(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139891
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】印刷面位置合わせ装置及び印刷機
(51)【国際特許分類】
B41F 33/08 20060101AFI20170522BHJP
B41F 33/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
B41F33/08 S
B41F33/00 290
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-8560(P2013-8560)
(22)【出願日】2013年1月21日
(65)【公開番号】特開2014-138988(P2014-138988A)
(43)【公開日】2014年7月31日
【審査請求日】2015年11月17日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度経済産業省令「戦略的基盤技術高度化支援事業」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】592162564
【氏名又は名称】株式会社ミノグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】野々田 剛
【審査官】
外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−162035(JP,A)
【文献】
特開昭61−016856(JP,A)
【文献】
特開昭61−118249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 3/00−86
B41F 15/00−46
B41F 17/14
B41F 33/00−18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した被印刷体を一定の向きに供給する供給装置から連続的に供給される被印刷体に、回転軸を中心として回転させることにより印刷を行うためのロール状の印版と、
前記供給装置により供給される連続した被印刷体の供給の向きと反対の向きに前記ロール状の印版を誘導する誘導手段と、
設置面に設置するための基部と、
前記印版及び前記誘導手段を載置する移動部と、
前記基部に設置され、前記移動部を載置して、前記印版の回転中心軸と前記誘導手段による前記ロール状の印版の誘導の向きとの位置関係を保持したまま、前記印版及び前記誘導手段の水平面上の方向を変更する変更手段と、
を備えたことを特徴とする印刷面位置合わせ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷面位置合わせ装置において、
前記変更手段は、
前記被印刷体の供給方向と同一のX軸方向への直線移動、前記X軸と直交するY軸方向への直線移動、前記X軸及び前記Y軸の双方に直交するZ軸の周りの回転移動をする複数の移動モジュールを前記基部に載置するとともに、前記複数の移動モジュール上に前記移動部を載置するよう構成され、
前記複数の移動モジュールの作動を組み合わせることにより、前記移動部を前記X軸方向、前記Y軸方向及び前記Z軸周りに移動させることにより、前記印版及び前記誘導手段の水平面上の方向を変更することを特徴とする印刷面位置合わせ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷面位置合わせ装置において、
前記被印刷体は、印刷面位置の基準を示す基準印を有し、
前記変更手段に設置され、前記基準印を含む、前記ロール状の印版による印刷面の画像を前記印刷面の上側から取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得した前記印刷面の画像の前記基準印の位置に基づき、前記被印刷体の供給方向と前記印版による印刷方向とが一致するように前記変更手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷面位置合わせ装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の印刷面位置合わせ装置と、
ロール状に巻いた状態の被印刷体を連続的に供給する供給装置と、
前記印刷面位置合わせ装置のロール状の印版により印刷を行った前記被印刷体をロール状に巻き取る巻取装置と、
を備えたことを特徴とする印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の被印刷体に高速で高精度の印刷を行うための、印刷面位置合わせ装置及びそれを用いた印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール状に巻かれた被印刷体が連続的に供給され、供給された被印刷体に平板の印版を用いて印刷する印刷機があった。このような印刷機においては、供給される被印刷体と平板の印版の位置がずれることがあるため、
図4に示すように、被印刷体(7)に設けられた、印刷面の基準位置を示す基準印(以下、ターゲットマークともいう)に合わせて、平板の印版(100)の位置を一致させるように、印版の左右方向及び水平面上の回転方向を調整できるようにして、印刷の精度を向上させるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−48445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の平板の印版に代えて、ロール状の印版を用いると、連続した被印刷体に、より高速で印刷を行うことができるため、印刷のコスト低減に有利であるため、近年採用されつつある。
【0005】
ところが、印版をロール状にした場合、ロール状の印版を回転させながら被印刷体の供給の向きと反対の向きにスライドさせながら被印刷体に印刷を行うため、ロール状の印版をスライドさせる方向と被印刷体の供給方向とが一致していない場合には、単にロール状の印版の左右及び水平面上の回転方向を調整できるようにしただけでは、スライド方向が印刷体の供給方向とが一致しないままであるため、印刷位置の調整を行うことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、連続した被印刷体にロール状の印版で高速かつ高精度に印刷を行うことができる印刷面位置合わせ装置及びそれを用いた印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。
【0008】
上記「発明が解決しようとする課題」において述べた問題を解決するためになされた発明は、ロール状の印版(10)、誘導手段(20)
、基部(60)、移動部(70)及び変更手段(30)を備えた印刷面位置合わせ装置(5)である。
【0009】
ロール状の印版(10)は、連続した被印刷体(7)を一定の向きに供給する供給装置(40)から連続的に供給される被印刷体(7)に、回転軸を中心として回転させることにより印刷を行うためのものである。
【0010】
誘導手段(20)は、供給装置(40)により供給される連続した被印刷体(7)の供給の向きと反対の向きにロール状の印版(10)を誘導するものであり、
基部(6)は、設置面に設置するためのものであり、移動部(70)は、印版(10)及び誘導手段(20)を載置するものであり、変更手段(30)は、
基部(60)に設置され、移動部(70)を載置して、ロール状の印版(10)の回転中心軸と誘導手段(20)によるロール状の印版(10)の誘導の向きとの位置関係を保持したまま、ロール状の印版(10)及び誘導手段(20)の水平面上の方向を変更するものである。
【0011】
このような印刷面位置合わせ装置(5)によれば、連続した被印刷体(7)にロール状の印版(10)で高速かつ高精度に印刷を行うことができる印刷面位置合わせ装置(5)とすることができる。以下その理由を説明する。
【0012】
供給装置(40)から連続した被印刷体(7)が一定の向きに供給され、ロール状の印版(10)が誘導手段(20)によって、被印刷体(7)の供給の向きと反対方向に誘導されつつ、回転することによって被印刷体(7)に印刷が行われる。したがって、従来の平板の印版による印刷に比べて高速に印刷を行うことができる。
【0013】
ところが、被印刷体(7)が供給される方向とロール状の印版(10)の誘導方向とが一致していなければ、被印刷体(7)に対し斜めに印刷がなされてしまうことになるので、高精度に印刷をすることができない。
【0014】
ここで、従来の平板の印版による印刷機と同様に、ロール状の印版(10)のみの水平面上の方向を変化させても、ロール状の印版(10)は、回転しつつ誘導させるため、やはり、被印刷体(7)に対して斜めに印刷が行われてしまい、高精度の印刷ができないという問題は解消できない。
【0015】
そこで、
基部(60)に設置され、移動部(70)を載置する変更手段(30)により、ロール状の印版(10)の回転中心軸と誘導手段(20)によるロール状の印版(10)の誘導の向きとの位置関係を保持したまま、ロール状の印版(10)及び誘導手段(20)の水平面上の方向を変更すれば、回転しながら移動するロール状の印版(10)の移動方向(誘導方向)と被印刷体(7)の供給方向とが一致するため、斜めに印刷されることがなくなり、高精度の印刷が可能となる。
【0016】
なお、被印刷体(7)とは、紙やフィルムなど、凹版から直接印刷する媒体以外にもオフセット印刷で用いるブランケットなどの中間転写体を含んでいる。さらに、紙以外にも、電子回路を絶縁フィルムに印刷して形成する場合の絶縁フィルム等も含む意味である。
【0017】
ところで、ロール状の印版(10)の回転中心軸と誘導手段(20)と、によるロール状の印版(10)の誘導の向きとの位置関係を保持するには種々の方法が考えられるが、請求項2に記載のよう
に、変更手段(30)は、被印刷体(7)の供給方向と同一のX軸方向への直線移動、X軸と直交するY軸方向への直線移動、X軸及びY軸の双方に直交するZ軸の周りの回転移動をする複数の移動モジュール(32)を基部(60)に載置するとともに、複数の移動モジュール(32)上に移動部(70)を載置するよう構成され、複数の移動モジュール(32)の作動を組み合わせることにより、移動部(70)をX軸方向又はY軸方向に移動させたりZ軸周りに回転させたりすることにより、ロール状の印版(10)及び誘導手段(20)の水平面上の方向を変更するようにするとよい。
【0018】
このようにすると、ロール状の印版(10)と誘導手段(20)とを移動部(70)上に載置した状態で、移動部(70)のみを、X軸方向への移動、Y軸方向への移動及びZ軸周りに回転させるだけで、ロール状の印版(10)と誘導手段(20)の位置関係を保持したまま、ロール状の印版(10)と誘導手段(20)の方向を変更することができるため、印刷面位置合わせ装置(5)を簡易な構造とすることができる。
【0019】
また、請求項3に記載のように、被印刷体(7)は、印刷面位置の基準を示す基準印を有し、変更手段(30)に設置され、基準印を含む、ロール状の印版(10)による印刷面の画像を、印刷面の上側から取得する画像取得手段(80)と、画像取得手段(80)により取得した印刷面の画像の基準印の位置に基づき、被印刷体(7)の供給方向とロール状の印版(10)による印刷方向とが一致するように変更手段(30)を制御する制御手段(90)とを備えるようにするとよい。
【0020】
このようにすると、画像取得手段(80)で印刷面の画像を取得するという簡易な構成で印刷面の位置合わせができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の印刷面位置合わせ装置(5)と、ロール状に巻いた状態の被印刷体(7)を連続的に供給する供給装置(40)と、印刷面位置合わせ装置(5)のロール状の印版(10)により印刷を行った被印刷体(7)をロール状に巻き取る巻取装置(50)とを備えたことを特徴とする印刷機(1)である。
【0021】
このような、印刷機(1)は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、供給装置(40)と巻取装置(50)とが、被印刷体(7)をロール状にして収納しているので、大量の被印刷体(7)を小さな容量で保持することができる。したがって、高速で大量の印刷に適した印刷機(1)とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】ロール状の印版による印刷面の位置合わせ方法の説明図である。
【
図3】ロール状の印版による印刷面の位置合わせ方法の説明図である。
【
図4】従来の平板の印版による印刷面の位置合わせの方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
(印刷機1の構成)
図1は、印刷機1の概略の構成を示す外観図であり、
図1(a)は正面図、
図1(b)は平面図、
図1(c)は右側面図である。
図1に示すように、印刷機1は、供給装置40、巻取装置50及び印刷面位置合わせ装置5を備えている。
【0024】
供給装置40は、ロール状に巻いた状態の被印刷体7を連続的に供給する装置であり、ステンレスなどの金属材料を円柱状に形成したローラ42、ローラ42から繰り出される被印刷体7を印刷面位置合わせ装置5に導入するための補助ローラ44,45,46及びローラ42を回転駆動する供給用モータ48を備えている。
【0025】
そして、被印刷体7をローラに巻き付けた状態で保持し、印刷中に、後述する制御部90からの制御信号により、供給用モータ48でギヤを介してローラ42を回転駆動することにより、補助ローラ44,45,46を介して、ロール状に巻かれた被印刷体7を連続的に供給する。
【0026】
巻取装置50は、印刷面位置合わせ装置5のロール状の印版10により印刷を行った被印刷体7をロール状に巻き取る装置であり、ステンレスなどの金属材料を円柱状に形成したローラ52と、ローラ52を回転駆動させる巻取用モータ54とを備えている。
【0027】
そして、後述する制御部90からの制御信号により、巻取用モータ54でローラ52を回転駆動することにより、印刷が完了した被印刷体7をローラに巻き付けながら保持する。
【0028】
印刷面位置合わせ装置5は、ロール状の印版10、ガイド部20、変更部30、基部60、移動部70、カメラ80及び制御部90を備えている。
ロール状の印版10は、連続した被印刷体7を一定の向きに供給する供給装置40から連続的に供給される被印刷体7に、回転軸を中心として回転させることにより印刷を行うための装置である。
【0029】
具体的には、アルミや鉄あるいは硬質樹脂を積層してスリーブ状に形成し、その表面にレーザ加工等による凹溝を形成した凹版の中空部分に、鉄やアルミなどの金属製のローラ12を挿入してロール状にしたものである。
【0030】
ガイド部20は、供給装置40により供給される連続した被印刷体7の供給の向きと反対の向きにロール状の印版10を誘導する装置であり、スライド部22とガイドレール24とを備えている。
【0031】
スライド部22は、ロール状の印版10のローラ12の両端部を支持する筐体25、ローラ12を回転駆動するローラ用モータ26、スライド部22全体を
図1(a)中で左右方向にスライド駆動させるためのスライド用モータ27及びローラ12を上昇/下降させるためのアクチュエータ28を備えている。
【0032】
印刷時には、ロール状の印版10をアクチュエータ28により印刷面まで下降させ、ローラ用モータ26でロール状の印版10を回転させつつ、スライド用モータ27によりガイドレール24上を、巻取装置50側から供給装置40側(
図1(a)中、左側から右側)に移動させながら印刷する。
【0033】
印刷が終了すると、ロール状の印版10をアクチュエータ28により上昇させた後、スライド用モータ27によりガイドレール24上を供給装置40側から巻取装置50側(
図1(a)中、右側から左側)へ移動させる。
【0034】
供給装置40から被印刷体7を供給しつつ、このような作動を繰り返すことによって、ロール状の印版10で、連続して供給される被印刷体7に、連続的に印刷を行う。
変更部30は、ロール状の印版10の回転中心軸とガイド部20によるロール状の印版10の誘導の向きとの位置関係を保持したまま、ロール状の印版10及びガイド部20の水平面上の方向を変更する装置である。
【0035】
変更部30は、複数の移動モジュール32から構成されている。1つの移動モジュール32は、被印刷体7の供給方向と同一のX軸方向への直線移動、X軸と直交するY軸方向への直線移動、X軸及びY軸の双方に直交するZ軸の周りの回転移動をする、いわゆるXYθ型のアライメントモジュールである。
【0036】
各移動モジュール32は、基部60に載置されて固定されるとともに、各移動モジュール32上には移動部70が載置され、固定されている。
そして、複数の移動モジュール32の作動を組み合わせることにより、移動部70をX軸方向、Y軸方向及びZ軸周りに移動させることにより、ロール状の印版10及びガイド部20の水平面上の方向を変更するようになっている。
【0037】
基部60は、印刷機1を工場などの設置面に設置するための鉄などの金属製のいわゆる定盤であり、底面には、印刷機1を水平に設置するための高さを調整できる高さ調整部62が設けられている。
【0038】
移動部70は、ロール状の印版10及びガイド部20を載置するための鉄などの金属製の平板であり、変更部30の複数の移動モジュール32の上に載置され、固定されている。
【0039】
カメラ80は、CCDや撮像管を用いたカメラであり、スライド部22に取り付けられた支柱64の先端に、基準印(ターゲットマーク)を含む印版10による印刷面の画像を印刷面の上側から取得できるように取り付けられている。また、カメラ80の画像信号は、制御部90に出力される。
【0040】
制御部90は、図示しないCPU、ROM、RAM、I/O及び操作盤を兼ねた液晶ディスプレイ92などを備えた装置であり、カメラ80により取得した印刷面の画像の基準印の位置に基づき、被印刷体7の供給方向とロール状の印版10による印刷方向とが一致するように変更部30を制御する。
(印刷機1の作動)
次に、
図2及び
図3に基づいて、印刷機1の作動について説明する。被印刷体7には、
図2及び
図3中に「A」で示すように印刷面位置の基準を示す基準印(ターゲットマーク)が印刷されており、
図2(a)に左向きの実線の矢印で示すように、この被印刷体7が供給装置40から連続的に印刷面位置合わせ装置5に供給される。
【0041】
印刷面位置合わせ装置5では、被印刷体7の供給方向とロール状の印版10による印刷方向(ガイドレール24の長手方向)とが一致するように変更部30を制御する。
つまり、カメラ80で被印刷体7の画像を取得し、取得した画像を画像データとして制御部90に入力する。
【0042】
制御部90では、画像処理によりターゲットマークを抽出し、抽出したターゲットマークの位置から、画像処理により、被印刷体7の供給方向とロール状の印版10による印刷方向とのズレの量を算出し、算出したズレの量を0にするように、複数の移動モジュール32に制御信号を出力して、移動部70を水平方向に移動させる。
【0043】
例えば、
図2(b)に左向きの実線の矢印で示す被印刷体7と、右向きの破線の矢印で示すロール状の印版10のガイド方向とにズレが生じた状態では、被印刷体7にはロール状の印版10から、ずれた状態で印刷がなされてしまう。
【0044】
ここで、
図3(a)に示すように、従来の平板の印版と同様に(
図4参照)、ロール状の印版10の方向のみを被印刷体7の供給方向と同じにすると、ロール状の印版10は、被印刷体7に対して縦方向にずれてガイドされることになるので、やはりずれた印刷しかできないこととなる。
【0045】
そこで、
図3(b)に示すように、ロール状の印版10のガイド方向を決定するガイドレール24とロール状の印版10のガイド方向の位置関係を保ったまま、つまり、ガイドレール24とロール状の印版10との方向を一緒に変化させ、ガイド方向が被印刷体7の供給方向と一致するようにするのである。
【0046】
このようにして、ガイドレール24及びロール状の印版10の方向を被印刷体7の供給方向と一致させるようにした後、ロール状の印版10を回転駆動させ、ガイドレール24に沿ってスライドさせつつ、被印刷体7に印刷を行う。
【0047】
なお、被印刷体7には、紙やフィルムなど、凹版から直接印刷する媒体以外にもオフセット印刷で用いるブランケットなどの中間転写体を含んでいる。さらに、紙以外にも、電子回路を絶縁フィルムに印刷して形成する場合の絶縁フィルム等も含んでいる。
(印刷機1の特徴)
以上のような印刷機1では、変更部30により、ロール状の印版10の回転中心軸とガイド部20によるロール状の印版10の誘導の向きとの位置関係を保持したまま、ロール状の印版10及びガイド部20の水平面上の方向を変更できるようになっている。
【0048】
したがって、回転しながら移動するロール状の印版10の移動方向(ガイドレールによるガイド方向)と被印刷体7の供給方向とが一致するため、斜めに印刷されることがなくなり、高精度の印刷が可能となる。
【0049】
また、移動部70の位置の変更に、いわゆるXYθのアライメントモジュールを用いているため、ロール状の印版10とガイド部20とを移動部70上に載置した状態で、X軸方向への移動、Y軸方向への移動及びZ軸周りに回転させるだけで、ロール状の印版10とガイド部20の位置を変更することができるため、印刷面位置合わせ装置5を簡易な構造とすることができる。
【0050】
さらに、ターゲットマークを含む印刷面の画像を印刷面の上側からカメラ80で取得し、取得した印刷面の画像のターゲットマークの位置に基づき、被印刷体7の供給方向とロール状の印版10による印刷方向とが一致するように変更部30を制御しているため、カメラ80で印刷面の画像を取得し、画像処理を行うという簡易な構成で印刷面の位置合わせができるようになる。
【0051】
供給装置40と巻取装置50とで、被印刷体7をロール状にして収納しているので、大量の被印刷体7を小さな容量で保持することができる。したがって、高速印刷に適した印刷機1とすることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0052】
上記実施形態では、カメラ80で取得した画像を画像処理することによって、移動部70の位置合わせを行っていたが、供給装置40から供給される被印刷体7の位置を光センサなどの位置センサで検出し、検出した被印刷体7のガイドレール24からのずれを算出して、位置合わせをするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1… 印刷機 5… 印刷面位置合わせ装置 7… 被印刷体 10… ロール状の印版 12… ローラ 20… ガイド部 22… スライド部 24… ガイドレール 25… 筐体 26… ローラ用モータ 27… スライド用モータ 28… アクチュエータ 30… 変更部 32… 移動モジュール 40… 供給装置 42… ローラ 44,45,46… 補助ローラ 48… 供給用モータ 50… 巻取装置 52… ローラ 54… 巻取用モータ 60… 基部 62… 調整部 64… 支柱 70… 移動部 80… カメラ 90… 制御部 92… 液晶ディスプレイ。