特許第6140159号(P6140159)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6140159大量保護輸送およびコールドチェーン用途の通気性製品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6140159
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】大量保護輸送およびコールドチェーン用途の通気性製品
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/08 20060101AFI20170522BHJP
   B32B 15/14 20060101ALI20170522BHJP
   F16L 59/06 20060101ALI20170522BHJP
   F16L 59/08 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   B32B15/08 F
   B32B15/14
   F16L59/06
   F16L59/08
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-526182(P2014-526182)
(86)(22)【出願日】2012年8月15日
(65)【公表番号】特表2014-529519(P2014-529519A)
(43)【公表日】2014年11月13日
(86)【国際出願番号】US2012050984
(87)【国際公開番号】WO2013025827
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年7月28日
(31)【優先権主張番号】61/523,502
(32)【優先日】2011年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023674
【氏名又は名称】イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100179925
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 真紀
(72)【発明者】
【氏名】ルブイヤ セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ゼニティ マリック
(72)【発明者】
【氏名】ホップ ギー
(72)【発明者】
【氏名】ワルリク シルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ブラッブス ノエル スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル サビーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ブレトソス イオアニス ヴィー
【審査官】 加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−115252(JP,A)
【文献】 特開2000−141545(JP,A)
【文献】 特開2001−165389(JP,A)
【文献】 特表2011−502840(JP,A)
【文献】 特開2009−073458(JP,A)
【文献】 特表2009−523916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 15/08
B32B 15/14
F16L 59/06
F16L 59/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を覆うための難燃性シートであって、保護される製品から見て外側および内側を有する高反射性透湿性基材でできた少なくとも1つの層を含み、前記内側または前記外側またはその両方が少なくとも1つの金属層をさらに含み、前記内側が難燃層をさらに含み、 前記高反射性透湿性基材が40〜90g/m2の面密度を有し、
前記内側が、0.35未満の放射率を有し、
前記外側が、65%を超える全光反射率を有する、難燃性シート。
【請求項2】
シート又は複合シートと;
請求項に記載の難燃性シートとを含み、
前記シートは、製品を覆うためのシートであって、保護される製品から見て外側および内側を有する高反射性透湿性基材でできた少なくとも1つの層を含み、制御された透湿性を供給しながら高反射低対流による断熱を供給するために、前記内側が少なくとも1つの適切な放射率を実現する金属層をさらに含み、前記高反射性透湿性基材が40〜90g/m2の面密度を有し、前記内側が、0.35未満の放射率を有し、前記外側が、65%を超える全光反射率を有する、シートであり、
前記複合シート部は、少なくとも2つの前記シートと、前記少なくとも2つのシートの間の断熱空間層(6)とを含む、
複合シート。
【請求項3】
シートと、
難燃性シートとを含み、
前記難燃性シートが、外側および内側を有する耐火性繊維混合物の少なくとも1つの層と、前記外側又は前記内側またはその両方における少なくとも1つの金属層とを含み、
前記シートは、製品を覆うためのシートであって、保護される製品から見て外側および内側を有する高反射性透湿性基材でできた少なくとも1つの層を含み、制御された透湿性を供給しながら高反射低対流による断熱を供給するために、前記内側が少なくとも1つの適切な放射率を実現する金属層をさらに含み、前記高反射性透湿性基材が40〜90g/m2の面密度を有し、前記内側が、0.35未満の放射率を有し、前記外側が、65%を超える全光反射率を有する、シートである、
複合シート。
【請求項4】
製品用のカバーであって、請求項2又は3に記載の複合シートを含み、前記シートの前記金属層を有する側が前記製品に向けられる、カバー。
【請求項5】
製品のカバーを形成するための、請求項に記載の難燃性シート、請求項2又は3に記載の複合シート、若しくは、請求項に記載のカバーの、単独または互いに組み合わせての使用であって、シートの前記金属層を有する側が前記製品に向けられる、使用。
【請求項6】
求項2またはに記載の複合シート、あるいは請求項に記載のカバーで覆われた製品であって、シートの前記金属層を有する側が前記製品に向けられる、製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大量輸送およびコールドチェーン用途において物品を保護するための通気性製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ワクチンまたは診断薬などの腐敗しやすく温度に敏感な製品、あるいはアスパラガスまたはバラなどの園芸作物は、数度でも温度が特定の値を超えると急速に劣化し、したがって、輸送中に生じる不十分な温度管理の影響を受けやすい。そのような製品の輸送方法は、荷物をある輸送手段から別の輸送手段に移動させる場合、特に空港において、航空機への積載を待つ間に荷物を滑走路上に維持されうる場合が弱点となる。輸送中の温度変化による製品の損失および経済的損失を最小限にするためには、花、新鮮な果物および野菜、鮮魚、医薬品、ならびに電子製品などの多種多様の荷物を、輸送中に生じる温度変化から保護するための熱カバーを使用することができる。
【0003】
輸送中の品物を保護するために使用される多くの一般的な包装材料、たとえばフィルム、ストレッチフィルム、またはシュリンクフィルムは、通常は気体および水蒸気が不浸透性であり、包装材料の内側に水分が蓄積し、表面温度が変化すると凝縮することがあり、赤外から紫外までの波長の光も透過し、包装材料の内側の温度が「温室効果」のために急速に上昇することがあり、これらの理由からこれらの包装材料は、水分または温度に敏感な品物に関しては理想的ではない。
【0004】
多くの熱カバーは、有色または透明であってよい2つ以上の層:繊維状またはフォームの断熱層と、および反射性である場合も層でない場合もあるPVC、PE、またはPETの外層とを含む。他の保護材料は、反射性のアルミニウムまたはアルミニウムコーティングされたフィルムのシートの間にはさまれた剛性断熱性パネルを含み、そのため取り付けおよび取り外しにさらなる労力が必要となる比較的費用のかかるシステムとなり、これは再利用可能な包装システムの部分のみが経済的となり、輸送費がさらに上昇し、およびサプライチェーンがさらに複雑になる。
【0005】
通常、多層熱カバーは、荷物の温度を安定させ、雨および日光による損傷などの気候から荷物を遮蔽することによって、輸送中の腐敗しやすい荷物および医薬品の荷物のパレットを保護する。これらの製品は、通常は2〜48時間のあいだ特定の温度範囲のコールドチェーン条件への適合に役立つが、このようなカバーは通気性ではないため凝縮は制御されず、一般に日光を反射しないため温室効果が生じることがあり、それによって荷物の温度が上昇する。このような製品は、複数回使用される耐久性製品であって、屋内用途に最適化されており、直接太陽に曝露することによるさらなる温度上昇の最小化、および凝縮の回避には最適化されていない。さらに、これらは比較的厚く重いため、荷物への取り付けおよび取り外しに時間がかかり、荷物の重量および嵩高さへの寄与と、再使用するためにそれらを元の場所に戻すための費用との両方で輸送費が増加する。
【0006】
したがって、温度に敏感な品物の輸送中に1回または1方向で使用するのに十分低コストで、熱から十分に保護することができ、雨からも保護することができる軽量、可撓性、および通気性のカバー材料が必要とされている。ロジスティックシステムによってカバーを元の場所に戻すことができる場合、帰路における空間および重量の要求を下げることができる軽量で折りたたみ可能なカバーがさらに必要とされており、それによって温度に敏感な品物用の費用対効果がより高く複数回使用できるカバーが得られる。
【0007】
Bletsosらの米国特許出願公開第2010/0247855号明細書(その内容が参照により本出願に援用される)は、通気性低放射率金属化シートに関する。この文献によると、建築構造におけるハウスラップとしての透湿性(通気性)金属化シートの使用が当技術分野において周知である。これらの金属化シートは、水蒸気がシートを透過することができ、これによってシートの裏側に取り付けられる断熱材での水分の凝集が防止され、同時に空気および液体の水に対する障壁となり、建造物のエネルギー効率が向上する。このような用途においては、この材料は屋根構造中に組み込まれ、直接照明には曝露されず、そのためその反射率はその機能とは無関係であり、非常に白い表面によるまぶしさが作業者の邪魔となり得るので、取り付け中にその構造がまだ開放されている間は、さらに問題となりうる。
【0008】
Jonesらの米国特許第4,999,222号明細書には、プレキシフィラメント状フィルムフィブリルシートをカレンダー加工し、続いて真空金属化を行うことによって製造される低放射率の透湿性金属化ポリエチレンシートが記載されている。
【0009】
Avellanetの米国特許第4,974,382号明細書には、少なくとも1つの金属化層を上に有し蒸気透過性または不透過性となりうる浸透およびエネルギーの障壁が記載されている。
【0010】
Squiresらの国際公開第01/28770号パンフレットには、微孔質フィルムの下層と、フィラメント状ポリマー布、たとえばスパンボンド布で形成され透湿性反射性金属コーティングが設けられた上層とを含む通気性建築用膜剤が記載されている。上記の通気性金属化シートは、赤外線放射線を反射することによって熱障壁となるが、空気および水分に曝露すると金属層の酸化が起こりやすい。酸化した金属層は、一般に、対応する金属よりも高い放射率を有し、熱障壁としての有効性が低くなる。このような通気性金属化シートは、酸性雨への曝露、あるいは沿岸および海洋環境における塩を含む空気などの腐食性周囲条件への曝露による金属層の腐食も起こりやすい。さらに、薄い露出した金属層は、処理中、取り付け中などに損傷することがある。
【0011】
Avrilらの欧州特許出願第1400348号明細書には、第1のポリマーフィルム層上に金属層を蒸着し、その金属層を第1のポリマーフィルム層と第2のポリマーフィルム層との間にはさむことによって形成された反射フィルム層を含む、ハウスラップおよび屋根下敷材などの建築用布としての使用に好適な液体不浸透性で水蒸気/気体透過性の積層布が記載されている。フィルム層は使用中の損傷から金属層を保護するが、非透湿性であり、所望の透湿性を得るために金属化の後に微小な孔が開けられる。
【0012】
有機ポリマーがコーティングされた金属化不織布も、ハウスラップなどの建築用最終用途で知られている。しかし、ポリマーコーティングは、コーティングされていない金属化不織シートと比較して透湿性が大きく低下する方法を用いて塗布される。
【0013】
Brownらの米国特許出願公開第2003/0136078号明細書には、外装仕上層と躯体との間の空洞に反射層と通気性織物層とを含む断熱膜を導入するステップを含む建物の断熱方法が記載されている。金属化層は、場合により、金属表面を保護するためにプラスチックまたはワニスの保護層をコーティングしてもよい。
【0014】
エアナイフコーティング、フレキソ印刷、グラビアコーティングなどの従来方法を用いて透湿性シートの実質的に表面全体にコーティングされる場合、そのコーティングによってシートの透湿性が大きく低下する。出発シートが開放構造を有し、通気性が高い場合、シートは、衣類などの特定の最終用途に有用となる十分な透湿性をコーティング後に維持することができる。たとえば、Cullerの米国特許第5,955,175号明細書に記載の布は、金属化され、疎油性コーティングをコーティングした後で通気性および透湿性の両方となる。しかし、建設業におけるハウスラップまたはルーフライニングに使用される不織布およびその他のシートなどの出発透湿性シートが非常に閉鎖した構造を有し通気性が非常に低い場合、従来のコーティングでは、シート表面上の細孔の大部分を覆ってしまう。このため、コーティングされたシートは、出発シートよりも透湿性がはるかに低くなる。これは、透湿性であり同時に空気および液体の水の侵入に対する障壁を形成することが望ましいハウスラップおよびルーフライニング製品には望ましくない。
【0015】
Emondらの米国特許出願公開第2009/0020448号明細書は、積荷を包装するための方法および装置に関する。これに記載される発明の実施形態は、ユニットロードデバイス(ULD)を用いて空輸される製品の輸送に使用されるカバー、カバー方法、およびカバーシステムに関する。カバーシステムの寸法は、共に使用するために設計されたULDに依存して変動しうる。カバーシステムは、空輸またはあらゆる他の輸送方式で使用されるより小さな積荷に使用される木製またはプラスチック製のパレットなどのあらゆる個別のスキッドに適合させることもできる。カバーシステムは、積荷を包む1つ以上の部分を含むことができる。カバーシステムの各部分は1つ以上の層でできていてよい。各層は、1種類の材料、または異なる材料の組み合わせでできていてよく、異なる層は異なる材料を含むことができる。カバーの異なる部分は、異なる材料、または材料の異なる組み合わせでできていてよい。特定の実施形態においては、カバーシステムに使用される材料は、無線自動識別(Radio Frequency Identification)(RFID)を利用できる。カバーシステムは、ULD内またはULD上の温度に敏感製品を熱的に保護する。カバーシステムは、園芸産物の積荷に適切な相対湿度レベルおよびガス濃度(酸素、二酸化炭素およびエチレン)を維持する。カバーシステムは、抗菌性を有することもできる。さらに、カバーシステムは、航空機の煙検知器の信頼性に影響を与え火災報知器の誤報を生じさせることが知られている貨物倉中に放出される水蒸気量を減少させることができる。
【0016】
さらに、従来技術においては、外部から荷物に到達する放射線の赤外成分を反射し、それによって荷物の加熱を減少させるために、大部分はポリエチレンまたはポリエステルでできており少なくとも1つの金属反射面を有するバブルフィルムが、金属反射面が荷物から離れた外側に面するように荷物に取り付けられる。
【0017】
他の従来技術の刊行物としては、たとえば、国際公開第2010/006664号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0092739号明細書、米国特許出願公開第2005/0042959号明細書、国際公開第01/21871号パンフレット、国際公開第2005/021824号パンフレット、国際公開第00/15860号パンフレット、米国特許第5,736,473号明細書、米国特許第6,294,222号明細書、米国特許第5,316,837号明細書、特開2001−115252号公報、特開平4−093243号公報、特開2002−345602号公報、特開2001−317889号公報、特開平8−49165号公報、国際公開第2010/107989号パンフレット、国際公開第2007/021783号パンフレット、国際公開第2006/024013号パンフレットが挙げられる。
【0018】
国際公開第2006/024013号パンフレット(その内容が参照により本出願に援用される)においては、記載の発明の目的は、初期シートの高透湿性(少なくとも80%)を実現しながら、空気および液体水侵入に対する障壁、ならびに良好な熱障壁を実現することである。この製品は、ルーフライニングおよびハウスラップなどの建築用ラップとしての使用に好適である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、腐敗しやすい製品、あるいは電気または電子デバイスなどの製品を覆うため反射シートであって、保護される製品から見て外側および内側を有する高反射性透湿性基材でできた少なくとも1つの第1の層を含み、外側に対する高反射および内側に対する低放射率によって改善された断熱が得られ、対流熱伝達に対する障壁となるが、反射シートを通過する制御された透湿性が可能となるように、前記内側は、物理蒸着(PVD)プロセスによって好ましくは堆積された少なくとも1つの金属層をさらに含む、反射シートに関する。
【0020】
本発明は、さらに、製品を覆うための難燃性シートであって、前記シートが、外側および内側を有する高反射性透湿性基材でできた少なくとも1つの第1の層を含み、前記内側は、PVDプロセスによって堆積された少なくとも1つの金属層をさらに含み、前記内側または前記外側またはその両方は難燃層をさらに含む、難燃性シートに関する。
【0021】
本発明は、さらに、製品を覆うための難燃性シートであって、前記シートが、外側および内側を有する耐火性繊維混合物の少なくとも1つの層を含み、少なくとも1つの金属層がPVDプロセスによって内側上に堆積された、難燃性シートに関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】本発明の2つの実施形態を示している。
図2a-2c】本発明のさらに3つの実施形態を示している。
図3a-3b】本発明のさらに2つの実施形態を示している。
図4】本発明の別の一実施形態を示している。
図5a-5b】本発明のさらに2つの実施形態を示している。
図6】本発明の別の一実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これより、本発明の実施形態を参照することによって、本発明をより詳細に説明する。
【0024】
本明細書の説明において、シートまたはカバーまたは高反射性透湿性基材の「内側」という表現は、前記シートまたはカバーによって保護される製品またはデバイスに面する、シートまたはカバーまたは高反射性透湿性基材の側を意味し、したがって、シートまたはカバーまたは高反射性透湿性基材の「外側」は、外部に面する側、たとえば、太陽などの放射線、人工照明、およびその他の熱を発生する環境などの熱源に直接曝露する側である。同様に、用語「内層」は、保護される製品またはデバイスに面する高反射性透湿性基材または複合材料、反射性透湿性カバーの層と見なすべきであり、「外層」は、外部に面する層、たとえば、太陽、光、およびその他の外部環境からの放射線に直接曝露する層と見なすべきである。
【0025】
図1aおよび1bには、それぞれ本発明による反射シートの実施形態10および11が示されている。図1a中、低放射率通気性カバー10は、内側に面する低放射率コーティングとともに示されている。この反射シートは、外側に高反射側を提供する第1の層の少なくとも1つの層1と、内側の低放射率金属層2とを含む。通常、層1の反射シートは、40〜90g/m2の面密度を有するTyvek(登録商標)でできている。金属層2は、通常はアルミニウムであってよい。図1b中、層1およびコーティング2を有する低放射率通気性カバー11は、保護ラッカーコーティング3をさらに含み、これは、耐食性および機械的保護が得られる架橋ポリアクリレートであってよい。
【0026】
図2a〜2c中、低放射率難燃性カバー、たとえば荷物カバーであるさらなる実施形態12〜14が示されている。このカバー中に含まれる層は、層1、コーティング2および3、ならびにさらには耐火性コーティング4であり、耐火性コーティング4は、図2aのように反射シートの高反射側に隣接していてもよいし、図2cに示されるように保護ラッカーを有する反射シートの低放射率側に隣接していてもよいし、図2bに示されるように多孔質基材1と金属低放射率層2との間に位置していてもよい。
【0027】
図3aおよび3bは、低放射率難燃性高性能断熱荷物カバーを形成する実施形態15および16を示している。図3aは、反射性耐火性シートを示しており、反射シートの低放射率側に隣接して、任意選択の接着層または接着促進層5と、カバーにさらなる断熱性を付与する断熱性スペーサー層6とをさらに含む。図3bはさらなる一実施形態16を示しており、反射シート材料の2つの層は、前述のようなスペーサー層6と任意選択の接着層または接着促進層5とで分離される。接着層または接着促進層5が使用される実施形態においては、得られる高性能耐火性カバーは、保護される製品または荷物にすぐに取り付けられるあらかじめ製造された積層構造として提供することができる。接着層または接着促進層5が省略される実施形態においては、得られる高性能耐火性カバーは、保護される製品に連続して取り付けられる複数の層のカバーシステムとして提供することができる。
【0028】
図4は、別の一実施形態17を示しており、これは外側または内側に使用可能な防火ブランケットを含む低放射率難燃性高性能断熱多層荷物カバーである。高反射側では、このカバーは、図3aで前述したような連続した層1〜6を含む。さらに、このカバーは、耐火性側部に、アラミド(Nomex(登録商標)など)またはアラミドと天然繊維との耐火性繊維混合物の層7を含み、その上に金属低放射率コーティング2および保護ラッカー3が堆積される。
【0029】
図5aおよび5bは、本発明のより単純な実施形態を示している。図5aは、低放射率金属層を有する低放射率通気性難燃性カバー18を示している。より具体的には、これは、高反射性外層1を得るための1を含み、場合により接着層または接着促進層5によって難燃層7に積層され、その上に金属低放射率コーティング2および保護ラッカー3が積層されている。難燃層自体が、通気性反射シートから所望の効果を得るのに十分な反射性を有する場合、これを、図5bに示されるように金属低放射率コーティング2および保護ラッカー3とともに使用することができる。
【0030】
図6は、低放射率コーティングを内側に有し軽量で構造強度を有する低放射率通気性難燃性剛性カバー20の本発明のさらなる一例を示している。たとえばこの実施形態は、図2に示されるような反射性耐火性シートを含み、このシートの金属化側に接着された半剛性層8をさらに含む。構造強度を改善するために、難燃性アラミドのさらなる層7が、接着層または接着促進層5によって、ハニカム構造または類似の不織構造の内面に接着され、この層は、その内面に積層された低放射率金属層2および保護ラッカー3を有する。ハニカム構造要素は、内側の空間に空気が満たされるためある程度追加の断熱が得られるが、これらの空間は蝋などの相変化物質で満たすこともでき、層内の温度分布が好都合であり相変化物質の存在が保護される品物に有害ではない場合に、これらの物質は、溶融および凝固する間にさらなる熱を吸収および放出する。
【0031】
本発明による別の一例は、能動冷却層(ACL)を含む。この能動冷却層は、液体冷却剤を吸収する吸い上げ収着剤(wicking sorbent)が入れられ、中で相変化(液体−気体、気体−液体)が起こる密閉筐体を含む。ACLは、凝縮部分(CP)および蒸発部分(EP)を含む。凝縮部分は、外部反射層の金属化面または反射面(たとえば図1に示されるようなPVDアルミニウムコーティングでできた層2)と接触する。蒸発部分の表面は発熱デバイスまたは熱/放射線源と接触する。
【0032】
さらなる一実施形態においては、反射シートは、相変化物質または液体冷却剤などの冷却剤、蒸発部分(EP)、および凝縮部分(CP)を含む封止層を含み、それによって冷却剤の液体は、蒸発部分に流れ、蒸発して凝縮部分に向かい、次に凝縮し、それによって熱を放散する。さらに別の一実施形態においては、凝縮部分は金属層に接触する。
【0033】
本発明は、前述の定義の反射シートと前述の定義の難燃性シートとを含む複合シートにも関する。
【0034】
本発明は、製品、特に温度に敏感な製品のための1つ以上のカバーにも関し、前記カバーは、少なくとも前述の定義の反射シート、または前述の定義の難燃性シート、または複合シートを単独または組み合わせて含み、反射シートの低放射率金属層を有する側は、覆われる製品、すなわち温度に敏感な製品の方に向いている。
【0035】
本発明は、製品、特に温度に敏感な製品、たとえば腐敗しやすい品物、あるいはたとえば移動可能な民間および軍用の手段によって使用される移動可能な電気および電子デバイス、ならびにその他の同等のデバイスのカバーを形成するための、単独または組み合わせでの、前述の定義の反射シートの使用、前述の定義の難燃性シートの使用、および前述の定義の複合シートの使用、あるいは前述の定義のカバーの使用に関し、反射シートの低放射率金属層を有する側は覆われる製品、すなわち温度に敏感な製品の方に向いている。
【0036】
本発明の目的の1つは、ガーレー・ヒル空気孔隙率(Gurley Hill Air Porosity)(値が小さいほど高い透過性を示す)によって測定して、少なくとも15秒、好ましくは30秒を超え、より好ましくは50秒を超える低い透気度を好ましくは有する層の組み合わせによってカバーまたはシートの断熱特性を改善することでもある。透気度が高すぎる場合、反射シートを介した対流熱伝達が増加し、その熱障壁特性が損なわれる。本発明のさらなる目的の1つは、低い固有熱伝導率を好ましくは有する層の組み合わせによって、カバーまたはシートの断熱特性を改善することであり、たとえば、ポリエチレンまたはポリプロピレン不織または織布シートを使用する場合であり、構造中に微視的な空洞部分を含むシートの繊維構造によってさらに向上し、シート全体の熱伝導率がさらに低下し、シートを介した熱伝導は最小限となる。本発明のさらなる目的の1つは、シートから保護される製品または荷物への放射伝熱が減少するように、その内面上に0.35未満、好ましくは0.25未満、より好ましくは0.15未満の低放射率を有する層を好ましくは有する層の組み合わせによって、カバーまたはシートの断熱特性を改善することである。本発明のさらなる目的の1つは、入射光の吸収による反射シートの加熱が減少するように、外側上で65%を超え、好ましくは80%を超え、より好ましくは90%を超える可視光の高い全光反射率を好ましくは有する層の組み合わせによって、カバーまたはシートの断熱特性を改善することである。
【0037】
本発明の目的の1つは、指定の外部反射率、指定の低い内部放射率、および制御されたガス透過性、特に透湿性を有しながら、低い熱伝導率、低い空気孔隙率、および液体の水の侵入に対する高い障壁を維持する反射シートを得るために、材料およびプロセスステップの選択された組み合わせを使用することである。金属化された不織布、好ましくはポリエチレン不織布、たとえばフラッシュ紡糸されたTyvek(登録商標)、または他の同等の微孔質基材は、特に高温環境で、対流熱伝達を減少させ、入射太陽放射線を反射し、放射伝熱を遅くし、許容される透過性を維持する制御された障壁カバーとして十分機能することが分かった。特に、ポリエチレン不織布、たとえばTyvek(登録商標)の反射率および透湿性は、孔隙率および繊維サイズ分布を制御することによってさらに改善することができる。
【0038】
本発明のカバー材料の制御された空気および水蒸気の透過性、高い反射率、ならびに低放射率と、相変化において熱(潜熱)を吸収することによって温度上昇をさらに低下させることで熱慣性を増加させることができる熱吸収層との組み合わせも、本発明に含まれる。
【0039】
低放射率金属層、特に高反射性透湿性基材を有する反射シートまたはカバーは、あらゆる自立シートまたはカバーであってよく、たとえば多孔質または非多孔質のシートまたはカバー、好ましくは可撓性シートまたはカバー、たとえば織物分野において周知のあらゆる織物、たとえば不織布、織布、編地、膜、微孔質フィルム、格子、あるいは2種類以上のシートまたはカバーの組み合わせ、たとえばSMS(スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド)積層体であってよい。好ましくは、反射シートまたはカバー、特に高反射性透湿性基材は、1種類以上の天然または合成(人造)の繊維またはフィラメントを含む不織布または織布である。不織不または織布の天然繊維またはフィラメントは、セルロース、綿、羊毛、絹、サイザル、リネン、亜麻、ジュート、ケナフ、大麻、ココヤシ、小麦、および稲、および/またはそれらの混合物から選択することができる。不織不または織布の合成(人造)繊維またはフィラメントは、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ(テトラフルオロエチレン)、およびテトラフルオロエチレン(tetrafluorethylene)を含むコポリマー、他のフッ素化コポリマー、および/またはそれらのハイブリッドおよび混合物から選択することができる。
【0040】
本発明のシートまたはカバーは、好ましくは不織布、特にフラッシュ紡糸不織布である。このような布の一例は、たとえば、商品名Tyvek(登録商標)でE.I.du Pont de Nemours & Companyで市販されるようなポリエチレンフラッシュ紡糸布である。
【0041】
高反射性透湿性基材の内側には、Handbook of Physical Vapor Processing(Mattox,Noyes Publication,1998)に記載される方法などの物理蒸着(PVD)プロセスによって好都合に堆積することができる低放射率金属層が設けられる。このような方法においては、金属は真空中で加熱され(誘導加熱、電子ビーム放射線によって、または抵抗加熱された表面と接触させることによって)、それによって液体金属のたまりがその低圧における沸点で真空室の内側で形成される。金属蒸気の雲が液体金属の上方で形成され、コーティングする基材をこの雲に通し、それによって蒸気は基材の低温表面で凝縮して、固体金属の薄層を形成する。他の金属層堆積手段を使用することもでき、たとえばスパッタリングまたは化学蒸着(これら両方も真空中で行われる)、あるいは好適な溶液からの金属層の電気化学的または化学的堆積などを使用することもできる。
【0042】
金属層を取り付ける前に、基材表面は、コロナ処理、火炎処理、大気または真空プラズマ処理、プラズマエッチング、あるいは他の好適な技術によって、洗浄および/または金属堆積の準備を行うことができる。適切なプラズマプロセスは、Handbook of Advanced Plasma Processing Techniques(Shul & Pearton,Springer,2000)に記載されているプロセスなどである。基材上に堆積される金属層の接着および品質を改善するためのプライマー層を、Vacuum Deposition onto Webs,Films,and Foils(Bishop,William Andrew Publishing,2007)に記載されるような「化学蒸着(CVD)」方法、または他の従来のコーティング技術またはプラズマ支援コーティング技術によって設けることができる。たとえば、「大気圧プラズマ液体堆積(APPLD)」と呼ばれる方法が、本発明の組立体の種々の層の表面処理に好適であると思われる。当然ながら、他の方法も本発明に好適となりうる。
【0043】
反射面上への金属の物理蒸着によって、表面において各繊維の表面上に金属層が設けられ、それによって、基材の通気性を維持しながら、0.25未満、好ましくは0.15未満、最も好ましくは0.1未満の放射率を有する内面が得られる。好適な低放射率表面を有する化学的に安定な表面が得られるあらゆる金属を使用することができ、たとえば金、白金、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、銀、またはアルミニウム、あるいはそれらの合金を使用することができる。好ましい金属はアルミニウムである。使用される金属がアルミニウムの場合、低放射率金属層の厚さは、好都合には0.3ミクロン未満、より好ましくは0.2ミクロン未満、最も好ましくは0.1ミクロン未満である。
【0044】
本発明の反射シートの低放射率金属層を単独で使用することができるが、この場合には、取り扱い中の機械的損傷または摩耗、あるいは空気、水蒸気、および水に長時間曝露することによる腐食が生じやすくなることがある。この場合、低放射率金属層の上部に保護ラッカーを塗布することが好ましい。この保護ラッカーの厚さおよび組成は、反射シートの透湿性、および保護ラッカーが塗布される低放射率金属層の放射率のどちらも実質的に変化させないように選択される。保護ラッカーは、好ましくは0.2〜2.5ミクロンの間、より好ましくは0.2〜1.0ミクロンの間の厚さを有する。保護ラッカーの組成は、前述の好適な薄層に塗布できるのであれば、水分および酸素による攻撃から金属表面を効果的に保護する疎水性材料から自由に選択することができる。低粘度のモノマーまたはオリゴマー前駆体の形態で塗布することができ、周知の熱硬化または放射線硬化方法によってその場で重合させることができるので、架橋ポリアクリレートおよびビニルポリマーが特に好都合であることが分かった。
【0045】
本発明の反射シートおよび難燃性シートは難燃層を含むことができる。難燃層は、反射シートの可撓性および透湿性を低下させたり費用が過度に増加したりすることなく、燃焼を防止するのに十分な量で塗布される少なくとも1種類の耐火性組成物を含む。耐火性組成物は、反射シートの面積当たりの重量および固有の燃焼性に依存して、好都合には50g/m2以下、好ましくは1〜25g/m2、より好ましくは2〜15g/m2の比率で反射シートに塗布することができる。
【0046】
少なくとも1種類の耐火性組成物は、塗布された表面を完全にまたは部分的に覆うことができ、後者の場合、種々のパターンの形態で存在することができる。耐火性組成物は、当技術分野において周知のあらゆる効果的な耐火性組成物から選択することができ、たとえば、Applied Plastics Engineering Handbook,Myer Kutz(著),William Andrew Publishing,2011のchapter 27においてA & J Innesにより記載されるような、リン系組成物、ハロゲン化耐火性組成物、フィラー組成物、金属水和物組成物、ホウ素系組成物、無機塩組成物、有機金属塩組成物、フルオロポリマー組成物、シリコーン系組成物、メラミン系組成物、および/またはそれらの組み合わせから選択することができる。リン系組成物は、ホスフェート類、ポリホスフェート類、リン酸エステル類、ホスフィット類、ホスホネート類またはホスホン酸エステル類、ホスフィネート類、ホスフィンオキシド類、ホスホニトリル類、ホスホン酸アミド類、ホスファジン類、および/またはそれらの組み合わせを含む組成物から選択することができる。欧州特許第1370603号明細書に開示されているものなどの放射線硬化性リン含有オリゴマーが特に好適である。
【0047】
本発明の反射シートと組み合わせて使用することができる断熱性スペーサー層は、種々の材料、たとえば、マルチフィラメントファイバーフィル、天然繊維、または3Dフィラメント構造、ポリマーフォーム、同等の例としてのバブルラップ、またはそれらの組み合わせでできていてよい。ガラス、または鉱物繊維、またはポリマーオープンセルまたはクローズドセルフォーム、またはエアロゲルなどの費用対効果が高く熱伝導率の低い材料を、この層に使用することができる。断熱性スペーサー層のすべてまたは一部の形成に使用できる高性能ポリマーおよび繊維は、ポリアラミド、弾道性能を有するポリアラミド、ゲル紡糸および固相高性能ポリエチレン、溶融紡糸芳香族ポリエステル、PE、PET、PTT、PEET、PBO、PIPD、またはM5(登録商標)、Armos(登録商標)芳香族コポリマー、炭素ガラスおよびセラミック繊維、塩素化繊維、PVDC、フッ素化繊維、PTFE、PVF、PVDF、FEP、PEEK、PPS、PEI、熱硬化性樹脂、半炭素繊維、酸化アクリル樹脂、PBI、PBOである。用途に依存するが、耐熱性材料が好ましい。
【0048】
さらに、ポリスチレンおよびポリウレタンから誘導されるクローズドセルフォームも断熱性スペーサー層の形成に使用することができるが、これらは燃焼性が高く、難燃剤を加えるとより好適になりうる。ポリイソシアネートから誘導されるフォームは、ポリスチレンおよびポリウレタンよりも高い耐火性を示し、フェノールフォームはポリイソシアヌレートフォームよりもさらに高い耐火性を示す。これらのフォームは、石油原料、再生不能資源から製造されるモノマーを主成分とする必要はなく、植物油、好ましくは高オレイン酸油、あるいは天然または合成のタンニン類などの再生可能資源から得ることができる。好ましくは、用途に依存するが、低熱伝導率および難燃性のポリマーフォームが最も好適である。
【0049】
断熱スペーサー層の構造および組成に依存するが、前記断熱スペーサー層の気体、特に水蒸気に対する固有の透過性は、比較的低くてもよい。これは、特に、クローズドセルフォーム、PCM、ならびに熱慣性を得るために水または他の液体を吸収するよう設計された材料の場合に当てはまると思われる。このような場合、このような断熱スペーサー層を含む高性能複合反射シートの全体的な透湿性に対するあらゆる悪影響は、断熱スペーサー材料の隣接する領域間に十分な空間が残って気体、特に水蒸気が高性能複合反射シートを通過することができるように、断熱スペーサー層に孔を開けることによって、または他の方法でストリップ、パッチ、または網状配列のパターン化構造で断熱スペーサー層を構成することによって克服することができる。
【0050】
前述のように調節可能な制御された透過性を有するTyvek(登録商標)と、蒸発または相変化によってある量の熱を取り込むことができる熱反射材料および吸収材料とを組み合わせた層が、本発明に含まれる。実際に本発明のさらに実際的な一実施形態は、たとえば氷、水、または固体二酸化炭素などの相変化物質(PCM)などのヒートシンクを製品中に含めることができ、この場合、蒸発または昇華が起こり、発生した気体は、依然として基材の細孔から包装材料の外に出て熱を放出することができ、蒸発速度は基材層の孔隙率によって制御することができる。このようなPCMおよび蒸発の使用により増加した熱慣性によって、本発明の潜在的な応用分野が、収穫後の保護のためのシェルター、保冷袋、および冷凍が使用できない日光曝露の多い場所で使用するための容器の冷却まで大きく広がる。
【0051】
水がPCMとなる場合、カバー、シェルター、または容器を形成するために使用される反射シート材料の層の端部を封止することによって形成されるパウチ中に水を直接充填することによって、配置直前に水の充填を行うことができる。あるいは、内部空間が多孔質材料で満たされている場合、毛管作用を使用して水または他のPCMをライナー中に吸い込むことができる。典型的なポリエステルニードルパンチ不織バッティングは、水に対してこの機能を得ることができる。反射シート材料の制御された透過性によるさらなる抵抗によって、蒸発を遅らせることで、2〜48時間の冷却効果を得ながら、反射シートの高反射性のために放射熱の吸収は依然として制限され、低放射率の内面によって荷物への放射伝熱が減少する。
【0052】
ヒートシンクおよび難燃剤を本発明に加えることで、その用途が空輸貨物のカバーを越えて、防火ブランケット、雹害抵抗性カバー、または弾道カバーなどの他の保護用途まで広がる。
【0053】
本発明による複合多層製品は、高反射性、低放射率、防食、難燃性、ヒートシンク、または相変化特性が得られる薄い0.05〜1mmの多層材料の組み合わせから作製することができる。これらは、熱的性質をさらに改善し、衝撃に対してある程度の緩衝性が得られる層と組み合わせることができ、そのような層は、空隙、あるいはヒートシンク、または相変化物質を形成する、フォーム、ハニカム構造、三次元モノフィラメント構造などの厚さ1〜25mmの剛性で体積の大きい層であってよい。ヒートシンクまたは相変化物質は、たとえば、熱慣性が得られる水、氷、固体二酸化炭素、または蝋であってよい。
【0054】
本発明の反射シートは、その内側に制御された透湿性の断熱空間層をさらに含むことができる。
【0055】
断熱空間層は、能動冷却層(ACL)として能動的に使用することもできる。より具体的には、本発明の多層温度管理組立体が、外部熱源の反射による放熱を行い、同時に、限定するものではないが暖かい環境で移動可能な民間および軍用の手段によって使用される移動可能な電気および電子デバイスなどの覆われる物品によって発生する熱を除去するために、断熱空間層は、ここでは説明としてのみ記載され限定されるものと解釈すべきではない以下の原理に基づいて、可逆的に能動冷却効果が得られるように改良することができる。可逆能動冷却効果は、前述の他の荷物の被覆に十分に適用可能である。前述のPCMに関連する効果がACLユニットの内部でも生じる。
【0056】
液体冷却剤は、必要であればその沸騰/蒸発温度に依存して減圧下で、本発明の多層温度管理組立体/カバーの一部である封止層中に入れられる。液体冷却剤は、発熱するデバイスと接触する蒸発部分(EP)と、本明細書に記載の反射層の金属化部分である凝縮部分(CP)との間を循環し、表面積は、接触を最大限にするためにさらに設計することができる。したがって、液相冷却剤は、好ましくはナノサイズまたはミクロンサイズの微小繊維状の吸い上げ材料との間に発生する毛管力によって蒸発部分EPに連続的に流れ、吸い上げ材料は、EP表面およびCP表面の間に配置され、所望の熱管理に応じて好適な距離に維持される。蒸発部分EPで気相になると、今は気体の冷却剤は凝縮部分CPに向かって流れ、そこで凝縮する。
【0057】
この過程は可逆的であり、好適な温度勾配が存在する限り持続する。本発明の多層温度管理組立体の反射層は、装置の耐久性を保証する、または荷物中に含まれる腐敗しやすい品物の熱管理を保証する最も好適な使用温度を維持するための、内部および外部の熱流束を管理するシステムの全体的な性能に相乗効果的に寄与する。
【0058】
液体層は、限定するものではないが、炭化水素、ハロゲン化溶媒、水、界面活性剤、エアロゲル、溶融金属および塩、液化ガス、ナノ流体、およびそれらの組み合わせなどの低分点液体であってよい。液体冷却剤は好ましくは−60℃〜300℃の間の沸点を有する。液体の表面張力は、吸い上げ材料のぬれ性に最も好適となるように選択または調整される。
【0059】
吸い上げ収着剤は、天然繊維、合成繊維、または炭素繊維などの繊維、あるいはセラミックナノチューブを含むことができる。繊維構造の長軸は、好ましくは、流体の流れる方向に向いている。吸い上げ効果を向上させるために好適な繊維コーティングを使用することができる。繊維表面の溝によって、表面を増加セルことができ、これは流動にも有益となる。粒状吸い上げ剤を単独で使用したり、前述のものと組み合わせて使用したりすることができる。吸い上げ収着剤としては、パルプ、紙、布、または不織布を挙げることができる。
【0060】
本発明の通気性反射性カバーは、低温環境に置かれうる製品、荷物またはデバイスを低温から一時的に保護することが必要な場合にも有用となり得る。この場合、外部の温度が荷物の温度よりも低い場合には、予想される太陽放射線曝露の条件に依存して、外側に面する低放射率金属層を有する通気性反射シートの使用、あるいは両側に低放射率金属層を有する通気性反射シートの使用、あるいは必要に応じてスペーサー層を有する場合も有さない場合もあり、内側および外側に面する複数の金属層を有する複合通気性反射シートの使用が好都合となりうる。
【0061】
本発明の説明において前述した例および値は、説明のみを目的としており、限定を意味するものと解釈すべきではない。本発明の異なる実施形態を互いに組み合わせることができる。たとえば、本明細書に記載の異なる層および/または実施形態を互いに組み合わせることで、覆われる製品(呼吸、気体生成、エネルギー生成、発熱など)に適合し、予想される使用条件に適合した製品(すなわちカバーのシート)を形成することができる。
【実施例】
【0062】
光反射率は、ISO 7714/1に準拠しMinolta CM−3600d分光光度計を400〜700nmの波長範囲にわたって使用して測定した。水蒸気透過速度(MVTR)はEN ISO 12572−Cに準拠して測定した。液体の水の浸透は、EN 20811に準拠して静水頭として測定した。放射率は、ASTM C1371に準拠して測定した。燃焼性は、水平燃焼を方法ISO 3795に準拠して測定した。
【0063】
反射シート材料を越える放射伝熱の測定
試験片に可視光線および赤外線を一方の側から照射し、反射シートの反対側の経時による温度上昇を監視することによって反射シート材料を比較するための機構を構成した。装置は、幅21cm×長さ30×高さ33cmの同一の寸法および形状の2つのチャンバーからなり、好適な耐熱性および断熱性の材料から構成され、水平の床および垂直の壁を有し、各チャンバーは、その屋根に照明取付具を有し、これにはPhilips IR 150 RH 150 W赤外スポットランプが取り付けられ、それによってランプの底部からチャンバーの床までの距離は25cmとなった。各チャンバーの床には、スポットランプの真下で中央に位置し、PT100温度センサーが収容される幅3cm×長さ10cm×深さ2cmの小さなくぼみが存在した。ISO A4の寸法の反射シートの試験片は、いずれのチャンバーの床も完全に覆うことができ、そのためランプによる温度センサーへの直接照射は阻止され、温度センサーと試験片の下面との間の距離は常に2cmであり、試験片と温度センサーとの直接接触は、センサーのくぼみの側面によって防止された。
【0064】
典型的な実験では、装置および試験片を最初は室温で使用し、熱センサーのくぼみが完全に覆われるように、試験する材料のA4試験片を装置の各チャンバーの床に配置した。同じ材料で2つの測定を同時に行う場合、試験片は同じ材料であってよいし、2つの材料を比較する場合は、異なる材料の試験片であってよい。次にランプのスイッチを入れ、各試験片の下の熱センサーによって記録される開始温度T0を記録した。次に、約15分の時間の間、または温度が60℃を超えるまでの規定の時間tにおける温度Ttを記録した。熱障壁性能が不十分な試験片は、センサーによって記録される温度上昇が急激であり、一方、より良好な性能を有する試験片は温度上昇が比較的遅かった。最初に、後の時間Ttにおける各温度の読取値から初期温度T0を引いて各時間における温度上昇ΔTtを求めることで、各サンプルにおけるこの性能を定量化した。
【0065】
個別のランプの放射出力の系統的な差を補償するため、徹底的な実験のためには、同じ試験片の組で連続して2回の試験を行い、2回目の試験では、2つの試験チャンバーでそれらの位置を交換する必要があった。各時間tで、2回の試験から得られた2つのΔTt値を平均した。5分におけるΔTt値(ΔT5)および15分におけるΔTt値(ΔT15)が、熱保護の好都合で再現可能な尺度となることが分かり、値が小さいほど、より良好な熱保護を示す。
【0066】
比較例1
反射シート試験片を配置せず、赤外ランプからの放射線温度センサーに直接当たるようにして、前述の装置を行った。
【0067】
比較例2
パッケージをパレットに載せ、その組立体を、AFP Hollandより入手可能なResinex 581(輸送する品物を包装しパレット貨物を安定化させるために一般的に使用されるような23ミクロンのポリエチレンストレッチフィルムである)の4つの層で包み、パッケージがパレットに固定されるように十分な張力を加えた。ストレッチフィルムの4つすべての層のほぼISO A4の寸法のサンプルを、包装材料からはさみで注意深く切り取り、層が互いに接着した状態であることを確認し、次にこの層のスタックを前述の方法で試験した。この材料は透明であるため、放射率および反射率の信頼性のある測定はできなかった。
【0068】
比較例3
Isohood(Ventiflex)断熱フィルム(温度に敏感な品物を輸送用に包装するために一般に使用されるような金属化バブルラップであり、EcoCool GmbHより入手可能であり、面密度が180g/m2であり、全体の厚さが約3mmであり、金属化側で測定される放射率が0.35であり、金属化ポリエチレンフィルム層と、透明ポリエチレンフィルム層と、それらの間にはさまれた、密集した円形で封止された直径10mmのエアポケットがポリエチレンフィルムで封入された層とで構成される)について、金属化側が上向きで赤外ランプに向けられるように、すなわち外側が熱源に向けられるようにして、前述の方法により試験し、これは、輸送中の温度に敏感な荷物を保護するために、このような金属化包装材料が取り付けられる向きである。この材料の金属化されていない側の透明の外面および不均一な外観のため、反射率の信頼性のある測定はできなかった。
【0069】
比較例4
比較例3の金属化バブルラップを、金属化側が下向きで温度センサーに向けられるようにして、すなわちこのような金属化包装材料が取り付けられる向きとは反対向きにして、前述の方法により試験した。
【0070】
比較例5
Tyvek(登録商標)1560B(面密度が58g/m2であり、全光反射が90.3%であり、放射率が0.62である白色ポリエチレン不織シートであり、E.I.DuPont de Nemours and Companyより入手可能)を前述の方法により試験した。
【0071】
比較例6
金属化ポリエチレン不織反射シートであって、および面密度が60g/m2であり、薄い耐食性コーティングで覆われた金属アルミニウムの薄層を一方の側に有し、E.I.DuPont de Nemours and CompanyよりTyvek(登録商標)3563Mで市販され、白色側で測定した全光反射が90.7%であり、金属化側で測定した放射率が0.15である金属化ポリエチレン不織反射シートから、ISO A4シートサンプルを作製した。この材料を、金属化表面が上向きで赤外ランプに向けられるようにして、前述の方法により試験した。
【0072】
実施例7
金属化面が下向きで温度センサーに向けられるようにして、比較例6のシートサンプルを前述の方法により試験した。
【0073】
【表1】
*N.A.該当なし。
**N.D.温度読取値が60℃を超えたときに試験を停止したため測定されず。
a1つの層で測定
14組の測定の平均:5分値は12.2℃〜12.5℃の範囲であり、15分値は22.7℃〜23.4℃の範囲である。
26組の測定の平均:5分値は6.6℃〜7.5℃の範囲であり、15分値は14.0℃〜15.5℃の範囲である。
36組の測定の平均:5分値は5.3℃〜6.2℃の範囲であり、15分値は12.0℃〜13.4℃の範囲である。
【0074】
上記例1は、温度センサーを赤外ランプに直接曝露した場合の、試験装置のベースラインの温度上昇速度を示している。比較例2の結果は、輸送のための荷物の包装に一般に使用される透明ストレッチラップは、非常に透湿性が低く、センサーの温度上昇速度がベースラインに対して大きく増加することを示している。比較例3は、温度に敏感な荷物を保護するために金属化層を外側に向けて、すなわち金属化層が荷物とは反対側で外部熱源に向けられるように一般に取り付けられる金属化バブルラップの有効性を示しているが、この材料は水蒸気の透過に対して本質的に障壁となる。比較例4は、金属化バブルラップの金属層の向きを逆にして、上向きで赤外線ランプに向けられるのではなく下向きでセンサーに向けられるようになると、入射放射線の反射に対するバブルラップの有効性が低下し、温度上昇速度が速くなることを示している。比較例5は、高い水蒸気透過速度を有する白色ポリエチレン繊維で構成される反射シートは、透明材料よりも温度上昇速度を低下させることができるが、これは比較例3の金属化バブルラップの保護レベルには到達していないことを示している。実施例7は、本発明の通気性反射シートが、金属層が下向きでセンサー(または荷物)に向けられる場合に、比較例6の金属層が上向きで赤外ランプ(または外部熱源)に向けられる同じ多孔質反射シートよりも高い熱保護を示している。この結果は、反射性金属層が上向きで赤外ランプに向けられる場合により良好な熱保護が得られた金属化バブルラップのデータ(比較例3および4)を考慮すると予期せぬものである。
【0075】
実施例8
金属アルミニウムの薄層が一方の側に堆積されたポリエチレン不織反射シートであり、それによってこのシートは面密度が58g/m2であり、白色側の全光反射率が92.2%であり、金属化側の放射率が0.15であり、E.I.DuPont de Nemours and Companyより入手可能であるTyvek(登録商標)1560M。この材料を、金属化表面が下向きで温度センサーに向けられるようにして、前述の方法により試験した。
【0076】
実施例9
パターン化された耐火性コーティング、金属アルミニウムの薄層、および耐食性ラッカーが連続して一方の側に堆積されたポリエチレン不織反射シートであり、それによってこのシートは面密度が64g/m2であり、白色側の全光反射率が92.6%であり、金属化側の放射率が0.11であり、E.I.DuPont de Nemours and Companyより市販されているTyvek(登録商標)3566M。この材料を、金属化表面が下向きで温度センサーに向けられるようにして、前述の方法により試験した。
【0077】
実施例10
金属アルミニウムの薄層、薄い耐食性ラッカー、およびパターン化された耐火性コーティングが連続して一方の側に堆積されたポリエチレン不織反射シートであって、それによってこのシートは、面密度64g/m2であり、白色側の全光反射率が91.4%であり、金属化側の放射率が0.31であるポリエチレン不織反射シート。この材料を、金属化表面が下向きで温度センサーに向けられるようにして、前述の方法により試験した。
【0078】
【表2】
【0079】
実施例8は、低放射率金属層を一方の側に有する通気性反射シートである本発明の単純な一実施形態を示しており、高い透湿性および低い放射伝熱を示しているが、金属層は水分に曝露することで容易に腐食し、この反射シートは燃焼性であり、ISO 3795耐火性試験に不合格となる。このことは、金属層の上部に好適な保護層を塗布することで、反射シートの透湿性または放射伝熱を大きく変化させることなく耐食性にすることが可能なことを示している実施例7とは対照的である。実施例9および10は、耐火性コーティングと保護層との併用で、通気性反射シートにおいて、耐食性および難燃性の両方が実現されることを示している。実施例10は、パターン化された耐火性コーティングを金属層および保護層の上に塗布した場合に熱保護が改善されうることを示しており、実施例9は、金属層および耐食性コーティングがパターン化された耐火性コーティングの上に塗布した場合に熱保護がさらに大きく改善されることを示している。
【0080】
比較例11
厚さ1.3mmおよび面密度24g/m2であり、90mmの間隔で離れた列に40mmの間隔で配置された直径4mmの円形の孔を有する有孔発泡クローズドセルポリエチレンフォームについて、装置の温度センサーのくぼみの上に孔が位置しないように確認して、前述の方法により試験した。
【0081】
比較例12
比較例11の有孔発泡クローズドセルポリエチレンフォームの一方の側を、面密度が81g/m2の1層のTyvek(登録商標)1589B不織ポリエチレンシートに積層して、全体の面密度が123g/m2であり白色側で測定した光反射率が93.3%である積層体を得た。白色側が赤外ランプに向けられるようにして、積層体の放射伝熱速度を前述の方法により試験した。
【0082】
実施例13
比較例11の有孔発泡クローズドセルポリエチレンフォームの一方の側を、面密度が81g/m2の1層のTyvek(登録商標)1589B不織ポリエチレンシートに積層し、他方の側を、実施例9の1層のTyvek(登録商標)3566Mに積層することによって、Tyvek(登録商標)3566Mの白色側がフォーム層に隣接し、Tyvek 3566Mの金属化側が積層体の外面を形成するようにした。得られた可撓性積層体は、全体の面密度が203g/m2であり、白色側で測定した光反射率が93.9%であり、金属化側で測定した放射率が0.12であった。白色側が赤外ランプに向かい、金属化側が温度センサーに向けられるようにして、積層体の放射伝熱速度を前述の方法により試験した。
【0083】
実施例14
金属化側が下向きの実施例7の反射シートの下層と、面密度が185g/m2であり平均厚さが8mmであるスペーサーとしての剛性ポリエチレン繊維の目の粗い三次元網目構造の中間層と、金属化側が下向きでスペーサーに向けられる実施例7の反射シートの上層とを積層することによって、積層反射シートの模擬実験を行った。このシートのスタックを、記載の方向で前述の方法により試験した。
【0084】
実施例15
標準的な物理蒸着技術を使用して、約175mg/m2のアルミニウム層を、E.I.DuPont de Nemours and CompanyよりNomex(登録商標)412で市販される面密度が41g/m2のメタ−アラミドペーパーの一方の側に堆積した。得られたシートは、蒸着していない側で測定した全光反射率が68.2%であり、金属化側で測定した放射率が0.09であった。この金属化反射シートは、ISO 3795水平火炎伝播試験で実質的に不燃性であることが分かった。金属化側が下向きで温度センサーに向けられるようにして、この材料のサンプルを前述の方法により試験した。
【0085】
実施例16
金属化側が下向きの実施例7の反射シートの下層と、面密度が185g/m2であり平均厚さが8mmであるスペーサーとしての剛性ポリエチレン繊維の目の粗い三次元網目構造の中間層と、金属化表面が下向きでスペーサーに向けられる実施例15の金属化メタ−アラミドシートの上層とを積層することによって、積層反射シートの模擬実験を行った。このシートのスタックを、記載の方向で前述の方法により試験した。
【0086】
実施例17
金属化側が下向きの実施例9の難燃性反射シートの下層と、面密度が185g/m2であり平均厚さが8mmであるスペーサーとしての剛性ポリエチレン繊維の目の粗い三次元網目構造の中間層と、金属化表面が下向きでスペーサーに向けられる実施例9の難燃性反射シートの上層とを積層することによって、積層反射シートの模擬実験を行った。このシートのスタックを、記載の方向で前述の方法により試験した。
【0087】
実施例18
金属化表面が下向きの実施例15の金属化メタ−アラミドシートの下層と、面密度が185g/m2であり平均厚さが8mmであるスペーサーとしての剛性ポリエチレン繊維の目の粗い三次元網目構造の中間層と、金属化表面が下向きでスペーサーに向けられる実施例9の難燃性反射シートの上層とを積層することによって、積層反射シートの模擬実験を行った。このシートのスタックを、記載の方向で前述の方法により試験した。
【0088】
実施例19
金属化側が下向きの実施例7の反射シートの下層と、E.I.DuPont de Nemours and CompanyよりEnergain(登録商標)で入手可能であり、アルミニウム箔封入層を取り外して使用した厚さが5mmであり相転移温度が22℃のコポリマー/パラフィンワックスがブレンドされた相変化物質の押出シートの中間層と、比較例5のポリエチレン不織シートの上層とを積層することによって、積層反射シートの模擬実験を行った。金属化シートを下向きにして、このシートのスタックを前述の方法により試験した。
【0089】
実施例20
金属化側が下向きの実施例7の反射シートの下層と、あらかじめ脱イオン水中に浸漬して約2.1kg/m2の水を吸収させた、面密度が159g/m2であり厚さが0.9mmであるCamtex Fabrics Ltd.より入手可能な超吸収性繊維を含むCambrelle(登録商標)Type150不織布の中間層と、比較例5のポリエチレン不織シートの上層とを積層することによって、積層反射シートの模擬実験を行った。金属化シートを下向きにして、このシートのスタックを前述の方法により試験した。
【0090】
【表3】
*模擬実験の積層体の構成要素の個別の水蒸気透過速度に基づく計算値
**この模擬実験の積層体の水蒸気透過速度の測定および計算は行っていないが、スペーサー層が有孔であるか、他の方法でパターン状に取り付けられた場合、これらの構造である程度の蒸気透過性が達成されうることは明らかである。
【0091】
比較例11および12ならびに実施例13は、ポリエチレンフォームの薄層は、赤外放射線に曝露した場合に得られる熱保護が非常にわずかであり、外側にTyvek(登録商標)の反射性白色層を有するこのようなフォームの積層体は、より良好な熱保護が得られ、高反射性外面と低放射率金属化内面との間にはさまれた同じポリエチレンフォームを有する本発明の積層反射シートは、軽量で可撓性の構造を維持しながら高度な熱保護が得られることを示している。示される水蒸気透過速度は低いが、多くの状況で荷物の内側での凝縮凝集を防止するには十分であり、ポリエチレンフォームスペーサー層の孔の大きさおよび数を変化させることによって、またはオープンセルフォーム層を使用することによって、またはその両方によって調節可能である。
【0092】
実施例14は、金属化表面がそれぞれ内側に向かう2つの反射シートを分離するためにスペーサー層を使用して本発明の多層反射カバーシステムを形成することを示しており、これは非常に良好な放射障壁特性を有し、低く維持されているが十分な水蒸気透過速度を有する。接着剤を使用して、スペーサー層を一方または両方の通気性反射シートに接合して、複合反射シートを形成することができる。
【0093】
実施例15〜18は、本発明による耐火性複合反射シートまたは反射カバーシステムの種々の実施形態を示しており、これらは、難燃性材料でできた防火ブランケット層、または耐火性コーティングを有する反射シート層を含み、断熱スペーサー層を有する場合、または有さない場合がある。
【0094】
実施例19および20は、放射熱に対する非常に高度な保護を有する本発明による複合反射シートを形成するための相変化物質および/またはヒートシンク材料のスペーサー層としての使用を示している。
【0095】
実施例21
本発明による複合反射シートを形成するための層として内部にPCMを含むACLの使用の例を示すために、以下の実験を行った。
【0096】
ACL要素は、E.I.DuPont de Nemours & Company製造のE88(あるいはE88C)Nomex(登録商標)フェルトが詰め込まれた銅箔のケースで構成された。タイプE88/E88Cのスパンレース布は、高度の飽和性が必要であり、厳しい耐熱性、難燃性、または耐薬品性の要求を満たす必要がある用途のために設計されている。これらの不織シートは、液体が容易に飽和することができる開放構造および多孔質構造を有する。ACL要素中に使用した内部の冷却剤/PCMは純水であった。長さ39cm×幅2.4cm×厚さ1mmの2つのACL要素を、それらの長軸に沿って垂直に、初期には63℃である320gの水が入った直径7cmの同じ円筒形セラミック容器中に入れ、それによってACL要素の水中に入った長さは9cmとなった。対照として初期には63℃である320gの水が入れられた同じセラミック円筒容器を、2つのACL要素が入った円筒容器の隣に置いた。容器底部からの伝導冷却を最小限にするために、両方の円筒容器を厚さ8mmのTeflonプラーク上に載せた。周囲温度は22℃であり、外部の放射線は有さなかった。最初に温水を満たした後に、各円筒容器の水の温度をある時間間隔で測定した。結果を表4に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
2つのACL要素を使用した場合に有意な温度低下が観察され、本発明による複合反射性通気性シートの形成に好都合であることを示している。実施例9の反射性通気性シートと組み合わせることで、さらなるに温度管理の利点が確認された。
【0099】
このようなACL要素は、三次元伝熱特性を有し、図1〜6に示されるような本発明の複合組立体の通気性および反射率を維持するために最も好適な構成中に配置することができる。ケースは、アルミニウム複合材料、銅、セラミック、繊維状混合物、およびそれらの合金、ならびに固有熱伝導率、好適な機械抵抗を有し機械加工や成形が可能なあらゆる材料、ならびにそれらの組み合わせを含む材料でできていてよい。
【0100】
模擬的な荷物カバーの試験
40.6cm×31.8cm×25.4cmの寸法のダンボール箱を使用して、種々の構成の反射性通気性カバーによって保護される製品の模擬実験を行った。電池式の温度記録計を各箱の底の中央にテープで留め、水の入った3リットルのポリエチレンボトルを、温度記録計に触れないように確認しながら、各箱の内壁にテープで留めた。箱を閉じ、試験するカバー材料の1つの層を用いて同じ方法で包み、包装を固定するために接着テープを使用した。各カバー材料で、カバー材料が箱と接触するように1つの箱をしっかりと包み、第2の同一の箱は、カバーとおよび箱との間に空隙を維持するために箱の上部および隣接する側面に接着した20個の小さな厚さ1.9cmの断熱フォームスペーサーを取り付けた後に、カバー材料で包んだ。最初に箱は、すべてが同じ内部温度に到達するように、実験室内に終夜保管し、次に箱を外に出し、木製パレット上に1層で1つのパレットに4つの箱を不規則に配置して、あらゆる外部からの影および隣接する箱の影から離れて箱が完全に太陽に露出するようにした。これらの箱を2010年4月18日から19日のRichmond,Virginia,USAで全体的に快晴の日中および澄んだ寒い夜の間に周囲条件に曝露した(履歴の報告はhttp://weathersource.com/past−weather/weather−history−reports/で入手可能である)。次に箱を開き、温度記録計のデータを収集した。
【0101】
比較例22
E.I.DuPont de Nemours and Companyより入手可能な比較例5のTyvek(登録商標)1560Bを使用して箱を包んだ。
【0102】
比較例23
実施例8のTyvek(登録商標)1560Mを使用して、金属化側が外側となり外部環境に向かうようにして箱を包んだ。
【0103】
実施例24
実施例8のTyvek(登録商標)1560Mを使用して、金属化側が内側となり箱に面するようにして箱を包んだ。
【0104】
温度データを表5に記載している。
【表5】
【0105】
これらの例は、通気性反射シートを金属層を内側にして使用して荷物を覆う場合は、金属層を外側にして使用する同じシート、および金属製を有さない通気性反射カバーを使用する場合よりも、模擬実験される荷物の最高温度および温度変動範囲が低くなることを示している。結果は、カバーと荷物との間のスペーサー層によるさらなる利点も示されている。この実験では、本発明の通気性反射シートでは、温度が10℃上昇するのに要する時間が、白色カバーの場合よりも、スペーサー層がない場合で約25分、スペーサー層がある場合で75分長くなった。
【0106】
本発明の反射シートを含む荷物カバーの利点を示すために、本発明によるカバーおよび別のカバー設計によって保護される同じ模擬実験用荷物の温度を監視しながら、同時に、直射日光への曝露などの種々の外部気象条件に曝露し、荷物よりも大幅に高い周囲温度に曝露した。これによって、輸送中に生じうる周囲温度の急激で極端な種類の変動を再現した。
【0107】
4つの同一の模擬実験用荷物は、BS EN 12546:2−2000:Materials and articles in contact with food products−Insulated containers for domestic use − Part 2:Specification for insulated bags and boxesに準拠して以下のように構成した。幅800mm×長さ1200mm6つの標準的なユーロパレットを、4つの同一の模擬実験用荷物の積荷の台座として使用した。以下に別に示される場合を除けば、模擬実験用荷物をパレットに搭載する前に、パレットと同じ寸法のTyvek(登録商標)1560Bのベースシートをパレット上に置くことで、荷物の底部を閉じて空気の循環を防止した。市販のミネラルウォーターの500mlのPETボトル(直径55mm×高さ220mm)を6×4の配列のカートントレイに詰め込み、各パックで無作為に8本のボトルを空のボトルと交換することで、各パックの空気対水の体積比が50:50になるようにした。各パック中のボトルの外側に接着テープを巻き付けてボトルを固定した。このようなパックのボトルの4つの層を、各パレット上に搭載し、各層は、3×3に配列した9パックのボトルからなった。このようにして、6つの模擬実験用荷物を作製し、それぞれ高さ1mで1296本のミネラルウォーターのボトルからなり、その1/3は空であり、荷物の内側で全体で50%の空気体積が達成され、荷物中に432リットルの水が存在し、標準的な全熱容量が得られる。各模擬実験用荷物の作製中、4つの電池式温度記録計を荷物中に入れ、1つはボトルパックの最低層の底部の左前の角、1つはボトルパックの第2の層の中央、1つはボトルパックの最上層の上部の右後の角、1つはボトルパックの最上層の中央の荷物の上に置いた。使用した温度記録計は、iButton製造のThermobutton(登録商標)タイプ22Lであり、+85℃〜−40℃の測定範囲を有し、分解能は0.1℃であり、記録計のサンプリング速度は5分ごとに1つのデータ点に設定した。次に3つのこれらの同一の模擬実験用荷物を試験される種々の材料でできた荷物カバーで覆い、第4の荷物は、以下の非限定的な例で荷物を安定化させるためにストレッチラップフィルムのみで覆った。
【0108】
比較例25
Tyvek(登録商標)1560Bの底部シート、およびE.I.DuPont de Nemours and Companyより入手可能な実施例5の白色通気性ポリエチレン不織シートであるTyvek(登録商標)1560Bでできたカバー。カバー材料は、高さ1.2m×深さ0.82m×幅1.22mの立方形に成形し、両面接着テープを塩右して垂直の辺に沿って閉じ、底面は開放して、パレット上の模擬実験用荷物の上に容易に引き上げることができ、模擬実験用荷物を完全に覆うがゆるく覆うようにした。
【0109】
実施例26
Tyvek(登録商標)1560Bの底部シート、およびE.I.DuPont de Nemours and Companyより市販される実施例7の通気性金属化ポリエチレン不織布で反射性のTyvek(登録商標)3563Mでできたカバー。カバー材料は、比較例25に記載のように立方形に成形し、これを使用して模擬実験用荷物を完全に覆うがゆるく覆い、カバーの金属層が内側で模擬実験用荷物に面するようにした。
【0110】
比較例27
Tyvek(登録商標)1560Bの底部シート、およびIsohood 2L−2(EcoCool GmbHより入手可能な厚さ6mmの両面金属化バブルラップ)のシートでできたカバー。これを金属化表面が外側で外部に向かうように1層で使用して、模擬実験用荷物を完全に覆うがゆるく覆うようにテープで固定した。
【0111】
比較例28
輸送用のパレット貨物の安定化および保護に使用される典型的な方法で、模擬実験用荷物を比較例2の23ミクロンのポリエチレンストレッチラップであるResinex 581を包んだ。この場合、一般的な方法と同様に、底部シートは使用しなかった。
【0112】
動作範囲が−40℃〜+70℃であり分解能が0.1℃であるVoltcraft DL 120 TH/DL 100 T温度記録計を各模擬実験用荷物のカバーの外側に配置して、後の実験中に5分ごとに周囲温度を記録した。
【0113】
最初に4つの模擬実験用荷物を、直射日光の曝露がない温度制御された建物中で20℃の開始温度で数日間コンディショニングを行った。
【0114】
屋外曝露:
模擬実験用荷物を、パレット上で、温度制御された建物から取り出して、東西方向の線でパレット幅1つを超える距離だけ離して、影のない屋外に配置し、真南に対して同じ方向で各パレット上で温度記録計を使用した。模擬実験用荷物を、Luxembourgの周囲条件で2011年8月1日から3日の連続する2昼夜の間連続して曝露し、その間の気候は乾燥し、雲量は最小限であった。
【0115】
50℃チャンバー:
2日間の屋外曝露の後、模擬実験用荷物を、+50℃(±2℃)の制御された空気温度に加熱したチャンバー中にできる限りほぼ同時に移動し、そこで18時間保管した。荷物の積み下ろしに照明が使用される場合を除けば、この時間の加熱チャンバー内部は暗かった。
【0116】
温度曝露サイクルの終了後、模擬実験用荷物を冷却して室温に戻し、カバーを取り外し、データ分析のため温度記録計を回収した。結果を表6および7にまとめている。
【0117】
【表6】
*RMS=二乗平均の平方根、すなわち、試験中に5分ごとの時間間隔で記録した開始温度からの温度変化の二乗の合計の平方根であり、2回の昼夜温度サイクルでの開始温度からの周期的変動の大きさの尺度となる。
【0118】
実施例26の結果は、本発明の通気性反射シートでできた荷物カバーによって、外部温度が変化し荷物が日光曝露および暗所に交互にさらされる場合の荷物温度の変動範囲が大きく減少することを示している。金属層を有さない比較のための通気性シートの比較例25では有効性が低い。金属化バブルラップの比較例27は温度変動の減少には効果的であるが、通気性ではなく、本発明の反射シートの10倍を超える厚さであり、はるかに可撓性が低く、そのため、荷物への取り付けは、より困難となる。パレットに搭載される荷物の安定化に通常使用されるものなどのポリエチレンストレッチラップの比較例28は通気性ではなく、熱保護は得られず、実際に周囲環境を超える温度変動が生じる。
【0119】
【表7】
【0120】
これらの結果は、本発明の通気性反射シートを含む荷物カバーが、荷物が高温環境に置かれる場合、さらには日光への直接曝露がない場合に、温度変化速度を低下させるのに有効である事を示している。
【0121】
上記の例および値は説明のみを目的としており、限定しているものと解釈すべきではない。本発明の異なる実施形態を互いに組み合わせて、覆われる製品の個別の条件(たとえば許容される温度範囲、呼吸、気体生成、熱発生、湿気に対する影響など)に適合し、輸送中に生じる条件に適合する製品(すなわちシートまたはカバー)を形成することができる。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1.製品を覆うためのシートであって、保護される製品から見て外側および内側を有する高反射性透湿性基材でできた少なくとも1つの層を含み、制御された透湿性を供給しながら高反射低対流による断熱を供給するために、前記内側が少なくとも1つの適切な放射率を実現する金属層をさらに含む、シート。
2.前記少なくとも1つの金属層が物理蒸着(PVD)プロセスによって堆積される、上記1に記載のシート。
3.前記高反射性透湿性基材が、1種類以上の天然または合成の繊維またはフィラメントを含む不織布または織布である、上記1または2に記載のシート。
4.前記高反射性透湿性基材がフラッシュ紡糸不織布である、上記1〜3のいずれか一に記載のシート。
5.前記金属層上に堆積またはコーティングされた保護層をさらに含む、上記1〜4のいずれか一に記載のシート。
6.その内側に、制御された透湿性の難燃層をさらに含む、上記1〜5のいずれか一に記載のシート。
7.前記難燃層が制御された透湿性のコーティングまたは繊維を含む、上記6に記載のシート。
8.その内側に制御された透湿性の断熱空間層をさらに含む、上記1〜7のいずれか一に記載のシート。
9.前記透湿性の断熱空間層が、生物系資源から本質的に得られるフォームを含む、上記8に記載のシート。
10.前記生物系資源が植物油、ならびに天然または合成のタンニン類を含む、上記9に記載のシート。
11.冷却剤、蒸発部分(EP)、および凝縮部分(CP)を含む封止層を含み、それによって前記冷却剤は前記蒸発部分に流れて蒸発して、前記凝縮部分に向かい、次に凝縮することで、熱を放散させる、上記1〜10のいずれか一に記載のシート。
12.前記凝縮部分が前記金属層に接触する、上記11に記載のシート。
13.前記断熱空間層の片側または両側に取り付けられた接着層または接着促進層をさらに含む、上記7〜12のいずれか一に記載のシート。
14.上記1〜13のいずれか一に記載の少なくとも2つの反射シートと、前記少なくとも2つの反射シートの間の断熱空間層(6)とを含む、複合シート。
15.製品を覆うための難燃性シートであって、保護される製品から見て外側および内側を有する高反射性透湿性基材でできた少なくとも1つの層を含み、前記内側または前記外側またはその両方が少なくとも1つの金属層をさらに含み、前記内側が難燃層をさらに含む、難燃性シート。
16.物理蒸着(PVD)プロセスによって前記少なくとも1つの金属層が堆積される、上記15に記載の難燃性シート。
17.前記高反射性透湿性基材が、1種類以上の天然または合成の繊維またはフィラメントを含む不織布または織布である、上記15または16に記載の難燃性シート。
18.前記高反射性透湿性基材がフラッシュ紡糸不織布である、上記15〜17のいずれか一に記載の難燃性シート。
19.前記金属層上に堆積された保護層または保護コーティングをさらに含む、上記15〜18のいずれか一に記載の難燃性シート。
20.上記1〜14のいずれか一に記載の反射シートと、上記15〜19のいずれか一に記載の難燃性シートとを含む、複合シート。
21.製品を覆うための難燃性シートであって、外側および内側を有する耐火性繊維混合物の少なくとも1つの層と、前記外側または前記内側またはその両方における少なくとも1つの金属層とを含む、難燃性シート。
22.前記少なくとも1つの金属層が物理蒸着(PVD)プロセスによって堆積される、上記21に記載の難燃性シート。
23.前記金属層上に保護層が堆積またはコーティングされる、上記21または22に記載の難燃性シート。
24.上記1〜13のいずれか一に記載の反射シートと、上記21〜23のいずれか一に記載の難燃性シートとを含む、複合シート。
25.製品用のカバーであって、上記1〜14のいずれか一に記載の少なくとも1つの反射シート、あるいは上記20または上記24に記載の複合シートを含み、前記反射シートの前記金属層を有する側が前記製品に向けられる、カバー。
26.温度に敏感な製品のためのカバーである、上記25に記載のカバー。
27.腐敗しやすい製品、あるいは電気または電子デバイスのためのカバーである、上記26に記載のカバー。
28.製品のカバーを形成するための、上記1〜14のいずれか一に記載の反射シート、あるいは上記15〜19および21〜23のいずれか一に記載の難燃性シート、あるいは上記20または24に記載の複合シート、あるいは上記25〜27のいずれか一に記載のカバーの、単独または互いに組み合わせての使用であって、前記反射シートの前記金属層を有する側が前記製品に向けられる、使用。
29.上記1〜14のいずれか一に記載の反射シート、あるいは上記20または24に記載の複合シート、あるいは上記25〜27のいずれか一に記載のカバーで覆われた製品であって、前記反射シートの前記金属層を有する側が前記製品に向けられる、製品。
図1a
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6