【実施例】
【0042】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0043】
(実施例1)
まず、選別工程を以下のように実施し、原料大豆から選別大豆を得た。
原料大豆を100kg用意し、市販の粗選別機にかけて大豆より大きい異物(コーン、泥塊など)又は大豆より小さい異物(草の実、朝顔の種など)を除き、市販のグラビティ・セパレータにより、軽量異物(埃、皮、小ゴミなど)を除去し、市販の石抜機によって混入している大豆よりも重い石等の夾雑物を除き、市販のロール選別機に通して異形物を除去し、市販の粒径選別機により大豆を粒径別に選別した。
次に、脱皮工程を以下のように実施し、無菌脱皮大豆を得た。
市販の加熱機で、熱風空気温度約100℃、品温約60℃で5分程度加熱し、この加熱した大豆を、市販の補助脱皮機(二本のゴムローラーの隙間は、1〜5mm、二本のゴムローラーの回転は、1本が809回転/分、他の1本が1050回転/分で、両者の回転数の差は約20%の条件で使用した。)にかけて大豆に亀裂をおこさせた。
この亀裂のおきた大豆を、市販の剥皮機(複数の羽根の回転数は、300回転/分とした。)で剥皮し、集塵装置によって剥皮された皮の半分程度を除去した。市販の風選機によって剥離された皮のうち上記集塵装置によって除去されなかったものを除去した。
皮を除去した残りの大豆混合物を市販の多段式篩装置にかけて子葉と胚芽とに分離した。すなわち、風選処理された大豆混合物を第1の篩にかけて未だ脱皮されていない丸大豆(未脱皮丸大豆)と、二つの子葉に分かれた子葉(半割れ子葉)と胚芽との混合物とに分け、次いで、子葉と胚芽との混合物を、第2の篩にかけて半割れ子葉と胚芽とに分離した。
この分離された子葉には多少の皮が残存しているが、この分離された子葉を市販の冷却タンク(冷却ファン付、容量約8m
3)によって、常温風冷で冷却し、この冷却した子葉を市販の剥皮機で再度剥皮処理して子葉に残った皮を分離した。
得られた無菌脱皮大豆について、「食品衛生検査指針」(厚生省生活衛生局監修)に準じて、細菌数の測定を行い、細菌数が300個/g以下であることを検査して確認した。
この無菌脱皮大豆について、市販の連続蒸煮釜を用い、90℃の温度の水蒸気により120秒間の蒸煮を行った。
蒸煮後の無菌脱皮大豆について、市販の乾燥機を用いて、含水量6質量%まで乾燥した。
乾燥した無菌脱皮大豆について、予めエロフィンヒータにより100℃の熱風を内部に流通せしめて加熱殺菌した市販の粉砕機を用い、最初に粒度30メッシュに設定して粗粉砕した後、粒度600メッシュに設定して微粉砕した。
得られた大豆粉末を市販の分級機を用いて、粒度600メッシュ以下の大豆粉末のみに分級した。粒度600メッシュ以上の大豆粉末については、粉砕機に再度投入した。
このようにして製造された無菌全脂大豆粉を原料とした。この無菌全脂大豆粉を固形分濃度で16重量%含有したものを約600kgf/cm
2で均質化処理したホモゲナイズド粉豆乳を90℃で15分で加熱殺菌処理後37℃〜30℃まで冷却した。
このホモゲナイズド粉豆乳をスターター濃度として適当な濃度まで適宜希釈し(8〜14%)たものを培地として、調製しておいた該大豆粉と相性の良い酪農乳酸菌であるチーズあるいはヨーグルトより分離したLactococcus lactis subsp.cremoris等を乳酸菌スターターとして、醗酵タンクに無菌的に接種混合し、あるいは個別容器に充填したものを36℃で12〜20時間醗酵させ、0.1N水酸化ナトリウムによる滴定法で乳酸量として算出し、乳酸酸度が0.5%〜1.0%で離水のない滑らかなカード形成が認められる醗酵乳を得た。
得られた醗酵乳は、舌触りが滑らかなプレーンヨーグルトであった。また、前記得られたプレーンヨーグルトをクリープ試験装置を用いて硬度測定した。硬度測定は、株式会社山電のクリープ試験装置(商品名:レオナーRE33005)を使用した。硬度試験の結果は200gf/ cm
2であった。
【0044】
(実施例2)
まず、選別工程を以下のように実施し、原料大豆から選別大豆を得た。
原料大豆を100kg用意し、市販の粗選別機にかけて大豆より大きい異物(コーン、泥塊など)又は大豆より小さい異物(草の実、朝顔の種など)を除き、市販のグラビティ・セパレータにより、軽量異物(埃、皮、小ゴミなど)を除去し、市販の石抜機によって混入している大豆よりも重い石等の夾雑物を除き、市販のロール選別機に通して異形物を除去し、市販の粒径選別機により大豆を粒径別に選別した。
【0045】
次に、脱皮工程を以下のように実施し、無菌脱皮大豆を得た。
市販の加熱機で、熱風空気温度約100℃、品温約60℃で5分程度加熱し、この加熱した大豆を、市販の補助脱皮機(二本のゴムローラーの隙間は、1〜5mm、二本のゴムローラーの回転は、1本が809回転/分、他の1本が1050回転/分で、両者の回転数の差は約20%の条件で使用した。)にかけて大豆に亀裂をおこさせた。
この亀裂のおきた大豆を、市販の剥皮機(複数の羽根の回転数は、300回転/分とした。)で剥皮し、集塵装置によって剥皮された皮の半分程度を除去した。市販の風選機によって剥離された皮のうち上記集塵装置によって除去されなかったものを除去した。
皮を除去した残りの大豆混合物を市販の多段式篩装置にかけて子葉と胚芽とに分離した。すなわち、風選処理された大豆混合物を第1の篩にかけて未だ脱皮されていない丸大豆(未脱皮丸大豆)と、二つの子葉に分かれた子葉(半割れ子葉)と胚芽との混合物とに分け、次いで、子葉と胚芽との混合物を、第2の篩にかけて半割れ子葉と胚芽とに分離した。
この分離された子葉には多少の皮が残存しているが、この分離された子葉を市販の冷却タンク(冷却ファン付、容量約8m
3)によって、常温風冷で冷却し、この冷却した子葉を市販の剥皮機で再度剥皮処理して子葉に残った皮を分離した。
【0046】
得られた無菌脱皮大豆について、「食品衛生検査指針」(厚生省生活衛生局監修)に準じて、細菌数の測定を行い、細菌数が300個/g以下であることを検査して確認した。
この無菌脱皮大豆について、市販の連続蒸煮釜を用い、90℃の温度の水蒸気により120秒間の蒸煮を行った。
蒸煮後の無菌脱皮大豆について、市販の乾燥機を用いて、含水量6質量%まで乾燥した。
乾燥した無菌脱皮大豆について、予めエロフィンヒータにより100℃の熱風を内部に流通せしめて加熱殺菌した市販の粉砕機を用い、最初に粒度30メッシュに設定して粗粉砕した後、粒度600メッシュに設定して微粉砕した。
得られた大豆粉末を市販の分級機を用いて、粒度600メッシュ以下の大豆粉末のみに分級した。粒度600メッシュ以上の大豆粉末については、粉砕機に再度投入した。
【0047】
このようにして製造された無菌全脂大豆粉を原料とした。この無菌全脂大豆粉を固形分濃度で16重量%含有したものを約600kgf/cm
2で均質化処理したものを90℃で15分で加熱殺菌処理後37℃〜30℃まで冷却した。
【0048】
ここにDifco社製のMRS Culture Media Brothを培地として予め調製しておいた該大豆粉と相性の良い植物乳酸菌である清酒の生もとから分離されたLeuconostoc citreum菌をスターターとして、醗酵タンクに無菌的に接種混合し、あるいは個別容器に充填したものを28℃で24時間静置醗酵させ、0.1N水酸化ナトリウムによる滴定法で乳酸量として算出し、乳酸酸度が0.5%〜1.0%で離水のない滑らかなカード形成が認められる醗酵乳を得た。
得られた醗酵乳は、舌触りが滑らかなプレーンヨーグルトであった。また、前記得られたプレーンヨーグルトをクリープ試験装置を用いて硬度測定した。硬度測定は、株式会社山電のクリープ試験装置(商品名:レオナ−RE33005)を使用した。硬度試験の結果は80gf/cm
2であった。
【0049】
(実施例3)
まず、選別工程を以下のように実施し、原料大豆から選別大豆を得た。
原料大豆を100kg用意し、市販の粗選別機にかけて大豆より大きい異物(コーン、泥塊など)又は大豆より小さい異物(草の実、朝顔の種など)を除き、市販のグラビティ・セパレータにより、軽量異物(埃、皮、小ゴミなど)を除去し、市販の石抜機によって混入している大豆よりも重い石等の夾雑物を除き、市販のロール選別機に通して異形物を除去し、市販の粒径選別機により大豆を粒径別に選別した。
【0050】
次に、脱皮工程を以下のように実施し、無菌脱皮大豆を得た。
市販の加熱機で、熱風空気温度約100℃、品温約60℃で5分程度加熱し、この加熱した大豆を、市販の補助脱皮機(二本のゴムローラーの隙間は、1〜5mm、二本のゴムローラーの回転は、1本が809回転/分、他の1本が1050回転/分で、両者の回転数の差は約20%の条件で使用した。)にかけて大豆に亀裂をおこさせた。
この亀裂のおきた大豆を、市販の剥皮機(複数の羽根の回転数は、300回転/分とした。)で剥皮し、集塵装置によって剥皮された皮の半分程度を除去した。市販の風選機によって剥離された皮のうち上記集塵装置によって除去されなかったものを除去した。
皮を除去した残りの大豆混合物を市販の多段式篩装置にかけて子葉と胚芽とに分離した。すなわち、風選処理された大豆混合物を第1の篩にかけて未だ脱皮されていない丸大豆(未脱皮丸大豆)と、二つの子葉に分かれた子葉(半割れ子葉)と胚芽との混合物とに分け、次いで、子葉と胚芽との混合物を、第2の篩にかけて半割れ子葉と胚芽とに分離した。
この分離された子葉には多少の皮が残存しているが、この分離された子葉を市販の冷却タンク(冷却ファン付、容量約8m
3)によって、常温風冷で冷却し、この冷却した子葉を市販の剥皮機で再度剥皮処理して子葉に残った皮を分離した。
【0051】
得られた無菌脱皮大豆について、「食品衛生検査指針」(厚生省生活衛生局監修)に準じて、細菌数の測定を行い、細菌数が300個/g以下であることを検査して確認した。
この無菌脱皮大豆について、市販の連続蒸煮釜を用い、90℃の温度の水蒸気により120秒間の蒸煮を行った。
蒸煮後の無菌脱皮大豆について、市販の乾燥機を用いて、含水量6質量%まで乾燥した。
乾燥した無菌脱皮大豆について、予めエロフィンヒータにより100℃の熱風を内部に流通せしめて加熱殺菌した市販の粉砕機を用い、最初に粒度30メッシュに設定して粗粉砕した後、粒度600メッシュに設定して微粉砕した。
得られた大豆粉末を市販の分級機を用いて、粒度600メッシュ以下の大豆粉末のみに分級した。粒度600メッシュ以上の大豆粉末については、粉砕機に再度投入した。
【0052】
このようにして製造された無菌全脂大豆粉を原料とした。この無菌全脂大豆粉を固形分濃度で16重量%含有したものを約600kgf/cm
2で均質化処理したものを90℃で15分で加熱殺菌処理後37℃〜30℃まで冷却した。
【0053】
ここにDifco社製のMRS Culture Media Brothを培地として予め調製しておいた該大豆粉と相性の良い酪農乳酸菌であるチーズより分離したLactococcus lactis subsp.cremorisをスターターとして、醗酵タンクに無菌的に接種混合し、あるいは個別容器に充填したものを28℃で24時間静置醗酵させ、0.1N水酸化ナトリウムによる滴定法で乳酸量として算出し、乳酸酸度が0.5%〜1.0%で離水のない滑らかなカード形成が認められる醗酵乳を得た。
得られた醗酵乳は、舌触りが滑らかなプレーンヨーグルトであった。また、前記得られたプレーンヨーグルトをクリープ試験装置を用いて硬度測定した。硬度測定は、株式会社山電のクリープ試験装置(商品名:レオナ−RE33005)を使用した。硬度試験の結果は200gf/ cm
2であった。
【0054】
また、このようにして得られた醗酵乳を常法により加工する事によって各種乳製品が得られる。得られる乳製品の種類は、種類別で乳製品乳酸菌飲料、乳製品乳酸菌飲料(殺菌)、乳酸菌飲料、ヨーグルト類、チーズ類等と多岐にわたる。そして、目的とする醗酵乳の種類により、大豆粉末素材を固形分濃度で16(10〜25)重量%含有し均質処理したものに殺菌前に砂糖等の甘味料、寒天、ゼラチン等の安定剤類、香料等を添加する事も可能である。