(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の装置において、単独の蛍光スクリーン又はプラスチック製のシンチレータシートを使用し、X線、電子、光、レーザーのビームからの多重エネルギー源を受止める、装置。
請求項24記載の方法において、さらに、前記結像面は、光学的光、レーザー光、放射線信号のすべてを受止めるよう構成した蛍光スクリーンの形態とする表面を有する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】医用加速器あたりの日次、月次及び年次に実施すべきQAタスクのチャートを示す。
【
図2】放射線治療に使用される医用加速器の前方から見た斜視図を示す。
【
図3A】医用加速器の治療範囲内に位置する本発明の特徴を有する装置の斜視図を示す。
【
図3B】医用加速器の治療範囲内に位置する本発明の特徴を有する装置の斜視図を示す。
【
図3C】医用加速器の治療範囲内に位置する本発明の特徴を有する装置の斜視図を示す。
【
図3D】医用加速器の治療範囲内に位置する本発明の特徴を有する装置の斜視図を示す。
【
図4A】本発明の特徴による、放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定する測定装置の斜視図を示す。
【
図4B】本発明の特徴による、放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定する測定装置の斜視図を示す。
【
図4C】本発明の特徴による、放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定する測定装置の斜視図を示す。
【
図5A】本発明の特徴による、放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定する測定装置の一部の斜視図を示す。
【
図5B】本発明の特徴による、放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定する測定装置の一部の斜視図を示す。
【
図5C】本発明の特徴による、放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定する測定装置の一部の斜視図を示す。
【
図5D】本発明の特徴による、放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定する測定装置の一部の斜視図を示す。
【
図7】本発明の特徴による方法のフローチャートである。
【
図8A】本発明の特徴による方法を示す概略図とともに、従来技術のQA装置では撮影できなかったレーザー画像を示す。
【
図8B】本発明の特徴による方法を示す概略図とともに、従来QA装置では撮影できなかったレーザー画像を示す。
【
図8C】本発明の実施形態による診察台位置決めQAを行う方法に関して、従来QA装置では撮影できなかった明視野像を、光学的距離指標とともに示す。
【
図8D】本発明の実施形態による、資料化ように光学的撮影したQAの回転を行う方法を示す。
【
図8E】マルチリーフ型コリメータにより形成した視野に対して光及び放射線を一致させる方法を示す。
【
図9】本発明の実施形態によるハード符号化を施したデジタル画像スケールを示す。
【
図10】本発明装置用のソフトウェア制御プログラムによって得られる解析ツールを示す。
【
図11】本発明装置用のソフトウェア制御プログラムによって得られる位置特定ツールを示す。
【
図12】本発明装置用のソフトウェア制御プログラムによって得られる関心対象領域ツールを示す。
【
図13】本発明装置を使用して取得した画像におけるスケールを画定する例示的画面を示す。
【
図14A】本発明装置により取得した画像を重ね合わせるプログラム特徴の例を示す。
【
図14B】本発明装置を使用して取得したレーザーの共直線性を解析する画像の例を示す。
【
図15】本発明装置により実施したレーザーQAタスクの例示的記録を示す。
【
図16A】本発明装置により実施したレーザーQAタスクの例示的記録を示す。
【
図16B】本発明装置により実施する右側ルームレーザーQA取得を示すユーザー・インタフェースの例示的実施形態を示す。
【
図17】本発明装置により実施したレーザーQAタスクの例示的記録を示す。
【
図18】本発明装置により実施したレーザーQAタスクの例示的記録を示す。
【
図19】本発明装置により実施したレーザーQAタスクの例示的記録を示す。
【
図20】本発明装置を使用してレーザーアラインメント解析を示す。
【
図21A】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図21B】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図21C】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図21D】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図21E】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図21F】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図22A】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学距離インジケータ(ODI)QAタスクの例示的記録を示す。
【
図22B】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学距離インジケータ(ODI)QAタスクの例示的記録を示す。
【
図22C】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学距離インジケータ(ODI)QAタスクの例示的記録を示す。
【
図22D】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学距離インジケータ(ODI)QAタスクの例示的記録を示す。
【
図22E】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学距離インジケータ(ODI)QAタスクの例示的記録を示す。
【
図22F】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学距離インジケータ(ODI)QAタスクの例示的記録を示す。
【
図23A】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図23B】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図23C】本発明装置によって実施した診察台移動及び光学的距離指標(ODI)QAタスクの代表的記録を示す。
【
図24A】本発明装置を使用するコリメータ回転QAを示す。
【
図24B】本発明装置を使用するコリメータ回転QAを示す。
【
図24C】本発明装置を使用するコリメータ回転QAを示す。
【
図24D】本発明装置を使用するコリメータ回転QAを示す。
【
図25A】本発明装置を使用した、放射線視野及び明視野の合同QAの視覚的結果を示す。
【
図25B】本発明装置を使用した、放射線視野及び明視野の合同QAの視覚的結果を示す。
【
図25C】本発明装置を使用した、放射線視野及び明視野の合同QAの視覚的結果を示す。
【
図25D】本発明装置を使用した、放射線視野及び明視野の合同QAの視覚的結果を示す。
【
図26】本発明装置を使用した、放射線視野及び明視野の合同QAの視覚的結果を示す。
【
図27A】放射線視野取得及び解析の視覚的表示を示す。
【
図27B】放射線視野取得及び解析の視覚的表示を示す。
【
図28A】放射線視野取得及び解析の視覚的表示を示す。
【
図28B】放射線視野取得及び解析の視覚的表示を示す。
【
図29】放射線視野取得及び解析の視覚的表示を示す。
【
図30A】放射線視野取得及び解析の視覚的表示を示す。
【
図30B】放射線視野取得及び解析の視覚的表示を示す。
【
図31】本発明装置を使用して取得した、マルチリーフ型コリメータ(MLC:multi-leaf collimator)のQA測定における解析の視覚的表示を示す。
【
図32A】本発明装置を使用して取得した、MLCのQA測定における解析の視覚的表示を示す。
【
図32B】本発明装置を使用して取得した、MLCのQA測定における解析の視覚的表示を示す。
【
図33A】本発明装置を使用して取得した、MLCのQA測定における解析の視覚的表示を示す。
【
図33B】本発明装置を使用して取得した、MLCのQA測定における解析の視覚的表示を示す。
【
図34】イオン化チャンバにより線量測定できる本発明によるQA装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載する本発明の要旨を添付図面につき以下により完全に説明するが、本発明のすべての実施形態を示すものではない。同一参照符号は、本明細書全体にわたり同様の素子に言及する。本発明は、異なる形態で実施できるもので、以下に記載する実施形態に限定さえると解すべきではなく、以下に説明する実施形態は、この開示が出願の法的要件を満たすよう記載したものである。実際、本明細書に記載された本発明に関して多くの変更及び他の実施形態は、当業者には想到されるものであり、これら変更及び他の実施形態の要旨は、上述の記載及び関連の図面で示した教示による恩恵を受けるものである。したがって、本発明は、記載した特別な実施形態に限定されるものではなく、また変更例及び他の実施形態も特許請求の範囲内に含むことを意図すると理解されたい。
【0015】
本発明は、放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定する方法及び装置に関する。
図3A〜3Dに示す例示的実施形態によれば、単独統合装置を使用して、すべての機械及び線量測定のQAタスクを実施し、これによりすべてのQAタスクを大幅に簡素化及び統合化することができる。デジタルカメラの使用により、すべての測定を繰返し解析用に資料(ドキュメント)化できるのを確実にする。このようにデータは1回のセッションでリアルタイムに取得する。さらに、システムは放射線マシンの動作と一体化し、プロセス全体を自動化することができる。データは、リアルタイム又はオフラインで解析し、治療室に関連するマシンの性能に対して警報を発生し、またマシン動向を提供できる。したがって、本発明方法及び装置は、マシンの機械的運動コンポーネント及び放射線コンポーネントの測定を統合する。
【0016】
図3A〜3Dはシステムの動作原理を示す。
図3A〜3Dにおいて、装置10を放射線治療室の患者診察台12上に配置する。装置10は、QA測定を受ける医用加速器14に隣接配置し、装置10はマルチリーフ型コリメータ(MLC:multi-leaf collimator)24及びガントリー26を含む医用加速器14のジョー16,18間に位置決めする。診察台12上に配置するとき、装置10は約+90゜〜−90゜にわたり連続的に回転することができる。ガントリー26が約+90゜〜−90゜にわたり回転するとき、装置10はガントリー26の放射線画像又は光学的画像を見ることができる。装置が診察台の端縁に懸垂支持されているとき、装置は360゜全体にわたり回転することもできる。
図3Aは、約0゜〜90゜の間における中間位置にあるジョー16,18、ガントリー26及びMLC24を示す。
図3Bは、約−90゜の位置にあるジョー16,18、ガントリー26及びMLC24を示す。
図3Cは、約0゜の位置にあるジョー16,18、ガントリー26及びMLC24を示し、また
図3Dは、約90゜の位置にあるジョー16,18、ガントリー26及びMLC24を示す。
【0017】
さらに、
図3A〜3Dに示すように、複雑な強度変調治療を含む放射線QA測定用に、多重エネルギー源を受け止める結像面22を使用する。結像面22は、当業者には既知である多重エネルギー源を受け止める任意な形態とすることができる。より具体的には、蛍光スクリーン又はシンチレータシートを使用して捕捉することができる。蛍光スクリーンは明視野の光学的画像、光学的指標及びレーザー光路のためにも使用する。結像面22には、空間的目盛りを示すマーキングを設けることができる。装置を治療ヘッド20で邪魔されない位置に配置することにより、システムを使用して、治療室内のすべてのレーザー及び他の整列指標の位置、並びにジョー16,18、MLC24、ガントリー26及び診察台12を含む医用加速器14の機械的運動の無欠性を光学的に捕捉することができる。このことは大きな改善であり、なぜならこれら光学的測定は、現行ではQA資料(ドキュメント)においてテキストで視覚的に書き留められまた記録されているからである。蛍光スクリーン又はシンチレータシートを放射線画像及び光学的画像の双方に共通して使用することは、当該技術において報告されるべき重要な発見であり、なぜなら光学的画像撮影用に蛍光スクリーンを交換することを不要にできるからである。
【0018】
図4A〜4Cは、本発明の特徴のさらに詳細を示す。
図4Aは装置10の第1側面から見た斜視図であり、
図4Bは装置10の第2側面から見た示す斜視図であり、本発明の特徴も示す。
図4Cは、約−45゜回転した装置の斜視図を示す。
図4A〜4Cに示すように、装置10はハウジング21及びカメラ28を有する。カメラは、普通のデジタルカメラ又は耐放射線カメラの形態とすることができる。普通のデジタルカメラを使用する場合、本明細書に後でさらに説明するように、シールドを使用してカメラを放射線から保護し、耐放射線カメラを含むモデルに比べて装置の総コストを低減することができる。カメラ28は、さらに、放射線治療に使用される多重エネルギー源に関連するデータを測定及び記録できるよう構成する。カメラ28はさらにレンズ29も有する。医用加速器14のガントリー26があらゆる角度にあるときでもデータを多重エネルギー源からカメラ28に転向できるようにするため、装置10にはミラー系30も設ける。ミラー系30は、後で
図5A〜5Dにつき詳細に説明するように、内部3ミラー構成を有する。図示の3ミラー構成は、例示的なものに過ぎず、医用加速器14のガントリー26のアイソセンター(治療中心)の周りに、受容体である蛍光スクリーンが回転する間に静止カメラ位置を維持できる限りにおいて任意の機能的ミラー系を使用することができる。
【0019】
さらに、
図4A〜4Cに示すように、装置10は回転テーブル34に取付ける。回転テーブル34は、装置10を−90゜〜90゜の間で回転させることができ、結像面22及びミラー系30がガントリー26に整列した状態を維持し、データを記録できるようにする。回転テーブル34は、さらに、ベース支持体36も有する。このベース支持体36は、水平取り脚38及び泡水準器40を有する。水平取り脚38及び泡水準器40は、医用加速器のQA解析のために装置10を配置するとき、最適動作のために装置10を水平にすることができる。回転テーブル34には、さらに、ベース支持体36の頂面46の僅かに上方に装置10を保持及び懸垂するアーム42,44も設ける。これにより装置10は回転テーブル34の軸線「A」の周りに自由に回転できる。回転機構は、装置10を約−90゜〜90゜にわたり回転させる任意の適当な形態の機構を採用することができる。他の実施形態において、ベース全体は、アーム42,44及び装置10とともに回転するよう設計し、360゜全体にわたり測定を取得できるようにすることができる。
【0020】
図5A〜5Dは内部3ミラー構成30を示し、この3ミラー構成30は、異なるガントリー角度からデータを捕捉するよう回転できる。ハウジング21内の3ミラー構成30は、結像平面48、すなわち結像面22をマシンのアイソセンター50の平面に配置することができ、このアイソセンター50はすべてのマシンパラメータの目盛り中心である。最も重要なこととして、カメラ28は結像平面と同一軸線上に静止状態で位置決めすることである。このようにして、結像平面48は、カメラ28の縦方向中心を通る軸線「B」と同一直線上に存在する。さらに、結像平面48はカメラ28の軸線「B」の周りに回転することができる。装置10がカメラ28の周りに回転する間にカメラ28は静止状態を維持できることに留意されたい。
【0021】
さらに、
図5A〜5Dに示すように、第1ミラー52を、装置10のハウジング21におけるカメラ28の向かい側の第1下壁54に配置する。第2ミラー56を第1下壁54に配置した第1ミラー52に隣接させて装置10のハウジング21における第2下壁58に配置する。第1ミラー52及び第2ミラー56角度をなすよう分離させる。データをカメラ28に適正に伝送できる限りにおいて、任意の適当な分離角度を使用できる。第3ミラー60を第1平面に配置し、この第1平面は第2ミラー56を配置した第2平面に平行な平面とする。第1平面は第2表面から或る距離だけ離間する。この離間距離はデータをカメラ28に伝送するのに適した任意の距離とすることができる。好適には、すべてのミラーを45゜にセットし、90゜の反射ができるようにする。ロボットを使用して90゜反射を生ずることができる、又はソフトウェアを使用して不完全反射を補正することができるので、このことは必須条件ではない。
【0022】
一般的に、処理ヘッド20からのデータは、軌道経路68に沿って伝送される。軌道経路68は、結像面22に直交する方向に通過し、第1ミラー52からほぼ90゜の角度で反射する。好適には、この角度は正確に90゜とする。不完全な90゜はソフトウェアによって補正する。軌跡経路68は、次に装置10の壁によって画定される内部空間70を横切って第2ミラー56から約90゜の角度で反射する。軌跡経路68は垂直方向に連続し、第3ミラー60から約90゜の角度で反射する。第3ミラー60から反射された後、カメラ28のレンズを経て連続し、経路68に沿って移動するデータを記録する。特別なミラー系について上述したが、この実施例に限定することを意味するものではない。実際ミラー系は、1個又は複数個の静止した若しくは可変位置ミラー、又はこれらの組合せを有するよう構成することができる。さらに、ミラー系は回転可能にし、異なるガントリー角度からのデータを捕捉できるようにする。
【0023】
図5A〜5Dに示すように、装置が回転するとき、第3ミラーは結像平面からのすべてのデータをカメラに指向させる。カメラはデジタル補正できる任意の回転したビュー(視界)を捕捉するよう静止状態に保持するか、又は副次ミラー系を有する静止位置にカメラを回転可能にして画像補正の必要がないようにすることができる。静止カメラは、セットアップが簡単であるという利点がある。コンピュータをデータ収集及び解析のためのシステムに設けることもできる。コンピュータは、装置10の自動制御のためのフィードバックループを有する。より具体的には、装置10は、医用加速器におけるアイソセンター周りの機械的運動コンポーネントと同期して移動するようプログラムすることができる。測定はリアルタイムで行う。システムはキロボルト画像形成システムのQA、並びに小線源(近接照射)療法の放射能源用に拡張することができる。ソフトウェアツールを実装し、処理ユニットの性能及び室内アラインメント付属物の無欠性を解析、評価及び動向把握をすることができるようにする。
【0024】
図6は、本発明の実施形態によるQA装置の一部断面とする斜視図を示す。
図5A〜5Dにつき上述したように、
図6は装置100の一部断面とする斜視図を示す。内部ミラー構成130の実施形態がハウジング121内にある状態を示す。内部ミラー構成130は、結像平面148、すなわち結像面122をマシンのアイソセンターに配置することができる。
【0025】
さらに、
図6に示すように、第1ミラー152を装置100のハウジング121における第1下壁154に配置する。第2ミラー156を、第1下壁154に配置した第1ミラー152に隣接させて装置100のハウジング121における第2下壁158に配置する。第1ミラー152及び第2ミラー156角度をなすよう分離させる。データをカメラに適正に伝送できる限りにおいて、任意の適当な分離角度を使用できる。第3ミラー160を第1平面に配置し、この第1平面は第2ミラー156を配置した第2平面に平行な平面とする。第1平面は第2表面から或る距離だけ離間する。この離間距離はデータをカメラに伝送するのに適した任意の距離とすることができる。装置には第4ミラー172を設け、この第4ミラー172は、カメラが医用加速器からの直接放射線を受けるのを遮閉するよう位置決めする。第4ミラー172は、さらに、データを第3ミラー160からカメラに伝送する角度に位置決めする。
【0026】
図7は、本発明の特徴による方法のフローチャートを示す。方法200は、概して放射線治療における機械及び線量測定の品質確度をリアルタイムに測定することを目指す。方法200は、多重エネルギー源を受止める結像面を準備するステップ202を有する。より具体的には、結像面は、医用加速器のアイソセンターと同一の平面上に位置する結像平面を有する。ステップ204は、多重エネルギー源をカメラに指向させる。さらに、ステップ206は、多重エネルギー源に関連するデータを測定及び記録する。
【0027】
図8A及び8Bは、本発明の特徴により医用加速器で実施すべき多くのQA基準のうち2つを評価する方法を示す。
図8A及び8Bに示すように、多重エネルギー源は装置300に指向させることができ、また装置300によって記録することができる。
図8Aにおいて、医用加速器304からの放射線ビーム308を装置300に指向させる。放射線ビーム308は、結像面322(図示の実施形態では蛍光スクリーン)を通過するよう指向させる。その後、蛍光スクリーンからの光309をカメラ328によって測定し、この測定は簡単な画像310として示す。カメラ328は、次にデータを記録及び解析するためにコンピュータ312に有線又は無線接続によって伝送することができる。
図8Bにおいて、アイソセンター平面におけるルームレーザー314,316を装置300の結像面322に指向させることができる。蛍光スクリーンは結像平面322における受像器318としても使用し、この受像器318はオーバーレイする目盛り320又はデジタル符号化メモリを有する。ルームレーザー314,316の投影をカメラ328によって測定し、次にデータを記録及び解析のためにコンピュータ(図示せず)に伝送する。
【0028】
図8Cは、本発明の実施形態による診察台位置決めQAを実施する方法を示す。従来診察台位置決めQAは視覚的に測定された。光学距離インジケータ(ODI:Optical Distance Indicator)検証を使用し、これは側方レーザー検証である。放射線に類似するレーザーを本発明装置上で光らせ、本発明装置は診察台上に配置し、90゜回転させ、側方ルームレーザーが見えるようにする。レーザー位置決め補正は従来視覚的に評価され、位置決めの記録は行われなかった。本発明装置を使用して、ODIを記録及び評価することができる。記録は、あらゆる側方ビューのために、又は医用加速器の適正機能の検証のために保存することができる。
図8Cに示すように、ODIは、90cm、アイソセンター(又は100cm)及び110cmで記録する。
図8Cは、さらに、アップ又は上昇位置、アイソセンター、及びダウン又は下降位置にある診察台を示す。
【0029】
図8Dは、本発明の実施形態による回転又は光学的QAを実施する方法を示す。この方法は、コリメータの回転精度を測定するものであり、また本発明装置以前ではこのQA測定は記録されなかった。コリメータ回転をチェックするため、専門技師は、放射線ビームに類似する光源を患者診察台上に配置した本発明装置に指向させる。専門技師は、コリメータを回転させ、光を医用加速器のアイソセンター周りに正確に移動するのを観察する。
図8Dに示すように、コリメータのアイソセンター(100cm)周りの回転を測定する。コリメータの回転は、90゜、180゜、270゜及び360゜の回転位置で測定する。本発明装置を使用して、光源位置を
図8Dに示すように記録することができる。
【0030】
図8Eは、マルチリーフ型コリメータによって整形された光学的明視野及び放射線視野の合致を行う方法を示す。
図8Eに示すように、本発明装置を使用して、マルチリーフ型コリメータによって整形された明視野だけでなく、マルチリーフ型コリメータによって整形された放射線視野も記録することができる。さらに
図8Eに示すように、明視野及び放射線視野の合致は、放射線画像に重ね合わせて、放射線視野の精度を確実にする。記録した画像は、医用加速器の適正な機能を示すよう保持することができる。
図8C及び8Dにつき詳述したQA測定方法と同様に、光学的明視野及び放射線視野の合致を行う方法は、これまでは記録されなかった。
【0031】
さらに、本発明を運用するシステムにソフトウェアを組込むことができる。ソフトウェア組込みによれば、本発明を一層自動化し、医用加速器におけるQAを行う医療技師にとってより一層時間を短縮できるようになる。本発明装置は、マイクロプロセッサ、コンピュータ装置、又は当業者には既知の又は想到し得るデバイスをコンピュータ制御する他の手段を有することができる。代案として、ソフトウェアを個別のコンピュータ装置、サーバー又は遠隔サーバーにローディングすることができ、また無線又は有線コネクタにより本発明装置内に収容した制御デバイスと通信できるようにする。このようなセットアップによれば、多重QA装置を、1つの個別コンピュータ装置、サーバー、又は遠隔サーバーによって制御することができる。当業者に既知の又は想到し得る任意な他のソフトウェア制御セットアップも使用することができる。装置は、さらに、コンピュータプログラムからの運動コマンドを装置の運動に変換するロボット制御を有することができる。さらに、装置の動作を医用加速器の動作に統合することができる。
【0032】
例えば、機械的特徴に関する限り、ソフトウェアを使用して、レーザー、診察台運動及び光学距離インジケータ、並びにコリメータ運動の少なくとも共直線性及び収束性を制御又は測定することができる。放射線特徴に関しては、ソフトウェアを使用して、少なくとも光の明視野及び放射線視野の合同性、放射線輪郭の不変性、及びエネルギーの不変性を制御又は測定することができる。光の明視野及び放射線視野の合同性は、少なくともX線ビーム平坦性及び対称性、並びに適合性の指標に関して制御する。放射線輪郭の不変性は、少なくとも電子ビームに関して制御し、またエネルギーの不変性は、少なくともX線及び電子のビームに関して制御することができる。
【0033】
他のソフトウェアツールはカメラを設定するよう構成することができる。QA解析を行うにあたり、技師はソフトウェアを使用してカメラを設定し、この設定には、限定しないが、積分時間及び取得すべきフレーム数の設定が含まれる。この設定はQA検査をさらに効率化するためのファイルとして保存することができる。例えば、光関連QA検査用のセッティングは1つのファイルとして保存することができるとともに、放射線関連QA検査用の設定は別個のファイルとして保存することができる。技師がどちらかのQA検査プロトコルに取り掛かる準備ができたとき、技師はこれら保存したソフトウェアファイルを使用し、検査タイプに応じた適正設定にカメラを環境設定することができる。これら設定ファイルは日時付けをすることができ、技師がどのファイルが最新であるかを知ることができる。設定ファイルは、さらに、コンピュータ装置に呼出すことができるようにし、ファイルをコンピュータ装置の画面で見るよう呼出すとき、ファイルを技師が設定を見て確認できるようにする。
【0034】
ソフトウェアは、さらに、画像取得を制御するよう構成することができる。しかし、所望に応じて、技師はカメラを使用して手動で画像を取得することもできる。代表的な画像取得において、技師は、上述の設定ファイルを選択し、画像を取得し、その画像をコンピュータ装置のハードドライブ又はネットワークドライブに保存することができる。画像に名前付けして保存した後、画面上に残しておき、技師がソフトウェアを使用して種々の解析タスクを完了できるようにする。
【0035】
画像解析を簡素化、効率化及び有効化するため、ソフトウェアは、
図9に示すようなハード符号化を施したデジタル画像スケールを表示するよう構成することができる。このデジタル画像スケールを取得した画像に重ね合わせることができ、また技師はデジタル画像スケールをチューニングするオプションを有することができる。
【0036】
図10は、本発明装置用のソフトウェア制御プログラムによって得られる解析ツールを示す。
図10に示すように、この解析ツールは、10ピクセル直径のサークル400を、本発明装置を使用して取得した画像における関心対象ポイントにドロップすることができる。関心対象ピクセル位置を、種々のQAタスク用の要件あたり、ソフトウェア制御プログラムを使用して記録することもできる。サークルの直径は、当業者にとって適正に見える任意のピクセル数を有することができる。
【0037】
図11は、本発明装置用のソフトウェア制御プログラムによって得られる位置特定ツールを示す。
図11に示すように、この位置特定ツールは、10ピクセル直径の第1サークル500をドロップすることができる。この位置特定ツールによれば、次に技師がライン502を第2関心対象ポイントまでドラッグできるようにし、この第2関心対象ポイントに第2サークル504をドロップすることができる。解析ツールの配置を調整するため、ライン502は伸縮することができる。次に、ソフトウェアプログラムは、このラインによって規定されるピクセルの数を決定及び表示するよう構成することができる。スケールを利用できる場合、ソフトウェアプログラムを使用してライン502の長さをmmで示すことができる。
【0038】
図12は、本発明装置用のソフトウェア制御プログラムによって得られる関心対象領域ツールを示す。関心対象領域ツール600は十字線付正方形602の形態とすることができる。好適には、関心対象領域ツール600は、カメラ解像度に応じて20又はそれ以上のピクセル数で、大まかに5mmとする。しかし、関心対象領域ツールは、当業者に既知の又は想到し得る任意な他の適当なサイズとなるよう構成することができる。関心対象領域ツール600はドラック・アンド・ドロップツールとし、技師が画像の種々の領域に移動できるようにする。関連ツールは、十字線の交点におけるピクセルを選択するオプションを有することができる。画像統計も、例えば、平均ピクセル明度及び標準偏差を計算することができる。さらに、ソフトウェアは、ユーザー名及び日付を画像に保存し、またピクセル座標及び統計に関する任意の特定情報も保存できるよう構成することができる。
【0039】
図13は、本発明を使用して取得した画像におけるスケールを画定する例示的画面を示す。この実施例において、技師は最適画像700を取得し、この画像に
図9につき説明したデジタル画像スケール702を適用し、またデジタルスケール画像をセットアップする。次に、技師は、ルーラーツールを呼び出し、ライン704を線引きできるようにする。ルーラーツールを呼び出したとき、ラインの距離をmm単位で示すことを要求するダイアログボックスを開くことができる。技師は距離を確認することができ、またプログラムは、スケールをmm/ピクセル単位で計算する。プログラムを使用して、さらに日時付けし、スケール画像を保存することができる。このプロセスを使用して生じたスケールは、再測定してアップデートするまでデフォルトとみなす。
【0040】
図14Aは、本発明装置により取得した画像を重ね合わせるプログラム特徴の例を示す。「重ね合わせ」機能キーは、n個の画像を検索し、
図14Aに示すように、画像を1個ずつ重ね合わせる。より具体的には、
図14Aは、ルーラーマップに重ね合わせた2つのレーザー画像を有する例を示す。
図14Bは、本発明装置を使用して取得したレーザーの共直線性を解析するレーザーQAの例示的記録を示す。画像におけるレーザーラインが直線ラインをなす場合、医用加速器は合格となるが、そうでない場合、その医用加速器は不合格となる。
【0041】
図15〜19は、それぞれ本発明装置により実施したレーザーQAタスクの例示的記録を示す。例えば、
図15及び16Aは、本発明装置により左側方レーザーQA及び右側方レーザーQAを取得することを示す。技師はドロップダウンメニューからレーザーQAタスクを選択することができる。このときレーザーQAタスクリストは、ルーム左側、ルーム右側、ルーム天井及びルーム後壁のQAを実施するオプションを含む。左側及び右側の側方QAのために、プログラムは技師に対してレーザー画像をアイソセンターで取得するよう命令する。次に、技師は
図10につき説明したピクセル解析ツールを使用してレーザー十字線を位置特定する。この後技師は名前付けし、画像を保存することができる。次に、技師は診察台をレーザーに向けて約10cm移動した後、第2レーザー画像を取得することを促される。このとき技師は、レーザーの第2画像を取得し、ピクセル解析ツールを使用してレーザー十字線の位置特定を行う。この画像を名前付けして保存する。
図16Bは、
図16Aにつき説明した右側ルームレーザーQA取得を示すユーザー・インタフェースの例示的実施形態を示す。
【0042】
図17及び18は、それぞれ本発明を使用して天井及び後壁の側方レーザーQAを取得することを示す。これら実施例において、技師はアイソセンターにおける天井及び後壁のレーザー画像を取得する。
図17は、技師がレーザー十字線の位置特定を行い、この天井レーザー画像を名前付けして保存したものである。次に、技師は、
図18に示すように、後壁レーザー及び天井レーザーとの交点を位置特定することができる。次いで、技師は、診察台を天井に向けて10cm上昇移動させた後に他の画像を取得することができる。位置特定、名前付け、及び保存の手順をこの他の画像に対して繰り返すことができる。
【0043】
図19及び20は、本発明を使用するレーザーアラインメント解析を示す。技師はプログラムメニューを使用してプログラムがレーザー解析を行うことを要求することができる。プログラムは、2D及び3Dビューですべてのレーザー十字線に対してアイソセンター位置を組合せる。プログラムは、それらが
図19に示すように2mm以内に納まっている場合にはレーザーは合格として見なす。次に、プログラムは、
図20に示すように、対にしたレーザー画像から各レーザー方向の共直線性を導き出す。プログラムは、ラインがアイソセンターに直交する2mmの円筒体内で20cmにわたり含まれている場合、レーザーが合格であると見なす。
【0044】
図21A〜21F、
図22A〜22F、
図23A〜23Cは、それぞれ本発明装置によって実施した診察台移動及び光学距離インジケータ(ODI:optical distance indicator)QAタスクの例示的記録を示す。
図21A〜21Fは、本発明装置を使用して捕捉した診察台垂直移動のQAに関連する。プログラムは、
図21Aに示すように、110cmのSSDにおけるODIを取得するため、QAボックスを水平にセットすることができる。このボックスは、さらに、手動でセットすることもでき、画像はプログラムを使用して処理することができる。次に、QAボックスを垂直軸線周りに90゜回転し、
図21Bに示すような110cmのSSDにおける左側レーザー画像又は右側レーザー画像を取得する。この手順を、
図21C及び21Dに示すように100cmのSSDに対して、また
図21E及び21Fに示すように90cmのSSDに対して繰り返す。これら画像すべてに名前付けし、また保存する。
図14につき上述したように、重ね合わせ機能を使用して、デジタルスケールに対して位置特定したレーザーの垂直方向距離を測定することができる。プログラムは、この距離差分が1mm以内である場合に、QAは合格とみなす。
【0045】
図22A〜22Fは、それぞれ本発明装置によって実施した診察台の側方移動のQAに関連する。プログラムは、
図22Aに示すように、100cmのSSDにおける明視野画像を取得するため、QAボックスを水平にセットすることができる。このボックスは、さらに、手動でセットすることもでき、画像はプログラムを使用して処理することができる。技師は、さらに、
図22Bに示すような天井レーザーの画像を取得することも必要とする。この手順を、
図22C及び22Dに示すような中心の左に10cm診察台を移動して、また
図22E及び22Fに示すような中心の右に10cm診察台を移動して繰り返す。
図14につき上述したように、重ね合わせ機能を使用して、デジタルスケールに対して位置特定したレーザーの垂直方向距離を測定することができる。プログラムは、この距離差分が1mm以内である場合に、QAは合格とみなす。
【0046】
図23A〜23Cは、それぞれ本発明装置によって実施した診察台回転QAの結果を視覚的に示す。QAボックスは医用加速器のアイソセンターで水平にセットし、このセットは手動又はプログラムを使用して行う。明視野の光学的画像を、
図23A〜23Cで示すように診察台の180゜、90゜、270゜の角度回転で、又は任意であるが既知の角度回転で取得する。十字線を各画像で位置特定し、画像にタグ付けして保存する。画像は、
図14につき説明した特徴を使用して重ね合わせることができる。位置特定した十字線は、システムがこのQA解析に合格するには2mm直径のサークル内になければならない。
【0047】
図24A〜24Dに示すように、コリメータ回転QAを診察台回転QAと同一のやり方で、本発明装置を使用して実行する。QAボックスは医用加速器のアイソセンターで水平にセットし、このセットは手動又はプログラムを使用して行う。明視野の光学的画像を、
図24A〜24Dで示すように診察台の180゜、0゜、90゜、270゜の角度回転で、又は任意であるが既知の角度回転で取得する。十字線を各画像で位置特定し、画像にタグ付けして保存する。画像は、
図14につき説明した特徴を使用して重ね合わせることができる。位置特定した十字線は、システムがこのQA解析に合格するには2mm直径のサークル内になければならない。
【0048】
図25A〜25D,
図26,
図27A及び27B、並びに
図28A及び28Bは、本発明装置を使用した、放射線視野及び明視野の合同QAの視覚的結果を示す。手動で、又は装置制御プログラムを使用して実行できる一般的な放射線視野取得のため、放射線カメラの設定は、15秒又は3×15秒でカメラのシャッターを切る暗電流画像を取得するよう選択する。放射線露出は露光設定と同一にして取得し、適用可能であればカメラレンズの不均一性補正を適用する。平均暗電流画像は「補正した」平均放射線画像から差し引くことができる。
【0049】
とくに、
図25A〜25Dに示すように、放射線視野/明視野合同ツールを使用して、
図25A及び25Bに示す実施例と同様の画像を生成することができる。光学的カメラの設定は、手動又は装置制御プログラムを使用して、プリセット寸法、例えば20cm×20cmの明視野を取得するよう選択する。以前に保存した画像を使用することもできる。この後、プログラムを使用して明視野境界を検出することができる。放射線カメラの設定を使用して、暗電流及び同一寸法の放射線視野を取得及び処理する。放射線境界は、50%の明度レベルで検出することができる。次に、明視野境界及び放射線境界をオーバーレイし、画像に名前付けして保存することができる。
図25Cは、
図25A及び25Bにつき説明したような、6MVのX線QAの取得を示すユーザー・インタフェースの例示的実施形態を示す。
図25Dは、本発明装置を使用した放射線視野及び明視野の合同QAに関する他の実施例を示す。
【0050】
図26は、本発明装置のための制御プログラムにおける輪郭ツールを使用して得られたグラフを示す。この輪郭ツールを使用するため、放射線画像を取得しなければならない。次に、プログラムは、
図26のグラフのようなx輪郭又はy輪郭の1Dプロットを表示することを依頼する。明視野境界600もグラフに表示することができる。このグラフを使用して、公式に基づく平坦性、対称性、均一性の指標を計算する。このグラフ及び結果を保存し、その後の基準として保存することができる。
【0051】
図27A及び27Bは、
図26に示したのと同様の1Dプロットを使用して光子ビームの平坦性及び対称性を決定する計算方法を示すプロットを例示する。光子ビームの平坦性(F)の計算は
図27A内に示し、
F=100×(D
max−D
min)/(D
max+D
min)である。
対称性(S)の計算は
図27B内に示し、
S=100×(area
left−area
right)/(area
left+area
right)
このグラフ及び結果をその後の基準として保存することができる。
【0052】
図28A及び28Bは、それぞれ本発明装置を使用して行った放射線測定の視覚的表示を示す。
図28Aは、放射線視野の視覚的表示を示し、
図28Bは、均一性指標(UI)の計算を示し、
UI=(area
90%)/(area
50%)である。
このグラフ及び結果をその後の基準として保存することができる。
【0053】
図29並びに
図30A及び30Bは、放射線視野取得及び解析の視覚的表示を示す。本発明装置を使用して放射線視野を画像化するとき、同時にフィルム測定を行うことができることに留意されたい。本発明装置のカメラからの測定に対するフィルム測定の比を使用して1回限りの補正マップを得ることができ、この補正マップを使用してすべての試験測定に使用することができる。より具体的には、
図29は、本発明装置を使用して取得した平均放射線画像の視覚的表示を示す。装置は、4,6,8,10,15若しくは18MVのX線又は6,8,1−,12,15及び18MeVの電子ビームのような任意の放射線視野を測定することができる。暗電流及び放射線画像は上述したプロトコルに従って取得する。次に、画像は平均放射線画像を生成するプログラムによって処理する。この画像は、すべて上述したように、その後の基準又は平坦性、対称性及び均一性の指標計算のために、名前付けして保存することができる。
【0054】
図30A及び30Bは、それぞれ放射線解析のエネルギーチェックの視覚的表示を示す。エネルギーチェックするため、技師は、プラスチック又は疑似的固溶体のような材料の異なる厚さの下に撮られる適正な1対の平均放射線画像を取得する。
図30A及び30Bにおける読み1(R1)及び読み2(R2)のように関心対象領域を放射線画像中心に配置する。R1は第1画像における関心対象の平均カウントであり、R2は第2画像における関心対象の平均カウントである。エネルギー恒率はR1/R2である。これらの結果は、その後の使用又は基準のために名前付けして保存することができる。
【0055】
図31、
図32A及び32B、並びに
図33A及び33Bは、本発明装置を使用して取得したマルチリーフ型コリメータ(MLC)QA測定における解析の視覚的表示を示す。これら解析は、ガーデンフェンス配給を使用するMLC位置決め精度及びリーフ速度精度を保証する。ガーデンフェンス解析を視覚的に表示する
図31並びに
図32A及び32Bに関して、ガーデンフェンス画像は、カメラ積分時間を30秒又はそれ以上に設定することによって取得する。画像化を開始し、技師は、視野における既知の位置に放射線を配給するステップ・アンド・シュートモードでMLCのX1,X2によって形成されるスリットビームを駆動する。配給及び画像化を停止した後、リーフギャップの位置決め精度を、
図31並びに
図32A〜32Bに示すように、解析することができる。
【0056】
図33A及び
図33Bは、MLCのリーフ速度の測定及び解析の視覚化表示を示す。画像は、カメラ積分時間を30秒又はそれ以上に設定することによって取得する。画像化を開始し、技師は、視野を横切るよう各リーフを異なる速度で駆動し、各リーフ対に対して異なる線量を配給する。配給及び画像化を停止した後、線量輪郭の位置決め精度を、
図31並びに
図33A〜33Bに示すように、解析することができる。
【0057】
QAプロセスを自動化し、また本発明の装置で取得した画像を解析するための上述したソフトウェアツールは例示的なものであり、それに限定すると考えるべきではない。多くの他のソフトウェアツールを開発して、プロセスをさらに自動化しまた画像解析を行うようにすることができる。本発明用の制御プログラムは、実施したQA測定及びこれら測定結果のすべての概要を示すレポートを作成するよう構成することができる。
【0058】
図34は、本発明の実施形態による医用加速器のQAのために使用する電離箱を示す。電離箱800は、装置804の表面上に配置したプラスチック固溶体シート802の形態とすることができる。プラスチック固溶体シート802は10cmの厚さに達することができる。さらに、1つのシートは電離箱808用のレセプタ806を有することができる。(図面には参照符号を付けないが)レセプタ806には電離箱800のx−y軸線に対して45゜の角度でドリル穿孔することができる。この構成によれば、TG51の較正を行うことができる。
【0059】
好適な実施形態につき本発明を説明したが、当業者には特別には記載しなかった欠失、変更及び代替を特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく行えることを理解するであろう。