界部には、僅かながら樹脂が流れ込み、この樹脂により糸状のバリが形成される可能性がある。ここで、前記糸状のバリが前記境界部の上方に成形される上面外周上連結部81のリブ810の下面に繋がって形成されることはあまり問題にならない。しかし、ロングスライドコア18には先端側程幅狭となるよう約1°の抜き勾配が設けられるため、ロングスライドコア18の先端側においては、前記バリの一部がリブ810からロングスライドコア18側に離れた位置に形成される恐れがある。そして、このようにバリの一部がリブ810から離れた位置に形成されると、糸状のバリにゴミが付着してゴミが溜まったり、このゴミが付着したバリが千切れて大きなゴミとなる可能性がある。そこで、本実施形態では、前記境界部の上方に位置するリブ810を断面逆T字状又はL字状に形成している。このようにすると、リブ810の下端面の幅を大きくすることができ、これにより前記糸状のバリの一部がリブ810から離れた位置に形成されることを防止でき、前記ゴミの発生を抑制できる。
【0046】
インサートコア20は下型16の各孔161に配置されている。各インサートコア20は二段スライドコアである。各インサートコア20は図11に示されるように下型16の孔161を上下にスライドするコア本体200と、コア本体200の上部の左右方向における両側にのみ設けられたスライダー201を備えている。ここで、「左右方向」とは、インサートコア20の上方に挿入されるロングスライドコア32の挿抜方向を意味する。
【0047】
コア本体200の上部の左右両側面は下方程左右方向における外側に位置するように傾斜したスライド面202となっている。両スライド面202には蟻ほぞ状の凸部203が上下に亘って形成されている。
【0048】
各スライダー201のスライド面202に対向する面には蟻溝状の凹部204が形成されている。各スライダー201の凹部204はコア本体200の対応する凸部203にスライド自在に係合されている。これにより各スライダー201はコア本体200のスライド面202に沿って上下にスライド可能になっている。なお、各スライダー201をコア本体200に対してスライドさせる機構は、凸部203と凹部204の係合によるものに限定されず、従来から知られている種々のスライド機構を採用できる。
【0049】
各スライダー201はコア本体200にばね等で構成される第二弾性部材(不図示)を介して接続され、この第二弾性部材によりスライド面202に沿う上方に付勢されている。両スライダー201のうち、上方に挿入されるロングスライドコア18の先端側に対応する位置に配置される一方のスライダー201は、対応するスライド面202と反対側の側面の上端部に内側傾斜面成形部205が突設されており、他方のスライダー201は対応するスライド面202と反対側の側面の上端部に、外側傾斜面成形部206が突設されている。
【0050】
内側傾斜面成形部205の下面は傾斜した成形面207となっており、外側傾斜面成形部206の下面は傾斜した成形面208となっている。成形面207は第一内側傾斜面600を成形し、成形面208は第一外側傾斜面610を成形する。
【0051】
図10に示されるように、コア本体200の上端部においては、上型17の傾斜面用コア部171の当面部173に対応する位置に水平な被当面209が形成され、ショートスライドコア19のスライド部材191の当接面部196に対応する位置に水平な被当接面210が形成されている。
【0052】
コア本体200は、パレット1の成形の際、図10に示されるように上面が上方のロングスライドコア18の下面に当接する成形位置まで上昇する。この際、各スライダー201の上面は上方に挿入されたロングスライドコア18の下面に当接して両スライダー201の上昇が規制される。このため、各スライダー201は、第二弾性部材に抗って、傾斜したスライド面202に沿って相対的にコア本体200の下側に移動する。これにより、各スライダー201はコア本体200の上昇に伴って左右方向外側に移動し、両スライダー201は図10に示される成形位置に配置される。
【0053】
また、パレット1の成形の際、インサートコア20の被当面209は上型17の対応する傾斜面用コア部171の当面部173に面接触で当接する。このため、傾斜面用コア部171とインサートコア20を正確に位置合わせすることができ、また、傾斜面用コア部171と下型16の接触に伴う破損を防止することができる。
【0054】
また、パレット1の成形の際、インサートコア20の被当接面210は、対応するショートスライドコア19のスライド部材191の当接面部196に面接触で当接する。このため、スライド部材191とインサートコア20を正確に位置合わせすることができ、また、スライド部材191とインサートコア20の接触に伴う破損を防止することができる。
【0055】
前記成形位置に配置されたインサートコア20は、コア本体200を下型16に対して下降させることで、パレット1から抜き出される。このようにすると、各スライダー201は第二弾性部材の付勢力によりスライド面202に沿って相対的にコア本体200の上側に移動する。これにより、各スライダー201はパレット1から下方に抜くことが可能な左右方向の内側位置まで移動する。
【0056】
成形装置を用いてパレット1を成形するには、上型17、各ロングスライドコア18、各ショートスライドコア19、及びインサートコア20を図10に示される成形位置に配置し、これにより成形されたキャビティに合成樹脂を充填する。
【0057】
以上説明した本実施形態のパレット1は、中間桁42の隅部422aを挟んで位置する下面外周連結部91の側縁と下面中央連結部90の側縁のうち、下面外周連結部91の側縁が中間桁中央側面421と一直線状に形成されている。このため、図3に示されるように中間桁42の隅部422aが開口部12側に突出しない。従って、例えば段ボールで梱包された荷物にパレットを載置した場合に、段ボールの上面が中間桁42の隅部422aによって押さえつけられて当該段ボールの上面に隅部422aの跡が付くことを抑制できる。
【0058】
また、前記中間桁42の隅部422aを挟んで位置する下面外周連結部91の側縁と下面中央連結部90の側縁のうち、下面中央連結部90の側縁は、中間桁隅側面420よりも当該隅桁41とは反対側に控えた位置に形成されている。このため、パレット1の成形の際には、図10に示されるように下面中央連結部90の側縁に対応する部分にインサートコア20の被当面209を配置し、この被当面209と第二内側傾斜面601を成形する傾斜面用コア部171の当面部173を面接触させ、これにより傾斜面用コア部171とインサートコア20を正確に位置合わせすると共に、傾斜面用コア部171と下型16の局所的な接触に伴う破損を防止することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、第二内側傾斜面601を上型17の傾斜面用コア部171により成形したが、例えば本実施形態のショートスライドコア19と同様に二段スライドコアとしたロングスライドコア18によって成形してもよい。また、本実施形態では第二外側傾斜面611を二段スライドコアであるショートスライドコア19によって成形したが、例えば上型17に傾斜面用コア部171と同様の傾斜面用コア部を設け、この傾斜面用コア部によって第二外側傾斜面611を成形してもよい。この他、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 パレット
2 下面デッキ
3 上面デッキ
5 フォーク挿入孔
6 傾斜面
12 開口部
40 中央桁
41 隅桁
42 中間桁
90 下面中央連結部
91 下面外周連結部
420 中間桁隅側面
421 中間桁中央側面
422a 隅部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11