【文献】
中井 敦士(外2名),円柱物体の把持動作における指先軌道の近似モデル,ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集,日本,一般社団法人日本機械学会,2008年 6月 6日,1A1-I24(1) - 1A1-I24(2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで前記従来の挙動解析装置では、測定部による特定点の位置の測定回数が少ない場合における挙動の解析の精度を向上させることについて、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、特定点の位置の測定回数が少ない場合であっても、移動体の挙動を高精度に解析することができる挙動解析装置および挙動解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る挙動解析装置は、移動体の挙動を解析する挙動解析装置であって、前記移動体に設けられた特定点の三次元座標上の位置を、異なるタイミングで複数回測定する測定部と、前記測定部の測定結果に基づいて、前記測定部による測定開始時から測定終了時に至るまでの前記特定点の三次元座標上の理論軌跡を算出する算出部と、前記理論軌跡に基づいて前記移動体の挙動を解析する解析部と、を備え、前記算出部は、前記理論軌跡を、前記測定結果から形成されるベジェ曲線に基づいて算出
し、前記移動体は、この移動体の前後方向に移動可能であるとともに、この移動体の左右方向の中央を通り前記前後方向に延在する中心面を基準に、前記左右方向に対称とされ、前記解析部は、前記理論軌跡に基づいて、前記測定部による測定開始時から測定終了時までの間の時点における前記移動体の前記中心面の三次元座標上の向きを算出し、この中心面の向きに基づいて前記移動体の挙動を解析することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、算出部が、測定部の測定結果から形成されるベジェ曲線に基づいて特定点の理論軌跡を算出するので、例えば、測定部の測定結果をローパスフィルタ処理することで理論軌跡を算出する場合に比べて、測定開始時から測定終了時に至るまでの測定部の測定結果の1つ1つを理論軌跡の算出に寄与させ易くすることができる。これにより、特定点の位置の測定回数が少ない場合であっても、特定点の理論軌跡を精度よく算出することが可能になり、移動体の挙動を高精度に解析することができる。
また、解析部が、移動体の中心面の向きに基づいて移動体の挙動を解析するので、移動体の挙動として、例えば移動体の三次元座標上の姿勢などの多様な挙動を解析することができる。
【0008】
また、前記算出部は、三次元座標を構成する基準軸、第1補助軸および第2補助軸のうち、前記基準軸および前記第1補助軸により構成される第1座標平面上に、前記測定結果から形成される第1ベジェ曲線と、前記基準軸および前記第2補助軸により構成される第2座標平面上に、前記測定結果から形成される第2ベジェ曲線と、に基づいて前記理論軌跡を算出してもよい。
【0009】
また、前記測定部は、前記特定点を、互いに異なる複数の方向から撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記特定点の三次元座標上の位置を検出する検出部と、を備えていてもよい。
【0010】
この場合、測定部が、前記撮像部および前記検出部を備えているので、移動体に、例えば変位計や加速度計などの計測器を搭載させることなく、特定点の位置を測定することができる。ここで前記計測器を移動体に搭載させると、移動体の挙動に、前記計測器を搭載させることによる意図しない影響が生じ易くなることから、本態様のように、前記計測器を移動体に搭載させることなく特定点の位置が測定可能である場合、移動体の挙動を確実に高精度に解析することができる。
ところでこのように、測定部が、前記撮像部および前記検出部を備えている場合、撮像部により移動体を広範囲にわたって撮像すると、撮像結果における特定点の大きさが相対的に小さくなり、検出部による特定点の位置の検出精度が低下するおそれがある。そのため本態様では、移動体を一定範囲に限って撮像することが好ましいが、この場合、移動体を広範囲にわたって撮像する場合に比べて、特定点の位置の測定回数が少なくなることから、この挙動解析装置が有する前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
【0013】
また、本発明に係る挙動解析方法は、移動体の挙動を解析する挙動解析方法であって、前記移動体に設けられた特定点の三次元座標上の位置を、異なるタイミングで複数回測定する測定工程と、前記測定工程の測定結果に基づいて、前記測定工程における測定開始時から測定終了時に至るまでの前記特定点の三次元座標上の理論軌跡を算出する算出工程と、前記理論軌跡に基づいて前記移動体の挙動を解析する解析工程と、を有し、前記算出工程は、前記理論軌跡を、前記測定結果から形成されるベジェ曲線に基づいて算出
し、前記移動体は、この移動体の前後方向に移動可能であるとともに、この移動体の左右方向の中央を通り前記前後方向に延在する中心面を基準に、前記左右方向に対称とされ、前記解析工程は、前記理論軌跡に基づいて、前記測定工程における測定開始時から測定終了時までの間の時点における前記移動体の前記中心面の三次元座標上の向きを算出し、この中心面の向きに基づいて前記移動体の挙動を解析することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、算出工程の際、測定工程の測定結果から形成されるベジェ曲線に基づいて特定点の理論軌跡を算出するので、例えば、測定工程の測定結果をローパスフィルタ処理することで理論軌跡を算出する場合に比べて、測定開始時から測定終了時に至るまでの測定工程の測定結果の1つ1つを理論軌跡の算出に寄与させ易くすることができる。
これにより、特定点の位置の測定回数が少ない場合であっても、特定点の理論軌跡を精度よく算出することが可能になり、移動体の挙動を高精度に解析することができる。
また、解析工程が、移動体の中心面の向きに基づいて移動体の挙動を解析するので、移動体の挙動として、例えば移動体の三次元座標上の姿勢などの多様な挙動を解析することができる。
【0015】
また、前記算出工程は、三次元座標を構成する基準軸、第1補助軸および第2補助軸のうち、前記基準軸および前記第1補助軸により構成される第1座標平面上に、前記測定結果から形成される第1ベジェ曲線と、前記基準軸および前記第2補助軸により構成される第2座標平面上に、前記測定結果から形成される第2ベジェ曲線と、に基づいて前記理論軌跡を算出してもよい。
【0016】
また、前記測定工程は、前記特定点を、互いに異なる複数の方向から撮像する撮像工程と、前記撮像工程の撮像結果に基づいて、前記特定点の三次元座標上の位置を検出する検出工程と、を備えていてもよい。
【0017】
この場合、測定工程が、前記撮像工程および前記検出工程を備えているので、移動体に、例えば変位計や加速度計などの計測器を搭載させることなく、特定点の位置を測定することができる。ここで前記計測器を移動体に搭載させると、移動体の挙動に、前記計測器を搭載させることによる意図しない影響が生じ易くなることから、本態様のように、前記計測器を移動体に搭載させることなく特定点の位置が測定可能である場合、移動体の挙動を確実に高精度に解析することができる。
ところでこのように、測定工程が、前記撮像工程および前記検出工程を備えている場合、撮像工程において移動体を広範囲にわたって撮像すると、撮像結果における特定点の大きさが相対的に小さくなり、検出工程における特定点の位置の検出精度が低下するおそれがある。そのため本態様では、移動体を一定範囲に限って撮像することが好ましいが、この場合、移動体を広範囲にわたって撮像する場合に比べて、特定点の位置の測定回数が少なくなることから、この挙動解析方法が有する前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、特定点の位置の測定回数が少ない場合であっても、移動体の挙動を高精度に解析することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る挙動解析装置および挙動解析方法を説明する。
図1から
図3に示すように、挙動解析装置10は、移動体20の挙動を解析する。
図2に示すように、移動体20は、車体21にタイヤ22、23が装着されてなる車両であり、図示の例では自動二輪車である。車体21には、タイヤ22、23として前輪22および後輪23がそれぞれ1つずつ装着されている。挙動解析装置10は、移動体20における車体21、前輪22および後輪23それぞれにおける挙動を解析する。
【0023】
図3に示すように、移動体20は、この移動体20の前後方向に移動可能であるとともに、この移動体20の左右方向の中央を通り前後方向に延在する中心面21a、22a、23aを基準に、左右方向に実質的に対称とされている。車体21は、この車体21についての中心面である車体中心面21aを基準に左右対称とされ、タイヤ22、23は、各タイヤ22、23についての中心面であるタイヤ中心面22a、23aを基準に左右対称とされている。
【0024】
図2に示すように、移動体20には、後述する挙動解析装置10の撮像部14により撮像されるマーカ(特定点)24が設けられている。マーカ24は、移動体20とは別体に形成され、移動体20に貼り付けられている。マーカ24は、移動体20における左右方向の一方側の側面に設けられている。マーカ24は、車体21およびタイヤ22、23に各別に設けられている。マーカ24は、車体21およびタイヤ22、23それぞれに、互いに位置を異ならせて同一直線上を回避するように3つ以上ずつ設けられている。
【0025】
車体21には、複数のマーカ24が、前記一方側から見た側面視において、同一直線上を回避するように設けられている。タイヤ22、23にも、複数のマーカ24が、前記側面視において、同一直線上を回避するように設けられている。タイヤ22、23には、マーカ24が、移動体20同様、互いに位置を異ならせて同一直線上を回避するように3つ以上ずつ設けられている。
図1に示すように、移動体20は、試験コース30上を周回走行する。移動体20は、前記一方側の側面が、この移動体20の周回軌道における径方向の内側を向くように、試験コース30上を周回走行する。
【0026】
挙動解析装置10は、測定部11と算出部12と解析部13とを備えている。
測定部11は、移動体20のマーカ24の三次元座標上の位置を、異なるタイミングで複数回測定する。測定部11は、マーカ24について、互いに直交するX軸(基準軸)、Y軸(第1補助軸)およびZ軸(第2補助軸)からなる三次元座標上の位置を測定する。なお本実施形態では、X軸およびY軸により構成されるXY座標平面(第1座標平面)を水平面とし、Z軸を鉛直軸としているが、使用する測定器が各測定方向で分解能や精度が異なる場合、それに合わせる形に座標系を変えることもできる。
【0027】
測定部11は、撮像部14と検出部15とを備えている。
撮像部14は、移動体20のマーカ24を、互いに異なる複数の方向から撮像する。撮像部14は、前記周回軌道の内側に配置されている。撮像部14は、前記周回軌道のうちの一部の区間において、移動体20の前記一方側の側面を連続して撮像する。図示の例では、撮像部14は複数台の高速度カメラにより構成されている。
検出部15は、撮像部14の撮像結果に基づいて、移動体20のマーカ24の三次元座標上の位置を検出する。
【0028】
算出部12は、測定部11の測定結果に基づいて、測定部11による測定開始時から測定終了時に至るまでのマーカ24の三次元座標上の理論軌跡を算出する。
解析部13は、前記理論軌跡に基づいて移動体20の挙動を解析する。解析部13には、車体21の各マーカ24について、車体中心面21aまでの左右方向の距離であるオフセット量が記憶されている。解析部13には、タイヤ22、23の各マーカ24について、タイヤ中心面22a、23aまでのオフセット量も記憶されている。
なお図示の例では、前記検出部15、前記算出部12および前記解析部13は、共通の情報処理装置16に記憶されたプログラムにより構成されている。
【0029】
前記挙動解析装置10を用いて移動体20の挙動を解析する挙動解析方法では、まず測定部11が、移動体20のマーカ24の三次元座標上の位置を、異なるタイミングで複数回測定する(測定工程)。このとき撮像部14が、移動体20のマーカ24を、互いに異なる複数の方向から撮像し(撮像工程)、この撮像結果に基づいて、例えば検出部15が撮像結果を画像解析すること等により、マーカ24の三次元座標上の位置を検出する(検出工程)。
【0030】
その後、算出部12が、測定部11の測定結果に基づいて、測定部11による測定開始時から測定終了時に至るまでのマーカ24の三次元座標上の理論軌跡を算出する(算出工程)。このとき算出部12は、複数のマーカ24それぞれの理論曲線を各別に算出する。
ここで本実施形態では、
図4および
図5に示すように、算出部12は、理論軌跡を、測定部11の測定結果から形成されるベジェ曲線L1、L2に基づいて算出する。このとき算出部12は、
図4に破線で示す第1ベジェ曲線L1と、
図5に破線で示す第2ベジェ曲線L2と、に基づいて理論軌跡を算出する。これらのベジェ曲線L1、L2は、3次元のベジェ曲線で一度に求めることができる。
【0031】
図4に示すように、第1ベジェ曲線L1は、XY座標平面上に測定部11の測定結果から形成される。なお
図4には、測定部11の測定結果のうち、X軸方向に隣り合うもの同士が直線で結ばれることでXY座標平面上に形成される第1グラフ線G1を実線で示している。第1グラフ線G1は、X軸方向の値が増加し続けるまたは減少し続けるときに、Y軸方向に微振幅を繰り返している。
【0032】
図5に示すように、第2ベジェ曲線L2は、X軸およびZ軸により構成されるXZ座標平面(第2座標平面)上に、測定部11の測定結果から形成される。なお
図5には、測定部11の測定結果のうち、X軸方向に隣り合うもの同士が直線で結ばれることでXZ座標平面上に形成される第2グラフ線G2を実線で示している。第2グラフ線G2は、X軸方向の値が増加し続けるまたは減少し続けるときに、Z軸方向に微振幅を繰り返しながら、この微振幅の周期よりも長い周期を伴ってZ軸方向に変動している。
これらのベジェ曲線L1、L2は、マーカ24の位置の測定回数がn回の場合、n−1次の1つのベジェ曲線により形成されていてもよい。またベジェ曲線L1、L2は、3次以上の複数のベジェ曲線が繋ぎ合わせて形成されていてもよい。複数のベジェ曲線は、4次、5次のベジェ曲線であってもよい。
【0033】
そして解析部13が、理論軌跡に基づいて移動体20の挙動を解析する(解析工程)。
ここで本実施形態では、
図3に示すように、解析部13は、理論軌跡に基づいて、測定部11による測定開始時と測定終了時との間の時点(以下、基準時点という)における移動体20の中心面21a、22a、23aの三次元座標上の向きを算出する。なお解析部13は、中心面21a、22a、23aの向きとして、中心面21a、22a、23aの単位法線ベクトルを算出する。
【0034】
解析部13は、基準時点における車体中心面21aの向きおよびタイヤ中心面22a、23aの向きを各別に算出する。車体中心面21aの向きは、車体21の複数のマーカ24それぞれの理論軌跡から求められた基準時点における各マーカ24の位置と、これらのマーカ24の前記オフセット量と、に基づいて算出される。タイヤ中心面22a、23aの向きは、タイヤ22、23の複数のマーカ24それぞれの理論軌跡から求められた基準時点における各マーカ24の位置と、これらのマーカ24の前記オフセット量と、に基づいて算出される。
そして解析部13は、前記中心面21a、22a、23aの向きに基づいて移動体20の挙動を解析する。解析部13は、例えば基準時点における移動体20の操舵角や実舵角、車体21のバンク角もしくはスリップ角、タイヤ22、23のキャンバー角もしくはスリップ角などを算出する。
【0035】
なお操舵角は、車体中心面21aと、前輪22のタイヤ中心面22aと、がなす角度であり、実舵角は、路面上における操舵角の射影である。これらの操舵角や実舵角は、車体中心面21aの単位法線ベクトルと、前輪22のタイヤ中心面22aの単位法線ベクトルと、に基づいて算出される。
また車体21のバンク角は、車体中心面21aがZ軸に対して傾斜する角度であり、タイヤ22、23のキャンバー角は、タイヤ中心面22a、23aがZ軸に対して傾斜する角度である。これらのバンク角やキャンバー角は、各中心面21a、22a、23aの単位法線ベクトルに基づいて算出される。
【0036】
さらに車体21のスリップ角は、車体中心面21aが車体21の移動方向に対して傾斜する角度であり、タイヤ22、23のスリップ角は、タイヤ中心面22a、23aがタイヤ22、23の移動方向に対して傾斜する角度である。車体21のスリップ角は、車体中心面21aの単位法線ベクトルと、車体重心の速度ベクトルと、に基づいて算出される。車体重心の速度ベクトルは、車体21の複数のマーカ24の各理論軌跡から求められる車体重心の理論軌跡に基づいて算出される。タイヤ22、23のスリップ角は、タイヤ中心面22a、23aの単位法線ベクトルと、タイヤ接地点の速度ベクトルと、に基づいて算出される。タイヤ接地点の速度ベクトルは、タイヤ22、23の複数のマーカ24の各理論軌跡から求められるタイヤ接地点の理論軌跡に基づいて算出される。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る挙動解析装置10および挙動解析方法によれば、算出部12が、測定部11の測定結果から形成されるベジェ曲線L1、L2に基づいてマーカ24の理論軌跡を算出するので、例えば
図4、
図5中の鎖線C1、C2に示されるように、測定部の測定結果をローパスフィルタ処理することで理論軌跡を算出する場合に比べて、測定開始時から測定終了時に至るまでの測定部11の測定結果の1つ1つを理論軌跡の算出に寄与させ易くすることができる。これにより、マーカ24の位置の測定回数が少ない場合であっても、マーカ24の理論軌跡を精度よく算出することが可能になり、移動体20の挙動を高精度に解析することができる。
また算出部12が、第1ベジェ曲線L1および第2ベジェ曲線L2に基づいて理論軌跡を算出するので、理論軌跡を一層精度よく算出することができる。
【0038】
さらに測定部11が、前記撮像部14および前記検出部15を備えているので、移動体20に、例えば変位計や加速度計などの計測器を搭載させることなく、マーカ24の位置を測定することができる。ここで前記計測器を移動体20に搭載させると、移動体20の挙動に、前記計測器を搭載させることによる意図しない影響が生じ易くなることから、本実施形態のように、前記計測器を移動体20に搭載させることなくマーカ24の位置が測定可能である場合、移動体20の挙動を確実に高精度に解析することができる。
ところでこのように、測定部11が、前記撮像部14および前記検出部15を備えている場合、撮像部14により移動体20を広範囲にわたって撮像すると、撮像結果におけるマーカ24の大きさが相対的に小さくなり、検出部15によるマーカ24の位置の検出精度が低下するおそれがある。そのため本実施形態では、移動体20を一定範囲に限って撮像することが好ましいが、この場合、移動体20を広範囲にわたって撮像する場合に比べて、マーカ24の位置の測定回数が少なくなることから、この挙動解析装置10が有する前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
【0039】
また解析部13が、移動体20の中心面21a、22a、23aの向きに基づいて移動体20の挙動を解析するので、移動体20の挙動として、移動体20の三次元座標上の姿勢などの多様な挙動を解析することができる。
【0040】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば前記実施形態では、マーカ24が車体21およびタイヤ22、23に設けられているものとしたが、これに限られず、マーカが車体のみに設けられていたり、タイヤのみに設けられていたりしてもよい。
【0041】
また前記実施形態では、解析部13が移動体20の中心面21a、22a、23aの向きを算出するものとしたが、これに限られない。例えばマーカの理論軌跡を解析することで、移動体の挙動を解析してもよい。
さらに前記実施形態では、移動体20が自動二輪車であるものとしたが、これに限られない。例えば移動体が自動車(四輪車)であったり、自転車であったりしてもよい。また移動体が、中心面を基準に左右方向に対称でなくてもよい。
【0042】
また前記実施形態では、測定部11は、移動体20のマーカ24の位置を測定するものとしたが、これに限られない。例えば、移動体において識別が容易な形状や模様を有する部分を特定点とし、測定部がこの特定点の位置を測定するように構成されていてもよい。
さらに前記実施形態では、測定部11が撮像部14と検出部15とを備えているものとしたが、これに限られない。例えば、GPSを用いて移動体の特定点の位置を測定してもよい。
【0043】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。