特許第6140035号(P6140035)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6140035
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】三相電磁モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/14 20060101AFI20170522BHJP
   H02K 3/18 20060101ALI20170522BHJP
   H02K 21/14 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   H02K1/14
   H02K3/18 P
   H02K21/14 M
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-183344(P2013-183344)
(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公開番号】特開2015-50910(P2015-50910A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100108394
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(74)【代理人】
【識別番号】100153903
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100162330
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 幹規
(72)【発明者】
【氏名】宮下 利仁
(72)【発明者】
【氏名】堀内 学
【審査官】 津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−063354(JP,A)
【文献】 実開平02−104746(JP,U)
【文献】 特開2013−009593(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/191330(WO,A1)
【文献】 特開2007−116767(JP,A)
【文献】 米国特許第04998032(US,A)
【文献】 特開2004−304928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/00− 1/34
H02K 3/00− 3/28
H02K21/00−21/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアのスロット間に形成された磁極に巻線を巻装してなるステータと、該ステータ内に配され、永久磁石を有するロータとを備える三相電磁モータであって、
8n極6nスロット(nは自然数)で構成され、前記ステータコアの複数の磁極における1つ置きの磁極に3n個の巻線を巻装しており、
前記複数の磁極は、それぞれ、前記ステータコアから突出する磁極本体部と、前記磁極本体部の先端に形成された周方向に拡幅された磁極先端部とを有し、
前記複数の磁極は、前記磁極本体部が前記磁極先端部に向かって徐々に拡幅された第1磁極と、前記磁極本体部が前記磁極先端部に向かって徐々に縮幅された第2磁極とを含み、
前記第1磁極と前記第2磁極とを交互に配置し、前記第1磁極の前記磁極本体部に巻線を巻装したことを特徴とする三相電磁モータ。
【請求項2】
前記n=1の8極6スロットで構成されるモータであって、前記ステータコアの前記磁極の1つ置きに3個の巻線を巻装したことを特徴とする請求項1に記載の三相電磁モータ。
【請求項3】
n=2以上の場合は、各u相群、v相群、w相群の巻線を、渡り線を介して連続巻することを特徴とする請求項1に記載の三相電磁モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータコアのスロット間に形成された磁極の巻線構造を改良した三相電磁モータに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁モータとしては、たとえば、ブラシレスモータやPM型モータ(Permanent Magnet Motor)が挙げられる。電磁モータに三相電源を使用する場合、通常、ステータコアの磁極にu相、v相、w相の巻線を順に配置するので、巻線数は3の倍数である必要がある。
【0003】
三相電磁モータにおける巻線コストおよび結線コストを最小にするためには、巻線数を最少の3にする。巻線数を3として集中巻する場合、2極3スロットと4極3スロットが通常の極数とスロット数との組み合わせとなる。しかし、永久磁石の極数が少ないと、コギングトルクの増大が問題となる。
【0004】
従来、電磁モータの巻線構造に関連する技術が種々提案されている。たとえば、巻線を施した磁極の間に、巻線を施していない補助磁極を配置したモータが開示されている(特許文献1参照)。特許文献1の技術によれば、製造コストの低減とマグネット利用率の増加によって、モータの高効率化が図られる。
【0005】
また、巻線を1磁極飛ばしに配置し、かつ巻線が施されている磁極幅を巻線が施されていない磁極幅よりも大きく設定したモータが開示されている(特許文献2参照)。特許文献2の技術によれば、隣接する異相の巻線間の絶縁性能を向上させ、かつ巻線コストを低減させることができる。
【0006】
さらに、巻線を2磁極連続で配置し、3磁極目には巻線を施さない磁極を配置したモータが開示されている(特許文献3参照)。特許文献3の技術によれば、巻線コストの低減とモータの高効率化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭59−90279号公報
【特許文献2】特許第4363132号公報
【特許文献3】特開2004−304928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1のモータは6極8スロットであるので、三相電源に対応していない。特許文献2のモータは10極12スロットであり、特許文献3のモータは8極9スロットであるので、三相電源に対応している。
【0009】
前述したように、三相電磁モータにおいて、2極3スロットや4極3スロットの通常の極数とスロット数との組み合わせを採用すると、コギングトルクの増大が問題となる。
【0010】
したがって、コギングトルクの増大を防止するために、8極6スロットや8極9スロット、10極12スロットなどの組み合わせを選択することが多い。すなわち、巻線数削減によるコストダウンとコギングトルクの低減とは、相反する関係となる。
【0011】
ただし、スロット数よりも極数を極端に多くする組み合わせも考えられる。たとえば、8極3スロットや10極3スロットなどである。しかし、この場合、コギングトルクは低下するものの、極間において永久磁石の磁束の短絡が生じ、トルク低下に伴ってモータ効率が著しく低下するので、殆ど採用されていない。
【0012】
そこで、巻線数の最少化(3巻線)による巻線コストおよび結線コストの削減とモータの高効率化を実現できる技術の開発が求められている。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、三相電源に対する巻線数の最少化により、巻線コストおよび結線コストを削減することができ、モータの高効率化を図ることができる三相電磁モータの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係る三相電磁モータは、ステータコアのスロット間に形成された磁極に巻線を巻装してなるステータと、該ステータ内に配され、永久磁石を有するロータとを備える。
【0015】
上記三相電磁モータは、8n極6nスロット(nは自然数)で構成される。上記ステータコアの複数の磁極における1つ置きの磁極に、3n個の巻線が巻装される。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る三相電磁モータは、8n極6nスロット(nは自然数)であり、ステータコアの複数の磁極における1つ置きの磁極に3n個の巻線が巻装される。したがって、三相電源に対して巻線数が最少化される。
【0017】
したがって、本発明に係る三相電磁モータによれば、三相電源に対する巻線数の最少化により、巻線コストおよび結線コストを削減することができ、モータの高効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る三相電磁モータの概略図である。
図2】第1実施形態に係る三相電磁モータのステータコアの概略図である。
図3】従来の三相電磁モータの巻線構造の概略図である。
図4】第2実施形態に係る三相電磁モータの概略図である。
図5】第2実施形態に係る三相電磁モータのステータコアの概略図である。
図6】第3実施形態に係る三相電磁モータの概略図である。
図7】第3実施形態に係る三相電磁モータのステータコアの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、第1から第3実施形態に係る三相電磁モータについて説明する。
【0020】
第1から第3実施形態に係る三相電磁モータは、8n極6nスロット(nは自然数)であり、ステータコアの複数の磁極における1つ置きの磁極に3n個の巻線が巻装される。
したがって、第1から第3実施形態によれば、三相電源に対する巻線数の最少化により、巻線コストおよび結線コストを削減でき、高効率の三相電磁モータを実現できる。
【0021】
〔第1実施形態〕
[三相電磁モータの構成]
まず、図1および図2を参照して、第1実施形態に係る三相電磁モータの構成について説明する。図1は第1実施形態に係る三相電磁モータの概略図である。図2は第1実施形態に係る三相電磁モータのステータコアの概略図である。
【0022】
本実施形態に係る三相電磁モータは、8n極6nスロット(nは自然数)で構成される。図1に例示する三相電磁モータ100は、SPM(Surface Permanent Magnet Motor)型の三相交流サーボモータであり、n=1の8極6スロットの構成である。
【0023】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る三相電磁モータ100は、ステータ1と、当該ステータ1内に配置されたロータ2を備える。
【0024】
ステータ1は、ステータコア10および巻線20を有する。
【0025】
ステータコア10は、厚肉筒体状の金属部材である。ステータコア10の内周面は円形状を呈しており、外周面は矩形状を呈している。本実施形態のステータコア10は薄板を積層したスタック構造であるが、単体構造や圧粉鉄心であっても構わない。
【0026】
ステータコア10の内周側には、ロータ2に臨むように放射線状に、巻線20を収容するための空間としての複数のスロット11が区画形成されている。
【0027】
各スロット11は、ティース同士12、12の間に、区画形成される。各ティース12の基端部は、巻線20が巻回される磁極13となっている。
【0028】
ステータコア10の構成材料としては、たとえば、珪素鋼板が用いられるが、例示の材料に限定されない。
【0029】
巻線20は、図1および図2に示すように、不図示の電気絶縁部材を介して、スロット11内に配置される。巻線20は、円周方向に均等に配置され、放射線状に並んだ複数の磁極13において、1つ置きの磁極13に巻装される。すなわち、6スロットの場合、磁極13の数は6磁極であるが、1つ置きの磁極13に巻線20が巻装されるので、巻線数は3となる。したがって、スロット11の数と巻線20の数は対応していない。
【0030】
三相電源の場合、u相、v相、w相の巻線20が順に配置される。本実施形態の巻線数は3であるので、三相電源に対して巻線数が最小化されることになる。
【0031】
図1を参照すると、ロータ2は、シャフト3の周囲に設けられ、ロータコア30および永久磁石40を備える。シャフト3はロータ2の回転中心となる。
【0032】
ロータコア30は、シャフト3の周囲に設けられたほぼ厚肉円筒体状の金属部材である。本実施形態のロータコア30は薄板を積層したスタック構造であるが、単体構造や圧粉鉄心であっても構わない。
【0033】
ロータコア30の構成材料としては、たとえば、珪素鋼板が用いられるが、例示の材料に限定されない。
【0034】
本実施形態の永久磁石40は、ロータコア30の外周面に複数配設されている。したがって、永久磁石40の断面形状は円弧状を呈している。本実施形態の三相電磁モータ100はSPM型の8極構成であるため、8個の永久磁石40がロータコア30の外周面の円周方向に均等に配置されている。
【0035】
永久磁石としては、たとえば、ネオジウム磁石等の希土類磁石が挙げられるが、例示の材質に限定されない。
【0036】
[三相電磁モータの作用]
次に、図1から図3を参照して、第1実施形態に係る三相電磁モータの作用について説明する。
【0037】
第1実施形態に係る三相電磁モータにおいて、ステータ1はロータ2を囲むように設けられる。ステータコア10は、ロータ2に臨んで放射線状に並んだ複数の巻線20を有する。
【0038】
本実施形態の巻線20は、ステータコア10の円周方向に均等に配置され、放射線状に並んだ複数の磁極13において、1つ置きの磁極13に巻装される。具体的には、本実施形態のスロット数は6スロットであるので、磁極13の数は6磁極である。これら6本の磁極13のうちの1つ置きの磁極13に、巻線20が巻装されるので、巻線数は3となる。
【0039】
三相電源の場合、通常、u相、v相、w相の巻線20が順に配置される。本実施形態の巻線数は3であるので、三相電源に対して巻線数が最小化されることになる。
【0040】
ここで、図3を参照して、従来の三相電磁モータの巻線構造との比較を行う。図3は従来の三相電磁モータの巻線構造の概略図である。
【0041】
図3に示すように、従来の三相電磁モータは、6スロットのステータ1において、ステータコア10の各磁極13に巻線20が巻装されている。したがって、6本の磁極13に対して、巻線数は6となる。従来の三相電磁モータの巻線構造では、巻線数が6となるので、巻線コストおよび結線コストの双方が増大する。
【0042】
すなわち、第1実施形態に係る三相電磁モータ100によれば、三相電源に対する巻線数の最少化により、巻線コストおよび結線コストを削減することができる。
【0043】
また、第1実施形態に係る三相電磁モータ100は、ロータ2が8極の永久磁石40を有するので、コギングトルクの増大を防止することができ、モータの高効率化を図ることができる。
【0044】
〔第2実施形態〕
次に、図4および図5を参照して、第2実施形態に係る三相電磁モータについて説明する。図4は第2実施形態に係る三相電磁モータの概略図である。図5は第2実施形態に係る三相電磁モータのステータコアの概略図である。なお、第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0045】
図4に例示する三相電磁モータ200は、第1実施形態と同様に、8極6スロットの三相交流サーボモータであり、ステータ201とロータ2を備える。
【0046】
図4および図5に示すように、第2実施形態に係る三相電磁モータは、ステータコア210の磁極の構造が、第1実施形態とは異なる。
【0047】
すなわち、第2実施形態に係る三相電磁モータ200は、ステータコア210の円周方向に均等に配置され、放射線状に並んだ6本の磁極213について、磁極幅が交互に異なっている。
【0048】
第2実施形態のステータコア210には、当該ステータコア210の円周方向に磁極幅の小さい磁極213aと磁極幅の大きい磁極213bとが交互に並んでいる。磁極幅の小さい磁極213aには、巻線20が巻装されている。したがって、巻線数は3となり、三相電源に対して巻線数が最小化されることになる。三相電源に対する巻線数の最少化により、巻線コストおよび結線コストを削減することができる。
【0049】
また、第2実施形態に係る三相電磁モータ200は、第1実施形態と同様に、ロータ2が8極の永久磁石40を有するので、コギングトルクの増大を防止して、トルク低下を抑制することができる。
【0050】
さらに、磁極幅の小さい磁極213aに巻線20が巻装されるので、巻線スペースを拡大してモータ効率を向上させることができる。
【0051】
第2実施形態に係る三相電磁モータは、基本的に第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に第2実施形態に係る三相電磁モータは、ステータコア210の円周方向に磁極幅の小さい磁極213aと磁極幅の大きい磁極213bとが交互に並んでおり、磁極幅の小さい磁極213aに巻線20が巻装されている。
【0052】
したがって、第2実施形態に係る三相電磁モータによれば、巻線コストおよび結線コストの低減とともに、トルク低下を抑制しつつ、巻線スペースを拡大してモータ効率を向上させることができるという有利な効果を奏する。
【0053】
〔第3実施形態〕
次に、図6および図7を参照して、第3実施形態に係る三相電磁モータについて説明する。図6は第3実施形態に係る三相電磁モータの概略図である。図7は第3実施形態に係る三相電磁モータのステータコアの概略図である。なお、第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0054】
図6に例示する三相電磁モータ200は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、8極6スロットの三相交流サーボモータであり、ステータ301とロータ2を備える。
【0055】
図6および図7に示すように、第3実施形態に係る三相電磁モータは、ステータコア310の磁極の構造が、第1実施形態および第2実施形態とは異なる。
【0056】
すなわち、第3実施形態に係る三相電磁モータ300は、ステータコア310の円周方向に均等に配置され、放射線状に並んだ6本の磁極313について、磁極形状が交互に異なっている。
【0057】
第3実施形態のステータコア310には、当該ステータコア310の円周方向に、内径側が拡幅された磁極313aと内径側が縮幅された磁極313bとが交互に並んでいる。磁極313aは、ほぼ台形状を呈するように、内径側が順次拡幅されている。磁極313bは、ほぼ逆台形状を呈するように、内径側が順次縮幅されている。
【0058】
内径側が順次拡幅された磁極313aには、巻線20が巻装されている。したがって、巻線数は3となり、三相電源に対して巻線数が最小化されることになる。三相電源に対する巻線数の最少化により、巻線コストおよび結線コストを削減することができる。
【0059】
また、第3実施形態に係る三相電磁モータ200は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、ロータ2が8極の永久磁石40を有するので、コギングトルクの増大を防止して、トルク低下を抑制することができる。
【0060】
さらに、内径側が順次拡幅された磁極313aに巻線20が巻装されるので、永久磁石40の磁束を有効に活用でき、更なるモータの高効率化を図ることができる。
【0061】
第3実施形態に係る三相電磁モータは、基本的に第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に第3実施形態に係る三相電磁モータは、ステータコア310の円周方向に内径側が順次拡幅された磁極313aと内径側が順次縮幅された磁極313bとが交互に並んでおり、内径側が順次拡幅された磁極313aに巻線20が巻装されている。
【0062】
したがって、第3実施形態に係る三相電磁モータによれば、巻線コストおよび結線コストの低減とともに、トルク低下を抑制しつつ、永久磁石40の磁束を有効に活用でき、更なるモータの高効率化を図ることができるという有利な効果を奏する。
【0063】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
【0064】
たとえば、上記実施形態では、SPM型の三相電磁モータを例示して説明したが、本発明はIPM(Internal Permanent Magnet Motor)型の三相電磁モータにも適用することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、サーボモータについて説明したが、ステッピングモータにも適用することができる。
【0066】
さらに、8n極6nスロット(nは自然数)の三相電磁モータにおいてn=2以上の場合には、巻線数および結線数を最小化するため、各u相群、v相群、w相群の巻線20を、渡り線を介して連続巻することが好ましい。n=2以上の場合は巻線数が3nとなるが、各u相群、v相群、w相群の巻線20を、渡り線を介して連続巻することにより、巻線数を3として最小化することができる。
【符号の説明】
【0067】
1、201、301 ステータ、
2 ロータ、
10、210、310 ステータコア、
11 スロット、
13、213、313 磁極、
213a 磁極幅の小さい磁極、
213b 磁極幅の大きい磁極、
313a 内径側が拡幅された磁極、
313b 内径側が縮幅された磁極、
20 巻線、
40 永久磁石、
100 三相電磁モータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7