特許第6140108号(P6140108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リサイクル ファクトリー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6140108-風流乾燥装置及び風流乾燥方法 図000002
  • 特許6140108-風流乾燥装置及び風流乾燥方法 図000003
  • 特許6140108-風流乾燥装置及び風流乾燥方法 図000004
  • 特許6140108-風流乾燥装置及び風流乾燥方法 図000005
  • 特許6140108-風流乾燥装置及び風流乾燥方法 図000006
  • 特許6140108-風流乾燥装置及び風流乾燥方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6140108
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】風流乾燥装置及び風流乾燥方法
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/32 20060101AFI20170522BHJP
   F26B 5/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   F26B17/32 A
   F26B5/00
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-128218(P2014-128218)
(22)【出願日】2014年6月23日
(65)【公開番号】特開2016-8737(P2016-8737A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2015年6月29日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511269129
【氏名又は名称】リサイクル ファクトリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082234
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145078
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】本村 孝幸
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−221572(JP,A)
【文献】 実開平02−124490(JP,U)
【文献】 特開2003−148867(JP,A)
【文献】 実開昭57−013920(JP,U)
【文献】 特開2006−207848(JP,A)
【文献】 特開昭47−011657(JP,A)
【文献】 特開昭62−186184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B1/00−25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向一端側に投入口を設け、他端側に排出口を設けた円筒状の固定型の乾燥ドラムと、該乾燥ドラムの内周面に螺旋状に設けたガイド板により前記投入口から排出口にかけて形成した螺旋状の被乾燥物通路と、該被乾燥物通路の適宜の位置に突設した被乾燥物を解かすための障害材と、前記乾燥ドラムの胴部に軸方向に離間して形成した複数の乾燥空気吹込み口と、該各乾燥空気吹込み口に接続した送風管と、前記乾燥ドラムの胴部に軸方向に離間して配設し、前記ガイド板により前記乾燥空気吹込み口と遮蔽されている複数の排気口と、該各排気口に設けた強制排気装置とから構成してなる風流乾燥装置。
【請求項2】
前記乾燥空気吹込み口は、前記被乾燥物通路に位置して前記乾燥ドラムの接線方向に形成してあることを特徴とする請求項1記載の風流乾燥装置。
【請求項3】
前記強制排気装置は、前記乾燥空気吹込み口から吹出される乾燥空気が前記乾燥ドラム内で周方向に270度旋回した位置に配設してあることを特徴とする請求項1記載の風流乾燥装置。
【請求項4】
軸方向一端側の投入口から他端の排出口に向けて、内周面に螺旋状に設けたガイド板により螺旋状の被乾燥物通路を形成した固定型の乾燥ドラム内に、軸方向に離間して配設し、該乾燥ドラムの接線方向に形成した複数の乾燥空気吹込み口から乾燥空気を吹き込み、該乾燥空気は前記乾燥ドラム内で周方向に270度旋回させることにより、前記乾燥ドラム内の被乾燥物を前記被乾燥物通路に沿って旋回流動させ、該乾燥物通路の適宜の位置に突設した障害材によって解しながら乾燥し、前記乾燥ドラム内の加湿空気は該乾燥ドラムに軸方向に離間して配設され、前記ガイド板により前記乾燥空気吹込み口と遮蔽されている複数の排気口に設けた強制排気装置により排出するようにした風流乾燥方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製フィルム片のような軽量の対象物を洗浄脱水した後に乾燥を要する被乾燥物を乾燥するのに好適な風流乾燥装置及び風流乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
要乾燥物を風によって乾燥させる手段として、刈り枝、刈り草、生木質チップを主として対象とする送風乾燥装置が提案されている。この乾燥装置は、ステンレス製メッシュにより円形の筒状体に形成した収納体10を傾斜可能に構成し、収納体10を回転手段20により長軸回りに回転させながら要乾燥物を移動させ、この間に収納体10の外部に配置した送風装置50から収納体10に向けて風を吹き付けることによって要乾燥物を乾燥するというものである(特許文献1)。
【0003】
また、塊状或いは粉状の要乾燥体を乾燥させる手段として、上下両端を閉塞した胴部21を鉛直に立設する乾燥筒2と、乾燥筒2の軸方向に沿って配列され、乾燥筒2内に熱風HAを送り込む熱風供給管3と、乾燥筒2の底部に回転可能に配設した平羽根9とから構成し、最上位に位置する熱風供給管3を除く熱風供給管3は熱風HAの吹き出し角度が乾燥筒2の内周面21に沿って1周して上方に隣位する熱風供給管3に到達する螺旋を描くように設定した乾燥装置が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−243364号公報
【特許文献2】特開2005−30650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術は、多孔板からなる収納体10に向けて外部に配置した送風装置から風を吹き付ける構成であるため、乾燥効率の点で問題がある。また、刈り枝、刈り草、生木質チップ等の要乾燥物に微細な異物が混入している場合は風力によって異物が収納体10から外部に吹き散らされて作業環境を悪くするという問題がある。
【0006】
特許文献2の技術は、要乾燥体を風圧で乾燥筒2の下から上方に向けて旋回上昇させる方法であるが、形状も質量も異なる個々の要乾燥体を乾燥筒2内で熱風HAの旋回流に乗せ、かつ下方から平羽根9で風を送る構成で、要乾燥体を円滑に流動させ、この間に効率的に乾燥させることが可能であるか問題がある。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、円筒状の乾燥ドラム内で被乾燥物を乾燥空気によって被乾燥物通路に沿って旋回させることにより、乾燥空気との接触距離及び滞留時間を長くして効率的、確実に乾燥するようにした風流乾燥装置及び風流乾燥方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために構成した請求項1に係る発明は、軸方向一端側に投入口を設け、他端側に排出口を設けた円筒状の固定型の乾燥ドラムと、該乾燥ドラムの内周面に螺旋状に設けたガイド板により前記投入口から排出口にかけて形成した螺旋状の被乾燥物通路と、該被乾燥物通路の適宜の位置に突設した被乾燥物を解かすための障害材と、前記乾燥ドラムの胴部に軸方向に離間して形成した複数の乾燥空気吹込み口と、該各乾燥空気吹込み口に接続した送風管と、前記乾燥ドラムの胴部に軸方向に離間して配設し、前記ガイド板により前記乾燥空気吹込み口と遮蔽されている複数の排気口と、該各排気口に設けた強制排気装置とから構成してなる。
【0009】
そして、前記乾燥空気吹込み口は、前記被乾燥物通路に位置して前記乾燥ドラムの接線方向に形成するとよい。
【0010】
また、前記強制排気装置は、前記乾燥空気吹込み口から吹出される乾燥空気が前記乾燥ドラム内で周方向に270度旋回した位置に配設するとよい。
【0011】
また、請求項4に係る本発明を構成する手段は、軸方向一端側の投入口から他端の排出口に向けて、内周面に螺旋状に設けたガイド板により螺旋状の被乾燥物通路を形成した固定型の乾燥ドラム内に、軸方向に離間して配設し、該乾燥ドラムの接線方向に形成した複数の乾燥空気吹込み口から乾燥空気を吹き込み、該乾燥空気は前記乾燥ドラム内で周方向に270度旋回させることにより、前記乾燥ドラム内の被乾燥物を前記被乾燥物通路に沿って旋回流動させ、該乾燥物通路の適宜の位置に突設した障害材によって解しながら乾燥し、前記乾燥ドラム内の加湿空気は該乾燥ドラムに軸方向に離間して配設され、前記ガイド板により前記乾燥空気吹込み口と遮蔽されている複数の排気口に設けた強制排気装置により排出するようにしたことにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述の如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)被乾燥物は、乾燥ドラム内で乾燥空気の吹き付けにより被乾燥物通路に沿って旋回しながら流動するので、乾燥空気との接触距離及び接触時間が長く確実な乾燥処理ができる。
(2)被乾燥物は、乾燥ドラム内に形成した螺旋状の被乾燥物流路に沿って旋回流動させるので、形状及び質量の異なる被乾燥物であっても円滑に流動し、乾燥することができる。
(3)乾燥ドラムに形成した複数の乾燥空気吹込み口に送風管から乾燥空気を吹込むと共に、複数の強制排気装置により加湿空気を排気する構成にしたから、乾燥ドラム内を乾燥状態に維持して乾燥効率を高めることができる。
(4)乾燥空気吹込み口は被乾燥物通路に位置して乾燥ドラムの接線方向に形成し、乾燥空気が被乾燥物通路に沿って円滑に流動するようにしたから、被乾燥物も被乾燥物通路内を円滑に旋回流動するので乾燥効率がよい。
(5)被乾燥物通路に適宜の位置に障害材を突設して塊状の被乾燥物を解かすようにしたから、被乾燥物はばらけた状態になるので確実に乾燥することができる。
(6)乾燥空気吹込み口から吹出す乾燥空気は、乾燥ドラム内で周方向に270度旋回させた後強制排気装置により外部に排出するようにしたから、被乾燥物を乾燥空気に十分接触させることができる。
(7)乾燥空気吹込み口と排気口の間はガイド板が遮蔽しているから、吹込まれる乾燥空気が直ちに排気口から強制排気されることがないので、有効に乾燥作用を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る風流乾燥装置の正面図である。
図2】風流乾燥装置の背面図である。
図3】風流乾燥装置の右側面図である。
図4】風流乾燥装置の内部構成を示す一部を破断した平面図である。
図5図3中のV−V矢示方向断面図である。
図6】乾燥処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。図において、1は風流乾燥装置、2は該風流乾燥装置1を構成する鋼板製の乾燥ドラムで、該乾燥ドラム2は円筒状の胴部2Aと、該胴部2Aの軸方向一端側を閉塞する一側鏡板2Bと、胴部2Aの軸方向他端側を閉塞する他側鏡板2Cとによって、例えば長さ約6,000mm、直径約2,500mmの円筒体に形成してあり、図示しない洗浄乾燥工場等に設置する固定型のものである。3は前記胴部2Aの軸方向一端側に形成した方形の投入口で、該投入口3には角筒の投入ダクト3Aが胴部2Aの内周面2Dの接線に沿って横向きに突設してある。4は胴部2Aの軸方向他端側に形成した方形の排出口で、該排出口4には角筒の排出ダクト4Aが胴部2Aの内周面2Dの接線に沿って横向きに突設してある。
【0015】
5は前記乾燥ドラム2の内周面2Dに沿って投入口3から排出口4にかけて形成した螺旋状の被乾燥物通路で、該被乾燥物通路5は内周面2Dに高さ約200mmのガイド板5Aを螺旋状に立設することによって断面略凵字状をなしている。6、6、6は前記被乾燥物通路5に突出する状態で内周面2Dの上部側の位置に設けた金属製丸棒からなる3個の障害体を示す。該各障害体6は、被乾燥物通路5を流動する塊状の被乾燥物Mが衝突してバラバラに解かれて各々が落下することで、各被乾燥物Mを確実に乾燥させるためのものである。
【0016】
7、7、・・は乾燥ドラム2内に乾燥空気を吹き込むための複数の乾燥空気吹込み口で、該各乾燥空気吹込み口7は胴部2Aに軸方向に離間して配設し、かつ内周面2Dの接線に沿って被乾燥物通路5に開口させてあり、略楕円形をなしている。8は乾燥ドラム2内に乾燥空気を吹込むための送風管を示す。該送風管8は乾燥ドラム2の胴部2Aに軸方向に沿って配設した本管8Aと、該本管8Aから分岐して前記乾燥空気吹込み口7に接続した分配管8Bとから構成し、基端には図示しない温風送風機を接続することにより、約20℃の温風を約30m/秒の風速で乾燥ドラム2内に吹込むようになっている。
【0017】
9、9、・・は乾燥ドラム2内の加湿空気を外部に放出するための複数の排気口で、該排気口9は胴部2Aに軸方向に離間して被乾燥物通路5に開口して形成してある。10は該各排気口9に嵌着した強制排気装置を示す。該強制排気装置10は軸方向に離間して乾燥ドラム2に配設し、かつ乾燥空気吹込み口7から乾燥ドラム2内に吹き込んだ乾燥空気が乾燥ドラム2内で略4分の3回転、即ち周方向に約270度旋回した位置で吸引するように胴部2Aに位置させてある。この乾燥空気吹込み口7と強制排気装置10は周方向に離間させて配置し、両者の間はガイド板5によって遮蔽してあるので、乾燥ドラム2に吹込んだ乾燥空気が直ちに強制排気装置10によって排出されるといった無駄を排除できるし、乾燥空気は旋回する間に被乾燥物Mと十分に接触して乾燥させることができ、しかも湿潤化した空気として排出することで乾燥ドラム2内を乾燥状態に維持することができる。
【0018】
ここで、各強制排気装置10は、後端側に放出口11Aを形成した円筒からなり、排気口9に嵌合した状態で乾燥ドラム2に設けた吸気筒11と、駆動モーター12に連結され、該吸気筒11内で回転駆動される回転軸13と、吸気筒11内に位置して該回転軸13に設けた吸気ファン14と、回転軸13の先端側に設けられて乾燥ドラム2内に突出する多孔板からなる円錐状の回転フィルター15とから大略構成してあり、該回転フィルター15の外面には異物払い羽根16が十字状に立設してある。
上述の構成からなる強制排気装置10は、吸気筒11を排気口9に嵌合し、スペサー17を介して乾燥ドラム2の内周面2Dに取着してある。
【0019】
上述の構成からなる強制排気装置10は、吸気ファン14を回転して乾燥ドラム2内の加湿空気を回転フィルター15を介して吸気筒11内に吸込み、放出口11Aから外部に放出するものである。この時、吸気ファン14と共に回転フィルター15も回転することで、吸引力によって被乾燥物が回転フィルター15に付着するのを遠心力で払い飛ばすことで吸引効率の低下を防止している。また、異物払い羽根16は異物を払い飛ばすと共に、回転フィルター15の前面に旋回する空気層を形成することで異物と比重の異なる空気のみを吸引するようにしてある。
【0020】
本実施の形態は上述の構成からなるもので、次にその作用について説明する。乾燥ドラム2内に送風管8を介して温風送風機から約20℃の温風を毎秒約30mの風速で吹込む。複数の乾燥空気吹込み口7から吹き込まれた乾燥空気は被乾燥物通路5に沿って流動する。この状態で投入口3から乾燥ドラム2に投入された被乾燥物Mは、乾燥空気の風圧によって被乾燥物通路5を下流側に向かって旋回流動しながら絶えず新しい乾燥空気と接触することで確実かつ効率的に乾燥される。乾燥した被乾燥物Mは、風力によって排出口4から放出されて次工程に送られる。
【0021】
本実施の形態に係る乾燥ドラム2は約6,000mmの長さがあり、乾燥過程で被乾燥物Mは螺旋状の被乾燥物通路5を約75,000mm流動することから、直線状に流動する場合と比べて約12倍の接触距離を流動し、この流動する間は乾燥空気と接触することから被乾燥物Mはより確実に乾燥することができる。
【0022】
そして、水分の表面張力で付着して塊状になっている被乾燥物Mは、被乾燥物通路5に設けた障害材6に衝突して解かれることで、ばらけた各被乾燥物Mを確実に乾燥することができる。
【0023】
また、乾燥空気吹込み口から吹出す乾燥空気は、乾燥ドラム内で周方向に270度旋回した位置で強制排気装置により外部に排出するから、被乾燥物を乾燥空気に十分接触させることができる。そして、乾燥空気吹込み口7と強制排気装置は、乾燥ドラム内で周方向に270度旋回した位置に離間し、かつ両者の間はガイド板5Aが遮蔽しているから、吹出された乾燥空気が直ちに強制排気されることなく有効に乾燥作用を果たすことができる。
【0024】
なお、本発明の実施の形態で示した乾燥ドラム2及びガイド板5Aの寸法、乾燥空気の温度並びに風速に関する数値は例示であり、本発明はこれら数値に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0025】
1 風流乾燥装置
2 乾燥ドラム
2A 胴部
2D 内周面
3 投入口
4 排出口
5 被乾燥物通路
5A ガイド板
6 障害材
7 乾燥空気吹込み口
8 送風管
9 排気口
10 強制排気装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6