特許第6140602号(P6140602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6140602
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   H02M3/28 H
【請求項の数】1
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-263010(P2013-263010)
(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-119598(P2015-119598A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】安藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】居安 誠二
(72)【発明者】
【氏名】吉川 覚
(72)【発明者】
【氏名】石井 淳
【審査官】 佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−543271(JP,A)
【文献】 特開2008−206304(JP,A)
【文献】 特開2008−109754(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/073173(WO,A1)
【文献】 Jorge L. Duarte他2名,Three-Port Bidirectional Converter for Hybrid Fuel Cell Systems,IEEE TRANSACTIONS POWER ELECTRONICS,2007年 3月,VOL.22,NO.2,pp.480-487
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バッテリ(B1)と、第2バッテリ(B3)と、所定の交流電力を入出力できる交流電力入出力端子(T1、T2)を備え、前記第1バッテリと前記第2バッテリと前記交流電力入出力端子との間でそれぞれ電力供給が可能な双方向の電力変換装置であって、
互いに磁気結合された第1コイル(L1)と第2コイル(L2)と第3コイル(L3)を有するトランス(Tr)と、
前記第1コイルに接続され、複数のスイッチング素子(Q11、Q12、Q13、Q14)を有する第1ブリッジ回路(10)と、前記第1ブリッジ回路と前記第1バッテリとの間に接続される昇降圧回路(14)と、前記第1バッテリの電圧である第1電圧(V1)を検出する第1電圧検出器(12)と、
前記第2コイルと前記交流電力入出力端子との間に接続され、複数のスイッチング素子(Q21、Q22、Q23、Q24)を有する第2ブリッジ回路(20)と、
前記第2ブリッジ回路の上アームのドレイン(コレクタ)端子と下アームのソース(エミッタ)端子間の電圧である第2電圧(V2)を検出する第2電圧検出器(21)と、
前記第3コイルと前記第2バッテリとの間に接続され、複数のスイッチング素子(Q31、Q32、Q33、Q34)を有する第3ブリッジ回路(30)と
記第2バッテリの電圧である第3電圧を検出する第3電圧検出器(32)と、
各電圧検出器により検出された各電圧値に基づいて各スイッチング素子を制御する制御回路(50)とを備え、
前記制御回路は、前記第1電圧と前記第2電圧と第1コイルの巻数と第2コイルの巻数と第3コイルの巻数とに基づいて、前記第1ブリッジ回路の上アームのドレイン(コレクタ)端子と下アームのソース(エミッタ)端子間の電圧を可変制御し、前記第1ブリッジ回路の上アームのドレイン(コレクタ)端子と下アームのソース(エミッタ)端子間の電圧と、前記第2電圧と、前記第3電圧の比が、前記第1コイルの巻数と前記第2コイルの巻数と前記第3コイルの巻数の比と等しくなるように制御することを特徴とする電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電圧入出力端子と、複数のバッテリとの間で電力の授受を行う電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多巻線トランスを使用して、1入力2出力のDCDCコンバータを構成したものとして、非特許文献1の電力変換回路がある。非特許文献1の電力変換回路では、燃料電池発電装置によって出力された電力を、1入力2出力のDCDCコンバータを用いて変換を行い、負荷とバッテリに電力の供給を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Jorge L. Duarte, et. al, “Three-Port Bidirectional Converter for Hybrid Fuel Cell Systems” IEEE TRANSACTIONS POWER ELECTRONICS,VOL.22,NO.2,MARCH
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載の電力変換装置は、交流電源と、電圧が240V〜400V程度の高圧バッテリと、電圧14V程度の補機バッテリとの間で電力の授受を行う回路に適用可能である。
【0005】
図10に示すように、補機バッテリへは、トランスの第1コイルL1と第3コイルL3とにより高圧バッテリから間接的に流入する電流I13と、トランスの第2コイルL2と第3コイルL3とにより交流電源から間接的に流入する電流I23との合計の電流が入力されることとなる。ここで、第1コイルL1の巻数をn1、第2コイルL2の巻数をn2、第3コイルL3の巻数をn3とする。また、高圧バッテリの電圧をV1、交流電源の電圧をV2、補機バッテリの電圧をV3、第1コイルと第3コイルとの間の漏れインダクタンスをL13、第2コイルと第3コイルとの間の漏れインダクタンスをL23とする。すると、電流I13の時間変化量は以下の数式1で表され、電流I23の時間変化量は、以下の数式2で表される。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
通常、電流I13の時間変化量及び電流I23の時間変化量が標準的な状態でゼロとなるようにn1、n2、n3は設定されている。交流電流の入出力回路の電圧V2及び補機バッテリの電圧V3はほぼ一定である。したがって、数式2の右辺はゼロとなるため、電流I23の時間変化量はゼロとなる。その結果として、電流I23は、図11に示すように、ピーク電流を生じない矩形波の出力となる。
【0008】
しかしながら、高圧バッテリはSOCによる電圧V1の変化が大きいため、数式1の右辺はゼロとならない場合が生じる。すなわち、電流I13には時間の経過に伴い、一定の増減量で変化することとなる。その結果として、電流I13は、図11に示すように区間Tにおいて数式1で現される時間変化の生じる電流となり、ピーク電流を有するものとなる。
【0009】
ここで、ピークを有する電流の流入を想定した回路を構成するならば、回路を構成する各素子は想定される最大電流に耐えうる素子とする必要が生じ、大型の素子が必要となり製造コストの増加が懸念される。また、出力される電流の増加に伴い、電力変換効率が低下することとなる。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、製造コストの低減、小型化及び高効率化が可能な電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、第1バッテリと、第2バッテリと、所定の交流電力を入出力できる交流電力入出力端子とを備え、第1バッテリと前記第2バッテリと交流電力入出力端子との間でそれぞれ電力供給が可能な双方向の電力変換装置であって、互いに磁気結合された第1コイルと第2コイルと第3コイルを有するトランスと、第1コイルと第1バッテリとの間に接続され、複数のスイッチング素子を有する第1ブリッジ回路と、第1バッテリの電圧である第1電圧を検出する第1電圧検出器と、第2コイルと交流電力入出力端子との間に接続され、複数のスイッチング素子を有する第2ブリッジ回路と、第2ブリッジ回路の上アームのドレイン(コレクタ)端子と下アームのソース(エミッタ)端子間の電圧である第2電圧を検出する第2電圧検出器と、第3コイルと第2バッテリとの間に接続され、複数のスイッチング素子を有する第3ブリッジ回路と、第2バッテリの電圧である第3電圧を検出する第3電圧検出器と、各電圧検出器により検出された各電圧値に基づいて各スイッチング素子を制御する制御回路とを備え、制御回路は、第1バッテリから第1コイルへ電力を供給させる場合に、第1電圧と第3電圧と第1コイルの巻数と第2コイルの巻数と第3コイルの巻数とに基づいて、第2バッテリに流れる電流のピーク値を抑制するように第2電圧を可変制御することを特徴とする。
【0012】
第1バッテリから第1コイルへ電力を供給させる場合に、第1バッテリのSOCの変化の結果として、第1コイルと第3コイルとにより第1バッテリから第2バッテリへと間接的に流入する電流に、時間変化量が生ずる状態となることがある。ここで、第2バッテリに流入する電流の時間変化量は、第1電圧、第2電圧、第3電圧、第1コイルの巻数、第2コイルの巻数、及び第3コイルの巻数と相関関係を有している。
【0013】
この点、上記構成とすることで、第2電圧の可変制御により、第2コイルと第3コイルとにより交流電力入出力端子から第2バッテリへと間接的に流入する電流を、時間変化量を有する電流とすることができる。そして、第1電圧と第3電圧と第1コイルの巻数と第2コイルの巻数と第3コイルの巻数とに基づくことにより、第2バッテリに流れる電流のピーク値を抑制するように第2電圧を可変制御することができる。その結果として、素子の小型化が可能であるとともに、電力変換効率を上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る電力変換装置の回路図である。
図2】第2電圧の制御が行われない場合の第3電流の変化を示す図である。
図3】ピーク電流が発生しない条件を示す図である。
図4】第2電圧の制御を行った場合の各電流の変化を示す図である。
図5】第2電圧の制御を行った場合の第3電流の変化を示す図である。
図6】第2実施形態に係る電力変換装置の回路図である。
図7】第3実施形態に係る電力変換装置の回路図である。
図8】第4実施形態の制御を示すフローチャートである。
図9】第5実施形態の制御を示すフローチャートである。
図10】従来例を示す図である。
図11】従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
【0016】
<第1実施形態>
本実施形態に係る電力変換装置は、プラグインハイブリッドカー、又は電気自動車に搭載される電力変換装置であり、家庭用電源や商用電源等の交流電源から車両に搭載されたバッテリへの電力の供給、及び、車両に搭載されたバッテリから家電製品等への交流電力の供給に用いられる。
【0017】
図1は、本実施形態に係る電力変換装置の回路図である。本実施形態に係る電力変換装置は、交流電力を入出力できる交流電力入出力端子T1,T2と、主機バッテリである第1バッテリB1と、補機バッテリである第2バッテリB3との間で電力供給を行う。第1バッテリB1及び第2バッテリB3は、3ポートの双方向DCDCコンバータ100に接続され、交流電力入出力端子T1,T2は、力率改善回路/インバータ回路400を介して双方向DCDCコンバータ100に接続される。
【0018】
第1バッテリB1は、複数のセルからなる高圧バッテリであり、SOCに応じて電圧が240〜400Vの間で変動するとともに、標準的な電圧は350Vと設定されている。第1バッテリは、図示しない駆動用モータに接続され、第1バッテリB1の電力を用いて駆動用モータが駆動される。第2バッテリB3は低圧バッテリであり、SOCによる電圧値の変化が少なく、電圧は14V前後である。第2バッテリB3には各種車載機器等の負荷が接続されており、第2バッテリB3の電力を用いて各種車載機が駆動される。
【0019】
双方向DCDCコンバータ100は、トランスTr、第1ブリッジ回路10、第2ブリッジ回路20、第3ブリッジ回路30、第1フィルタ11、第3フィルタ31、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、第3コンデンサC3を備える。
【0020】
トランスTrは、互いに磁気結合された第1コイルL1、第2コイルL2、第3コイルL3からなる。第1コイルL1、第2コイルL2、第3コイルL3は、それぞれ、第1漏れインダクタンスLr1、第2漏れインダクタンスLr2、第3漏れインダクタンスLr3を含んでいる。
【0021】
第1コイルL1は、第1ブリッジ回路10及び第1フィルタ11を介して第1バッテリB1に接続される。第1ブリッジ回路10と第1フィルタ11との間には、第1コンデンサC1が並列接続される。
【0022】
第1ブリッジ回路10は、4つのスイッチング素子Q11〜Q14と、4つのダイオードD11〜D14とを含むフルブリッジ回路である。スイッチング素子Q11及びスイッチング素子Q13は、高圧側である上アームに設けられ、スイッチング素子Q12及びQ14は、低圧側の下アームに設けられる。スイッチング素子Q11のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q12のドレイン端子及び第1コイルL1の一端に接続される。スイッチング素子Q13のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q14のドレイン端子及び第1コイルL1の他端に接続される。スイッチング素子Q12のソース端子及びスイッチング素子Q14のソース端子は、共に低圧側配線に接続される。ダイオードD11〜D14は、それぞれスイッチング素子Q11〜Q14に対して、逆方向に並列接続されている。
【0023】
第2コイルL2は、第2ブリッジ回路20を介して力率改善回路/インバータ回路400に接続される。第2ブリッジ回路20と力率改善回路/インバータ回路400との間には、第2コンデンサC2が並列接続される。
【0024】
第2ブリッジ回路20は、4つのスイッチング素子Q21〜Q24と、4つのダイオードD21〜D24とを含むフルブリッジ回路である。スイッチング素子Q21及びスイッチング素子Q23は、高圧側である上アームに設けられ、スイッチング素子Q22及びQ24は、低圧側の下アームに設けられる。スイッチング素子Q21のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q22のドレイン端子及び第2コイルL2の一端に接続される。スイッチング素子Q23のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q24のドレイン端子及び第2コイルL2の他端に接続される。スイッチング素子Q22のソース端子及びスイッチング素子Q24のソース端子は、共に低圧側配線に接続される。ダイオードD21〜D24は、それぞれスイッチング素子Q21〜Q24に対して、逆方向に並列接続されている。
【0025】
第3コイルL3は、第3ブリッジ回路30及び第3フィルタ31を介して第2バッテリB3に接続される。第3ブリッジ回路30と第3フィルタ31との間には、第3コンデンサC3が並列接続される。
【0026】
第3ブリッジ回路30は、4つのスイッチング素子Q31〜Q34と、4つのダイオードD31〜D34とを含むフルブリッジ回路である。スイッチング素子Q31及びスイッチング素子Q33は、高圧側である上アームに設けられ、スイッチング素子Q32及びQ34は、低圧側の下アームに設けられる。スイッチング素子Q31のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q32のドレイン端子及び第3コイルL3の一端に接続される。スイッチング素子Q33のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q34のドレイン端子及び第3コイルL3の他端に接続される。スイッチング素子Q32のソース端子及びスイッチング素子Q34のソース端子は、共に低圧側配線に接続される。ダイオードD31〜D34は、それぞれスイッチング素子Q31〜Q34に対して、逆方向に並列接続されている。
【0027】
力率改善回路/インバータ回路400は、第4ブリッジ回路40と、コイルL41と、コイルL42と、フィルタ41とを有している。
【0028】
第4ブリッジ回路40は、4つのスイッチング素子Q41〜Q44と、4つのダイオードD41〜D44とを含むフルブリッジ回路である。スイッチング素子Q41及びスイッチング素子Q43は、高圧側である上アームに設けられ、スイッチング素子Q42及びQ44は、低圧側の下アームに設けられる。スイッチング素子Q41のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q42のドレイン端子及びコイルL41の一端に接続される。スイッチング素子Q43のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q44のドレイン端子及びL42の一端に接続される。スイッチング素子Q42のソース端子及びスイッチング素子Q44のソース端子は、共に低圧側配線に接続される。ダイオードD41〜D44は、それぞれスイッチング素子Q41〜Q44に対して、逆方向に並列接続されている。
【0029】
コイルL41及びコイルL42は、ともにフィルタ41に接続され、フィルタ41は、交流電力入出力端子T1,T2に接続される。
【0030】
本実施形態にかかる電力変換回路は、検出手段として、第1電圧検出器12と、第1電流検出器13と、第2電圧検出器21と、第3電圧検出器32と、第3電流検出器33と、第4電圧検出器42と、第4電流検出器43とを備えている。
【0031】
第1電圧検出器12は、第1バッテリB1と並列接続され、第1バッテリB1の電圧である第1電圧V1を検出する。第1電流検出器13は、第1バッテリB1の負極に接続され、第1バッテリB1から流出入する第1電流i1を検出する。第2電圧検出器21は、第2コンデンサC2と並列接続され、第2ブリッジ回路20に印加される電圧である第2電圧V2を検出する。第3電圧検出器32は、第2バッテリB3と並列接続され、第2バッテリB3の電圧である第3電圧V3を検出する。第3電流検出器33は、第2バッテリB3の負極に接続され、第2バッテリB3から流出入する第3電流i3を検出する。第4電圧検出器42は、交流電力入出力端子T1,T2間に接続され、交流電力入出力端子T1,T2間の電圧である第4電圧V4を検出する。第4電流検出器43は、交流電力入出力端子T2とフィルタ41との間に接続され、交流電力入出力端子T1,T2に第4電流i4を検出する。
【0032】
第1電圧V1、第2電圧V2、第3電圧V3、第4電圧V4、第1電流i1、第3電流i3、及び、第4電流i4は、制御回路50へ入力される。制御回路50は、入力された各電圧の値及び各電流の値に基づいて演算を行い、各ブリッジ回路の各スイッチング素子へ制御信号を送信することにより、各スイッチング素子の開閉制御を行う。
【0033】
第1ブリッジ回路10は、スイッチング素子Q11及びスイッチング素子Q14が同時に開閉制御され、スイッチング素子Q12及びスイッチング素子Q13が同時に開閉制御される。この制御により、第1コイルL1には振幅V1、Duty比50%の電圧が印加される。
【0034】
第2ブリッジ回路20は、スイッチング素子Q21及びスイッチング素子Q24が同時に開閉制御され、スイッチング素子Q22及びスイッチング素子Q23が同時に開閉制御される。この制御により、第2コイルL2には振幅V2、Duty比50%の電圧が印加される。
【0035】
第3ブリッジ回路30は、スイッチング素子Q31及びスイッチング素子Q34が同時に開閉制御され、スイッチング素子Q32及びスイッチング素子Q33が同時に開閉制御される。この制御により、第3コイルL3には振幅V3、Duty比50%の電圧が印加される。
【0036】
制御回路50は、各ブリッジ回路のスイッチング制御に位相差を発生させることにより、各ブリッジ回路を介して出力される電圧を変化させる。
【0037】
本実施形態に係る電力変換装置では、第1電圧V1の標準的な状態を350V、第2電圧V2の標準的な状態を350V、第3電圧V3の標準的な状態を14Vとし、第1コイルL1と第2コイルL2と第3コイルL3との巻線比を、25:25:1としている。また、第1コイルL1と第3コイルL3との間の漏れインダクタンスL13は400nHであり、第2コイルL2と第3コイルL3との間の漏れインダクタンスL23は400nHである。
【0038】
次に、本実施形態に係る電力変換装置により、第1バッテリB1に蓄積された電力を用いて交流電力入出力端子T1,T2から交流電力を出力するとともに、第2バッテリB3へと電力の供給を行う制御について説明する。
【0039】
上述したように、第1バッテリB1から交流電力入出力端子T1,T2及び第2バッテリB3へ電力を供給する場合、第1バッテリB1から第2バッテリB3へと間接的に流入する電流I13の時間変化量は上記数式1で表される。一方、交流電力入出力端子T1,T2から第2バッテリB3へと間接的に流入する電流I23の時間変化量は、上記数式2で表される。したがって、第3バッテリへと流入する第3電流i3の時間変化量の合計値は以下の数式3となる。
【0040】
【数3】
したがって、第1電圧V1が300Vである場合の、第2バッテリB3へ流入する第3電流i3は図2(a)となる。第1電圧V1が350Vである場合の、第2バッテリB3へ流入する第3電流i3は図2(b)となる。第1電圧V1が400Vである場合の、第2バッテリB3へ流入する第3電流i3は図2(c)となる。
【0041】
ここで、図2(a)、図2(b)、図2(c)における区間Tの傾きは、第2バッテリB3へ流入する第3電流i3の時間変化量に相当するため、上記数式3により演算される値となる。すなわち、第1電圧V1が300Vである場合、及び、第1電圧V1が400Vである場合は、第1電圧V1が標準値である350Vと乖離しているため、ピーク電流が生じることとなる。
【0042】
第2バッテリB3へと流入する第3電流i3を、ピークを持たない電流とするためには、上記数式3の左辺が示す第3電流i3の時間変化量が0となればよい。したがって、その条件は、以下の数式4で表される。
【0043】
【数4】
上記数式4に、上述した第1コイルL1と第2コイルL2と第3コイルL3との巻数比、及び、第1コイルL1と第3コイルL3との間の漏れインダクタンスL13、第2コイルL2と第3コイルL3との間の漏れインダクタンスL23を代入すると、以下の数式5が得られる。
【0044】
【数5】
数式5に基づいて得られる、第3電流i3の時間変化量を0とすることが可能な、第1電圧V1と第2電圧V2と第3電圧V3との関係を図3に示す。図3の横軸は第1電圧V1を示しており、図3の縦軸は第2電圧V2を示している。そして、第3電圧V3を1V刻みとしたグラフが描かれている。したがって、上記数式5及び図3により、第3電圧V3が14Vの場合には、第1電圧V1が400Vの場合には第2電圧V2を300Vとすればよく、第1電圧V1が300Vの場合には第2電圧V2を400Vとすればよいことがわかる。
【0045】
図4は、第1電圧V1が400Vである場合に、第2電圧V2を300Vとする制御が行われた際の、第1バッテリB1から第2バッテリB3へと間接的に流入する電流I13の変化、交流電力入出力端子T1,T2から第2バッテリB3へと間接的に流入する電流I23の変化、及び、第1バッテリB1から交流電力入出力端子T1,T2へと間接的に流入する電流I12の変化を示す図である。第1電圧V1が標準的な電圧ではないため、I13には時間変化を有しており、その結果として、ピーク電流が生じている。そこで、上記数式5に示す条件を満たすように第2電圧V2を制御することで、I23に時間変化を起こし、I13のピーク電流を打ち消すことができる逆ピーク電流を発生させている。
【0046】
第2電圧V2を制御することにより、第2バッテリB3へ流入する第3電流i3は、図5(a)〜(c)で表されるものとなる。図5(a)〜(c)における第1電圧V1及び第3電圧V3は、それぞれ、図2(a)〜(c)における第1電圧V1及び第3電圧V3と同様の値である。一方、第2電圧V2は、上記数式5に基づいて制御された値となる。すなわち、図5(a)では、第2電圧V2は400Vであり、図5(c)では、第2電圧V2は300Vである。このように第2電圧V2を制御することにより、区間Tでの第3電流i3の時間変化量は概ねゼロとなり、ピーク電流が発生しないものとなる。
【0047】
本実施形態は、上記構成により、以下の効果を奏する。
【0048】
第2電圧V2の可変制御により、第2コイルL2と第3コイルL3とにより交流電力入出力端子T1,T2から第2バッテリB3へと間接的に流入する電流I23を、時間変化量を有する電流とすることができる。すなわち、第1バッテリB1のSOCの変化の結果として、第1コイルL1と第3コイルL3とにより第1バッテリB1から第2バッテリB3へと間接的に流入する電流I13に時間変化量が生ずる状態となったとしても、第2電圧V2の可変制御により、第2バッテリB3へと流入する電流I13の時間変化量を相殺する電流I23を発生させることができる。その結果として、第2バッテリB3へと流入する第3電流i3はピークを持たない矩形波となるため、素子の小型化が可能であるとともに、電力変換効率を上昇させることができる。
【0049】
<第2実施形態>
図6は、本実施形態に係る電力変換装置の回路図である。本実施形態は、力率改善回路/インバータ回路400が昇降圧回路44をさらに備える点が第1実施形態と異なっている。
【0050】
昇降圧回路44は、4つのスイッチング素子Q45〜Q48と、4つのダイオードD45〜D48と、コイルL41とを含むブリッジ回路である。スイッチング素子Q45及びスイッチング素子Q47は、高圧側である上アームに設けられ、スイッチング素子Q46及びQ48は、低圧側の下アームに設けられる。スイッチング素子Q45のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q46のドレイン端子及びコイルL41の一端に接続される。スイッチング素子Q47のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q48のドレイン端子及びコイルL41の他端に接続される。スイッチング素子Q46のソース端子及びスイッチング素子Q48のソース端子は、共に低圧側配線に接続される。ダイオードD45〜D48は、それぞれスイッチング素子Q45〜Q48に対して、逆方向に並列接続されている。
【0051】
本実施形態は、上記構成により、以下の効果を奏する。
【0052】
第2電圧V2を制御することによりピーク電流の発生を抑制するため、第2電圧V2が交流電力入出力端子T1,T2から電力を出力する場合に必要な電圧値とならない場合が生ずる。例えば、第1実施形態において第2電圧V2を300Vとした場合、交流電力入出力端子T1,T2から実効値が240Vの交流電力を出力することはできない。本実施形態では、制御回路50によりスイッチング素子Q45〜Q48を制御することにより、出力される電圧を昇圧し所望の電圧とするため、第2電圧V2を制御したうえで、必要な交流電力出力を得ることができる。
【0053】
<第3実施形態>
図7は、本実施形態に係る電力変換装置の回路図である。
【0054】
本実施形態は、双方向DCDCコンバータ100が昇降圧回路14をさらに備える点が第1実施形態と異なっている。
【0055】
昇降圧回路14は、第1ブリッジ回路10と第1フィルタ11との間に接続されている。
昇降圧回路14は、4つのスイッチング素子Q15〜Q18と、4つのダイオードD15〜D18と、コイルL11とを含むブリッジ回路である。スイッチング素子Q15及びスイッチング素子Q17は、高圧側である上アームに設けられ、スイッチング素子Q16及びQ18は、低圧側の下アームに設けられる。スイッチング素子Q15のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q16のドレイン端子及びコイルL11の一端に接続される。スイッチング素子Q17のドレイン端子は高圧側配線に接続され、ソース端子はスイッチング素子Q18のドレイン端子及びコイルL11の他端に接続される。スイッチング素子Q16のソース端子及びスイッチング素子Q18のソース端子は、共に低圧側配線に接続される。ダイオードD15〜D18は、それぞれスイッチング素子Q15〜Q18に対して、逆方向に並列接続されている。
【0056】
本実施形態において、制御回路50は、入力された第1電圧V1に基づいて昇降圧回路14を駆動し、第1電圧V1を昇降圧した電圧V1’を第1ブリッジ回路10に印加する。ここで、第1ブリッジ回路10に印加される電圧V1’と第2電圧V2と第3電圧V3との比と、第1コイルL1の巻数N1と第2コイルL2の巻数N2と第3コイルL3の巻数N3との比とは、等しくなるように制御される。すなわち、第2電圧V2は一定に制御され、第3電圧V3は概ね一定であるため、上記数式2で表される電流I23の時間変化量はほぼゼロとなる。したがって、上記数式1で表される電流I13の時間変化量がほぼゼロとなるように昇降圧回路14を駆動し、第1電圧V1を昇降圧した電圧V1’を第1ブリッジ回路10に印加する。
【0057】
上記構成により、本実施形態は以下の効果を奏する。
【0058】
第1電圧V1が第1バッテリB1のSOCの変化により変動したとしても、昇降圧回路14により、第1コイルL1に印加される電圧V1’は一定に制御される。その結果として、第1コイルL1に印加される電圧V1’と、第2コイルL2に印加される第2電圧V2と、第3コイルL3に印加される第3電圧V3との比と、第1コイルL1の巻数N1と、第2コイルL2の巻数N2と、第3コイルL3の巻数N3との比を等しくすることができる。したがって、ピーク電流の発生を抑制することができる。
【0059】
<第4実施形態>
本実施形態では、第1実施形態に係る電力変換回路において、交流電力入出力端子T1,T2に交流電源を接続する。そして、交流電力入出力端子T1,T2を介して入力される交流電力を直流電力に変換し、第1バッテリB1及び第2バッテリB3を充電する制御を行う。
【0060】
図8は本実施形態におけるフローチャートである。
【0061】
まず、S101において、第3電圧V3が所定値V3ref_1未満であるか否かを判定する。第3電圧V3が所定値未満であると判定された場合、S102において第1ブリッジ回路10の駆動を停止し、S103において、第4ブリッジ回路40をV4peak<V2<N2/N1・V1となるように駆動する。V4peakは、交流電源から交流電力入出力端子T1,T2間に印加される電圧の最大値であり、交流電源の電圧の実効値の√2倍である。
【0062】
ここで、V2<N2/N1・V1としたのは、第1バッテリB1へ電力が供給されることを防ぐためである。すなわち、第1ブリッジ回路10を停止したとしても、各スイッチにはダイオードが並列接続されているため、第1電圧V1より高い電圧が印加された場合にはダイオードを介して第1バッテリB1へと電力が供給される。したがって、第2ブリッジ回路20からトランスTrを介して第1ブリッジ回路10へ印加される電圧が、第1電圧V1未満となるように第2電圧V2を制御する。なお、上記の条件を満たしたうえで可能であるならば、第2バッテリB3へと入力される第3電流i3にピークが生じないようにするために、V2≒N2/N3・V3とするのが好ましい。
【0063】
次に、S104において第3ブリッジ回路30を駆動して第2バッテリB3への給電を開始する。その後、S105において、第3電圧V3が所定値V3ref_2(ただし、V3ref_2≧V3ref_1)より大きい値であるか否かを判定する。S105において、第3電圧V3が所定値V3ref_2より大きい値でないと判定されれば、充電の制御を継続し、V3が所定値V3ref_2より大きい値であると判定されれば、第2バッテリB3への充電を終了する。
【0064】
一方、S101において、第3電圧V3が所定値以上であると判定された場合、すなわち、第2バッテリB3の容量が所定量以上であり、充電の必要がないと判定された場合、S106において第3ブリッジ回路30の駆動を停止する。そして、S107において、第4ブリッジ回路40をV4peak<V2<N2/N3・V3となるように駆動する。
【0065】
ここで、V2<N2/N3・V3としたのは、第2バッテリB3へ電力が供給されることを防ぐためである。すなわち、第3ブリッジ回路30を停止したとしても、各スイッチにはダイオードが並列接続されているため、第3電圧V3より高い電圧が印加された場合にはダイオードを介して第2バッテリB3へと電力が供給される。したがって、第2ブリッジ回路20からトランスTrを介して第3ブリッジ回路30へ印加される電圧が、第3電圧V3未満となるように第2電圧V2を制御する。なお、上記の条件を満たしたうえで可能であるならば、第1バッテリB1へと入力される第1電流i1にピークが生じないようにするために、V2≒N2/N1・V1とするのが好ましい。
【0066】
次に、S108において第1ブリッジ回路10を駆動して第1バッテリB1への給電を開始する。その後、S109において、第1電圧V1が所定値V1refより大きい値であるか否かを判定する。S109において、第1電圧V1が所定値V1refより大きい値でないと判定されれば充電の制御を継続し、第1電圧V1が所定値V1refより大きい値であると判定されれば、一連の充電制御を終了する。
【0067】
上記構成とすることで、第2バッテリB3の容量が所定量より少なければ、交流電源と第1バッテリB1との間での電力の授受を停止し、交流電源から第2バッテリB3への電力の供給のみを行うことができる。一方、第2バッテリB3の容量が所定量より多ければ、第2バッテリB3への電力の供給を停止し、交流電源と第1バッテリB1との間での電力の授受のみを行うことができる。その結果として、第1バッテリB1と第2バッテリB3との間で電力の授受を行うことにより生ずるピーク電力の発生を抑制することができる。
【0068】
<第5実施形態>
図9は、本実施形態のフローチャートである。
【0069】
まず、S201において、第3電圧V3が所定値V3ref_1未満であるか否かを判定する。第3電圧V3が所定値未満であると判定された場合、S202において第1ブリッジ回路10、第2ブリッジ回路20、第3ブリッジ回路30を駆動する。そして、第1実施形態と同様に、第2電圧V2の可変制御を行うことにより、第1バッテリB1から第2バッテリB3への電力の供給を行う。その後、S203において、第3電圧V3が所定値V3ref_2(ただし、V3ref_2≧V3ref_1)より大きい値であるか否かを判定する。S203において、第3電圧V3が所定値V3ref_2より大きい値でないと判定されれば、充電の制御を継続し、V3が所定値V3ref_2より大きい値であると判定されれば、第2バッテリB3への充電を終了する。
【0070】
一方、S201において、第3電圧V3が所定値以上であると判定された場合、すなわち、第2バッテリB3の容量が所定量以上であり、充電の必要がないと判定された場合、S204において第3ブリッジ回路30の駆動を停止する。そして、S205において、第4ブリッジ回路40をV4peak<V2<N2/N3・V3となるように駆動する。V4peakは、交流電源から交流電力入出力端子T1,T2間に印加される電圧の最大値であり、交流電源の電圧の実効値の√2倍である。
【0071】
ここで、V2<N2/N3・V3としたのは、第2バッテリB3へ電力が供給されることを防ぐためである。すなわち、第3ブリッジ回路30を停止したとしても、各スイッチにはダイオードが並列接続されているため、第3電圧V3より高い電圧が印加された場合にはダイオードを介して第2バッテリB3へと電力が供給される。したがって、第2ブリッジ回路20からトランスTrを介して第3ブリッジ回路30へ印加される電圧が、第3電圧V3未満となるように第2電圧V2を制御する。なお、上記の条件を満たしたうえで可能であるならば、第1バッテリB1へと入力される電流値にピークが生じないようにするために、V2≒N2/N1・V1とするのが好ましい。
【0072】
次に、S206において第1ブリッジ回路10を駆動して第1バッテリB1への給電を開始する。その後、S207において、第1電圧V1が所定値V1refより大きい値であるか否かを判定する。S207において、第1電圧V1が所定値V1refより大きい値でないと判定されれば充電の制御を継続し、第1電圧V1が所定値V1refより大きい値であると判定されれば、一連の充電制御を終了する。
【0073】
上記構成により、本実施形態は、第1実施形態と同様の効果及び第4実施形態と同様の効果を奏する。
【0074】
<変形例>
・上記各実施形態では、各スイッチング素子をMOSFETとしたが、MOSFET以外の電界効果トランジスタを用いることもできる。また、各スイッチング素子をバイポーラトランジスタ等のトランジスタとしてもよい。この場合には、上記各実施形態において、ドレインをコレクタと読み替え、ソースをエミッタと読み替えればよい。
【0075】
・上記各実施形態において、上記数式3で示す第3電流i3の時間変化量がゼロになるように制御するものとしたが、第3電流i3の時間変化量は、必ずしもゼロになる必要はない。すなわち、第3電流i3に時間変化が生じたとしても、軽微であるならばピーク値は小さくなる。したがって、第3コイルL3の巻数N3に対する第1コイルL1の巻数N1の比(第3コイルL3の巻数N3/第1コイルL1の巻数N1)と第1電圧V1との積、及び、第3コイルL3の巻数N3に対する第2コイルL2の巻数N2の比(第3コイルL3の巻数N3/第2コイルL2の巻数N2)と第2電圧V2との積の、それぞれ第3電圧V3に対する大小関係が反対になっていればよい。
【0076】
・上記各実施形態において、素子による電圧降下の影響について具体的に記載していないが、必要に応じて考慮すればよいことは明らかである。
【0077】
・第1実施形態において、各ブリッジ回路の制御を行う場合、Duty比を50%としたが、必ずしも50%とする必要はなく、50%未満としてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…第1ブリッジ回路、12…第1電圧検出器、20…第2ブリッジ回路、21…第2電圧検出器、30…第3ブリッジ回路、32…第3電圧検出器、40…第4ブリッジ回路、42…第4電圧検出器、50…制御回路、B1…第1バッテリ、B3…第2バッテリ、L1…第1コイル、L2…第2コイル、L3…第3コイル、Q11〜Q44…スイッチング素子、T1,T2…交流電力入出力端子、Tr…トランス、V1…第1電圧、V2…第2電圧、V3…第3電圧、V4…第4電圧。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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図11