特許第6140150号(P6140150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザウアー,ステーンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6140150
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】引き出しの組み立て
(51)【国際特許分類】
   F16B 12/12 20060101AFI20170522BHJP
   A47B 88/90 20170101ALI20170522BHJP
   F16B 12/20 20060101ALI20170522BHJP
   F16B 2/14 20060101ALI20170522BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   F16B12/12 B
   A47B88/00 B
   F16B12/20 J
   F16B2/14 A
   F16B5/07 C
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-511868(P2014-511868)
(86)(22)【出願日】2012年5月24日
(65)【公表番号】特表2014-520235(P2014-520235A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】EP2012059684
(87)【国際公開番号】WO2012160129
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年5月21日
(31)【優先権主張番号】11167510.4
(32)【優先日】2011年5月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513297014
【氏名又は名称】ザウアー,ステーン
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザウアー,ステーン
【審査官】 鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03664011(US,A)
【文献】 国際公開第87/007339(WO,A1)
【文献】 実開昭54−100806(JP,U)
【文献】 特開2003−239921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 12/00−12/60
A47B 77/00−88/22
F16B 5/07
F16B 5/10
F16B 2/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一面および該第一面の第一溝を定め、該第一溝が第一側面および反対側の第二側面を定める第一家具要素、
該第一溝に受け入れられるための第一さねを有し、該第一さねが第一さね面および反対側の第二さね面を定め、該第二さね面が該第一溝の該第二側面と面で連携するよう適応しており、該第一側面および該第一さね面が、該第二さね面と該第二側面との間の該面での連携において第一の細長い区画を定める第二家具要素、および
該第一側面および該第一さね面と組み合い、そして該第二さね面を該第二側面に対して押し込むために、第一の細長い区画に挿入する第一の細長い家具施錠要素、
を備える家具集合体であって、該第一の細長い家具施錠要素は、該第一の細長い区画に挿入するための弾性材料の細長い基部であって、長手方向に延び且つ互いに平行で、そして第一の接続要素により互いに離れて相互連結される第一側壁および第二側壁を有する第一の細長い基部、および
該第一側壁および第二側壁を互いに離すために、該第一側壁および該第二側壁の間にそれらを横断して挿入される第一の細長い挿入要素、
を備えている、
ことを特徴とする家具集合体。
【請求項2】
該接続要素が該弾性材料の細長い底部を含み、長手方向に延びて該第一側壁および該第二側壁を相互連結させることを特徴とする請求項1に記載の家具集合体。
【請求項3】
該第一の上記接続要素が第一端部および反対側の第二端部を定め、該第一の接続要素が、
該第一端部に配置され、そして該第一側部および該第二側部を相互連結している該弾性材料の第一端部、および
該第二端部に配置され、そして該第一側部および第二側部を相互連結している該弾性材料の第二端部、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の家具集合体。
【請求項4】
該第一の細長い挿入要素が、第一側壁および第二側壁の間の空間の実質的部分を埋めるための立方形の第一の細長いスプライス部分を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の家具集合体。
【請求項5】
該第一の挿入要素が、該第一側壁および第二側壁の間に配置されるための且つ該第一の細長い基部に対して支持されるための第一の支持部分を有しており、該第一の細長いスプライス部分が該第一の支持部分に枢動可能に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の家具集合体。
【請求項6】
上記第一家具要素の該第一面に対して垂直の方向へ、該第二家具要素が該第一家具要素に対して移動することを防ぐために、該第二さね面が第一の広がりを定め、そして該第二側面が連携する第のアンダーカットを定めることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の家具集合体。
【請求項7】
上記第二さね面および該第二側面が、該第一溝の長手方向に伸びる第一の半あり継ぎを定めることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の家具集合体。
【請求項8】
第二面および該第二面の第二溝を定め、該第二溝が第三側面および反対側の第四側面を定める第三家具要素を備え、
上記第二家具要素は、該第二溝中に受け入れられる第二さねを有し、該第二さねが第三さね面および反対側の第四さね面を定め、該第四さね面が該第二溝の該第四側面と面で連携するように適応しており、該第三側面および該第三さね面が、該第四さね面と該第四側面との間の該面での連携において第二の細長い区画を定め、
該第三側面および該第三さね面と組み合い、そして該第四さね面を該第四側面に対して押し込むために、該第二の細長い区画に挿入する第二の細長い家具施錠要素、
をさらに備えており、該第二の細長い家具施錠要素は、該第二の細長い区画に挿入するための弾性材料の細長い基部であって、長手方向に延び且つ互いに平行で、そして第二の接続要素により互いに離れて相互連結される第一側壁および第二側壁を有する第二の細長い基部、および
該第一側壁および第二側壁を互いに離すために、該第一側壁および該第二側壁の間にそれらを横断して挿入される第二の細長い挿入要素、
を備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の家具集合体。
【請求項9】
該第一さねの該第一さね面および該第二さねの該第三さね面が反対方向に面していること、および/または該第一さねの該第二さね面および該第二さねの該第四さね面が反対方向に面していること、を特徴とする請求項8に記載の家具集合体。
【請求項10】
該第一の家具要素に対して該第二の家具要素が該第一の家具要素の第一面に垂直の方向に移動するのを防ぐために、該第二さね面が第二の広がりを定め、該第二側面が連携する第二のアンダーカットを定めることを特徴とする請求項8または9に記載の家具集合体。
【請求項11】
該第二さね面および該第二側面が該第一溝の長手方向に延びる第一の半あり継ぎを定めることを特徴とする請求項10に記載の家具集合体。
【請求項12】
家具を組み立てる方法であって、該家具が、第一面および該第一面の第一溝を定め、該第一溝が第一側面および反対側の第二側面を定める第一家具要素、第一さね面および反対側の第二さね面を定める第一さねを有する第二家具要素、および第一の細長い家具施錠要素、を備えており、該方法が、
該第一さねを該第一溝に挿入し、
該第二さね面と該第二側面との間の面での連携を確立し、該第一側面および該第一さね面が第一の細長い区画を定めるために、該第二さね面を該第一溝の該第二側面と接触する
ように配置し、そして
第一側面および該第一さね面が組み合い、そして第二さね面を第二側面に対して押し込むために、該第一の細長い家具施錠要素を該第一の細長い区画に挿入する、
ことからなる方法であって、該第一の細長い家具施錠要素は、該第一の細長い区画に挿入するための弾性材料の細長い基部であって、長手方向に延び且つ互いに平行で、そして第一の接続要素により互いに離れて相互連結される第一側壁および第二側壁を有する第一の細長い基部、および
該第一側壁および第二側壁を互いに離すために、該第一側壁および該第二側壁の間にそれらを横断して挿入される第一の細長い挿入要素、
を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の家具を組み立てる方法であって、該家具が、さらに、第二面および該第二面の第二溝を定め、該第二溝が第三側面および反対側の第四側面を定める第三家具要素、第三さね面および反対側の第四さね面を定める第二さねを有する第二家具要素、および第二の細長い家具施錠要素、を備えており、該方法が、
該第二さねを該第二溝に挿入し、
該第四さね面と該第四側面との間の面での連携を確立し、該第三側面および該第三さね面が第二の細長い区画を定めるために、該第四さね面を該第二溝の該第四側面と接触するように配置し、そして
第三側面および該第三さね面が組み合い、そして第四さね面を第四側面に対して押し込むために、該第二の細長い家具施錠要素を該第二の細長い区画に挿入する、
ことからなり、該第二の細長い家具施錠要素は、該第二の細長い区画に挿入するための弾性材料の細長い基部であって、長手方向に延び且つ互いに平行で、そして第二の接続要素により互いに離れて相互連結される第一側壁および第二側壁を有する第二の細長い基部、および
該第一側壁および第二側壁を互いに離すために、該第一側壁および該第二側壁の間にそれらを横断して挿入される第二の細長い挿入要素、
を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
該第一さねの該第一さね面および該第二さねの該第三さね面が反対方向に面していること、および/または該第一さねの該第二さね面および該第二さねの該第四さね面が反対方向に面していること、を特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家具の組み立てに関し、特に引き出しの側壁、前壁および後壁のような互いに垂直方向に向けられる平らな家具要素の組み立てに関する。
【背景技術】
【0002】
ひとまとまりの家具が機械的に家具要素を連結して構成される場合、家具要素は連結部で構造的に弱くなることが多く、この部位で家具に荷重がかかると壊れる恐れがある。これは、家具要素がパーティクルボードのような柔らかい材料で製造され、そして突き合わせ継手、重ね継手および従来のさね矧ぎのような通常の接合で接合される場合にまさにそうである。この問題は、ひとまとまりの家具が組み立てられていない状態、すなわち消費者により組み立てられる個々の、または分かれた構成要素、例えば板または壁の構成要素として輸送されるならば、特に顕著となる。さらに、ひとまとまりの家具を解体する場合、個々の家具要素の構造が、例えばプラグや鋲を外す時に傷つく可能性がある。これは、再度組み立てられた後に、ひとまとまりの家具の構造的強度を全体として下げる恐れがある。したがって、本発明の目的は、幾つかの家具要素から構成されるひとまとまりの家具の構造的強度を改善することである。幾つかの家具要素からひとまとまりの家具を組み立てるために道具が使用される場合、これは家具要素の構造に損傷を生じる可能性がある。例えば、螺旋状のネジを家具要素の構造に締めつけすぎると、損傷を生じるかもしれない。これは、電動ドライバーを誤ったトルク設定で使用した時によく起こる。したがって、本発明のさらなる目的は道具を必要としない組み立てを可能にすることである。
【0003】
特許文献1から、前部材、2つの側部材、後端部材および底から構成される引き出しが知られ、これらはすべて通常のあり継ぎにより一緒に接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第1,478,786号明細書
【発明の概要】
【0005】
上記の目的および利点は、第一面および第一面の第一溝を定め、第一溝が第一側面および反対側の第二側面を定める第一家具要素、第一溝に受けるための第一さねを有し、第一さねが第一さね面および反対側の第二さね面を定め、第二さね面が第一溝の第二側面と面で連携するように適応しており、第一側面および第一さね面が、第二さね面と第二側面との間の該面の連携において第一の細長い区画を定める第二家具要素、および第一側面および第一さね面と組み合い、そして第二さね面を第二側面に対して押し込むために、第一の細長い区画に挿入する第一の細長い家具施錠要素を備える家具集合体により達成される本発明の第一の形態に従う。
【0006】
ここで、第一溝は、細長い空間を定めるために第一面に平行して延びていると理解される。この明細書に記す溝は、第一の細長い家具施錠要素を第一家具要素の重要領域に組み合わせることを可能とし、これが第一家具要素に対する構造的損傷のリスクを下げる。これにより、第一家具要素はパーティクルボードまたはチップボードのような柔らかい家具材料から製造できるようになる。この第一さねは、該第一溝に挿入された場合、第一溝の実質的長さに沿って伸びることができる。これは、第一の細長い家具施錠要素が第二家具要素の重要領域を組み合わせることができ、これにより第二家具要素がパーティクルボードまたはチップボードのような柔らかい家具材料から製造できるようになることを意味する。
【0007】
第一家具要素の第一面に対する垂直の方向へ、第二家具要素が第一家具要素に対して移動することを防ぐために、第二さね面が第一の広がりを定めることができ、そして第二側面が連携する第一のアンダーカットを定めることができる。第二さね面および第二側面は、第一溝の長手方向に伸びる第一の半あり継ぎを定めることができる。
【0008】
本発明の第一の形態による家具集合体は、第二面および第二面の第二溝を定める第三家具要素をさらに含んでなることができ、第二溝が第三側面および反対側の第四側面を定める。第二家具要素は、第二溝中に受け入れられる第二さねをさらに有することができ、第二さねが第三さね面および反対側の第四さね面を定め、第四さね面が第二溝の第四側面と面で連携するように適応しており、第三側面および第三さね面が、第四さね面と第四側面との間の該面での連携において第二の細長い区画を定める。本発明の第二の形態による家具集合体は、第三側面および第三さね面と組み合い、そして第四さね面を第四側面に対して押し込むために、第二の細長い区画に挿入する第二の細長い家具施錠要をさらに備えることができる。
【0009】
ここで第二溝は、細長い空間を定めるために第二面に平行して延びていると理解される。この明細書に記す溝は、第二の細長い家具施錠要素を第三家具要素の重要領域に組み合わせることを可能とし、これが第三家具要素に対する構造的損傷のリスクを下げる。これにより第三家具要素は、パーティクルボードまたはチップボードのような柔らかい家具材料から製造できるようになる。この第二さねは、該第二溝に挿入された場合、第二溝の実質的長さに沿って伸びることができる。これは、第二の細長い家具施錠要素が第二家具要素の重要領域を組み合わせることができ、これにより第二家具要素はパーティクルボードまたはチップボードのような柔らかい家具材料から製造できるようになることを意味する。
【0010】
第一さねの第一さね面、および第二さねの第三さね面は、反対方向に面することができる。加えてまたは別に、第一さねの第二さね面、および第二さねの第四さね面は、反対方向に面することができる。これにより、細長い家具要素が第一溝の第一側面に対して押されるように、第二家具要素を第一家具要素に対して傾けることができるようになる。次いで傾けた場合に、第四さね面が第四側面と組み合うように、第三家具要素を配置することができる。これにより第二家具要素を傾けた場合、それによりさらに家具要素を組み合わせることができる。細長い基部の弾性材料は、第二家具要素が第一家具要素に対して傾いている場合、第二家具要素を押し込むように作用することができる。これは第四さね面と第四側面との接触が、家具集合体のみの構造により定まる力で生じることができるという効果を有し、組み立てをより容易にすることができる。
【0011】
第一家具要素の第一面に対して垂直の方向へ、第二家具要素が第一家具要素に対して移動することを防ぐために、第二さね面が第二の広がりを定めることができ、そして第二側面が連携する第二のアンダーカットを定めることができる。第二さね面および第二側面が、第一溝の長手方向に伸びる第一の半あり継ぎを定めることができる。
【0012】
上記の目的および利点は、家具を組み立てる方法により達成される本発明の第二の形態に従い、この家具は、第一面および第一面の第一溝を定め、第一溝が第一側面および反対側の第二側面を定める第一家具要素、第一さねが第一さね面および反対側の第二さね面を定める第一さねを有する第二家具要素、および第一の細長い家具施錠要素を備えており、この方法は、(a)第一さねを第一溝に挿入し、(b)第二さね面と第二側面との間の面での連携を確立し、第一側面および第一さね面が第一の細長い区画を定めるために、第二さね面を第一溝の第二側面と接触するように配置し、そして(c)第一側面および第一さね面が組み合い、そして第二さね面を第二側面に対して押し込むために、第一の細長い家
具施錠要素を第一の細長い区画に挿入する、ことからなる。
【0013】
家具はさらに、第二面および第二面の第二溝を定め、第二溝が第三側面および反対側の第四側面を定める第三家具要素、およびさらに第三さね面および反対側の第四さね面を定める第二さねを有する第二家具要素、および第二の細長い家具施錠要素をさらに備えることができ、この方法は、(d)第二さねを第二溝に挿入し、(e)第四さね面と第四側面との間の面での連携を確立し、第三側面および第三さね面が第二の細長い区画を定めるために、第四さね面を第二溝の第四側面と接触するように配置し、そして(f)第三側面および第三さね面が組み合い、そして第四さね面を第四側面に対して押し込むために、第二の細長い家具施錠要素を第二の細長い区画に挿入する、ことをさらに有することができる。
【0014】
第一さねの第一さね面、および第二さねの第三さね面は、反対方向に面することができる。加えてまたは別に、第一さねの第二さね面、および第二さねの第四さね面は、反対方向に面することができる。
【0015】
上記の目的および利点は、細長い家具施錠要素により達成される本発明の第一の形態に従い、この家具施錠要素は、細長い区画に挿入するための弾性材料の細長い基部であって、長手方向に延び且つ互いに平行で、そして接続要素により互いに離れて相互連結される第一側壁および第二側壁を有する細長い基部、および第一側壁および第二側壁を互いに離すために、第一側壁および第二側壁の間にそれらを横断して挿入される細長い挿入要素を備えている。
【0016】
弾性材料は、第一側壁および第二側壁に弾力性があるという効果を有し、これは、弾性材料が変形した後でも元の形状に戻ることを意味する。これは施錠要素が数回、再使用できるという点で有利である。細長い基部を挿入することができる細長い区画の例は、互いに面する2つの平らな壁の間で定められる空間である。この接続要素は第一側壁および第二側壁と同じ材料でよい。ここで押し込むこととは、1もしくは複数の力の作用に相当すると理解される。これは、例えば細長い区画内にきっちりと嵌めることにより、第一側壁および第二側壁の外側への移動を防げれば、第一側壁および第二側壁は外側に移動せずに変形することを意味する。
【0017】
細長い基部は、細長い区画に挿入される挿入側、および第一側壁の外面を定めることができる。第二側の外面は挿入側に向かって先細ることができる。ここで挿入側とは、細長い区画の中に挿入された場合に、それに直接面することになる基部の側を意味する。挿入側が細長い基部の底側と考えられるならば、挿入側に向かって先細るとは、基部がその底側で細長い基部の上側より狭いことを意味する。
【0018】
第一側壁は、その外面上で第一側壁に沿って長軸を横断して延び、そして分布する第一の複数の平行隆起を有することができる。この第一の複数の平行隆起により、弾性材料の第一側壁は細長い区画の内側にもきっちりと嵌るように変形でき、これで細長い区画の壁を傷付けずに確実な施錠を与える。第一側壁を横断して第一の複数の平行隆起が延びるとは、細長い基部を細長い区画に挿入しようとする方向と同じ方向に隆起が伸長することを意味し、これが挿入を容易にする。長手方向の分布は、第一側壁がその長さの実質的な部分にわたり変形でき、これがより確実な施錠を可能にするという効果を有する。
【0019】
第一側壁は、その内面上に第一側壁に沿って長軸を横断して延び、そして分布する第二の複数の平行隆起を有することができる。第二の複数の平行隆起の各隆起は、挿入側に向かって高くなる高さを有することができる。第二側壁は、その内面上に第一側壁に沿った長軸を横断して延び、そして分布する第三の複数の平行隆起を有することができる。第三
の複数の平行隆起の各隆起は、挿入側に向かって高くなる高さを有することができる。
【0020】
第二および第三の多数の平行隆起により、弾性材料の第一側壁は細長い区画の内側にもきっちりと嵌るように変形でき、これで細長い区画の壁または第一側壁および第二側壁の構造を傷付けずに確実な施錠を与える。第一側壁を横断して第二および第三の複数の平行隆起が延びるとは、細長い挿入要素を細長い基部に挿入しようとする方向と同じ方向に隆起が伸長することを意味し、これが細長い挿入要素の挿入を容易にする。長手方向の分布は、第一側壁および第二側壁がその長さの実質的な部分にわたり変形でき、これがより確実な施錠を可能にする効果を有する。挿入側に向かって各隆起の高さが高くなることで、細長い基部がよりその挿入側で変形できるようにし、これで一般に施錠はより確実となる。
【0021】
接続要素は、弾性材料の細長い基部、および長手方向に走り、そして相互に連結している第一側壁および第二側壁を有することができる。
【0022】
底部は、挿入側の貫通口を定めるために第一側壁および第二側壁より短くてよい。この連結要素は第一末端および反対側の第二末端を定めることができる。この連結要素は、第一末端に配置された弾性材料の第一末端部、および相互連結している第一側部および第二側部を有することができ、そして連結要素はさらに、第二末端に配置された弾性材料の第二末端部、および相互連結している第一側部および第二側部を有することができる。
【0023】
第一末端部および第二末端部は、それぞれ第一平面部および第二平面部を定めることができる。第一平面部および第二平面部は、第二側壁の外面と同一平面にあることができる。第二側壁の外面は、平らであることができる。この同一平面の関係により、溝に挿入されるさねの平面により一部定められる細長い区画中にぴったり嵌ることが可能になる。第一末端部および第二末端部は、それぞれ第一曲面部および第二曲面部を定めることができる。第一曲面部および第二曲面部は、第一側壁と同じ側の細長い基部に面することができる。第一曲面部および第二曲面部の同一平面の関係により、フライス削りまたは円錐形の穴あけにより形成される溝により一部定められる細長い区画中に、部分的にぴったり嵌ることが可能になる。
【0024】
弾性材料はゴム、例えば応力または圧縮下で弾性変形を受け、そして永久的な変形なしに元の寸法および形に戻ることができるエラストマーであることができる。
【0025】
細長い挿入要素は、非弾性材料から構成することができる。この非弾性材料はプラスチックであることができる。
【0026】
細長い挿入要素は、第一側壁および第二側壁の間の空間の実質的部分を埋めるために、立方形を有する細長いスプライス部分を有することができる。これにより平行する側面を定める細長い区画の内側に家具施錠要素をしっかりと嵌めることが可能になる。細長い挿入要素は、細長い挿入要素が第一側壁と第二側壁との間に挿入された場合、細長い基部から挿入要素を掴み、そして引き出すために手で掴むためのグリップを有することができる。このグリップは細長いスプライス部分の一末端に平行に方向付けられ、そして配置される細長いグリップ部分を有することができ、この細長いグリップ部分は細長い挿入要素よりも薄くてよい。このグリップは指の爪で係合する鍵、隆起または刻み目を有することができる。これらの特徴により、細長い家具施錠要素は嵌めこまれた場合に容易に取り出せる。
【0027】
挿入要素は第一側壁および第二側壁の間に配置され、そして該細長い基部に対して支持されるための支持部分を有しており、そして細長いスプライス部分を支持部分に枢動可能
に接続することができる。これにより挿入要素全体が第一側壁と第二側壁との間に容易に、そして正しく挿入できるようになる。この支持部分は、細長い底部の外面の一部と係合するためのフランジを有することができる。これによりフランジを底部と細長い区画の底との間に挟むことができるので、挿入要素の確実な支持が可能になる。
【0028】
第一側壁、第二側壁および細長い挿入要素は、細長い挿入部分が第一側壁と第二側壁との間に挿入される場合、細長い家具施錠要素の平面を定めることができる。
【0029】
本発明の第一の形態における第一の細長い家具施錠要素は、本発明の第三の形態による細長い家具施錠要素であることができる。本発明の第一の形態における第二の細長い家具施錠要素は、本発明の第三の形態による細長い家具施錠要素であることができる。
【0030】
本発明の第二の形態における家具は、本発明の第三の形態による細長い家具施錠要素の任意の特徴を有することができる。本発明の第一の形態による家具は、本発明の第二の形態による家具集合体の任意の特徴を有することができる。
【0031】
本発明の第一の形態による家具集合体は、本発明の第二の形態による方法に使用するために適合させることができる。本発明の第三の形態による細長い家具施錠要素は、本発明の第一の形態による家具集合体および/または本発明の第二の形態による方法に使用するために適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図面の詳細な説明
ここで本発明を図面を参照にしてさらに説明する。
図1A図1Aは、本発明の教示に従い、引き出しを組み立てるために側壁を後壁に接合する第一段階の透視および概略図である。
図1B図1Bは、図1Aの線A−Aに沿った断面図である。
図2A図2Aは、図1Aの図と同様な透視および概略図であり、後壁に接合した側壁、およびさらに後壁に施錠要素を取り付ける段階をさらに説明する。
図2B図2Bは、図2Aの線A−Aに沿った図1Bの図と同様の断面図である。
図3A図3Aは、図1Aおよび2Aの図と同様な透視および概略図であり、後壁の意図する位置に施錠要素を封じる段階をさらに説明する。
図3B図3Bは、図3Aの線A−Aに沿った図1Bおよび2Bの図と同様の断面図である。
図4A図4Aは、図1A、2Aおよび3Aに示す段階に類似の段階で、もう一つの引き出しの側壁を後壁にさらに組み立てることを説明する透視および概略図である。
図4B図4Bは、図4Aの線B−Bに沿った断面図である。
図5図5は、図4Aにも示すように、側壁の内側に機械加工した溝に沿って底板を移動する段階をさらに説明する図4Aと同様の透視および概略図である。
図6A図6Aは、図5の図と同様の透視および概略図であり、側壁の溝およびまた後壁の溝に入れた底板壁の正しい位置を説明する。
図6B図6Bは、図6Aの線C−Cに沿った断面図であり、図6Aにも示す引き出しの左手側壁に対する底板壁の位置を説明する。
図7A図7Aは、図6Aの図と同様の透視および概略図であり、図6Aにも示す左手および右手側壁へ、側壁のスワロージョイントが前壁の連携する溝内に入れられるように、側壁をわきに押すことにより前壁を接合する段階を説明する。
図7B図7Bは、図7Aの線C−Cに沿った断面図であり、側壁を前壁に接合するために、前壁に対して左手側壁を配置することを説明する。
図8A図8Aは、引き出しの左手側壁の外側に、最終的な引き出しの前壁に対して左手側壁を固定するために、図2Aに示す施錠要素に類似の施錠要素を配置する図2Aに示す段階に類似の段階を説明する。
図9A図9Aは、図8Aの図と同様の透視および概略図であり、最終的な引き出しを説明する。
図9B図9Bは、図9Aに示す最終的な引き出しの線C−C、D−D、B−BおよびA−Aに沿った断面図であり、後壁および前壁に対する側壁の施錠を説明する。
図10A図10Aは、図2Aおよび8Aにも示し、そしてかなり柔軟なゴム材料および屈曲可能なかなり堅い伸長部で作られた開いた凹形部から構成される施錠要素を説明する透視および概略図である。
図10B図10Bは、図10Aの図と同様の透視および概略図であり、図10Aにも示す施錠要素の2つの部分を組み立てた後の施錠要素を説明し、そしてさらに線E−Eに沿った断面図を説明し、かなり堅い伸長部を開いた凹形部の開いた谷に押し込む場合に、開いた凹形部の伸長を概略的に説明する。
図11】楔形の木製部品により構成される施錠要素の別の態様の透視および概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面では、ひとまとまりの家具、より正確には引き出しの部品を組み立てる技術に、本発明の特徴である特別に形成されたあり継ぎおよび施錠要素を使用することにより、2枚の側壁、後壁、前壁および底板壁を組み立てることが関与する。この技術は、引き出しを組み立てることに関して記載した上述のようなことであるが、当業者がテーブル、クローゼット、ソファ、ベッド、椅子等のひとまとまりの家具、または例えばキッチン用家具の様々に形成された部品を組み立てる場合にも、この技術をどのように同様に使用するかを容易に理解することを企意している。
【0034】
図1Aで、符号10は、上記のように組み立てる引き出しの後壁を表し、この後壁は内側に面する側面12を定め、後壁に横断溝14、およびまた2つの横断側溝16および18が提供される。
【0035】
図1Aで、上で言及した側壁の1つをさらに符号20で示す。この側壁20は内側に面する側22を定め、そこに横断溝24が提供され、この溝は後壁12の溝14に似ており、そして以下の説明から明らかになるように溝14と同じ目的を果たす。さらに側壁20は、側壁20の反対の端から延び、そして2つのさねのあり継ぎ形状の方向が互いに異なる2つのさね26および28を有する。さね26は側壁20の内側に面する側22と同一面に広がる側を有し、一方、さね28は図1Aに示す側壁22の反対の側壁20の側と同一面に広がるその対応する1つの側を有する。
【0036】
図1Bでは、図1Aの線A−Aに沿った断面図を表し、溝18の形状およびまたさね26の形状を説明する。図1Bから明らかなように、さね26は上にすでに述べたように、側壁20の内側に面する側22と同一面に広がるその一側面を有し、そしてあり継ぎ形成側は、同様に形成された溝18のあり継ぎの内側と合うことができるように形成された反対のあり継ぎ側を有する。しかし図1Bから明らかなように、溝18の幅はさね16の幅よりはるかに長く、さね26が溝28内に容易に受け入れられ、次いでさね26のあり継ぎが形成される側を、溝18の同様に形成されたあり継ぎ側と面が接触するように嵌めこむために右に移動できるようにする。
【0037】
図2Aでは、側壁20および後壁10を組み立てるさらなる段階を示し、この段階では側壁20のさね26が後壁10の溝18内に受け入れられる。同様に、図2Bでは、図2Aの線A−Aに沿った断面図が示され、溝18の同一の形成された側に対してさね26のあり継ぎ側を閉鎖する配置を説明し、側壁20の内側に面する側22と同一面に広がるさね26の平坦側と、溝18の隣接側との間に開いている小さい区画32を残す。区画32
には、図2Aで矢印Iにより示されるような施錠要素34が導入され、この施錠要素は2つの部品、凹形状の部品36を構成するかなり柔らかなゴム部品、およびかなり堅い部品38で構成されており、この施錠要素34は、図10A、10Bおよび10Cを参照にして以下でさらに詳細に記載する。
【0038】
図3Aでは、側壁20および後壁10を組み立てるさらなる段階を示し、この段階では施錠要素34の堅い部品38が矢印IIで示すように凹形の部品36の凹部に倒され、そうすることで凹形の部品36のゴム部分が膨らみ、そしてそれにより側壁20を後壁10に対して施錠する。図3Bでは、図1Bおよび2Bと同様な断面図で、側壁20を後壁10に対して固定する区画32中の施錠要素34の固定を具体的に説明する。
【0039】
図4Aでは、側壁20に対して鏡像の構成要素を構成するもう一つの側壁20’が、側壁20を後壁10に取り付けて固定することに関して図1A、2Aおよび3Aを参照にして上記段階に類似する段階を含む工程で後壁に取り付けられ、そして固定される。鏡像の側壁20’は、側壁20を後壁10に対して固定する様式と同じ様式で、すなわち図3AでIIにより示す矢印で表す方向と比べた時に反対方向に施錠要素34’の堅い部分38’を倒すことにより施錠要素の固定が達成されるような図4Bに示す施錠要素34に類似するもう一つの施錠要素34’により後壁10に固定される。
【0040】
本明細書を通して、前に記載した要素と同一の構成要素および要素は、前に記載した符号と同じ番号で示され、一方、前に記載した構成要素または要素とそれぞれ同じ役割を果たす構成要素または要素は、前に記載した要素とは外形が異なっても同じ整数で表すが、外形の違いを示すためにマークを付ける。前に記載した構成要素または要素と、それぞれ異なる外形を有する構成要素または要素との間の機能的な一致により、前に記載した構成要素または要素と、外形が異なる構成要素または要素との間の差異を除いて、具体的な記載は与えない。
【0041】
図5では、底板壁50の縁が、向かい合って配置され、そして平行する側壁20および20’のそれぞれの溝24および24’内に受け入れられて、底板壁50が矢印IIIに示されるように下向きに動かされると、底板壁50は後壁10および2つの向かい合って配置された側壁20および20’の集合体に組み立てられることになる。
【0042】
図6Aでは、図5および図6Aに示す底板壁の最下縁が後壁10の溝40に受け入れられた場合に、側壁20および20’および後壁内に受け入れられた底板壁50の最終位置が示されている。
【0043】
図6Bでは、鏡像の側壁20’に対する底板壁50の位置を図6Aの線C−Cに沿った断面図で表し、鏡像の側壁20’のさね28’のあり継ぎの内側に対して、底板壁50の上部最左端の角の配置を具体的に説明する。
【0044】
図7Aでは、前壁40が底板壁50および側壁20および20’に組み立てされることになる。前壁40は、図8Aおよび9Aから明らかなように、後壁10より幾分広く、そして後壁10のように底板壁50の最上縁部を受けるための溝が提供され、そしてさらに2つの溝が提供され、その1つが図7Bで示され、これは図7Aの上部左手部分の断面図を具体的に説明し、これは前壁40および鏡像の側壁20’を説明している。後壁10と同様に、前壁の内側に面する側42に提供される前壁40の溝は、溝に導入されるさねより幾分広く、あり継ぎさね、すなわち図7Aおよび図7Bで示すさね28’が符号46で示される溝内に受け入れられるようにするが、図7Bから明らかなように、そして上記記載のように、さね28’は、鏡像の側壁20’の外側と同一面に広がる1つの側を有し、そしてさね28’が前壁40の内側に面する側42の連携する溝46へ導入されることが
できるようにするために、内側に面するそのあり継ぎ側を有し、鏡像の側壁20’および同様に側壁20は、前壁40が矢印IVにより示されるように下向きに動かされ、そして矢印Vにより示されるように外側に揺らされるか、または外側に傾けられると、その場合、図7Bで説明されるように、さね28’のあり継ぎ末端が底板壁50の上部最左角から’a’で示される距離でわずかに動かされ、これによりさね28’は溝46内に導入され、そして受け入れられることになる。
【0045】
図8Aでは、側壁20および鏡像の側壁20’のそれぞれのさね28および28’が、図8Aの線C−Cに沿った断面図である図8Bで説明されるように、個々の溝のあり継ぎ側に面するさねのあり継ぎ側を有するそれらの意図する位置に受け入れられ、そして配置される。図2Aおよび2Bを参照にして、上記のように側壁20および20’の最後端の施錠と同様に、側壁20および20’の最前端は2つの追加の施錠要素により正しい位置で施錠され、その1つを図8Aで示し、そして符号34”で示し、この施錠要素34”は上記の施錠要素34および34’と同じであるので、矢印IおよびIIにより示されるような二段階操作で導入される。しかし、図9Aおよび9Bで具体的に説明するように、底板壁50が側壁20および20’の内側に面する側、すなわち図5に示すように溝24および24’にそれぞれ受け入れられる場合、側壁20および20’の最前端と前壁40との間にあり継ぎ固定が確立できるようにするために、側壁20および20’の最後端および最前端は互いに異なると考えられる。側壁20のさね26および28、および同様な鏡像の側壁20’のさね26’および28’の鏡像形状は、前壁40を前壁40の固定さねに固定する前に、底板壁50を2つの側壁20および20’、および後壁10の集合体内に受け入れることにより簡単に引き出しを組み立てることを可能にするために必須である。
【0046】
固定さね26および28が互いに移動させられ、そして同時に後壁および前壁のあり継ぎ形の溝を改良する上記固定系の別の態様は、明らかに本発明の範囲内にある。
【0047】
図9Aでは、組み立てた引き出しを示し、そして図9Bでは図9Aの線A−A、B−B、C−CおよびD−Dに沿った断面図を示し、側壁20、20のそれぞれのさね26、28および26’、28’の鏡像形状を具体的に説明する。
【0048】
図10A、10Bおよび10Cでは、かなり柔らかいゴム部分36および堅い部分38から構成される施錠要素34を、大変詳細に示す。図10Aおよび10Bから明らかなように、凹形部36の末端部は、後壁10および前壁40のそれぞれの溝16、18および46、48の形状に対して凹形部36の外形を形作るために丸くなっており、これらの溝は当業者には容易に理解されるようにNCCフライス盤または類似の装置で製造される。
【0049】
後壁10または前壁40の溝の内側と接触することになる凹形部36の外面は、連動する溝内の施錠要素の固定を改善するためにさらに波形になっているが、図7Aに矢印Vで示して説明するように、側壁20および20’が外側に移動または揺らされる場合、施錠要素のわずかな変形も可能である。
【0050】
凹形部36は好ましくはネオプレンゴムから形成され、一方、堅い部分38はナイロンまたは同様のかなり堅く、そして硬質材料から形成される。図10Aから明らかなように、堅い部分38にはカット54が提供され、堅い部分38の材料内に薄いウェッブを提供し、このウェッブはフィルムヒンジ54を提供し、この周りで堅い部分38は矢印IIにより図10Bで示すように曲げられる。この堅い部分38はさらにその末端で、堅い部分36をその意図する位置に固定するためのエンドプレートが設けられた凹形部36内に受け入れられることになり、その後に堅い部分の自由に突出している部分を凹形部36に曲げて凹形部の横向きの膨張を引き起こす。図10Cでは、凹形部36の垂直断面図が示さ
れている。
【0051】
図11では、溝16、18、46、48の1つに定められる区分に叩き込まれる木製ブロック58により構成された別の施錠要素の態様が示されており、好ましくは上記組み立て技術の別の変形で、側壁20および20’が後壁10および前壁40に接着され、そして同時に木製ブロック58を後壁10または前壁40に対して接着して恒久的に固定する。
【0052】
引き出しまたは類似のひとまとまりの家具の簡単な組み立てとは別に、上記の好適な施錠要素34の用途には、最初に図9Bに示す施錠要素34”および34”’を取り外し、そしてその後、前壁40を取り外し、そして次いで底板壁50を取り外し、そして最後に側壁20および20’を後壁10から施錠要素34および34”を取り外すことにより引き出しを解体する高度に有利な可能性も含み、これで後壁、前壁、側壁および底壁は4つの施錠要素34、34’、34”および34”’と一緒に平らな形状に横たえることができ、例えば1つの場所から別の場所に解体した引き出しの輸送が可能になる。この結果、引き出しを製造元から消費者へ送ることができるようになることとは別に、上記の解体技術を使用して、消費者が後に引き出しを解体して引き出しを棚に取り付けたり、または引き出しを1つの場所から別の場所にかなり空間を節約する形状で移動させることができるさらなる利点を提供する。
【0053】
本発明を、引き出しの非恒久的または恒久的な組み立てが関与する、引き出しを構成する具体的かつ今日有利な態様を参照にして上に記載してきたが、本発明は明らかに引き出しを組み立てる技術および解体の可能性に限定されず、クローゼット、テーブル、椅子、ソファ、ベッド、キッチン用家具等のような様々な家具の部品と関連しても応用でき、そのような明白な態様または修飾は、添付する請求の範囲に定めるような保護的範囲により包含されると考えられる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11