特許第6139980号(P6139980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139980
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】フォトインタラプタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/12 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   H01L31/12 D
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-109238(P2013-109238)
(22)【出願日】2013年5月23日
(65)【公開番号】特開2014-229793(P2014-229793A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】391041648
【氏名又は名称】新光電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂原 一徳
(72)【発明者】
【氏名】古俣 貴道
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 敏仁
【審査官】 井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−270264(JP,A)
【文献】 米国特許第05952648(US,A)
【文献】 特開2001−144320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光性樹脂により形成され、発光素子が内部に設けられる箱状の第1の挿入部と、前記発光素子と対向する位置に配置される受光素子が内部に設けられる箱状の第2の挿入部と、を有する内部が空洞のケースを備え、
前記ケースは、前記第1の挿入部と前記第2の挿入部とが箱状の土台部分から突出した正面視略U字形状であり、
前記第1の挿入部の前記第2の挿入部に対向する面、及び前記第2の挿入部の前記第1の挿入部に対向する面には、それぞれ、開口部が対向するように形成され、
前記ケースには、前記第1の挿入部及び前記第2の挿入部の内側から前記開口部を充填する充填部と、前記充填部と一体形成された板状のベースであって、前記略U字形状の内側部分を前記ケースの内側から覆うように帯状に形成されたベースと、を有する内枠が光透過性樹脂により一体形成されている
ことを特徴とするフォトインタラプタ。
【請求項2】
請求項1に記載のフォトインタラプタであって、
前記内枠は、前記開口部が設けられた面全体を覆
ことを特徴とするフォトインタラプタ。
【請求項3】
請求項1に記載のフォトインタラプタであって、
前記第1の挿入部又は前記第2の挿入部の内部には、前記光透過性樹脂により前記充填部と一体形成されるレンズが設けられる
ことを特徴とするフォトインタラプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトインタラプタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光部及び受光部が固定された本体部と、その長手方向両端側に一体に設けられ、一方の内部に発光部が収容されると共に他方に受光部が収容された一対の装着部とが遮光性樹脂により一体に成形されており、光路に対応する位置に光路用スリットが形成され、光路用スリットが光透過性樹脂により外側から被覆されているフォトインタラプタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−84752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明は、光透過性樹脂により光路用スリットを覆うことで、スリットに外側から塵埃が進入することを防止することができる(防塵性)。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、防塵性を持たせるために光透過性樹脂が外側に多く露出しており、防塵性のない場合と比べ、油、有機溶剤等に弱い、すなわち耐薬品性に劣るという問題がある。
【0005】
さらに、特許文献1に記載の発明は、光路用スリットが光透過性樹脂により外側から被覆されているため、スリットの形状を外側から認識することができないという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、防塵性を有しつつ、光透過性樹脂が外側に露出する量を減らしたフォトインタラプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るフォトインタラプタは、例えば、遮光性樹脂により形成され、発光素子が内部に設けられる箱状の第1の挿入部と、前記発光素子と対向する位置に配置される受光素子が内部に設けられる箱状の第2の挿入部と、を有する内部が空洞のケースを備え、前記ケースは、前記第1の挿入部と前記第2の挿入部とが箱状の土台部分から突出した正面視略U字形状であり、前記第1の挿入部の前記第2の挿入部に対向する面、及び前記第2の挿入部の前記第1の挿入部に対向する面には、それぞれ、開口部が対向するように形成され、前記ケースには、前記第1の挿入部及び前記第2の挿入部の内側から前記開口部を充填する充填部と、前記充填部と一体形成された板状のベースであって、前記略U字形状の内側部分を前記ケースの内側から覆うように帯状に形成されたベースと、を有する内枠が光透過性樹脂により一体形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るフォトインタラプタによれば、遮光性樹脂により形成された第1の挿入部及び第2の挿入部の内側から、開口部を充填する光透過性樹脂が一体形成されているため、防塵性を有しつつ、光透過性樹脂が外側に露出する量を減らしたフォトインタラプタを提供することができる。
【0009】
ここで前記内枠は、前記開口部が設けられた面全体を覆てもよい。これにより、防塵性を高めることができる。
【0011】
ここで、前記充填部には、前記ケースの内側に向けてレンズが一体形成されてもよい。これにより、発光する光の出力を高くしたり、受光素子へ入射する光を多くしたりすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、防塵性を有しつつ、光透過性樹脂が外側に露出する量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るフォトインタラプタ1の斜視図である。
図2】フォトインタラプタ1の構成の詳細を説明する図であり、(A)はケース10の斜視図であり、(B)は内枠20の斜視図であり、(C)はフォトインタラプタ1の長手方向の断面図である。
図3】本発明の変形例に係るフォトインタラプタ1Aを示す図であり、(A)は長手方向の断面図であり、(B)は内部に設けられる内枠20Aを示す斜視図である。
図4】本発明の変形例に係るフォトインタラプタ1Bを示す図であり、(A)は長手方向の断面図であり、(B)は内部に設けられる内枠20Bを示す斜視図である。
図5】本発明の第2の実施の形態に係るフォトインタラプタ2の斜視図である。
図6】フォトインタラプタ2の構成の詳細を説明する図であり、(A)はケース本体13の斜視図であり、(B)は防塵部材20Cの斜視図であり、(C)はフォトインタラプタ2の長手方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一例であるフォトインタラプタ1の斜視図である。図2は、フォトインタラプタ1の構成の詳細を説明する図であり、(A)はケース10の斜視図であり、(B)は内枠20の斜視図であり、(C)はフォトインタラプタ1の長手方向の断面図である。
【0016】
フォトインタラプタ1は、図1に示すように、主として、遮光性樹脂により形成されたケース10と、光透過性樹脂により形成された内枠20とを備えている。
【0017】
ケース10は、遮光性樹脂、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)等により形成される。ケース10は、図1及び図2(A)に示すように、主として、ケース本体11と、スリット12とを有する。
【0018】
ケース本体11は、図1及び図2(A)に示すように、基板(図示せず)に立てた状態で取り付けられた発光素子(図示せず)が挿入される挿入部11Aと、基板(図示せず)に立てた状態で取り付けられた受光素子が挿入される挿入部11Bと、基板(図示せず)、コネクタ(図示せず)等を覆うベース11Cと、を有する。
【0019】
挿入部11Aと、挿入部11Bと、ベース11Cとは、ベース11Cから挿入部11A及び挿入部11Bが所定の間隔で突出するように、一体形成される。そのため、ケース本体11、すなわちフォトインタラプタ1は、正面(図1及び図2(A)の左斜め下方向)からみて、略U字形状(略コの字形状)となっている。
【0020】
挿入部11A及び挿入部11Bは、内部が空洞の箱型に形成される。また、ベース11Cは、内部が空洞の筒型に形成される。
【0021】
発光素子及び受光素子は、挿入部11A及び挿入部11Bの内部に、発光部と受光部とが対向するように設けられる。ベース11Cには、基板(図示せず)が位置決めされて取り付けられる。そのため、発光素子及び受光素子は、ケース10に対して変位不能に設けられる。
【0022】
なお、基板及びコネクタは必須ではない。基板を設けない場合には、発光素子及び受光素子を図示しない任意の部品を介してケース10に設ければよい。
【0023】
スリット12Aは、挿入部11Aの挿入部11Bに対向する面に設けられ、スリット12Bは、挿入部11Bの挿入部11Aに対向する面に設けられる。スリット12Aとスリット12Bとは、対向するように設けられる。スリット12A、12Bは、図2(A)、(C)に示すように、それぞれ、挿入部11A、挿入部11Bを厚さ方向に貫通するように形成されている。
【0024】
スリット12A、12Bは、挿入部11A及び挿入部11Bの光路に対応する位置に設けられる。ここで、光路とは、発光素子からの光が受光素子に導かれるまでの経路である。具体的には、挿入部11A内に設けられた発光素子からの光は、スリット12A、挿入部11Aと挿入部11Bとの間(検出溝)の空間、及びスリット12Bを通過して、受光素子で受光される。この光の通路が光路である。
【0025】
フォトインタラプタ1は、検出溝を物体が通過すると、受光素子での受光がなくなり、これにより物体の移動が検出される。スリット12A、12Bは、物体の位置検出の精度を高くするために設けられるものである。
【0026】
内枠20は、光透過性樹脂、例えばポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)等により形成される。内枠20は、図2(B)に示すように、主として、ケース10の内側を覆うベース21と、充填部22A、22Bとを有する。
【0027】
ベース21は、挿入部11Aの内側(光路と交わる面)を覆う第1の突出部21Aと、挿入部11Bの内側(光路と交わる面)を覆う第2の突出部21Bと、第1の突出部21Aと第2の突出部21Bとを連結する連結部21Cとを有する。連結部21Cは、ベース11Cの内側を覆っている。第1の突出部21Aと、第2の突出部21Bと、連結部21Cとは、一体に形成される。
【0028】
なお、本実施の形態では、第1の突出部21A、第2の突出部21Bは、それぞれ挿入部11A、挿入部11Bの内側の面全体を覆うように形成されているが、第1の突出部21A、第2の突出部21Bは、少なくともスリット12A、12Bを覆っていればよく、挿入部11A、挿入部11Bの内側の面を部分的に覆うようにしてもよい。
【0029】
第1の突出部21Aは、スリット12Aを充填する充填部22Aを有する。また、第2の突出部21Bは、スリット12Bを充填する充填部22Bを有する。充填部22Aは、第1の突出部21Aと一体形成され、充填部22Bは、第2の突出部21Bと一体形成される。
【0030】
次に、ケース10及び内枠20の製造方法について説明する。
まず、遮光性樹脂を用いて、ケース10を成形する。ケース10は、例えば、射出成型により形成される。
【0031】
次に、成形されたケース10を内枠20の成形用の金型に入れて、内枠20を射出成形する(インサート成形)。これにより、ケース10と内枠20とが一体形成される。このとき、ゲートを連結部21Cに設けることで、フォトインタラプタ1の外観の見栄えが良くなる。
【0032】
なお、インサート成形に限らず、ケース10を成形してから、ケース10を成形したのと同一の金型を用いて内枠20とケース10とを一体成形する二色成形を用いて、ケース10及び内枠20を製造することもできる。インサート成形、二色成形のどちらを用いたとしても、成形後のケース10に対して、内枠20が一体となるように、内枠20を射出成形することに変わりはない。
【0033】
このようにケース10と内枠20とを一体形成することで、ケース10の内側から、光透過性樹脂(充填部22A、22B)でスリット12A、12Bを充填することができる。
【0034】
本実施の形態によれば、防塵性を有しつつ、光透過性樹脂が外側に露出する量を減らすことができる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、光透過性樹脂の露出量が最小限となるため、防塵性のないフォトインタラプタと比べて、耐薬品性を同程度に保つことができる。特に、光透過性樹脂として、光透過率が高いが耐薬品性に劣る樹脂(例えば、アクリル)を用いる場合に効果的である。
【0036】
また、本実施の形態によれば、光透過性樹脂のベース21が、帯状に、ケース10の内側を略U字形状(略コの字形状)で覆うように形成されるため、温度変化等により樹脂が収縮又は膨張しても、ゴミがベース21とケース本体11との間に留まるため、スリット12A、12Bを介して、フォトインタラプタ1の内部へ外部からゴミが進入することを防止することができる。
【0037】
さらに、本実施の形態によれば、光路用スリットが外側から被覆されてないため、スリットの形状を外側から認識することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、挿入部11A及び挿入部11Bの光路に対応する位置にスリット12A、12Bが設けられたが、挿入部11A及び挿入部11Bの光路に対応する位置に設けられる開口部の幅は任意であり、スリットに限定されるものではない。
【0039】
<第1の実施の形態の変形例1>
本発明の第1の実施の形態は、光透過性樹脂(ベース21)を、遮光性樹脂のケース10の内側を略U字形状(略コの字形状)で覆うように帯状に形成したが、光透過性樹脂によりスリットを内部から充填する方法はこれに限られない。
【0040】
図3は、第1の実施の形態の変形例に係るフォトインタラプタ1Aを示す図であり、(A)は長手方向の断面図であり、(B)は内枠20Aの斜視図である。フォトインタラプタ1Aのケース10は、フォトインタラプタ1のケース10と同一であるため、説明を省略する。また、フォトインタラプタ1と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0041】
挿入部11A及び挿入部11Bの内部には、図3(A)に示すように、それぞれ内枠20Aが一体形成される。
【0042】
内枠20Aは、図3(A)及び(B)に示すように、ベース23A、23Bと、ベース23A、23Bと一体形成された充填部22A、22Bとを有する。なお、ベース23A、23B、同一の形状であり、充填部22A、22Bは同一の形状であるため、図3(B)においては、ベース23B及び充填部22Bについての図示を省略する。
【0043】
このようなケース10及び内枠20Aは、まず遮光性樹脂を用いてケース10を成形し、次に成形されたケース10を内枠20Aの成形用の金型に入れて、内枠20Aを射出成形する(インサート成形)ことで、ケース10と内枠20Aとが一体形成される。
【0044】
なお、インサート成形に限らず、ケース10を成形してから、ケース10を成形したのと同一の金型内で内枠20Aをケース10と一体で成形させる二色成形を用いて、ケース10及び内枠20Aを製造することもできる。
【0045】
これにより、ケース10の内側から、光透過性樹脂(充填部22A、22B)でスリット12A、12Bを充填することができる。
【0046】
この変形例では、防塵性を有しつつ、光透過性樹脂が外側に露出する量を減らす効果は保ちつつ、光透過性樹脂の量をさらに減らすことができる。
【0047】
また、この変形例では、光透過性樹脂が帯状でないため、光透過性樹脂の成型時の収縮によるケース10の変形、すなわちスリット12Aとスリット12Bとの間の距離や、光路におけるスリット12A、12Bの長さ等が変わることを防止することができる。
【0048】
なお、ベース23A、23Bの形状、大きさは、任意に設計することができる。ベース23A、23Bは、少なくともスリット12A、12Bを覆っていればよく、挿入部11A、挿入部11Bの内側の面を部分的に覆うようにしてもよい。ただし、樹脂が収縮、膨張等した時の防塵性を考慮すると、ベース23A、23Bをできるだけ大きくすることが望ましい。また、ベース23A、23Bの形状も板状に限られない。例えば、ベース23A、23Bは、挿入部11A、11Bの内側を覆う略コの字形状でもよいし、挿入部11A、11Bの内側を囲む筒状でもよい。
【0049】
<第1の実施の形態の変形例2>
本発明の第1の実施の形態は、光透過性樹脂でスリットを内部から充填したが、光透過性樹脂はスリットを内部から充填する以外の用途に用いることも可能である。
【0050】
図4は、第1の実施の形態の変形例に係るフォトインタラプタ1Bを示す図であり、(A)は長手方向の断面図であり、(B)は内枠20Bの斜視図である。フォトインタラプタ1Bのケース10は、フォトインタラプタ1のケース10と同一であるため、説明を省略する。また、フォトインタラプタ1と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0051】
図4(A)に示すように、ケース10の内部には内枠20Bが一体形成される。内枠20Bは、図4(B)に示すように、主として、ケース10の内側を覆うベース21と、充填部22A、22Bと、レンズ24A、24Bとを有する。
【0052】
第1の突出部21Aには、充填部22Aが形成された面と反対側の面にレンズ24Aが形成される。また、第2の突出部21Bは、充填部22Bが形成された面と反対側の面にレンズ24Bが形成される。レンズ24Aは、第1の突出部21Aと一体形成され、レンズ24Bは、第2の突出部21Bと一体形成される。なお、レンズ24A、24Bは、挿入部11A、挿入部11Bの内部に設けられていればよく、ベース21を介して充填部22A、22Bと一体形成されていてもよいし、ベース21を介さずに充填部22A、22Bと一体形成されていてもよい。
【0053】
レンズ24A、24Bは、光路上に設けられる。発光素子から照射された光はレンズ24Aによりスリット12Aに集められる。また、スリット12Bを通過した光は、レンズ24Bにより集光されて受光素子に入射する。
【0054】
このようなケース10及び内枠20Bは、フォトインタラプタ1と同様、まず遮光性樹脂を用いてケース10を成形し、次に成形されたケース10を内枠20Bの成形用の金型に入れて、内枠20Bを射出成形する(インサート成形)ことにより一体形成される。なお、インサート成形に限らず、ケース10を成形してから、ケース10を成形したのと同一の金型内で内枠20Bをケース10と一体で成形させる二色成形を用いて、ケース10及び内枠20Bを製造することもできる。
【0055】
これにより、ケース10の内側から、光透過性樹脂(充填部22A、22B)でスリット12A、12Bを充填することができる。また、内枠20Bにレンズ24A、24Bを設けるため、発光する光の出力を高くすることができる。また、レンズ24A、24Bを設けることにより、受光素子へ入射する光を多くすることができる。さらに、レンズ24A、24Bが内枠20Bと一体形成されるため、ケース10内に別途レンズを設ける工程を減らし、かつレンズ24A、24Bの位置決め精度を高くすることができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、挿入部11Aの内部にレンズ24Aが設けられ、挿入部11Bの内部にレンズ24Bが設けられたが、レンズ24A及びレンズ24Bは必ずしも両方必須ではなく、一方のみが設けられていてもよい。
【0057】
<第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、光透過性樹脂を、ケース10の内側を略U字形状(略コの字形状)で覆うように帯状に形成したが、光透過性樹脂によりスリットを内部から充填する方法はこれに限られない。
【0058】
本発明の第2の実施の形態は、光透過性樹脂によりケースの一部を形成する形態である。以下、第2の実施の形態に係るフォトインタラプタ2について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0059】
図5は、本発明の一例であるフォトインタラプタ2の斜視図である。図6は、フォトインタラプタ2の構成の詳細を説明する図であり、(A)はケース10Aの斜視図であり、(B)はケース20Cの斜視図であり、(C)はフォトインタラプタ2の長手方向の断面図である。
【0060】
フォトインタラプタ2は、図5に示すように、主として、遮光性樹脂により形成されたケース10Aと、光透過性樹脂により形成されたケース20Cとを備えている。
【0061】
ケース10Aは、主として、ケース本体13と、スリット12とを有する。
ケース本体13は、内部が空洞の箱状に形成される。ケース本体13には、基板(図示せず)に立てた状態で取り付けられた発光素子(図示せず)又は受光素子(図示せず)が挿入される。すなわち、ケース本体13は、発光素子又は受光素子が挿入される挿入部である。
【0062】
ケース本体13には、発光素子からの光が受光素子に導かれるまでの経路である光路に対応する位置にスリット12が設けられる。スリット12は、他のケース本体13に対向する面に、スリット12同士が対向するように設けられる。
【0063】
ケース20Cは、図6(B)に示すように、ケース本体25と、充填部22A、22Bとを有する。
【0064】
ケース本体25は、ケース本体13の内側の面と一体形成される板状の部分を有する突出部25A、25Bと、ケース本体13の底面と連続して形成される筒状のベース25Cと、を有する。突出部25A、25Bと、ベース25Cとは、一体形成される。
【0065】
次に、ケース本体13及びケース20Cの製造方法について説明する。
【0066】
まず、遮光性樹脂を用いて、ケース本体13を成形する。
次に、成形されたケース本体13をケース20Cの成形用の金型に入れて、ケース20Cを射出成形する(インサート成形)。第1の実施の形態と同様、インサート成形に限らず、二色成形を用いてケース本体13及びケース20Cを製造することもできる。
【0067】
これにより、ケース本体13の内側から、光透過性樹脂(充填部22A、22B)でスリット12を充填することができる。
【0068】
本実施の形態によれば、防塵性を有しつつ、スリットの近傍において光透過性樹脂が外側に露出する量を減らすことができる。また、光路用スリットが外側から被覆されてないため、スリットの形状を外側から認識することができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、光透過性樹脂(突出部25A、25B)がケース本体13の内側全面に形成されるため、温度変化等により樹脂が収縮又は膨張しても、スリット12A、12Bを介して、フォトインタラプタ2の内部へ外部からゴミが進入することを防止することができる。
【0070】
さらに、本実施の形態によれば、ケースが箱状であり、かつ光透過性樹脂のうちケースの内部に形成される部分が板状であるため、光透過性樹脂の成型時の収縮によりスリット12とスリット12との間の距離や、光路におけるスリット12の長さ等が変わることを防止することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、遮光性樹脂を用いてケース本体13を成形した後で光透過性樹脂を用いてケース20Cを成形したが、光透過性樹脂を用いてケース20Cを成形した後で遮光性樹脂を用いてケース本体13を成形するようにしてもよい。要するに、ケース本体13とケース20Cとが一体形成されていればよく、成形の順序や成形方法は問わない。
【0072】
また、本実施の形態では、ケース10Aとケース20Cとの接続面は平面であるが、ケース10Aとケース20Cとの接続面の形状はこれに限られない。例えば、ケース20Cの一部がケース10Aに入り込むような形でケース10Aとケース20Cとの接続面が形成されていてもよい。例えば、遮光性樹脂としてポリアセタールを用い、光透過性樹脂としてポリカーボネート又はアクリルを用いた場合には、遮光性樹脂と光透過性樹脂とが密着しにくく、遮光性樹脂と光透過性樹脂とが離れてしまう場合がある。そのため、ケース20Cの一部がケース10Aに入り込むような形でケース10Aとケース20Cとの接続面を形成することで、遮光性樹脂と光透過性樹脂とが離れてしまうことを防止することができる。
【0073】
また、本実施の形態では、突出部25A、25Bの板状の部分は、それぞれケース本体13の内側の面全体を覆うように形成されているが、突出部25A、25Bの板状の部分は、少なくともスリット12を覆っていればよく、ケース本体13の内側の面を部分的に覆うようにしてもよい。
【0074】
また、本実施の形態では、光透過性樹脂(充填部22A、22B)でスリット12を充填したが、光透過性樹脂を用いて、充填部22Aや充填部22Bにレンズを一体形成してもよい。なお、レンズは、ケース本体13の内側に向けて形成すればよい。本実施の形態では、突出部25Aの充填部22Aが形成された面と反対側の面にレンズが形成され、突出部25Bの充填部22Bが形成された面と反対側の面にレンズが形成されるようにすればよい。
【0075】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1、1A、1B、2:フォトインタラプタ、10、10A:ケース、11:ケース本体、11A、11B:挿入部、11C:ベース、12、12A、12B:スリット、13:ケース本体、20、20A、20B:内枠、20C:ケース、21:ベース、21A:第1の突出部、21B:第2の突出部、21C:連結部、22A、22B:充填部、23A、23B:ベース、24A、24B:レンズ、25:ケース本体、25A、25B:突出部、25C:ベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6