(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
図において、同一の参照符号は、同一又は類似の部品について用いられ、対応の又は同等な性質及び利点は、たとえ説明を繰り返さないでも達成される。
【0018】
図1及び
図2は、流体2、特に、効能の高い医薬配合物等を噴霧化する公知のネブライザ1を示しており、このネブライザは、非引張り操作状態(
図1)及び引張り操作(始動またはプライミング)状態(
図2)で概略的に示されている。ネブライザは、特に、携帯可能な吸入器として構成され、好ましくは、推進ガス無しに動作する。
【0019】
流体2、好ましくは液体、特に医薬配合物を噴霧化する場合、ユーザ(図示せず)により吸気され又は吸入できるエーロゾルが形成される。通常、吸入は、患者の愁訴に応じて1日に少なくとも1回、特に1日に数回、好ましくは、設定された間隔で行われる。
【0020】
公知のネブライザ1は、流体2を収容した挿入可能な、好ましくは、交換可能な容器3を有する。かくして、この容器は、噴霧化されるべき流体2のリザーバを形成している。好ましくは、容器3は、最高200回の投与分をもたらし、即ち、最高200回の吹き付け又は塗布を可能にするのに十分な量の流体2又は活性物質を収容している。国際公開第96/06011号パンフレットに開示されているような典型的な容器3は、約2ml(ミリリットル)から約10ml(ミリリットル)の量を収容する。
【0021】
容器3は、実質的に円筒形又はカートリッジの形状をしており、ネブライザ1をいったん開けると、容器をネブライザ内に下から挿入でき、所望ならば交換することができる。この容器は、好ましくは剛性構造のものであり、流体2は、特に、容器3内の折り畳み式袋4内に保持される。
【0022】
ネブライザ1は、流体2を特にあらかじめ設定され、任意に調節可能な投与量の状態で運搬して噴霧化する圧力発生器5を更に有している。圧力発生器5は、容器3のホルダ6と、手動で操作して解除できるロック要素8を備えた関連の駆動ばね7(一部しか示さず)と、逆止弁10を備えた運搬管9と、圧力チャンバ11と、マウスピース13の付近に設けられた放出ノズル12とを有している。容器3は、ホルダ6によりネブライザ1内に固定されていて、運搬管9が、容器3内に入り込むようになっている。ホルダ6は、容器3を交換することができるよう構成されたものであるのが良い。
【0023】
駆動ばね7を軸方向に引っ張ると、ホルダ6は、容器3及び運搬管9と共に図面において下方に移動し、流体2は、容器3から吸い出され、逆止弁10を通って圧力発生器5の圧力チャンバ11内に吸い込まれる。
【0024】
ロック要素8の作動後における次の弛緩中、圧力チャンバ11内の流体2は、今や閉鎖状態にある逆止弁10を備えた運搬管9が駆動ばね7の弛緩により上方に戻され、今や加圧ラムとして働いているとき、加圧下に置かれる。この圧力により、流体2は、放出ノズル12中に送り込まれ、次に、
図1に示されているようにエーロゾル14の状態に噴霧化される。レスピマット(Respimat)型の器具向きの粒子の液滴サイズについては、既に上述した。
【0025】
ユーザ(図示せず)は、エーロゾル14を吸入することができ、その間、少なくとも1つの供給開口部15を通って供給空気をマウスピース13内に吸い込むことができる。
【0026】
ネブライザ1は、上側ハウジング部品16及びこの上側ハウジング部品に対して回転可能な内側部品17を有し(
図2)、内側部品は、上側部分17a及び下側部分17bを有し(
図1)、他方、特に手動操作可能なハウジング部品18が、好ましくは保持要素19によってこの内側部品に解除自在に固定され、具体的には、これに装着されている。容器3を挿入すると共に、(或いは)、交換するために、ハウジング部分18をネブライザ1から取り外すことができる。
【0027】
ハウジング部品18を上側ハウジング部品16に対して回転させることができ、これに同伴して、図面では下に位置する内側部品17の部分17bが回転する。その結果、駆動ばね7は、ホルダ6に作用する歯車(図示せず)によって軸方向に引っ張られる。引張り中、容器3は、容器3が
図2に示すような端位置を占めるまで軸方向下方に動かされる。この状態では、駆動ばね7は、張力下にある。噴霧化プロセスの際、容器3を駆動ばね7によってその元の位置に戻す。かくして、容器3は、引張り操作中及び噴霧化プロセス中、持ち上げ運動を行う。
【0028】
ハウジング部分18は、好ましくは、キャップ状の下側ハウジング部品を形成し、容器3の下方自由端部の周りに、又は、容器3の下方自由端部の上に嵌まっている。駆動ばね7を引っ張ると、容器3は、その端部分と共にハウジング部品18内へ(更に)動き、又は、その端フェースに向かって動き、他方、ハウジング部品18内に設けられた軸方向に作用するばね20が、容器のベース(底)21に当接し、容器が最初に穿刺要素19に接触すると、このばねは、穿刺要素22により容器3、又は、これに設けられたベースシールを穿刺し、空気を取り込むことができる。
【0029】
ネブライザ1は、好ましくは、ハウジングの上側部品16に対する内側部品17の回転を検出することにより、ネブライザ1の作動をカウントするモニタ装置23を有している。 次に、
図3から
図42を参照するが、
図1及び
図2のネブライザ1との本質的な相違のみを強調して本発明のネブライザ1の12の実施形態の構成及び動作モードを詳細に説明する。かくして、
図1及び
図2に関する説明は、それに応じて当てはまり、又は、補充的に適用され、これに対し、
図1及び
図2の特徴と上述した実施形態としてのネブライザ位置又は相互の特徴の任意所望の組み合わせが可能である。
【0030】
図3及び
図4は、提案されたネブライザ1の第1の実施形態を概略断面図で示している。
図3は、容器3が密閉された引渡し状態を示している。
図4は、作動状態、即ち容器3を開いた後の状態を示している。
【0031】
提案するように、閉鎖された(依然として閉鎖された)容器3は、
図3に示すようにその引渡し状態でネブライザ1内に既に収納されている。閉鎖状態においては、図示の実施形態では、容器3のヘッド側端部に設けられた外側シール24及び容器3の内部に設けられた隔膜25、メンブレン、プラスチックシール等(部分的にしか図示されていない)は、まだ開かれていない。さらに、閉鎖状態においては、図示の実施形態では、容器3のベースに設けられた通気開口部26は、密封されており、即ち、まだ穿刺されておらず、この通気開口部は、穿刺要素22により開放可能である。注目されるべきこととして、容器3は、特定の構成に応じて、少ない数の開口部、及び(又は)、異なる数の開口部を有しても良い。
【0032】
提案する実施形態の全てにおいて、ネブライザ1は、容器3がネブライザ1の最初に使用前又はその使用中にネブライザ1の内部で開かれ、又は、開くことができるように構成されている。容器3は、特にシール24及び隔膜25等が開かれているときには既に開かれている。以下、このことを簡略化して作動状態とも言う。通気開口部26の穿刺又は開放を別々に、特に、後で、ネブライザ1を引張り操作したとき、(最初に)実施しても良い。
【0033】
容器3の開放を特に送り出し要素、特に運搬管9等により、好ましくは、容器3の穿刺、又は、容器3内への挿入により実施することが提案される。特に長手方向、又は、運搬管9に対する容器3の持ち上げ方向における適当な相対運動によって、運搬管9は、シール24を穿刺し、この運搬管は、隔膜25を通って容器3の内部、特に袋4内に挿入され、それにより容器3が開かれ、即ち、流体2が容器3から逃げ出るための流体結合部が形成される。かくして、容器3は、特にそのヘッド側端部が開かれる。
【0034】
次に、通常の引張り操作及び噴霧化行程中、容器3は、好ましくは、ホルダ6によって運搬要素又は運搬管と一緒に動かされ、それにより得られた流体結合部が維持され、かくして、容器3が、好ましくは、常時開放状態になる。
【0035】
通気開口部26を開くことにより、上述したように、好ましくは、ベースのところで得られる通気は、特定の実施形態又は要件に応じて、容器3の上述の開放前、前記容器3の開放中、又は、前記容器3の開放後に、特に、ヘッド側端部のところで行われるのが良い。
【0036】
第1の実施形態では、容器3は、あらかじめ収納されており、引渡し状態のハウジング部品18は、軸方向に完全にはプッシュオンされていない。これとは異なり、固定部材27が、ハウジング部品18と上側ハウジング部品16との間に設けられていて、ハウジング部品、又は、下側部品18が、上側ハウジング部品16から十分遠くに押し離されて密閉状態の(依然として密閉状態)の容器3を運搬管9から軸方向に遠ざけて保持できるようになっている。
【0037】
遠くの非作動位置では、ハウジング部品18は、好ましくは、上側ハウジング部品16又は内側部品17に取り付けられた少なくとも1つのラッチ止めアーム28によって固定され、したがって、ハウジング部品18が、無くならないように、特に、外れないようになっている。好ましくは、ラッチ止めアーム28は、ラッチ止め突起29がハウジング部品18に設けられているラッチ止め凹部30に嵌まり込むことにより稼働し、それによりハウジング部品18をインターロック係合方式により軸方向に完全に取り出されないように固定している。しかしながら、他の構成上の解決策も可能である。
【0038】
特に、ネブライザ1のハウジング部品又は下側部品18を最初に軸方向に(部分的に軸方向に)プッシュオンした後ではこれをもはやネブライザ1から離脱させることができず、即ち、ネブライザ1を開くことができず、その結果、容器3は、交換できず、即ち、再び取り出すことができない。
【0039】
第1の実施形態では、固定部材27は、少なくとも実質的に中空の円筒形であり、この固定部材は、ハウジング部品18と上側ハウジング部品16との間に軸方向に設けられている。ネブライザ1を作動させるため、即ち、ハウジング部品18を軸方向に十分にプッシュオンし、それにより容器3を開くためには、まず最初に、固定部材27を取り外さなければならない。第1の実施形態では、固定部材27は、例えば、プラスチックで作られたバンデロール(banderol)等のように構成されており、かかる固定部材を手作業で開くことができ、取り外すことができ、或いは、壊すことができる。変形例として、又は、それと同時に、固定部材27は、元のシールを形成しても良いし、又は、元のシールを構成しても良い。しかしながら、固定部材27の他の実施形態、例えば、セキュリティタグ等の形態の固定部材の使用が可能である。
【0040】
固定部材27をいったん取り外すと、ユーザ(図示せず)は、ハウジング部品18を軸方向に完全にプッシュオンすることができ、それによりネブライザ1の作動状態を生じさせることができ、即ち、運搬要素又は運搬管9を挿入することにより容器3を開くことができる。
図4は、ハウジング部品18が完全にプッシュオンされたこの作動状態を示している。このプッシュオン状態では、ハウジング部品18は、好ましくは、この場合も又、インターロック係合方式により、特に、ラッチ止めアーム28、又は、ラッチ止め突起29とこれに対応した別のラッチ止め凹部31の嵌合により、又は、他の何らかの機械的固定装置により固定され又は保持される。
【0041】
図4は、ネブライザ1又は容器3を作動状態で示しており、容器3は、既に開かれており、ハウジング部品18は、軸方向に完全にプッシュオンされている。ホルダ6を容器3のヘッド側端部に係合させ、次に容器3をホルダ6上でこれに沿って動かして引張り操作及び加圧行程を行うためには、ネブライザ1を最初に引張り操作することが必要な場合がある。この引張り操作中、ホルダ6は、運搬管9と一緒にハウジング部品18に軸方向に近づけられ又はこの中に動かされ、かくして、ホルダ6が容器3に係合し、又、好ましくは容器3をハウジング部品18のベースの付近で穿刺要素22に押し付け、それにより通気開口部26を穿刺し又は開く。
図4は、ネブライザ1を弛緩状態で、即ち、特に第1の噴霧化後の状態で示している。ホルダ6は、容器3に係合し、運搬管9は、容器3内に完全に挿入されている。
【0042】
図3に示す引渡し状態では、即ち、容器3が閉鎖された(依然として閉鎖された)状態では、ネブライザ1を保管することができる。特に、閉鎖状態のシール24により、流体2中に含まれている溶剤が逃げ出ることができず又はどのような場合でも極めて微量でしか逃げ出ることができないようになる。
【0043】
容器3、特にシール24又は通気開口部26の望ましくない開放を阻止するため、ネブライザ1は、好ましくは、第1の実施形態には示されていない輸送ロックを有する。例えば摩擦係合、強制的係合、又は、インターロック係合により、輸送ロックは、容器3が、例えば、輸送中、ネブライザ1の偶発的な落下が生じた場合等に、望ましくないことにはネブライザ1内で軸方向に動き、それにより偶発的に開くのを阻止する。容器3を輸送中に固定する幾つかの考えられる仕方について、他の実施形態を参照して詳細に説明する。
【0044】
容器3の開放は、好ましくは、機械的手段による操作でしか行うことができず、及び(又は)、手動による操作でしか行うことができないことは注目されるべきである。しかしながら、追加的に、又は、代替的に、容器3を他の仕方で、例えば、化学的手段、電気的手段、空気圧的手段、油圧的手段、又は、同様な手段により開くことが可能である。
【0045】
固定部材27を取り外し、ハウジング部品18を軸方向に(完全に)プッシュオンした後本発明によって提案されているネブライザ1を作動させ、そしてこれを
図1及び
図2に示すネブライザ1と同様な仕方で用いることができる。従来のやり方としては、ハウジング部品18を取り外すことによってネブライザを開き、容器3を収納し、次にハウジング部品18をプッシュオンすることによりネブライザ1を閉鎖する必要があったが、本発明のプロセスは、実施するのは容易であり、且つ、操作上の信頼性が高い。具体的に言えば、このプロセスは、不適当な容器3、又は、使用済みの容器3がユーザによりネブライザ1内に挿入されるのを阻止する。加うるに、このプロセスにより、別々に供給された容器3がネブライザ1内への挿入前に偶発的に開かれることがないようになる。加うるに、本発明の解決策は、ネブライザ1を開いて容器3を不適切に用いた場合でも、ネブライザ1、例えば運搬管9等の汚れ又は損傷の恐れを無くす。
【0046】
好ましくは、この場合、特にネブライザ1を開くことができずしかもハウジング部品18を、この場合も又、取り出すことができないので、容器3を取り外すことができず、ユーザによる容器の望ましくない交換、特にユーザによるネブライザ1の望ましくない暫定的又はその後の開放を阻止することができる。
【0047】
次に、
図5から
図35を参照して他の実施形態について詳細に説明する。関連の説明は、上述の第1の実施形態並びに
図1及び
図2の公知のネブライザ1とは本質的に異なる点に制限される。かくして、第1の実施形態及び公知のネブライザ1に関して与えられた所見及び説明は、たとえこれらが単純化の理由で繰り返されない場合であっても、そのまま又は補完的に当てはまる。
【0048】
図5から
図7は、本発明のネブライザ1の第2の実施形態を示している。
図5は、ネブライザ1を引渡し状態で、即ち、容器3がネブライザ1内に挿入されているが依然として密閉された状態で示している。
図6は、
図5の拡大詳細図である。
図7は、ネブライザ1を作動状態で、即ち、容器3が開かれた状態で示している。
【0049】
ネブライザ1の第2の実施形態では、好ましくは、ハウジング部品18は、入れ子構造のものであり、かかるハウジング部品を一緒に押し、又は、軸方向に短くすることができる。具体的に言えば、第2の実施形態のハウジング部品18は、2つの軸方向に挿入可能な入れ子部品32,33、及び、軸方向に挿入可能なベース部品34から成っている。
【0050】
図5は、ネブライザ1、又は、ハウジング部品18を入れ子式に伸長させた非作動状態で示している。この状態では、2つの入れ子部品32,33及びベース部品34は、好ましくは、ラッチ止め係合、及び(又は)、摩擦固定方式で望ましくない軸方向挿入が行われないよう固定されている。具体的に言えば、軸方向挿入を行うのに必要な又は打ち勝たなければならない力は、互いに一致しており、したがって、軸方向圧力をベース部品34に加えると、まず最初に、第1の入れ子部品32が、ハウジング部品18内にプッシュイン(嵌入)され、次に、第2の入れ子部品33が第1の入れ子部品32内にプッシュインされ、最後にベース部品34が軸方向に第2の入れ子部品33内にプッシュインされるようになる。
【0051】
図7は、軸方向プッシュイン作動状態を示している。この状態では、入れ子部品32,33及びベース部品34は、好ましくは、ラッチ止め係合、摩擦ロック、又は、具体的には、インターロック係合方式により、これらの軸方向位置に軸方向に固定される。
【0052】
例えば、入れ子部品32,33をハウジング部品18に対して軸方向に固定するため、対応のラッチ止め突起29は、ラッチ止め凹部30,31に嵌まり込む。その目的は、一方において軸方向伸長位置における、他方において軸方向プッシュイン位置における所望の固定状態を得ることにある。
【0053】
図6に示された
図5の細部の拡大記載は、ネブライザ1の引渡し状態において容器3を軸方向に固定し、又は、動かなくするためのネブライザ1の輸送ロック36を示している。図示の実施形態では、輸送ロック36は、包囲保持ビード、又は、少なくとも1つの保持アーム37を有している。保持ビード、又は、保持アーム37は、半径方向に幾分幅が広くなった容器ベース21と協働して引渡し状態における容器3が軸方向に規定された仕方で環状肩、又は、環状フランジ38、若しくは、他の何らかの当接部に固定的に保持されるようになる。
【0054】
引渡し状態では、図示の実施形態のベース部品34は、少なくとも1つの半径方向突出部又は包囲ビード35が入れ子部品33に設けられた半径方向背後の相補構造体に係合することにより入れ子式に、又は、軸方向に伸長した位置に固定される。これら固定力に打ち勝つことができるのは、例えば、突出部/ビード35の塑性変形、又は、弾性変形、及び(又は)、半径方向撓みの結果として、十分に強い軸方向力を加える場合だけである。次に行われる入れ子部品33に対するベース部品34の軸方向プッシュインの際、好ましくは、ベース部品34に設けられた穿刺要素22は、通気開口部26を穿刺し、これを開く。加うるに、ベース部品34は、容器ベース21に接触し、容器3を輸送ロック36から軸方向に押し出し、これを容器ヘッドと共にネブライザ1内のホルダ6に押し付け、又は、この中に押し込む(ネブライザ1が引張り操作されている状態で)。かくして、輸送ロック36の軸方向保持力は、ベース部品34によって克服される。具体的に言えば、保持ビード又は保持アーム37は、この目的のために、半径方向に十分に弾性変形、又は、塑性変形が可能であるように構成されている。
【0055】
ベース部品34を完全に第2の入れ子部品33にプッシュインした後、ベース部品34を好ましくは、この場合も又、入れ子部品33との半径方向係合、及び(又は)、摩擦係合により、軸方向変位、又は、外方運動を行うことができないよう固定される。
【0056】
図8〜
図11は、本発明のネブライザ1の第3の実施形態を示している。
図8は、ネブライザ1を引渡し状態で示しており、容器3は、密閉されている。
図9は、
図8の部分拡大図である。
図10は、ネブライザ1を作動状態で、即ち、容器3が開かれた状態で示している。
図11は、ネブライザ1を
図10に示すように作動状態で示しているが、作動部材39は設けられていない。
【0057】
第2の実施形態では、ネブライザ1は、ハウジング部品18に加えて作動部材39を有しており、この作動部材は、好ましくは、キャップ、矢筒又はカップの形態をしている。作動部材39は、引渡し状態では、ハウジング部品18に部分的にしか装着されず又はプッシュオンされず、かかる作動部材は、容器3を
図8に示すようにネブライザ1内で運搬管9から或る距離を置いて軸方向に保持する。したがって、ハウジング部品18は、そのベースのところが開口するよう構成されている。
【0058】
容器3を半径方向に案内する案内スリーブ40が、ハウジング部品18内でベース開口部の近くに配置されているが、このようにするかどうかは任意である。案内スリーブ40は、特に引渡し状態においてハウジング部品18の端を軸方向に越えて突き出ており、作動部材18を軸方向に(完全に)プッシュインすることにより案内スリーブを作動時にハウジング部品18内に軸方向にプッシュインすることができる。ハウジング部品18の形態に応じ、特に容器3との半径方向遊びの度合いに応じて、案内スリーブ40を省いても良い。
【0059】
第2の実施形態の場合のように穿刺要素22を備えたベース部品34及び挿入部品41は、好ましくは、作動部材39内に設けられる。
【0060】
挿入部品41は、第2の実施形態の第2の入れ子部品33と類似した仕方で構成されている。
図9の拡大詳細図から理解できるように、ベース部品34及び挿入部材41は、第2の入れ子部品33とベース部品34との関係に関して
図2を参照して既に説明したように、互いに半径方向に背後に係合し、したがって、その点に関する説明を参照されたい。
【0061】
挿入部材41は又、第2の実施形態と関連して既に説明したように、輸送ロック36を形成し、したがって、そこで行われた説明を参照されたい。
【0062】
引渡し状態では、ベース部品34は、作動部材39により、好ましくは、半径方向係合、及び(又は)、摩擦ロック方式により軸方向に保持される。ベース部品34は、挿入部材41を軸方向に保持し、この挿入部材は、輸送ロック36を介して容器3を軸方向に固定する。
【0063】
作動部材39を作動させるため、作動部材をハウジング部品18に軸方向に完全にプッシュオンし、ついには、作動部材39が、
図10に示すように、好ましくは、キャップ、又は、帽子のようにネブライザ1、特にハウジング部品18を受け入れ又は包囲するようにする。
【0064】
作動部材39の軸方向プッシュオンの際、容器3を、まず最初に、運搬管9にプッシュオンし、即ち、容器3を運搬管9によって開く。
【0065】
作動部材39をハウジング部品18に更にプッシュオンすることにより、挿入部材41は、ハウジング部品18、特にラッチ止めアーム28に係合し、ラッチ止め突起29がハウジング部品18の対応のラッチ止め凹部31に嵌まり込み、それにより、挿入部材41をハウジング部品18に対して軸方向に固定する。
【0066】
軸方向運動の最後の部分中、ベース部品34を最終的に挿入部品41内に軸方向に押し込み、その結果、穿刺要素22は、通気開口部26を穿刺し、又は、開き、ベース部品34は、容器3を輸送ロック36から軸方向に解除し、ネブライザ1、又は、圧力発生器5が引張り操作された状態で、容器3をホルダ6に向かって、又は、容器3をホルダ6の中に軸方向に押し、ホルダ6を容器3に係合させる。この位置は、
図10に示されている。
【0067】
図10に示すように、完全プッシュオン状態では、ネブライザ1を作動部材39によって用いることができる。具体的に言えば、作動部材39をそれに応じて回転させることにより、ネブライザ1、又は、その圧力発生器5を通常の仕方で引張り操作することができる。
【0068】
しかしながら、作動部材39は、ネブライザ1の使用(別途使用)には不要である。それどころか、ネブライザ1の設計に応じて、作動部材39を作動(完全挿入)後に再び取り出すのが良く、又は、そうしなければならず、特に、軸方向に引き離す必要がある。好ましくは、ネブライザ1は、作動部材39の軸方向離脱、又は、取り出しが先にハウジング部品18に完全にプッシュオンされた後にしか起こらないように構成され、又は、ネブライザ1の作動後にしか起こらないように構成されている。適当なロック、又は、解除機構体を、この目的のために設けるのが良いが、ここでは図示されていない。
【0069】
図12は、本発明のネブライザ1の第4の実施形態を概略分解組立図で示している。この第3の実施形態とほぼ同じこの変形実施形態では、作動部材39を用いてネブライザ1を固定することができ、この目的のため、この作動部材の外部には、クリップ状弾性保持バー又は保持クリップ42等が設けられている。作動部材39、及び、それ故に、ネブライザ1を必要ならば、保持バー又はクリップ42によってベルト、ウエストバンド、ポケット等に取り付けるのが良い。
【0070】
第3の実施形態の場合と同様、ネブライザ1をいったん作動させ、又は、容器3を開くと、作動部材39を必要に応じてネブライザ1から取り出すことができる。具体的に言えば、第4の実施形態の作動部材39を必要に応じて用いると、ネブライザ1を所望に応じて固定することができる。ネブライザ1の最適固定状態を得るためには、作動部材39は、好ましくは、クランプ、及び(又は)、ラッチ止めにより、ネブライザ1に解除自在に連結可能であり、具体的に言えば、ネブライザ1を作動部材39の、好ましくは、少なくとも実質的に中空の円筒形部分内に挿入することができる。
【0071】
また、予備収納容器3とは無関係に、即ち、一般に任意形式のネブライザ1についてネブライザ1のホルダとしての作動部材39の構成及び使用法を設計することができる。この場合、他の構成が可能であり、特に、例えば、作動部材39をネブライザ1に単にクランプするだけで良い。
【0072】
図13及び
図14は、本発明のネブライザ1の第5の実施形態を示す概略断面図である。
図13は、ネブライザ1をその引渡し状態(予備収納密閉容器3を備えた状態)で示している。
図14は、ネブライザ1を作動状態で、即ち、容器3が開いた状態で示している。
【0073】
第5の実施形態は、第3の実施形態と実質的に同一である。好ましくは、キャップ状、矢筒状、又は、カップ状の作動部材39をプッシュオンすることによりネブライザ1を作動することができる。この実施形態と第3の実施形態の本質的な相違点のみを以下において説明する。
【0074】
挿入部材41は、ラッチ止めアーム28を備えていないが、ハウジング部品18への装着のために、挿入部材は、好ましくは、帽子、矢筒、カップ又はキャップの形状をしている。作動状態では、挿入部材41は、ハウジング部品18の自由端部の付近に形成されていて、特に容器3の軸方向挿入を可能にする貫通開口部を包囲し、又は、これを構成する環状部分43の周りに着座し、又は、環状部分43に嵌まる。具体的に言えば、挿入部材41は、作動状態では、摩擦係合方式で、又は、インターロック係合方式で、ハウジング部品18に軸方向に連結される。
【0075】
好ましくは、挿入部材41は、第3の実施形態の場合と同様、作動状態では、又は、ハウジング部品18に連結されると、ネブライザ1に作動部材39を取り外した状態でもネブライザ1に気持ちの良い表面感触、及び、取り扱いの容易さを与えるよう可能な限り最もスムーズな外側輪郭を形成している。第3の実施形態によれば、第4の実施形態の作動部材39は、事実作動後においても完全に取り外し可能であり、又は、軸方向に引き外し可能である。
【0076】
第5の実施形態では、ネブライザ1は、特に容器3を片側に傾動させることによる輸送ロック36からの望ましくない離脱を阻止することができるようにするために、容器3を引渡し状態で半径方向に心出しし、又は、固定し、若しくは、支持するための第3の実施形態の案内スリーブ40を有するのが良い。しかしながら、図示の実施形態では、案内スリーブ40は設けられていない。その代わりに、容器3のための貫通開口部が、ハウジング部品18の自由軸方向端部のところに形成されており、又は、例えば、環状部分43の付近に容器3に対する僅かな半径方向遊びを備えていて、ロックの部品、例えば、案内スリーブ40が必要ではないようになっている。
【0077】
第3の実施形態と第4の実施形態のもう1つの構成上の差は、第5の実施形態においては、ベース部品34が
図13に示されているように引渡し状態での半径方向クランプの代替手段として、又は、これに加えて作動部材39により、軸方向に保持されていることにある。好ましくは、この目的で、作動部材39は、好ましくは、ニップル状、ピン状又はボルト状の突出部44がこれに対応してベース部品34のベースに設けられた凹部に嵌まった状態で軸方向に働き、したがって、ベース部品34が作動部材39に軸方向に固定されるようになっている。
【0078】
作動状態では、必要ならば作動部材39を軸方向に取り外すことができるように作動部材39をベース部品34から解除することができる。好ましくは、インターロック又は摩擦係合及び材料の力は、作動部材39が軸方向に引き離された場合でも、ベース部品34が押し込み又は引っ込み穿刺位置に挿入部材41によって保持されるように設計されている。例えば作動部材39を軸方向に引き離すと、突出部44は、ちぎれてベース部品34にくっついたままになり、又は、ベース部品34の中に位置したままになる。
【0079】
輸送ロック36の構成及び作動中における輸送ロック36からの容器3の解除は、好ましくは、第3の実施形態に一致する。好ましくは、作動は、ネブライザ1、又は、圧力発生器5が引張り操作状態にあっても生じ、作動部材39を軸方向に完全にプッシュオンすると、容器3が運搬管9の挿入により、その底部が開かれ、又は、穿通されるだけでなく、ヘッド側端部がホルダ6に係合するようになっている。
【0080】
図15及び
図16は、本発明のネブライザ1の第6の実施形態の概略断面図である。
図15は、ネブライザ1を引渡し状態で示している。
図16は、ネブライザ1を作動位置で、即ち、いつでも容器3が開かれた状態で使用できる状態で示している。
【0081】
第6の実施形態では、第3の実施形態と同様、挿入部材41、及び、ベース部品34が設けられ、これらは、作動可能に対応関係をなして軸方向に開いたハウジング部品18内に挿入できる。第3の実施形態とは対照的に、別個の、又は、作動の追加の作動部材39は、不要である。その代わり、挿入部材41は、スリーブのように構成されており、この挿入部材は、特に、引渡し状態、及び、ネブライザ1、又は、ハウジング部品18内への軸方向挿入の際、ハウジング部品18に形成され、又は、具体的には、これに成形されて取り付けられた中空円筒形部分45により案内され、又は、保持される。プッシュイン、又は、作動状態では、挿入部品41は、ベース部品34と共に、中空円筒形部分45で終端し、かくして、ネブライザ1のための少なくとも実質的にスムーズな外側輪郭が形成されている。
【0082】
第6の実施形態では、ベース部品34は、穿刺要素22がベースシール、即ち容器3の通気開口部26から軸方向に間隔を置いた軸方向位置で、好ましくは、半径方向係合により規定された仕方で挿入部材41により保持される。
【0083】
ベース部品34を作動させるため、圧力をベース部材に加える。その結果、ベース部材34は、挿入部品41内に挿入され又は軸方向に(一段と)押し込められ、その結果、穿刺要素22は、通気開口部26を穿刺し、又は、通気開口部26を開く。それと同時に、その前に、又は、その後に、容器3が本質的に収納された挿入部材41をネブライザ1又はハウジング部品18内に押し込み、その結果、運搬管9は、容器3内に軸方向に挿入され、かくして、容器3が開かれる。ネブライザ1、又は、圧力発生器5が引張り操作された状態で、最終的に容器3のヘッド側端部をホルダ6に係合させる。
図16に示すプッシュイン作動位置では、挿入部材41、及び、ベース部品34は、好ましくは、ハウジング部品18、又は、中空円筒形部分45に軸方向ラッチ止め、及び(又は)、クランプ方式で固定される。
【0084】
挿入中における例えば半挿入位置又は完全挿入位置からの挿入部材41の望ましくない取り出しを阻止するため、第6の実施形態のネブライザ1は、好ましくは、ハウジング部品18と挿入部材41との間に漸進的、好ましくは、のこ歯状のラッチ手段46を有しており、その結果、挿入部材41は、軸方向にのみ挿入可能であるが、これを逆方向には軸方向に取り出すことができないようになっている。図示の実施形態では、ラッチ止め手段46は、挿入部材41のスリーブ部分上でこれに沿って長手方向に外部に形成されている。この場合、ネブライザ1、特に、中空円筒形部分45内のハウジング部品18に設けられた少なくとも1つのラッチ止めアーム28が、ラッチ止め部材46と嵌合する。
図15及び
図16は、2つの軸方向に延びるラッチ止めアーム29を示しており、これらラッチ止めアームは、挿入部材41に向かって半径方向に弾性的に付勢される。
【0085】
ネブライザ1の引渡し状態において挿入部材41の偶発的なプッシュインを阻止する輸送ロックを形成するため、第6の実施形態によれば、固定部材27が、好ましくは、
図15に示されているように安全タグの形態で又はこれから成る状態で設けられている。安全タグは、例えば、少なくとも1つのラッチ止めアーム28と中空円筒形部分45の壁との間で外部に半径方向に設けられ又は嵌められている。その目的は、最低限1つのラッチ止めアーム28、又は、ラッチ止めアーム28のうちの数個又は全てが、ばね作用で半径方向外方に広がるのを阻止し、それにより挿入部材41の内方への軸方向運動を阻止することにある。安全タグがいったん取り外された後は、特に、軸方向に取り出された後は、1つのラッチ止めアーム、又は、複数のラッチ止めアーム28、及び、それ故に、ラッチ止め部材46が解除され、挿入部材41は、軸方向にプッシュイン可能であり、それにより、ネブライザ1が作動される。
【0086】
図17及び
図18は、本発明のネブライザ1の第7の実施形態の概略断面図である。
図17は、ネブライザ1を引渡し状態で示している。
図18は、ネブライザ1を作動状態で示している。
【0087】
第7の実施形態は、第6の実施形態と酷似している。しかしながら、第6の実施形態では、挿入部材41が設けられていない。これに代えて、引渡し状態では、ハウジング部品18は、ネブライザ1に、具体的には内側部品17に、又は、これに設けられている保持部分47に部分的にしか軸方向にプッシュオンされない。保持部分47は、例えば、内側部品17の下側部分17bに設けられている。保持部分47は、内側部品17の端を越えて軸方向に延長されていて、ハウジング部品18を引渡し状態では十分に軸方向変位位置に保持でき、ハウジング部品18内にあらかじめ収納された容器3が、運搬管9から依然として軸方向に間隔を置いて位置するようになっている。好ましくは、適当な係合、ラッチ止め又はこれに類似した方式により、ハウジング部品18を保持部分47上に軸方向に(部分的に)プッシュオンすると、ハウジング部品18をもはや軸方向に取り出すことができないし、又は、取り外すことができない。
【0088】
第7の実施形態のハウジング部品18は、ベース部品34を挿入部材41が第6の実施形態においてベース部品34を保持する仕方と一致した仕方で、又は、これに類似した仕方でベース部品34を保持する。作動のため、ネブライザ1、又は、圧力発生器5が、好ましくは、引張り操作された状態で、ベース部品34を再び軸方向に押す。その結果、ハウジング部品18は、ネブライザ1、又は、内側部品17に軸方向にプッシュオン(完全に)される。容器3は、運搬管9の軸方向挿入により開かれる。特にベース部品34がハウジング部品18の軸方向端部と、ちょうど面一をなすまで、ベース部品34をハウジング部品18に軸方向に押し込んだ結果として、最終的に、容器3のベースが穿刺され、ベース3のベースが第7の実施形態においてはハウジング部品18により形成されている軸方向輸送ロック36から解除され、ホルダ6内への容器3の軸方向挿入が行われることになる。
【0089】
好ましくは、ハウジング部品18とネブライザ1又は内側部品17との間に、第6の実施形態では例えば少なくとも1つの関連のラッチ止めアーム28等を有するラッチ止め部材46のような装置(図示せず)が設けられ、それにより、ハウジング部品18をネブライザ1にプッシュオンすることしかできず、逆方向の軸方向取り出し又は運動を阻止することができるようになっている。第6の実施形態によれば、安全タグ等形態をした、又は、これから成る固定管27(図示せず)も又、固定部材27が取り外されていない場合、ハウジング部品18が引渡し状態でプッシュインされるのを阻止するよう設けられるのが良い。
【0090】
図19〜
図22は、本発明のネブライザ1の第8の実施形態の概略断面図である。
図19は、ネブライザ1をその引渡し状態で示している。
図20は、ネブライザ1を作動状態で、即ち、容器3が既に開かれた状態であるが、ネブライザ1又は圧力発生器5は、まだ引張り操作されていない状態で示している。
図21は、ネブライザ1を作動且つ引張り操作状態で示している。
図22は、
図21の一部を拡大詳細図で示すと共に第8の実施形態の輸送ロック36を示している。
【0091】
第8の実施形態では、第7の実施形態と同様に、ハウジング部品18は、引渡し状態で部分的にしか軸方向にプッシュオンされない。第7の実施形態とは対照的に、第8の実施形態におけるハウジング部品18は、そのベースのところが閉鎖されており、即ち、別個のベース部品34は設けられていない。その代わり、穿刺要素22が、ハウジング部品18のベースの内側に設けられており、引渡し状態では、容器3は、これに対応して構成された輸送ロック36から軸方向間隔を置いて保持されて通気開口部26の底部の開放又は穿刺を阻止するようになっている。
【0092】
図示の例では、輸送ロック36は、好ましくは、容器3のベースを作動時に穿刺できるようハウジング部品18内に又はハウジング部品18によって軸方向可動状態に保持されている。
【0093】
図示の実施形態では、輸送ロック36は、少なくとも1つの掴みアーム又はグリッパアーム48、好ましくは複数個の掴みアーム又はグリッパアーム48を有し、これら掴みアームは、容器3を引渡し状態で軸方向に保持する前に、1つの掴みアーム又はグリッパアーム48について
図19に示すように、容器3の、好ましくは、半径方向に拡張したベース側端部の周りに係合する。
【0094】
第7の実施形態の場合と同様、第8の実施形態は、好ましくは、ハウジング部品18のみを軸方向にプッシュオンできるが、軸方向に戻すことができないようハウジング部品18とネブライザ1又は内側部品17との間に少なくとも1つの関連のラッチ止めアーム28を有する例えばラッチ止め要素46のような装置を有している。ラッチ止め要素46は、
図19から
図21に指示されているようにハウジング部品18の内側に形成される。ラッチ止め突起29を備えたラッチ止めアーム28が、ラッチ止め要素46と嵌合する。第6の実施形態とは対照的に、この場合、粗いラッチ止め要素46が設けられている。加うるに、具体的には安全タグ等の形態をした又は安全タグ等から成る固定部材27(図示せず)を用いてラッチ止めアーム28を制止することにより軸方向プッシュオン運動を制止することも又、可能である。
【0095】
第8の実施形態では、作動は、好ましくは、ネブライザ1の非引張り操作状態で行われる。オプションとして設けられている安全タグ等の取り外し後、ハウジング部分18をネブライザ1、特に内側部品17上で、これに沿って押し進める。それと同時に、運搬管9を容器3内に軸方向に挿入し、かくして容器3を開く。
【0096】
完全プッシュオン状態では、容器3をハウジング部品18内に軸方向に、更に又は、深く押し込み、穿刺要素22が通気開口部26を穿刺し、又は、通気開口部26を開き、輸送ロック36が解除されるようにする。
【0097】
特に内側部品17、又は、好ましくは、保持部分47に形成されている少なくも1つの軸方向アーム又は突出部49により輸送ロック36を開く。図示の実施形態では、グリッパアーム48に対応して複数個の軸方向アーム49が設けられ、これら軸方向アームは、ハウジング部品18が完全にプッシュオンされ、それにより、
図20及び
図21に示すように、特に
図22に示すように輸送ロック36を開くと、グリッパアーム48を完全に回動させ又はスイングさせる。
【0098】
輸送ロック36又はグリッパアーム48を開くには、好ましくは、まず最初に、輸送ロック36をハウジング部品18のベースに向かって軸方向に動かし、その結果容器3のベースを開くようにする力が必要である。これは、それに対応して、ハウジング部品18の内側又はその外側への輸送ロック36の軸方向固定力とグリッパアーム48を旋回させるのに必要な開放力の比をマッチさせることにより達成される。ハウジング部品18内における輸送ロック36の軸方向端位置に達した後にのみ、グリッパアーム18及びそれ故に輸送ロック36が開かれ、容器3が軸方向に解除される。
【0099】
次の最初の引張り操作中、運搬管9を容器3内に更に動かし、ホルダ6を容器3に係合させる。
図21は、この位置を示している。ネブライザ1の次の解除中、容器を噴霧化プロセス中、通常の仕方でホルダ6により軸方向に動かすことができる。というのは、輸送ロック36が、開いたままであり、容器3を軸方向に自由に運動させることができるからである。
【0100】
図23から
図31は、本発明のネブライザ1の第9の実施形態を示している。
図23は、ネブライザ1を引渡し状態で示している。
図24は、ネブライザ1を作動されているが、まだ引張り操作されていない状態で示している。
図25は、ネブライザ1を作動且つ引張り操作状態で示している。
図26は、輸送ロック36を詳細斜視図で示しており、固定要素が容器3に取り付けられ、例えば、カートリッジ要素50及びベース要素51が、ハウジング部品18上に形成され又はこれに取り付けられている。
図27は、カートリッジ要素50がベース要素51から軸方向に持ち上げられた位置でこのカートリッジ要素を側面図で示しており、このベース要素は、分かりやすくするために部分的に断面で示されている。
図28は、
図27に対応した図の状態で、カートリッジ要素50を下降状態で示している。
図29は、開かれた状態にある輸送ロック36の概略軸方向図である。
図30は、ネブライザ1の内側部品17を斜視図で示している。
図31は、ハウジング部品18を概略斜視図で示している。
【0101】
第9の実施形態は、構成及び設計が第8の実施形態と基本的に同じである。以下の説明は、本質的な違いのみに関する。第8の実施形態及び他の実施形態に関して行った説明も又、特に互いに補完する。
【0102】
第9の実施形態では、ハウジング部品18は、引渡し状態にあり、完全にはプッシュオンされていない。引渡し状態では、輸送ロック36は、容器3をハウジング部品18のベースに固定している。
【0103】
第9の実施形態では、軸方向運動は、好ましくは、作動時に回転運動に変換される。その目的は、輸送ロック36を開き、又は、容器3を軸方向に自由にすることにある。具体的に言えば、自由にすること、又は、解除することは、傾斜平面上で行われる。回転運動による軸方向プッシュオン運動、及び、移送ロック36の解除運動の結合解除により、固定状態への容器3の最適軸方向固定、及び、輸送ロック36の比較的容易な開放が可能になり、容器3が軸方向に解除される。これにつき、図示の実施形態を参照して以下に説明する。
【0104】
カートリッジ要素50は、容器3に回転可能に連結されており、具体的には容器3上に形成され、容器3にくっつけられ又は容器3上に射出成形され、半径方向に幅が広くなった容器底部21のリム又は縁部を包囲する。引渡し状態では、
図23、
図26及び
図27に示されているように、容器3付きのカートリッジ要素50をベース要素51に、より具体的に言えばこのベース要素51から軸方向に間隔を置いたところで軸方向に且つ回転不能に固定されており、したがって、ベース要素51の穿刺要素22が容器3のベースを開かず又は穿刺しないようになっている。
【0105】
剛性グリッパアーム48は、ベース要素51に取り付けられ、特にベース要素51上に形成され、これらアーム48は、指定された回転位置でカートリッジ要素50の半径方向突出部52に被さった状態で係合し、それによりカートリッジ要素50をベース要素51から軸方向に遠ざからないように固定する。ベース要素51に設けられたロックアーム53が、カートリッジ要素50の半径方向停止部54を制止し、それによりカートリッジ要素50の回転(図示の実施形態では、時計回りの方向)を阻止する。逆方向の回転は、グリッパ要素48の適当な設計、及び(又は)、カートリッジ要素50に設けられた滑り斜面とベース要素51に設けられた傾斜面56の協働により止められる。
【0106】
滑り斜面55及び傾斜面56は、周方向に延びると共に周方向に傾けられ且つ指定された回転位置(制止回転位置)におけるカートリッジ要素50が特に
図27から理解できるように、引渡し状態においてベース要素51から軸方向に間隔を置いたところに保持され又はこれから持ち上げられるように互いに合わせられている。
【0107】
ネブライザ1を作動させて容器3を開くため、ハウジング部品18を軸方向に完全にプッシュオンする。内側部品17は、
図30に示す軸方向アーム又は突出部49を有し、かかるアーム又は突出部は、作動状態では、又は、ハウジング部品18が完全にプッシュオンされたとき、制止アーム53を回動させ、それにより輸送ロック36を開き又は少なくとも、これを弛め若しくはラッチ解除する。半径方向当接部54を制止する制止アーム53の又は制止アーム53の部分を半径方向外方に旋回させ、それによりカートリッジ要素50をベース要素51に対して回転させることができる。
【0108】
図24、
図25、
図28及び
図29は、既に時計回りに回転させたカートリッジ要素51を示している。この回転は、特に圧力発生器の引張り操作中又はホルダ6による容器3の押し下げ中、滑り斜面55を傾斜面56上でこれに沿って滑らせることにより行われる。この滑り運動中、カートリッジ要素50をベース要素51に対して軸方向に動かし、容器3のベースをベース要素51の穿刺要素22で穿刺する。さらに、この回転により、容器3内でカートリッジ要素50が軸方向に自由になる。というのは、半径方向突出部52がグリッパアーム48の下から退けられ、それにより軸方向に自由になるからである。オプションとして容器3を穿刺し、軸方向にこれを解除するためのカートリッジ要素50の回転は、好ましくは、5°から10°である。
【0109】
当然のことながら、輸送ロック36は、異なる構造のものであって良いが、同等の機能を備えるのが良く、特に、カートリッジ要素50を反時計回りの方向でベース要素51に対して回転させることにより、輸送ロック36の開放又は少なくとも弛み又は解除が可能になるべきである。
【0110】
上述の原理又は第9の実施形態の輸送ロック36の特定の構成は、必要ならば、他の実施形態、特に第8の実施形態でも具体化できる。
【0111】
ベース要素51は、好ましくは、保持アーム57を有し、この保持アームは、ハウジング部品18に取り付け可能にハウジング部品18に設けられた対応のパウチ58と嵌合する。特に、組み立て中、ベース要素51は、好ましくは容器3及びカートリッジ要素50と一緒にハウジング部品18内にクリップ止めされる。これにより、容易な組み立てが可能になる。しかしながら、ベース要素51を別の何らかの仕方でハウジング部品18に取り付けても良く、且つ(或いは)、これにより形成しても良い。
【0112】
図示の実施形態では、内側部品17は、周囲に沿って分布して設けられた数個の、具体的には3つのラッチ止めアーム28を有している。しかしながら、
図31に例示として示されたハウジング部品18は、好ましくは、内側にラッチ止め部材46を1つしか備えておらず、したがって、たった1つの関連のラッチ止めアーム28が、そのラッチ止め突起29でラッチ止め部材46と嵌合する。この嵌合機能については、特に第6の実施形態及び第8の実施形態を参照して既に説明してあり、したがって、この時点で再びこれにつき説明する必要はないであろう。
【0113】
他のラッチ止めアーム28は、ハウジング部品18に設けられたラッチ止め凹部30,31と嵌合し、凹部30は、引渡し状態における軸方向1に対応し、凹部31は、ハウジング部品18の軸方向完全挿入位置に対応している。この結果、両方の位置においてハウジング部品18の特に耐久性のある固定が得られ、それにより、ハウジング部品18がユーザによりネブライザ1から外される恐れがなく、又は、完全プッシュオン力のハウジング部品18の許可されていない部分軸方向取り出しの恐れがなくなる。
【0114】
第9の実施形態では、ハウジング部品18は、他の実施形態の場合と同様、好ましくは回転不能な仕方でネブライザ1又は内側部品17に取り付けられる。
【0115】
第9の実施形態では、作動は、非引張り操作状態のネブライザ1又は圧力発生器5で実施される。したがって、ハウジング部品18の軸方向挿入による作動後においては、ホルダ6を
図25に指示されているように容器3に係合させるためには、最初の引張り操作が依然として必要である。
【0116】
しかしながら、ネブライザ1又は圧力発生器5を引渡し状態においても既に引張り操作しておいても良い。これは、特に第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第5の実施形態、第6の実施形態及び第7の実施形態においてそうである。
【0117】
特に好ましい変形実施形態によれば、カートリッジ要素50と容器3は、互いに分離できないように取り付けられる。好ましくは、カートリッジ要素50は、容器3、又は、この中に入れられている流体2若しくは薬剤をコード化するのに役立つ。コード化は、例えば特定の活性物質、及び(又は)、服用量に応じて様々であって良い。カートリッジ要素50によるコード化により、カートリッジ要素50を備えた容器3は、特定のネブライザ1と関連して、特に特定の又は合致したハウジング部品18又はベース要素51と関連してのみ使用できるようになる。これは、正しい容器又は正しい流体2だけが適切なネブライザ1に用いられるようにする手法である。
【0118】
コード化は、特に、カートリッジ要素50を備えた問題の容器3をコード化がマッチしている場合、即ち、部品が適合する場合にのみネブライザ1内に挿入できるようにするために、突出部、凹部、アンダーカット、アームの構造及び数等の対応の適合策又は相補型構造である。
【0119】
カートリッジ要素50に関し、一般に、第9の実施形態と関連して、カートリッジ要素は、必ずしも連続周囲構造のものでなければならないということはないということも指摘されるべきである。それどころか、これは、必要ならば、特に容器ベース21に沿って容器3の周囲の一部にわたってだけ延びても良い。しかしながら、容器3は、カートリッジ要素50に代えて、例えば容器ベース21の付近の容器リム等の対応の適当な設計により特にベース要素51と機械的にのみ協働する他の何らかの固定要素等(図示せず)を備えても良く又はこれを形成しても良い。
【0120】
次に、
図32及び
図33を参照してネブライザ1又は輸送ロック36の第10の実施形態を詳細に説明する。
図32は、
図27の図に対応している。
図33は、
図28の図に対応している。
【0121】
第10の実施形態は、本質的には、輸送ロック36の構成が幾分単純になっている点のみにおいて第9の実施形態と異なっている。第9の実施形態と比較すると、グリッパアーム48は、第10の実施形態からは省かれている。その代わり、制止アーム53は、固定状態において、カートリッジ要素50をベース要素51又はハウジング部品18に対して軸方向に固定し、又は、動かなくする役目を更に果たす。具体的に言えば、制止アーム53は、対応の、好ましくは、傾斜した部分で、カートリッジ要素50又はカートリッジ要素50の適当な突出部、例えば、半径方向突出部52上に被さってこれに係合し、カートリッジ要素50が、
図32に示す位置から半径方向に持ち上げられないよう固定する。
【0122】
図33は、既に非固定状態又は既に開かれた輸送ロック、又は、装置36を示している。制止アーム53は、カートリッジ要素50及びそれ故に容器3を軸方向に解除するために、撓んでおり、特に半径方向外方に回動している。さらに、
図33に示す位置では、カートリッジ要素50は、容器3と一緒にベース要素51上に既に配置されており、これは、輸送ロック36が開いた状態でネブライザ1を引張り操作している際にホルダ6の作用により行われる。かくして、容器3は、この状態ではベースが穿刺されている。
【0123】
第9の実施形態と関連した他の説明及び特徴は又、基本的には、等しく第10の実施形態にも当てはまり、又は、少なくとも補完的に第10の実施形態にも当てはまる。
【0124】
図34から
図40は、本発明のネブライザ1の第11の実施形態を示している。
【0125】
図34は、ネブライザ1、又は、より正確に言えば、ネブライザ1の下方部分を中間状態で部分想像概略側面図で示している。このネブライザ1内に設けられた容器3は、図示されていない。ハウジング部品18は、下方位置又は第1の位置にあり、この位置では、ハウジング部品18は、上側ハウジング部品16により内側部品17から軸方向に間隔を置いたところに保持され、したがって、ハウジング部品18内に入っている容器3は、依然として運搬要素又は運搬管9から間隔を置いて位置し、即ち、まだ開かれておらず又は穿刺されていない。
【0126】
図35は、引渡し状態における内側部品17からのハウジング部品18の相対的回転位置を軸方向断面図で示している。
図36は、
図34に示す中間状態において内側部品17に対するハウジング部品18の回転位置を示している。この場合、ハウジング部品18は、内側部品17又は引渡し状態に対して回転している。
図37は、内側部品17が設けられていないが容器3が設けられたハウジング部品18を部分断面側面図で示しており、輸送ロック36が容器3をハウジング部品18内に保持している。
図38から
図40は、ハウジング部品18を種々の状態で示す部分断面側面図である。
【0127】
第11の実施形態は、基本的には、第7の実施形態、第8の実施形態、第9の実施形態、及び(又は)、第10の実施形態と酷似しており、したがって、読者は、これらに関して与えられた留意点及び説明並びに図解が参照されるべきであり、これらは、等しく又は補完的に適用される。第11の実施形態の本質的な相違点又は新規な特徴についてのみ以下に詳細に説明する。
【0128】
図35に示す引渡し位置では、ハウジング部品18は、好ましくはインターロック係合方式により、内側部品17上でこれに沿って軸方向に(更に)押し進められ又は上側ハウジング部品16の近くに動くのが阻止される。他の実施形態において既に説明したように、
図34及び
図36に示す中間位置への、好ましくは、約10°から約20°にわたる内側部品17に対するハウジング部品18の回転後にのみ、ネブライザ1の軸方向(更に軸方向の)挿入、又は、作動の後でしかネブライザ1の軸方向(更に軸方向の)挿入、又は、作動が起こることができず、又、容器3を開いて流体結合することができない。
【0129】
引渡し位置から中間位置への内側部品17に対するハウジング部品18の上述の回転運動は、ハウジング部品18を軸方向後方にプッシュオンでき又はネブライザ1を作動させることができるようにする上で必要不可欠である。かくして、引渡し位置におけるハウジング部品18の軸方向制止は、ネブライザ1の偶発的な作動を防止する保護策となる。例えば、これは、ネブライザ1が落下時に偶発的に作動されるのを阻止する。
【0130】
組み立ての際、ハウジング部品18をこの中に収納された容器3と共に輸送ロック36により保持された状態で、まず最初に、内側部品17又は内側部品17の下側部品17b上でこれに沿って押し進め、ついには、ハウジング部品18が内側部品17に分離不能に取り付けられ、特にラッチ止めされてこれに固定されるようにすることだけが生じるようにする。特に好ましくは、引渡し状態では、ラッチ止めアーム28は、ラッチ止め突起29で第1のラッチ止め凹部30と嵌合し、その結果、ハウジング部品18をもはや内側部品17から離脱させることができず又はこれから引き離すことができないようにする。この引渡し状態では、ハウジング部品18は、この場合、少なくとも最初は、インターロック係合方式によりそれ以上軸方向に押し進められないようになっている。
【0131】
引渡し状態でのそれ以上の軸方向押し進めを阻止するロック作用は、好ましくは、図示の実施形態では、少なくとも1つの軸方向当接部59、特に少なくとも2つの軸方向当接部59をハウジングの互いに反対側の側部に設けることにより達成され、これら軸方向当接部は、引渡し状態では、内側部品17に設けられている少なくとも1つの好ましくは半径方向の突出部60に当接する。当接部59は、
図36の端面図に最も明確に示されている。この場合、ハウジング部品13は、既に中間位置まで回転しており、したがって、突出部60は、もはや当接部59と軸方向にオーバーラップせず、隣接の軸方向凹部61に嵌まり込んでいる。
【0132】
引渡し位置から中間位置への内側部品17に対するハウジング部品18の回転は、とりわけ、ラッチ止め凹部30が対応の周方向広がりを有するので可能であり、したがって、ラッチ止め突起29は、より正確に言えば
図34に示す中間位置において、ハウジング部品18の内壁の周囲に沿って滑り又は動くことができるようになっている。
【0133】
引渡し状態におけるハウジング部品18のそれ以上の軸方向の押し進めを阻止するロック作用は、他の構造的手段によっても達成できる。
【0134】
ハウジング部品18を引渡し位置から中間位置に回転させる際、好ましくは、或る程度の抵抗に打ち勝たなければならない。回転動作は、この目的に関し滑らかではないようにするのが良い。図示の実施形態では、ハウジング部品18は、事実上ラッチ止め状態で引渡し位置及び中間位置に動き(引渡し位置では、半径方向突出部59は、半径方向凹部62に嵌まり、中間位置では、これら半径方向突出部は、ハウジング部品18の隣接の軸方向凹部61に嵌まる)、したがって、引渡し位置から中間位置に動く際、或る程度のラッチ止め抵抗に打ち勝たなければならず、他方、ハウジング部品18、及び(又は)、内側部品17は、好ましくは、それに応じて半径方向に弾性変形し又は対応の部分が弾性的に撓むようにする。
【0135】
好ましくは、ハウジング部品18を中間位置から引渡し位置に戻るよう回転させることができないようにするためにロック装置も又設けられる。図示の実施形態では、内側部品17には、少なくとも1つの好ましくは半径方向に作用するロックラッチ63が設けられ、このロックラッチは当初、引渡し位置において、ハウジング部品18に設けられた第1の軸方向に延びるラッチ止め切欠き64と嵌合し、中間位置では、第2の軸方向に延びるラッチ止め切欠き65と嵌合する。引渡し位置から中間位置への移行の際、即ち、第1のラッチ止め切欠き64から第2のラッチ止め切欠き65内への移行の際、ロックラッチ63は、半径方向内方に撓むことができる。図示の実施形態では、2つのロックラッチ63が、関連のラッチ止め切欠き64,65と共に互いに反対側に設けられる。中間位置から引渡し位置への逆の回転も又、他の構造的手段により阻止できる。
【0136】
第11の実施形態では、ネブライザ1を作動させるには、回転運動と平均運動の組み合わせが必要である。この組み合わせ運動の結果として、ネブライザ1の偶発的な作動に対する特に良好な阻止手段が得られる。
【0137】
好ましくは、非作動状態では、即ち、ハウジング部品18を完全にはプッシュオンしていない場合、ネブライザは、圧力発生器の引張り操作の阻止、即ち、特に、上側ハウジング部品16に対する内側部品17の回転の阻止のためにロックされる。これは、ネブライザ1を圧力発生器5が引張り操作されていない引渡し状態で供給する場合に特に重要である。したがって、吸入器1は、ハウジング部品18を完全にプッシュオンしたときに、内側部品17を上側ハウジング部品16に対してしか回転することができないようにするバリヤを有する。この回転バリヤは、引渡し状態において特に有効であり、かかる回転バリヤは、第11の実施形態とは無関係に、ネブライザ1が非引張り操作状態で引渡しされる他の実施形態にも利用できる。
【0138】
ハウジング部品18を引渡し位置から中間位置に動かす際の回転方向は、好ましくは、ハウジング部品18を作動状態で回転させることにより圧力発生器5又はネブライザ1を引張操作する際の回転方向とは逆の方向に抜く。しかしながら、ネブライザ1又は圧力発生器5を所望ならば同時に引張り操作するために、変形例として、引渡し位置から中間位置への回転を引張り操作方向に実施しても良い。
【0139】
図示の実施形態では、半径方向突出部60のうちの1つは、好ましくは、
図34に示すカウント又はモニタ装置23、特に装置23のねじ山付きスピンドル66の支承体を形成する。スピンドル66は、好ましくは、既に投与された又は依然として投与可能な投与回数を指示するスライダ(図示せず)である。スピンドル66を回すことにより、スライダをスピンドル66に沿って動かすことができる。好ましくは、窓67(
図35と
図36を比較参照のこと)が、ハウジング部品18に形成されていて、たとえハウジング部品18が構成に透明ではなくても、スライダの軸方向位置を見ることができるようになっている。
【0140】
第11の実施形態は、先の実施形態の輸送ロックとは構造がかなり異なる輸送ロック36を有している。しかしながら、輸送ロック36の機能は、上述した説明に一致しており、したがって、輸送ロック36の本質的な差についてのみ以下に説明する。
【0141】
図37は、輸送ロック36の好ましい構造を示している。ベース要素51が、ハウジング部品18内に挿入され、保持アーム57によって保持されている。輸送ロック36又はベース要素51は、容器3を図示の輸送状態に固定するグリッパアーム48を有している。具体的に言えば、グリッパアーム48は、容器3に又はこの状態ではそのベース21への移行部に半径方向に係合し、(或いは)、軸方向に係合する。その目的は、容器3を摩擦係合、具体的に言えばインターロック係合方式により固定することにある。グリッパアーム48は、容器3の周囲に沿って分布して設けられている。
【0142】
輸送ロック36は、好ましくは、環状の固定要素68を更に有し、この固定要素は、特に、半径方向に延びるロック要素69を備え、このロック要素は、グリッパアーム48が図示の固定状態又は輸送状態において半径方向外方にはねるのを阻止する。具体的に言えば、ロック要素69は、この目的のため、グリッパアーム48に設けられた周方向又は側方(ハンマー状)突出部に外側から半径方向に係合する。
【0143】
好ましくは、ロック要素69は、外部が、容器3をインターロック係合方式により保持する輸送位置において、インターロック係合方式によりハウジング部品18の内壁で半径方向に支持され(これにより、半径方向の撓みが阻止され、これに対応して、グリッパアーム48の制止又はロックが保証される)、又、これらロック要素は、好ましくは、半径方向外部が、
図38に指示されているようにハウジング部品18に設けられた周方向溝71及び関連の周方向ビード72により又は他の何らかの仕方で軸方向に保持される。かくして、固定要素68は、輸送状態では軸方向に固定され、又は、保持される。しかしながら、固定要素68は、直接に又は他の何らかの仕方で軸方向に保持しても良い。
【0144】
ロック要素69は、好ましくは、軸方向バー73により固定要素68に連結されていて、これらの間に空間を形成しており、これら空間は、グリッパアーム48が、輸送ロック36を開いたときに外方に撓むことができ、又、特に固定要素68がハウジング部品18のベースに向かって押された状態では軸方向に撓むことができるほど大きく、これについては以下に説明する。
【0145】
図38は、内側部品17が既に部分的に挿入された状態のハウジング部品18を示しており、したがって、内側部品17の軸方向アーム又は突出部49は、ロック要素69の端面に既に当接している。中間位置から始まって、容器18は、内側部品17又はネブライザ1上にこれに沿って完全にはまだ押し進められていない。
【0146】
図39は、ハウジング部品18が完全にプッシュオンされた状態の位置を示している。内側部品17は、固定要素68を
図37及び
図38に示す固定、又は、輸送位置からハウジング部品18のベースに向かって軸方向に押し出しており、したがって、ロック要素69は、もはやグリッパアーム48を軸方向の撓みを止めるようには固定していない。軸方向変位の際、内側部品17は、好ましくは、ハウジング部品18とロック要素69との間に得られているインターロック係合状態に打ち勝ち又は無効にする。
【0147】
さらに、内側部品17は、
図39に示す位置に達すると、対応の軸方向係合によりグリッパアーム48を半径方向に撓ませ、それにより輸送ロック36を開く。この位置では、容器3は、たとえ容器3がホルダ6内にまだ完全に嵌め込まれていない恐れがある場合であっても、ホルダ6によりヘッド側端部が既に保持されている。
【0148】
次に行われる最初のネブライザ1又は圧力発生器5の引張り操作の際、ホルダ6をハウジング部品18の方向の更に軸方向に動かし、その結果、もし、これが既に生じていない場合であっても、容器3は、そのヘッド側端部が所望の仕方でホルダ6にラッチ止めされ、容器3は、その下方の軸方向端位置に動かされ、したがって、容器3は、
図40に指示されているように穿刺要素22によりベースが開かれ又は穿刺されるようになる。
【0149】
ネブライザ1は、好ましくは、輸送ロック36の作動状態又は開放状態を指示するインジケータ装置を有する。図示の実施形態では、これは、ハウジング部品18が、そのベース領域に側方点検窓74を有することにより達成される。固定要素68、特にロック要素69の周囲方向の、好ましくは、色の異なる部分が、輸送ロック36を開き、又は、内側部品17を完全に嵌めた場合にのみ点検窓74を介して視認できる。
【0150】
輸送ロック36により、ハウジング部品18内への容器3の容易な組み立て、特に容易な挿入、輸送位置への容器3の非常に確実な保持及び内側部品17による容易且つ確実な開放等が可能になる。
【0151】
第11の実施形態の輸送ロック36は、他の実施形態でも使用できる。
【0152】
図41及び
図42は、本発明のネブライザ1の第12の実施形態の概略断面図である。
図41は、引渡し状態を示している。
図42は、容器3が開いた状態の作動状態を示している。
【0153】
他の実施形態とは対照的に、第12の実施形態では、ネブライザ1は、完全に閉鎖され、具体的に言えば、容器3を作動させ又は開く目的で、要素、コンポーネント等をプッシュインし、プッシュオンし、又は、違ったやり方で機械的に(追加的に)作動させる必要はない。その代わり、ネブライザ1の作動又は容器3の開放は、ネブライザ1又は圧力発生器5を最初に引張り操作したときに生じる。
【0154】
第12の実施形態では、ネブライザ1内の流体2のための容器3及び運搬装置は、好ましくは、運搬管9又は他の何らかの運搬要素がネブライザ1の非引張り操作且つ引渡し状態では容器3をまだ穿刺しないように互いに合わされる。引張り操作中にのみ、運搬管9を容器3内に軸方向に挿入し、それにより容器3を開き、ホルダ6を容器3に係合させる。ユーザにとっての利点は、ユーザが装置を作動させるために特別な行為を行う必要はないということにある。それどころか、ネブライザ1は、通常の使用中、即ち、これが最初に引張り操作されたときに自動的に作動される。かくして、予備収納容器3が設けられている結果として、ユーザにとって特に簡単且つそれ故に確実な動作手段が得られる。
【0155】
好ましくは、第12の実施形態では、他の実施形態の大部分と同様、ハウジング部品18をネブライザ1から離脱させることはできない。具体的に言えば、ハウジング部品18は、定位置にラッチ止めされており、例えばプッシュオン位置では、
図41及び
図42に示すラッチ止めアーム28により取り外し不能であるように保持される。
【0156】
一般に、容器3は、好ましくは、本発明のネブライザ1内に挿入でき、即ち、ネブライザ1内に組み込むことができるということが指摘されるべきである。その結果、容器3は、好ましくは、別個のコンポーネントである。しかしながら、容器3は、理論的には、直接ネブライザ1により形成されても良く又はネブライザの一部であっても良く、或いは、ネブライザ1内に違ったやり方で組み込まれても良い。
【0157】
上述したように、説明した実施形態の個々の特徴、観点、及び(又は)、原理は、所望に応じて互いに組み合わせ可能であり、又、特に
図1及び
図2の公知のネブライザだけでなく、これに類似した又は異なるネブライザに利用できる。
【0158】
自立型機器等とは異なり、本発明のネブライザ1は、好ましくは、携帯可能であるように設計されており、特に、携帯型手動操作式器具である。
【0159】
しかしながら、本発明の解決策は、本明細書において具体的に説明したネブライザ1だけではなく、他のネブライザ又は吸入器、例えば、粉末吸入器、又は、いわゆる計量型吸入器にも利用できる。
【0160】
好ましくは、流体2は、上述したように液体であり、特に、水性医薬調合物である。しかしながら、これは、他の何らかの医薬調合物、懸濁液等であっても良い。
【0161】
変形実施形態によれば、流体2は、粒子又は粉末を更に含んでも良い。この場合、放出ノズル12ではなく、他の何らかの形式の供給装置、特に、流体又は粉末等をマウスピース13内に供給する放出開口部(図示せず)、又は、供給チャネル(図示せず)を設けるのが良い。この場合、オプションとしての空気供給開口部15は、周囲空気を穏やかであるように好ましくは並列に供給し、又は、マウスピース13を通る十分な吸息又は吸入量で空気流を実現可能にするのに役立つ。
【0162】
必要ならば、流体2を推進ガスにより噴霧化しても良い。
【0163】
好ましくは医用流体2の好ましい成分、及び(又は)、調合物は、以下に一覧表示されている。上述したように、これらは、エタノールを含み又は溶剤を含んでいない水性又は非水性溶液、混合物、調合物等であるのが良い。流体2は、以下のものを含有することが特に好ましい。
【0164】
医薬活性物質、物質調合物又は物質混合物として、全ての吸入可能な化合物、例えば欧州特許第1,003,478号明細書に開示されている吸入可能な巨大分子が用いられる。好ましくは、呼吸合併症を治療し、吸入により投与される物質、物質調合物又は物質混合物が用いられる。
【0165】
本発明の関連において特に好ましい医薬配合物は、抗コリン作動薬、ベータミメティック(betamimetic(s))、ステロイド、ホスホジエストラーゼ(PDE)IV阻害薬、LTD4拮抗薬及びEGFRキナーゼ阻害薬、抗アレルギー薬、バッカクアルカロイドの誘導体、トリプタン、CGRP拮抗薬、ホスホジエステラーゼV阻害薬及びかかる活性物質の組み合わせ、例えばベータミメティック+抗コリン作動薬、又はベータミメティック+抗アレルギー薬の中から選択されたものである。組み合わせの場合、好ましくは、活性物質のうちの少なくとも1種類は、化学的に結合された水を含む。好ましくは、抗アレルギー薬含有活性物質が、モノ調製剤又は組み合わせ調製剤の形態で用いられる。
【0166】
以下は、活性成分、又は、その使用の例として具体的に記載されている。
【0167】
使用可能な抗コリン作動薬は、好ましくは、チオトロピウムブロミド、オキシトロピウムブロミド、フルトロピウムブロミド、イプラトロピウムブロミド、グリコピロニウム塩、トロスピウムクロリド、トルテロジン、トロペノル2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミドスコピン2−フルオロ−2,2−ジフェニラセテートメトブロミド、トロペノトル2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、トロペノル 3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノル4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノル3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノル9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−シアンテーネ−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピンメチル4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノル9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノル9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトロブロミド及びスコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド並びにオプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンジアステレオマー又はジアステレオマーの形態及びオプションとしてこれらの溶媒化合物及び(又は)水和物の形態の中から選択される。
【0168】
使用可能なベータミメティックは、好ましくは、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロクサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、インダカテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモル、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルチプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモル、ソテレノート、スルホンテロール、チアラミド、テルブタリン、トルブテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−ペニル)−エチラミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンゾルスルホナミド、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イラミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニレトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)2−メチル−2−ブチラミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチラミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチラミノフェニル)−2−メチル−2−プロピラミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1.4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピラミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1.4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチロキシフェニル)−2−メチル−2−プロピラミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1.4−ベンゾキサジン8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1.2.4−トリアゾル−3−イル]−2−メチル−2−ブチラミノ}エタノール、5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピラミノブチル)−2H−1.4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオルメチルフェニル)−2−ター−ブチラミノ)エタノール及び1−(4−エトキシカルボニル−アミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(ター−ブチラミノ)エタノール並びにオプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンジアステレオマー又はジアステレオマーの形態及びオプションとしてこれらの薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0169】
使用可能なステロイドは、好ましくは、プレドニソロン、プレドニソン、ブチキソコルトプロピオネート、RPR−106541、フルニソリド、ベンクロメタソン、トリアンシノロン、ブデソニド、フルチカソン、モメタソン、シクレソニド、ロフレポニド、ST−126、デキサメタソン、(S)−フルオロメチル 6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオネート、(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル) 6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオネート及びエチプレドノール−ジクロロアセテート(BNP−166)並びにオプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンジアステレオマー又はジアステレオマーの形態及びオプションとしてこれらの塩、かかる塩の誘導体、溶媒化合物及び(又は)水和物の形態の中から選択される。
【0170】
使用可能なホスホジエストラーゼ(PDE)IV阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィルリン、ロフルミラスト、アリフロ(チロミラスト)、CP−325,366、BY343、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンザミド、NCS−613、プマフェンチン、(−)p−[(4aR
*,10bS
*])−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンザミド、(R)−(+)−1−1(4−ブロモベンジル)−4−[3−シクロペンチロキシ]−4−メトキシフェニル]−2−ピルロリドン、3−(シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N′−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピルロリドン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−カルボン酸]、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピル−メトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル]、(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチロキシ−4−メトキシフェニル)ピルロリジン−2−イリドン]アセテート、(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチロキシ]−4−メトキシフェニル)ピルロリジン−2−イリドン]アセテート、CDP840、ベイ−198004、D−4418、PD−168787、T−440、T2585、アロフィルリン、アチゾラン、V−11294A、C1−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン及び9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(ター−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、並びに、オプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンジアステレオマー又はジアステレオマーの形態、及び、オプションとしてこれらの薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0171】
使用可能なLTD4拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、1(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチレチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸、プランルカスト、ザフィルルカスト、[2−[[2−(4−ター−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−90507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707及びL−733321並びにオプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンジアステレオマー又はジアステレオマーの形態及びオプションとしてこれらの薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0172】
使用可能なEGFRキナーゼ阻害薬は、好ましくは、セツキマブ(cetuximab )、トラスツズマブ(trastuzumab )、ABX−EGF、マブ(Mab )ICR−62、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォニン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−メチル−2−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピルロロ[2,3−d]ピリミジン、3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタネスルフォニラミノ−シクロヘキサン−1−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イロキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イロキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチラミノ−エチル)−ピペリジン−4−イロキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イロキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニラミノ]−シクロヘキサン−1−イロキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イロキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニラミノ−シクロヘキサン−1−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イロキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イロキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イロキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニラミノ]−シクロヘキサン−1−イロキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピルロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イロキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イロキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イロキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アミノ]−6−{1−[N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ]カルボニル]−ピペリジン−4−イロキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタネスルフォニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イロキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イロキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチラミノ−シクロヘキサン−1−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタネスルフォニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イロキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチラミノ−シクロヘキサン−1−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−イロキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタネスルフォニル−ピペリジン−4−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イロキシ)−7−メトキシ−キナゾリン及び4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン並びにオプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンジアステレオマー、又は、ジアステレオマーの形態及びオプションとしてこれらの薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物の形態の中から選択される。
【0173】
酸添加塩、即ち、化合物が形成できる可能性のある薬理学的に容認できる酸を含む塩は、例えば、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドリオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレアート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレアートである。
【0174】
抗アレルギー薬の例は、クロモグリク酸二ナトリウム、ネドルロミルである。
【0175】
バッカクアルカロイドの誘導体の例は、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミンである。
【0176】
吸入のため、上述した活性物質を含む医薬配合物、医薬調合物及び混合物、並びに、塩、エステル、及び、これら活性物質、塩、及び、エステルの組み合わせを用いることが可能である。