(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について、各図面を参照しながら以下に説明する。
【0023】
[医療機器システムの概略]
図1は、本実施形態に係る医療機器システム9の構成図である。本図に示すように医療機器システム9は、A型体温計1、B型体温計2、中継機3、LAN[Local Area Network]4、情報管理装置5、および端末機(6、6a)等を有している。以下では、病院内で利用される医療機器システム9について説明するが、本発明の医療機器システムの用途はこれに限られない。また以下の説明における「病院」は、特に断りの無い限り、医療機器システム9が設けられた病院を指す。
【0024】
A型体温計1およびB型体温計2は、主に患者の体温(生体情報の一形態)を計測するために用いられる装置である。A型とB型の何れについても、例えば患者ごとに別々の体温計を使用することが出来るように、複数個(
図1では、何れについても4個の体温計が例示されている)が設けられている。但し医療機器システム9において、A型体温計1の個数が1個だけであっても良く、B型体温計2の個数が1個だけであっても良い。
【0025】
またA型とB型では異なる仕様となっており、基本的には、その仕様に合った用途に利用される。A型体温計1は、所定周期で間欠的に(定期的に)体温を計測すべき状況に適した仕様となっており、基本的にはそのような状況において利用される。またB型体温計2は、必要に応じて(任意のタイミングで)体温を計測すべき状況に適した仕様となっており、基本的にはそのような状況において利用される。
【0026】
また各体温計(1、2)は、中継機3との無線通信を行うことが可能である。この無線通信は、主に、体温計測の結果のデータ(計測結果データ)を情報管理装置5等へ向けて送信するために利用される。各体温計(1、2)の具体的な構成および動作内容については、改めて詳細に説明する。
【0027】
中継機3は、各体温計(1、2)との無線通信を行う機能を有するとともに、LAN4に接続されており、LAN4を介した各機器との通信を行うことが可能である。中継機3は主に、各体温計(1、2)から無線受信したデータを、LAN4を介して各機器へ転送する役割を果たす。
【0028】
中継機3は、例えば病室ごとに設置され、同じ病室内にある各体温計(1、2)と無線通信を行うように設定されている。そのため、各体温計(1、2)と中継機3との間においては電波を遮蔽するものは殆ど無く、距離も十分に短いため、これら双方間の無線通信は非常に少ない電力で実現可能である。
【0029】
LAN4は、病院内に設けられた通信用ネットワークである。LAN4は主に、中継機3、情報管理装置5、および端末機6の間における通信に用いられる。
【0030】
情報管理装置5は、病院内の各種医療情報の管理に用いられる装置である。情報管理装置5は、例えば患者ごとの個人情報(名前、性別、年齢、および住所等)、病名、および各種検査結果のデータ等が入力され、入力されたデータを整理して記録する。情報管理装置5のより詳細な動作内容については、改めて説明する。
【0031】
端末機6は、主に病院の関係者(医師や看護師など)に使用される機器であり、LAN4に接続するように設定されている。端末機6は、使用者の操作指示に従って情報管理装置5へデータ送信要求を行い、これに応じて情報管理装置5から送信される情報を受信することが可能である。
【0032】
これにより端末機6の使用者は、必要に応じて、情報管理装置5に記録されているデータを端末機6に表示させ、確認することが可能である。また端末機6は、LAN4に無線接続する携帯型(例えばスマートフォン等)であっても良く、据置型(例えばパーソナルコンピュータ等)であっても良い。携帯型の場合は、LAN4に無線接続できる範囲であれば、場所を問わず手軽にデータを確認できる点で便利である。
【0033】
なお端末機6は、各体温計(1、2)との直接的な通信、或いは、中継機3を介した通信が実行可能となっていても良い。またこの場合に端末機6は、使用者の操作指示に従って各体温計(1、2)から計測結果データを受信し、受信した計測結果データを表示させるようにしても良い。
【0034】
端末機6aは、例えばiPad(登録商標)のようなタブレット型の端末機であり、上述した中継機3、情報管理装置5、および端末機6の基本的な役割を兼ねる。すなわち端末機6aは、各体温計(1、2)との直接的な(中継機を介さない)無線通信が可能であり、各体温計(1、2)から受信した計測結果データ等を整理して記録する。また更に端末機6aは、使用者の操作指示に従って、各体温計(1、2)から受信した計測結果データ等をリアルタイムに表示したり、記録済みである過去の計測結果データ等を表示したりする。また端末機6aは、情報管理装置5との情報交換を適宜行い、各種情報の共有化を図るようになっていても良い。なお医療機器システム9には、使用者が計測結果データの確認等に利用できる端末機として、上述した端末機(6、6a)の他にも、様々なタイプの端末機が含まれ得る。
【0035】
[A型体温計の構成等]
次に、A型体温計1の構成等について説明する。
図2は、A型体温計1の構成に関するブロック図である。本図に示すようにA型体温計1は、半導体装置P1、ゼーベック素子11、および温度センサ12を備えている。半導体装置P1は、例えば半導体集積回路装置であり、電源回路13、監視回路14、および体温計測部15を有している。
【0036】
ゼーベック素子11は、ゼーベック効果を利用して発電を行う薄板状の発電素子であり、表側の面(第1端)と裏側の面(第2端)の温度差に応じて電力を発生させる。ゼーベック素子11が発生させた電力Ea1は、電源回路13に送られる。なお詳しくは後述するが、A型体温計1は、体温を利用してゼーベック素子11に効率良く温度差を発生させるように、工夫された形状となっている。
【0037】
温度センサ12は、例えばサーミスタであり、温度を継続的に検知する機能を有している。温度センサ12の検知信号St1(温度を示すアナログ信号)は、体温計測部15へ送られる。
【0038】
電源回路13は、電圧や電流を調節するレギュレータの機能を有している。電源回路13は、ゼーベック素子11から受ける電力Ea1の電圧や電流を調節し、調節後の電力を、各部へ駆動電力として供給する。より具体的には、電源回路13は、体温計測部15の駆動に用いられる駆動電力Eb1を体温計測部15へ供給するとともに、監視回路14の駆動に用いられる駆動電力Ecを監視回路14へ供給する。
【0039】
また電源回路13は、駆動電力Eb1の供給のオン/オフが切替可能となっている。駆動電力Eb1の供給がオンのときには、体温計測部15へ駆動電力Eb1が供給されるが、オフのときには供給されない。なお駆動電力Eb1の供給ラインは、コンデンサC1を介して接地されている。コンデンサC1は、駆動電力Eb1の平滑化などを行う役割を果たす。
【0040】
監視回路14は、体温計測の処理を開始するべき開始タイミングTsの到来を監視する。開始タイミングTsは、既定の周期Taで訪れるタイミングである。例えば1日(24時間)に3回の体温計測が必要な場合には、周期Taは8(=24/3)時間に設定される。また周期Taや初回の開始タイミングTs等は、適宜、更新可能に設定される。またこれらは、看護師の巡回の時間に合わせて設定されるようにしても良い。
【0041】
監視回路14は計時手段を有しており、開始タイミングTsの到来を、当該計時手段を用いて監視する。より詳細に説明すると監視回路14は、当該計時手段としてカウンタ141を有している。カウンタ141は、リセット時からの相対時間を繰返しカウントするものであって、周期Taの長さをカウントする度にリセットされるようになっている。
【0042】
カウンタ141は、このようにリセット時からの相対時間をカウントするだけで良く、絶対的な時間をカウントする必要が無いため、比較的簡易な構成によって実現され得る。またカウンタ141は、絶対的な時間を計測する時計手段に比べて処理負担が少なく、その分電力消費が小さくなっており、A型体温計1の省電力化を極力阻害しないようになっている。
【0043】
なお一般的に、リアルタイムクロックのような絶対的な時間を計測する構成とするためには、高価な水晶発振子や消費電力の大きなタイム回路等が必要となる。この点、監視回路14の場合には、次の計測開始時までの時間が判別できれば事足りるので、簡易な構成のカウンタ141が設けるようにし、省電力化などが実現されるよう配慮されている。またカウンタ141の場合には、周期Taの長さをカウントする度にリセットされるので、絶対的な時間を計測する時計手段に比べ、時間計測の精度が低くても大きな問題とはならない。
【0044】
また監視回路14は、開始タイミングTsの到来の監視結果に基づいて電源回路13を制御する。当該制御の具体的内容については、後述の説明により明らかとなる。
【0045】
体温計測部15は、A/D変換回路151、マイコン(マイクロコンピュータ)152、メモリ153、および無線通信回路154を有しており、駆動電力Eb1の供給を受けて体温計測の処理を実行することが可能である。体温計測部15は、駆動電力Eb1の供給が開始されると、体温計測の処理を開始するように構成されている。
【0046】
A/D変換回路151は、温度センサ12の検知信号St1が入力される。A/D変換回路151は、当該信号にA/D(アナログ/デジタル)変換の処理を行い、処理済みのデジタル信号をマイコン152へ出力する。
【0047】
マイコン152は、A/D変換回路151から入力されるデジタル信号に基づいて、体温計測の結果を表す計測結果データD1を生成する。なお計測結果データD1の生成手法は、当該デジタル信号の値がそのまま採用される形態には限られず、例えば、当該デジタル信号に所定の演算処理を施すことによって平衡温を予測し、この予測された平衡温を計測結果データD1とする形態であっても良い。
【0048】
マイコン152は、生成した計測結果データD1を、メモリ153および無線通信回路154へ送出する。またマイコン152は所定の状況下において、電源回路13の制御を行うようになっている(後述するステップS16の動作を参照)。
【0049】
メモリ153は、例えばフラッシュメモリ或いはFeRAM(Ferroelectric RAM)であり、マイコン152から受けた計測結果データD1を、不揮発的に記録する。メモリ153に記録された計測結果データD1は、例えばA型体温計1にディスプレイが設けられている場合、このディスプレイに表示されるようにしても良い。
【0050】
無線通信回路154は、自機(A型体温計1)のID情報を付随させて、計測結果データD1を中継機3或いは端末機6aへ無線送信する。中継機3へ送信された情報は、情報管理装置5等へ届くことになる。
【0051】
なお無線通信回路154は、マイコン152から受ける計測結果データD1をリアルタイムに送信するようにしても良く、メモリ153に蓄えられた計測結果データD1を纏めて送信するようにしても良い。体温計測部15の各要素(151〜154)が上述した動作を行うことにより、体温計測の処理が遂行される。
【0052】
図3は、A型体温計1の概略的な形状を示す説明図である。なお
図3の下側には上面図が示され、
図3の上側には視点Xによる側方断面図が示されている。本図に示すようにA型体温計1は、全体的に見て一方向(
図3では左右方向)へ長く伸びた薄いシート状となっている。
【0053】
伸びた方向の一端の近傍には第1先端部SA1が形成されており、他端の近傍には第2先端部SA2が形成されている。第1先端部SA1と第2先端部SA2の間には、中間部SA3が形成されている。
【0054】
またA型体温計1は全体的に見て、当該シート状の厚み方向に幾つかの層を形成している。より具体的には、まず最下層として、粘着層L1が形成されている。粘着層L1は第1先端部SA1から第2先端部SA2にまで及び、下側の面は粘着性をもっている。また粘着層L1は極力薄く形成され、厚み方向の熱伝達が出来るだけ阻害されないようになっている。
【0055】
粘着層L1のすぐ上側には、比較的熱を伝え難い下側断熱層L2が形成されている。下側断熱層L2は第1先端部SA1から中間部SA3(第2先端部SA2のすぐ手前)にまで及んでいる。但し第1先端部SA1においては、厚み方向の位置が下側断熱層L2とほぼ同じ部分に、ゼーベック素子11および半導体装置P1が設けられている。下側断熱層L2は、これらの要素(11、P1)とは干渉しないように適切に形成されている。
【0056】
下側断熱層L2のすぐ上側には、伝熱層L3が形成されている。伝熱層L3は、例えば金属により形成され、各断熱層(L2、L4)に比べて十分に熱を伝え易くなっている。伝熱層L3は、第1先端部SA1から第2先端部SA2にまで及んでおり、第2先端部SA2においては粘着層L1に接している。
【0057】
伝熱層L3のすぐ上側には、上側断熱層L4が形成されている。上側断熱層L4は、下側断熱層L2と同様に比較的熱を伝え難くなっており、第1先端部SA1から中間部SA3(第2先端部SA2のすぐ手前)にまで及んでいる。このように各断熱層(L2、L4)は、伝熱層L3と隣合うように設けられている。
【0058】
なお薄板状のゼーベック素子11は、表側の面が粘着層L1に接触しており、裏側の面が伝熱層L3に接している。なお図示を省略しているが、温度センサ12は、第1先端部SA1における半導体装置P1の近傍(例えば半導体装置P1と粘着層L1の間)に設けられている。体温を精度良く検知可能とするため、温度センサ12は出来るだけ下側に(人体に接近する位置に)設けられることが望ましい。
【0059】
またA型体温計1は、粘着層L1を用いて人体へ貼り付けられることにより、人体に接触するように位置決めされて使用される。より具体的には
図4に示すように、A型体温計1は、第1先端部SA1が脇の下に接触し、かつ、第2先端部SA2が二の腕の外側に接触するように、二の腕に貼り付けられて使用される。
【0060】
このようにA型体温計1は、脇の下と二の腕の外側を繋ぐように二の腕に貼り付けて使用されるため、長時間に亘って連続使用される場合であっても、位置決めされた状態を維持させることが容易である。またA型体温計1は、全体的に薄いシート状になっていることから、二の腕に密着するように撓ませることは容易である。
【0061】
なお人の体温に着目すると、脇の下は比較的体温が高いが、二の腕の外側は、脇の下に比べて体温が低いことが知られている。そのため、
図4に示すようにA型体温計1が位置決めされた状態では、人体の高温部(脇の下)に第1先端部SA1が接触し、高温部より体温の低い低温部(二の腕の外側)に、第2先端部SA2が接触している。そしてゼーベック素子11の表側の面が当該高温部へ向き、伝熱層L1が、ゼーベック素子11の裏側の面から当該低温部へ近づくように伸びた形態となっている。
【0062】
これにより、
図4に示すようにA型体温計1が位置決めされた状態では、ゼーベック素子11の表側の面への体温の熱の伝わり易さが、裏側の面への体温の熱の伝わり易さより、十分に高くなっている。そのため体温を利用して、ゼーベック素子11の表裏に効率良く温度差を発生させ、ゼーベック素子11の発電効率を高めることが可能である。またA型体温計1に設けられた断熱層は、高温部から熱が逃げない(高温部の温度を下げない)ようにし、ゼーベック素子11の発電効率の向上にも役立っている。
【0063】
なお下側断熱層L2は、伝熱層L2へ体温が伝わり難くしており、これにより伝熱層L2の温度上昇が抑えられる。なお伝熱層L2へ体温が伝わり難くするため、例えば中間部SA3における人体との接触面を、
図3に示すような平坦な形状とする代わりに、凹凸が設けられた形状(人体との間により多くの隙間が生じる形状)としても良い。
【0064】
[A型体温計の動作等]
次にA型体温計1が行う主要な動作について、
図5に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0065】
体温計測の処理の開始を待機する待機モードにおいて、監視回路14は、開始タイミングTsの到来を監視する(ステップS11)。なおA型体温計1の動作モードが待機モードであるとき、電源回路13による駆動電力Eb1の供給はオフとなっており、体温計測の処理は実行されない。そのためA型体温計1における電力消費は、極力抑えられる。
【0066】
監視回路14は、開始タイミングTsの到来を検出すると(ステップS11のY)、駆動電力Eb1の供給をオンに切替えさせるように電源回路13を制御する(ステップS12)。これにより電源回路13は、体温計測部15への駆動電力Eb1の供給を開始させる。
【0067】
体温計測部15は、駆動電力Eb1の供給が開始されたことに伴い、体温計測の処理を開始する(ステップS13)。また体温計測の処理を実行している間、マイコン152は、体温計測の処理を終了するべき終了タイミングTeの到来を監視する(ステップS14)。
【0068】
終了タイミングTeは、各開始タイミングTsから既定の時間後に訪れるタイミングである。例えば1回あたりの体温計測の時間を1時間とする場合、終了タイミングTeは、各開始タイミングTsから1時間後となるように設定される。この場合には、各開始タイミングTsから1時間に亘って体温計測の処理が行われ、その間に得られた計測結果データD1が端末機6aへ(或いは中継機3を介して情報管理装置5等へ)送られることになる。
【0069】
なお体温計測の処理は上記形態の他、例えば、所定のアルゴリズムにより体温が正しく計測された(平衡温が計測された)と判別された時点で、終了されるようになっていても良い。この場合には、体温が正しく計測されたと判別された時点が、終了タイミングTeとなる。
【0070】
マイコン152は、終了タイミングTeの到来を検出すると(ステップS14のY)、体温計測の処理を終了させ(ステップS15)、駆動電力Eb1の供給をオフに切替えさせるように電源回路13を制御する(ステップS16)。これにより電源回路13は、体温計測部15への駆動電力Eb1の供給を終了させる。以降、A型体温計1は待機モードとなり、ステップS11の動作が繰り返される。
【0071】
このようにA型体温計1は、体温計測の処理が実行されない期間(終了タイミングTeから開始タイミングTsまでの期間)の駆動電力Eb1の供給量を、体温計測の処理が実行される期間(開始タイミングTsから終了タイミングTeまでの期間)の駆動電力Eb1の供給量より少なくする。より具体的に説明するとA型体温計1は、開始タイミングTsの到来に応じて駆動電力Eb1の供給をオンに切替え、終了タイミングTeの到来に応じて駆動電力Eb1の供給をオフに切替える。これにより、電力の無駄が抑えられるようになっている。
【0072】
なおA型体温計1の動作については上述した形態の他、各種の形態を採用することが可能である。一例としてA型体温計1は、体温計測の処理(但し、計測結果データD1の送信は省略する)を開始タイミングTsから20秒間行い、その後10秒ごとに端末機6aまたは中継機3との通信(メモリ153に記録された計測結果データD1の無線送信)を試みる。また当該通信が成功した時点が、終了タイミングTeとされる。
【0073】
また他の例として周期Taは1時間に設定され、終了タイミングTeは開始タイミングTsから20秒後とされる。そしてA型体温計1は、体温計測の処理(但し、計測結果データD1の送信は省略する)を、開始タイミングTsから終了タイミングTeまでの20秒間だけ行う。そしてA型体温計1は、8時間に1回、メモリ153に記録された過去8時間分の計測結果データD1を、端末機6aまたは中継機3へ纏めて無線送信する。この例では、無線送信の頻度が比較的低く抑えられるため、その分、A型体温計1における電力消費を抑えることが可能となる。なお上記の何れの例においても、開始タイミングTsから終了タイミングTeまでの期間を除いて駆動電力Eb1の供給はオフとされるため、その分、電力消費は抑えられる。
【0074】
[B型体温計の構成等]
次に、B型体温計2の構成等について説明する。
図6は、B型体温計2の構成に関するブロック図である。本図に示すようにB型体温計2は、半導体装置P2、温度センサ21、圧力センサ22、バッテリ23、およびLCD[Liquid Crystal Display]24を備えている。半導体装置P2は、例えば半導体集積回路装置であり、電源制御回路25および体温計測部26を有している。
【0075】
温度センサ21は、例えばサーミスタであり、温度を継続的に検知する機能を有している。温度センサ21の検知信号St2(温度を示すアナログ信号)は、体温計測部26へ送られる。圧力センサ22は、圧力を継続的に検知する機能を有している。圧力センサ21の検知信号Sp(圧力を示す信号)は、電源制御回路25へ送られる。
【0076】
バッテリ23は、例えばボタン型電池であり、電源制御回路25へ電力Ea2を送出する。またLCD24は、各種情報の表示に用いられるディスプレイである。
【0077】
電源制御回路25は、バッテリ23から受ける電力Ea2を用いて、体温計測部26の駆動に用いられる駆動電力Eb2を生成し、体温計測部26へ供給する。また電源制御回路25は、駆動電力Eb2の供給のオン/オフを切替えることが可能である。駆動電力Eb2の供給がオンのときには、体温計測部15へ駆動電力Eb2が供給されるが、オフのときには供給されない。
【0078】
体温計測部26は、A/D変換回路261、マイコン(マイクロコンピュータ)262、LCDドライバ263、および無線通信回路264を有しており、駆動電力Eb2の供給を受けて体温計測の処理を実行することが可能である。体温計測部26は、駆動電力Eb2の供給が開始されると、体温計測の処理を開始するように構成されている。
【0079】
A/D変換回路261は、温度センサ21の検知信号St2が入力される。A/D変換回路261は、当該信号にA/D(アナログ/デジタル)変換の処理を行い、処理済みのデジタル信号をマイコン262へ出力する。
【0080】
マイコン262は、A/D変換回路261から入力されるデジタル信号に基づいて、体温計測の結果を表す計測結果データD2を生成する。なお計測結果データD2の生成手法は、当該デジタル信号の値がそのまま採用される形態には限られず、例えば、当該デジタル信号に所定の演算処理を施すことによって平衡温を予測し、この予測された平衡温を計測結果データD2とする形態であっても良い。
【0081】
マイコン262は、生成した計測結果データD2を、LCDドライバ263および無線通信回路264へ送出する。またマイコン262は所定の状況下において、電源制御回路25の制御を行うようになっている(後述するステップS27の動作を参照)。
【0082】
LCDドライバ263は、マイコン262から受取る情報に基づいて、各種情報が表示されるようにLCD24を駆動させる。体温計測の処理の実行中において、LCDドライバ263は、マイコン262から逐次受取る最新の計測結果データD2に基づき、最新の計測値が表示されるようにLCD24を駆動させる。
【0083】
無線通信回路264は、自機(B型体温計2)のID情報を付随させて、計測結果データD2を中継機3或いは端末機6aへ無線送信する。中継機3へ送信された情報は、情報管理装置5等へ届くことになる。
【0084】
なお無線通信回路264は、マイコン262から逐次受ける計測結果データD2をリアルタイムに送信するようにしても良く、不図示のメモリに蓄えられた計測結果データD2を纏めて送信するようにしても良い。体温計測部26の各要素(261〜264)が上述した動作を行うことにより、体温計測の処理が遂行される。
【0085】
図7は、B型体温計2の概略的な外観形状を示す説明図である。本図に示すようにB型体温計2は、全体的に見て、本体部SB1から突出部分が設けられた形状となっており、突出部分の先端近傍には先端部SB2が形成されている。本体部SB1にはLCD24が設けられており、先端部SB2には、温度センサ21および圧力センサ22が設けられている。
【0086】
B型体温計2は、
図8に示すように、先端部SB2が脇の下に挟み込まれた状態で(このように位置決めされた状態で)使用される。なおこの状態でも本体部SB1は脇の下に挟み込まれておらず、ユーザがLCD24の表示を確認することは可能である。
【0087】
先端部SB2が脇の下にしっかりと挟み込まれると、温度センサ21は体温を精度良く検知する。しかしこの挟み込みが甘いと、温度センサ21への体温の伝達が妨げられたり、脇の下から外部へ体温が逃げ易くなったりするため、温度センサ21による体温の検知精度が低下し、B型体温計1によって体温を正しく計測することは難しくなる。
【0088】
電源制御回路24は、圧力センサ22の検知信号Spに基づいて、先端部SB2の挟み込みの強さを監視することが可能である。すなわちこの挟み込みの強さの度合が高いほど、先端部SB2が受ける圧力は増大し、検知信号Spの値は高くなる。電源制御回路24はこのような相関関係を利用し、先端部SB2の挟み込みの強さを監視することが出来る。なお当該監視がどのような目的で行われるかについては、後述の説明により明らかとなる。
【0089】
[B型体温計の動作等]
次にB型体温計2が行う主要な動作について、
図9に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0090】
体温計測の処理の開始を待機する待機モードにおいて、電源制御回路25は、先端部SB2の挟み込みの強さが所定の基準度合αを超えたか否かを監視する(ステップS21)。この基準度合αは、温度センサ21が体温を十分に精度良く検知するために必要と考えられる強さの度合として、予め適切に設定されている。
【0091】
なおB型体温計2の動作モードが待機モードであるとき、電源制御回路25による駆動電力Eb2の供給はオフとなっており、体温計測の処理は実行されない。そのためB型体温計2における電力消費は、極力抑えられる。
【0092】
電源制御回路25は、先端部SB2の挟み込みの強さが基準度合αを超えたこと(圧力センサ22の検知信号Spの値が、基準度合αに対応した値を超えたこと)を検出すると(ステップS21のY)、駆動電力Eb2の供給をオンに切替える(ステップS22)。これにより電源制御回路25は、体温計測部26への駆動電力Eb2の供給を開始させる。
【0093】
体温計測部26は、駆動電力Eb2の供給が開始されたことに伴い、体温計測の処理を開始する(ステップS23)。また体温計測の処理が実行されている間、電源制御回路25は、先端部SB2の挟み込みの強さが基準度合αを下回ったか否かを監視する(ステップS24)。また体温計測の処理が実行されている間、マイコン262は、体温計測の処理が完了したか否か(例えば、当該処理の開始時から所定時間が経過したか否か)を監視する(ステップS25)。
【0094】
先端部SB2の挟み込みの強さが基準度合αを下回った場合には(ステップS24のY)、電源制御回路25はその旨をマイコン262へ通知する。マイコン262はこの通知を受けて、先端部SB2の挟み込みが甘くなっている(そのため、体温を正しく計測することが難しくなっている)ことをユーザに報知するための報知情報を出力する(ステップS26)。
【0095】
この報知情報の出力は、所定の視覚的情報または聴覚的情報を出力することにより実現される。この報知情報の出力は、例えば、LCD24に既定のメッセージを表示させる形態であっても良く、B型体温計2にスピーカが設けられている場合には、このスピーカに既定の音声(ビープ音など)を鳴らさせる形態であっても良い。
【0096】
報知情報が出力されることにより、ユーザは挟み込みが甘くなっていることに気付き、先端部SB2がしっかりと挟み込まれるように注意することが出来る。なおB型体温計2は、体温計測の処理が開始される際にも、その旨を報知するための情報出力(ビープ音等の出力)を行うようにしても良い。
【0097】
体温計測の処理が完了したときには(ステップS25のY)、マイコン262は、駆動電力Eb2の供給をオフに切替えさせるように電源制御回路25を制御する。これにより電源制御回路25は、体温計測部26への駆動電力Eb2の供給をオフにする(ステップS27)。
【0098】
以降、B型体温計2は待機モードとなり、ステップS21の動作が繰り返される。このようにB型体温計2によれば、体温計測の処理が完了すると自動的に駆動電力Eb2の供給をオフとするため、電力消費が抑えられ、バッテリ23の交換周期を長くすることが可能である。
【0099】
以上に説明した通りB型体温計2は、先端部SB2の挟み込みの強さが基準度合αを超えたことに応じて、駆動電力Eb2の供給を開始させる。そのためB型体温計2は、ユーザによる電源スイッチの操作等を要することなく、使用される際には自動的に電源オンの状態となるため便利である。
【0100】
またB型体温計2は、先端部SB2の挟み込みの強さが基準度合αを超えたことに応じて、体温計測の処理を開始させるようにもなっている。そのためB型体温計2によれば、しっかりと挟み込まれていない状態で体温計測の処理が開始されることにより、体温計測が正しく行われなくなる事態を防ぐことが出来る。
【0101】
なお体温計測の処理が開始される際にビープ音等が出力される場合は、先端部SB2が正しく挟み込まれているか否か(挟む力加減が適切か否か)の情報を、ユーザにフィードバックさせることが出来る。また小さい子供などの体温を計測する際、従来の体温計によればしっかり脇に挟まれているか否かを判断することは難しいが、このようにビープ音等が出力される場合には、しっかり脇に挟まれているか否かを判断することは容易である。
【0102】
[情報管理装置]
情報管理装置5は、入力された各種のデータを整理して記録する。この入力されるデータには、A型体温計1から送信された計測結果データD1、およびB型体温計2から送信された計測結果データD2も含まれる。すなわち送信された計測結果データ(D1、D2)は、中継機3およびLAN4を介して情報管理装置5へ届けられ、情報管理装置5に入力される。
【0103】
情報管理装置5が行う主要な動作について、
図10に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。なお以下の説明では、A型体温計1およびB型体温計2を「体温計」と総称し、計測結果データD1および計測結果データD2を「計測結果データ」と総称する。
【0104】
情報管理装置5は、新規患者の情報の入力(ステップS31)、体温計からの計測結果データの入力(ステップS32)、および端末機6からのデータ送信要求(ステップS33)を待機する(この状態を待機状態とする)。
【0105】
新規患者の情報が入力されると(ステップS31のY)、情報管理装置5は、入力された新規患者の情報を登録する(ステップS34)。なお新規患者の情報には、新規患者の個人情報や病名(医師による診断結果)に加え、その患者に使用する体温計のID情報も含まれる。新規患者の情報の入力は、端末機6の操作により行われるようにしても良い。
【0106】
また計測結果データが入力されると(ステップS32のY)、情報管理装置5は、入力された計測結果データを患者に対応付けて記録する(ステップS35)。入力された計測結果データには体温計のID情報が付随しており、かつ、使用される体温計のID情報が患者ごとに予め登録されているため(ステップS34の動作を参照)、計測結果データを患者に対応付けて記録することは可能である。
【0107】
なお使用する体温計は患者ごとに決められている。そのため入力された計測結果データを患者に対応付けて記録することは、当該計測結果データを、その患者に使用する体温計(当該計測結果データを送信した体温計に一致する)に対応付けて記録することとも言える。
【0108】
また情報管理装置5は、現在の年月日および時刻(絶対時間)を把握する時計機能を有しており、計測された年月日および時刻が特定される形態で、計測結果データを記録する。情報管理装置5は、例えば、計測結果データが入力された(計測結果データを受信した)時点の時刻、或いは、その時刻に基づいて計測が行われたと推測される時刻を、計測された時刻とみなす。
【0109】
図11は、情報管理装置5における計測結果データの記録形態を、模式的に示している。
図11に示す例では、各患者に患者IDが割当てられており、患者ごとに、個人情報、体温計のID情報、および各回の計測結果(計測結果データ)が記録されている。
【0110】
また端末機6からのデータ送信要求がなされると(ステップS33のY)、情報管理装置5は、この要求に応じてデータを送信する(ステップS36)。例えば、患者IDを指定した計測結果データの送信要求があると、情報管理装置5は、その患者IDに対応する記録済みの計測結果データを、要求元の端末機6へ送信する。
【0111】
なお情報管理装置5は、計測結果データを患者に対応付けて記録しているため、このような要求に応えることは容易である。送信された計測結果データは端末機6において表示され、医師や看護師がこれを参照することにより、その患者の診療に役立てられる。情報管理装置5は、上述の各動作(S34〜S36)を行った後には、再び待機状態に戻る。
【0112】
以上に説明した通り情報管理装置5は、各体温計から送信された計測結果データを取得し、当該取得した計測結果データを、その計測結果データを送信した体温計と対応付けて記録する。情報管理装置5は、逐次取得する計測結果データをこのように整理して記録し、適切に管理する。なお情報管理装置5だけでなく、端末機6aにおいても、上述した一連の動作(S31〜S36)が実行されるようにしても良い。
【0113】
[A型体温計に関する変形例等]
A型体温計1は、「間欠的に生体情報を計測するものであって、前記計測の処理を実行する計測部と、発電素子を有し、該発電素子の発電電力を用いて前記計測部へ駆動電力を供給する電力供給部と、前記駆動電力の供給量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記計測の処理が実行されない期間の前記供給量を、前記計測の処理が実行される期間の前記供給量より少なくする」構成とした生体情報計測装置(便宜的に、「A型生体情報計測装置」と称する)の一形態である。
【0114】
なお「駆動電力の供給量を少なくする」ことは、駆動電力の供給量をゼロとする(駆動電力の供給をオフとする)ことをも含む概念である。またA型体温計1の場合には、体温が「生体情報」に相当し、ゼーベック素子11が「発電素子」に相当している。
【0115】
A型生体情報計測装置は発電素子を有しており、この発電素子の発電電力を用いて計測部へ駆動電力を供給する。すなわちA型生体情報計測装置は、当該駆動電力の全部または一部を自給するため、その分、必要となる外部からの供給電力を抑えることが可能である。
【0116】
また更にA型生体情報計測装置は、計測の処理が実行されない期間の前記供給量を、計測の処理が実行される期間の前記供給量より少なくする。計測の処理が実行されない期間においては、計測部の駆動電力は不要或いは比較的少なくて済む。A型生体情報計測装置によれば、この点を考慮して当該駆動電力の供給量が制御されるため、電力の無駄が抑えられる。このようにA型生体情報計測装置によれば、間欠的に生体情報を計測するものでありながら、省電力の性能を高めることが可能となっている。
【0117】
またA型生体情報計測装置の具体的形態については、A型体温計1の形態に限られず、その主旨を逸脱しない範囲において種々の変形を加えることが可能である。A型生体情報計測装置の変形例に関し、以下の通り補足する。
【0118】
A型生体情報計測装置は、生体情報として体温を計測するものには限られず、例えば、血圧、心拍数、或いは血中酸素飽和度といった他種の生体情報を計測するように構成されても構わない。また生体情報の計測の処理は、生体情報を量的に捉えてその結果を何らかの目的に用いる様々な処理を含む概念であり、このような主旨を逸脱しない限り、その具体的形態は問わない。
【0119】
A型体温計1はバッテリ(ボタン電池等)が不要であるため、その分のコスト削減および形状の小型化(薄型化)が可能であり、またバッテリの廃棄時における分別の問題は回避される。但しA型生体情報計測装置は、電力を供給するバッテリが設けられるようにしても構わない。
【0120】
図12は、バッテリが設けられる構成に変形させたA型体温計1aのブロック図を示す。A型体温計1aの構成や動作は、バッテリ16が設けられるようにした点を除き、基本的にA型体温計1と同等である。
【0121】
バッテリ16は放電を行うことにより、電源回路13へ電力Edを送出する。これにより電源回路13には、ゼーベック素子11から電力Ea1が供給されるとともに、バッテリ16から電力Edが供給される。そして電源回路13は、電力Ea1と電力Edを合わせた電力について電圧や電流を調節し、調節後の電力を、駆動電力Eb1や駆動電力Ecとして各部へ供給する。
【0122】
この変形例によれば、電力Ea1だけでは各駆動電力(Eb1、Ec)の供給に際して電力が不足する場合であっても、電力Edが不足分を補うことにより、各駆動電力(Eb1、Ec)の供給を適切に行うことが可能である。またバッテリ16を充電可能としておけば、例えばA型体温計1aの待機モード時において、電力Ea1の余剰分がバッテリ16に充電されるようにしておき、ゼーベック素子11の発電電力をより有効に活用することが可能となる。
【0123】
[B型体温計に関する変形例等]
B型体温計2は、「生体情報を検知する生体情報センサを有し、該生体情報センサが身体の一部に挟み込まれた使用状態で前記生体情報を計測するものであって、前記計測の処理を実行する計測部と、前記挟み込みの強さが所定の基準度合を超えたか否かの監視を行う監視部と、前記監視の結果に基づいて自機を制御する制御部と、を備えた」構成の生体情報計測装置(便宜的に、「B型生体情報計測装置」と称する)の一形態である。
【0124】
なおB型体温計2の場合には、体温が「生体情報」に相当し、温度センサ21が「生体情報センサ」に相当し、脇が「身体の一部」に相当している。また、挟み込みの強さが基準度合を超えたか否かの監視の結果に基づいて、制御部が自機をどのように制御するかについては、種々の態様とされ得る。
【0125】
一例として制御部は、生体情報センサの挟み込みの強さが基準度合を超えたことに応じて、計測部への駆動電力の供給を開始させるようにしても良い。この場合には、例えば、ユーザによる電源スイッチ(機械的スイッチ)の操作等を不要とすることが出来る。そのため、使用時におけるユーザの操作負担は軽減され、電源スイッチを操作し忘れるといった不都合も回避される。
【0126】
また他の例として制御部は、生体情報センサの挟み込みの強さが基準度合を超えたことに応じて、計測の処理を開始させるようにしても良い。この場合には、例えば、しっかりと挟み込まれていない状態で(正しい計測が難しい状態で)計測の処理が開始される事態を防ぐことが出来る。
【0127】
このように「生体情報センサが身体の一部に挟み込まれた使用状態で生体情報を計測する」B型生体情報計測装置において、生体情報センサの挟み込みの強さは、当該計測装置が使用されようとしているか、或いは挟み込みの態様が適切であるか等を判断する際の指標となり得る。
【0128】
このことを利用して、当該計測装置の利便性が向上するように、制御部が自機をどのように制御するかを決定しておくことが出来る。そのためB型生体情報計測装置によれば、生体情報センサが身体の一部に挟み込まれた状態で生体情報を計測するものでありながら、利便性を向上させることが容易である。
【0129】
またB型生体情報計測装置の具体的形態については、B型体温計2の形態に限られず、その主旨を逸脱しない範囲において種々の変形を加えることが可能である。B型生体情報計測装置の変形例に関し、以下の通り補足する。
【0130】
B型生体情報計測装置は、生体情報として体温を計測するものには限られず、例えば、血圧、心拍数、或いは血中酸素飽和度といった他種の生体情報を計測するように構成されても構わない。この場合には、計測する生体情報の種類に応じて、適切な生体情報センサが選定される。また生体情報の計測の処理は、生体情報を量的に捉えてその結果を何らかの目的に用いる様々な処理を含む概念であり、このような主旨を逸脱しない限り、その具体的形態は問わない。
【0131】
B型生体情報計測装置は、生体情報センサが脇に挟み込まれた状態で使用されるものには限られず、例えば、舌下と口腔の壁に挟み込まれた状態で使用されるものであっても良く、直腸内に挟み込まれた状態で使用されるものであっても良い。
【0132】
監視部は、挟み込みの強さが基準度合を超えたか否かの監視を、圧力センサの検知結果に基づいて行うものには限られない。例えば、監視部は焦電センサを有し、該焦電センサの検知結果(検知された温度)に基づいて当該監視を行うようにしても良い。焦電センサを脇などに挟み込まれる箇所に設けておくことにより、挟み込みの強さの度合が高いほど、体温により焦電センサの温度が上昇する。そのため、挟み込みの強さの度合と焦電センサの検知結果には相関関係があり、焦電センサの検知結果に基づいて当該監視を行うことは可能である。
【0133】
またB型生体情報計測装置は、挟み込みがなされる際に得られる運動エネルギーを電気エネルギーに変換する電力発生装置を備えるようにしても良い。この電力発生装置としては、例えば、圧電素子、エレクトレット、或いは磁力を利用して振動発電を行う装置が挙げられる。
【0134】
そして監視部は、当該電力発生装置が発生させる電気エネルギー(電気信号)に基づいて、挟み込みの強さが基準度合を超えたか否かの監視を行うようにしても良い。当該電力発生装置を脇などに挟み込まれる箇所に設けておくことにより、挟み込みの強さの度合が高いほど、発生する電気エネルギーは大きくなる。そのため、挟み込みの強さの度合と当該電気エネルギーの大きさには相関関係があり、当該電気エネルギーに基づいて当該監視を行うことは可能である。
【0135】
また電力供給部は、当該電力発生装置が発生させる電気エネルギーを、計測部の駆動電力の一部とするように構成されていても良い。この場合には、当該電気エネルギーを用いる分だけ、当該駆動電力の供給に要する電力を削減することが可能となる。
【0136】
またB型生体情報計測装置は、身体への貼り付けに用いられる粘着部を備え、前記使用状態は、前記生体情報センサが脇に挟み込まれ、かつ、前記粘着部が体へ貼り付けられた状態である構成としても良い。このようにすれば、例えば、生体情報センサが意図せずに脇から抜け落ちるといった不都合を、出来るだけ防ぐことが可能となる。
【0137】
またB型生体情報計測装置は、身体への貼り付けがなされてから所定時間(例えば、当該貼り付けがなされてから生体情報センサが平衡温に達するまでの予定時間として、10分程度)が経過したときに、前記計測の処理を開始させる構成としても良い。なお身体へ貼り付けられたことを検出する手法としては、貼り付けに伴う電極間の抵抗値変化を監視する手法、貼り付けによる圧力の上昇を監視する手法、或いは機械的スイッチを用いる手法等が挙げられる。
【0138】
本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。