特許第6140168号(P6140168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6140168アテローム性動脈硬化症の処置のために有用なコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)インヒビターとしての5−ベンジルアミノメチル−6−アミノピラゾロ[3,4−B]ピリジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6140168
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】アテローム性動脈硬化症の処置のために有用なコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)インヒビターとしての5−ベンジルアミノメチル−6−アミノピラゾロ[3,4−B]ピリジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20170522BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   C07D471/04 106C
   C07D471/04CSP
   A61K31/506
   A61P3/06
   A61P43/00 111
【請求項の数】8
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2014-532500(P2014-532500)
(86)(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公表番号】特表2014-527997(P2014-527997A)
(43)【公表日】2014年10月23日
(86)【国際出願番号】IB2012002435
(87)【国際公開番号】WO2013046045
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年9月2日
(31)【優先権主張番号】3337/CHE/2011
(32)【優先日】2011年9月27日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】61/558,262
(32)【優先日】2011年11月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512276315
【氏名又は名称】ドクター レディズ ラボラトリーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ボルア, アニマ
(72)【発明者】
【氏名】アリクンジュ, シャナバス
【審査官】 新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−530230(JP,A)
【文献】 特表2009−524579(JP,A)
【文献】 特開2009−051827(JP,A)
【文献】 特表2008−528447(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/111604(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−(イソオキサゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、および
3−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)オキサゾリジン−2−オン、
から選択される、化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項2】
少なくとも1種の請求項1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩、および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。
【請求項3】
患者におけるコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)を阻止または阻害するための組成物であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含み、該組成物が該患者に投与されることを特徴とする、組成物。
【請求項4】
患者における高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールを増加させるための組成物であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含み、該組成物が該患者に投与されることを特徴とする、組成物。
【請求項5】
患者における低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを低下させるための組成物であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含み、該組成物が該患者に投与されることを特徴とする、組成物。
【請求項6】
患者におけるコレステリルエステル転送タンパク質に結合させるための組成物であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含み、該組成物が該患者に投与されることを特徴とする、組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の請求項1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩、および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物であって、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、硬質キャンディ剤、散剤、噴霧剤、クリーム剤、膏薬、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射剤、エリキシル剤またはシロップ剤の形態で製剤化されている、組成物。
【請求項8】
アテローム性動脈硬化症の処置のための組成物であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含む、組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本出願は、式(I)の置換ピラゾロピリジン−6−アミンまたはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)は、例えば、高密度リポタンパク質(HDL)などのリポタンパク質の代謝に重要なプレイヤーである。CETPは、HDL粒子に物理的に会合している70kDaの血漿糖タンパク質である。それは、HDLからアポリポタンパク質B含有リポタンパク質へのコレステリルエステルの輸送を促進する。この転送は、反対方向のトリグリセリドの転送を伴う。したがって、CETP活性の低下は、HDLコレステロールのレベルの増大、ならびに超低密度リポタンパク質(VLDL)および低密度リポタンパク質(LDL)のレベルの低下をもたらし得る。したがって、CETPは、アテローム生成促進性リポタンパク質(例えば、LDL)の濃度および抗アテローム生成性リポタンパク質(例えば、HDL)の濃度に同時に影響を与え得る。
【0003】
ヒトにおける臨床研究は、CETPのインヒビターが、HDLレベルを30〜110%上昇させるのに有効であり得ることを示している。さらに、疫学研究は、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)の低いレベルが、冠動脈疾患(CAD)の強力な危険因子であることを示している。一般的には、非特許文献1(Gordonら、Circulation、79巻、8〜15頁、1989年);非特許文献2(Despresら、Atherosclerosis、153巻:263〜272頁、2000年)を参照されたい。HDL−Cの上昇は、この危険を低減することが示されており、HDL−Cの各1mg/dl(0.02mmol/l)の上昇は、冠状動脈性心臓病(CHD)危険の2〜3%の低減(低密度リポタンパク質(LDL)低下についてのものと匹敵する大きさ)と関連することが推定される。
【0004】
HDLの抗アテローム生成の役割は、部分的には、コレステロール逆輸送と称されるプロセスである、細胞からの遊離のコレステロールの流出を促進し、それを肝臓へ輸送するその能力に起因すると考えられている。HDLは、いくつかの他の機構によってアテローム性動脈硬化症から保護し得る。例えば、いくつかの研究は、HDLが抗酸化性効果および抗炎症性効果を有することを示している。脂質代謝の酸化的産物は、血管細胞に炎症細胞動員を誘導する。HDL粒子は、パラオキソナーゼ、血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ、およびレシチン−コレステロールアシルトランスフェラーゼを含めて、LDL酸化を遅延させる酵素を運ぶ。これらの酵素は、炎症誘発性酸化リン脂質を分解し、LDLにおけるそれらの蓄積を制限する。さらに、アポA−Iは、酸化脂質に結合し得、それらをLDLから除去し得る。さらに、HDLは、細菌性リポ多糖(LPS)を含めて、低分子の担体ビヒクルとしても作用し、したがって、LPSの炎症効果を調節し得る。内毒素性ショックの動物モデルでは、HDLは、臓器損傷および接着分子発現を減弱させる。したがって、HDLの上昇は、抗アテローム生成性であるだけでなく、潜在的に抗炎症性でもあり得る。
【0005】
CETP阻害によるHDLの上昇は、当該技術分野で記載されている。
【0006】
しかしながら、CETPインヒビターは、現在市販されていない。さらに、例えばHDL上昇治療および抗アテローム性動脈硬化症治療などの他の既存の治療は、重篤な耐性問題を含め、制限を有する。したがって、例えば、アテローム性動脈硬化症などのリポタンパク質代謝に関連する状態または疾患を予防または処置する方法を含め、代替治療を見出す当面の必要性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Gordonら、Circulation、79巻、8〜15頁、1989年
【非特許文献2】Despresら、Atherosclerosis、153巻:263〜272頁、2000年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
したがって、本出願は、一般式(I):
【化1】
を有する置換ピラゾロピリジン−6−アミンであって、式中、
Rは、水素または
【化2】
を表し;
Xは、−CHまたは−Nを表し;
およびRは、水素、アシル、アルキルまたは−(CH−シクロアルキルから互いに独立して選択され;
およびRaaは、水素またはアルキルから互いに独立して選択され;
は、出現するたびに、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシまたはハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現するたびに、水素、シアノ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、−COOR、−C(=O)−R、−CONR、−C(=O)−CH=CH−NR、−NHCOR、場合によって置換された基から独立して選択され、場合によって置換された基は、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロ環の環から選択され、ここで、場合による置換基は、出現するたびに、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはハロアルコキシから独立して選択され;
、R、R、R、RおよびRは、出現するたびに、水素またはアルキルを互いに独立して表し;
は、水素、アルキルまたはシクロアルキルから選択され;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0、1、または2であり;そして
qは、1または2である、置換ピラゾロピリジン−6−アミンに関する。
【0009】
本出願はまた、式(I)の化合物を調製する方法に関する。
【0010】
本出願はさらに、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)インヒビターとして式(I)の化合物を記載する。
【0011】
本出願はさらに、式(I)の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物に関する。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
式(I)
【化40】

の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩であって、
式中、
Rは、水素または
【化41】

を表し;
Xは、−CHまたは−Nを表し;
およびRは、水素、アシル、アルキルまたは−(CH−シクロアルキルから互いに独立して選択され;
およびRaaは、水素またはアルキルから互いに独立して選択され;
は、出現するたびに、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシまたはハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現するたびに、水素、シアノ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、−COOR、−C(=O)−R、−CONR、−C(=O)−CH=CH−NR、−NHCOR、および場合によって置換された基から独立して選択され、該場合によって置換された基は、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロ環の環から選択され、ここで、場合による置換基は、出現するたびに、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはハロアルコキシから独立して選択され;
、R、R、R、RおよびRは、出現するたびに、水素またはアルキルを互いに独立して表し;
は、水素、アルキルまたはシクロアルキルから選択され;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0、1、または2であり;そして
qは、1または2である、化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩。
(項目2)
式(Ia):
【化42】

を有する項目1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩。
(項目3)
式(Ib):
【化43】

を有する項目1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩。
(項目4)
式(Ic):
【化44】

を有する項目1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩。
(項目5)
N−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)イソブチルアミド、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
N−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド、
1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)エタノン、
1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)エタノン、(E)−1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−オン、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−(イソオキサゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメ
チル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
5−(((5−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−N,N−ジメチルピリミジン−5−カルボキサミド、
3−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)オキサゾリジン−2−オン、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−モルホリノピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−モルホリノピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)ピロリジン−2−オン、
エチル−2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−4−メチルピリミジン−5−カルボキシレート、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−4−メチルピリミジン−5−カルボン酸、
エチル−2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキシレート、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボン酸、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾ
ロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、および
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン
からなる群から選択される、項目1に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩。
(項目6)
少なくとも1種の項目1に記載の式(I)の化合物および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。
(項目7)
患者におけるコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)を阻止または阻害する方法であって、該患者に治療有効量の項目1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む、方法。
(項目8)
患者における高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールを増加させる方法であって、該患者に治療有効量の項目1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む、方法。
(項目9)
患者における低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを低下させる方法であって、該患者に治療有効量の項目1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む、方法。
(項目10)
患者におけるコレステリルエステル転送タンパク質に結合させる方法であって、該患者に治療有効量の項目1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む、方法。
(項目11)
少なくとも1種の項目6に記載の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩、および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。
(項目12)
患者におけるコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)を阻止または阻害する方法であって、該患者に治療有効量の項目5に記載の化合物を投与することを含む、方法。
(項目13)
患者における高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールを増加させる方法であって、該患者に治療有効量の項目5に記載の化合物を投与することを含む、方法。
(項目14)
患者における低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを低下させる方法であって、該患者に治療有効量の項目5に記載の化合物を投与することを含む、方法。
(項目15)
患者におけるコレステリルエステル転送タンパク質に結合させる方法であって、該患者に治療有効量の項目5に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本明細書で使用される場合、「アルキル」基という表現は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指す。例示的なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0013】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」基という表現は、アルキル基が上に定義されたとおりである、−O−(アルキル)基を指す。例示的なアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシなどが含まれる。特に断りのない限り、アルコキシ基は1〜10個の炭素原子を有する。
【0014】
本明細書で使用される場合、「アルコキシアルキル」という表現は、アルコキシ基およびアルキル基が上に定義されたとおりである、アルコキシ置換アルキル基を指す。典型的には、アルコキシ基は、1〜10個の炭素原子を有することができ、アルキル基は、1〜10個の炭素原子を有することができる。例示的なアルコキシアルキル基には、エトキシメチル、プロポキシエチル、エトキシブチルなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用される場合、「アシル」基という表現は、アルキル基が上に定義されたとおりである、アルキル−CO−基を指す。アシル基は、そのCO基に結合されたアルキル−リンカー部分を指す。アシル基の例には、アセチル、プロピオニルなどが含まれるがこれらに限定されない。アシル基には、ホルミル基も含まれる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「アリール」という表現は、置換または非置換のフェニルまたはナフチルを意味する。置換フェニルまたは置換ナフチルの具体例には、o−、p−、m−トリル、1,2−、1,3−、1,4−キシリル、1−メチルナフチル、2−メチルナフチルなどが含まれる。「置換フェニル」または「置換ナフチル」にはまた、本明細書でさらに定義されるとおりの可能な置換基のいずれも、または当該技術分野で公知なものが含まれる。「アリールスルホニル」という派生表現は、それに応じて解釈されるべきである。
【0017】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」基という表現は、単環、二環、多環、または縮合/架橋環系であってもよい環状アルキル基を指す。例示的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが含まれるがこれらに限定されない。特に断りのない限り、シクロアルキル基は、典型的には3〜約10個の炭素原子を有する。典型的な架橋シクロアルキル基には、アダマンチル、ノルアダマンチル、ビシクロ[1.1.0]ブタニル、ノルボルニル(ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル(ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルナジエニル(ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエニル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタジエニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、ビシクロ[2.2.2]オクタジエニル、ビシクロ[5.2.0]ノナニル、ビシクロ[4.3.2]ウンデカニル、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカニルなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0018】
本明細書で使用される場合、「ハロゲンまたはハロ」という表現は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という表現は、少なくとも1個のハロゲン原子でアルキル基が置換されていることを意味する。ハロゲンとアルキルの両方は、上に定義されたとおりの意味を有する。ハロアルキル基の代表例には、フルオロメチル、クロロメチル、フルオロエチル、クロロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジクロロエチル、トリクロロエチルなどが含まれるがこれらに限定されない。特に断りのない限り、ハロアルキル基は、典型的には1〜10個の炭素原子を有する。
【0020】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」という表現は、アルコキシ基およびハロゲン基が上に定義されたとおりである、少なくとも1個のハロゲン原子でアルコキシ基が置換されていることを意味する。例示的なハロアルコキシ基には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロエトキシ、フルオロエトキシ、クロロエトキシ、トリフルオロエトキシ、ペルフルオロエトキシ(−OCFCF)、トリフルオロ−t−ブトキシ、ヘキサフルオロ−t−ブトキシ、ペルフルオロ−t−ブトキシ(−OC(CF)などが含まれるがこれらに限定されない。特に断りのない限り、ハロアルコキシ基は、典型的には1〜10個の炭素原子を有する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」という表現は、−O−、−N−、−S−、−SO、または−COから選択される少なくとも1個のヘテロ原子またはヘテロ基を有する、3〜10員の飽和の単環式または多環式の環系である。例示的なヘテロシクリル基には、アゼチジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、イソオキサゾリジニル、イミダゾリジン−2−オニル、ピロリジニル、ピロリジン−2−オニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリン−1,1−ジオキシド、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニルなどが含まれるがこれらに限定されない。特に断りのない限り、ヘテロシクリル基は、典型的には3〜約10個の炭素原子を有する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という表現は、−O−、−N−、−S−、−SO、または−COから選択される少なくとも1個のヘテロ原子またはヘテロ基を有する、3〜10員の不飽和、芳香族または非芳香族の単環式または多環式の環系である。例示的なヘテロアリール基には、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピロリル、ピリミジニル、チアジニル、ピラジニル、ピラゾリル、テトラゾリル、イミダゾチアゾリル、インドリジジニル、インドリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、キノキサリニル、イミダゾリル、ピラゾロピリジニルなどが含まれるがこれらに限定されない。特に断りのない限り、ヘテロアリール基は、典型的には3から約10個の炭素原子を有する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「5〜7員のヘテロ環式またはヘテロアリール基」という表現は、5〜7個の環原子を有する上に定義されたとおりのヘテロ環式またはヘテロアリール基を表す。例示的な5〜7員のヘテロ環式またはヘテロアリール基には、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、モルホリニル、オキサゾリジノニルなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用される場合、「OH」という表現は、ヒドロキシ基を表す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「CN」という表現は、シアノ基を表す。
【0026】
コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)は、動物または非哺乳動物もしくは哺乳動物のタンパク質、例えば、ヒトタンパク質であってもよい。
【0027】
本明細書で使用される場合、「場合によって置換される」という表現は、その置換が場合によるものであり、したがって、指定された原子または分子が非置換であることが可能であることを意味する。置換が望ましい場合には、このような置換は、指定された原子上の任意の数の水素が、示された基からの選択物によって置き換えられていることを意味するが、但し、指定原子の通常の価数は超えていないこと、およびその置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。例えば、式(I)において、置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、その原子上の2個の水素が、置き換えられており、その置換がフルオロである場合、その原子上の1個の水素は置き換えられている、などである。
【0028】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの、ある(a)」、「1つの、ある(an)」、および「上記、この、その(the)」は、状況が別段明確に示さなければ、複数形への言及を含む。
【0029】
特に断りのない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語のすべては、当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0030】
式(I)の1種または複数の化合物は、本出願の範囲内にある治療用組成物の形態で供給することができる。
【0031】
「塩」は、レシピエントに投与される場合、本明細書に記載されるとおりの化合物を提供し得る(直接的もしくは間接的に)上記化合物の任意の酸または塩基の塩、薬学的に許容される溶媒和物、または任意の錯体を指す。しかしながら、薬学的に許容されない塩も、本出願の範囲内にあることが理解されるべきである。塩の調製は、公知の方法を用いて行うことができる。
【0032】
例えば、本明細書で企図される化合物の薬学的に許容される塩は、酸または塩基のいずれかの官能基を有する親化合物を用いて、従来の化学的方法によって合成されてもよい。一般に、このような塩は、例えば、塩基性官能基を有する化合物の場合、この遊離の塩基を化学量論的量の適切な酸と、水などの適切な溶媒の存在下でもしくは有機溶媒中またはこの2種の混合物中で反応させることによって調製されてもよい。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性溶媒が用いられてもよい。酸付加塩の例には、無機酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、および有機酸付加塩、例えば、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩が含まれるがこれらに限定されない。式(I)の化合物の異性体形態および互変異性体ならびに薬学的に許容される塩も本出願に含まれる。例証となる薬学的に許容される塩は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルゲン酸(algenic)、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、およびガラクツロン酸から調製される。同様に、本化合物が酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に許容される塩には、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩、ならびに適切な有機配位子で形成される塩、例えば、四級アンモニウム塩が含まれてもよい。このような状況において、酸性部分を有する化合物を、適切な塩基、例えば、アルカリ、アルカリ土類の水酸化物もしくは炭酸塩または有機アミンと、適切な溶媒、例えば、水または本明細書で記載されるとおりの有機溶媒の存在下で反応させて、本化合物のアルカリ、アルカリ土類金属またはアンモニウムの塩を調製する。
【0033】
「立体異性体」という用語は、空間中の原子の配向においてのみ異なる個別の分子の異性体すべてについて使用される一般用語である。典型的には、それは、通常少なくとも1つの不斉中心によって形成される鏡像異性体(エナンチオマー)を含む。本出願による化合物が1つまたは複数の不斉中心を有する場合、ラセミ化合物、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個別のジアステレオマーとして存在してもよい。また、ある種の個別分子は、幾何異性体(シス/トランス)として存在し得る。同様に、本出願のある種の化合物は、互変異性体として一般に公知の、迅速な平衡にある2種以上の構造的に区別できる形態の混合物で存在してもよい。互変異性体の代表例には、ケト−エノール互変異性体、フェノール−ケト互変異性体、ニトロソ−オキシム互変異性体、イミン−エナミン互変異性体などが含まれる。任意の割合のこのような実行可能な異性体およびその混合物のすべては、本出願の範囲内に包含されることが理解されるべきである。
【0034】
本明細書で開示される任意の特定の化合物について、提示される任意の一般的構造はまた、置換基の特定のセットから生じ得る配座異性体、位置異性体および互変異性体のすべてを包含する。
【0035】
本明細書で使用される場合、「被験体」または「患者」という用語は、ウマ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ヒツジ、ブタなどを含めて、ヒトおよび他の動物などの哺乳動物を意味する。例示的な実施形態において、被験体は、本明細書で記載される状態の処置および/または予防が有益である被験体を含んでもよい。
【0036】
参照を容易にするために、本出願においてはそれは、ヒト被験体への投与に関して記載される。しかしながら、このような記載は、ヒトへの投与に限定されず、特に明示的に断りのない限り、他の動物への投与も含むことが理解される。
【0037】
「治療有効量」は、特定の疾患の処置において所望の臨床転帰を得る際に有効である、化合物の量である。
【0038】
「処置すること(treating)」または「処置すること(to treat)」という用語は、症状を緩和する、一時的もしくは永久的のいずれかの基準で原因を除去するか、または症状の出現を予防もしくは遅延させることを意味する。「処置(treatment)」という用語は、上に記載される疾患または障害のいずれかの緩和、原因の除去、または予防を含む。ヒト処置に有用である外に、これらの組合せは、ウマ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ヒツジ、ブタなどを含めて、他の哺乳動物の処置にも有用である。
【0039】
「約(about)」、「実質的に(substantially)」などの用語は、それが絶対的なものでないように、用語または値を修飾すると解釈されるべきである。このような用語は、状況によって規定され、それらがそれらの用語として修飾する用語は、当業者によって理解される。これは、最低限でも、値を測定するために使用される所与の技術について、予想される実験誤差、技術的誤差および装置誤差の程度を含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」は、列挙される要素、それらの構造または機能における均等物と、列挙されない任意の他の要素(単数または複数)とを意味する。「有する(having)」、「含む(including)」、および「から構成される(comprised of)」という用語はまた、特に文脈が別に示唆しない限り、解放系(open ended)と解釈されるべきである。
【0041】
本明細書で記載される化合物は、典型的には薬学的組成物の形態で1種または複数の薬学的に許容される賦形剤または担体との混合物で投与される。「組成物」は、1種の化合物または化合物の混合物を含有してもよい。「薬学的組成物」は、このような薬学的組成物が投与される被験体において少なくとも1つの生理学的反応を生じさせる際に有用または潜在的に有用な任意の組成物である。
【0042】
これから本出願の実施形態に対して詳細に言及がなされ、その1つまたは複数の実施例が以下に示される。それぞれの実施例は、本出願の説明として提供されるが、本出願の限定としてではない。実際、様々な修正および変形が、本出願の範囲または精神から逸脱することなく、本出願によってなされ得ることが当業者に明らかである。例えば、一実施形態の一部として例証または説明される特徴は、なおさらなる実施形態をもたらすために別の実施形態で使用することができる。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るような修正および変形に及ぶことが意図される。本出願の他の目的、特徴、および態様は、以下の詳細な説明において開示されるか、またはそれから明らかである。本検討は、例示的な実施形態の説明のみであり、本出願のより広い態様を限定すると解釈されるべきでないことが当業者によって理解されるべきである。
【0043】
本出願は、式(I)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を提供する:
【化3】
式中、Rは、水素または
【化4】
を表し;
Xは、−CHまたは−Nを表し;
およびRは、水素、アシル、アルキルまたは−(CH−シクロアルキルから互いに独立して選択され;
およびRaaは、水素またはアルキルから互いに独立して選択され;
は、出現するたびに、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシまたはハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現するたびに、水素、シアノ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、−COOR、−C(=O)−R、−CONR、−C(=O)−CH=CH−NR、−NHCOR、場合によって置換された基から独立して選択され、場合によって置換された基は、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロ環の環から選択され、ここで、場合による置換基は、出現するたびに、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはハロアルコキシから独立して選択され;
、R、R、R、RおよびRは、出現するたびに、水素またはアルキルを互いに独立して表し;
は、水素、アルキルまたはシクロアルキルから選択され;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0、1、または2であり;そして
qは、1または2である。
【0044】
別の実施形態において、式(Ia)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される:
【化5】
式中、
R、R、R、RおよびRaaは、上に定義されたとおりである。
【0045】
別の実施形態において、本出願は、式(Ib)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を提供する:
【化6】
式中、R、RaaおよびRは、上に定義されたとおりである。
【0046】
別の実施形態において、式(Ic)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される:
【化7】
式中、R、Raa、およびRは、上に定義されたとおりである。
【0047】
別の実施形態において、Rが、5〜7員のヘテロ環式またはヘテロアリール基を表す、式(I)、式(Ia)、式(Ib)または式(Ic)の化合物が提供される。
【0048】
ある実施形態において、式(I)の具体的な化合物は、まったく限定されないが、以下のとおりに列挙される:
N−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)イソブチルアミド、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
N−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド、
1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)エタノン、
1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)エタノン、
(E)−1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−オン、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−(イソオキサゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
5−(((5−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−N,N−ジメチルピリミジン−5−カルボキサミド、
3−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)オキサゾリジン−2−オン、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−モルホリノピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−モルホリノピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)ピロリジン−2−オン、
エチル−2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−4−メチルピリミジン−5−カルボキシレート、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−4−メチルピリミジン−5−カルボン酸、
エチル−2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキシレート、
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボン酸、
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、および
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン、
またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩。
【0049】
式(I)の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で存在してもよい。このような薬学的に許容される塩は、本出願の一部でもある。
【0050】
式(I)の化合物は、立体異性体の形態で存在してもよい。このような立体異性体は、本出願の一部でもある。
【0051】
式(I)の化合物はまた、立体異性体および/またはその薬学的に許容される塩の形態で存在してもよい。このような立体異性体および/またはその薬学的に許容される塩は、本出願の一部である。
【0052】
別の実施形態において、本出願は、薬学的に許容される担体および治療有効量の1種または複数の式(I)の化合物またその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を提供する。
【0053】
別の実施形態において、CETPインヒビターとして、式(I)の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0054】
別の実施形態において、被験体(すなわち、患者)においてCETPインヒビターを投与する方法であって、前記被験体(すなわち、患者)に、治療有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を投与することを含む方法が提供される。本明細書で使用される場合、「被験体」および「患者」という用語は、同じであることができ、かつ交換可能に使用することができる。
【0055】
別の実施形態において、HDLコレステロールのレベルを増大させ、ならびに/または超低密度リポタンパク質(VLDL)および低密度リポタンパク質(LDL)のレベルを低下させ、および/またはHDL−C対LDL−Cの比を増大させる方法であって、前記対象に、有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を投与することを含む方法が提供される。
【0056】
別の実施形態において、CETPの阻害によって処置または予防され得る疾患または状態を発生させる危険を処置または減少させるような処置を必要としている患者におけるCETPの阻害によって処置または予防され得る疾患または状態を発生させる危険を処置または減少させる方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む方法が提供される。
【0057】
別の実施形態において、CETPに結合させるような処置を必要としている患者におけるCETPに結合させる方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む方法が提供される。
【0058】
別の実施形態において、HDLコレステロールのレベルを増大させるような処置を必要としている患者におけるHDLコレステロールのレベルを増大させる方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む方法が提供される。
【0059】
別の実施形態において、LDLコレステロールを低下させるような処置を必要としている患者におけるLDLコレステロールを低下させる方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む方法が提供される。
【0060】
別の実施形態において、増大するHDLコレステロール対LDLコレステロールの比を上昇させるような処置を必要としている患者における増大するHDLコレステロール対LDLコレステロールの比を上昇させる方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む方法が提供される。
【0061】
別の実施形態において、アテローム性動脈硬化症を処置または予防するような処置を必要としている患者におけるアテローム性動脈硬化症を処置または予防する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、またはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む方法が提供される。
【0062】
式(I)の化合物の薬学的組成物は、経腸的および/または非経口的に投与されてもよい。非経口投与には、皮下、筋内、皮内、乳房内、静脈内、および当該技術分野で公知の他の投与方法が含まれる。経腸投与には、液剤、錠剤、持続放出型カプセル剤、腸溶性コーティングカプセル剤、シロップ剤、飲料、食物、および他の栄養補給剤が含まれる。投与される場合、本薬学的組成物は、体温でまたはその近くであってもよい。一部の実施形態において、本薬学的組成物は、体温より低くてもよい。他の実施形態において、本薬学的組成物は、体温より高くてもよい。
【0063】
本出願の化合物は、多種多様な異なる剤形で投与されてもよい。例えば、それらは、限定されるものではないが、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、硬質キャンディ剤、散剤、噴霧剤、クリーム剤、膏薬(salves)、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤(ointment)、水性懸濁剤、注射剤、エリキシル剤、シロップ剤などの形態で様々な薬学的に許容される不活性担体と組み合わせてもよい。このような担体には、固体の希釈剤または充填剤、滅菌水性媒体、および様々な非毒性有機溶媒などが含まれ得る。さらに、経口薬学的組成物は、甘くされても、および/または香味付けされてもよい。一般に、本出願の化合物は、約0.1重量%〜約90重量%の範囲の濃度レベルでこのような剤形中に存在していてもよい。
【0064】
一般に、処置のための本出願の化合物は、被験体に、1日当たりレシピエントの体重1キログラム当たり約0.01〜約100mgの範囲、一部の実施形態において、1日当たりレシピエントの体重1キログラム当たり約0.5〜約50mgの範囲、さらに他の実施形態において、1日当たりレシピエントの体重1キログラム当たり約0.1〜約20mgの範囲の適切な有効用量で投与され得る。例示的な用量は、適切には1日1回投与されてもよく、またはいくつかのサブ用量、例えば、2〜5のサブ用量が、1日を通して適切な間隔で、または他の適切なスケジュールで投与されてもよい。
【0065】
本出願の実施形態は、適切な材料を用いる、以下の実施例の手順に従う式(I)の化合物の調製を提供する。当業者は、以下の調製手順の条件およびプロセスの公知の変形を用いて、これらの化合物を調製し得ることを理解する。さらに、詳細に記載された手順を用いることによって、当業者は、本明細書で請求される本出願の追加的化合物を調製し得る。すべての温度は、特に断りのない限り、セルシウス度(℃)である。
【0066】
以下の頭字語、略語、用語および定義は、反応スキームおよび実験の項を通して使用された。
【0067】
CDCl(重水素化クロロホルム)、CsCO(炭酸セシウム)、CuI(ヨウ化銅(I))、CuCN(シアン化銅(I))、DCM(ジクロロメタン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMF−DMA(N,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタール)、DME(ジメトキシエタン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EtOH(エタノール)、EtOAC(酢酸エチル)、HCl(塩酸)、MeOH(メタノール)、KCO(炭酸カリウム)、KOH(水酸化カリウム)、KOBu(カリウムtert−ブトキシド)、KCN(シアン化カリウム)、KPO(リン酸三カリウム)、LiOH(水酸化リチウム)、Pd(パラジウム)、Pd(OAc)(酢酸パラジウム(II))、Pd(dba)(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))、NaHCO(炭酸水素ナトリウム)、NaCO(炭酸ナトリウム)、NaCN(シアン化ナトリウム)、NaOH(水酸化ナトリウム)、Na(CN)BH(シアノ水素化ホウ素ナトリウム)、NaOtBu(ナトリウムtert−ブトキシド)、NaH(水素化ナトリウム)、NaSO(硫酸ナトリウム)、NaBH(水素化ホウ素ナトリウム)、Na(OAc)BH(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)、Ti(i−Pro)(チタン(IV)イソプロポキシド)、THF(テトラヒドロフラン)、Zn(CN)(シアン化亜鉛)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、h(時間)、min(分)、MS(質量分光法)、NMR(各磁気共鳴)、Mp/mp(融点)、aq(水性)、℃(セルシウス度)、psi(1平方インチ当たりポンド)。
【0068】
NMR略語:MHz(メガヘルツ)、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、dd(二重線の二重線)、m(多重線)、bs(ブロード一重線)。
本出願の別の実施形態は、式(I)の化合物のサブグループを表す、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)および式(16)の化合物の調製方法を提供し、特に断りのない限り、記号/変数のすべては、先に定義されたとおりである。この方法は、スキーム−1:
【化8】
で表される。
【0069】
ステップI
式(2)の化合物は、式(1)のα,β−不飽和ニトリルを式(Ii)の置換ヒドラジンと、適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、THF、DMFなど)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、KCO、CsCOなど)の存在下で反応させることによって得ることができる。RおよびRaaは、アルキル基を独立して表す。
【0070】
ステップII
式(2)のアミン化合物は、アセチル化剤(無水酢酸、塩化アセチルなど)と、約20〜35℃の温度で、約1から2時間またはそれより長い範囲であり得る十分な継続時間反応させて、式(3)の化合物を得ることができる。
【0071】
ステップIII
式(3)の化合物は、適切な溶媒(例えば、DMF、DME、DMSO)中、適切な試薬(例えば、三塩化ホスホリル、塩化チオニル、五塩化リンなど)で処理して、式(4)の化合物を得ることができる。
【0072】
ステップIV
式(4)の化合物は、式(5)のアミンと、溶媒(例えば、トルエン、DMF、DMSO、アセトニトリル、t−ブタノールなど)中、塩基(例えば、KCO、NaHCO、NaCO、CsCO、KOBuなど)の存在下で反応させて、RおよびRが式(I)で定義されたとおりである、式(6)の化合物を得ることができる。
【0073】
ステップV
式(7)の化合物による式(6)の化合物の還元的アミノ化は、例えば、酸(酢酸または希塩酸など)と一緒に、(C〜C10)アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、または塩素化溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)中、還元剤(例えば、Na(CN)BH、Na(OAc)BH、NaBH、Ti(i−PrO)、ピリジン−ボラン錯体など)の存在下で行うことができる。反応の温度は、約25℃〜約35℃に維持することができ、反応の継続時間は、典型的には約30分間から約5時間の範囲とすることができる。R、Raa、R、R、Rおよびnは、式(I)で定義されたとおりである。
【0074】
ステップVI
式(11)の化合物は、式(8)の化合物を式(9)の化合物と、適切な反応条件下で、溶媒(例えば、無水DMF、1,4−ジオキサン、DMSO、アセトニトリルなど)中、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下で反応させることによって得ることができる。
【0075】
ステップVII
式(13)の化合物は、適切な反応条件下で、溶媒(例えば、DMF、トルエン、DMSOなど)中、適切なシアン化剤(例えば、CuCN、Zn(CN)、NaCN、KCNなど)を用いて式(11)の化合物をシアン化することによって得ることができる。
【0076】
ステップVIII
溶媒(例えば、エタノール、メタノール、n−ブタノール、tert−ブタノールなど)中、塩基(例えば、KOH、NaOH、LiOHなど)の存在下で式(13)の化合物におけるシアノ基の塩基触媒加水分解は、式(14)のカルボキサミドを生成することができる。
【0077】
ステップIX
式(15)の化合物は、式(14)のカルボキサミド化合物のアルカリ塩をN−アルキル化することによって得ることができる。カルボキサミド化合物は、その塩に金属ナトリウム、NaH、KCOなどを用いて変換することができる。N−アルキル化は、適切な反応条件下でアルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキルなど)を用いることによって行うことができる。RおよびRは、式(I)の説明で定義されたとおりである。
【0078】
ステップX
式(16)の化合物は、Rがハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、−NHCORなどを表す(ここで、Rは、式(I)の化合物で定義されたとおりである)、式(11)の化合物について様々な置換反応を行うことによって得ることができる。
【0079】
ステップXI
式(12)の化合物は、式(8)の化合物を式(10)の化合物と、適切な反応条件下で塩基(例えば、KCO、NaCO、CsCOなど)の存在下で反応させることによって得ることができる。X、R、Raa、R、R、R、qおよびnは、式(I)の化合物について本明細書で定義されたとおりである。
【0080】
本出願の別の実施形態は、記号/変数のすべてが、特に断りのない限り、先に定義されたとおりである、式(12)の化合物から様々な化合物を調製する方法を提供する。この方法は、スキーム−II:
【化9】
によって表される。
【0081】
式(12)のR含有化合物の様々な置換基は、ステップXIにおいて式(12)の適切な前駆体化合物を用いることによって、または
【化10】
をさらに官能基化することによってのいずれかで調製することができる。
【0082】
例えば、アセチル基(III)またはエステル基(I)としてRを有する式(12)の化合物は、それぞれの置換を有する前駆体を用いることによって得ることができる。エステル基は、例えば、塩基または酸触媒加水分解によってさらに加水分解して、カルボキシル基(II)を得ることができる。またRがアセチル基である場合、それは、それを適切な試薬(例えば、DMF−DMAなど)と反応させることによって、(IV)に示されるとおりの基にさらに変換することができる。この3−ジメチルアミノ−プロパ−2−エノニル部分は、それを当該技術分野で公知の適切な試薬と反応させることによって、Rがヘテロ環、ヘテロアリール基を表す、R(V)にさらに変換することができる。例えば、適切な反応条件下でのヒドロキシルアミン塩酸塩との反応は、イソオキサゾリル基を生成する。ヒドラジン水和物との反応は、ピラゾリル部分を生成する。このようなヘテロ環およびヘテロアリール基は、当該技術分野で公知の適切な試薬および合成方法を用いて、基(アルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシなど)でさらに置換することができる。
【実施例】
【0083】
(実施例1)
N−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)イソブチルアミド
【化11】
【0084】
ステップ(i):1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンの調製
【化12】
【0085】
エタノール(35ml)中3−アミノブタ−2−エンニトリル(60g、731mmol)とtert−ブチルヒドラジン(96g、731.1mmol)との混合物に、トリエチルアミン(220ml、2195mmol)を添加した。この混合物を12〜16時間還流した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。濃縮物を水(100ml)および酢酸エチル(700ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題生成物を得た。
【0086】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.37 (s, 1H), 3.51 (bs, 2H), 2.14 (s, 3H), 1.61 (s, 9H)。MS (m/z): 154 (M++1, 100%)。
【0087】
ステップ(ii):N−(1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミドの調製
【化13】
【0088】
1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン(110g、0.71mol)に、無水酢酸(73ml、0.71mol)を撹拌しながら滴下した。この反応混合物を20〜35℃で1〜2時間撹拌した。その後、反応混合物を過剰のヘキサンで洗浄し、ろ過して、黄色の固体として表題化合物を得た。融点:118〜120℃。
【0089】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.27,(bs, 1H), 6.003 (s, 1H), 2.17 (s, 3H), 1.62 (s, 9H)。MS (m/z): 196 (M++1, 70%)。
【0090】
ステップ(iii):1−(tert−ブチル)−6−クロロ−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボアルデヒドの調製
【化14】
【0091】
オキシ塩化リン(62g、407mmol)を、1−(tert−ブチル)−6−クロロ−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド(15g、8.8mmol)に添加し、この混合物を90〜95℃で3時間撹拌しながら加熱した。その後、無水DMF(18g、246mmol)を、混合物の温度を90〜95℃に維持しながら、30分かけてゆっくりと添加した。さらに2時間撹拌後、反応混合物を20〜35℃に冷却し、破砕氷(100g)上に注いだ。沈殿固体をろ別し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させた。
【0092】
その後、黄色がかった固体生成物を塩化メチレン(200mL)中に溶解させ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させて、淡黄色固体として所望の生成物を得た。MS(m/z):251(M+1)。
【0093】
ステップ(iv):6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−プラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボアルデヒドの調製
【化15】
【0094】
炭酸カリウム(8.2g、57mmol)を、DMSO(50mL)中の1−(tert−ブチル)−6−クロロ−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド(5g、29mmol)およびビスシクロプロピルメチルアミン−(3,7ml、1.5mmol)(米国特許第3,546,295号に開示された文献方法に従って調製した)の溶液に窒素下で添加した。20〜35℃で0.5時間撹拌後、この反応混合物を80℃で14時間加熱した。
【0095】
その後、反応物を20〜35℃に冷却し、水(30mL)および酢酸エチル(30mL)を添加し、有機層を混合物から分離した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下でロータリエバポレータを用いて溶媒を除去した。残渣をシリカゲル(60〜120メッシュ)を用い、5%溶離液で溶出させるクロマトグラフィーにより精製して、黄色の固体として表題化合物を得た。MS (m/z): 341 (M++1, 100%)。
【0096】
ステップ(v):5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンの調製
【化16】
【0097】
酢酸(2.82g、46mmol)を、メタノール中の6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド(8g、23mmol)および(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(5.7g、23mmol)の混合物に0℃で添加した。得られた混合物を20分間連続して撹拌した。この反応混合物に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(4.5g、70mmol)を0℃で少しずつ添加し、この混合物を1時間撹拌した。その後、混合物を水でクエンチし、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.71-7.81 (m, 4H), 3.91 (s, 2H), 3.83 (s, 2H), 3.11-3.13 (m, 4H), 2.49 (s, 3H), 1.76 (s, 9H), 0.9-0.95 (m, 2H), 0.33-0.37(m, 4H), 0.008-0.07 (m, 4H);
MS (m/z): 568 (M++1, 100%)。
【0098】
ステップ(vi):5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンの調製
【化17】
【0099】
炭酸カリウム(0.43g、3mmol)を、DMF中の5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.6g、1mmol)および5−ブロモ−2−クロロピリミジン(0.6g、3mmol)の混合物に添加した。得られた混合物を100℃で12〜16時間撹拌した。この反応混合物を水で処理し、酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲル(60〜120メッシュ)および溶離液として石油エーテル中5%酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーにより、この生成物をさらに精製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.69 (s, 2H), 7.69-7.72(m, 3H), 5.035 (s, 2H), 4.80 (s, 2H), 3.07-3.15 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.79 (s, 9H), 0.89-0.86(m, 2H), 0.31-0.36 (m, 4H), 0.015-0.07 (m, 4H)
MS (m/z): 726 (M++1, 30%)。
【0100】
ステップ(vii):N−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)イソブチルアミドの調製
【0101】
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(150mg、0.207mmol)およびイソブチルアミド(0.018g、0.207mmol)を、密封試験管中1,4−ジオキサン(5ml)中に溶解させ、これに1,2−トランスジアミノシクロヘキサン(0.007g、0.062mmol)、およびCuI(0.007g、0.078mmol)を添加した。この反応混合物をアルゴンによって15分間脱気した。反応混合物に、KCO(0.057g、0.414mmol)を添加し、それをアルゴンによって15分間さらに脱気した。次いで、反応混合物を80℃で3日間撹拌した。その後、反応混合物をDCM−MeOH(3:1)混合物(10ml)で希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し;60〜120シリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中25%EtOAcを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
【0102】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.53 (s, 2H), 7.75 (s, 3H), 7.70 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.82 (s, 2H), 3.09 (d, J = 6.8 Hz, 4H), 2.39 (s, 3H), 1.78 (s, 9H), 1.28 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 0.92-0.88 (m, 3H), 0.84 (q, J = 1.6 Hz, 4H), 0.07-0.008 (m, 4H). MS (m/z): 731 (M++1, 100%)。
【0103】
(実施例2)
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン
【化18】
【0104】
ステップ(i):5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンの調製
【化19】
【0105】
実施例−1のステップ(vi)に示したのと実質的に同じ手順に従うことによって、および適切な出発物質を用いることによって、表題化合物を調製した。
【0106】
ステップ(ii):5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル(5−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンの調製
【0107】
上記に調製したとおりの5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.05g、0.069mmol)、シクロプロピルボロン酸(0.007g、0.083mmol)をトルエン(10ml)に溶解させた。これに、トリシクロヘキシルホスフィン(0.002g、0.0069mmol)、Pd(OAc)(0.0007g、0.0034mmol)、KPO(0.051g、0.241mmol)を添加した。この混合物を100℃で16時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。このようにして得た粗生成物を、シリカゲル60〜120メッシュ、溶離液として石油エーテル中の10%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
【0108】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.20 (s, 2H), 7.69 (m, 3H), 7.60 (s, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.09-3.07 (m, 4H), 2.38 (s, 3H), 1.77 (s, 9H), 0.96-0.91 (m, 4H), 0.66-0.65 (m, 2H), 0.008-0.003 (m, 8H). MS (m/z): 686 (M++1, 100%)。
【0109】
(実施例3)
N−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド
【化20】
【0110】
実施例1に示したのと実質的に同じ手順を用いて、およびステップ(vii)においてイソブチルアミドの代わりにシクロプロパンアミドを用いることによって、表題化合物を合成した。
【0111】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.53 (s, 2H), 7.70 (s, 3H), 7.62 (s, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.08 (d, J = 6.8 Hz, 4H), 2.39 (s, 3H), 1.78 (s, 9H), 1.57-0.88 (m, 6H), 0.33 (q, J = 1.6 Hz, 4H), 0.027-0.001 (m, 4H). MS (m/z): 729 (M++1, 100%)。
【0112】
(実施例4)
1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)エタノン
【化21】
【0113】
ステップ(i):5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンの調製
【化22】
【0114】
実施例1のステップ(v)に示したのと実質的に同じ手順を用いて、および適切な出発物質を用いて、表題化合物を合成した。
【0115】
ステップ(ii):1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)エタノンの調製
【0116】
DMF中の5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.761mmol、0.400g)を、1−(2−クロロピリミジン−5−イル)エタノン(0.761mmol、0.119g)およびKCO(2.283mmol、0.315g)で処理した。この反応混合物を60〜70℃で12〜16時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水およびブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中50%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
【0117】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.9 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.60 (s, 2H), 7.50 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.80 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.10 (d, J = 6.0 Hz, 4H), 2.50 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 0.90 (m, 2H), 0.40 (m, 4H), 0.10 (m, 4H). MS (m/z): 646 (M++1, 50%)。
【0118】
(実施例5)
1−(2−(((6−ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)エタノン
【化23】
【0119】
実施例4に示したのと実質的に同じ手順に従って、および出発物質として実施例1のステップ(v)で得た5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンを用いて、表題化合物を得た。
【0120】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.90 (d, 2H), 7.80 (m, 3H), 7.60 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.90 (s, 2H), 3.10 (d, J = 6.0 Hz, 4H), 2.54 (s, 3H), 2.39 (s, 3H), 1.20 (s, 9H), 0.30 (m, 4H), 0.01 (m, 4H). MS (m/z): 688 (M++1, 100%)。
【0121】
(実施例6)
(E)−1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−オン
【化24】
【0122】
実施例5で得た1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)エタノン(0.1g、0.14mmol)およびDMF−DMA(0.02mL)をトルエン(2mL)中に溶かし、この反応混合物を48時間還流した。水を、(20〜35℃に)冷却した反応物質に添加し、それを酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗生成物を得、これを、60〜120メッシュシリカゲルを用い、石油エーテル中20%酢酸エチルで所望の生成物を溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製した。MS (m/z): 743 (M++1, 100%)。
【0123】
(実施例7)
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル(5−(イソオキサゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン
【化25】
【0124】
メタノール中、実施例6で得た(E)−2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−N−((ジメチルアミノ)メチレン)ピリミジン−5−カルボキサミドの混合物(0.100g、0.130mmol)に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.03ml、0.80mmol)を添加した。得られた混合物を1〜2時間還流した。その後、反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これを、100〜200メッシュシリカゲルおよび溶離液として5%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。
【0125】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.81 (s, 2H), 8.30 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.74 (s, 3H), 7.62 (s, 3H), 6.45 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.90 (s, 1H), 3.105 (d, J = 6.6 Hz, 4H), 2.39 (s, 3H), 1.28 (s, 9H), 0.94-0.86 (m, 2H), 0.37-0.33 (m, 4H), 0.07-0.03 (m, 4H)。MS (m/z): 713 (M++1, 100%)。
【0126】
(実施例8)
5−(((5−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン
【化26】
【0127】
実施例6で得た(E)−N−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)−3−ジメチルアミノ)アクリルアミド(0.100g、0.13mmol)およびヒドラジン水和物(0.04ml、0.8mmol)をエタノール中に溶かした。この反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、EtOACで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを、100〜200シリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中30%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0128】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.82 (s, 2H), 7.74-7.72 (m, 4H), 7.64 (s, 2H), 6.58 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.88 (s, 2H), 3.10 (d, J = 6.6 Hz, 4H), 2.38 (s, 3H), 1.78 (s, 9H), 0.96-0.86 (m, 2H), 0.37-0.33 (m, 4H), 0.016-0.008 (m, 4H). MS (m/z): 712 (M+1, 100%)。
【0129】
(実施例9)
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン
【化27】
【0130】
DMF(2ml)中の水素化ナトリウム(0.008g、0.21mmol)を、実施例8で得た5−(((5−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2−イル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.03g、0.042mmol)に撹拌しながら滴下した。この反応混合物を0℃で20分間撹拌した。この温度でCHIを添加し、この混合物を20〜35℃で1時間撹拌した。次いで、この反応混合物を水で処理し、この混合物を酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、60〜120シリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中35%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーによりさらに精製して、表題化合物を得た。
【0131】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (s, 2H), 7.74 (m, 4H), 6.50 (s, 1H), 5.17 (s, 2H), 4.49 (s, 2H), 3.95 (s, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.39 (s, 9H), 0.91-0.88 (m, 2H), 0.39-0.35 (m, 4H), 0.015-0.001 (m, 4H). MS (m/z): 726 (M++1, 60%)。
【0132】
(実施例10)
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル
【化28】
【0133】
実施例1のステップ(vi)で得た、5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.69mmol、0.500g)を、CuCN(0.0.69mmol、0.06g)で処理した。この反応混合物にDMF(5ml)を添加し、この混合物を160℃で12〜16時間加熱した。次いで、混合物を破砕氷中に注ぎ入れ、固体の沈殿を生じさせた。沈殿物をろ過し、溶離液として石油エーテル中15%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0134】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.65 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 7.75 (s, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.50 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.80 (s, 2H), 3.10 (d, J = 6.4 Hz, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.70 (s, 9H), 0.80 (m, 2H), 0.36 (m, 4H), 0.00 (m, 4H). MS (m/z): 671 (M++1, 100%)。
【0135】
(実施例11)
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド
【化29】
【0136】
エタノール中、実施例10で得た2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(0.000074mmol、0.050g)を、KOHの1%溶液(5ml)および触媒量の過酸化水素で処理した。この反応混合物を40℃で30分間加熱した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、水で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中40%EtOAcを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
【0137】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.87 (s, 2H), 7.90 (s, 2H), 7.77 (s, 2H), 7.65 (s, 1H), 5.09 (s, 2H), 5.01 (s, 2H), 3.00 (d, J = 6.4 Hz, 4H), 2.28 (s, 3H), 1.67 (s, 9H), 0.80 (m, 2H), 0.27 (m, 4H), 0.00 (m, 4H). MS (m/z): 689 (M++1, 100%)。
【0138】
(実施例12)
2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−N,N−ジメチルピリミジン−5−カルボキサミド
【化30】
【0139】
DMF(ml)中、実施例11で得た2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(0.0000072mmol、0.005g)を、水素化ナトリウム(0.000014mmol、0.0003g)およびヨウ化メチル(0.000014mmol、0.002g)で処理した。この反応混合物を20〜35℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、溶離液として石油エーテル中20%EtOAcを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
【0140】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.57 (s, 2H), 7.72 (s, 3H), 7.61 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.80 (s, 2H), 3.10 (s, 6H), 3.00 (d, J = 6.0 Hz, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.78 (s, 9H), 0.40 (m, 4H), 0.00 (m, 4H). MS (m/z): 717 (M++1, 100%)。
【0141】
(実施例13)
3−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)オキサゾリジン−2−オン
【化31】
【0142】
実施例1のステップ(vi)で得た5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンおよびオキサゾリジン−2−オン(0.15g、0.22mmol)を、1,4−ジオキサン(5mL)中に溶かした。これに、CuI(0.004g、0.22mmol)、シクロヘキシルアミン(0.005g、0.048mmol)およびKCO(0.06g、0.44mmol)を添加した。この反応混合物をアルゴンによって15分間脱気した。その後、それを40〜50psiで114℃の温度で3日間撹拌した。次いで、セライトを通して反応混合物をろ過し、減圧下で濃縮し、60〜120メッシュシリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中20%EtOAcを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体として表題化合物を得た。
【0143】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.59 (s, 2H), 7.72-7.70 (m, 3H), 7.61 (s, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.83 (s, 2H), 4.55 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 4.04 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 3.09 (d, J = 6.4 Hz, 4H), 2.40 (s, 3H), 1.78 (s, 9H), 0.92-0.88 (m, 2H), 0.39 (q, J = 8.4 Hz, 4H), 0.03-0.00 (m, 4H)。MS (m/z): 731 (M++1, 100%)。
【0144】
(実施例14)
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−モルホリノピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン
【化32】
【0145】
実施例1のステップ(vi)で得た5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ−メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.25g、0.345mmol)、Pd(dba)(0.053g、0.05mmol)、2−(ビフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン(0.0012g、0.04mmol)、NaOtBu(0.05g、0.52mmol)およびモルホリン(0.045g、0.52mmol)の混合物に、トルエンを添加した。得られた混合物を4時間加熱還流した。その後、この反応混合物を20〜35℃に冷却し、水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、溶離液として石油エーテル中15%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
【0146】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.17 (s, 2H), 7.70 (s, 3H), 7.61 (s, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.89-3.87 (m, 4H), 3.08-3.06 (m, 8H), 2.38 (s, 2H), 0.89-0.86 (m, 2H), 0.34-0.31 (m, 4H), 0.08-0.009 (m, 4H). MS (m/z): 731 (M++1, 100%)。
【0147】
(実施例15)
5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−モルホリノピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン
【化33】
【0148】
ステップ(i):5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンの調製
【化34】
【0149】
実施例1のステップ(vi)のものと実質的に同様の手順を用いて、および適切な出発物質を用いることによって、表題化合物を合成した。
【0150】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.4 (s, 2H), 7.58 (s, 1H), 7.65 (s, 2H), 7.71(s, 1H), 5.03(s, 2H), 4.77(s, 2H), 3.96(s, 3H), 3.13(s, 2H), 3.11(s, 2H), 2.39 (s, 3H), 0.94-0.86(m, 2H), 0.39-0.35 (m, 4H), 0.08-0.04(m, 4H). MS (m/z): 684 (M++2, 100%)。
【0151】
ステップ(ii):5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−モルホリノピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンの調製
【0152】
実施例14のものと実質的に同様の手順によって、反応物質として上記ステップから得た5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミンを用いることによって、表題化合物を得た。
【0153】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.19 (s, 2H), 7.68 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.60 (s, 2H), 5.03 (s, 2H), 4.79 (s, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.91-3.87 (m, 4H), 3.09 (m, 4H), 2.38 (s, 3H), 0.93-0.88 (m, 2H), 0.37-0.35 (m, 4H), 0.14-0.01 (m, 4H). MS (m/z): 689 (M++1, 100%)。
【0154】
(実施例16)
1−(2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−イル)ピロリジン−2−オン
【化35】
【0155】
実施例1のステップ(vi)で得た5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.2g、0.293mmol)、2−ピロリジノン(0.024g、0.293mmol)、CuI(0.005mg、0.029mmol)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.007g、0.064mmol)を密封試験管中の1,4−ジオキサン(5mL)に溶かし、これを、アルゴンによって15分間脱気した。それに、KCO(0.08g、0.586mmol)を添加した。この反応混合物を100℃で28時間撹拌した。その後、セライトを通して反応混合物をろ過し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、溶離液としてEtOAc−石油エーテルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
【0156】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.66 (s, 2H), 7.71 (s, 3H), 7.61 (s, 1H), 5.06 (s, 2H), 4.83 (s, 2H), 3.84 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.09 (d, J = 6.4 Hz, 4H), 2.61 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.27-2.22 (m, 2H), 1.78 (s, 9H), 0.91-0.36 (m, 2H), 0.34 (q, J = 8.4 Hz, 4H), 0.03-0.00 (m, 4H)。MS (m/z): 729 (M++1, 100%)。
【0157】
(実施例17)
エチル−2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−4−メチルピリミジン−5−カルボキシレート
【化36】
【0158】
実施例1のステップ(v)で得た5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.8g、1.4mmol)を、DMF(8ml)に溶解させた。上記溶液に、エチル−2−クロロ−4−メチルピリミジン−5−カルボキシレート(0.29g、1.4mmol)、溶融炭酸カリウム(fused potassium carbonate)(0.58g、2.8mmol)を添加し、得られた混合物を70℃で2時間加熱した。次いで、この反応混合物を水中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、60〜120シリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中5%EtOAcを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(収率:30%)。
【0159】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.90 (bs, 1H), 7.80-7.60 (m, 4H), 5.10 (s, 2H), 4.90 (s, 2H), 3.10 (m, 4H), 2.70 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 0.80 (m, 2H), 0.40 (m, 4H), 0.10 (m, 4H)。MS (m/z): 732 (M++1, 100%)。
【0160】
(実施例18)
2−(((6−ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−4−メチルピリミジン−5−カルボン酸
【化37】
【0161】
実施例17で得たエチル2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−4−メチルピリミジン−5−カルボキシレート(0.120g、0.16mmol)をEtOH(6ml)に溶解させ、それに10%NaOH(4ml)を添加した。この反応混合物を20〜35℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物をクエン酸溶液で酸性にし、EtOAcで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。この生成物を、60〜120シリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中20%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーによりさらに精製して、所望の生成物を得た(収率:14%)。
【0162】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.90 (bs, 1H), 7.80-7.60 (m, 4H), 5.1 (s, 2H), 4.90 (s, 2H), 3.10 (m, 2H), 2.70 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 0.80 (m, 2H), 0.40 (m, 4H), 0.10 (m, 4H)。MS (m/z): 704 (M++1, 100%)。
【0163】
(実施例19)
エチル2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキシレート
【化38】
【0164】
実施例1のステップ(v)で得た5−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)メチル)−1−(tert−ブチル)−N,N−ビス(シクロプロピルメチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−6−アミン(0.8g、1.4mmol)をDMF(8ml)に溶解させた。エチル2−クロロピリミジン−5−カルボキシレート(0.58g、1.4mmol)、溶融炭酸カリウム(0.58g、2.8mmol)を上記溶液に添加し、得られた混合物を70℃で2時間加熱した。次いで、この反応混合物を水中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、60〜120シリカゲルおよび溶離液として石油エーテル中5%EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(収率30%)。
【0165】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.90 (bs, 1H), 7.80-7.60 (m, 4H), 5.10 (s, 2H), 4.90 (s, 2H), 4.30 (m, 2H), 3.10 (m, 4H), 2.70 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 1.40 (t, 3H), 0.80 (m, 2H), 0.40 (m, 4H), 0.10 (m, 4H). MS (m/z): 732 (M++1, 100%)。
【0166】
(実施例20)
2−(((6−ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボン酸
【化39】
【0167】
出発物質として実施例19で得たエチル2−(((6−(ビス(シクロプロピルメチル)アミノ)−1−(tert−ブチル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)メチル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキシレートを用いて、実施例18について用いたものと実質的に同様の手順によって、表題化合物を調製した。
【0168】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 13 (bs, 1H), 8.77 (s, 2H), 7.90 (s, 1H), 7.77 (s, 2H), 7.68 (s, 1H), 5.11 (s, 2H), 5.02 (s, 2H), 3.05 (d, J = 6, 4H), 2.28 (s, 3H), 1.67 (s, 9H), 0.8 (m, 2H), 0.27 (dd, J = 12.6, J = 5.18, 4H), 0.04 (dd, J =9.46, J = 4.8, 4H)。MS (m/z): 690 (M++1, 100%), 325 (50%)。
【0169】
(実施例21)
蛍光定量技術を用いるインビトロCETP活性の決定
【0170】
ROAR Biomedicals、米国からの市販の蛍光定量アッセイキットを用いるインビトロコレステリルエステル転送タンパク質阻害(CETP)アッセイを使用して、本出願の化合物のCETP阻害活性を測定した。このアッセイキットは、組換えCETP酵素(rCETP)の存在下でアクセプター分子(acceptor molecule)へと転送される、蛍光自己消光中性脂質を有するドナー分子を用いる。アクセプター分子への蛍光中性脂質のCETP媒介転送は、蛍光の増加をもたらす(励起:492nm;発光:516nm)。
【0171】
化合物の20mMストック溶液を100%DMSO中で調製し、反応ミックス中のDMSOの最終濃度が1%であるようにさらに希釈を行った。反応を、以下のとおりキット製造業者により提言されているとおりに行った。アッセイを、96ウェルマイクロプレートにおいて各ウェル中で行い、反応混合物は、190μlのアッセイ緩衝液(150mM NaCl、10mM トリスおよび2mM EDTA、pH7.4)、4μlのドナー粒子、4μlのアクセプター粒子、rCETP(50ng)ならびに0.1nM、1nM、10nM、100nM、1000nMおよび10000nMという様々な最終濃度における2μlの試験化合物を含有した。一方は試験化合物を含まず(陽性対照)、他方はrCETPを含まない(陰性対照)、2つの対照反応を行った。反応物を37℃で90分間インキュベートし、反応プレートをPCR機械MX3005Pに移し、蛍光単位(FLU)を定量した(励起:492nm;発光:516nm)。
【0172】
バックグラウンド蛍光について補正するために、負の対照値を、試験値すべて、ならびに陽性対照から差し引いた。活性の阻害パーセントは、以下の式を用いることによって計算した: CETP活性の阻害%=[100−(100×(試験のFLU/陽性対照のFLU))]。
【0173】
半数最大阻害濃度(IC50)を、BIOGRAPHソフトウェア(バージョン番号3.3)を用いて決定した。
【0174】
このプロトコルを用いて、本明細書で記載されるとおりの様々な化合物が、以下の表に示すとおり、CETPに対して阻害効果を示すことがわかった:
【0175】
【表1】
【0176】
(実施例22)
脂質異常症のハムスターモデルにおけるHDL−Cの定性的変化および定量的変化の決定
【0177】
雄のゴールデンシリアンハムスター(Mesocricetus auratus)を地方供給者から入手した。高脂肪食餌(10%ココナッツ油、0.2%コレステロール)で1週間の順化期間後、動物から血液を抜き取り、薬物治療の開始前に血漿HDL−Cに基づいて媒体または薬物処置群に無作為化した。投与7日後に動物から血液を抜き取り、血漿総コレステロール、HDL−C、トリグリセリドを市販のキットを用いて分光光度法で測定した。上昇パーセントは、式:[(TT/OT)/(TC/OC)]−1×100に従って計算し、減少パーセントは、式:1−[(TT/OT)/(TC/OC)]×100に従って計算し、ここで、TTは、処置した試験日であり、OTは、処置したゼロ日目であり、TCは、対照試験日であり、OCは、対照ゼロ日目である。群間の差についての統計的有意性は、一元配置分散分析(ANOVA)、続いて、ダネット検定によった。P<0.05は、有意であると見なした。処置群対媒体群の有意差は、スチューデントt−検定により決定した。P<0.05は、有意と見なした。投与7日後の各処置群からのプールした血漿試料をまた、タンデムに接続したSuperose 6カラムおよびSuperdex 200カラムを用いるFPLCにより、主要なリポタンパク質クラスであるVLDL、LDL、およびHDLへと分画した。試料すべてについての画分を、Amplex Red Cholesterol Assayキット(Molecular Probes、米国)を用いて総コレステロールについてアッセイした。本明細書で記載されるとおりの化合物は、インビボCETP阻害に特徴的な大きいサイズのHDL−2サブクラスの出現を伴ったインビボHDL−C上昇に対する用量依存的および有意な効果の点で顕著な効果を示すことがわかった。
【0178】
本出願を、先行実施例のいくつかによって例証してきたが、それらにより限定されると解釈されるべきでなく;むしろ、本出願は、以上に開示されたとおりの一般的領域(generic area)を包含する。様々な変更および実施形態を、その精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。