特許第6139898号(P6139898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 学校法人近畿大学の特許一覧 ▶ 日本精機株式会社の特許一覧

特許6139898画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法
<>
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000002
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000003
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000004
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000005
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000006
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000007
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000008
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000009
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000010
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000011
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000012
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000013
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000014
  • 特許6139898-画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139898
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】画像処理装置、プログラム、及び、画像生成方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 5/20 20060101AFI20170522BHJP
   G06T 5/50 20060101ALI20170522BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G06T5/20
   G06T5/50
   H04N5/66 D
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-20938(P2013-20938)
(22)【出願日】2013年2月5日
(65)【公開番号】特開2014-153785(P2014-153785A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】竹之内 守
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝司
【審査官】 佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】 A. Oliva et al.,Hybrid images,SIGGRAPH'06 ACM SIGGRAPH 2006 Papers ,ACM,2006年,Volume 25 Issue 3,Pages 527-532
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00 − 7/90
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−1画像と、第1−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−2画像と、を合成した第1合成画像を生成する第1合成画像生成手段と、
第2−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−1画像と、第2−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−2画像と、を合成した第2合成画像を生成する第2合成画像生成手段と、
前記第1合成画像生成手段が生成した前記第1合成画像と前記第2合成画像生成手段が生成した前記第2合成画像とを用いて前記第1合成画像と前記第2合成画像とを含む1つの画像を生成して出力する出力手段と、を備え、
前記第1−1低周波数帯と前記第2−1低周波数帯とは帯域が異な又はピークの周波数が異な、及び/又は、前記第1−2高周波数帯と前記第2−2高周波数帯とは帯域が異な又はピークの周波数が異な
第1視認環境下では、視認者により、前記第1合成画像が前記第1−1画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第2視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第3視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−2画像に見える、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1合成画像生成手段は、第1−1元画像の周波数スペクトルのうちから前記第1−1低周波数帯を抽出して前記第1−1画像を生成する第1−1生成手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1合成画像生成手段は、第1−2元画像の周波数スペクトルのうちから前記第1−2高周波数帯を抽出して前記第1−2画像を生成する第1−2生成手段を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2合成画像生成手段は、第2−1元画像の周波数スペクトルのうちから前記第2−1低周波数帯を抽出して前記第2−1画像を生成する第2−1生成手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2合成画像生成手段は、第2−2元画像の周波数スペクトルのうちから前記第2−2高周波数帯を抽出して前記第2−2画像を生成する第2−2生成手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1合成画像生成手段は、第1元画像から第1−1元画像を取得し、取得した前記第1−1元画像の周波数スペクトルのうちから前記第1−1低周波数帯を抽出して前記第1−1画像を生成する第1−1生成手段と、前記第1元画像から第2−1元画像を取得し、取得した第2−1元画像の周波数スペクトルのうちから前記第2−1低周波数帯を抽出して前記第2−1画像を生成する第2−1生成手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1合成画像生成手段は、第2元画像から第1−2元画像を取得し、取得した前記第1−2元画像の周波数スペクトルのうちから前記第1−2高周波数帯を抽出して前記第1−2画像を生成する第1−2生成手段と、前記第2元画像から第2−2元画像を取得し、取得した前記第2−2元画像の周波数スペクトルのうちから前記第2−2高周波数帯を抽出して前記第2−2画像を生成する第2−2生成手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
第1−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−1画像と、第1−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−2画像と、を合成した第1合成画像を生成する第1合成画像生成手段、
第2−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−1画像と、第2−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−2画像と、を合成した第2合成画像を生成する第2合成画像生成手段、
前記第1合成画像生成手段が生成した前記第1合成画像と前記第2合成画像生成手段が生成した前記第2合成画像とを用いて前記第1合成画像と前記第2合成画像とを含む1つの画像を生成して出力する出力手段、として機能させ、
前記第1−1低周波数帯と前記第2−1低周波数帯とは帯域が異な又はピークの周波数が異な、及び/又は、前記第1−2高周波数帯と前記第2−2高周波数帯とは帯域が異な又はピークの周波数が異な
第1視認環境下では、視認者により、前記第1合成画像が前記第1−1画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第2視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第3視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−2画像に見える、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
第1−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−1画像と、第1−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−2画像と、を合成する第1合成を行い、
第2−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−1画像と、第2−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−2画像と、を合成する第2合成を行い、
前記第1合成により得られる第1合成画像と前記第2合成により得られる第2合成画像とを含む1つの画像を生成し、
前記第1−1低周波数帯と前記第2−1低周波数帯とは帯域が異なり又はピークの周波数が異なり、及び/又は、前記第1−2高周波数帯と前記第2−2高周波数帯とは帯域が異なり又はピークの周波数が異なり、
第1視認環境下では、視認者により、前記第1合成画像が前記第1−1画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第2視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第3視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−2画像に見える、
ことを特徴とする画像生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置プログラム、及び、画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、非特許文献1には、異なる2つの画像のうちの、一方の画像に対して低周波数帯を通過するローパスフィルタを適用し、他方の画像に対して高周波数帯を通過するハイパスフィルタを適用し、各フィルタ適用後の画像を合成する方法が開示されている。このような合成画像は、例えば、遠くから見た場合と近くから見た場合とで、又は、合成画像を小さくして見た場合と大きくした場合とで、すなわち、視認環境の違いで、合成元の2つの画像のいずれかに見えるという特徴を有している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Hybrid images:GIGGRAPH'06 ACM SIGGRAPH 2006 Papers Pages 527-532
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、視認環境の違いで1つの画像を2通りの画像としてしか表現出来ず、表現の幅が狭かった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、表現の幅が広い合成画像を生成可能な画像処理装置プログラム、及び、画像生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る画像処理装置は、
第1−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−1画像と、第1−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−2画像と、を合成した第1合成画像を生成する第1合成画像生成手段と、
第2−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−1画像と、第2−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−2画像と、を合成した第2合成画像を生成する第2合成画像生成手段と、
前記第1合成画像生成手段が生成した前記第1合成画像と前記第2合成画像生成手段が生成した前記第2合成画像とを用いて前記第1合成画像と前記第2合成画像とを含む1つの画像を生成して出力する出力手段と、を備え、
前記第1−1低周波数帯と前記第2−1低周波数帯とは帯域が異な又はピークの周波数が異な、及び/又は、前記第1−2高周波数帯と前記第2−2高周波数帯とは帯域が異な又はピークの周波数が異な
第1視認環境下では、視認者により、前記第1合成画像が前記第1−1画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第2視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第3視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−2画像に見える、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係るプログラムは、
コンピュータ
第1−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−1画像と、第1−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−2画像と、を合成した第1合成画像を生成する第1合成画像生成手段、
第2−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−1画像と、第2−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−2画像と、を合成した第2合成画像を生成する第2合成画像生成手段、
前記第1合成画像生成手段が生成した前記第1合成画像と前記第2合成画像生成手段が生成した前記第2合成画像とを用いて前記第1合成画像と前記第2合成画像とを含む1つの画像を生成して出力する出力手段、として機能させ、
前記第1−1低周波数帯と前記第2−1低周波数帯とは帯域が異な又はピークの周波数が異な、及び/又は、前記第1−2高周波数帯と前記第2−2高周波数帯とは帯域が異な又はピークの周波数が異な
第1視認環境下では、視認者により、前記第1合成画像が前記第1−1画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第2視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第3視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−2画像に見える、
ことを特徴とする。
本発明の第3の観点に係る画像生成方法は、
第1−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−1画像と、第1−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第1−2画像と、を合成する第1合成を行い、
第2−1低周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−1画像と、第2−2高周波数帯を主要な帯域とする周波数スペクトルを有する第2−2画像と、を合成する第2合成を行い、
前記第1合成により得られる第1合成画像と前記第2合成により得られる第2合成画像とを含む1つの画像を生成し、
前記第1−1低周波数帯と前記第2−1低周波数帯とは帯域が異なり又はピークの周波数が異なり、及び/又は、前記第1−2高周波数帯と前記第2−2高周波数帯とは帯域が異なり又はピークの周波数が異なり、
第1視認環境下では、視認者により、前記第1合成画像が前記第1−1画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第2視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−1画像に見え、
第3視認環境下では、前記視認者により、前記第1合成画像が前記第1−2画像に見え、かつ、前記第2合成画像が前記第2−2画像に見える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表現の幅が広い合成画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】車両を示す図である。
図2】車両用表示制御装置の構成を示す図である。
図3】実施形態1に係る合成元の画像と合成画像を示す図である。
図4】視力判定処理のフローチャートである。
図5】設定処理のフローチャートである。
図6】画像合成処理のフローチャートである。
図7】成人男性が運転姿勢を保持したときの状態を示す図である。
図8】実施形態1に係る基準周波数テーブルを示す図である。
図9】人の顔を表す元画像を合成した合成画像を示す図である。
図10】実施形態1に係る視力判定用の選択画面を示す図である。
図11】実施形態2に係る合成元の画像と合成画像を示す図である。
図12】実施形態2に係る基準周波数テーブルを示す図である。
図13】実施形態2に係る視力判定用の選択画面を示す図である。
図14】(a)〜(c)は、合成元の画像と合成画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る車両用表示制御装置100を、図面を参照しながら説明する。
車両用表示制御装置100は、図1に示す車両1に搭載されており、車両用計器としての機能を有するが、さらに、ユーザ(運転者)の視力を判定する視力判定用機能を有している。ただし、視力判定の際、視力判定用の文字や図形(例えば、ランドルト環)の大きさを、判定する視力、文字や図形からユーザまでの距離に応じて変えることが一般的だが、車両用表示制御装置100は、文字や図形の大きさを変えずに視力を判定することができる。
以下、この車両用表示制御装置100の構成を説明する。
【0011】
車両用表示制御装置100は、図2に示すように、操作部10と、表示部20と、記憶部30と、制御部40とを備え、車両1に搭載されている。
【0012】
操作部10は、タッチパネル、操作スイッチ等を備え、車両1のステアリング2(図1参照)等に配置されている。ステアリング2は、車両1の操舵装置の一部であり、本体部2a(車両1のステアリングシャフトと接続しているスポーク部)と、本体部2aに取り付けられたステアリングホイール2bとから構成されている。操作部10は、ユーザの入力操作の内容を示す操作情報を制御部40に出力する。
【0013】
表示部20は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、OELD(Organic Electro Luminescence Display:有機ELディスプレイ)等を備え、車両用表示制御装置100の前方に向いて配置されている。表示部20は、制御部40から供給された画像信号が表す画像を運転者に表示する。例えば、表示部20は、視力を判定するために使用される視力判定用の画像や、車両の状態情報(車速、エンジン回転数等)を表す画像(指針式計器の画像やデジタルの計器画像等)を表示する。
【0014】
視力判定用の画像は、第1の画像が有する周波数スペクトル(例えば、画像データを離散フーリエ変換することで得られる。)から低周波数成分を抽出した画像と、第2の画像が有する周波数スペクトルから高周波数成分を抽出した画像と、の合成画像(ハイブリッドイメージ)である。ここで、なぜ、合成画像を用いて視力の判定が出来るかを説明する。
【0015】
画像の周波数スペクトルのうち、低周波数成分は、濃淡値の変化が少ない部分を表し、高周波数成分は、濃淡値の変化が多い部分を表す。例えば、一色の背景画像やピンぼけした画像は、濃淡値の変化が少ないので、これら画像は、低周波数成分を主な成分とする周波数スペクトルの画像となる。例えば、被写体の輪郭がはっきりした画像や絵が細かい画像は、濃淡値の変化が多いので、このような画像は、高周波数成分を主な成分とする周波数スペクトルの画像となる。一般に、人間が画像を近くで見るほど、輪郭等がはっきり見えるが、遠くで見るほど、輪郭がぼやけて見え、他の部分が主だって見えるようになる。すなわち、高周波数成分を主とする画像を見るときには近くから見るとよく見え、低周波数成分を主とする画像を見るときには遠くから見るとよく見える。このため、人間は、合成画像を近くで見た場合に、当該合成画像が高周波数成分を主とする第2の画像に見え(正確には例えば第2の画像に写った被写体が合成画像に現れていると見え)、合成画像を遠くで見た場合に、当該合成画像が低周波数成分を主とする第1の画像に見える(正確には例えば第1の画像に写った被写体が合成画像に現れていると見える)。
【0016】
本願発明者は、このような合成画像を用いて視力を判定できることを見出した。具体的には、合成画像を所定距離離れた人間に見せたとき、その人間の視力によって、合成画像の見え方が異なる(第1の画像に見えるか第2の画像に見えるか)ことを見出した。つまり、合成画像をユーザに見せ、そのユーザが第1の画像に見えるか第2の画像に見えるかに応じてユーザの視力を判定できることを見出した。さらに、ユーザと合成画像との距離が一定とならない場合であっても、前記距離に応じて、抽出する低周波数成分や高周波数成分の帯域を変動させることによって、前記距離が変化しても、ユーザの視力を判定できることも見出した。この実施形態は、このようなことを利用したものである。
【0017】
合成画像の例を、図3に示す。図3の合成画像4は、画像4−1が有する周波数スペクトルから基準低周波数(低周波数成分を抽出する際の基準となる周波数)をピークとする低周波数成分を抽出した画像と、画像4−2が有する周波数スペクトルから基準高周波数(高周波数成分を抽出する際の基準となる周波数)をピークとする高周波数成分を抽出した画像と、の合成画像である。なお、基準低周波数は、基準高周波数より低い周波数である。
【0018】
合成画像4は、合成画像4から所定の距離離れたユーザが、所定の視力以上であれば画像4−2(平仮名「ぬ」を表す画像)であると視認し、所定の視力未満であれば画像4−1(平仮名「め」を表す画像)であると視認するという特徴を備えている。つまり、所定距離離れたユーザが、合成画像を画像4−2であると視認した場合(平仮名「ぬ」が見える場合)には、ユーザの視力が所定の視力以上であると判定でき、合成画像を画像4−1であると視認した場合(平仮名「め」が見える場合)には、ユーザの視力が所定の視力未満であると判定できる。また、前記所定距離が変化する場合には、基準低周波数及び/又は基準高周波数を変動させることによって、前記所定距離が変化しても、同じ画像を用いて合成画像を生成して、前記判定と同じ判定ができる。
【0019】
記憶部30は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の記憶装置を備え、後述する視力判定処理等を実行するためのプログラム、各種テーブル、各種データ等を記憶している。
【0020】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)、基本動作プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、ワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)等を備え、ROM、記憶部30等が記憶するプログラムに従って種々の処理を実行する。例えば、制御部40は、視力判定用プログラムに従って後述する視力判定処理を実行する。また、制御部40は、視力判定用プログラムに従って動作することで、距離取得部41、低周波数成分抽出部42、高周波数成分抽出部43、合成部44、表示制御部45、視力判定部46として機能する(これら各部が行う処理は後述する)。なお、制御部40は、少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の各種専用回路から構成されていてもよい。
【0021】
次に、このような構成を有する車両用表示制御装置100の動作について、図4〜6のフローチャートを参照して説明する。
【0022】
制御部40は、車両用表示制御装置100の電源が投入されると、表示部20にメニュー画面を表示する。このメニュー画面には、選択項目「設定」、「視力判定」を含む複数の選択項目が表示されている。ユーザは、操作部10を操作して、複数の選択項目のいずれかを選択する。
【0023】
制御部40は、操作部10からの操作情報に基づいて、ユーザが選択項目「設定」、「視力判定」のいずれかを選択したと判別した場合、視力判定処理を実行する。
【0024】
図4に示すように、制御部40は、操作部10からの操作情報に基づいて、視力判定処理の開始の契機として選択された項目が「設定」、「視力判定」のうち「視力判定」であるか否かを判別し(ステップS100)、「視力判定」が選択されていない場合には(ステップS100;No)、つまり、「設定」が選択された場合には、設定処理を実行する(ステップS200)。
【0025】
設定処理では(図5参照)、制御部40の表示制御部45が、設定方法選択画面を表示部20に表示する(ステップS201)。設定方法選択画面には、選択項目「デフォルト値使用」、「身長入力」が表示される。ユーザは、操作部10を操作して、選択項目「デフォルト値使用」、「身長入力」のいずれかを選択する。
【0026】
表示制御部45は、操作部10からの操作情報に基づいて、ユーザが選択項目「身長入力」を選択したか否かを判別し(ステップS202)、「身長入力」が選択された場合(ステップS202;Yes)、ユーザに身長の入力を求める身長入力画面を表示部20に表示する(ステップS203)。ユーザは、操作部10を用いて身長を入力する。
【0027】
一方、ステップS202において、表示制御部45は、「身長入力」が選択されないと判別した場合(ステップS202;No)、つまり、操作部10からの操作情報に基づいて「デフォルト値使用」が選択されたと判別した場合には、性別の入力を求める性別入力画面を表示部20に表示する(ステップS205)。ユーザは、操作部10を用いて性別を入力する。
【0028】
性別が入力されると、制御部40の距離取得部41は、性別と身長とを関連付けた身長情報テーブル(記憶部30に記憶されている。)を参照し、操作部10からの操作情報に基づいて(つまり、入力された性別に基づいて)、この身長情報テーブルからユーザの性別に関連付けられている身長(身長のデフォルト値)を読み出す(ステップS206)。なお、身長情報テーブルが性別に関連付けている身長は、日本国内における男性及び女性の平均身長である。
【0029】
ステップS203で身長入力画面を表示したあと身長が入力されると、又は、ステップS206において身長を読み出すと、制御部40の距離取得部41は、操作部10に入力された身長又は身長情報テーブルから読み出した身長に基づいて、合成画像からユーザの目までの所定距離、すなわち、視力判定距離を取得する(ステップS204)。
【0030】
以下、視力判定距離を取得する方法について説明する。
3DM−JM50(自動車室内寸法測定用三次元座位人体模型)が規定する成人男性が車両1内における平均的な運転姿勢を保持したときのアイポイント(目の位置)に基づいて、予め、表示部20からアイポイントまでの距離(3DM−JM50についての視力判定距離)を測定などしておく。測定した距離や測定に用いた3DM−JM50の身長のデータは、記憶部30に予め記憶しておく。
距離取得部41は、操作部10に入力された身長又は身長情報テーブルから読み出した身長(ユーザの身長ともいう。)と3DM−JM50の身長(記憶部30に記憶されたもの)との身長比(例えば、3DM−JM50の身長が分母)をまず求める。記憶部30には、身長比(1.1〜1.2など、値について幅を持っているものする)と、ユーザ3のアイポイントPから合成画像までの距離(視力判定距離)と、を関連付けたテーブル(身長比と距離との関係は予め測定しておけばよい。)が記憶されているものとする。距離取得部41は、このようなテーブルを参照し、前記で求めた身長比に関連付けられた視力判定距離Lを取得する。
【0031】
なお、距離取得部41は、より正確な距離Lを算出するために、実際にユーザ3が運転姿勢を保持したときのシートスライド量Sとシートバック角度Aに基づいて、距離Lを補正してもよい。
例えば、図7に示す車両のシートが、各種センサを備え、各種センサによって検出したシートのスライド量(シートスライド量S)及びシートバック角度Aを距離取得部41が受け取れるものとする。記憶部30には、シートスライド量S(値について幅を持っているものする)と、シートバック角度A(値について幅を持っているものする)と、視力判定距離Lの補正値と、を関連付けたテーブル(3つの関係は予め測定しておけばよい。)が記憶されているものとする。距離取得部41は、このようなテーブルを参照し、前記センサから受け取ったシートスライド量S及びシートバック角度Aに関連付けられた補正値を取得し、前記で取得した視力判定距離Lに取得した補正値を加算(又は減算)して、補正後の視力判定距離Lを取得する。
【0032】
次に、距離取得部41は、取得した視力判定距離を記憶部30に記憶して(ステップS207)、設定処理を終了する。
【0033】
図4に戻り、設定処理の終了後、制御部40は、画像合成処理を実行する(ステップS300)。また、制御部40は、「視力判定」が選択された場合も(ステップS100;Yes)、画像合成処理(図6参照)を実行する(ステップS300)。
【0034】
画像合成処理では、例えば、2つの画像が合成され、上述した合成画像が生成される。ここでは、一方の画像を画像A(合成画像の元となる画像であり、以下、適宜元画像Aという。)とし、他方の画像を画像B(合成画像の元となる画像であり、以下、適宜元画像Bという。)とする。これら画像の画像データは、記憶部30に予め記憶されて用いられるものとする。画像合成処理において、低周波数成分抽出部42は、元画像Aについて、元画像Aの画像データによって特定される各画素の濃度値を離散フーリエ変換し、元画像Aの周波数スペクトル(周波数成分)を取得する。また、高周波数成分抽出部43は、元画像Bについて、元画像Bの画像データによって特定される各画素の濃度値を離散フーリエ変換し、元画像Bの周波数スペクトルを取得する(ステップS301)。
【0035】
次に、低周波数成分抽出部42がステップS302の処理を行う。低周波数成分抽出部42は、ステップS302において、記憶部30に予め記憶されている基準周波数テーブル31を参照する。基準周波数テーブル31は、図8に示すように、視力判定距離と、基準低周波数と、基準高周波数と、を関連付けて保持している。基準周波数テーブル31では、合成画像4とユーザとの距離である視力判定距離それぞれに対して、該当する視力判定距離において、視力の判定を適切に行える合成画像を生成するための、基準低周波数と、基準高周波数と、が関連付けられている。つまり、視力判定距離が第1の距離に関連付けられた基準低周波数と、基準高周波数と、を用いて合成画像を生成した場合には、この基準低周波数と、基準高周波数と、を用いて生成された合成画像を用いて視力判定(視力判定距離は第1の距離)を行うことで、合成画像を元画像Bであると視認した場合(例えば、図3における平仮名「ぬ」が見える場合)には、ユーザの視力が所定の視力以上であると判定でき、合成画像を元画像Aであると視認した場合(例えば図3における平仮名「め」が見える場合)には、ユーザの視力が所定の視力未満であると判定できる。同様に、視力判定距離が第2の距離に関連付けられた基準低周波数と、基準高周波数と、を用いて合成画像を生成した場合には、この基準低周波数と、基準高周波数と、を用いて生成された合成画像を用いて視力判定(視力判定距離は第2の距離)を行うことで、合成画像を元画像Bであると視認した場合(例えば、図3における平仮名「ぬ」が見える場合)には、ユーザの視力が前記所定の視力以上であると判定でき、合成画像を元画像Aであると視認した場合(例えば図3における平仮名「め」が見える場合)には、ユーザの視力が前記所定の視力未満であると判定できる。
【0036】
さらに、ステップS302において、低周波数成分抽出部42は、基準周波数テーブル31に含まれる視力判定距離のうち、ステップS207で記憶部30に記録された視力判定距離に合致する視力判定距離を特定する。次に、低周波数成分抽出部42は、特定した視力判定距離に関連付けられている基準低周波数を取得する。記憶部30には、基準周波数テーブル31の基準低周波数ごとに、当該基準低周波数をピークとするローバンドパスフィルタ(ここでは、低周波数成分を通過させるバンドパスフィルタ)が複数記憶されている。ここでは、基準低周波数L1(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタ、基準低周波数L2(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタ、基準低周波数L3(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタ等が記憶されている。さらに、ステップS302において、低周波数成分抽出部42は、前記で特定した基準低周波数をピークとするローバンドパスフィルタを記憶部30から取得し、取得したローバンドパスフィルタを元画像Aの周波数スペクトルに適用することで、元画像Aの周波数スペクトルから基準低周波数をピークとする低周波数成分を抽出する。
【0037】
ステップS302のあと、ステップS303では、高周波数成分抽出部43は、基準周波数テーブル31を参照し、前記で特定した視力判定距離に関連付けられている基準高周波数を取得する。記憶部30には、基準周波数テーブル31の基準高周波数ごとに、当該基準高周波数をピークとするハイバンドパスフィルタ(ここでは、高周波数成分を通過させるバンドパスフィルタのことをいう)が複数記憶されている。ここでは、基準高周波数H1(Hz)をピークとするハイバンドパスフィルタ、基準高周波数H2(Hz)をピークとするハイバンドパスフィルタ、基準高周波数H3(Hz)をピークとするハイバンドパスフィルタ等が記憶されている。さらに、ステップS303では、高周波数成分抽出部43は、前記で特定した基準高周波数をピークとするハイバンドパスフィルタを記憶部30から取得し、取得したハイバンドパスフィルタを元画像Bの周波数スペクトルに適用することで、元画像Bの周波数スペクトルから基準高周波数をピークとする高周波数成分を抽出する。
【0038】
次に、合成部44は、低周波数成分抽出部42が抽出した低周波数成分と、高周波数成分抽出部43が抽出した高周波数成分と、を合成し(周波数スペクトル同士を加算すればよい。)、合成した周波数成分(スペクトル)を逆離散フーリエ変換して合成画像を生成し(ステップS304)、画像合成処理を終了する。
【0039】
画像合成処理の内容は、以下のような式によって表される。
合成画像H=I1・G1+I2・(1−G2)・・・(1)
ここで、I1は、元画像Aである。I2は、元画像Bである。G1、G2は、画素の濃度値Gainを1/2にしたローバンドパスフィルタである。
なお、ローバンドパスフィルタには、ガウアシアンフィルタ、移動平均法を用いたフィルタ、メディアンフィルタ等、適宜のものであればよい。
【0040】
さらに図9を参照して画像を合成する様子を説明すると、まず元画像Aとして画像8A、元画像Bとして画像8Bを用意する。画像8Aについては、低周波数成分を抽出し、画像8Bについては高周波数成分を抽出する。画像8Aの周波数スペクトルから抽出された低周波数成分を表す周波数スペクトル画像が画像8A’である。なお、周波数スペクトル画像は、中心が直流成分であり、中心から放射状に各周波数成分が分布しており、中心からの距離が大きいほど高周波数成分になる。画像8Bの周波数スペクトルから抽出された高周波数成分を表す周波数スペクトル画像が画像8B’である。次に、抽出された低周波数成分と抽出された高周波数成分とを足し合わせる。画像8Cは、足し合わされた周波数スペクトルを表す周波数スペクトル画像である。その後、足し合わされた周波数スペクトルを逆離散フーリエ変換すると合成画像8の画像データが得られる。
【0041】
図4に戻り、表示制御部45は、視力判定用の選択画面を表示部20に表示する(ステップS101)。図10に示すように、選択画面91には、「視力判定用画像には何が表示されていますか?画像Aに表示されているものと同じものが表示されている場合、「画像A」と書かれたボタンを選択して下さい。画像Bに表示されているものと同じものが表示されている場合、「画像B」と書かれたボタンを選択して下さい。」というメッセージが表示されている。
【0042】
選択画面91の中央部左には、合成画像4(視力判定用画像)が表示されており、その右に、元画像Aである画像4−1及び元画像Bである画像4−2が表示されている。また、画像4−1の下に、「画像A」という文字が表示されている選択ボタン4−1’が表示されており、画像4−2の下に、「画像B」という文字が表示されている選択ボタン4−2’が表示されている。
【0043】
合成画像から所定距離(前記で特定した視力判定距離分とされる長さ)だけ離れているユーザは、選択画面91に表示されているメッセージに従い、合成画像4が表す文字が、画像4−1が表す平仮名「め」に見えるか、それとも画像4−2が表す平仮名「ぬ」に見えるかを確認する。また、ユーザは、確認結果に応じて、選択ボタン4−1’と選択ボタン4−2’のどちらかを選択する。ユーザの視力が所定の視力未満(例えば、運転に必要な0.7よりも下)である場合、ユーザは、合成画像4に表示されている文字が平仮名「め」に見えるので、選択ボタン4−1’を選択する。一方、ユーザの視力が所定の視力以上(例えば、運転に必要な0.7以上)である場合、ユーザは、合成画像に表示されている文字が平仮名「ぬ」に見えるので、選択ボタン4−2’を選択する。
【0044】
視力判定部46は、操作部10からの操作情報に基づいて、ユーザによって選択ボタンが選択されたか否かを判別する(ステップS102)。ユーザの選択がない場合には(ステップS102;No)、視力判定部46は、ステップ102の処理を再度行う。
【0045】
ユーザの選択があった場合(ステップS102;Yes)、ステップS103において、視力判定部46は、例えば、ユーザがどちらの選択ボタンを選択したかを判定することで、ユーザの視力を判定する。例えば、選択ボタン4−1’が選択された場合、視力判定部46は、ユーザの視力が0.7未満であると判定する。また、選択ボタン4−2’が押された場合、視力判定部46は、ユーザの視力が0.7以上であると判定する。また、ステップS103では、表示制御部45は、視力判定部46による視力の判定結果を表示部20に表示する(ステップS103)。
【0046】
視力の判定結果を表示した後、表示制御部45は、表示部20にメュー画面を表示して視力判定処理を終了する。
【0047】
本実施形態によれば、車両用表示制御装置100は、視力判定用の合成画像からユーザまでの距離に応じた周波数をピークとする周波数成分を合成元の画像から抽出し、所定の視力を判定するための合成画像を生成する。これにより、車両用表示制御装置100は、合成画像が表す文字や図形の大きさを変えずに、所定の距離で、所定の視力を判定することができる。特に、従来は、高い視力(例えば、1.5か否か)を判定するときには、文字や図形(例えば、ランドルト環)を小さくしなければならない。このような場合、文字や図形を表示する表示装置の画素が細かくないと、文字や図形を細かく表示できないが、この実施形態では、文字や図形の大きさを変えずに視力を判定できるので、表示装置の画素を細かくする必要がなく、安価に視力を判定できる。
【0048】
(実施形態2)
実施形態1では、1組の基準低周波数及び基準高周波数を用いて1つの合成画像を生成して視力を判定していたが、実施形態2では、元画像A、元画像Bをそれぞれ複数の領域に分割し、それぞれの領域について、ピークの異なる基準低周波数及び基準高周波数を用いて合成画像を生成し、視力判定のために提示する。以下、実施形態2について説明するが、実施形態1との重複部分(車両用表示制御装置100の構成等)については適宜説明を省略する。
【0049】
実施形態2では、主に画像合成処理の内容及び基準周波数テーブル31の内容が実施形態1とは異なるので、以下、これらを中心にして説明する。なお、以下の説明に伴って、実施形態1の態様を適宜変更できることはいうまでもない。
【0050】
実施形態2における画像合成処理のフローチャートは、実施形態1における画像合成処理のフローチャート(図6参照)と同じである。なお、以下では、合成画像の元となる元画像を、図11に示す画像11と画像12とする。
【0051】
画像合成処理が開始されると、低周波数成分抽出部42は、図11に示すように、画像11を複数の領域(分割領域11−1〜11−6)に分割し(例えば、切り出し)、分割した領域(分割領域)ごとに、その分割領域の画像データによって特定される各画素の濃度値を離散フーリエ変換し、周波数スペクトルを取得する。また、高周波数成分抽出部43は、画像12を複数の領域(分割領域12−1〜12−6)に分割し、分割した領域(分割領域)ごとに、その分割領域の画像データによって特定される各画素の濃度値を離散フーリエ変換し、周波数スペクトルを取得する(ステップS301)。
【0052】
次に、低周波数成分抽出部42がステップS302の処理を行う。低周波数成分抽出部42は、ステップS302において、記憶部30に予め記憶されている基準周波数テーブル31を参照する。基準周波数テーブル31は、図12に示すように、1つの視力判定距離に対して、複数の基準低周波数を関連付けて保持している。例えば、視力判定距離「41cm」に対して、視力0.2に対応する基準低周波数L11(Hz)、視力0.4に対応する基準低周波数L21(Hz)、視力0.6に対応する基準低周波数L31(Hz)等の基準低周波数を関連付けている。さらに基準周波数テーブル31は、1つの視力判定距離に対して、複数の基準高周波数を関連付けて保持している。例えば、視力判定距離「41cm」に対して、視力0.2に対応する基準高周波数H11(Hz)、視力0.4に対応する基準高周波数H21(Hz)、視力0.6に対応する基準高周波数H31(Hz)等の基準高周波数を関連付けている。同じ所定視力に関連付けられた一組の基準低周波数及び基準高周波数は、これら周波数を用いて合成画像を生成した場合に、かつ、これら周波数に関連付けられた視力判定距離でユーザが合成画像を見た場合に、合成画像が画像12に見える場合には、前記所定視力以上であると判定でき、合成画像が画像11に見える場合には、前記所定視力未満であると判定できるような周波数であればよい。例えば、視力0.2に関連付けられた基準低周波数L11(Hz)と基準高周波数H11(Hz)は、これら周波数を用いて合成画像を生成した場合に、かつ、これら周波数に関連付けられた視力判定距離「41cm」でユーザが合成画像を見た場合に、視力0.2以上のユーザであれば合成画像が元画像Bに見え、視力0.2未満のユーザであれば合成画像が元画像Aに見えるような周波数であればよい。この実施形態では、前記所定視力を複数用意し、これらそれぞれについての基準低周波数及び基準高周波数からなるグループ(図12における基準周波数テーブル31の横一列にならんだ、基準低周波数及び基準高周波数のグループ)を用意し、さらに、このグループを、視力判定距離ごとに用意している。
【0053】
低周波数成分抽出部42は、基準低周波数テーブル31に含まれる視力判定距離のうち、ステップS207で記憶部30に記憶された視力判定距離に合致する視力判定距離を特定する。なお、ここでは、特定された視力判定距離を「41cm」とする。次に、低周波数成分抽出部42は、特定した視力判定距離に関連付けられている複数の基準低周波数(基準低周波数L11(Hz)〜L61(Hz))を取得する。記憶部30には、基準周波数テーブル31における全ての基準低周波数それぞれについて、当該基準低周波数をピークとするローバンドパスフィルタが複数記憶されている。例えば、基準低周波数L11(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタ、基準低周波数L21(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタ、基準低周波数L31(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタ等が記憶されている。
【0054】
さらに、ステップS302において、低周波数成分抽出部42は、前記で取得した基準低周波数をピークとするローバンドパスフィルタを記憶部30から取得する。ローバンドパスフィルタは、前記で取得した基準低周波数それぞれについて、複数取得される。また、低周波数成分抽出部42は、取得したローバンドパスフィルタそれぞれを、分割領域11−1〜11−6それぞれにおける画像の周波数スペクトルに一対一で適用する。例えば、低周波数成分抽出部42は、基準低周波数L11(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタを、分割領域11−1における画像の周波数スペクトルに適用し、基準低周波数L21(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタを、分割領域11−2における画像の周波数スペクトルに適用する。また、低周波数成分抽出部42は、基準低周波数L31(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタを、分割領域11−3における画像の周波数スペクトルに適用し、基準低周波数L41(Hz)をピークとするローバンドパスフィルタを、分割領域11−4における画像の周波数スペクトルに適用する。このように、低周波数成分抽出部42は、分割領域11−1〜11−6それぞれにおける画像の周波数スペクトルそれぞれから基準低周波数L11(Hz)〜L61(Hz)をピークとする低周波数成分をそれぞれ抽出する。
【0055】
ステップS302のあと、ステップS303では、高周波数成分抽出部43は、前記で取得した基準高周波数をピークとするハイバンドパスフィルタを記憶部30から取得する。ハイバンドパスフィルタは、前記で取得した基準高周波数それぞれについて、複数取得される。また、高周波数成分抽出部43は、取得したハイバンドパスフィルタそれぞれを、分割領域12−1〜12−6それぞれにおける画像の周波数スペクトルに一対一で適用する。例えば、高周波数成分抽出部43は、基準高周波数H11(Hz)をピークとするハイバンドパスフィルタを、分割領域12−1における画像の周波数スペクトルに適用し、基準高周波数H21(Hz)をピークとするハイバンドパスフィルタを、分割領域12−2における画像の周波数スペクトルに適用する。また、高周波数成分抽出部43は、基準高周波数H31(Hz)をピークとするハイバンドパスフィルタを、分割領域12−3における画像の周波数スペクトルに適用し、基準高周波数H41(Hz)をピークとするハイバンドパスフィルタを、分割領域12−4における画像の周波数スペクトルに適用する。このように、高周波数成分抽出部43は、分割領域12−1〜12−6それぞれにおける画像の周波数スペクトルそれぞれから基準高周波数H11(Hz)〜H61(Hz)をピークとする高周波数成分をそれぞれ抽出する。
【0056】
次に、合成部44は、低周波数成分抽出部42が抽出した低周波数成分それぞれと、高周波数成分抽出部43が抽出した高周波数成分それぞれと、を一対一で合成し(周波数スペクトル同士を加算すればよい。)、合成したそれぞれの周波数成分(スペクトル)を逆離散フーリエ変換して合成画像を生成する。例えば、図11に示すように、合成部44は、分割領域11−1における画像の低周波数成分と、分割領域12−1における画像の高周波数成分と、を合成し、合成した周波数成分を逆離散フーリエ変換して合成画像13−1を生成する。また、合成部44は、分割領域11−2における画像の低周波数成分と、分割領域12−2における画像の高周波数成分と、を合成し、合成した周波数成分を逆離散フーリエ変換して合成画像13−2を生成する。このように、合成部44は、分割領域11−1〜11−6それぞれにおける低周波数成分と、分割領域12−1〜12−6それぞれにおける高周波数成分と、を一対一で合成し、合成画像13−1〜13−6を生成する。
【0057】
次に、合成部44は、生成した合成画像13−1〜13−6を並べて1つの合成画像13を生成する。ここで、合成部44は、図11に示すように、(画像11における分割領域11−1〜11−6の並びに対応させるために)合成画像13−1を左端にして合成画像13−2〜13−3を右に一列に互いに隣接させて並べ、1つの合成画像13を生成する。なお、合成画像13−1〜13〜6の並べ方は任意であり、例えば、合成画像13−1〜13−6のそれぞれを所定間隔離して並べるか一部重複するように並べてもよい。視力判定用の選択画面に表示するための合成画像13を生成すると、合成部44は、画像合成処理を終了する。なお、ここでは、画像合成の際に、画像11の分割領域、画像12の分割領域の位置関係を保持したまま、画像合成を行っているが、例えば、合成画像13−1の隣に合成画像13−6を配置する等して、位置関係を変更して画像を合成してもよい。
【0058】
続いて、図4に示すように、表示制御部45は、視力判定用の選択画面を表示部20に表示する(ステップS101)。図13に示すように、選択画面91には、「画像を左から順に見て、模様が見えなくなった画像の下にあるボタンを選択して下さい。全ての画像の模様が見えない場合、「全く見えない」と書かれたボタンを選択して下さい。」というメッセージが表示されている。
【0059】
選択画面91の中央部には、ステップS304で生成された合成画像13が表示されており、また、合成画像13を構成する分割領域13−1〜13−6それぞれの下に、選択ボタン13−1’〜13−6’それぞれが、一対一で表示されている。
【0060】
選択画面91の下部には、「全く見えない」という文字が表示されている選択ボタン13−7’が表示されている。
【0061】
合成画像から所定距離(ステップ207で特定した視力判定距離「41cm」)だけ離れているユーザは、選択画面91に表示されているメッセージに従い、合成画像13−1〜13−6を左から順に見る。ユーザは、模様が見えない画像があったときに、その画像の下にある選択ボタンを押す。例えば、ユーザは、合成画像13−1〜13−6を左から順に見ていき、合成画像13−3の模様が見えなかった場合、選択ボタン13−3’を選択する。また、ユーザは、合成画像13−1〜13−6のうちのいずれにも模様が見えない場合、選択ボタン13−7’を選択する。
【0062】
視力判定部46は、操作部10からの操作情報に基づいて、ユーザによって選択ボタンが選択されたか否かを判別する(ステップS102)。ユーザの選択がない場合には(ステップS102;No)、視力判定部46は、ステップ102の処理を再度行う。
【0063】
ユーザの選択があった場合(ステップS102;Yes)、ステップS103において、視力判定部46は、例えば、ユーザがどのボタンを選択したかの判定を行うことで、ユーザの視力を判定する。例えば、ユーザが、選択ボタン13−3’を選択した場合、ユーザには視力0.4に対応する合成画像13−2の模様が見えており、視力0.6に対応する合成画像13−3の模様が見えていないことになるので、視力判定部46は、ユーザの視力が0.4以上、0.6未満であると判定する。また、ステップ103では、表示制御部45は、視力判定部46による視力の判定結果を表示部20に表示する(ステップS103)。
【0064】
なお、ユーザが選択ボタン13−7’を選択した場合、視力判定部46は、ユーザの視力が0.2以下であると判定する。視力の判定結果を表示した後、表示制御部45は、表示部20にメニュー画面を表示して視力判定処理を終了する。
【0065】
本実施形態によれば、車両用表示制御装置100は、元画像A、元画像Bをそれぞれ複数の領域(分割領域)に分割し、それぞれの分割領域について、ピークの異なる基準低周波数及び基準高周波数を用いて合成画像を生成し、再度1つの合成画像を生成することで、3以上の視認環境(同じ視力判定距離における視力が3以上ある環境、表示する合成画像の大きさが3以上ある環境、又は、合成画像とユーザとの距離が3以上ある環境など)で、3種類以上の画像に見える画像を生成することができる。
【0066】
また、3以上の視認環境で、3種類以上の画像に見える画像を、視力判定用の合成画像とすることにより、2以上の視認環境で、2種類以上の画像に見える画像を、視力判定用の合成画像とするより、1回の視力判定で、ユーザの視力が属す視力の範囲をより限定することができる。例えば、視力1.0を境に異なる画像に見える合成画像(2以上の視認環境で、2種類以上の画像に見える画像)を視力判定に用いた場合、1回の視力判定では、ユーザの視力が視力1.0以上か1.0未満かを判定することしかできない。一方、視力0.5及び視力1.5を境に異なる画像に見える合成画像(3以上の視認環境で、3種類以上の画像に見える画像)を視力判定に用いた場合、1回の視力判定で、ユーザの視力が0.5以上か0.5未満か、又は0.5以上か1.5未満か、又は1.5以上か1.5未満かを判定することができる。
【0067】
なお、この発明は、上記の実施形態に限定されず、上記の実施形態には種々の変形(構成要素の削除を含む)及び応用が可能である。
【0068】
上記の実施形態では、2つの元画像(又は分割領域)から合成画像を生成するときに、両方の元画像についてバンドパスフィルタを適用し、高周波数帯(高周波数成分ともいう。)を主要な成分(上記の実施形態では、高周波数帯。主要な成分とは、高周波数帯のみを成分とする場合も含む。)とする周波数スペクトルの画像や、低周波数帯(低周波数成分ともいう。)を主要な成分(上記の実施形態では、低周波数帯。主要な成分とは、低周波数帯のみを成分とする場合も含む。)とする周波数スペクトルの画像を生成し、これらを合成して合成画像を生成していたが、所定の条件を満たす場合には、少なくとも一方の元画像についてフィルタを適用しなくてもよい。
【0069】
例えば、高周波数帯を主要な成分とする周波数スペクトル、例えば、当該高周波数帯に比べて他の周波数帯(特に低周波数帯)の強度が無視できるほど低い周波数スペクトルを有する元画像(例えば、輪郭のみをかたどったような画像であり、図3における画像4−2等)については、ハイバンドパスフィルタを適用する必要はない。このような画像は、すでにハイバンドパスフィルタが適用されたような画像になっているからである。このような場合には、元画像をそのまま用いて(必要に応じて元画像を離散フーリエ変換して得られる周波数スペクトルを用いて)、合成画像を生成すればよい。
【0070】
例えば、低周波数帯を主要な成分とする周波数スペクトル、例えば、当該低周波数帯に比べて他の周波数帯(特に高周波数帯)の強度が無視できるほど低い周波数スペクトルを有する元画像(例えば、図11に示す画像11のような一色の背景画像)については、ローバンドパスフィルタを適用する必要はない。このような画像は、すでにローバンドパスフィルタが適用されたような画像になっているからである。このような場合には、元画像をそのまま用いて(必要に応じて元画像を離散フーリエ変換して得られる周波数スペクトルを用いて)、合成画像を生成すればよい。
【0071】
なお、高周波数帯は、低周波数帯に比べて高周波数の帯域であればよい。例えば、高周波数帯は、そのピークの周波数(ピークが複数の周波数の集合からなる周波数帯であれば、例えば、その帯域の最も低い周波数)が、低周波数帯のピークの周波数(ピークが複数の周波数の集合からなる周波数帯であれば、例えば、その帯域の最も高い周波数)よりも高い周波数帯であればよい。また、高周波数帯における最も低い周波数が、低周波数帯における最も高い周波数よりも、高い周波数であってもよい。
【0072】
基準高周波数や基準低周波数は、所定の帯域の複数の周波数からなるものであってもよい。このような場合、基準高周波数と基準低周波数との高低は、前記高周波数帯及び前記低周波数帯の場合と同様である。つまり、基準高周波数の最も低い周波数が、基準低周波数の最も高い周波数よりも高ければよい。
【0073】
また、例えば、2つの基準高周波数(複数の周波数の帯域からなる場合)同士又は2つの基準低周波数(複数の周波数の帯域からなる場合)同士を比較した場合に、両者が異なるとは、帯域が重複していない場合、帯域が一部のみ重複している場合(一方の帯域が他方の帯域を全て含むが、他方の帯域が一方の帯域を全部含まないことを含む)等を含む。
【0074】
また、例えば、2つの高周波数帯同士又は2つの低周波数帯同士を比較した場合に、両者が異なるとは、帯域が重複していない場合、帯域が一部のみ重複している場合(一方の帯域が他方の帯域を全て含むが、他方の帯域が一方の帯域を全部含まないことを含む)等の帯域が異なる場合と、ピークの周波数が異なる場合(ピークの周波数が複数の周波数の帯域からなる場合には、帯域が異なる場合と同じ。)との少なくともいずれかであればよい。
【0075】
また、上記実施形態の視力判定は、車両において行うものにかぎらず、家庭や、医療現場で行うものに使用するようにしてもよい。つまり、車両用表示制御装置100は、視力判定用装置であればよい。また、実施形態における合成画像の用途は、視力判定用に限らず様々な用途に用いることができる。特に、実施形態2等で生成されるような、3以上の視認環境(同じ視力判定距離における視力が3以上ある場合、表示する合成画像の大きさが3以上ある場合、又は、合成画像とユーザとの距離が3以上ある場合)で、3種類以上の画像に見える画像は、見た目が面白いので、例えば、広告媒体等に印刷して使用することもできる。このように、車両用表示制御装置100は、画像処理装置であってもよい。合成画像は、ディスプレイ等の表示部に表示しなくてもよく、紙媒体等の被印刷媒体に印刷してもよく、所定の記憶装置に記憶されるようにしてもよい。つまり、合成画像は、生成後に出力されるものであればよい。また、上記実施形態では、合成画像を、出力するごとに生成していたが、合成画像そのものを記憶部に予め記憶して必要に応じて出力等をするようにしてもよいし(つまり、離散フーリエ変換やフィルタを用いなくてもよい)、高周波数帯や低周波数帯を抽出した画像のうちの少なくとも一方を予め記憶部30に記憶して用いるようにしてもよい(つまり、離散フーリエ変換やフィルタを用いなくてもよい。)。記憶部30に記憶する画像を表すデータのデータ形式は、どのようなものであってもよい。例えば、前記画像は、周波数スペクトルを表すデータ、周波数スペクトルを表す画像データ(図8の画像8A’などのデータ)、または、周波数スペクトルを逆離散フーリエ変換して得られる画像データなどによって特定される画像であってもよい。周波数スペクトルを表すデータ、周波数スペクトルを表す画像データなどでは、周波数スペクトルを逆離散フーリエ変換すれば、その画像が得られるので、このようなデータであってもよい。さらに、上記では、視力判定のときなどに、合成画像を提示する例として、表示部20に合成画像を表示しているが、合成画像を紙などに印刷したものを機械的に提示するようにしてもよい。合成画像を提示するとは、このように、合成画像を表すもの(印刷物など)を機械的に提示することを含む。
【0076】
第1の元画像と第2の元画像とを合成した合成画像を見た場合に、第1の元画像に見えるとは、少なくとも、第1の元画像に写った被写体が合成画像に写っていると認識できる等、合成画像で表現されているものが、第2の元画像の主要な画像ではなく、第1の元画像の主要な画像であることを認識できることであればよい。また、第1の元画像と第2の元画像とを合成した合成画像を見た場合に、第2の元画像に見えるときは、少なくとも、第2の元画像に写った被写体が合成画像に写っていると認識できる等、合成画像で表現されているものが、第1の元画像の主要な画像ではなく、第2の元画像の主要な画像であることを認識できることであればよい。
【0077】
異なる基準高周波数及び基準低周波数のバンドパスフィルタを用いて、異なる合成画像(視力等によって見え方の異なる画像等)を生成する場合には、基準高周波数と基準低周波数とのうちのいずれかを動かせばよい。
【0078】
実施形態1では、合成画像をユーザに1回提示し、ユーザに合成画像が第1の元画像と第2の元画像のどちらに見えるか選択を求め、ユーザがどちらを選択したかを判定することで、ユーザの視力が第1の視力以上か未満かを判定したが、ユーザの選択に応じて他の合成画像を提示し(視力判定処理を再度実行し)、ユーザの視力が属す範囲をさらに限定してもよい。例えば、複数の合成画像を用意しておき(例えば、実施形態2において、1つの合成画像13とする前の合成画像13−1〜13−6)、図11に示す合成画像13−1(視力0.2に対応する合成画像)が画像11−1と画像12−1のどちらかに見えるかユーザに選択を求める選択画面を表示し、操作部10から供給された操作情報が、画像12−1が選択されたことを示す情報である場合、ユーザの視力が0.2以上であると判定する。続いて、図11に示す合成画像13−2(視力0.4に対応する合成画像)が画像11−2と画像12−2のどちらに見えるかユーザに選択画面を表示し、供給された操作情報が示すユーザの選択(合成画像13−2が画像11−2と画像12−1のどちらに見えるかの選択)に応じて、ユーザの視力を0.2以上0.4未満又は0.4以上であると判定してもよい。さらに、ユーザの視力が属す範囲をこれ以上限定できなくなるまで、ユーザの選択に応じて他の合成画像を提示する処理を繰り返し実行してもよい。なお、ユーザの視力が属す範囲をこれ以上限定できない場合とは、図11に示す合成画像13−1〜13−6を用いて視力判定を行う場合、例えば、ユーザの視力が0.2以上0.4未満であると判定した場合、又は、ユーザの視力が1.2以上であると判定した場合である。従来の視力判定では、視力が高い場合には、徐々に視力判定用の図柄(例えば、ランドルト環)などを小さくする必要がある。このような場合には、表示部の画素を細かくする必要があるが、このような変形例では、基本的に画像の大きさを変えないで良いので(用意する複数の合成画像の大きさが同じでよいので)、表示部の画素を細かくする必要もない。
【0079】
実施形態2では、2つの元画像それぞれを分割して、各分割領域について合成画像を生成して、再度1つの合成画像を生成することで、3以上の視認環境(同じ視力判定距離における視力が3以上ある場合、表示する合成画像の大きさが3以上ある場合、又は、合成画像とユーザとの距離が3以上ある場合)で、3種類以上の画像に見える画像を生成しているが、例えば、2つの元画像を元にして、異なる基準高周波数及び基準低周波数のバンドパスフィルタを用いて、複数の合成画像(いずれも前記2つの元画像からの合成画像であるが、基準高周波数及び基準低周波数のうちの少なくとも一方が異なるフィルタを用いて生成された合成画像)を生成し、生成した複数の合成画像を組み合わせて、1つの合成画像を生成してもよい。
【0080】
使用されるバンドパスフィルタは、ピークの周波数を中心にして周波数が離れるほど通過される周波数を減衰させる、所謂ガウシアン形状の周波数特性(通過させる周波数の特性)を有するフィルタの他、通過させる周波数を減衰させないが、通過される周波数帯域からはずれた周波数については急激に減衰させる矩形形状の周波数特性(理想的な周波数特定)を有する又は当該周波数特性に近いフィルタであってもよい。また、ハイバンドパスフィルタは、ハイパスフィルタ(この場合、基準高周波数は、通過させる周波数のうちの最も低い周波数(例えば、理想的なハイパスフィルタを考えたときの最も低い周波数)であればよい。)としてもよい。ローバンドパスフィルタは、ローパスフィルタ(この場合、基準高周波数は、通過させる周波数のうちの最も高い周波数(例えば、理想的なローパスフィルタを考えたときの最も高い周波数)であればよい。)としてもよい。元画像に適用するフィルタは、高周波数帯又は低周波数帯を抽出できる上記フィルタのいずれかであればよい。
【0081】
また、上記合成画像を用いて視力を判定する場合に、合成画像は、視力判定距離が同じである場合に視力に応じて徐々に一方の元画像から他方の元画像に見えるので(厳密な1点の視力を境にどちらの元画像に見えるかが決まるわけではないので)、一方の元画像が見えた場合には、第1の視力以上と判定し、他方の元画像に見えた場合には、第2の視力未満と判定し、第1の視力と第2の視力とが同じでなくてもよい。例えば、図3に示す合成画像4が画像4−1と画像4−2のどちらに見えるかユーザに選択を求める選択画面を表示した場合、操作部10から供給された操作情報が、画像4−2が選択されたことを示す情報であれば、ユーザの視力が0.4(第1の視力)以上であると判定し、画像4−1が選択されてことを示す情報であれば、ユーザの視力が0.2(第2の視力)未満であると判定してもよい。このとき、第2の視力は、第1の視力よりも低い。また、ユーザの選択が合成画像4−2である場合、ユーザの視力が0.2未満であると判定してもよいし、ユーザの視力は少なくとも画像4−1が見える程度の視力であることから、例えば、ユーザの視力が0.1以上0.2未満であると判定してもよい。このように、第1の視力や第2の視力は、ある1点の視力ではなく、ある程度の範囲を有する視力(例えば、0.1以上0.2未満)であってもよい。
【0082】
また、合成画像は、所定の視力、合成画像までの距離、合成画像の表示サイズ等に応じて、ユーザが視認する事項(第1の元画像に見えるか第2の元画像に見えるか)が変わるという特徴を有する画像であれば、どのような画像でもよい。例えば、図14(a)に示すように、灰色の画像(背景画像)19−1の低周波数帯(なお、このような一色の画像は、低周波数帯を抽出したものではなく、元画像そのままを用いてもよい。)と、「OK」という文字を表す画像(肯定画像)19−2の高周波数帯と、の合成画像であってもよい。また、図14(b)に示すように、ノイズを含むような背景背景(雑音画像)20−1の低周波数帯と、「OK」という文字を表す画像20−2の高周波数帯と、の合成画像であってもよい。また、図14(c)に示すように、「NG」という文字を表す画像(否定画像)21−1の低周波数帯と、「OK」という文字を表す画像21−2の高周波数帯と、の合成画像であってもよい。
【0083】
また、実施形態2において、合成元の画像が同じ合成画像を複数生成して視力判定用の選択画面91に配置したが、配置した複数の合成画像がそれぞれ判定したい視力に対応する画像であれば、これら合成画像の元画像が各々何の関連性もない画像であっても構わない。例えば、図13に示す合成画像13−1の元画像が文字を表す画像であり、合成画像13−2の元画像が人の顔を表す画像であっても構わない。
【0084】
また、上記実施形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0085】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0086】
なお、上述の機能を、OSが分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 車両
2 ステアリング
2a 本体部
2b ステアリングホイール
3 ユーザ
4、8、13、13−1〜13−6、19〜21 合成画像
4−1、4−2、3−2、8A、8B、11、12、19−1、19−2、20−1、20−2、21−1、21−2 画像
4−1’、4−2’、13−1’〜13−7’、16−1’〜16−8’ 選択ボタン
8A’,8B’、8C 周波数スペクトル画像
10 操作部
11−1〜11−6、12−1〜12−6 分割領域
20 表示部
30 記憶部
31 基準周波数テーブル
40 制御部
41 距離取得部
42 低周波数成分抽出部
43 高周波数成分抽出部
44 合成部
45 表示制御部
46 視力判定部
91 視力判定用の選択画面
100 車両用表示制御装置
A シートバック角度
L 視力判定距離
P アイポイント
S シートスライド量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14