(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6140094
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】マトリクス形キー入力インタフェース
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
G06F3/02 380E
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-60389(P2014-60389)
(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公開番号】特開2015-184897(P2015-184897A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】木下 次朗
(72)【発明者】
【氏名】安藤 博篤
【審査官】
菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−087046(JP,U)
【文献】
特開昭62−204311(JP,A)
【文献】
特開昭63−058025(JP,A)
【文献】
特開平03−149610(JP,A)
【文献】
特開平04−114221(JP,A)
【文献】
特開平07−049736(JP,A)
【文献】
特開平11−355251(JP,A)
【文献】
特開2001−014975(JP,A)
【文献】
米国特許第06535146(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配線されたm(mは自然数)本のキーコモン信号線と、n+1(nは自然数)本のキーデータ信号線と、
互いに交差する前記キーコモン信号線と前記キーデータ信号線のうち、1番目からn番目までのキーデータ信号線との間に接続されるm×n個のキースイッチと、を有し、
前記キーデータ信号線のうちのn+1番目のキーデータ信号線と、前記m本の各キーコモン信号線との間に信号の回り込み防止用のダイオードを接続したシンク型のキーマトリクス回路と、
m本全ての前記キーコモン信号線にキースキャン信号が出力されていない状態でのn+1本全ての前記キーデータ信号線を周期的に監視する監視手段と、
前記監視手段による前記キーデータ信号線の監視中に前記キーデータ信号線のいずれかがLレベルだった場合は地絡として検出する検出手段と、
を有することを特徴とするマトリクス形キー入力インタフェース。
【請求項2】
マトリクス状に配線されたm+1(mは自然数)本のキーコモン信号線と、n+1(nは自然数)本のキーデータ信号線と、
互いに交差する前記キーコモン信号線と前記キーデータ信号線のうち、1番目からm番目までのキーコモン信号線と、1番目からn番目までのキーデータ信号線との間に接続されるm×n個のキースイッチと、を有し、
前記キーデータ信号線のうちのn+1番目のキーデータ信号線と各キーコモン信号線との間、及び、前記キーコモン信号線のうちのm+1番目のキーコモン信号線と各キーデータ信号線との間にそれぞれ信号の回り込み防止用のダイオードを接続したソース型のキーマトリクス回路と、
キースキャン信号出力時以外のタイミングでm+1番目の前記キーコモン信号線にキースキャン信号を追加出力し、追加した前記キースキャン信号を含めた全てのキースキャン実行中に出力されるn+1番目の前記キーデータ信号線を監視する監視手段と、
全てのキースキャン信号に対応する追加した前記n+1番目のキーデータ信号線がLレベルだった場合は地絡として検出する検出手段と、
を有することを特徴とするマトリクス形キー入力インタフェース。
【請求項3】
マトリクス状に配線されたm(mは自然数)本のキーコモン信号線と、n(nは自然数)本のキーデータ信号線と、
互いに交差する前記キーコモン信号線と前記キーデータ信号との間に接続されるm×n個のキースイッチと、を有するシンク型のキーマトリクス回路と、
m本全ての前記キーコモン信号線にキースキャン信号が出力されていない状態でのn本全ての前記キーデータ信号線を周期的に監視する監視手段と、
前記キースイッチにキー入力がないときに前記キーデータ信号線の監視中に前記キーデータ信号線のいずれかがLレベルだった場合は前記キーデータ信号線上の地絡として、前記キースイッチにキー入力があったときに前記キーデータ信号線の監視中に前記キーデータ信号のいずれかがLレベルだった場合は前記キーコモン信号線上の地絡として検出する検出手段と、
を有することを特徴とするマトリクス形キー入力インタフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリクス形キー入力インタフェースに関し、特にキーコモン信号線やキーデータ信号線の地絡を検出することが可能なマトリクス形キー入力インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、格子状の配線パターンに各々接続されたキーの情報を1列ずつスキャンしていくことでキー情報を取得するキーマトリクス回路が知られている。このようなキーマトリクス回路は、それぞれのキーと配線パターンを1対1で接続する場合と比較して、格子状に配線パターンを配列することによって、より少ない信号線の本数で多くのキーの情報を検出することが可能となる。
【0003】
しかしながら、キーマトリクス回路とコモン信号出力回路、データ信号受信回路(以下LSI)との間の配線が地絡していた場合には、所望の入力信号とは異なった入力が検出されてしまい、誤作動の原因となるおそれがある。
従来技術として、特許文献1には、キーマトリクス回路において、入力の異常を検出して、その機器の誤動作を防止する機能を備える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−58025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のキーマトリクス回路においては、キーマトリクス回路とLSIとの間の配線の地絡を検出する機構を備えていないため、これらの配線の地絡が発生した場合には、所望の入力信号とは異なった入力が検出されてしまうため、誤作動が生じるおそれがあった。
また、特許文献1に開示されている技術は、キーマトリクス回路の入力の異常の検出は行っているが、キーマトリクス回路とLSIとの間の配線の地絡を検出するものではない。
【0006】
そこで本発明は、キーマトリクス回路において、キーマトリクス回路とLSIとの間の配線の地絡を検出することが可能なマトリクス形キー入力インターフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明では、マトリクス状に配線されたm(mは自然数)本のキーコモン信号線と、n+1(nは自然数)本のキーデータ信号線と、互いに交差する前記キーコモン信号線と前記キーデータ信号線のうち、1番目からn番目までのキーデータ信号線との間に接続されるm×n個のキースイッチと、を有し、前記キーデータ信号線のうちのn+1番目のキーデータ信号線と、前記m本の各キーコモン信号線との間に信号の回り込み防止用のダイオードを接続したシンク型のキーマトリクス回路と、m本全ての前記キーコモン信号線にキースキャン信号が出力されていない状態でのn+1本全ての前記キーデータ信号線を周期的に監視する監視手段と、前記監視手段による前記キーデータ信号線の監視中に前記キーデータ信号線のいずれかがLレベルだった場合は地絡として検出する検出手段と、を有することを特徴とするマトリクス形キー入力インタフェースが提供される。
【0008】
本願の請求項2に係る発明では、マトリクス状に配線されたm+1(mは自然数)本のキーコモン信号線と、n+1(nは自然数)本のキーデータ信号線と、互いに交差する前記キーコモン信号線と前記キーデータ信号線のうち、1番目からm番目までのキーコモン信号線と、1番目からn番目までのキーデータ信号線との間に接続されるm×n個のキースイッチと、を有し、前記キーデータ信号線のうちのn+1番目のキーデータ信号線と各キーコモン信号線との間、及び、前記キーコモン信号線のうちのm+1番目のキーコモン信号線と各キーデータ信号線との間にそれぞれ信号の回り込み防止用のダイオードを接続したソース型のキーマトリクス回路と、キースキャン信号出力時以外のタイミングでm+1番目の前記キーコモン信号線にキースキャン信号を追加出力し、追加した前記キースキャン信号を含めた全てのキースキャン実行中に出力されるn+1番目の前記キーデータ信号線を監視する監視手段と、全てのキースキャン信号に対応する追加した前記n+1番目のキーデータ信号線がLレベルだった場合は地絡として検出する検出手段と、を有することを特徴とするマトリクス形キー入力インタフェースが提供される。
【0009】
本願の請求項3に係る発明では、マトリクス状に配線されたm(mは自然数)本のキーコモン信号線と、n(nは自然数)本のキーデータ信号線と、互いに交差する前記キーコモン信号線と前記キーデータ信号との間に接続されるm×n個のキースイッチと、を有するシンク型のキーマトリクス回路と、m本全ての前記キーコモン信号線にキースキャン信号が出力されていない状態でのn本全ての前記キーデータ信号線を周期的に監視する監視手段と、前記キースイッチにキー入力がないときに前記キーデータ信号線の監視中に前記キーデータ信号線のいずれかがLレベルだった場合は前記キーデータ信号線上の地絡として、前記キースイッチにキー入力があったときに前記キーデータ信号線の監視中に前記キーデータ信号のいずれかがLレベルだった場合は前記キーコモン信号線上の地絡として検出する検出手段と、を有することを特徴とするマトリクス形キー入力インタフェースが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、キーマトリクス回路において、キーマトリクス回路とLSIとの間の配線の地絡を検出することが可能なマトリクス形キー入力インタフェースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態におけるシンク型キーマトリクス回路を示した図である。
【
図2】第1の実施形態において、キーコモン信号線が地絡した場合を示した図である。
【
図3】第1の実施形態において、キーデータ信号線が地絡した場合を示した図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態におけるソース型キーマトリクス回路を示した図である。
【
図5】第2の実施形態において、キーコモン信号線が地絡した場合を示した図である。
【
図6】第2の実施形態において、キーデータ信号線が地絡した場合を示した図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態におけるシンク型キーマトリクス回路を示した図である。
【
図8】第1の実施形態において、キーコモン信号線が地絡した場合を示した図である。
【
図9】第1の実施形態において、キーデータ信号線が地絡した場合を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図面と共に説明する。
格子状の配線パターンに各々接続されたキーの情報を一列ずつスキャンしていくことでキー情報を取得するキーマトリクス回路は、格子状に配線パターンを配列することで、より少ない信号線の本数で多くのキー情報を取得することができる。しかし、キーマトリクス回路とLSIとの間の配線が地絡していた場合には、所望の入力信号は異なった入力が検出されてしまうために、誤作動の原因となることがある。
【0013】
図1は、これらの課題を解決するための、シンク型キーマトリクス回路を示した図である。キーマトリクス回路50は、m本のキーコモン信号線20(KCOM0〜KCOMm−1)と、n本のキーデータ信号線30(KEYD0〜KEYDn−1)が、それぞれ互いに交差するように配置され、その交点に接続されるようにm×n個のキースイッチ55が配置されている。各キースイッチ55は、キーを押すことによってオンされる構成とされている。また、キーコモン信号線20及びキーデータ信号線30の信号は、LSI10に入力される。
【0014】
本実施形態においては、もともとのm本のキーコモン信号線20及びn本のキーデータ信号線30に加えて、追加のキーデータ信号線として、n+1本目のキーデータ信号線52を設ける。そして、この追加したキーデータ信号線52と交差する各キーコモン信号線20(KCOM0〜KCOMm−1)との間に、信号の回り込み防止用のダイオード57を接続する。信号の回り込み防止用のダイオード57は、キースイッチとして接続される他のダイオードと異なり、常時オンとなる状態で接続されている。
【0015】
各キーコモン信号線20には、
図1のタイムチャートに示されているように、KCOM0から順にキースキャンが実行されている。そして、m本目のKCOMm−1のキースキャン実行後に、全てのキーコモン信号線(KCOM0〜KCOMm−1)にキースキャンが実行されていない状態(タイムチャートにおける網線部100)を作り、この状態においてキーデータ信号線(KEYD0〜KEYDn)を監視できるように設定しておく。
【0016】
キーデータ信号線(KEYD0〜KEYDn)の状態は、KEYD0〜KEYDn−1については、キースイッチ55が押されていないために、KCOM0〜KCOMm−1のキースキャン時、及び、その後の網線部にわたってHレベルとなる。また、KEYDnについては、KCOM0〜KCOMm−1のキースキャン時においては、KCOM0〜KCOMm−1のいずれかがスキャンされているためLレベルとなるが、その後の網線部100においては、全てのキーコモン信号線(KCOM0〜KCOMm−1)にキースキャンが実行されていない状態であるためにHレベルとなる。
【0017】
図2は、このように構成されたシンク型キーマトリクス回路において、キーコモン信号線20の1つであるKCOM1が地絡した場合を示した図である。この場合、KCOM1の信号は常にLレベルとなる。そして、KEYDnとKCOM1とは、回り込み防止用のダイオード57を介して直接接続されているため、KEYDnの信号は常にLレベルとなる。先ほどの
図1における網線部におけるKEYDnの状態で示されたように、全てのキーコモン信号線20にキースキャンが実行されていない状態においては、Hレベルが検出されるはずであるが、
図2の場合には、網線部100においてもKEYDnの信号がLレベルとなる。したがって、網線部100においてKEYDnにLレベルが検出されていることから、いずれかのキーコモン信号線20において、地絡が発生しているものと判断できる。
【0018】
図3は、このように構成されたシンク型キーマトリクス回路において、キーデータ信号線30の1つであるKEYD1が地絡した場合を示した図である。この場合、KEYD1の信号は常にLレベルとなる。先ほどの
図1における網線部100においては、いずれのキーコモン信号線にもキースキャン信号が出力されていない状態なので、KEYD0〜KEYDn−1のいずれのキーデータ信号線においてもHレベルが検出されるはずである。したがって、網線部100においてKEYD1にLレベルが検出されていることから、KEYD1において地絡が発生しているものと判断できる。
【0019】
(第2の実施形態)
図4は、ソース型キーマトリクス回路を示した図である。キーマトリクス回路60は、m本のキーコモン信号線20(KCOM0〜KCOMm−1)と、n本のキーデータ信号線30(KEYD0〜KEYDn−1)とが、それぞれ互いに交差するように配置され、その交点に接続されるようにm×n個のキースイッチ55が配置されている。各キースイッチ55は、キーを押すことによってオンされる構成とされている。また、キーコモン信号線20及びキーデータ信号線30の信号は、LSI10に入力される。
【0020】
本実施形態においては、もともとのm本のキーコモン信号線20及びn本のキーデータ信号線30に加えて、追加のキーコモン信号線20及びキーデータ信号線30として、m+1本目のキーコモン信号線64及びn+1本目のキーデータ信号線62を設ける。そして、この追加したキーコモン信号線64と他のキーデータ信号線、及び追加したキーデータ信号線62と他のキーコモン信号線との間に、信号の回り込み防止用のダイオード57を接続する。信号の回り込み防止用のダイオードは、キースイッチとして接続される他のダイオードと異なり、常時オンとなる状態で接続されている。
【0021】
各キーコモン信号線20には、
図4のタイムチャートに示されているように、KCOM0から順にキースキャンが実行されている。そして、m本目のKCOMm−1のキースキャン実行後に、新たに追加されたm+1本目のキーコモン信号線64にキースキャン信号を追加出力し、追加したキースキャン信号を含めたキースキャン実行中に出力されるn+1本目のKEYDnのキーデータ信号線30の状態を監視できるように設定しておく。
【0022】
キーデータ信号線30(KEYD0〜KEYDn)の状態は、KEYD0〜KEYDn−1については、キースイッチ55が押されていないために、KCOM0〜KCOMm−1のキースキャン時にわたってLレベルとなる。また、m+1本目のキーコモン信号線20と、全てのキーデータ信号線30とが回り込み防止用のダイオード57を介して接続されているため、その後のm+1本目のキーコモン信号線20のキースキャン時は、KEYD0〜KEYDn−1はHレベルとなる。
n+1本目のキーデータ信号線KEYDnについては、追加したm+1本目のキーコモン信号線20を含めたKCOM0〜KCOMmのキースキャン時にわたってHレベルとなる。
【0023】
図5は、このように構成されたソース型キーマトリクス回路において、キーコモン信号線20の1つであるKCOM1が地絡した場合を示した図である。この場合、KCOM1の信号は本来キースキャンされるタイミングも含めて常にLレベルとなる。そして、KEYDnとKCOM1とは、回り込み防止用のダイオード57を介して直接接続されているため、KCOM1において本来キースキャンが実行されるタイミングでのKEYDnの信号はLレベルとなる。
【0024】
ここで、KEYDnは全てのキーコモン信号線20に対して回り込み防止用のダイオード57を介して直接接続されているため、各キーコモン信号線20に正常にキースキャン信号が出力されていれば、いずれのキーコモン信号線20に対するキースキャンが実行されるタイミングにおいてもHレベルが検出されるはずであるが、
図5の場合には、KCOM1のキースキャンが実行されるタイミングにおいて、Lレベルが検出されていることから、KCOM1において地絡が発生していると判断できる。
【0025】
図6は、このように構成されたソース型キーマトリクス回路において、キーデータ信号線30の1つであるKEYD1が地絡した場合を示した図である。この場合、KEYD1の信号は常にLレベルとなる。先ほどの図
4におけるタイムチャートで示されているように、正常な状態においては、KEYDnはKCOMmに対して、回り込み防止用のダイオードを介して直接接続されているため、KCOMmでのキースキャンに対応するタイミングにおいて、KEYDnではHレベルが検出されるはずである。したがって、KEYDnのKCOMmのスキャンに対応するタイミングにおいて、Lレベルが検出されていることから、キーデータ信号線30のいずれかの箇所において地絡が発生しているものと判断できる。
【0026】
(第3の実施形態)
図7は、シンク型キーマトリクス回路を示した図である。キーマトリクス回路70は、m本のキーコモン信号線20(KCOM0〜KCOMm−1)と、n本のキーデータ信号線30(KEYD0〜KEYDn−1)が、それぞれ互いに交差するように配置され、その交点に接続されるようにm×n個のキースイッチ55が配置されている。各キースイッチ55は、キーを押すことによってオンされる構成とされている。また、キーコモン信号線20及びキーデータ信号線30の信号は、LSI10に入力される。
【0027】
各キーコモン信号線20には、
図7のタイムチャートに示されているように、KCOM0から順にキースキャンが実行されている。そして、m本目のKCOMm−1のキースキャン実行後に、全てのキーコモン信号線(KCOM0〜KCOMm−1)にキースキャンが実行されていない状態(タイムチャートにおける網線部)を作り、この状態においてキーデータ信号線(KEYD0〜KEYDn)を監視できるように設定しておく。
【0028】
キーデータ信号線(KEYD0〜KEYDn−1)の状態は、キースイッチが押されていないために、KCOM0〜KCOMm−1のキースキャン時、及び、その後の網線部にわたってHレベルとなる。
【0029】
図8は、このように構成されたシンク型キーマトリクス回路において、キーコモン信号線20の1つであるKCOM1が地絡した場合を示した図である。この場合、KCOM1の信号は常にLレベルとなる。ここで、KCOM1とKEYD1とを接続するキースイッチ55をKEY1としたとき、KEY1が入力されている間は、KEYD1とKCOM1とはKEY1を介して直接接続されるため、KEYD1はKCOM1と同電位となりLレベルとなる。先ほどの
図7における網線部では、全てのキーコモン信号線20にキースキャン信号が出力されていない状態であるため、いずれのキーデータ信号線30においてもHレベルが検出されるはずであるが、
図8の場合には、網線部においてKEYD1の信号がLレベルとなる。したがって、網線部のKEYD1においてKEYDnにLレベルが検出されていることから、KCOM1において、地絡が発生しているものと判断できる。
【0030】
図9は、このように構成されたシンク型キーマトリクス回路において、キーデータ信号線30の1つであるKEYD1が地絡した場合を示した図である。この場合、KEYD1の信号は常にLレベルとなる。先ほどの
図7における網線部においては、いずれのキーコモン信号線にもキースキャン信号が出力されていない状態なので、KEYD0〜KEYDn−1のいずれのキーデータ信号線においてもHレベルが検出されるはずである。したがって、網線部においてKEYD1にLレベルが検出されていることから、KEYD1において地絡が発生しているものと判断できる。
【符号の説明】
【0031】
10 コモン信号出力回路、データ信号受信回路(図中LSIと表記)
20 キーコモン信号線
30 キーデータ信号線
50 (シンク型)キーマトリクス回路
52 (追加された)キーデータ信号線
55 キースイッチ
57 (回り込み防止用の)ダイオード
60 (ソース型)キーマトリクス回路
62 (追加された)キーデータ信号線
64 (追加された)キーコモン信号線
70 (シンク型)キーマトリクス回路