特許第6139873号(P6139873)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6139873熱感知器及び該熱感知器を備えた火災報知設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139873
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】熱感知器及び該熱感知器を備えた火災報知設備
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/06 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   G08B17/06 J
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-270783(P2012-270783)
(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公開番号】特開2014-115914(P2014-115914A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山岸 貴俊
(72)【発明者】
【氏名】上野 浩志
(72)【発明者】
【氏名】横田 博之
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 義英
(72)【発明者】
【氏名】臼井 清人
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−238012(JP,A)
【文献】 特開2011−22006(JP,A)
【文献】 特開平11−219484(JP,A)
【文献】 特開2007−257045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーと、該カバーに設けられる熱検出素子と、を備えた熱感知器において、
前記熱検出素子は前記カバーの中心部を中心とする同一円周上に複数設けられ、
前記各熱検出素子の出力する信号により火源の方向を特定することを特徴とする熱感知器。
【請求項2】
カバーと、該カバーに設けられる熱検出素子と、を備えた熱感知器において
前記カバーは、中心部から外周部に向かって放射状に配置される仕切壁を有し、
前記熱検出素子は、前記カバーの中心から離れた位置であり、かつ前記仕切壁同士の間に1つずつ設けられ、
前記各熱検出素子の出力する信号により火源の方向を特定することを特徴とする熱感知器。
【請求項3】
前記仕切壁は、隣の仕切壁と直角に接し、
前記熱検出素子は、4つ設けられ、それぞれ対向する熱検出素子と点対称の位置に設けられることを特徴とする請求項2記載の熱感知器。
【請求項4】
カバーと、該カバーに設けられる熱検出素子と、を備えた熱感知器において
前記熱検出素子は、平板状のチップからなり、前記カバーの側面に少なくとも2箇所貼付され、
前記各熱検出素子の出力する信号により火源の方向を特定することを特徴とする熱感知器。
【請求項5】
カバーと、該カバーに設けられる熱検出素子と、を備えた熱感知器において、
前記熱検出素子は複数設けられ、
前記熱感知器には制御回路が設けられ、
該制御回路は、複数の前記熱検出素子の出力をベクトル値に変換し、該ベクトル値の演算により火源の方向を特定することを特徴とする熱感知器。
【請求項6】
カバーと、該カバーに設けられる熱検出素子とを備えた熱感知器と、
該熱感知器に接続され、前記熱検出素子から出力される信号を受信する制御回路を有する火災受信機と、
を備えた火災報知設備において、
前記カバーは、中心から離れた位置に複数の前記熱検出素子が設けられており、
前記火災受信機の前記制御回路は、複数の熱検出素子の出力をベクトル値に変換し、該ベクトル値の演算により火源の方向を特定することを特徴とする火災報知設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災による熱を感知する熱感知器に関し、特に火源の方向を特定できるスポット型の熱感知器に関する。また、該熱感知器を備えた火災報知設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、熱感知器では、サーミスタ等の熱検出素子により、火災による熱の検出を行う。火災時の熱気流が熱検出素子に当たり、熱検出素子の抵抗値が変化することによって、熱感知器は、火災による熱を検知することができる。
【0003】
特に、熱感知器は、低温状態下においても、火災による熱を速やかに検知しなければならないため、熱検出素子は、熱感知器のカバーの表面から突出するように設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−113378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の熱感知器は火災から発生する熱気流の熱により、火災の発生を特定することはできるが、火源の方向まで特定するには至らないという課題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもので、熱を検出して火災を感知する従来の熱感知器としての機能に加え、火源の方向を精度良く特定することができる熱感知器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カバーと、該カバーに設けられる熱検出素子と、を備えた熱感知器において、 熱検出素子はカバーの中心部を中心とする同一円周上に複数設けられ、各熱検出素子の出力する信号により火源の方向を特定することを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、カバーと、該カバーに設けられる熱検出素子と、を備えた熱感知器において、カバーは、中心部から外周部に向かって放射状に配置される仕切壁を有し、熱検出素子は、カバーの中心から離れた位置であり、かつ仕切壁同士の間に1つずつ設けられ、各熱検出素子の出力する信号により火源の方向を特定することを特徴とする熱感知器。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、仕切壁に仕切られた区画に熱検出素子が設けられていることから、火源に近い熱検出素子ほど高い温度を検出できるため、火源の方向を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る熱感知器の構成図の例であり、カバー側から見た図である。
図2】本発明に係る熱感知器及び火災受信機のブロック図の例である。
図3】本発明に係る熱感知器の火源の方向を特定する演算の例1である。
図4】本発明に係る熱感知器の火源の方向を特定する演算の例2である。
図5】本発明に係る熱感知器の構成図の他の例である。
図6図5で用いる熱検出素子の構成図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る熱感知器10を、図1及び図2に基づいて説明する。
[熱感知器10の構成]
熱感知器10は、図示しないベースと本体カバー(以下、カバー1とする。)とで構成され、天井面に固定したベースに、カバー1を取り付けている。
【0013】
3は仕切壁で、カバー1に、中心部から外周部にかけて放射状に立設されている。図1に示すように、仕切壁3は、隣り合う仕切壁3と直角に接しており、4枚の仕切壁3を有している。すなわち、隣り合う仕切壁3同士はなす角が90度となっており、対向する仕切壁3は同一直線上に位置し、カバー1を4つの区画に分けている。また、仕切壁3の高さは、後述する熱検出素子5の高さより高くなっている。
【0014】
5は熱検出素子で、サーミスタからなり、周囲の温度を電気抵抗の変化によって測定して、後述する制御回路12に出力する。熱検出素子5は、カバー1の中心から離れた位置であり、かつ仕切壁3に仕切られた区画に1つずつ設けられている。そして、カバー1に設けられる複数の熱検出素子5は、カバー1の中心部を中心とする同一円周上に設けられている。すなわち、熱検出素子5は、カバー1の中心から同一の距離だけ離れている。そして、熱検出素子5は、熱検出素子5a、5b、5c及び5dの4つからなり、熱検出素子5aは5bと、5cは5dと対向して、点対称の位置に設けられている。
【0015】
熱感知器10の制御回路12は、熱検出素子5a、5b、5c、5dがそれぞれ接続しており、火災受信機20の制御回路21とも接続している。そして、制御回路12は、各熱検出素子5から周囲温度に対応する出力値を受信する。その後、制御回路12は、熱検出素子5の出力値に基づいて、周囲温度を判別し、コード化された信号等を火災受信機20の制御回路21へ出力している。
【0016】
図2及び図3を参照して、本発明の熱感知器1が接続される火災受信機20の構成を説明する。
[火災受信機20の構成]
21は、火災受信機20の制御回路で、熱感知器の制御回路12と接続されている。制御回路21は、制御回路12から出力される各熱検出素子5の周囲温度の情報を受信し、火災の判定と、火源30の方向を特定する演算を行う。そして、制御回路21は、演算処理して求めた火源30の位置情報を表示装置23に出力する。
【0017】
23は表示装置で、液晶画面等のモニタからなり、制御回路21から出力された火源30の位置情報を受信すると、火源30の位置を表示するものである。
【0018】
図1乃至図3を参照して、制御回路21による火源30の方向を特定する演算の例を説明する。
[火源30の方向を特定する演算方法1]
熱検出素子5a〜5dは、カバー1の仕切壁3に仕切られた区画にそれぞれ位置しており、熱検出素子5a〜5dの高さより仕切壁3の高さの方が高くなっている。そのため、火源30から発生する熱気流が天井を伝って、熱感知器10に当たったときに、熱気流の方向(火源30の方向)にある仕切壁3に囲まれた区画の熱検出素子5の周囲が最も温度が高くなる。より詳細には、仕切壁3で囲まれた区画の開口部(熱感知器10の外縁の一部)の向きが、熱気流の方向である場合、その区画の熱検出素子5の周囲の温度が最も高くなる。以下、仕切壁3で囲まれた区画の開口部の方向を、その区画に設けられた熱検出素子5の方向とする。
【0019】
一方、熱気流の方向以外を向いている区画は、仕切壁3で熱気流が各区画にある熱検出素子5に当たることを防いでいるので、それらの区画の熱検出素子5の周囲の温度は上昇しづらくなる。
【0020】
つまり、火源30から近い位置にある熱検出素子5ほど周囲は高い温度となり、大きな出力値を出力する。一方、火源30から遠い位置にある熱検出素子5ほど、周囲は低い温度となり、小さな出力値を出力する。
【0021】
制御回路21は、熱検出素子5a〜5dの周囲温度の情報信号(出力値)を受信すると、対向する熱検出素子5同士の温度差を演算して求める。図1のように、熱検出素子5aと5b、並びに5cと5dが対向して設けられている場合、熱検出素子5aと5bとの温度差、そして熱検出素子5cと5dとの温度差を求める。
【0022】
そして、制御回路21は、その温度差の履歴を、温度差の数値と、高い温度を検出した熱検出素子5の方向の両方の情報を併せ持つベクトル値に変換し、熱検出素子5aと5bの方向を結んだ直線をX軸、熱検出素子5cと5dの方向を結んだ直線をY軸とする直交座標系において合成演算する。高い温度を検出した熱検出素子5の方向の情報とは、具体的には、熱検出素子5aの値が5bの値より大きければX軸上の負の値とし、熱検出素子5bの値が5aの値より大きければX軸上の正の値とし、熱検出素子5cの値が5dの値より大きければY軸上の負の値とし、熱検出素子5dの値が5cの値より大きければY軸上の正の値とする、ということである。
【0023】
図1及び図3に基づいて、火災が起きたときの制御回路21による火源30の方向の特定方法を具体的な値を用いて、説明する。
【0024】
図3(a)では、熱検出素子5bと5dの中間あたりの方向に火源30が発生した場合である。この場合、各熱検出素子5a〜5dから出力値が制御回路21に出力される。ここでは、熱検出素子5の出力値を簡略化して説明することとし、熱検出素子5aの出力値を1、熱検出素子5bの出力値を9、熱検出素子5cの出力値を2、熱検出素子5dの出力値を6とする。
【0025】
まず、制御回路21は、対となる熱検出素子5a及び5b、並びに熱検出素子5cと5dの出力値の差分を求めて、向き情報を併せ持つベクトル値に変換する。図3(a)の例では、出力値の差分を求めると、熱検出素子5bの値が5aの値より大きいのでX軸方向に+8、熱検出素子5dの値が5cの値より大きいのでY軸方向が+4となる。X軸、Y軸からなる直交座標系においては、熱検出素子5bと5aの差が(X,Y)=(8,0)となり、矢印Aで表され、熱検出素子5dと5cの差が(X,Y)=(0,4)となり、矢印Bで表される。このベクトル値(矢印A及びB)を合成すると、(X,Y)=(8,4)となり、矢印Cで表される。矢印Cは、熱検出素子5bの方向(矢印Bの方向)とのなす角が約26.6度となり、この矢印Cの方向が火源の方向を示している。
【0026】
つまり、上記の例の場合、火源30は熱検出素子5bと5dの中間の方向にあり、より詳細には、カバー1の中心と熱検出素子5bとを結んだ直線と、カバー1の中心と火源30とを結んだ直線とのなす角が約26.6度になる位置に、火源30が位置する。すなわち、制御回路21が演算した矢印CとX軸又はY軸とのなす角により、火源の方向がわかる。
【0027】
上記では対になる熱検出素子5同士の差を求めてベクトル値に変換し、その値を合成演算することで火源30の方向を特定する方法を示したが、下記のように、各熱検出素子5の出力値をベクトル値に変換し、全ての値を合成演算することで、火源30の方向を特定することもできる。その火源30の方向の特定方法を図1及び図6を用いて、以下に説明する。
[火源30の方向を特定する演算方法2]
制御回路21は、熱検出素子5a〜5dの周囲温度の情報(出力値)を受信すると、その出力値を各熱検出素子5a〜5dの方向によるベクトル値に変換して、それらのベクトル値を合成演算する。より詳細には、図1のように、熱検出素子5aと5b、並びに5cと5dが対向して設けられている場合、熱検出素子5aと5bの方向を結んだ直線をX軸、熱検出素子5cと5dの方向を結んだ直線をY軸とする直交座標系において、各熱検出素子5の出力値はベクトル値として演算することができる。具体的には、熱検出素子5aの値をX軸上の負の値とし、熱検出素子5bの値をX軸上の正の値とし、熱検出素子5cの値をY軸上の負の値とし、熱検出素子5dの値をY軸上の正の値とする。
【0028】
火災が起きたときの制御回路21による火源30の方向の特定方法を具体的な値を用いて、説明する。
【0029】
図4では、熱検出素子5bと5dの中間あたりの方向に火源30が発生した場合である。この場合、各熱検出素子5a〜5dから出力値が制御回路21に出力される。ここでは、熱検出素子5の出力値を簡略化して説明することとし、熱検出素子5aの出力値を3、熱検出素子5bの出力値を7、熱検出素子5cの出力値を2、熱検出素子5dの出力値を9とする。
【0030】
まず、制御回路21は、各熱検出素子5の出力値を直交座標系におけるベクトル値として演算するために、熱検出素子5aの出力値を(X,Y)=(−3,0)、熱検出素子5bの出力値を(X,Y)=(7,0)、熱検出素子5cの出力値を(X,Y)=(0,−2)、熱検出素子5dの出力値を(X,Y)=(0,9)と変換する。これらを直交座標軸上に表したものが図4であり、熱検出素子5aのベクトル値が矢印D、熱検出素子5bのベクトル値が矢印E、熱検出素子5cのベクトル値が矢印F、熱検出素子5dのベクトル値が矢印Gとなる。
【0031】
そして、制御回路21は、各熱検出素子5の出力値を変換したベクトル値を合成する。図3において、矢印D〜Gの4つのベクトル値を合成したものが矢印Hとなり、矢印Hが火源30の方向を示している。上記の例では、矢印Hは(X,Y)=(4,6)となり、X軸とのなす角は約60.2度である。つまり、カバー1の中心と熱検出素子5bとを結んだ直線と、カバー1の中心と火源30とを結んだ直線とのなす角が60.2度になる位置に、火源30が位置する。
【0032】
図1及び図2を参照して、本発明の熱感知器10の動作例を説明する。
[動作説明]
先ず、火災が発生すると、火源30の周囲の空気が熱せられて、熱気流の対流が起こる。そして、熱気流により熱感知器10周囲の空気が熱せられると、熱検出素子5の電気抵抗が変化し、その変化の出力値は、制御回路12によって火災受信機20の制御回路21に出力される。
【0033】
次に、火災受信機20の制御回路21は、熱検出素子5a〜5dのうち、1つでも火災確定とする閾値を超える温度を検出した場合には、火災と判定する。火災受信機20は、火災と判別したときに、警報部に火災信号を出力し、ブザー鳴動や表示灯の点灯、火災の通報等の処理を行う。
【0034】
それと同時に、上述したいずれかの方法で、制御回路21は、熱検出素子5a〜5dの出力値による火源30の位置の特定を行う。そして、火源30の位置情報を表示装置23に出力する。
【0035】
最後に、制御回路21は、火源30の位置情報を表示装置23に出力し、表示装置23は火源30の位置を表示する。表示の方法としては、例えば、熱感知器10が備えられる火災報知設備全体の地図が表示されており、その地図上で火災を感知した熱感知器10と火源30の位置を表示すると良い。
【0036】
本発明にかかる熱感知器10は以上のように、仕切壁3に仕切られた区画に熱検出素子5がそれぞれ設けられていることから、火源30に近い熱検出素子5ほど高い温度を検出できるため、火源の方向を特定することができる。
【0037】
また、熱検出素子5は4つあり、カバー1の中心部を中心とする同一円周上に全て設けられており、熱検出素子5aは5bと、5cは5dと対向して、点対称の位置に設けられているため、それぞれの熱検出素子5の出力値をベクトル値に変換することで、精度良く火源30の位置を特定することができる。
【0038】
なお、各熱検出素子5は、火源30の方向を特定できるようにカバー1に配置されていれば良く、図1図5に示した配置に限定されず、それ以外の配置であっても良い。例えば、熱検出素子5は4つ設けられていると説明したが、それ以外の個数でも良く、少なくとも2つ以上あれば良い。熱検出素子5と同じ数だけカバー1上に区画ができるように仕切壁があれば良い。熱検出素子5が2つの場合は、おおよそどちらの位置に火源30があるかがわかる。
【0039】
また、本発明の実施の形態では、火災受信機20の制御回路21が、各熱検出素子5の出力値を演算して火源30の方向を特定したが、熱感知器10の制御回路12が、火災受信機20の制御回路21と同様に、各熱検出素子5の出力値を演算することで火源30の方向を特定するようにしても良い。さらに、熱感知器10の制御回路12が、火源30の方向の特定と共に、火災の判定を行っても良い。
【0040】
また、本発明の実施の形態では、熱検出素子5を図1のようなサーミスタで説明したが、図6のように、フレキシブル基板9上に集熱パターン6を設け、チップサーミスタ部8を備える平板状の熱検出素子7でも良い。このような熱検出素子7の場合、図5に示すように、カバー1の側面に4枚貼付すれば良く、隣り合う熱検出素子7同士を90度おきに貼付すれば良い。具体的には、熱検出素子7aは7bと、熱検出素子7cは7dと対向しており、それぞれはカバー1の中心を対称の中心とする点対称の位置に設けられる。
【符号の説明】
【0041】
1 カバー、3 仕切壁、5(5a、5b、5c、5d) 熱検出素子、6 集熱パターン、7(7a、7b、7c、7d) 熱検出素子、8 チップサーミスタ部、9 フレキシブル基板、10 熱感知器、12 制御回路、20 火災受信機、21 制御回路、23 表示手段、30 火源、A〜H 矢印。
図1
図2
図3
図4
図5
図6