特許第6140437号(P6140437)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6140437
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】撮像補助シート、及びファイル
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20170522BHJP
   G06T 3/00 20060101ALI20170522BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170522BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20170522BHJP
   B42F 3/04 20060101ALI20170522BHJP
   B42F 13/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   H04N1/00 108F
   G06T3/00 775
   H04N5/225 F
   H04N5/222 Z
   B42F3/04 B
   B42F13/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-274809(P2012-274809)
(22)【出願日】2012年12月17日
(65)【公開番号】特開2014-120935(P2014-120935A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100090516
【弁理士】
【氏名又は名称】松倉 秀実
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(72)【発明者】
【氏名】宮本 英一
(72)【発明者】
【氏名】陳 嘉儀
(72)【発明者】
【氏名】清水 貴仁
(72)【発明者】
【氏名】山本 奈穂
【審査官】 鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−115364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 5/222−5/257
G06T 3/00
B42F 3/04
B42F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象物と、当該撮像対象物の色値とは異なる色値で形成された撮像補助シートと、前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを挿通具を用いて綴じるファイルと、撮像手段と、前記撮像補助シートの上に前記撮像対象物を載置して前記撮像手段が前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを撮像すると、撮像された画像を原画像データとして取得し、当該原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出して前記撮像対象物に相当する画像データを切り出して切出画像をデータとして取得する処理を行う中央処理装置と、当該切出画像のデータを登録する画像データ保存手段と、を有する画像処理システムに用いられる撮像補助シートであって、
前記撮像補助シートは、前記ファイルに設けられた前記挿通具を挿通させて当該ファイルに綴じるための被挿通部を有し、
前記被挿通部は、前記撮像補助シートが、前記挿通具を挿通した状態で、第1の位置と第2の位置とをスライド移動自在に形成され、
前記挿通具が前記第2の位置にあるとき、前記撮像補助シートの外周が前記撮像対象物の外周の外側に位置し、前記中央処理装置が前記原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出する、
撮像補助シート。
【請求項2】
前記被挿通部は、前記撮像補助シートの一側端の近傍に設けられた第1端部と、前記被挿通部において前記第1端部の反対側に位置する端部である第2端部とを少なくとも有し、
前記撮像補助シートが、前記挿通具と前記第1端部とが接近する前記第1の位置と、前記挿通具と前記第2端部とが接近する前記第2の位置と、の間をスライド移動自在である、
請求項1に記載の撮像補助シート。
【請求項3】
前記被挿通部は、前記第1端部と前記第2端部とを結ぶ方向と直する方向の長さが、前記挿通具の直径と略同じである、
請求項2に記載の撮像補助シート。
【請求項4】
前記撮像補助シートは、前記撮像対象物よりも大きな面積を有し、前記撮像補助シート
と前記撮像対象物とがともにファイルに綴じられた状態で当該撮像補助シートが前記第2の位置にあるとき、両者が互いに重合すると、前記撮像補助シートの外周はすべて前記撮像対象物の外周の外側に位置する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の撮像補助シート。
【請求項5】
前記撮像補助シートは、前記撮像補助シートと前記撮像対象物とがともにファイルに綴じられた状態で当該撮像補助シートが前記第1の位置にあるとき、両者が互いに重合すると、前記撮像対象物の一側端は、前記撮像補助シートの一側端の外側に位置しない、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の撮像補助シート。
【請求項6】
前記撮像補助シートは、前記第1端部から撮像補助シートの一側端にかけて連設され、前記撮像補助シートが前記第1の位置にあるとき、当該第1の位置から前記第2の位置へ向かう方向と逆の方向へスライド移動させて前記撮像補助シートを前記挿通具から離脱させるための通過部を有する、
請求項2に記載の撮像補助シート。
【請求項7】
撮像対象物と、当該撮像対象物の色値とは異なる色値で形成された撮像補助シートと、前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを挿通具を用いて綴じるファイルと、撮像手段と、前記撮像補助シートの上に前記撮像対象物を載置して前記撮像手段が前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを撮像すると、撮像された画像を原画像データとして取得し、当該原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出して前記撮像対象物に相当する画像データを切り出して切出画像をデータとして取得する処理を行う中央処理装置と、当該切出画像のデータを登録する画像データ保存手段と、を有する画像処理システムに用いられるファイルであって、
前記撮像補助シートは、前記ファイルに設けられた前記挿通具を挿通させて当該ファイルに綴じるための被挿通部を有し、
前記被挿通部は、前記撮像補助シートが、前記挿通具を挿通した状態で、第1の位置と第2の位置とをスライド移動自在に形成され、
前記挿通具が前記第2の位置にあるとき、前記撮像補助シートの外周が前記撮像対象物の外周の外側に位置し、前記中央処理装置が前記原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出し、
前記撮像補助シートが、前記被挿通部に前記挿通具を挿通させることで前記ファイルに綴じられている、
ファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラや携帯端末のカメラ機能を用いてドキュメントを撮像する際に用いる、撮像補助シート、及びファイルの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトなデジタルカメラ、携帯電話やスマートフォンに搭載されたデジタルカメラは、数百万画素以上の高精度撮影が可能になってきており、風景や人物等の撮影のみならず、紙製のドキュメント、メモや名刺等を撮影するために用いられることが多くなってきている。
【0003】
代表的なスマートフォンであるアップル社のiPhone(登録商標)等に搭載されたデジタルカメラで撮影した紙媒体の表面画像を読み込んで、当該紙媒体の所定位置に設けられたシンボルコードを検出して、当該シンボルコードを基準に算出された所定領域にある画像データのみを切り出して切出画像データとして取得してこれを保存することができる画像処理システムが知られている(特許文献1)。
【0004】
また、綴込用具の一例として、綴込用具に嵌合する嵌合孔の上部、下部、又は上下部に嵌合孔を設け嵌合孔間を切断した用紙や、複数の嵌合孔が括れ部を介して接するように設けられた用紙が知られている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4904426号公報
【特許文献2】実開昭49−90223号公報
【特許文献3】特開平11−115364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯端末などのデジタルカメラを用いて紙製のドキュメント、メモや名刺等の撮像対象物を撮影し画像データを保存する技術が普及している。撮像対象物が例えば白色の場合には、撮像対象物の黒色のシートを配置することで、撮像対象物とシートとの色値差により、撮像対象物の外郭を検出して、画像データを取り込むことができる。このような技術において、撮像対象物の外郭を検出するためには、撮像対象物の外周の外側にシートの外周が位置する必要がある。
【0007】
上記技術を応用して、挿通具を有するファイルに綴じられた撮像対象物の画像データを保存する場合には、撮像対象物と共にシートもファイルに綴じることが考えられる。これにより、シートの紛失を抑制することができ、持ち運びも容易となり、利便性も向上する。但し、撮像対象物の外周の外側にシートの外周が位置するようにシートを綴じると、シートをめくる際、挿通具側のシートの端部がファイルの背の内側と干渉する。その結果、シートをめくる動作が阻害されるだけでなく、ファイルに綴じられた撮像対象物をめくる動作も阻害されてしまう。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ファイルに綴じられた撮像対象物の外郭を容易に検出可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、撮像対象物と、当該撮像対象物の色値とは異なる色値で形成された撮像補助シートと、前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを挿通具を用いて綴じるファイルと、撮像手段と、前記撮像補助シートの上に前記撮像対象物を載置して前記撮像手段が前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを撮像すると、撮像された画像を原画像データとして取得し、当該原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出して前記撮像対象物に相当する画像データを切り出して切出画像をデータとして取得する処理を行う中央処理装置と、当該切出画像のデータを登録する画像データ保存手段と、を有する画像処理システムに用いられる撮像補助シートであって、前記撮像補助シートは、前記ファイルに設けられた前記挿通具を挿通させて当該ファイルに綴じるための被挿通部を有し、前記被挿通部は、前記撮像補助シートが、前記挿通具を挿通した状態で、第1の位置と第2の位置とをスライド移動自在に形成され、前記挿通具が前記第2の位置にあるとき、前記補助シートの外周が前記撮像対象物の外周の外側に位置し、前記中央処理装置が前記原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出する。
【0010】
本発明では、撮像補助シートに被挿通部が設けられ、挿通具を挿通した状態で、撮像補助シートが第1の位置と第2の位置とをスライド移動自在である。そのため、挿通具が第2の位置にあるとき、補助シートの外周が撮像対象物の外周の外側に位置する。その結果、中央処理装置が原画像データから撮像対象物と撮像補助シートとの色値の違いを検出することができる。また、第1の位置は、ファイルに綴じられた撮像対象物や撮像補助シートをめくり易い位置とすることができる。第1の位置をめくり易い位置とすることで、めくり易く、かつ、ファイルに綴じられた撮像対象物の外郭を容易に検出可能な技術を提供することができる。なお、携帯端末は、携帯端末とネットワークを介して接続されたサーバの記憶装置に、画像データを送信する送信手段を更に備える構成としてもよい。
【0011】
ここで、前記被挿通部は、前記撮像補助シートの一側端の近傍に設けられた第1端部と、前記一側端との距離よりも前記第2端部と前記一側端との距離のほうが長くなる位置に設けられた第2端部とを少なくとも有し、前記撮像補助シートが、前記挿通具と前記第1端部とが接近する第1の位置と、前記挿通具と前記第2端部とが接近する第2の位置と、の間をスライド移動自在としてもよい。第1の位置では、挿通具が、撮像補助シートの一側端の近傍に設けられた第1端部と接近するため、撮像補助シートの端部がファイルの背と干渉することが抑制される。そのため、ファイルに綴じられた撮像対象物や撮像補助シートを容易にめくることができる。また、第2の位置では、挿通具が、挿通具と一側端との距離よりも第2端部と一側端との距離のほうが長くなる位置に設けられた第2端部と接近するため、補助シートの外周が撮像対象物の外周の外側に位置する。その結果、中央処理装置が原画像データから撮像対象物と撮像補助シートとの色値の違いを検出することができる。
【0012】
また、前記被挿通部は、前記第1端部と前記第2端部とを結ぶ方向と直行する方向の長さが、前記挿通具の直径と略同じとしてもよい。これにより、挿通具と被挿通部との間に適度の抵抗が生じる。その結果、撮像補助シートの移動を抑制することができ、撮像補助シートを任意の位置(例えば、第1の位置又は第2の位置)で固定することができる。
【0013】
また、前記撮像補助シートは、前記撮像対象物よりも大きな面積を有し、前記撮像補助シートと前記撮像対象物とがともにファイルに綴じられた状態で当該撮像補助シートが前記第2の位置にあるとき、両者が互いに重合すると、前記撮像補助シートの外周はすべて前記撮像対象物の外周の外側に位置するようにしてもよい。撮像補助シートは、撮像対象物よりも大きな面積とすることで、より確実に補助シートの外周を撮像対象物の外周の外側に位置させることができる。なお、撮像対象物で覆われる領域は、例えば一部がくり抜かれていてもよく、撮像補助シートは必ずしも撮像対象物よりも大きな面積でなくともよ
い。また、撮像補助シートの外周がすべて撮像対象物の外周の外側に位置するようにすることで、撮像対象物の外郭の検出がより確実となる。但し、例えば、撮像補助シートの外周の一部が撮像対象物の外周の外側の位置しない領域が存在しても、中央処理装置が保管処理を行うことで、周囲の位置関係から撮像対象物の外郭(外周の位置)は補完することができる。したがって、撮像補助シートの外周の全てが撮像対象物の外側に位置しなくてもよい。
【0014】
また、前記撮像補助シートは、前記撮像補助シートと前記撮像対象物とがともにファイルに綴じられた状態で当該撮像補助シートが前記第1の位置にあるとき、両者が互いに重合すると、前記撮像対象物の一側端は、前記撮像補助シートの一側端の外側に位置しないようにしてもよい。これにより、撮像補助シートとファイルの背との干渉が抑制され、容易に撮像補助シートや撮像対象物をめくることができる。
【0015】
また、前記撮像補助シートは、前記第1端部から撮像補助シートの一側端にかけて連設され、前記撮像補助シートが前記第1の位置にあるとき、当該第1の位置から前記第2の位置へ向かう方向と逆の方向へスライド移動させて前記撮像補助シートを前記挿通具から離脱させるための通過部を有するようにしてもよい。これにより、挿通具を開閉することなく、撮像補助シートをファイルに対して脱着自在となり、利便性が向上する。
【0016】
本発明は、以下のように特定してもよい。すなわち、本発明は、撮像対象物と、当該撮像対象物の色値とは異なる色値で形成された撮像補助シートと、前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを挿通具を用いて綴じるファイルと、撮像手段と、前記撮像補助シートの上に前記撮像対象物を載置して前記撮像手段が前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを撮像すると、撮像された画像を原画像データとして取得し、当該原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出して前記撮像対象物に相当する画像データをのみを切り出して切出画像をデータとして取得するための処理を行う中央処理装置と、当該切出画像のデータを登録する画像データ保存手段と、により構成される画像処理システムに用いられる撮像補助シートであって、前記撮像補助シートは、前記ファイルに設けられた前記挿通具を挿通させて当該ファイルに綴じるための綴じ孔部を有し、前記綴じ孔部は、前記撮像補助シートを第1の位置で前記ファイルに綴じるための第1綴じ孔部と、前記第1の位置と異なる第2の位置で前記ファイルに綴じるための第2綴じ孔部と、を有し、前記第1綴じ孔部は前記撮像補助シートの一側端の近傍に配され、前記第2綴じ孔部は、前記第1綴じ孔部と前記一側端との距離よりも前記第2綴じ孔部と前記一側端との距離のほうが長くなる位置に配される。第1の位置、第2の位置を夫々孔部によって形成することで、撮像補助シートの第1の位置又は第2の位置における移動を規制することができる。
【0017】
また、前記撮像補助シートは、前記第1綴じ孔部と前記第2綴じ孔部とはスライド孔部を介して連設され、前記挿通具が前記第1綴じ孔部もしくは前記第2綴じ孔部に挿通した状態で、前記挿通具が一方の挿通具から前記スライド孔部を経て他方の綴じ孔部へ移動自在としてもよい。これにより、挿通具を開閉することなく、撮像補助シートを第1の位置又は第2の位置へ自在に移動させることができる。
【0018】
また、前記第1綴じ孔部および前記第2綴じ孔部は、ともに前記挿通具の断面積よりも大きい面積を有する略円形であり、前記スライド孔部は、前記第1綴じ孔部と前記第2綴じ孔部とを結ぶ方向と直行する方向の長さが前記第1綴じ孔部および前記第2綴じ孔部の直径よりも短く、且つ前記挿通具がスライド移動することが可能な幅を有するようにしてもよい。これにより、撮像補助シートを第1の位置、又は第2の位置に誘導することができ、また、第1の位置、又は第2の位置での移動を規制することができる。
【0019】
ここで、本発明は、上述した画像処理システムで用いられる、撮像手段、中央処理装置、画像データ保存手段を備える携帯端末として特定することもできる。また、本発明は、上述した中央処理装置で実行可能な画像処理プログラムとして特定することができる。例えば、本発明は、携帯端末の中央処理装置に、撮像対象物の色値とは異なる色値で形成された撮像補助シートの上に前記撮像対象物を載置して撮像手段で前記撮像対象物と前記撮像補助シートとを撮像すると、撮像された画像を原画像データとして取得し、当該原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出して前記撮像対象物に相当する画像データを切り出して切出画像をデータとして取得する処理ステップと、当該切出画像のデータを登録する画像データ保存ステップとを実行させ、前記撮像補助シートは、前記ファイルに設けられた前記挿通具を挿通させて当該ファイルに綴じるための被挿通部を有し、前記被挿通部は、前記撮像補助シートが、前記挿通具を挿通した状態で、第1の位置と第2の位置とをスライド移動自在に形成され、前記処理ステップでは、前記挿通具が前記第2の位置にあるとき、前記補助シートの外周が前記撮像対象物の外周の外側に位置し、前記中央処理装置が前記原画像データから前記撮像対象物と前記撮像補助シートとの色値の違いを検出する、画像処理プログラムである。また、本発明は、上述した携帯端末で実行可能な画像処理方法として特定することができる。
【0020】
また、本発明は、上述した携帯端末と、この携帯端末とネットワークを介して接続されるサーバであって、画像データを記憶する記憶装置を有するサーバとを備える画像処理システムとして特定することもできる。画像処理システムには、上述した撮像補助シート、ファイルのうち、少なくとも何れか一つを含めてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ファイルに綴じられた撮像対象物の外郭を容易に検出可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、第1実施形態に係る画像処理システムを説明する図を示す。
図2図2は、第1実施形態に係るファイルの挿通具を開いた状態を示す。
図3図3は、第1実施形態に係る撮像補助シートが第1の位置にある状態の斜視図を示す。
図4図4は、第1実施形態に係る撮像補助シートが第2の位置にある状態の上面図を示す。
図5A図5Aは、第1実施形態に係る撮像補助シートが第1の位置にある状態の上面図を示す。
図5B図5Bは、第1実施形態に係る撮像補助シートが第2の位置にある状態を示す。
図6A図6Aは、第1実施形態に係るカメラ付きスマートフォンの構成図を示す。
図6B図6Bは、第1実施形態に係る画像処理システムをネットワークで利用する場合の説明図を示す。
図7図7は、第1実施形態に係る画像処理システムで行われる画像処理フローを示す。
図8図8は、第2実施形態に係る撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
図9A図9Aは、第2実施形態に係る撮像補助シートが第1の位置にある状態の上面図を示す。
図9B図9Bは、第2実施形態に係る撮像補助シートが第2の位置にある状態の上面図を示す。
図10図10は、第3実施形態に係る、用紙及び撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
図11図11は、第4実施形態に係る、用紙及び撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
図12図12は、第5実施形態に係る、用紙及び撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
図13図13は、第6実施形態に係る、用紙及び撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
図14図14は、第7実施形態に係る、用紙及び撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
図15図15は、第8実施形態に係る、用紙及び撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
図16図16は、第9実施形態に係る、用紙及び撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
図17図17は、第10実施形態に係る、用紙及び撮像補助シートが綴じられたファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態として、携帯端末としてのスマートフォン1、ファイル2、撮像補助シート3、用紙4(撮像対象物)を含む画像処理システムを例に説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこの実施の形態の構成に限定されるものではない。
【0024】
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態に係る画像処理システムは、携帯端末としてのカメラ付きスマートフォン1、ファイル2、撮像補助シート3、撮像対象物としての用紙4を含む。
【0025】
<<ファイル>>
図1から図4に示すように、ファイル2は、表表紙21、背表紙22、裏表紙23、挿通具24によって構成されている。第1実施形態に係るファイル2は、背表紙22の幅方向の両端部の薄肉ヒンジを介して表表紙21及び裏表紙23が連なっている。また、背表紙22の内側には、開閉自在な2つのO型リングからなる挿通具24が設けられている。挿通具24を開状態とすることで、挿通具24に対応する位置に孔41が形成された用紙4をファイル2に綴じることができる。また、挿通具24を閉状態とすることで、用紙4を綴じたまま、自由にめくることができる。ファイル2や撮像補助シート3の色は特に限定されない。なお、ファイル2の態様は、上記に限定されるものではない。ファイル2には、既存のファイルを適宜用いることができる。
【0026】
<<撮像補助シート>>
撮像補助シート3は、用紙4の色値とは異なる色値で形成され、かつ、用紙4の面積よりも大きい面積を有している。第1実施形態では、用紙4が白色であり、撮像補助シート3は黒色である。撮像補助シート3と用紙4の色値が異なっていればよく、配色は上記に限定されない。撮像補助シート3には、挿通具24が挿通する細長状の被挿通部30が、挿通具24に対応する位置に2カ所設けられている。被挿通部30の幅は、挿通具24の径とほぼ同じである。被挿通部30は、通過部31、第1端部32、第2端部33を含む。通過部31は、撮像補助シート3の挿通具24側の一側端に設けられ、間口は挿通具24の径よりも大きく、他側端側(被挿通部30側)に向けて徐々に狭くなっており、被挿通部30と連通している。第1端部32は、被挿通部30の挿通具24側(一側端側)の端部である。通過部31は、挿通具24の径よりも狭く形成されている。第2端部33は、被挿通部30とは反対側(他側端側)の端部である。図5Aに示すように、挿通具24が第1端部32と接する第1の位置にあるとき、撮像補助シート3の外周のうち、挿通具
24側(一側端側)の辺を除く3辺が、用紙4の外周の外側に位置する。一方、図5Bに示すように、挿通具24が第2端部33と接する第2の位置にあるとき、撮像補助シート3の全ての外周が用紙4の外周の外側に位置する。被挿通部30の長さは、撮像補助シート3が第2の位置にあるとき、撮像補助シート3のスライド方向における、用紙4の外周の外側に露出する撮像補助シート3の露出領域に基づいて設計されている。すなわち、被挿通部30の長さは、撮像補助シート3が第2の位置にあるとき、撮像補助シート3のスライド方向において、用紙4の外周の外側に撮像補助シート3が露出するよう設計されている。露出領域は、スマートフォン1のカメラ11で用紙4及び撮像補助シート3を撮影した際に、中央処理装置12が撮像補助シート3として認識できる程度の面積を有していればよい。
【0027】
<<スマートフォン>>
図6Aは、第1実施形態に係るカメラ付きスマートフォンの構成図を示す。スマートフォン1は、たとえばアップル社のiPhone(登録商標)、Android携帯(Android:登録商標)である。
【0028】
スマートフォン1では、カメラ11が撮像補助シート3の上に用紙4が載置された状態で用紙4と撮像補助シート3とが撮像されると、中央処理装置(CPU)12によって、撮像された画像が原画像データとして取得され、原画像データから用紙4と撮像補助シート3との色値の違いが検出される。すなわち、色値の違いにより、用紙4の外郭が認識され、用紙4が検出される。検出された用紙4に相当する画像データが切り出され切出画像データとしてメモリユニット17に保存される。
【0029】
スマートフォン1の本体には、ホームボタン14が設けられており、ディスプレイ15に表示されるアイコンやメニューをホーム画面に復帰させたり、カメラ11のシャッターとして機能させるようになっている。
【0030】
スマートフォン1は、中央処理装置12を中心にメインメモリ13、バス16を介して接続されたメモリユニット17、通信インターフェース18、カメラ11、ホームボタン14、タッチパネル19とディスプレイ15が一体化されたタッチパネルディスプレイ、スピーカ20を有している。
【0031】
通信インターフェース18は、図6Bに示すように、無線電話回線を通じて基地局51を経由して汎用のネットワーク52に接続可能となっている。また、この通信インターフェース18は、無線LANのアクセスポイント53と通信可能となっており、いずれかの通信手段を経由してネットワーク52への接続が可能となっている。
【0032】
メモリユニット17には、オペレーティングシステム(OS)とともに、画像処理アプリケーションプログラム(APL)、原画像データや文字情報を保持するためのユーザデータエリア(UDT)が設けられている。
【0033】
用紙4と撮像補助シート3の撮像およびその画像処理は、メモリユニット17の画像処理アプリケーションプログラム(APL)をバス16およびメインメモリ13を介して中央処理装置12が読み込んで順次実行することによって実現される。
【0034】
<<画像処理>>
次に、第1実施形態に係る画像処理システムで行われる画像処理について説明する。図7は、第1実施形態に係る画像処理システムで行われる画像処理フローを示す。画像処理の準備工程として、ユーザによって、撮像補助シート3が第1の位置にスライドされる。これにより、図5Bに示すように、撮像補助シート3の全ての外周が用紙4の外周の外側
に位置する。
【0035】
ステップ01では、ユーザのタッチパネル19のタッチ操作により、本画像処理アプリケーションプログラム(APL)が選択されると、中央処理装置12は、画像処理アプリケーションプログラム(APL)を起動する。これにより、カメラ11の機能が作動状態となり、撮像対象物である用紙4の撮影が可能となる。画像処理アプリケーションプログラム(APL)が起動されると、ステップ02へ進む。
【0036】
ステップ02では、ユーザの操作により、撮像補助シート3と用紙4とが撮像され、中央処理装置12は、撮像画像を原画像データとして、メモリユニット17の所定の領域に一時保存する。原画像データが保存されると、ステップ03へ進む。
【0037】
ステップ03では、中央処理装置12は、原画像データから、用紙4を検出する。用紙4の検出は、原画像データから用紙4と撮像補助シート3との色値の違いが検出され、色値の違いにより、用紙4の外郭が認識され、用紙4が検出される。用紙4が検出された場合、ステップ04へ進む。一方、用紙4が検出されなかった場合、ステップ02へ戻り、再度用紙4が撮像される。
【0038】
ステップ04では、中央処理装置12は、検出された用紙4に相当する画像データを切り出し、切出画像データとしてメモリユニット17に保存する。中央処理装置12は、原画像データを保存する際、原画像データの採用が決定されたことを通知するため、シャッター音をスピーカ20から出力させてもよい。なお、ステップ03において用紙4を検出しなかった場合でも、ステップ02で原画像を一時保存する際にシャッター音を発生させてもよい。原画像データが保存されると、画像処理が終了する。
【0039】
なお、中央処理装置12は、台形補正を行ってもよい。台形補正は、設定条件に応じて行えばよい。台形補正を行う場合、中央処理装置12は、例えば、用紙4の外郭(エッジ)を認識し、斜め方向から撮影しているために台形状態となっているエッジを方形に補正(台形補正)する。台形補正には、既存の技術を適宜用いることができる。
【0040】
ここで、以上の説明では、スマートフォン1で全ての処理を行う場合で説明したが、処理の一部は、ネットワーク52を介して接続されたサーバ54に実行させてもよい。
【0041】
たとえば、カメラ11により用紙4の撮影を行った後、中央処理装置12は、原画像データを一旦メモリユニット17に保存するとともに、通信インターフェース18およびネットワーク52を介してサーバ54に送信する。
【0042】
原画像データを受信したサーバ54ではサーバに格納した画像処理アプリケーションプログラム(APL)に基づいて、原画像データから用紙4を検出し、検出された用紙4に相当する画像データを切り出して画像データとしてサーバ54に保存するようにしてもよい。
【0043】
サーバ54に保存された画像データは、スマートフォン1からネットワーク52を介してアクセスできるようにしてもよい。
【0044】
<<効果>>
第1実施形態に係る画像処理システムでは、撮像補助シート3に被挿通部30が設けられ、挿通具24を挿通した状態で、撮像補助シート3が第1の位置と第2の位置とをスライド移動自在である。撮像補助シート3が第1の位置にある場合、ファイル2に綴じられた用紙4や撮像補助シート3を容易にめくることができる。また、撮像補助シート3が第
2の位置にある場合、撮像補助シート3の外周が用紙4の外周の外側に位置する。そのため、中央処理装置12は、原画像データから用紙4と撮像補助シート3との色値の違いを検出して、ファイル2に綴じられた用紙4の外郭を容易に検出することができる。
【0045】
<他の実施形態>
以下、他の実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同様の構成については同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0046】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る、撮像補助シート3aが綴じられたファイル2を示す。第2実施形態に係る撮像補助シート3aは、被挿通部30に代わり、挿通具24が挿通する細長状の綴じ孔部30aが、挿通具24に対応する位置に2カ所設けられている。綴じ孔部30aは、通過部31a、第1綴じ孔部32a、スライド孔部35a、第2綴じ孔部33aを含む。通過部31aは、撮像補助シート3aの挿通具24側の一側端に設けられ、間口は挿通具24の径よりも大きく、他側端側(被挿通部側)に向けて徐々に狭くなっており、第1綴じ孔部32aと連通している。第1綴じ孔部32aは、綴じ孔部30aの挿通具24側(一側端側)の端部に位置する。通過部31aは、挿通具24の径よりも狭く形成されている。第2綴じ孔部33aは、綴じ孔部30aとは反対側(他側端側)の端部に設けられている。図9Aに示すように、挿通具24が第1の位置としての第1綴じ孔部32aにあるとき、撮像補助シート3aの外周のうち、挿通具24側(一側端側)の辺を除く3辺が、用紙4の外周の外側に位置する。一方、図9Bに示すように、挿通具24が第2の位置としての第2綴じ孔部33aにあるとき、撮像補助シート3aの全ての外周が用紙4の外周の外側に位置する。第1綴じ孔部32aおよび第2綴じ孔部33aは、ともに挿通具24の断面積よりも大きい面積を有する略円形である。スライド孔部35aは、その幅が第1綴じ孔部32aおよび第2綴じ孔部33aの直径よりも短く、且つ挿通具24がスライド移動することが可能な幅を有する。
【0047】
第2実施形態に係る撮像補助シート3aにおいても、挿通具24を挿通した状態で、撮像補助シート3aが第1の位置と第2の位置とをスライド移動自在である。撮像補助シート3aが第1の位置にある場合、ファイル2に綴じられた用紙4や撮像補助シート3aを容易にめくることができる。また、撮像補助シート3aが第2の位置にある場合、撮像補助シート3aの外周が用紙4の外周の外側に位置する。そのため、中央処理装置12は、原画像データから用紙4と撮像補助シート3aとの色値の違いを検出して、ファイル2に綴じられた用紙4の外郭を容易に検出することができる。また、第1の位置、第2の位置を夫々第1綴じ孔部32a、第2綴じ孔部33aによって形成することで、撮像補助シート3aの第1の位置又は第2の位置における移動を規制することができる。また、スライド孔部35aを備えることで、挿通具24を開閉することなく、撮像補助シート3aを第1の位置又は第2の位置へ自在に移動させることができる。更に、スライド孔部35aの幅が第1綴じ孔部32aおよび第2綴じ孔部33aの直径よりも短く、且つ挿通具24がスライド移動することが可能な幅を有しているため、撮像補助シート3aを第1の位置、又は第2の位置に誘導することができ、また、第1の位置、又は第2の位置での移動を規制することができる。
【0048】
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態に係る、用紙4及び撮像補助シート3bが綴じられたファイル2を示す。第3実施形態に係る撮像補助シート3bは、袋状の外側シート6と、外側シート6に内包自在な長方形の内側シート7とによって構成されている。外側シート6の一側端には、挿通具24に対応する位置に被挿通部30が2カ所設けられている。これにより、外側シート6は、第1の位置と第2の位置との間をスライド自在である。また、外側シート6の他側端には、内側シート7を引き出すための半円状の切欠61が設けられている
【0049】
図10(a)に示すように、外側シート6に内側シート7を内包し、かつ、外側シート6を第1の位置とすることで、第3実施形態に係る撮像補助シート3bを容易にめくることができる。図10(b)に示すように、外側シート6から内側シート7を引き出すことで、第3実施形態に係る撮像補助シート3bの表面積を増やすことができ、この状態で外側シート6を第2の位置へスライドすることで、図10(c)に示すように、第3実施形態に係る撮像補助シート3bの全ての外周が第1実施形態の用紙4よりも大きい用紙4aの外周の外側に位置する。例えば、第1実施形態の用紙4がA4サイズであれば、第3実施形態の用紙4aはA3サイズとすることができる。A3サイズの用紙4aを折り畳んでファイル2に綴じておき、外側シート6から内側シート7を引き出し、更に、外側シート6を第2の位置へスライドする。これにより、第3実施形態に係る撮像補助シート3bの全ての外周がA3サイズの用紙4aの外周の外側に位置する。図10(c)に示す状態で、スマートフォン1のカメラ11で用紙4a及び撮像補助シート3bを撮影することで、A3サイズの用紙4aを認識することが可能となる。
【0050】
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態に係る、用紙4a及び撮像補助シート3cが綴じられたファイル2を示す。第4実施形態に係る撮像補助シート3cは、第1実施形態の撮像補助シート3の2倍の面積を有し、中央で折り畳み自在となっている。第4実施形態に係る撮像補助シート3cを開いた際の一側端には、挿通具24に対応する位置に被挿通部30が2カ所設けられている。これにより、第4実施形態に係る撮像補助シート3cは、第1の位置と第2の位置との間をスライド自在である。また、第4実施形態に係る撮像補助シート3cを開いた際の他側端には、第4実施形態に係る撮像補助シート3cを折り畳んだ際に挿通具24を収容するためのU字状の切欠62が設けられている。
【0051】
図11(a)に示すように、第4実施形態に係る撮像補助シート3cを折り畳み、かつ、第1の位置とすることで、撮像補助シート3cを容易にめくることができる。図11(b)に示すように、第4実施形態に係る撮像補助シート3cを開くことで、撮像補助シート3cの表面積を増やすことができる。また、第4実施形態に係る撮像補助シート3cを第2の位置へスライドすることで、図11(c)に示すように、撮像補助シート3cの全ての外周が第1実施形態の用紙4よりも大きい用紙4aの外周の外側に位置する。例えば、第1実施形態の用紙4がA4サイズであれば、第4実施形態の用紙4aはA3サイズとすることができる。図11(c)に示す状態で、スマートフォン1のカメラ11で用紙4a及び撮像補助シート3cを撮影することで、例えばA3サイズの用紙4aを認識することが可能となる。
【0052】
<第5実施形態>
図12は、第5実施形態に係る、用紙4a及び撮像補助シート3dが綴じられたファイル2を示す。第5実施形態に係る撮像補助シート3dは、第2内側シート7aと、第2内側シート7aを内包自在な第2外側シート6aとによって構成されている。第2内側シート7aは、第1実施形態に係る撮像補助シート3の構成と同じであり、一側端には、挿通具24に対応する位置に被挿通部30が2カ所設けられている。これにより、第2内側シート7aは、第1の位置と第2の位置との間をスライド自在である。また、第2外側シート6aは、袋状であり、第2内側シート7aを内包自在である。また、第2外側シート6aは、C字状であり、第2内側シート7aを内包した際、一側端が挿通具24と干渉しないよう構成されている。
【0053】
図12(a)に示すように、第2内側シート7aを第2外側シート6aに内包し、かつ、第2内側シート7aを第1の位置とすることで、第5実施形態に係る撮像補助シート3
cを容易にめくることができる。図12(b)に示すように、第2外側シート6aを引き出すことで、撮像補助シート3dの表面積を増やすことができる。第5実施形態に係る撮像補助シート3dは、第2外側シート6aがC字状であるため、第4実施形態に係る撮像補助シート3cよりも総面積は小さい。但し、第2外側シート6aを引き出した状態で第2内側シート7aを第2の位置へスライドすることで、図12(c)に示すように、第5実施形態に係る撮像補助シート3dの全ての外周が第1実施形態の用紙4よりも大きい用紙4aの外周の外側に位置する。例えば、第1実施形態の用紙4がA4サイズであれば、第5実施形態の用紙4aはA3サイズとすることができる。図12(c)に示す状態で、スマートフォン1のカメラ11で用紙4a及び撮像補助シート3dを撮影することで、例えばA3サイズの用紙4aを認識することが可能となる。
【0054】
<第6実施形態>
図13は、第6実施形態に係る、用紙4及び撮像補助シート3eが綴じられたファイル2を示す。第6実施形態に係る撮像補助シート3eは、E字状の第3内側シート7bと、第3内側シート7bを内包自在な袋状の第3外側シート6bとによって構成されている。第3内側シート7bは、E字状であり、3本の帯状部71が第3外側シート6b一側端側(挿通具24側)から引き出し自在である。第3外側シート6bの一側端には、挿通具24に対応する位置に挿通具24を挿通する孔61が2カ所設けられている。
【0055】
第6実施形態では、図13(a)に示すように、第3内側シート7bが第3外側シート6bに内包された状態が、第6実施形態に係る撮像補助シート3における第1の位置となる。この状態では、第6実施形態に係る撮像補助シート3eを容易にめくることができる。図13(b)に示すように、第3内側シート7bを引き出した状態が、第6実施形態に係る撮像補助シート3eにおける第2の位置となる。この状態では、第3内側シート7bが引き出されることで、第6実施形態に係る撮像補助シート3eの周囲が用紙4の周囲の外側に位置することになる。すなわち、図13(b)に示す状態で、スマートフォン1のカメラ11で用紙4及び撮像補助シート3を撮影することで、用紙4を認識することが可能となる。なお、第3内側シート7bがE字状であるため、帯状部71同士の間では、用紙4の裏側に撮像補助シート3eが配置されなくなる。但し、帯状部71同士の間は、帯状部71上にある用紙4の外周を結ぶよう中央処理装置12で保管処理を行えばよい。
【0056】
<第7実施形態>
図14は、第7実施形態に係る、用紙4及び撮像補助シート3fが綴じられたファイル2を示す。第7実施形態に係る撮像補助シート3fは、第3実施形態に係る撮像補助シート3bと、第6実施形態に係る撮像補助シート3eの双方の機能を兼ね備える。具体的には、第7実施形態に係る撮像補助シート3fは、袋状の第4外側シート6cと、第4外側シート6cに内包されるE字状の第3内側シート7bと、同じく第4外側シート6cに内包される長方形の内側シート7とによって構成されている。第4外側シート6cは、左右方向の両側端が開放されており、一側端側(挿通具24側)からはE字状の第3内側シート7bが引き出し自在であり、他端側(挿通具24の反対側)からは長方形の内側シート7が引き出し自在である。
【0057】
第7実施形態では、図14(a)に示すように、第3内側シート7b及び内側シート7が第4外側シート6cに内包され、かつ、第7実施形態に係る撮像補助シート3fが第1の位置にあることで、撮像補助シート3fを容易にめくることができる。図14(b)に示すように、第3内側シート7bを十分に引き出した状態では、ファイル2の表表紙21側にある用紙4の認識が可能となる。すなわち、第3内側シート7bが引き出されることで、第7実施形態に係る撮像補助シート3fを構成する第3内側シート7bの周囲が表表紙21側にある用紙4の周囲の外側に位置することになる。したがって、図14(b)に示す状態で、スマートフォン1のカメラ11で表表紙21側にある用紙4及び第7実施形
態に係る撮像補助シート3fを構成する第3内側シート7bを撮影することで、表表紙21側にある用紙4を認識することが可能となる。また、図14(c)に示すように、内側シート7と第3内側シート7bとをともに引き出すことで、第7実施形態に係る撮像補助シート3を構成する、第4外側シート6c及び内側シート7の外周が、裏表紙23側にある、例えばA3サイズの用紙4aの外周の外側に位置する。すなわち、第3内側シート7bを引き出した状態が、第7実施形態に係る撮像補助シート3eにおける第2の位置となる。図14(c)に示す状態で、スマートフォン1のカメラ11で用紙4a及び撮像補助シート3を撮影することで、A3サイズの用紙4aを認識することが可能となる。第7実施形態に係る撮像補助シート3fでは、例えばA4サイズの用紙4とA3サイズの用紙4aが連続して綴じられている場合にも、表表紙21側でA4サイズの用紙4を認識し、裏表紙23側でA3サイズの用紙4aを認識することが可能となる。また、A4サイズの用紙4であれば、用紙4をめくるだけで、用紙4の両面を認識することができる。
【0058】
<第8実施形態>
図15は、第8実施形態に係る、用紙4及び撮像補助シート3gが綴じられたファイル2を示す。第8実施形態に係る撮像補助シート3gは、被挿通部30aが一側端から他側端に向けて延び、第2端部33bが当該他側端の近傍に位置している。そのため、第2の位置は、撮像補助シート3gが、第2端部33bが挿通部24の近傍に至る位置にある必要はなく、第8実施形態に係る撮像補助シート3gの外周が用紙4の外周の外側にくる位置であれば任意の位置でよい。第8実施形態に係る撮像補助シート3gは、第1の位置と第2の位置との間をスライド自在であり、第1の位置では撮像補助シート3gを容易にめくることができる。また、第2の位置では、用紙4を認識することが可能となる。
【0059】
なお、図15に示すように、第8実施形態に係る撮像補助シート3gは、裏表紙23側にある第8実施形態に係る撮像補助シート3g(図15(a))をめくって表表紙21側に移動させ(図15(b))、更に、撮像補助シート3gを裏表紙23側にスライドさせることができる。その結果、例えば、裏表紙23側にある用紙4の一部を押さえることが可能となり、第8実施形態に係る撮像補助シート3gは、第二の位置にあるときにはファイルが不意に閉じることを抑制することもできる。
【0060】
<第9実施形態>
図16は、第9実施形態に係る、用紙4及び撮像補助シート3が綴じられたファイル2を示す。図16では、用紙4を一点鎖線で示す。第9実施形態に係る撮像補助シート3hは、被挿通部30cが十字状である。したがって、撮像補助シート3hは、左右方向だけでなく、上下方向にもスライド自在である。図16(A)は、撮像補助シート3hが第1の位置にある状態を示す。この状態では、撮像補助シート3hを容易にめくることができる。図16(B)は、撮像補助シート3hが第3の位置にある状態を示す。この状態では、撮像補助シート3hが上側に寄ることから、例えば、撮像補助シート3hをしおりとして機能させることができる。図16(C)は、撮像補助シート3hが第2の位置にある状態を示す。この状態では、撮像補助シート3hの周囲が用紙4の周囲の外側に位置する。この状態で撮像補助シート3hと用紙4をスマートフォン1のカメラ11で撮影することで、用紙4を認識することができる。図16(D)は、撮像補助シート3hが第4の位置にある状態を示す。この状態では、撮像補助シート3hが下側に寄ることから、例えば、撮像補助シート3hをしおりとして機能させることができる。
【0061】
撮像補助シート3hが第3の位置や第4の位置にある場合においても撮像補助シート3hの周囲が用紙4の周囲の外側に位置するようにしてもよい。これにより、撮像補助シート3hが第3の位置や第4の位置にある場合においても用紙4の認識が可能となる。この場合、撮像補助シート3hが第2の位置、第3の位置、第4の位置の何れにある場合でも用紙4の認識が可能となるが、撮像補助シート3hの露出の態様は夫々異なってくる。そ
こで、撮像補助シート3hの露出の態様によって、中央処理装置12が行う処理を変更するようにしてもよい。例えば、中央処理装置12は、撮像補助シート3hが第2の位置にある場合、用紙4の周囲に露出する撮像補助シート3hが均等と判断する。この場合、中央処理装置12は、認識した用紙4に対応する画像データをメモリユニット17に保存する。また、中央処理装置12は、撮像補助シート3が第3の位置にある場合、用紙4の上側の撮像補助シート3の露出面積が用紙4の下側の撮像補助シート3の露出面積よりも少ないと判断する。この場合、中央処理装置12は、認識した用紙4に対応する画像データをサーバ54のメモリに保存させる。また、中央処理装置12は、撮像補助シート3hが第4の位置にある場合、用紙4の上側の撮像補助シート3hの露出面積が用紙4の下側の撮像補助シート3hの露出面積よりも多いと判断する。この場合、中央処理装置12は、認識した用紙4に対応する画像データの保存先を選択させる画面を表示させ、選択に応じて画像データを保存する。このように、被挿通部30cの形状を工夫することで、更なる機能を持たせることができる。
【0062】
<第10実施形態>
図17は、第10実施形態に係る、用紙4及び撮像補助シート3が綴じられたファイル2を示す。第10実施形態に係る撮像補助シート3は、被挿通部30dがL字状である。その結果、撮像補助シート3iは、左右方向だけでなく、下方向にもスライド自在である。図17(A)は、撮像補助シート3が第1の位置にある状態を示す。この状態では、撮像補助シート3iを容易にめくることができる。図17(B)は、撮像補助シート3iが第2の位置にある状態を示す。この状態では、撮像補助シート3iの周囲が用紙4の周囲の外側に位置する。この状態で撮像補助シート3iと用紙4をスマートフォン1のカメラ11で撮影することで、用紙4を認識することができる。図17(C)は、撮像補助シート3iが第4の位置にある状態を示す。この状態では、撮像補助シート3iが上側に寄ることから、例えば、撮像補助シート3iをしおりとして機能させることができる。
【0063】
なお、第10実施形態に係る撮像補助シート3が第4の位置にある場合においても撮像補助シート3iの周囲が用紙4の周囲の外側に位置するようにしてもよい。これにより、撮像補助シート3iが第4の位置にある場合においても用紙4の認識が可能となる。この場合、撮像補助シート3iが第2の位置、第4の位置の何れにある場合でも用紙4の認識が可能となるが、撮像補助シート3iの露出の態様は夫々異なってくる。そこで、例えば、中央処理装置12は、撮像補助シート3iが第2の位置にある場合、用紙4の周囲に露出する撮像補助シート3iが均等と判断し、認識した用紙4に対応する画像データをメモリユニット17に保存する。また、中央処理装置12は、撮像補助シート3が第4の位置にある場合、用紙4の上側の撮像補助シート3の露出面積が用紙4の下側の撮像補助シート3の露出面積よりも多いと判断し、認識した用紙4に対応する画像データをサーバ54のメモリに保存させる。このように、被挿通部30cの形状を工夫することで、更なる機能を持たせることができる。
【0064】
なお、上記した種々の内容は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於いて可能な限り組合せることができる。
【符号の説明】
【0065】
1・・・スマートフォン
2・・・ファイル
3・・・撮像補助シート
4・・・用紙
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17