(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態における金銭収納装置100の構成例を示す簡略図である。また、
図2は、金銭収納装置100の構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1および
図2に示すように、金銭収納装置100は、制御部11と、顧客情報読取部12と、表示部13と、操作受付部14と、金銭取込部15と、金銭収納部16と、錠前部17と、自己位置特定可能情報取得部18と、無線通信部19と、記憶部20とを含むように構成されている。
【0017】
金銭収納装置100は、各地に点在する顧客の家を回るときに携帯可能な大きさおよび重量、もしくは収集車に車載できる大きさおよび重量により構成されており、持ち運び式の筐体である。そして、金銭収納装置100は、金銭収納装置管理サーバ30からの指示により解錠を行えるように構成されている。
【0018】
制御部11は、金銭を収納し管理するときに行われる各種の制御を実行する機能を有する。
【0019】
制御部11は、具体的には、顧客に対して情報を表示する表示処理や、金銭収納装置100に取り込まれた金銭の集計処理や、施錠状態を解除する施錠状態解除処理などの処理を行う。処理内容の詳細は、後で詳しく説明する。
【0020】
顧客情報読取部12は、顧客を一意に決定する顧客IDを読み取るためのカードリーダである。具体的には、顧客情報読取部12は、プリペイドカードや会員カードなどに含まれるICチップや磁気から顧客IDを読み取る。なお、本例では、顧客を一意に特定する情報が埋め込まれているカードから顧客IDを読み取っているが、顧客IDとして記憶されている識別番号を操作パネルに直接入力して、顧客IDを読み取るように構成されていてもよい。すなわち、手入力により顧客IDを読み取るように構成されていてもよい。
【0021】
表示部13は、制御部11の制御に従って、金銭の入金に関する確認画面や、各種操作を行うための操作ボタンなどを表示する液晶表示装置である。
【0022】
操作受付部14は、表示部13により表示した操作ボタンに対する顧客からの操作を受け付けるタッチパネルである。本例では、顧客情報読取部12によりカードに埋め込まれている情報を読み出すことにより顧客IDを読み取ることとしているが、表示部13により、顧客に対して顧客を特定する番号の入力が行える画面を表示し、操作受付部14により、直接に番号の入力を受け付けることにより、顧客IDを読み取るように構成されていてもよい。
【0023】
金銭取込部15は、顧客から受け付ける紙幣および硬貨などの金銭を取り込むとともに、金銭の種類を識別する装置である。金銭取込部15は、金銭収納装置の外部に突出する外紙幣取込口と、紙幣取込口に挿入された紙幣を取り込む機能を有する紙幣取込機構と、硬貨を取り込む機能を有する硬貨取込口と、取り込んだ紙幣および硬貨の種類を識別する機能を有する金銭識別機構とを含むように構成されている。これらの機能を有する装置については、既に公知な技術となっているため、詳細な説明を省略する。
【0024】
また、金銭取込部15は、紙幣および硬貨を取り込むことができない「ロック状態」とすることが可能に構成されている。例えば、「ロック状態」のときには、紙幣取込機構や金銭識別機能などの各種機能の電源が入らない構成などとすればよい。金銭取込部15をロック状態にする処理については、後で詳しく説明するが、具体的には、「ロック状態」と「施錠状態」とは密接に関連しており、「施錠状態」のときには、「ロック状態」にはならず、「施錠解除状態」のときには「ロック状態」となるように構成されている。
【0025】
金銭収納部16は、金銭取込部15により取り込んだ金銭を収納する筐体である。金銭収納部16は、取手などの取り出し部材により、取り出し自在に構成される。ただし、錠前部17により施錠されている状態では、取り出すことができないように構成される。
【0026】
錠前部17は、金銭収納部16の取り出しを制御する錠前である。複数の錠前で構成されていてもよい。本例では、錠前部17は、「第一の錠前」として、施錠状態解除指示信号を受信することにより解錠する電子ロックと、「第二の錠前」として、鍵を差し込み回すことにより解錠する錠前との2つの錠前により構成される。本例では、電子ロック(第一の錠前)と鍵穴式錠前(第二の錠前)とにより構成されているが、錠前部17は、施錠状態解除指示信号を受信することにより解錠する錠前(第一の錠前)のみから構成されていてもよい。
【0027】
なお、本例における「施錠状態」とは、施錠状態解除指示信号を受信することにより解錠される電子ロック(第一の錠前)が施錠されている状態のことをいう。一方で、「解錠状態」とは、施錠状態解除指示信号を受信することにより電子ロック(第一の錠前)が解錠されている状態のことをいう。また、施錠状態解除指示信号を受信することにより解錠される電子ロック(第一の錠前)は、種々の方法で施錠が行われる。例えば、その構成は、電子ロック施錠用のスイッチを備える構成や、鍵を差し込み回すことにより解錠する錠前(第二の錠前)を施錠したことに応じて自動的に電子ロックが施錠される構成などとすればよい。
【0028】
自己位置特定可能情報取得部18は、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の自己位置(GPS測位解)を特定する。本例では、GPS受信機によりGPS信号から自己位置を特定可能な情報を取得するように構成しているが、RFIDタグから、現在の位置情報を特定可能な情報を得るように構成されていてもよい。また、自己位置を特定するのではなく、自己位置を特定可能な情報を取得し、自己位置を特定可能な情報が送信された送信先(例えば、金銭収納装置管理サーバ30など)にて金銭収納装置100の自己位置を特定するように構成してもよい。
【0029】
無線通信部19は、通信ネットワーク40に接続されている中継器50と通信を行う通信装置である。本例では、中継器50と通信を行うように構成されているが、中継器を介さずに通信ネットワークと接続することにより、直接に金銭収納装置管理サーバとやり取りを行うように構成されていてもよい。
【0030】
記憶部20は、金銭を収納し管理するときに必要なデータを記憶する記憶媒体である。記憶部20は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。本例では、記憶部20には、入金管理情報記憶部20aと、顧客ID管理情報記憶部20bとが含まれる。入金管理情報記憶部20aと、顧客ID管理情報記憶部20bとについては、後で詳しく説明する。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係る金銭収納装置管理システム60の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、本発明の実施形態に係る金銭収納装置管理システム60は、金銭収納装置100〜10Nと、金銭収納装置管理サーバ30と、中継器50とから構築されるシステムである。
【0032】
金銭収納装置管理サーバ30は、例えば、専用回線、LAN、無線通信回線などの通信ネットワーク40に接続され、中継器50を介して金銭収納装置100〜10Nと通信可能になっている。
【0033】
金銭収納装置管理サーバ30は、例えば、金銭収納装置管理システム60のシステム管理者によって管理されるサーバ装置であり、OS(Operating System)、ミドルウェア、および各種アプリケーションなどを備えた一般的な情報処理装置によって構成される。
【0034】
金銭収納装置管理サーバ30は、金銭収納装置100〜10N(N:任意の正の整数)に対して施錠状態を解除する信号を送信する機能などの各種の機能を有している。
【0035】
金銭収納装置管理サーバ30は、顧客所持ポイント情報DB31と、解錠許容エリア情報DB32と、金銭収納装置管理情報DB33とを備えている。顧客所持ポイント情報DB31、解錠許容エリア情報DB32、金銭収納装置管理情報DB33は、それぞれ、金銭収納装置管理サーバ30の内部に備えられていてもよいし、外部に備えられていてもよい。
【0036】
通信ネットワーク40は、専用回線、LAN、無線通信回線などにより、金銭収納装置100と金銭収納装置管理サーバ30とを接続する無線通信手段である。基地局などの不備により、通信が行えない地域においては、無線アドホックネットワークシステムを備えるように構成されていてもよい。
【0037】
図4は、顧客所持ポイント情報の格納状態の例を示す説明図である。
図4に、顧客所持ポイント情報DB31は、本システムの登録顧客のポイント状況に関する顧客所持ポイント情報を格納する。具体的には、顧客名と、顧客の識別情報を示す顧客IDと、顧客所持ポイントとが対応付けて格納されている。
【0038】
顧客IDは、顧客情報読取部12によって読み取られた識別番号である。顧客IDは、例えば、一意の顧客が定まるように所定の桁数の数字から構成されている識別番号などが用いられる。本例では、顧客を一意に特定するために顧客IDを用いているが、顧客IDに限らず、住所や氏名などの顧客に関する情報を用いて顧客を特定することとしてもよい。
【0039】
顧客所持ポイントは、顧客が所持するポイント数を示す。顧客が、ポイントを使用またはチャージ(入金)することにより、ポイント数は増減する。
【0040】
解錠許容エリア情報DB32は、施錠状態を解除することを許容する解錠許容エリアが設定された解錠許容エリア情報を格納する。具体的には、「中心位置から・・・の半径の範囲」、または「東西は・・・、南北は・・・」というようにある程度の幅を持つ範囲となるように設定される。本例では、ある程度の範囲を持たせて許容エリアとしているが、幅を持たせることなくピンポイントに設定することとしてもよい。
【0041】
図5は、金銭収納装置管理情報の格納状態の例を示す説明図である。
図5に示すように、金銭収納装置管理情報は、金銭収納装置100〜10Nを識別するための金銭収納装置名(本例であれば、A、B、・・・、C)と、金銭収納装置100が施錠されている状態であるか否かを示す金銭収納装置100の状態とが対応付けられて格納されている。本例では、金銭収納装置100の状態は、施錠状態であるときは「施錠」と記録され、解錠状態であるときは「解錠」と記録される。
【0042】
図6は、入金管理情報の格納状態の例を示す説明図である。
図6に示すように、入金管理情報は、入金日時と、顧客IDと、入金額が対応付けられた情報である。ここで入金日時は、金銭取込部15に金銭が取り込まれた日時を示し、金銭取込部15が顧客からの入金を受け付けたことに応じて記録される。
【0043】
入金額は、金銭取込部15によって取り込んだ金銭の金額である。なお、つり銭を排出することができるようにつり銭部を備えることにより、金銭取込部15が取り込んだ金銭の一部をポイントに変換するという機能を持たせているのであれば、金銭取込部15によって取り込んだ金銭のうち、取り込んだ金額からつり銭として排出した額を除いた金額が入金額となる。
【0044】
図7は、顧客ID管理情報の格納状態の例を示す説明図である。
図7に示すように顧客ID管理情報は、顧客を一意に特定するためのIDと、顧客の氏名とが対応付けられた情報である。本例では、顧客の氏名のみを顧客IDに対応付けているが、顧客の住所や電話番号などの各種個人情報を顧客IDに対応付けて保存しておくこととしてもよい。
【0045】
ここで、本例の金銭収納装置管理システム60が適用される収集形態の概要の例を説明する。
図8は、本例の金銭収納装置管理システム60が適用される収集形態の概要の例を示す概念図である。
【0046】
図8に示すように、入金を行う各顧客X,Y,Zと、金銭収納装置100を収集車T1に積載して各顧客X,Y,Zの家を回ることにより金銭の収集を行う収集者T2と、金銭収集を総合的に管理する本部Hと、本部Hに待機している金銭の管理者T3とからなる。また、本例では、本部Hの中の所定位置において、施錠状態を解除することを許容する解錠許容エリアEが設定されている。
【0047】
本例の金銭収納装置管理システム60が適用される収集形態においては、金銭を収集する人物と、収集した金銭の管理を行う人物とは、別の人物が行う。すなわち、金銭を収集する人物として収集者T2が存在し、収集した金銭の管理を行う人物として管理者T3が存在する。
【0048】
また、本例の金銭収納装置管理システム60が適用される収集形態においては、各顧客X,Y,Zの居住地付近では通信ネットワーク40に関する設備が整備されていないものとする。したがって、金銭収納装置100は、金銭を収集しているときには本部Hにある金銭収納装置管理サーバ30との通信が行えず、本部Hに近づくことにより金銭収納装置管理サーバ30と通信が行える状態となっている。
【0049】
まず、収集者T2は、本部Hの管理者T3から金銭収納装置100を受け取り、金銭収納装置100を携帯して各顧客X,Y,Zの家を回る。
【0050】
顧客を一意に特定する顧客IDを本部Hのサーバに登録している各顧客X,Y,Zは、収集者T2が持ってきた金銭収納装置100に金銭を入金し、金銭をポイントに変換する。
【0051】
なお、本例では、各顧客X,Y,Zの居住地付近では通信ネットワーク40に関する設備が整備されていないため、顧客の入金に関する入金管理情報は、一度金銭収納装置100に記憶され、蓄積される。
【0052】
収集者T2は、金銭を収集し、入金に関する情報を記憶した状態で、本部Hまで戻り、金銭収納装置100を管理者T3に渡す。
【0053】
管理者T3は、顧客を一意に特定する顧客IDと顧客の所持するポイントと対応付けて保存している本部Hのサーバに、入金管理情報を送信し、顧客の所持するポイントに対して入金に応じたポイントを加算する。
【0054】
また、管理者T3は、解錠許容エリアEまで金銭収納装置100を運び、金銭収納装置100を開けて各顧客X,Y,Zにより入金された金銭を回収する。
【0055】
本例では、上記のようにして、金銭を回収する収集者T2は収集した金銭に触れることができない構成となっている。なお、本例では、各顧客X,Y,Zの居住地付近では通信ネットワーク40に関する設備が整備されていないため、入金管理情報は、一度金銭収納装置100に記憶される構成としているが、各顧客の居住地付近において通信ネットワーク40に関する設備が整備されているときには、入金管理情報は、金銭収納装置100に記憶し、蓄積していくのではなく、入金が行われたその場で、金銭収納装置管理サーバ30に送信されるように構成することもできる。
【0056】
次に、本発明の実施の形態に係る金銭収集処理の動作について図面を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0057】
図9は、金銭収納装置100を用いて金銭を収集する金銭収集処理の例を示すフローチャートである。金銭収納装置100が、顧客から紙幣の入金を受け付ける場合を例に説明する。
【0058】
金銭収集処理において、制御部11は、顧客情報読取部12により顧客からカードの提示を受け付けたことに応じて、顧客認証の依頼を受け付ける(ステップS101)。制御部11は、顧客認証の依頼を受け付けると、提示されたカードに埋め込まれたデータに基づいて顧客認証を行い、顧客情報を特定する(ステップS102)。
【0059】
顧客認証が完了し(ステップS101のY)、顧客を特定すると、金銭取込部15は、顧客が取込口に挿入している紙幣を金銭取込機構により取り込む(ステップS103)。
【0060】
紙幣を取り込むと、金銭取込部15は、金銭取込機構により取り込んだ紙幣の種類を識別する(ステップS104)。そして、制御部11は、金銭収納装置100に入金された金額を決定する。
【0061】
入金額を決定すると、制御部11は、入金額に応じたポイントを決定する(ステップS105)。
【0062】
入金額をポイントに変換すると、制御部11は、ステップS102で特定した顧客情報(ここでは、顧客ID)とポイントとを対応付けて入金管理情報として記憶部20に格納する(ステップS106)。
【0063】
入金管理情報を記憶すると、表示部13は、制御部11からの制御に基づいて、顧客情報や、入金額や、ポイント数などが表示されている確認画面を顧客に対して表示する(ステップS107)。なお、確認画面で、顧客が取消を希望するときは、取り消し決定後に、入金管理情報を消去するように構成してもよい。また、同様に、ステップS106で入金管理情報として記憶する前に、確認画面を表示し、顧客に対して取消の選択肢を与えるように構成しておくこともできる。
【0064】
顧客から入金確認の指示を受け付けると、制御部11は、更なる金銭の入金があるか否かを顧客に対して提示し(ステップS108)、金銭の入金を行うのであれば(ステップS108のY)、顧客情報を特定した状態のまま連続的に入金が行えるようにステップS103へ戻る。
【0065】
一方で、制御部11は、顧客からの金銭の連続入金を行わないという選択を受け付けたときは、金銭収集処理を終了する。なお、顧客から金銭の連続入金を行わないという選択を受け付けたときに、領収書を発行するように構成されていてもよい。
【0066】
以上、金銭収集処理の例について説明した。本例では、顧客が紙幣を入金する場合を例に説明したが、金銭収納装置100が取り込むことができる金銭は、硬貨を含むように構成されていてもよい。
【0067】
また、つり銭部を備えることにより、取り込んだ金銭の一部を入金額として取り扱うように構成されていてもよい。
【0068】
また、入金額をポイントに変換するときに、予め記憶部20に記憶するポイント変化率テーブル(不図示)を用いて、ポイント変換率を考慮したポイント変換を行うように構成されていてもよい。ポイント変換率を考慮するタイミングは、金銭収納装置管理サーバ30に入金管理情報を送信したときに行うように構成されていてもよい。
【0069】
次に、本発明の実施の形態に係る入金管理情報に関する金銭収納装置管理システム60の動作について図面を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0070】
図10は、入金管理情報の更新処理の例を示すフローチャートである。ここでは、金銭収納装置管理サーバ30が管理する顧客所持ポイント情報を、金銭収納装置100が記憶する入金管理情報を用いて更新する場合を例に説明する。
【0071】
入金管理情報に関する金銭収納装置管理システム60において、金銭収納装置100が、顧客から収集した金銭に関する入金管理情報を金銭収納装置管理サーバ30に対して送信する(ステップS201)。
【0072】
金銭収納装置管理サーバ30は、金銭収納装置100が送信した入金管理情報を受信する(ステップS202)。
【0073】
金銭収納装置100から入金管理情報を受信すると、金銭収納装置管理サーバ30は、入金管理情報に基づいて、顧客所持ポイント情報を更新する(ステップS203)。具体的には、本例では、顧客所持ポイント情報の中から、入金管理情報に記憶されている顧客IDと同一の顧客IDを特定し、特定した顧客IDに対応付けされている顧客所持ポイントに対して入金額に応じたポイントを加算する処理を、金銭収納装置管理サーバ30が行う。
【0074】
顧客情報を更新すると、金銭収納装置管理サーバ30は、金銭収納装置100に対して顧客所持ポイント情報を更新が完了したことを通知する(ステップS204)。
【0075】
金銭収納装置管理サーバ30からの更新完了通知を受信すると、金銭収納装置100は入金管理情報を削除する(ステップS205)。本例では、入金管理情報は、顧客所持ポイント情報に反映されたことに応じて、逐一削除されるように構成している。しかしながら、このような構成に限らず、入金管理情報は、反映完了フラグを対応付けておき、反映が完了した情報であるか否かを判別できる状態にして記憶されるように構成することもできる。このような構成によれば、逐一削除する必要がなくなるため、金銭収納装置100は、顧客に対して入金履歴を提示することができるようになる。
【0076】
図11は、
図4に示す入金管理情報に基づいて
図6に示す顧客所持ポイント情報を更新した後の顧客所持ポイント情報の格納状態の例を示す説明図である。本例では、金銭収納装置管理サーバ30は、「顧客ID:123456」が320ポイント有している状態で1000円を入金したので1320ポイントを所持するように顧客所持ポイント情報を更新する。また、「顧客ID:23457」が6050ポイント有している状態で1000円を2回入金したので8050ポイントを所持するように顧客所持ポイント情報を更新する。さらに、「顧客ID:77553」が21ポイント有している状態で10000円を入金したので10021ポイントを所持するように顧客所持ポイント情報を更新する。
【0077】
次に、施錠状態解除処理の例について図面を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0078】
図12は、施錠状態解除指示信号の送信処理の例を示すフローチャートである。ここでは、GPSセンサにより取得した金銭収納装置100の自己位置に応じて金銭収納装置管理サーバ30が施錠解除指示信号を送信する場合を例に説明する。
【0079】
施錠状態解除指示信号に関する金銭収納装置管理システム60において、金銭収納装置100が、GPSセンサにより自己位置特定可能情報を取得する(ステップS301)。
【0080】
自己位置特定可能情報を取得すると、金銭収納装置100は、自己位置特定可能情報を金銭収納装置管理サーバ30に対して送信する(ステップS302)。
【0081】
金銭収納装置管理サーバ30は、金銭収納装置100から自己位置特定可能情報を受信すると(ステップS303)、解錠許容エリア情報を参照して、自己位置特定可能情報にて示される自己位置が解錠許容エリアに含まれているか否かを判定する(ステップS304)。
【0082】
金銭収納装置100の自己位置が解錠許容エリアに含まれていないと判定したとき(ステップS304のN)、本例の施錠状態解除処理は終了する。
【0083】
一方で、金銭収納装置100の自己位置が解錠許容エリアに含まれていると判定したときは(ステップS304のY)、金銭収納装置管理サーバ30は、金銭収納装置管理情報DB33に格納された金銭収納装置管理情報に基づいて、自己位置特定可能情報を送信してきた金銭収納装置100が施錠状態であるか否かを判定する(ステップS305)。
【0084】
施錠状態ではないと判定したとき(ステップS305のN)、本例の施錠状態解除処理は終了する。
【0085】
一方で、施錠状態であると判定したとき(ステップS305のY)金銭収納装置100に対して施錠状態解除指示信号を送信する(ステップS306)。施錠状態解除指示信号を送信すると、金銭収納装置管理サーバ30は、金銭取込部ロック処理を行う(ステップS307)。
【0086】
金銭収納装置100は、金銭収納装置管理サーバ30から施錠状態解除指示信号を受信すると(ステップS308)、錠前部17の電子ロック(第一の錠前)を解錠する(ステップS309)。そして、錠前部17の電子ロックを解錠すると、本例の施錠状態解除処理を終了する。
【0087】
以上、本例の施錠状態解除処理について説明したが、上述の本例の施錠状態解除処理においては、ステップS305において金銭収納装置100が施錠状態であるか否かを判定して施錠状態解除指示信号を送るように構成している。しかしながら、施錠状態であるか否かを判定することなく、金銭収納装置管理サーバ30は、金銭収納装置100の自己位置が解錠許容エリアに含まれていると判定したとき(ステップS304のY)であれば、必ず施錠状態解除信号を金銭収納装置100に対して送信するように構成されていてもよい。
【0088】
次に、金銭取込部ロック処理の例について図面を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0089】
図13は、金銭取込部ロック処理の例を示すフローチャートである。ここでは、金銭収納装置100のステップS306にて、金銭収納装置管理サーバ30が金銭収納装置100に対して施錠状態解除指示信号を送信したことにより、金銭収納装置が解錠状態となっている場合を例に説明する。
【0090】
施錠状態解除指示信号に関する金銭収納装置管理システム60において、金銭収納装置管理サーバ30が、金銭収納装置管理情報を更新し、金銭収納装置100の状態を「解錠」とする(ステップS401)。
【0091】
金銭収納装置100の状態を「解錠」としたことに応じて、金銭収納装置管理サーバ30は、金銭収納装置100に対して金銭取込部ロック指示信号を送信する(ステップS402)。
【0092】
金銭収納装置100は、金銭取込部ロック指示信号を受信すると(ステップS403)、金銭取込部15をロックする(ステップS404)。
【0093】
金銭取込部15をロックすると、金銭収納装置100は、錠前部17の電子ロック(施錠状態解除指示信号を受信することにより解錠される錠前)が施錠されることにより、「施錠状態」となったか否かを判定する(ステップS405)。
【0094】
施錠状態であると判定したとき(ステップS405のY)、金銭収納装置100は、金銭収納装置管理サーバ30に対して、金銭取込部ロック解除要求を送信する(ステップS406)。
【0095】
金銭収納装置管理サーバ30は、金銭取込部ロック解除要求を受信すると(ステップS407)、金銭収納装置管理情報を「解錠」から「施錠」へと更新し(ステップS408)、金銭取込部ロック解除指示信号を、金銭収納装置100に対して送信する(ステップS409)。
【0096】
金銭収納装置100は、金銭取込部ロック解除指示信号を受信すると(ステップS410)、金銭取込部15のロックを解除し(ステップS411)、金銭を取り込める状態にする。
【0097】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、顧客から収集した金銭を収納する金銭収納装置100が、無線通信(例えば、通信ネットワーク40を通じた通信)を行い、施錠状態を解徐する施錠状態解除指示信号を、金銭収納装置100と通信可能なサーバ(例えば、金銭収納装置管理サーバ30)から受信し、施錠状態解除指示信号を受信したことに応じて、施錠状態を解除する構成としているので、金銭収納装置の解錠管理を遠隔地で行うことができるようになり、セキュリティ機能をより強固なものとすることができるようになる。
【0098】
すなわち、金銭収納装置を管理するサーバからの施錠状態を解除する指示信号を受信しなければ、解錠することができないように構成されており、金銭収集を行う作業者は収集した金銭に触ることができずに、収集した金銭を管理する管理者でなければ、収集した金銭に触れることができないように構成されているため、信頼性の高い金銭管理を実現することができるようになる。
【0099】
また、上述した実施の形態における金銭収納装置100は、自己位置を特定し、特定した自己位置を示す自己位置情報を金銭収納装置管理サーバ30に対して送信し、送信した自己位置情報にて示される自己位置が特定のエリアに含まれるときに送信される施錠解除指示信号を金銭収納装置管理サーバ30から受信する構成としているので、特定の位置でなければ金銭収納装置を開けることができないこととなり、金銭の管理者のみが立ち入れる場所を特定の位置とすることにより、収集した金銭をより厳重に行うことができるようになる。
【0100】
また、上述した実施の形態における金銭収納システム60は、金銭収納装置管理サーバ30が金銭収納装置100に対して施錠解除指示信号を送信し、金銭収納装置管理情報を解錠状態を示す「解錠」に更新し、金銭取込部ロック指示信号を送信し、金銭取込部ロック解除要求を受信し、金銭収納装置管理情報を施錠状態を示す「施錠」に更新し、金銭取込部ロック解除指示信号を送信するとともに、金銭収納装置100が、金銭取込部ロック指示信号を受信し、金銭取込部15をロックし、施錠状態であるか否かを判定し、施錠状態のときに金銭取込部ロック解除要求を送信し、金銭取込部ロック解除指示信号を受信し、金銭取込部15のロックを解除する構成としている。したがって、金銭収納装置の状態が、必ず「施錠状態」か「ロック状態」のいずれかの状態になるため、金銭の収集を行うときに、金銭収納装置が解錠している状態で金銭の収集に回ることを確実に防ぐことが可能となる。
【0101】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、錠前部17は、例えば、ピンタンブラー錠のような機械的な錠前を用いることができる。例えば、錠前部17は、「施錠状態解除指示信号を受信していない状態では、鍵が差し込めない」または「施錠状態解除指示信号を受信していない状態では、鍵を差し込んでもシリンダーまたはカムが回転しない」ように構成することができる。このような構成によれば、システムにロックがかかっており解錠不能な施錠機構のシステムを解除することができるようになり、システムロックの解除と施錠機構の解錠との二重の施錠を行うことができるようになるため、セキュリティ機能をより強固なものとすることができるようになる。
【0102】
また、暗号キーを用いるような電子的な錠前を用いることもできる。例えば、錠前部17は、「施錠状態解除指示信号と、暗号キーとがそろって初めて解錠することができるようになる」、または「施錠状態解除指示信号を受信していない状態では電源がONにならず、暗号キーの入力が行えない」ように構成することができる。このような構成によれば、システムにロックがかかっており解錠不能な施錠機構のシステムを解除することができるようになり、システムロックの解除と施錠機構の解錠との二重の施錠を行うことができるようになるため、セキュリティ機能をより強固なものとすることができるようになる。
【0103】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、制御部11は、収納金銭の上限を設けるように構成されていてもよい。すなわち、顧客からの入金額の総計を記憶しておき、あらかじめ設定している数値を入金総計が超えたときには、入金を受け付けないように構成されていてもよい。このような構成によれば、収納している金銭の総計が多額にならないように管理できるため、リスク管理が行えるようになる。また、このような構成によれば、収納している金銭の量の最大量が管理できるようになるため、持ち運び時の負担軽減につながることとなる。
【0104】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、金銭収納装置100は、爆発装置を備え、施錠解除指示信号を受信していないにも関わらず、無理に解錠を試みたときに爆発装置を作動させ、爆発を起こすように構成されていてもよい。例えば、金銭収納装置100は、カラーインクなどの、特殊インクを金銭収納部16に備え、特殊インクが破裂することにより収納した紙幣に付着するように構成されていてもよい。このような構成によれば、金銭が略奪された場合であっても、略奪された金銭であることが一目でわかるようになり、略奪者が略奪した金銭を使用不能な状態にすることができるようになる。