(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御基板は、予め決められた方向に並べられた前記複数の制御信号ポートを含む基板ポート群を有し、前記基板ポート群における両端に位置する前記制御信号ポートである前記第1ポートと第2ポートとを備え、
前記中継端子板は、予め決められた方向に並べられた前記複数の信号中継端子を含む中継基板端子群を有すると共に、前記中継基板端子群における両端に位置する前記信号中継端子である前記第1端子および第2端子に対して前記電力中継線から分岐して接続された前記第1分岐部および第2分岐部を備え、
前記第1分岐部が前記第1端子を介して前記第1ポートに接続され、前記第2分岐部が前記第2端子を介して前記第2ポートに接続されることを特徴とした請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態1について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
実施形態1の遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである(
図13)。
なお、下記実施形態では、本発明を遊技媒体としてパチンコ球を使用し、遊技の状況に応じて各種の遊技の演出を行うパチンコ遊技機に適用した場合について説明するが、例えば、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)に適用してもよい。
【0013】
[遊技機10の概要について]
図1は、実施形態1である遊技機10の主要な内部構成を示す概略説明図である。
遊技機10は、
図1に示すように、動作部400との間で制御信号が伝送される制御信号中継線に接続された制御基板100と、定電位に接続された電力線251と、制御信号の出力または入力用に制御基板100に設けられた1または複数の制御信号ポート104、106、108とを備え、制御信号ポートである第1ポートに対して電力線251または制御信号中継線253、255から分岐して接続された第1分岐線を有し、第1ポートにおける印加電位または、第1ポートを介して入力または出力される制御信号に基づき、1ポートまたは第1分岐線における接続異常を検出する接続異常検出部105を備えている。
【0014】
ここで、制御信号とは、遊技機10の動作部400から制御基板100に送られる検知信号や、制御基板100から動作部400に送られる動作命令などの各種信号を含む。
より具体的には、動作部400から制御基板100に送られる、遊技機10における遊技球の動作を検出したこと示す検知信号、磁気センサにより検知されたエラーを示す検知信号、制御基板100から動作部400に対して送られる、動作部400における動作を制御するためのコマンド信号や駆動信号(駆動電流信号)などが含まれる。
【0015】
また、「第1ポートに入力または出力された制御信号に基づき」接続異常を検出するとは、接続異常の有無を判定するための判定基準として、第1ポートを介して伝送される制御信号の有無や、制御信号のレベル、形状、位相などを用いることを示す。また、「第1ポートにおける印加電位に基づき」接続異常を検出するとは、接続異常の有無を判定するための判定基準として、第1ポートを介して印加される電圧電位のレベルや変化量、第1ポートを跨いでの電圧電位差などを用いることを示す。
【0016】
ここで、動作部400としては、遊技の制御に用いられる動作部、遊技機の状態を示す動作部、遊技の演出に用いられる動作部が含まれる。
「遊技の制御に用いられる動作部」とは、遊技機10がパチンコ遊技機である場合、遊技球が特定の入賞口に入球することを契機として開始され、後述する各種の機能部により決定された結果の出力が行われるまでの一連の遊技処理に用いられる動作部(遊技の制御に用いる動作部)が含まれる。具体的には、一連の遊技の契機となる、始動口などの入賞口への入球を検知するカウントスイッチや、上記決定された遊技の結果の出力を行う、普通電動役物、特別電動役物として付設された開閉部材や遊技の結果と連動して動作する部材の動作を駆動するアクチュエータ(ソレノイドアクチュエータやモータアクチュエータ)などが含まれる。
また、「遊技機の状態を示す動作部」としては、遊技機10に設置された不正な部品、磁石を用いて遊技球を誘導する不正行為などを検知する磁気センサや、扉の開放を検知するセンサなどが含まれる。
【0017】
また、「遊技の演出に用いられる動作部」としては、遊技機10における遊技の演出に用いられる出力手段(以下「出力手段」という)が含まれる。この出力手段としては、例えば、演出表示装置、スピーカ、装飾ランプ(LED)等が挙げられる。また、その他の出力手段としては、演出表示装置、スピーカ、LEDなどの装飾ランプが設けられた基板(被制御基板)や、演出用の可動式役物を駆動する演出用アクチュエータなども含まれる。
ここで、「遊技の演出」とは、遊技のために実行される一連の処理と連動して、またはこれらの処理を契機として実行され、遊技者が感得可能に出力される演出をいう。
【0018】
また、遊技機10が回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)である場合には、メダルがベットされるなどの始動条件が成立している場合に始動操作の通知を受け、この通知に起因して内部抽選を行い、リールの停止操作を受けてリールの停止パターンを判別し、入賞に対応した特典を付与してメダル処理を行うまでの一連の遊技処理に用いられる動作部(動作部400に対応)をいう。
【0019】
ここで、定電位とは、遊技機10における実質的に一定の電圧電位が印加された、電力線251の接続対象(定電位接続対象)を示し、例えば、動作電力などの供給が行われる給電端子、定電位が印加された動作部400、フレーム接地などのグランド(アース)などが含まれる。
また、遊技機10における定電位接続対象としては、制御基板100内に設けられた給電端子やグランド(アース)、また、制御基板100や後述する中継端子板の外部に設けられた給電端子やグランドなどが含まれる。
【0020】
電力線251は、定電位が印加された定電位接続対象に接続された電力伝送線を含む。ここで、電力線251は、定電位接続対象と制御基板(主制御基板、演出制御基板を含む)または中継端子板に接続される。定電位接続対象としては、例えば、
図2に示される遊技機の前枠12に設けられたフレーム接地などのグランドが含まれる。
また、遊技機10は、例えば、電力線251が、制御基板100の外部に設けられたグランド(「定電位接続対象」の一例)と制御基板100に接続されている場合に、この電力線251が分岐して制御信号ポート106に接続された構成であってもよい。
【0021】
また、電力線251は、
図1に示すように、制御基板100の電力ポート102および動作部400に接続され、例えば、遊技の制御に用いる動作部400に対しては電力線251を介して電源電力、電流信号が伝達(送電)される。
ここで、電力線251としては、例えば、制御基板100から動作部400に対して電力信号を供給するための電力供給線や動作部400における駆動動作用の電流を供給するための電流供給線などが含まれる。電力供給線や電流供給線として、具体的にはスイッチコモンやソレノイドコモンなどが含まれる。これらの構成については、後述する。
【0022】
また、制御基板100としては、遊技機における遊技を統括的に制御し、遊技の結果に影響を及ぼす各種機能を有する主制御基板100や、遊技に関連する演出を制御する演出制御基板300が含まれる。これら各基板の構成、各種機能については、後述する(
図12、13、14参照)。
また、制御基板100では、動作部400から送られた検知信号の種別や検知数などに応じて遊技機10における遊技状態(例えば、確変状態、変短状態など)の制御を行う。
なお、検知信号の種別とは、各動作部400の設置位置や入賞に対する重み付けの違いなどを示す。なお、「遊技状態の制御」の内容については後述する。
【0023】
また、制御信号が伝送される制御信号中継線253、255はそれぞれ制御信号ポート104、106と動作部400に接続されており、制御信号中継線253、255は、それぞれ動作部400に含まれる異なる動作部(図示なし)に接続された構成であってもよい。
また、実施形態1および後述する実施形態における、主要な入賞口としては、後述する大入賞口55、56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b、67c)などが含まれる(
図12、13、14参照)。
【0024】
また、遊技機10の接続異常検出部105は、電力線251から分岐した分岐電力線257、または、制御信号中継線253、255から分岐した分岐制御信号中継線(図示なし)が接続された制御信号ポート(例えば、制御信号ポート108)を監視する。
ここで、制御信号ポート108に対して電力線251から分岐した分岐電力線257が接続されている場合には、制御信号ポート108を介して接続異常検出部105に印加された電圧電位(印加電位)を監視し、この印加電位の変化を検出することにより、分岐電力線257における接続異常を検出する。
【0025】
また、接続異常検出部105は、制御信号ポート108に対して制御信号中継線253、255から分岐した分岐制御信号中継線(図示なし)が接続されている場合、例えば、制御信号ポート108から制御基板100に入力された制御信号と制御信号中継線253または255から得られる異なる2つの制御信号を比較することにより制御基板100および中継端子板200の間における接続異常を検出する構成であってもよい。
また、接続異常検出部105は、制御信号ポート108から制御基板100に対して入力される制御信号が一定期間検出されない場合に、分岐電力線257に接続異常があったものと検出する構成であってもよい。
【0026】
また、接続異常検出部105は、制御信号ポート108に接続された分岐電力線257と制御基板100の内部で制御信号ポート108に接続された信号線とに接続し、すなわち、制御信号ポート108を跨いて接続して、制御信号ポート108における外部と内部の電位差に基づいて分岐電力線257における接続異常を検出する構成であってもよい。
また、接続異常検出部105は、制御信号ポートとコネクタの接続点や信号線(伝送線)を含む分岐電力線257における接続異常を検出した場合に、これを報知するための出力信号を送出する構成であってもよい。これにより、遊技機10では、接続異常検出部105からの出力信号に基づきから接続異常が発生したことを示す報知音がスピーカから出力され、また、接続異常の発生を示すランプの点灯が行われる。
なお、接続異常検出部105は、制御基板100上に設定されたプロセッサによるプログラム処理により実現される設定であってもよい。
【0027】
また、制御基板100は、予め決められた方向に並べられた複数の制御信号ポート104、106、108を含む基板ポート群101を有し、
図1に示すように、上記の第1ポートである制御信号ポート108は基板ポート群101における一端に位置する構成としてもよい。
【0028】
これにより、基板ポート群101における、分岐電力線257が接続された制御信号ポート108側で発生した断線や斜め差しなどが、接続異常検出部105によって迅速に検出される。
なお、基板ポート群101と信号ケーブルのコネクタ部分(接続部分)の接続異常として、具体的には、
図11に示すように、信号ケーブルのコネクタに含まれる異なる複数の接続端子のうちコネクタの一端側だけが断線している状態(以下、「斜め差し状態」という)などが生じ得る。なお、
図11では、一端側のコネクタ断線を起こしている態様が示されており、制御信号ポート108は一端または他端側に位置しているものとする。
【0029】
なお、本実施形態1である遊技機10では、接続異常検出部105が、制御基板100内に設けられた構成が示されているが、接続異常検出部105は、分岐電力線257に接続された、制御基板100の外部に設けられた構成であってもよい。
この場合、制御基板100の制御信号ポート108から動作部400に対して送出される制御信号を、制御基板100の外側から監視し、分岐電力線257における接続異常の検出を行うことが可能となる。
【0030】
[実施形態2]
ここで、実施形態2の遊技機10aについて、
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態2としての遊技機10aの概略説明図である。
実施形態2の制御基板100は、予め決められた方向に並べられた複数の制御信号ポート104、106、108を含む基板ポート群101における両端に位置する第1ポート(制御信号ポート108)および第2ポート(制御信号ポート104)を備え、電力線251または制御信号中継線253から分岐して第2ポート(制御信号ポート104)に接続された第2分岐線(
図2では、分岐電力線259)を有し、このとき、接続異常検出部105は、第1ポート(制御信号ポート108)または第2ポート(制御信号ポート104)に印加される電圧電位、または、第1ポート(制御信号ポート108)または第2ポート(制御信号ポート104)に入力または出力される制御信号に基づいて、第1分岐線(分岐電力線257)または第2分岐線(分岐電力線259)における接続異常を検知する構成であってもよい。
【0031】
すなわち、
図2の制御基板100は、予め決められた方向に並べられた複数の制御信号ポート104、106、108から成る基板ポート群101を備え、電力線251上の分岐点271で分岐して制御信号ポート108に接続された分岐電力線257と、電力線251上の分岐点273で分岐して制御信号ポート104に接続された分岐電力線259を備えている。
また、制御基板100の接続異常検出部105は、制御信号ポート108(第1ポート)、制御信号ポート104(第2ポート)に印加される電圧電位に基づいて、分岐電力線257(第1分岐線)と制御信号ポート108における接続異常、もしくは、分岐電力線259(第2分岐線)と制御信号ポート104における接続異常を検知する。
【0032】
なお、
図2では、制御信号ポート104と制御信号ポート108に、電力線251から分岐した分岐電力線259と257が接続された構成を示しているが、制御信号中継線255上における2箇所の分岐点で分岐した分岐線(分岐制御信号中継線)それぞれが制御信号ポート104と制御信号ポート108に接続された構成であってもよい。
このとき、接続異常検出部105は、制御信号ポート104と制御信号ポート108に印加された電圧電位、または、制御信号ポート104と制御信号ポート108とから入力された制御信号に基づいて、制御信号ポート104側、あるいは制御信号ポート108側で生じた接続断線などの接続異常を検出する。
【0033】
ここで、例えば、遊技機10として、単一の制御信号中継線255上における異なる2つの分岐点で分岐された分岐制御信号中継線(図示なし)がそれぞれ制御信号ポート104と制御信号ポート108に接続された構成を有する場合、接続異常検出部105は、制御信号ポート104と制御信号ポート108に入力された制御信号に基づいて、制御信号ポート104側あるいは制御信号ポート108側で生じた接続異常の検出を行う。
このとき、制御信号中継線255を伝送される同一の制御信号が制御信号ポート104、制御信号ポート108それぞれに入力されるので、接続異常検出部105は、制御信号ポート104、制御信号ポート108それぞれから取得された制御信号の差分や、取得される時間差に基づき制御信号ポート104側、あるいは制御信号ポート108側で生じた接続断線などの接続異常を検出する設定であってもよい。
【0034】
また、制御信号中継線255上における1箇所の分岐点で分岐した分岐線(分岐制御中継信号線)と、電力線251上における1箇所の分岐点で分岐した分岐線(分岐電力線)それぞれが制御信号ポート104と制御信号ポート108に接続された構成であってもよい。
このとき、接続異常検出部105は、制御信号ポート104または制御信号ポート108の一方に印加された電圧電位を監視し、印加された電圧電位の変化量に基づき制御信号ポート104側、あるいは制御信号ポート108側で生じた接続断線等の接続異常を検出する。
【0035】
[実施形態3]
ここで、実施形態3としての遊技機10cについて、
図3を用いて説明する。
図3は、実施形態3の遊技機10cの主要な内部構成を示す概略説明図である。
実施形態3の遊技機10cでは、制御基板100の基板ポート群101に複数の制御信号ポート(104、106、108)と、電力線251(電力中継線)が接続された1または複数の電力ポート(ここでは、電力ポート102)が含まれ、制御信号ポート104、108が基板ポート群101における両端に位置する構成であってもよい。
【0036】
すなわち、
図3の制御基板100は、予め決められた方向に並べられた複数の制御信号ポート104、106、108、および電力ポート102から成る基板ポート群101を備えており、基板ポート群101における両端のポートには、制御信号ポート104、108が位置する構成であってもよい。このとき、電力ポート102は基板ポート群101内における両端以外の内側ポートのいずれかに位置する。
【0037】
これにより、接続異常検出部105は、1または複数の電力ポート(ここでは、102)が含まれる、より幅の広い基板ポート群における両端ポートの接続異常の監視を行う。
基板ポート群(コネクタ)は、通常、異なる複数の伝送線が束となった信号伝送線のコネクタと接続される。一定幅をもつコネクタと基板ポート群との接続では、斜め刺し状態(
図11)など、基板ポート群の両端に位置するポート接続箇所で最も断線が起こりやすい。
【0038】
また、
図3に示す構成では、電力ポート102が基板ポート群101における両端以外の内側の位置にあるので、接続異常や断線などが生じた場合に、遊技機10全体への影響が大きい電力ポート102や電力線251で接続不良が生じるのを有効に抑制することが可能となる。
【0039】
また、上記
図1〜3に示すように、遊技機10、10a、10cでは、基板ポート群101の両端のポートには、電力供給が実際に行われる本線としての電力線251や制御信号が実際に伝送される制御信号中継線255から分岐した分岐線としての「ダミー線」が接続されている。このため、このダミー線に接続異常が生じた場合でも、遊技機10に致命的な動作不良は生じず、基板ポート群101の内側に接続された信号線に接続異常が生じるまでは、遊技機を正常に動作させることができる。
すなわち、基板ポート群101における、より内側にある線の接続異常が起こって初めて遊技機における通常の遊技動作に致命的な動作エラーや停電状態などが生じる。このため、遊技機の通常動作に影響の大きなエラーの発生や停電状態に至るのに先立って、すなわち、斜め刺し状態など、遊技機10、10a、10cにおける致命的な動作不良が発生する前段階で、接続異常を検出することができる。
【0040】
また、遊技機10、10a、10cでは、分岐線および制御信号ポートにおける接続異常の検出用に、基板ポート群101内における空きポートに分岐線(分岐電力線または分岐制御信号中継線)が接続される。このため、制御基板に「空きポート」が発生してしまうのを抑止することが可能となる。
【0041】
[遊技機10、10a、10cにおける「空きポート」について]
ここで、上記基板ポート群101内における「空きポート」について説明する。
パチンコ機や回胴式遊技機(スロットマシン)などの遊技機では、機種変更等に伴い、制御基板に対応する被制御機器や出力手段の数や構造の変更が行われる。
このため、例えば、旧機種から新機種へと機種変更が行われる場合に、この機種変更に伴い旧機種における制御基板に接続された異なる複数の動作部のうちの一つまたは複数の動作部(動作部D1(図示なし)とする)が新機種においては取り外される、といったことが生じ得る。
このような場合、新機種においては、使用されなくなる動作部D1や、この動作部D1が接続していた制御信号中継線(L1:図示なし)、そして、この制御信号中継線L1が接続していた制御信号ポートなどが不要となる。
ここで、旧機種で利用されていた制御基板を新機種においても利用しようとする場合、旧機種で制御信号中継線L1が接続されていた制御基板の制御信号ポートは未使用状態となる。すなわち、新機種において、未使用状態の制御信号ポートを「空きポート」という。
このため、本実施形態1である遊技機10(ここでは、「新機種」に相当)では、
図1に示すように、空きポートとなる制御信号ポート108に対して分岐電力線257が接続された構成を有する。
【0042】
以上のように、実施形態1〜3では、接続異常検出部105が分岐電力線257、259の接続された制御信号ポート104、108を対象として接続異常の検出を行う。これにより、基板ポート群101における制御信号ポート108側(分岐電力線257から制御信号ポート108までの分岐線)または、制御信号ポート104側(分岐電力線259から制御信号ポート104までの分岐線)の接続異常を迅速に検出することが可能となり、更には、新機種となる遊技機で旧機種で利用されていた制御基板を利用する場合でも、制御基板における空きポート(空き端子)の発生を抑止することが可能となる。
ここで、接続異常検出部105は、分岐電力線257または259を介して制御信号ポート104または108それぞれに印加される電圧電位の変化を検出することにより、制御信号ポート104、108における接続異常を検出する。なお、分岐電力線257、259は電力線251から分岐された副次的な電力線(あるいは制御信号中継線)であるため、電力線251を介して行われる電力供給や制御信号中継線255を伝送される制御信号(検出信号など)に対して影響を与えることなく、基板ポート群101における断線や、斜め刺し状態の発生などを迅速に検出することが可能となる。
【0043】
なお、遊技機10、10a、10cにおける電力線251および分岐電力線257、制御信号中継線255はそれぞれフレキシブルケーブルで構成され、制御基板100および動作部400の接続の仕方としては空中配線で接続されていてもよい。
また、制御基板100および動作部400の接続の態様として、制御基板100および動作部400の間に中継端子板200を設け、制御信号中継線253、電力線251、および分岐電力線257の一部が導電体で中継端子板200上にパターニングされた構成であってもよい。以下、この構成について説明する。
【0044】
[実施形態4]
ここで、実施形態4としての遊技機10dについて
図4を用いて説明する。
図4は、実施形態4としての遊技機10dの概略説明図である。
【0045】
ここで、遊技機10dは、
図4に示すように、制御基板100と動作部400(動作部400a、400b)との間に設けられた中継端子板200を有し、中継端子板200は、制御基板100が有する制御信号ポート104、106、108それぞれに対応して接続された異なる複数の制御信号中継端子214、216、218と、動作部400(動作部400a、400b)および制御基板100の間で制御信号が伝送される制御信号中継線253、255の一部としての制御信号中継線部264、269を備えている。
図4の中継端子板200は、制御信号ポート108(第1ポート)に接続された中継端子板200の制御信号中継端子218(第1端子)に対して電力線251(電力中継線)または制御信号中継線253、255から分岐して接続された第1分岐部(
図4では、電力線251から分岐した分岐電力線部268)を備えている。
【0046】
また、
図4の中継端子板200は、制御基板100と動作部400との間に設けられ、制御信号ポート104、106、108それぞれに対応して接続された異なる複数の制御信号中継端子214、216、218の一部と、動作部400および制御基板100の間で伝送される制御信号の中継伝送を行う制御信号中継線の一部を備えている。
また、中継端子板200は、制御信号ポート108(第1ポート)に接続された制御信号中継端子218(第1端子)に対して、電力線251の一部である電力線部262、または、制御信号中継線253、255の一部である制御信号中継線部264、269から分岐して接続された第1分岐部(ここでは、分岐電力線部268)を備えている。
【0047】
すなわち、遊技機10dは、
図4に示すように、1または複数の動作部400との間で制御信号の送信または受信を行う複数の制御信号ポート104、106、108と、動作部400に対する電力供給を中継する電力線251が接続した電力ポート102を有する制御基板100と、動作部400および制御基板100の間で制御信号の中継伝送を行う異なる複数の制御信号中継線253、255と、電力線251から分岐して、制御信号中継端子218を介して制御信号ポート108に接続された分岐電力線257を備えた構成を有する。
【0048】
なお、
図4の中継端子板200には、電力線251の一部である電力線部262と、制御信号中継線253、255の一部である制御信号中継線部264、269と、電力線部262上の分岐点271で分岐して制御信号中継端子218の内端子に接続された分岐電力線部268とがそれぞれプリントパターンとして配設されている。
【0049】
なお、中継端子板200は制御基板100に対向した側に異なる複数の制御信号中継端子214、216、218と、動作部400側に異なる複数の制御信号中継端子294、296を備えている。
【0050】
ここで、制御信号中継端子214、216、218、294、296はそれぞれ中継端子板200上のプリントパターンと接続される内端子と中継端子板200の外部の機器や基板と伝送線(信号伝送線コネクタ)を介して接続される外端子を有する。
また、中継端子板200上に配設された分岐電力線部268は、分岐点271と制御信号中継端子218とに接続され、制御信号中継線部264は制御信号中継端子214の内端子と制御信号中継端子294の内端子とに接続されている。また、中継端子板200上に配設された制御信号中継線部269は制御信号中継端子216の内端子と制御信号中継端子296の内端子とに接続され、電力線部262は電力中継端子212および電力中継端子292それぞれの内端子に接続されている。
【0051】
また、
図4における、電力中継端子212、292はそれぞれ内端子と外端子を有する。ここで、電力中継端子212の外端子と電力ポート102の外端子とは伝送線181を介して接続され、制御信号中継端子214、216、218それぞれの外端子は伝送線183、185、187を介して制御信号ポート104、106、108それぞれの外端子に接続されている。
【0052】
また、電力中継端子292の外端子は伝送線381を介して、動作部400として設けられた動作部400a、400bに対して並列に接続されている。また、制御信号中継端子294、296の外端子はそれぞれ伝送線383、385を介して動作部400に接続されている。なお、伝送線383、385はそれぞれ異なる動作部400a、400bに接続されている。
なお、電力線251は、
図4に示すように、伝送線181、212、262、292、および伝送線381を含み、分岐電力線257は、分岐電力線部268、制御信号中継端子218、伝送線187を含む。
【0053】
ここで、
図4に示す接続異常検出部105は、分岐電力線257における接続異常を検出する。これにより、基板ポート群101における、中継端子板200上の分岐電力線部268が接続された制御信号中継端子218、伝送線187、または制御信号ポート108で発生した断線や斜め差し状態などの接続異常を、接続異常検出部105によって迅速に検出することができる。
【0054】
なお、基板ポート群101と信号ケーブルのコネクタ部分(接続部分)の接続異常として、具体的には、
図11に示すように、信号ケーブルのコネクタに含まれる異なる複数の接続端子のうちコネクタの一端側だけが断線している状態(斜め差し状態)などが生じ得る。なお、
図11では、図面上方側でコネクタ断線が生じている態様が示されている。
【0055】
ここで、中継端子板200上の分岐電力線部268(第1分岐部)には、
図4に示すように、抵抗素子R242が設けられていてもよい。これにより、接続異常検出部105に対して分岐電力線部268を介して印加される電力電位を適正に制御することができる。このため、接続異常検出部105では、制御信号ポート108、伝送線、および制御信号中継端子218における接続異常を正確に検出することが可能となる。
【0056】
また、
図4の制御基板100は、予め決められた方向に並べられた複数の制御信号ポート104、106、108を含む基板ポート群101を有し、基板ポート群101における両端に位置する第1ポート(制御信号ポート108)と第2ポート(制御信号ポート104)を備え、中継端子板200は、予め決められた方向に並べられた複数の信号中継端子214、216、218を含む中継基板端子群201を有し、電力線251(または制御信号中継線253に相当)からそれぞれ分岐して中継基板端子群201における両端に位置する信号中継端子218(第1端子)、信号中継端子214(第2端子)に対して接続された分岐電力線部268(第1分岐部)および分岐電力線部(第2分岐部:図示なし)を備えた構成であってもよい。
ここで、制御基板100(
図4)の接続異常検出部105は、信号中継端子218(第1端子)に接続された制御信号ポート108(第1ポート)、および制御信号中継端子214(第2端子)に接続された制御信号ポート104(第2ポート)それぞれに印加されたの電圧電位(または制御信号)に基づき、第1分岐線(分岐点271から制御信号ポート108までの分岐電力線(
図4))または第2分岐線(図示なし:制御信号ポート104に接続された分岐電力線)における接続異常を検知する。
【0057】
ここで、この遊技機10dにおける電力ポート102は基板ポート群101には含まれず、電力中継端子212も中継基板端子群201には含まれないものとする。すなわち、ここでは、電力ポート102は基板ポート群101における端部より外側に設けられ、電力中継端子212も中継基板端子群201における端部より外側に設けられている。
【0058】
ここで、電力線部262上の異なる2点の分岐点271、273それぞれで分岐して中継端子板200上に設けられた電力線を分岐電力線部とする。ここでは、
図5に示すように、分岐点271と制御信号中継端子218の内端子とに接続されたプリントパターンを分岐電力線部268とする。また、分岐点273と制御信号中継端子214の内端子とに接続されたプリントパターンを分岐電力線部266とする。なお、分岐電力線部266、268には、それぞれ抵抗素子R241、R242が設けられた構成であってもよい。
この構成により、接続異常検出部105に対して分岐電力線部268、266を介して印加される電圧電位を適正に制御することができる。
これにより、接続異常検出部105では、分岐点273から制御信号ポート104までの分岐電力線259(
図5)と、分岐点271から制御信号ポート108までの分岐電力線257それぞれにおける接続異常を正確に検出することが可能となる。
【0059】
[実施形態5]
次に、実施形態5としての遊技機10eについて、
図5を用いて説明する。なお、
図5は、遊技機10eの主要な内部構成を示す概略説明図である。
ここで、実施形態5としての遊技機10eが備えた中継端子板200の中継基板端子群201には、
図5に示すように、電力線251および電力ポート102に接続された電力中継端子212が含まれ、この中継基板端子群201における一端および他端のそれぞれには信号中継端子214、218が位置する構成であってもよい。
すなわち、
図5の中継端子板200は、電力ポート102に接続した電力線251を中継する電力中継端子212と異なる複数の信号中継端子214、216、218とを含む中継基板端子群201を備え、信号中継端子214と218が中継基板端子群201における両端に位置するものとする。
【0060】
ここで、制御基板100は、
図5に示すように、予め決められた方向に並べられた複数の制御信号ポート104、106、108、および電力ポート102から成る基板ポート群101を備えている。また、基板ポート群101における両端のポートは制御信号ポート104、108で構成され、このため、電力ポート102は基板ポート群101内における両端以外の場所に位置する。
【0061】
これにより、接続異常検出部105は、より幅の広い基板ポート群101における両端ポートの監視を行い、分岐電力線部266から制御信号ポート104までの分岐電力線、または、分岐電力線部268から制御信号ポート108までの分岐電力線における接続異常を検出する。
【0062】
また、遊技機10eは、動作部400に電力線251を介して定電位が印加され、電力線251から分岐電力線257(第1分岐部)と分岐電力線259(第2分岐部)とが分岐されている場合に、中継端子板200上に設けられた、分岐電力線257の一部である分岐電力線部268(第1分岐部)および分岐電力線部266(第2分岐部)それぞれに抵抗素子R242、R241が設けられた構成であってもよい。
これにより、接続異常検出部105に対して分岐電力線部268、266を介して印加される電力電位を適正に制御することができ、このため、接続異常検出部105では、分岐電力線部266から制御信号ポート104までの分岐電力線(
図2の分岐電力線259に相当:伝送線183および制御信号中継端子214を含む)と、分岐電力線部268から制御信号ポート108までの分岐電力線(
図2の分岐電力線257に相当:伝送線187および制御信号中継端子218を含む)それぞれにおける接続異常を正確に検出することが可能となる。
【0063】
ところで、制御基板100の基板ポート群101は、通常、異なる複数の伝送線が束となった信号伝送線のコネクタと接続される。一定幅をもつコネクタと基板ポート群との接続では、斜め刺し状態(
図11)や断線などの接続異常は、基板ポート群の両端いずれか一方に位置するポート接続で最も起こりやすい。
【0064】
また、
図5に示す遊技機eの構成では、電力ポート102が基板ポート群101における両端以外の内側の位置にあるので、基板ポート群101における接続異常や断線などが生じた場合に遊技機10eにおける動作全体への影響が大きい、電力ポート102や電力線251での接続異常が生じるのを有効に抑制することが可能となる。
【0065】
また、上述のように、
図1〜5に示す遊技機10、10a、10c、10d、10eでは、基板ポート群101の両端のポートには、本線である電力線251や制御信号中継線255から分岐したダミー線が接続されている。このため、このダミー線が抜けても、遊技機10における致命的な動作不良や停電などの発生が抑制される。すなわち、基板ポート群101では、より内側にある線の接続異常が起こって初めて遊技機の動作に致命的な動作エラーや停電状態などが生じるため、遊技機にとっての致命的な動作エラーや停電状態に至るのに先立って、斜め刺し状態などの、遊技機全体への影響が比較的軽微な接続異常を早い段階で検出することができる。
【0066】
また、実施形態1〜5の遊技機10、10a、10c、10d、10eでは、分岐線および制御信号ポートにおける接続異常の検出用に、基板ポート群101内における空きポートに分岐線(分岐電力線または分岐制御信号中継線)が接続される。このため、制御基板に「空きポート」が発生してしまうのを抑止することも可能となる。
【0067】
[実施形態6]
次に、実施形態6としての遊技機10bについて、
図6、
図11を用いて説明する。
図6は、遊技機10bの主要な内部構成を示す概略説明図である。
遊技機10bは、
図6に示すように、遊技の演出に用いられる上記出力手段としての動作部410と、動作部410に電力供給(電源供給)を行い、動作部410に対して制御信号を送ることにより動作部410における演出動作を駆動する制御を行う演出制御基板300を備えている。
なお、この遊技機10bでは、演出制御基板300から動作部410に対して電力線251bを介して電力供給が行われる。また、演出制御基板300から動作部410に対して制御信号中継線253b、255bを介して制御信号が送られる。
【0068】
また、動作部410としては、遊技機10bにおける遊技に関連する演出に用いられる出力手段(以下「出力手段」という)が含まれる。なお、動作部410には、異なる複数の出力手段a、bが含まれるものとする。この出力手段a、bとしては、例えば、演出表示装置80(液晶表示装置など)、スピーカ33、照明装置35(LEDなど)、可動式役物等が挙げられる。これらの構成については後述する(
図14参照)。更には、上記動作部410には、上記演出表示装置80、スピーカ33、照明装置35などの出力手段が設けられた基板(非制御基板)や、演出用の可動式役物を駆動する演出アクチュエータ38なども含まれる。
また、
図6の遊技機10bは、演出制御基板300に対して遊技に関連する演出用の制御信号(演出用制御コマンド)を送信する主制御基板110bを備えている。演出用制御コマンドには、スピーカ33による音声演出、LEDや冷陰極線管放電管などの照明装置35によるランプ演出、演出表示装置80による図柄演出、および可動式役物などの演出ギミックを駆動する役物演出などを実現するための制御コマンドを含む。
【0069】
演出制御基板300は、遊技機10b(
図6)によって行われる遊技、特に特別図柄変動ゲームに関連する演出を制御する演出制御部320と、入力ポートである制御信号ポート308に印加された電圧電位を監視することにより、制御信号ポート308に接続された分岐電力線257bにおける接続異常を検出する接続異常検出部305を備えている。なお、演出用制御コマンドについては、
図14を用いて後述する。
【0070】
中継端子板200bは、演出制御基板300と動作部410との間に設けられ、演出制御基板300の電力ポート302、制御信号ポート304、306、308それぞれに対応して接続された異なる複数の電力中継端子211b、292b、制御信号中継端子213b、215b、217b、294b、296bと、動作部410および演出制御基板300の間で制御信号が伝送される制御信号中継線253b、255bそれぞれの一部を備えている。
また、中継端子板200bは、制御信号ポート308に接続された信号中継端子217bに対して電力線部262b(電力中継線の一部)または制御信号中継線部264b、266b(制御信号中継線の一部)から分岐して接続された分岐電力線部268bを備えている。
【0071】
図6に示す遊技機10bは、1または複数の動作部410に対する制御信号の送信を行う複数の制御信号ポート304、306、308と、動作部410に対して電力線251bを介して導通した電力ポート302を有する演出制御基板300と、動作部410および制御基板100の間で伝送される制御信号の中継伝送を行う制御信号中継線(
図2の制御信号中継線253、255に相当)と、電力線251bから分岐して制御信号ポート308に接続された分岐電力線257bを備えている。なお、分岐電力線257bは、分岐電力線部268b、制御信号中継端子217b、および伝送線185bから成るものとする。
【0072】
また、
図4の遊技機10bは、演出制御基板300と動作部410との間に設けられた中継端子板200bを有し、この中継端子板200b上には、電力線の一部である電力線部262bと、制御信号中継線の一部である制御信号中継線部264b、266bと、電力線部262b上の分岐点271bから分岐された分岐電力線部268bとがプリントパターンとして配設されている
。
【0073】
また、中継端子板200bは演出制御基板300に対向した側に異なる複数の制御信号中継端子213b、215b、217bを備え、動作部410側に異なる複数の制御信号中継端子294b、296bを備えている。また、中継端子板200bは、電力中継端子211b、231bを備えている。
【0074】
ここで、制御信号中継端子213b、215b、217b、294b、296b、および電力中継端子211b、292bは、それぞれ中継端子板200b上のプリントパターンと接続される内端子と中継端子板200の外部の機器や基板と伝送線(信号伝送線コネクタ)を介して接続される外端子からなる。ここで、上記分岐電力線部268bは分岐点271bと制御信号中継端子217bとに接続されたプリントパターンであり、制御信号中継線部264bは制御信号中継端子213bの内端子と制御信号中継端子294bの内端子とを接続するプリントパターンであり、制御信号中継線部266bは制御信号中継端子215bの内端子と制御信号中継端子296bの内端子とを接続するプリントパターンであり、電力線部262bは電力中継端子211bおよび電力中継端子292bそれぞれの内端子を接続するプリントパターンである。
【0075】
また、中継端子板200bは、電力中継端子211b、292bを備えており、電力中継端子211b、292bもそれぞれ内端子と外端子からなる。ここで、電力中継端子211bの外端子と電力ポート302の外端子とは伝送線181bを介して接続され、制御信号中継端子213b、215b、217bそれぞれの外端子は制御信号ポート304、306、308それぞれの外端子に接続されている。
【0076】
また、電力中継端子292bの外端子は伝送線381bを介して動作部410として設けられた各動作部(410a、410b)に対して並列に接続されている。また、制御信号中継端子294b、296bの外端子はそれぞれ伝送線383b、385bを介して動作部410に接続されている。
【0077】
なお、
図6では、電力線は伝送線181b、211b、262b、292b、および伝送線381bからなる電力線が電力線251(
図1〜5)に相当する。また、分岐電力線部268b、制御信号中継端子217b、伝送線185bからなる分岐電力線が
図1〜5の分岐電力線257に相当する。ここで、
図6に示す遊技機10bの接続異常検出部305は、制御信号ポート308、伝送線185b、および制御信号中継端子217bにおける接続異常を検出する。
【0078】
これにより、演出制御基板ポート群301における、中継端子板200b上の分岐電力線部268bが接続された制御信号中継端子217b、伝送線185b、および制御信号ポート308で発生した断線や斜め差し状態などが、接続異常検出部305により迅速に検出される。
【0079】
なお、演出制御基板ポート群301と信号ケーブルのコネクタ部分(接続部分)の接続異常として、具体的には、
図11に示すように、信号ケーブルのコネクタに含まれる異なる複数の接続端子のうちコネクタの一端側だけが断線している状態(斜め差し状態)などが生じ得る。なお、
図11では、コネクタの一端側で断線が生じている態様が示されている。
【0080】
また、制御信号中継線253b、255bはそれぞれ異なる動作部(例えば、410a、410b)に接続された構成であってもよい。なお、遊技機10bにおける中継端子板200bは、分岐電力線部268b(第1分岐部)に抵抗素子(
図4のR242に対応)が設けられた構成であってもよい。
これにより、接続異常検出部305に対して分岐電力線部268bを介して印加される電力電位を、接続異常検出部305が適正に制御することができるので、接続異常検出部305は、制御信号ポート308、伝送線185b、および制御信号中継端子217bにおける接続異常を正確に検出することが可能となる。
【0081】
なお、遊技機10bは、電力線251b、電力線251bの分岐点から制御信号ポート308までの分岐電力線255b、および制御信号中継線253b、255bが、それぞれフレキシブルケーブルで構成されていてもよい。すなわち、演出制御基板300および動作部410は、
図6のような中継端子板200bを設けることなく、フレキシブルケーブルを用いた空中配線で接続された構成であってもよい。
【0082】
また、中継端子板200bの備えた中継基板端子213b、215b、217bを含む中継基板端子群201には、電力線251bと演出制御基板300の電力ポート302に接続された電力中継端子211bとが含まれ、この中継基板端子群201における一端および他端のそれぞれには信号中継端子213b、217bが位置する構成であってもよい。
すなわち、中継端子板200bは、電力ポート302に接続した電力線251bを中継する電力中継端子211bと、異なる複数の信号中継端子213b、215b、217bとを含む中継基板端子群201bを備え、信号中継端子213bと217bが中継基板端子群201bにおける両端に位置する構成であってもよい。
【0083】
また、動作部410に電力線251bを介して定電位が印加され、電力線251bから分岐電力線257bと分岐電力線259bとが分岐されている場合に、中継端子板200b上に設けられた、分岐電力線257bの一部である分岐電力線部268b(第1分岐部)および分岐電力線部266b(第2分岐部)それぞれに抵抗素子R242、R241が設けられた構成であってもよい。
これにより、接続異常検出部305に対して印加される電力電位を適正に制御することができ、このため、接続異常検出部305では、制御信号ポート304に接続された分岐電力線257bまたは、制御信号ポート308に接続された分岐電力線259bにおける
おける接続異常を正確に検出することが可能となる。
【0084】
以上のように、遊技機10bでは、演出制御基板300で空きポートとなり得る制御信号ポート306に対して分岐電力線(または、分岐された電力線に接続した伝送線)が接続されるので、演出制御基板300における空き端子の発生を抑止することができ、このため、出力手段(動作部410)の数や構成が変更された場合でも、変更前の演出制御基板300を共通して利用することが可能となる。
【0085】
[遊技機の外観]
次に、上述の遊技機10、10a、10b、10c、10d、10eの外観について、
図12〜
図14を用いて説明する。ここで、遊技機10、10a、10b、10c、10d、10e、および、後述する遊技機20、30の外観は同一とする。以下、遊技機10、10a、10b、10c、10d、10e、20、および30の外観を示す場合は遊技機10という。
遊技機10は、
図12または
図13に示すように、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠12と、を備える。
【0086】
前枠12は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠12は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。前枠12は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠12は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠12と一体的に設けられている。さらに、前枠12は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0087】
前枠12の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠12の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
前枠12は、上球受け皿27の前方部にボタン37が配設されている。ボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0088】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0089】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されている。演出表示装置80は、演出図柄の変動を含む各種の演出を表示することができる。ここで演出図柄とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために、演出表示装置80に表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄またはそれらの組み合わせから構成されている。
一般的に、遊技機10の遊技者は演出表示装置80に表示される演出図柄の変動演出により当該遊技の興趣を喚起されており、演出表示装置80は遊技者にとって視認しやすい位置に配置されている。
演出表示装置80としては、一般的には液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を採用し得る。
【0090】
演出表示装置80は、その表示領域の略中央に演出図柄が表示され、さらに当該演出図柄の左側および右側にもそれぞれ演出図柄が表示される。すなわち、演出表示装置80には、「左」「中」「右」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。これらの演出図柄が上下方向あるいは左右方向にスクロールすることにより、演出図柄が演出表示装置80の表示領域に変動表示される。
【0091】
図柄表示装置90は、演出表示装置80の右下側など、演出表示装置80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示装置90の表示領域は、演出表示装置80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示装置90は、複数のランプが配列されている。本実施形態で図柄表示装置90に用いられるランプとは、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示装置90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示し、特別図柄表示装置91と普通図柄表示装置92とを含んでいる。
【0092】
特別図柄表示装置91は複数個(例:16個)のLEDの発光パターンにより特別図柄変動ゲームの抽選結果(特別図柄)を表示する。より詳細に言えば、本実施形態の特別図柄表示装置91は、第1特図表示制御部1151によって制御される第1特別図柄表示装置91aと、第2特図表示制御部1152によって制御される第2特別図柄表示装置91bと、を含んでいる。第1特別図柄表示装置91aは、特別図柄表示装置91を構成するLED16個のうち左側の8個から構成される。また、第2特別図柄表示装置91bは、特別図柄表示装置91を構成するLED16個のうち右側の8個から構成される。普通図柄表示装置92は特別図柄表示装置91より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄変動ゲームの抽選結果(普通図柄)を表示する。
【0093】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央からみて内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構で、くぎ状のものをいう。
【0094】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0095】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW4等)が配設されている。なお、以下の説明において入球とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できない位置に配置されており、
図12、
図13、
図14においては図示しない。
【0096】
図13には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b、67c)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0097】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部(演出表示装置80の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口57の後方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1が配置されている。
第1始動口57に入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、特別図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに、第1始動口57に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口57は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
【0098】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部(演出表示装置80の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球が入球しやすい開放状態または入球しにくい閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、アクチュエータAC1の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59の後方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2が配置されている。第2始動口59に入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、特別図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに、第2始動口59に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第2始動口59は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0099】
作動ゲート63は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。作動ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3が配設されている。作動ゲート63は、入球した遊技球を普通図柄変動スイッチSW3で検知することにより、普通図柄変動ゲームの始動条件が付与され得る。
なお、本実施形態の遊技機10においては、普通図柄変動スイッチSW3の検知は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球はゼロである。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも、本明細書では「入球」と称す。
【0100】
大入賞口55は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右下側)に配置されている。大入賞口55の開口部は、アクチュエータAC2の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が配置されている。大入賞口55の後方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配置されている。カウントスイッチSW4が大入賞口55に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
また、大入賞口56に連通した連通路(図示なし)が設けられており、この連通路には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW0が配置されている。なお、この連通路は、遊技球の通過経路が複数に分岐するように構成されており、通過経路を通過する遊技球を一方の通過経路から他方の通過経路へと振り分けることで、一方または他方の通過経路を開放する振分部材が設けられている。
ここでは、大当り遊技時にカウントスイッチSW0が配置された通過経路が予め設定された一定時間だけ開放され、カウントスイッチSW0による遊技球の検知を契機として、その時に行われている大当り遊技の終了後に確変状態が特典として付与される。
すなわち、確変状態の付与を制御している当選確率制御部1141が遊技球が特定の通過経路を通過することに起因して遊技者にとって有利な特典を付与する。
なお、当選確率制御部1141の機能については、
図14を用いて後述する。
【0101】
大入賞口56は、大入賞口55の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。大入賞口56の開口部は、アクチュエータAC3の作動により開閉動作を行う特別電動役物66が配置されている。大入賞口56の後方には連通路(図示なし)が設けられており、連通路58には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5、カウントスイッチSW0が配置されている。
カウントスイッチSW5が大入賞口56に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。また、カウントスイッチSW5、カウントスイッチSW0による検知結果は、残存球エラーの報知制御に用いられる。
【0102】
大入賞口55は、第1始動口57の入球に起因する特別図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中には特別電動役物65の開動作によって開放されて遊技球の入球が許容される。また、大入賞口56は、第2始動口59の入球に起因する特別図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中には特別電動役物66の開動作によって開放されて遊技球の入球が許容される。
いずれの大当り遊技が行われる場合にも、遊技者は賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態において、遊技球が第2流路Yから転動するときには、第1流路Xから転動するときよりも、大入賞口55または大入賞口56に入球しやすくなるように各種障害物が配置されている。
【0103】
普通入賞口67(67a、67b、67c)は、演出表示装置80の左下部に配置されている。普通入賞口67の後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチ(図示なし)が配置されている。普通入賞口67に入球した遊技球をこのカウントスイッチで検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。
【0104】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。上述した各入賞口に入球しなかった遊技球(作動ゲート63がゲートタイプである場合には、作動ゲート63を通過して他の入賞口に入賞しなかった遊技球を含む)はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0105】
[遊技機10の制御構成について]
次に、
図14を用いて遊技機10、10a、10b、10c、10d、10eの制御構成について説明する。なお、遊技機後述する遊技機20、30も同様の制御構成を備えるものとする。
図14は、遊技機10、10bにおける主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
【0106】
なお、
図14で図示される各機能は上記遊技機10、10b、および後述する遊技機20、30、60、70を説明する上で必要な機能を挙げたものであり、ここに図示しない機能を各遊技機に追加してもよい。また、遊技機10、10b、および後述する遊技機20、30、60、70(以下総称として「遊技機10」という)はここに図示する機能の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の機能が省かれても良い。
【0107】
遊技機10は、
図14に図示している機能を含む種々の機能を基板と当該基板に電気的に接続している機能部品との処理によって実現する主制御基板を自機の内部に備えている。
より具体的には当該主制御基板は、制御動作を所定の手順で実行するCPUと、当該CPUの制御プログラムを格納するROM(図示せず)と、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるRAM(図示せず)を備えている。
また、当該CPUが当該ROMから読み出した制御プログラムを実行し、RAMに種々のデータを書き込みまたは読み出すことによって種々の機能を実現することができる。
なお、
図14に図示している各種機能は、一の基板のみで実現できる機能、複数の基板の間で種々のデータ授受を行うことにより実現できる機能、基板と当該基板に非搭載の機能部品とが電気的に接続していることにより実現できる機能等が混在している。これらの各種機能を実現するためのハードウェア構成は幾通りも存在しうるものであって、必ずしも一つに限定されない。
【0108】
主制御基板100は、遊技を統括的に制御する主制御部1000を備える。主制御部1000は、遊技の結果に影響を及ぼし、または及ぼすおそれがある機能を有する基板、いわゆる主制御基板として機能する構成要素である。
図14に示すように、主制御部1000は多数の機能を有し、これらの機能が互いに接続している構成となっているが、ここに図示している構成は一例であって、必ずしもこれに限るものではない。
【0109】
主制御部1000が備える主な機能としては、特図抽選制御部1130、普図抽選制御部1170、遊技状態制御部1140、図柄表示制御部1150、変動パターン決定部1110等が挙げられる。
【0110】
特図抽選制御部1130は、特別図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する機能または大当り遊技を管理する機能を有している。
普図抽選制御部1170は、普通図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する機能または当り遊技を管理する機能を有している。
遊技状態制御部1140は、確変状態の有無や変短状態の有無を管理し、これらの付与や解除(通常状態への移行)を制御する機能を有している。
図柄表示制御部1150は、特別図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、または普通図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる機能を有している
。
【0111】
変動パターン決定部1110は、特別図柄変動ゲームに関連して行われる表示演出の決定に用いられる変動パターンを、選択された特別図柄に起因して決定し、決定された変動パターンを演出制御部320に伝達する。
演出制御部320は、上述のように、遊技機10b(
図6)によって行われる遊技、特に特別図柄変動ゲームに関連する演出を制御する機能を有している。
【0112】
なお、前段および前々段にて列挙した各機能について、以下ではより詳細に説明する。
【0113】
[大当り判定用乱数と特図保留について]
主制御部1000は、第1特図抽選値取得部1111と、第2特図抽選値取得部1112と、特図保留制御部1120と、を備える。
【0114】
第1特図抽選値取得部1111は、第1始動口57に遊技球が入賞して取得された抽選値を保留記憶しておく。第2特図抽選値取得部1112は、第2始動口59に遊技球が入賞して取得された抽選値を保留記憶しておく。
特図選択部1132は、第2特図抽選値取得部1112に抽選値が保留記憶されている場合、第1特図抽選値取得部1111に抽選値が保留記憶されているか否かに拘らず、第2特図抽選値取得部1112に保留記憶された抽選値に基づいて当否抽選を行うことができる。
【0115】
より具体的には、第1特図抽選値取得部1111は、第1始動口スイッチSW1によって第1始動口57の入賞が検知されると、特別図柄変動ゲームの抽選値として用いられる大当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。第1特図抽選値取得部1111が保留記憶可能な抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
【0116】
第2特図抽選値取得部1112は、第2始動口スイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されると、特別図柄変動ゲームの抽選値として用いられる大当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。第2特図抽選値取得部1112が保留記憶可能な抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
【0117】
特図保留制御部1120は、特図抽選制御部1130が特別図柄変動ゲームに係る制御または大当り遊技に係る制御を行っていないとき、所定の周期で第1特図抽選値取得部1111または第2特図抽選値取得部1112によって保留記憶されている抽選値(大当り判定用乱数)を読み出す。第1特図抽選値取得部1111と第2特図抽選値取得部1112が共に一つ以上の抽選値を保留記憶している場合については、特図保留制御部1120は第2特図抽選値取得部1112によって保留記憶されている抽選値を優先的に読み出すことができる。
【0118】
大当り抽選部1131は、特図保留制御部1120によって読み出された抽選値を用いて大当り抽選を実行するので、結果的に第1特図抽選値取得部1111に保留記憶されている抽選値より、第2特図抽選値取得部1112に保留記憶されている抽選値を優先的に処理することになる。
【0119】
ここで乱数とは、無秩序でかつ全体として出現頻度が等しい数の系列を指す。本実施形態の遊技機10が稼働しているときに自機内部で常に乱数が生成されており、当該乱数は用いて種々の抽選処理に用いられている。乱数の生成方式については、専用ICにより生成する方式(ハードウェア方式)、専用のプログラムにより生成する方式(ソフトウェア方式)、あるいはこれらの組み合わせによって生成する方式がある。本実施形態では既述の大当り判定用乱数を含めて数種の乱数を用いるが、これらの生成は上に上げた方式のいずれを用いても構わない。
【0120】
特図保留制御部1120は第1特図抽選値取得部1111または第2特図抽選値取得部1112に保留格納されている抽選値の数をそれぞれについて監視している。また、特図保留制御部1120は、監視している抽選値の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部1150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように演出制御部320に指令を出してもよい。
【0121】
[大当り抽選と大当り遊技について]
特図抽選制御部1130は大当り抽選と大当り遊技を司る機能であり、大当り抽選部1131と特図選択部1132と大当り遊技制御部1133とを有している。
【0122】
大当り抽選部1131は、第1始動口57または第2始動口59への遊技球の入賞を契機として取得された抽選値(大当り判定用乱数)を用いて大当りの当否抽選を行う。なお、大当り抽選部1131によって行われる抽選の当選確率は、通常状態であるときは確変状態であるときより低くなっており、確変状態であるときは通常状態であるときより高くなっている。
ここで「入賞を契機として所定の処理を行う」とは、入賞を検知することを一つの条件として、その後に当該所定の処理が実行されうることをいう。すなわち、入賞が検知されたとしても、必ずしも当該所定の処理が実行されなくてもよい。例えば、本実施形態においては、第1特図抽選値取得部1111の抽選値保留数が上限を超えた場合に第1始動口スイッチSW1によって検知された入賞、あるいは第2特図抽選値取得部1112の抽選値保留数が上限を超えた場合に第2始動口スイッチSW2によって検知された入賞は、特別図柄変動ゲームの始動条件にはならない。
【0123】
特図選択部1132は、大当り抽選部1131による当否抽選の結果に基づいて特別図柄を選択し、選択された特別図柄を図柄表示制御部1150(第1特図表示制御部1151または第2特図表示制御部1152)に伝達して特別図柄表示装置91(第1特別図柄表示装置91aまたは第2特別図柄表示装置91b)を表示させる。
ここでいう選択とは、当否抽選に用いられた抽選値と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって"選択"をせずに一意に"決定"される場合も含む。
【0124】
本実施形態における大当り遊技は、大当り遊技制御部1133により制御される。
まず、大当り抽選部1131による当否抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置91に表示される特別図柄変動ゲームで特図選択部1132により選択された大当り図柄が停止表示された後、大当り遊技は開始される。
大当り遊技が開始される前に、大当り遊技制御部1133は特図保留制御部1120や普図保留制御部1160等に指令を出し、大当り抽選に関する処理または当り抽選に関する処理を、大当り遊技中については一時停止させる旨の指令を出す。
大当り遊技が開始すると、大当り遊技制御部1133は演出制御部320に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部320は大当り遊技制御部1133の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口55または大入賞口56の開閉が所定回数(開閉回数)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口55または大入賞口56に規定個数(入賞上限数)の遊技球が入賞する迄の間、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。
【0125】
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55または大入賞口56が開放される。
【0126】
大当り遊技制御部1133は、大入賞口55または大入賞口56を開放させるために、ラウンド数・開閉回数・入賞上限数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部1190に伝送する。
【0127】
特別電役制御部1190は、大当り遊技制御部1133から受けた指令に従って、アクチュエータAC2またはアクチュエータAC3を作動させて特別電動役物65または特別電動役物66を開放させる。また、特別電役制御部1190は、特別電動役物65または特別電動役物66を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55または大入賞口56に入賞した遊技球の個数をカウントスイッチSW4またはカウントスイッチSW5の検知に基づいて監視しており、入賞上限数に達したとき、アクチュエータAC2またはアクチュエータAC3を作動させて特別電動役物65または特別電動役物66を閉鎖させる。
【0128】
大当り遊技制御部1133は、演出制御部320にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部320は大当り遊技制御部1133の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技制御部1133は演出制御部320に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部320は大当り遊技制御部1133の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り遊技は終了される。
なお、本実施形態の大当り遊技においては、遊技球が第2流路Yを転動する方が大入賞口55に入賞し易いため、いわゆる右打ちの方が遊技者にとって有利である。
【0129】
[遊技状態の制御について]
遊技状態制御部1140は遊技状態を制御する機能であり、当選確率制御部1141と変短制御部1142とを有している。
【0130】
当選確率制御部1141にはカウントスイッチSW0による検知が伝達され、当選確率制御部1141は当該検知を契機として確変状態を付与する。
すなわち、カウントスイッチSW0が配置された通過経路が一定時間開放される大当り遊技の終了時に、当該大当り遊技の開始から終了までにカウントスイッチSW0による検知が発生したか否かを判定し、当該検知が発生した場合には、当選確率制御部1141は確変状態を付与する。
変短制御部1142は、大当り遊技制御部1133によって実行されるすべての大当り遊技の終了を契機として変短状態を付与する。
【0131】
[当り抽選と当り遊技について]
遊技機10は、普図抽選値取得部1113と普図保留制御部1160を備える。
普図抽選値取得部1113は、普通図柄変動スイッチSW3によって作動ゲート63の入賞が検知されると、普通図柄変動ゲームの抽選値として用いられる当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。普図抽選値取得部1113が保留できる抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
普図保留制御部1160は、普図抽選制御部1170が普通図柄変動ゲームに係る制御または当り遊技に係る制御を行っていないとき、所定の周期で普図抽選値取得部1113によって保留記憶されている抽選値(当り判定用乱数)を読み出す。
【0132】
普図保留制御部1160は普図抽選値取得部1113に保留格納されている抽選値の数を監視している。また、普図保留制御部1160は、監視している抽選値の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部1150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように演出制御部320に指令を出してもよい。
【0133】
遊技機10は、普図抽選制御部1170と普通電役制御部1180を備える。普図抽選制御部1170は当り抽選と当り遊技を司る機能であり、当り抽選部1171と普図選択部1172と当り遊技制御部1173とを有する。
【0134】
当り抽選部1171は、普図保留制御部1160によって普図抽選値取得部1113から読み出された当り判定用乱数を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、当り抽選部1171によって行われる抽選の当選確率は、通常状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常状態であるときより高くなっている。
【0135】
普図選択部1172は、当り抽選部1171による開放抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を図柄表示制御部1150(普図表示制御部1153)に伝達して普通図柄表示装置92に表示させる。普通図柄表示装置92に対応している二つのLEDは一方が当り、一方がはずれに対応しており、普図表示制御部1153は普図選択部1172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
なお、ここでいう選択とは、特図選択部1132による選択と同様に、開放抽選に用いられた抽選値と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって"選択"をせずに一意に"決定"される場合も含まれる。
【0136】
当り遊技制御部1173は、当り抽選部1171による当り抽選に当選したとき、普通電役制御部1180に指令を伝達し、アクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
普通電役制御部1180は、変短状態では開放状態の単位時間または開放回数を増加するように普通電動役物61を制御する。
【0137】
[演出制御について]
次に、上記実施形態6としての遊技機10bにおける演出制御基板300について説明する。演出制御基板300は、遊技に関連する演出に用いられる出力手段に対して制御信号を送ることにより、出力手段による演出動作を駆動する制御を行う
。
また、出力手段としては、上述のように、演出表示装置(液晶表示装置)80、スピーカ33、LEDなどの照明装置35、可動式役物(図示なし)等が挙げられる。また、出力手段としては、演出表示装置、スピーカ、装飾ランプなどが設けられた基板(非制御基板)や、演出用の可動式役物を駆動する演出用アクチュエータなども含まれる。
【0138】
また、演出制御基板300は、演出表示装置80、照明装置35、スピーカ33における動作を制御する演出制御部320を有する。より詳細には、演出制御部320は、主制御部1000の特図選択部1132によって選択された特別図柄、変動パターン決定部1110によって決定された変動パターン、またはボタン37で受け付けた遊技者の操作等に基づいて各種演出を実行する。演出制御部320はボタン37から受け付けた遊技者の操作に応じて演出を可変に切り替えてもよい。また、演出制御部320は演出アクチュエータ38を演出表示装置80周縁に設けられた可動式役物(いわゆる演出ギミック)の動作を制御してもよい。
【0139】
ここで、主制御部1000の変動パターン決定部1110は、特図保留制御部1120・特図抽選制御部1130・遊技状態制御部1140、普図保留制御部1160、普図抽選制御部1170と接続しており、これらの機能から信号(データ)を得ることにより、主制御部1000による遊技制御に適った変動パターンを生成することができる。変動パターンには、演出図柄が変動表示を開始してから終了(停止表示)するまでの時間等が規定されている。
【0140】
また、演出制御部320は、特図選択部1132によって選択された特別図柄や変動パターン決定部1110によって決定された変動パターンを用いて演出図柄の変動演出(例えば、リーチ演出等)やその他演出の演出態様を決定し、決定された演出を演出表示装置80、照明装置35またはスピーカ33に実行させる。
なお、本実施形態における演出制御部320は、特図選択部1132によって選択された特別図柄を、変動パターン決定部1110を介して取得しているものとする。
演出制御部320によって決定される演出態様には、演出表示装置80における図柄変動演出の発展態様の他に、演出表示装置80に表示される背景や色彩、スピーカ33により音声出力される演出音(音楽)、照明装置35の発光色や発光強度、ボタン37の操作を受け付けるタイミング等が含まれうる。
【0141】
[実施形態7]
次に、実施形態7として、上述の実施形態3(
図3)に対応した、より具体的な実施形態である遊技機20について、
図7、9、13、14を用いて説明する。
図7は、遊技機30の内部回路構成を示す概略説明図である。
実施形態7の遊技機20は、各入賞口に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW0、第1始動口57に入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1、第2始動口59に入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2、作動ゲート63を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3、大入賞口55に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4、連通路(図示なし)に入球した遊技球を検知するSW5を備えているものとする。
【0142】
また、実施形態7では、カウントスイッチSW0、SW4、SW5、第1始動口スイッチSW1、第2始動口スイッチSW2、および普通図柄変動スイッチSW3を、総称として「各種スイッチ」という。また、実施形態7では、上記のカウントスイッチSW0、SW4、SW5のいずれかであるカウントスイッチ420を備えているものとする。
【0143】
以下、カウントスイッチ420を備えた構成である遊技機20について、
図7に基づき説明する。ここで、遊技機20は、
図4、5と同様に、主制御基板100およびカウントスイッチ420の間に中継端子板200を備えている。
【0144】
遊技機20は、始動口や大入賞口等への入球を検出して検知信号(制御信号に相当)を出力するカウントスイッチ420と、このカウントスイッチ420に対して電源供給(電力供給に相当)を行うと共に、カウントスイッチ420からの検知信号を取得する主制御基板100と、上記電源供給および検知信号の中継を行う電力線(
図2の251に対応)の一部である電力線部262と制御信号中継線(
図2の制御信号中継線255に対応)の一部としての制御信号中継線部264を備えた中継端子板200を有する。
【0145】
カウントスイッチ420は、主制御基板100からの電源供給により駆動する。また、カウントスイッチ420は、遊技球が自己の開口部422を通過した場合に、これを検出し制御信号に相当する検知信号を出力する検出信号出力部424を備えている。
なお、カウントスイッチ420は、主制御基板100の内部以外に設けられた電力供給部(給電部)からの電力供給を受け、これにより駆動する構成であってもよい。
【0146】
なお、実施形態7では、カウントスイッチ420(検出信号出力部424)から出力された検知信号は、検出信号出力部424の(−)端子に接続された伝送線383、中継端子板200の制御信号中継端子286、制御信号中継線部264、制御信号中継端子216、および伝送線183を介して送られ、制御信号ポート106から主制御基板100に入力される。
また、上記の、検出信号出力部424の(−)端子に接続された伝送線383、中継端子板200の制御信号中継端子286、制御信号中継線部264、制御信号中継端子216、および伝送線183を制御信号中継線255とする。
また、電力ポート102から伝送線181、電力中継端子212、電力線部262、電力中継端子282、伝送線381、そして、カウントスイッチ420の検出信号出力部424の(+)端子までを電力線251とする。
【0147】
実施形態7における主制御基板100は、電力線251を介してカウントスイッチ420に対して定電圧の電源供給(電力供給に相当)を行う。
中継端子板200は、電力線251の一部である電力線部262と、制御信号中継線255の一部である制御信号中継線部264と、電力線部262における分岐点271で分岐して制御信号中継端子214の内端子に接続されている分岐電力線部266と、電力線部262における分岐点273で分岐して制御信号中継端子218の内端子に接続されている分岐電力線部268と、を備えている。
なお、電力線部262、制御信号中継線部264、分岐電力線部266、および分岐電力線部268は、それぞれ中継端子板200上に配設されたプリントパターンとする。
【0148】
また、本実施形態7の主制御基板100の制御信号ポート108(第1ポート)および制御信号ポート104(第2ポート)はそれぞれ中継端子板200を介してカウントスイッチ420(動作部400)から送られた検知信号(制御信号)が入力される入力ポートであり、制御信号ポート108(第1ポート)と制御信号中継端子218(第1端子)、制御信号ポート104(第2ポート)と制御信号中継端子214(第2端子)がそれぞれ伝送線187、185(信号線)で接続されている。
【0149】
ここで、中継端子板200は、主制御基板100の制御信号ポート104、106、および108それぞれに伝送線185、183、および187を介して接続された異なる複数の制御信号中継端子214、216、および218を備えている。また、中継端子板200は、主制御基板100の電力ポート102に伝送線181を介して接続された電力中継端子212を備えている。
ここで、主制御基板100は、制御信号ポート104、106、108、および電力ポート102から成る基板ポート群101を備え、中継端子板200は、制御信号中継端子214、216、218、および電力中継端子212から成る中継基板端子群201を有するものとする。
【0150】
ここで、主制御基板100からカウントスイッチ420に対する電力供給は、電力ポート102から伝送線181、電力中継端子212、電力線部262、電力中継端子282、伝送線381を介して行われ、カウントスイッチ420の検出信号出力部424の(+)端子に定電位が印加される。
また、中継端子板200の分岐電力線部266、268それぞれには抵抗素子R241、R242が設けられており、制御信号中継端子218(第1端子)または制御信号中継端子214(第2端子)のいずれか一方、または両方に対して印加される電力電位が接続異常検出部105内における予め設定された基準電位より高くなるように上記抵抗素子R241、R243それぞれの抵抗値が設定されているものとする。
【0151】
ここで、中継端子板200の分岐電力線部266、268には電力線部262と同電位の電圧が印加されている。このため、分岐電力線部266における抵抗素子R241より制御信号中継端子214側の部分に印加される電圧電位が、制御信号ポート104から接続異常検出部105に印加され、分岐電力線部268における抵抗素子R243より制御信号中継端子218側の部分に印加される電圧電位が、制御信号ポート108から接続異常検出部105に印加される。なお、
図7に示すように、制御信号中継端子214は伝送線185を介して制御信号ポート104に接続され、制御信号中継端子218は伝送線187を介して制御信号ポート108に接続されている。
【0152】
これにより、分岐電力線部266、268を介して接続異常検出部105に印加される電力電位を適正に制御することが可能となる。また、接続異常検出部105は、カウントスイッチ420などの動作部から送られた制御信号(検知信号など)を受信し、各制御信号に対する予め設定された処理を行う。
【0153】
また、接続異常検出部105は、制御信号ポート104、106、108から入力された制御信号や印加された電圧と予め設定された基準電位とを比較する比較器135、131、133を備えており、分岐電力線部266、268に上記抵抗素子R241、R243を備えることにより、比較器135、131、133における論理固定がなされ、このため、接続異常検出部105内における電位環境の安定化を図ることができる。
ここで、接続異常検出部105は、基板ポート群101における両端ポートである制御信号ポート104、108から印加された電力電位変化の検出を行う。また、接続異常検出部105では、基板ポート群101と中継基板端子群201との接続箇所であるコネクタの両端部分、また、この両端部分同士を接続する伝送線185、187における断線、配線抜けなどを検出することができる。このため、
図11に示すような、複数端子(ポート)を有するコネクタにおける斜め差しなどの接続異常を迅速かつ正確に検出することが可能となる。なお、接続異常検出部105の内部構成については後述する。
【0154】
以上のように、実施形態7である遊技機20では、分岐電力線の一部である分岐電力線部266、268は、電力線部262から分岐された副次的な信号線である。
このため、接続異常検出部105が分岐電力線部266、268を介して印加される電圧電位の変化を検出することによって、本線である制御信号線や電力線(
図2の電力線251に対応)を介して伝送される制御信号(検出信号などを含む)や電力供給に対して影響を与えることなく、制御信号中継線または電力線に生じた断線、配線などの接続異常を迅速に検出することができる。
【0155】
また、遊技機20では、遊技機機種の構成変更等に伴い中継基板端子群201内に、あるいは、基板ポート群101内に発生し得る未使用状態の空き端子(空きポート)を、主制御基板100および中継端子板200間における接続配線抜けや断線などの接続異常検出用に利用することができ、それと同時に中継基板端子群201内、または、基板ポート群101に空きポート(空き端子)が発生するのを抑止することも可能となる。
【0156】
[遊技機20の空きポートについて]
ここで、実施形態7の空きポートについて、
図7、9、14に基づき説明する。
図7は、実施形態7である遊技機20における信号回路を示す説明図である。また、
図9は、旧機種である遊技機60における信号回路を示す説明図である。
なお、
図9における主制御基板100およびカウントスイッチ420は、実施形態7(
図7)と同一であり、カウントスイッチ420とカウントスイッチ440とは同型のカウントスイッチとする。また、普通図柄変動スイッチ460は、遊技機60内で主制御基板100に接続して設けられた動作部であり、上記の普通図柄変動スイッチSW3(
図14)に相当する。
【0157】
遊技機60は、
図9に示すように、大入賞口等への遊技球の入賞を検出して検知信号を出力するカウントスイッチ420、440と、作動ゲート63を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチ460(SW3に対応:
図14)を備えている。また、カウントスイッチ420、440、普通図柄変動スイッチ460と主制御基板100との間に中継端子板207(
図7の中継端子板200に対応)が設けられた構成を有する。
【0158】
カウントスイッチ420、440、普通図柄変動スイッチ460はそれぞれ主制御基板100からの電源供給により駆動する。なお、カウントスイッチ440は、カウントスイッチ420と同等の構成を有し、自己の開口部442を通過する遊技球の個数を計数する。また、カウントスイッチ440は遊技球が開口部442を通過した場合に、これを検出し制御信号に相当する検知信号(出力信号)を出力する検知信号出力部444を備えている。
【0159】
また、カウントスイッチ420は中継端子板207(
図7の中継端子板200に対応)上に設けられた電力中継端子282、制御信号中継端子286に対して伝送線381、383を介して接続され、カウントスイッチ440は中継端子板207の電力中継端子288、制御信号中継端子281に対して伝送線385、387を介して接続され、普通図柄変動スイッチ460は中継端子板207の電力中継端子283、制御信号中継端子285に対して伝送線389、382を介して接続されている。
【0160】
中継端子板207は、主制御基板100の基板ポート群101に対向した側に、異なる複数の制御信号中継端子214、216、218と電力中継端子212とが設けられている。
ここで、電力中継端子212、および制御信号中継端子214、216、218はそれぞれ主制御基板100の基板ポート群101に対して信号線(異なる伝送線を含む)を介して接続された中継基板端子群201を形成している。ここで、中継基板端子群201内の両端の端子は制御信号中継端子214と218であり、制御信号中継端子214、電力中継端子212、制御信号中継端子、216、218の順で並んでいる。
【0161】
また、制御信号中継端子214、216、218、286、281、285と電力中継端子212、282、288、283はそれぞれ中継端子板207上に配設されたプリントパターンに接続される内端子と中継端子板208の外部の機器や基板と伝送線(コネクタ)を介して接続される外端子を有する。
ここで、制御信号中継端子214、216、218の外端子は、伝送線185、183、187を介してそれぞれ制御信号ポート104、106、108に接続され、電力中継端子212の外端子は伝送線181を介して電力ポート102に接続されている。
【0162】
また、中継端子板207は、上記制御信号中継線(例えば、
図1の制御信号中継線255に対応)の一部として中継端子板207上に形成されたプリントパターンである制御信号中継線部264、278、291を備えている。
ここで、制御信号中継線部264は制御信号中継端子216の内端子と信号中継端子286の内端子に接続され、制御信号中継線部278は制御信号中継端子218の内端子と制御信号中継端子281の内端子に接続され、制御信号中継線部291は制御信号中継端子214の内端子と制御信号中継端子285の内端子に接続されている。
また、中継端子板207は、電力線251の一部として中継端子板207上に形成されたプリントパターンとしての電力線部262と、この電力線部262の分岐点262aで分岐されたプリントパターンである分岐電力線部279と、この分岐電力線部279から分岐して電力中継端子288の内端子に接続した分岐電力線部263を備えている。
【0163】
なお、主制御基板100からカウントスイッチ420への電力供給を中継伝送する電力線(例えば、
図1の電力線251に対応)は、電力ポート102、伝送線181、電力中継端子212、電力線部262、電力中継端子282、および伝送線381から成る。また、主制御基板100からカウントスイッチ440への電流供給を中継伝送する電力中継線(例えば、
図1の電力線251に対応)は、電力ポート102、伝送線181、電力中継端子212、電力線部262における電力中継端子212から分岐点262a、分岐点262aから電力中継端子263、電力中継端子288、および伝送線385から成る。主制御基板100から普通図柄変動スイッチ460への電力供給を中継伝送する電力線(例えば、
図1の251に対応)は、電力ポート102、伝送線181、電力中継端子212、電力線部262、電力線部262の分岐点262aから分岐電力線部279、電力中継端子283、および伝送線389から成る。
なお、主制御基板100からカウントスイッチ420、440、普通図柄変動スイッチ460に対して行われる電力供給(電流供給)を中継する電力線はスイッチコモンであり、例えば、
図1における電力線251に相当する。
【0164】
ここで、旧機種である遊技機60から新機種としての遊技機20への機種変更が行われる場合について説明する。ここでは、この機種変更に伴い、例えば、遊技機20では、カウントスイッチ440、普通図柄変動スイッチ460が取り外されるものとする。
【0165】
このとき、使用されないカウントスイッチ440、普通図柄変動スイッチ460に接続されていた制御信号中継線の一部である、主制御基板100の制御信号ポート104、108が未使用状態となる。また、この場合、新機種である遊技機20の中継端子板200では、制御信号ポート104、108に伝送線を介して接続された制御信号中継端子214、218の内端子が未使用状態の空き端子になる。
【0166】
このため、実施形態7の遊技機20では、
図7に示すように、制御信号中継端子214、218の内端子に対して、電力線部262から分岐された分岐電力線部266、268がそれぞれ接続された構成とし、これにより、制御信号ポート104、106には、電力線部262から分岐された電圧が印加される。
これにより、接続異常検出部105では、制御信号ポート104、106それぞれに印加される電圧電位を監視して、
図7における基板ポート群101および中継基板端子群201の接続における接続異常の検出を行うことが可能となる。
【0167】
ここで、遊技機20では、電力線部262(電力中継線)から分岐した異なる分岐電力線部266(第2分岐部)と、分岐電力線部268(第1分岐部)が少なくとも制御信号中継端子214(第1端子)と制御信号中継端子218(第2端子)とに接続されている。また、主制御基板100の制御信号ポートのいずれかに接続された、中継基板端子群201における空き端子がある場合には、この空き端子に対して電力線部262(電力中継線)から、分岐電力線部266、268とは別に分岐した異なる分岐電力線部(図示なし)が接続される構成であってもよい。
【0168】
[実施形態7における主制御基板100の構成]
次に、実施形態7である遊技機20と、遊技機20に対する旧機種としての遊技機60とが備えた主制御基板100の内部構成について、
図7、
図9を用いて説明する。
【0169】
図7は、遊技機20における主制御基板100の内部構成を含む概略構成図である。
図9は、遊技機60における主制御基板100の内部構成を含む概略構成図である。
遊技機20の主制御基板100は、
図7に示すように、電力線を介して動作部に対する電源供給(ここでは、12ボルトとする)を行う電力供給部122を備えている。なお、遊技機20(
図7)では、主制御基板100に対して電力線を介して接続されたカウントスイッチ420に対して、また、遊技機60(
図9)では、主制御基板100に対して並列に接続されたカウントスイッチ420、440、普通図柄変動スイッチ460に対して電源供給が行われる。
【0170】
ここで、遊技機20における主制御基板100の接続異常検出部105について、
図7に基づき説明する。
ここでは、カウントスイッチ420(動作部)に電力線(電力中継線)を介して定電位が印加され、分岐電力線(第1分岐部)および分岐電力線(第2分岐部)がそれぞれ電力線(電力中継線)から分岐されている場合に、主制御基板100の接続異常検出部105は第1ポートおよび第2ポートに印加される電圧電位の監視を行う。
また、中継端子板200における分岐電力線部268(第1分岐部の一部)および分岐電力線部266(第2分岐部の一部)それぞれに抵抗素子R242、R241が設けられている。ここで、制御信号中継端子218(第1端子)または制御信号中継端子214(第2端子)のいずれか一方、または両方に印加された電圧電位が接続異常検出部105における基準電位より高くなるように、抵抗素子R242、R241それぞれの抵抗値が設定されている。
【0171】
接続異常検出部105は、
図7に示すように、(+)端子と(−)端子に印加された2つの電圧電位を比較して、その比較結果としての論理値(1か0(HかL))を出力する比較器131、133、135を備えている。ここで、比較器133の(−)端子は制御信号ポート108に、比較器135の(−)端子は制御信号ポート104に接続されている。
ここで、遊技機20の主制御基板100の内部構成は、比較器133または比較器135に印加される電圧電位に基づき制御信号ポート104または108に接続された、分岐電力線257または259における接続異常を検知する接続異常検出部105(
図1〜5の接続異常検出部105に対応)が含まれる。
【0172】
ここで、遊技機20における主制御基板100の有する比較器131、133、135それぞれにおける(+)端子には電力供給部122からの定電圧が印加されている。ここで、比較器131、133、135それぞれにおける(+)端子に印加されている電圧電位を接続異常検出部105における基準電位とする。
【0173】
また、比較器131、133、135の出力端子はそれぞれプリントパターン(出力ラインという)を介してCPU150に接続されている。
CPU150は、比較器131、133、135からの出力(論理値)の変動を検出する。なお、比較器131の出力ラインには抵抗素子R151を、比較器133の出力ラインには抵抗素子R153を、そして、比較器135の出力ラインには抵抗素子R155を介して電力供給部139が並列に接続されており、電力供給部139は各出力ラインに5Vの電圧印加を行っている。
【0174】
なお、電力供給部122に接続された電力線は分岐され、一方の分岐線に直列に接続された抵抗素子R145、R147を介してグランド149に接続され、他方の分岐線は電力ポート102の内端子に接続されている。また、上記一方の分岐線は、直列に接続された抵抗素子R145とR147の間でさらに分岐して比較器131、133、135それぞれの(+)側端子に並列に接続されている。
【0175】
ここで、比較器133、135それぞれの(+)端子には電力供給部122から一定の電圧(定電圧)が印加されている。この一定の電圧電位は、アースに接続した抵抗素子R145と抵抗素子R147の影響で降下された電圧電位(上記の接続異常検出部105内における予め設定された基準電位に対応)である。
また、比較器133、135それぞれの(−)端子には制御信号ポート104、106を介して定電圧が印加されている。この定電圧電位は、分岐電力線部266、268からそれぞれ制御信号ポート104、106を介して比較器133、135それぞれの(−)端子に印加されている。
【0176】
なお、この定電圧電位は、分岐電力線部266、268上の抵抗素子R241、R243より制御信号中継端子214、218側の部分に印加されている電圧電位と同等の電圧電位であり、基準電位より高いものとする。
このため、通常時、比較器133、135からは、(−)に印加されている電圧電位より(+)に印加されている電圧電位の方が低いことを示す論理値(0:Low)が出力されている。
【0177】
ここで、接続異常検出部105は、比較器133の(−)端子と制御信号ポート108を接続する信号伝送線部171と、比較器135の(−)端子と制御信号ポート104を接続する信号伝送線部175とを備えている。
また、信号伝送線部171には、分岐してアース126に接続される分岐伝送線部173が設けられており、この分岐伝送線部173には抵抗素子R141が設けられている。
また、信号伝送線部175には、分岐してアース128に接続される分岐伝送線部177が設けられており、この分岐伝送線部177には抵抗素子R143が設けられている。
ここで、抵抗素子R141の抵抗値は、抵抗素子R242の抵抗値よりも十分に大きく、抵抗素子R143の抵抗値は、抵抗素子R241の抵抗値よりも十分に大きいものとする。
【0178】
これにより、信号伝送線部171に流れる電流が抵抗素子R141(アース126)側には流れにくくなるため、比較器133の(−)端子に印加される電圧レベルを基準電位よりも高い電位に維持することができる。また、信号伝送線部175に流れる電流が抵抗素子R143(アース128)側には流れにくくなるため、比較器135の(−)端子に印加される電圧レベルを基準電位よりも高い電位に維持することができる。
【0179】
ここで、比較器133に接続している制御信号ポート108および分岐線(
図3の257に相当)、または、比較器135に接続している制御信号ポート104および分岐線(
図3の257に相当)で接続異常が生じた場合、接続異常が生じた分岐線に接続された比較器133または比較器135の(−)端子に印加される電圧電位が0となる。
このとき、当該比較器133または比較器135では、(+)端子に印加されている電圧電位(基準電位)が、(−)端子に印加された電圧電位(0)を上回るため、出力される論理値が0(Low)から1(High)に変化する。
これにより、比較器133、135の出力端子に接続されたCPU150では、基板ポート群101における両端ポートである制御信号ポート104、108を介して印加された電力電位の変化を検出でき、このため、基板ポート群101または中継基板端子群201における接続箇所(コネクタ)における両端いずれかの部分が断線した斜め差し状態(
図11)や、伝送線185側または187側における断線、配線抜けなどの接続異常を迅速に検出し、その発生を報知することが可能となる。
【0180】
次いで、接続異常検出部105の備えた比較器131について、
図7を用いて説明する。比較器131の(+)側端子には、比較器133、135と同様に、電力供給部122から一定の電圧(定電圧)が印加されている。この一定の電圧電位(接続異常検出部105内の基準電位)は、アースに接続した抵抗素子R145と抵抗素子R147の影響で降下された電位である。
ここで、比較器131の(−)側入力端子に対してカウントスイッチ420からの検知信号の入力があった場合に、比較器131の(−)側入力端子に印加される電圧電位が、(+)側端子に印加された定電圧電位を上回るものとする。
【0181】
これにより、比較器131からの出力が(0から1に、もしくは、1から0)切り替わる。すなわち、比較器131の(−)側入力端子に対する検知信号の入力があった場合に、比較器131の(−)側入力端子に印加される電圧電位が(+)側端子に印加されている定電圧電位を上回るので、比較器131から出力される論理値が切り替わる。このため、CPU150では、比較器131の(−)端子に検知信号の入力があったことが迅速に検出される。
【0182】
ここで、遊技機60の主制御基板100の備えた比較器131、133、135について、
図9を用いて詳説する。
図9に示す遊技機60では、カウントスイッチ420、440、普通図柄変動スイッチ460それぞれから出力された検知信号が中継端子板207を介して106、108、104それぞれに送られる。
【0183】
ここで、遊技機60における比較器131の(−)端子には制御信号ポート106から入力された検知信号が入力され、比較器131は、上記の接続異常検出部105の比較器131と同様に動作する。
【0184】
また、遊技機60における比較器133の(−)端子には、カウントスイッチ440から出力された検知信号が制御信号ポート108を介して入力され、比較器135の(−)端子にも、普通図柄変動スイッチ460から出力された検知信号が制御信号ポート104を介して入力される点が、接続異常検出部105における比較器133、135と相違する。ここで、(−)端子に検出信号が入力された比較器133、135は、比較器131と同様に動作する。
【0185】
また、遊技機60における制御基板100では、比較器133の(−)端子と制御信号ポート108を接続する信号伝送線部にはアース(
図7のアース126)に接続される分岐線は設けられておらず、比較器135の(−)端子と制御信号ポート104を接続する信号伝送線部にもアース(
図7のアース128)に接続される分岐線は設けられていない点が、遊技機20における接続異常検出部105の内部構成と相違する。
【0186】
なお、制御基板100(
図7)では、制御基板100における主制御部1000(
図14参照)が接続異常検出部105として機能することにより、制御信号ポート104、108を介して印加される電圧電位の変化の検出を行ってもよい。
また、CPU150がプログラムに基づく実行処理を行うことにより、接続異常検出部105の機能動作が実現される設定であってもよい。
【0187】
以上のように、遊技機20の主制御基板100では、上記実施形態における制御基板100、演出制御基板300と同様に、分岐電力線(
図3の分岐電力線257、259に対応)に印加される電圧電位の変化を検出することができる。
また、分岐電力線(
図3の分岐電力線257、259に対応)は電力線(
図2の電力線251に対応)から分岐された副次的な信号線であるため、電力線(
図2の251に対応)を介して行われる電力供給や制御信号中継線(例えば、
図1〜3の制御信号中継線255に対応)を伝送される制御信号(検出信号など)に影響を与えることなく、主制御基板100および中継端子板200間を接続するコネクタおよび伝送信号線(伝送線)に生じた接続異常を迅速かつ正確に検出することが可能となる。
【0188】
また、遊技機20では、遊技機機種の構成変更等に伴い中継基板端子群201内に、あるいは、基板ポート群101内に発生し得る未使用状態の空き端子(空きポート)を、主制御基板100および中継端子板200間における接続配線抜けや断線などの接続異常検出用に利用することができ、それと同時に中継基板端子群201内、または、基板ポート群101に空きポート(空き端子)が発生するのを抑止することも可能となる。
【0189】
なお、実施形態7では、上述のように、接続異常検出部105内に分岐電力線を介して印加された電圧電位をそれぞれ基準電位と比較する比較器133、135を設けた構成について説明したが、接続異常検出部105の全体、または接続異常検出部105の内部構成の一部を集積回路により実現してもよい。
【0190】
[実施形態8]
次に、実施形態8として、上述の実施形態5(
図5)に対応する、より具体的な実施形態である遊技機30について、
図5、
図8、
図13、
図14を用いて説明する。
図8は、遊技機30の内部回路構成を示す概略説明図である。
遊技機30は、上記実施形態の動作部400に相当する動作部として、第2始動口59に遊技球が入球しやすい開放状態、または入球しにくい閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材を駆動するアクチュエータAC1、大入賞口55の開口部に設けられた特別電動役物65の開閉動作を作動するアクチュエータAC2、特別電動役物66の開閉動作を駆動するアクチュエータAC3などを備えているものとする(
図13、14参照)。
【0191】
なお、実施形態8においても、上述のように、入賞上限数に達したときに、特別電役制御部1190が大当り遊技制御部1133から受けた指令に従ってアクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を開放させる。また、特別電役制御部1190が大当り遊技制御部1133から受けた指令に従って、アクチュエータAC3を作動させて特別電動役物66を閉鎖させるまた、普通電役制御部1180は、普図抽選制御部1170からの指令に基づき、アクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
【0192】
なお、上記アクチュエータAC1〜3はそれぞれソレノイドアクチュエータ、モータアクチュエータなどであってもよい。実施形態8では、アクチュエータAC1〜3を総称としてソレノイドアクチュエータという。
【0193】
以下、ソレノイドアクチュエータ(以下「ソレノイド」という)520を備えた構成である遊技機30について、
図8に基づき説明する。
遊技機30は、
図8に示すように、主制御基板100(
図1〜5の制御基板100に相当)およびソレノイド520の間に中継端子板200を備えている。
主制御基板100は、ソレノイド520に電力線を介して電流供給(電力供給に相当)を行うと共に、制御信号中継線を介してソレノイド520における駆動動作を制御するための制御信号を送信する。
また、中継端子板200は、上記電流供給および制御信号の中継を行う電力線および制御信号中継線それぞれの一部としての電力線部262、制御信号中継線部264を備え、上記電流供給および制御信号の伝送を中継する。
【0194】
ソレノイド520は、主制御基板100から供給された電流を利用して制御信号に基づき特別電動役物65や入昇降装置などの開閉部材における開閉動作を駆動する。
具体的には、ソレノイド520は、主制御基板100からの定電位が通電されることにより、開閉羽根などの開閉部材における開閉動作を駆動する。
例えば、ソレノイド520が通電され駆動すると、1対の開閉羽根が入賞口を開放する開位置に移動し、また、制御信号が送られることにより、ソレノイド520への通電状態が高電圧から低電圧への切り替えられ、開閉羽根の開位置から入賞口を閉塞する閉位置への移動、または、開閉羽根の閉位置から開位置への移動が制御される。
【0195】
なお、
図8に示す遊技機30では、主制御基板100から出力される制御信号は主制御基板100の制御信号ポート116(送信ポート)、伝送線183、制御信号中継端子216、中継端子板200の制御信号中継線部264、制御信号中継端子286、および伝送線383を介してソレノイド520に送られる。すなわち、制御信号ポート116(送信ポート)、伝送線183、制御信号中継端子216、中継端子板200の制御信号中継線部264、制御信号中継端子286、および伝送線383から成る信号線は、
図2〜3における制御信号中継線255に相当する。
【0196】
また、中継端子板200は、
図8に示すように、電力線(
図1〜5における電力線251に相当)の一部である電力線部262と、制御信号中継線(
図2〜3における制御信号中継線255に相当)の一部としての制御信号中継線部264と、電力線部262が分岐点273で分岐して制御信号中継端子218の内端子に接続された分岐電力線部268と、電力線部262が分岐点271で分岐して制御信号中継端子214の内端子に接続された分岐電力線部266と、を備えている。
なお、電力線部262、制御信号中継線部264、分岐電力線部266、268は、中継端子板200上に配設されたプリントパターンであってもよい。
また、中継端子板200は、主制御基板100の制御信号ポート114、116、118、および電力ポート112からなる基板ポート群101に伝送線を介して接続した中継基板端子群201を備えている。また、中継基板端子群201は、制御信号中継端子214、212、216、218から成る。
【0197】
ここで、遊技機30の主制御基板100が有する制御信号ポート118(第1ポート)および制御信号ポート114(第2ポート)はそれぞれ動作部に対する制御信号が出力される出力ポートであり、更には、主制御基板100の制御信号ポート118(第1ポート)と中継端子板200の制御信号中継端子218(第1端子)、主制御基板100の制御信号ポート114(第2ポート)と中継端子板200の制御信号中継端子214(第2端子)とはそれぞれ伝送線187、185(信号線)を介して接続されている。
【0198】
なお、遊技機30の主制御基板100の第1ポートおよび第2ポートとは、基板ポート群101の両端に位置する制御信号ポートであり、より具体的には、制御信号ポート114と118とする(
図8)。また、制御信号ポート114と118は、上述のように、制御信号が出力される出力ポートとして主制御基板100上に設置されたものである。
【0199】
ここで、
図8に示す実施形態8では、制御信号ポート114と118それぞれに対して電力線部262から分岐電力線部266、268へと分岐された定電圧の電流が、伝送線185、187を介して印加される。
【0200】
ここで、中継端子板200の分岐電力線部266、268には電力線部262と同レベルの電位の電圧が印加される。このため、分岐電力線部266における抵抗素子R243より制御信号中継端子214側の部分に印加される電圧電位が制御信号ポート114から接続異常検出部105に印加され、分岐電力線部268における抵抗素子R244より制御信号中継端子218側の部分に印加される電圧電位が、制御信号ポート108から接続異常検出部105に印加される。
【0201】
なお、制御信号中継端子214は伝送線185を介して制御信号ポート114に接続され、制御信号中継端子218は伝送線187を介して制御信号ポート118に接続されている。
主制御基板100は、
図8に示すように、制御信号ポート118(第1ポートに対応)または制御信号ポート114(第2ポート)に印加される電圧電位の変化を監視する接続異常検出部105を備えている。ここで、制御信号ポート114、118それぞれと接続異常検出部105とは主制御基板100の内部に設けられた信号線を介して接続されており、制御信号ポート114、118から印加された電圧電位はこの信号線を介して接続異常検出部105に印加される。
【0202】
また、接続異常検出部105は、制御信号ポート114、116、118から印加された電圧と予め設定された基準電位とを比較する比較器を備えており、中継端子板200上における分岐電力線部266、268それぞれに抵抗素子R243、R244を備えることにより、比較器それぞれにおける論理固定がなされ、このため、接続異常検出部105内における電位環境の安定化を図ることができる。
なお、接続異常検出部105は、主制御基板100(
図8)上に設けられたCPU150またはその他のプロセッサ、もしくは、主制御基板100の外部の基板等に設けられた集積回路素子(CPU)によるプログラム実行処理により実現される設定であってもよい。
【0203】
これにより、接続異常検出部105は、基板ポート群101における両端ポートである制御信号ポート114、118から印加された電力電位変化の検出を行う。また、接続異常検出部105では、基板ポート群101と中継基板端子群203との接続箇所であるコネクタの両端部分、また、この両端部分同士を接続する伝送線185、187における断線、配線抜けなどを常時検出することができるので、
図11に示すような、複数端子(ポート)を有するコネクタにおける斜め差しなどの接続異常を迅速かつ正確に検出することが可能となる。
なお、主制御基板100に設けられた上記信号線は主制御基板100上に配設されたプリントパターンであってもよい。接続異常検出部105を含む主制御基板100の内部構成については、
図8に基づき後述する。
【0204】
遊技機30では、分岐電力線257、259は電力線251(電力線部262)から分岐された副次的な信号線であるため、実施形態1〜7と同様に、接続異常検出部105が分岐電力線257、259に印加される電圧電位の変化を検出することにより、電力線251を介して行われる電力供給(電流供給)や制御信号中継線255(
図1〜5の255に対応)を伝送される制御信号(検出信号などを含む)に対する影響を抑制しつつ、基板ポート群101におけるコネクタ部や基板ポート群101に接続された制御信号中継線および電力線における断線、配線などの接続異常を検出することができる。
【0205】
また、遊技機30では、遊技機機種の構成変更等に伴い中継基板端子群201内に、あるいは、基板ポート群101内に発生し得る未使用状態の空き端子(空きポート)を、主制御基板100および中継端子板200間における接続配線抜けや断線などの接続異常検出用に利用することができ、それと同時に中継基板端子群201内、または、基板ポート群101に空きポート(空き端子)が発生するのを抑止することも可能となる。
【0206】
[遊技機30における空きポートについて]
ここで、本実施形態8における上記「空きポート」について、
図8、10に基づき説明する。
図10は、旧機種(従来機としての遊技機70)の回路構成を示す説明図である。
なお、主制御基板100およびソレノイド520は本実施形態8(
図8)と同一であるものとする。また、ソレノイド540、560は、ソレノイド520と同型のものとする。
【0207】
上述のように、パチンコ機などの遊技機では機種変更などによって制御基板に対応する被制御機器の数や構造の変更が頻繁に行われる。
ここで、ソレノイド520、540、560を備えた遊技機70について、
図10を用いて説明する。なお、遊技機70は、遊技機30(
図8)と同様に、主制御基板100およびソレノイド520の間に中継端子板208を備えているものとする。
【0208】
遊技機70は、主制御基板100と、遊技機70における開閉部材の開閉動作を作動するソレノイド520、540、560と、これらソレノイド520、540、560それぞれに対して送られる制御信号の中継を行う制御信号中継線それぞれ制御信号中継線の一部を備えた中継端子板208を備えた構成を有する。
【0209】
また、ソレノイド520、540、560はそれぞれ主制御基板100からソレノイドコモンを介して行われる電流供給により駆動する。なお、ソレノイド540、560は、ソレノイド520と同等の構成を有するものとする。
【0210】
また、ソレノイド520は中継端子板208の電力中継端子282、制御信号中継端子286に対して伝送線381、383を介して接続され、ソレノイド540は中継端子板208の電力中継端子288、制御信号中継端子281に対して伝送線385、387を介して接続され、ソレノイド560は中継端子板208の電力中継端子283、制御信号中継端子285に対して伝送線389、391を介して接続されている。
【0211】
中継端子板208は、主制御基板100の基板ポート群101に対向した位置に、異なる複数の制御信号中継端子214、216、218と電力中継端子212とが並んで設けられている。ここで、電力中継端子212、および制御信号中継端子214、216、218はそれぞれ主制御基板100の基板ポート群101に信号線を介して接続される中継基板端子群201を形成するものとする。ここで、中継基板端子群201内の両端の端子は制御信号中継端子214と218である。
【0212】
また、制御信号中継端子214、216、218、286、281、285と、電力中継端子212、282、288、283はそれぞれ中継端子板208上に配設されたプリントパターンに接続される内端子と中継端子板208の外部の機器や基板と伝送線(コネクタ)を介して接続される外端子を有する。
ここで、制御信号中継端子214、216、218の外端子は、伝送線185、183、187を介してそれぞれ制御信号ポート114、116、118に接続され、電力中継端子212の外端子は伝送線181を介して電力ポート112に接続されている。
【0213】
また、中継端子板208は、上記制御信号中継線(例えば、
図1の255に対応)の一部として中継端子板208上に形成されたプリントパターンである制御信号中継線部264、278、291を備えている。ここで、制御信号中継線部264は制御信号中継端子216の内端子と制御信号中継端子286の内端子に接続され、制御信号中継線部278は制御信号中継端子218の内端子と制御信号中継端子281の内端子に接続され、制御信号中継線部291は制御信号中継端子214の内端子と制御信号中継端子285の内端子に接続されている。また、中継端子板208は、電力中継線(例えば、
図1の251に対応)の一部として中継端子板208上に形成されたプリントパターンとしての電力線部262と、この電力線部262から分岐されたプリントパターンである分岐電力線部279を備えている。ここで、電力線部262は、電力中継端子282の内端子と電力中継端子212の内端子に接続されたプリントパターンであり、分岐電力線部279は更に分岐され電力中継端子288、283それぞれの内端子に接続されたプリントパターンである。
【0214】
ここで、
図10における、主制御基板100からソレノイド520への電流供給を中継する電力線251(
図1〜5の251に対応:ソレノイドコモンライン)は、主制御基板100の電力ポート112、中継端子板208の電力中継端子212とに接続された伝送線181、電力中継端子212、電力中継端子212の内端子と電力中継端子282の内端子に接続された電力線部262、電力中継端子282、および電力中継端子282の外端子とソレノイド520とに接続された伝送線381から成る。
また、主制御基板100からソレノイド540への電流供給を中継する電力線(ソレノイドコモンライン)は、主制御基板100の電力ポート112、中継端子板208の電力中継端子212に接続された伝送線181、電力線部262における電力中継端子212から分岐点まで、この分岐点から電力中継端子288内端子までの分岐電力線部279、および電力中継端子288とソレノイド560とに接続された伝送線385から成る。また、主制御基板100からソレノイド560への電流供給を中継する電力線(ソレノイドコモンライン)は、主制御基板100の電力ポート112、中継端子板208の電力中継端子212に接続された伝送線181、電力線部262における電力中継端子212から分岐点まで、この分岐点から電力中継端子283内端子までの分岐電力線部279、および電力中継端子283の外端子とソレノイド560とに接続された伝送線389から成る。
【0215】
ここで、主制御基板100からソレノイド520、540、560に対して行われる電力供給(電流供給)を中継する電流供給線(電力線)は上記のソレノイドコモンラインであり、例えば、遊技機10(
図1)における電力線251に相当する。
【0216】
ここで、例えば、旧機種(遊技機70)から新機種(遊技機30)への機種変更が行われ、これに伴い、旧機種(遊技機70:
図10)における主制御基板100に中継端子板208を介して接続されたソレノイド520、540、560のうち、新機種(遊技機30)では、ソレノイド540、560が取り外されるものとする。
このとき、新機種である遊技機30においては、使用されないソレノイド540、560に接続されていた制御信号中継線に接続されていた制御信号ポート114、116が未使用状態の空きポートとなる。また、新機種である遊技機30の中継端子板200では、制御信号ポート114、116に伝送線を介して接続された制御信号中継端子214、218は未使用の端子(空き端子)となり得る。
【0217】
ここで、実施形態8の遊技機30では、
図8に示すように、制御信号中継端子214、218の内端子に対して、電力線部262から分岐された分岐電力線部266、268がそれぞれ接続された構成となる。
【0218】
ここで、遊技機30は、電力線部262(電力中継線)から分岐した異なる分岐電力線部266、268(第2分岐部、第1分岐部)が少なくとも制御信号中継端子214(第1端子)と制御信号中継端子218(第2端子)とに接続されている。
また、主制御基板100の制御信号ポートのいずれかに接続された、中継基板端子群201における空き端子がある場合には、この空き端子に対して電力線部262(電力中継線)から、分岐電力線部266、268とは別に分岐した異なる分岐電力線部(図示なし)が接続された構成であってもよい。
また、遊技機30の主制御基板100は、分岐電力線部266、268それぞれに伝送線を介して接続された制御信号ポート114、116それぞれに印加される電圧電位を監視して、
図8における基板ポート群101と中継基板端子群202の接続に、例えば、
図11に示すような斜め差し状態などの接続異常を検知する接続異常検出部105を備えた構成としてもよい。
【0219】
[実施形態8における主制御基板100の構成]
次に、遊技機30および遊技機70における主制御基板100の内部構成について、
図8、
図10を用いて説明する。
ここでは、まず遊技機30、遊技機70それぞれの主制御基板100に共通する構成について説明する。
図8、10に示す主制御基板100は、電力線251を介して接続されたソレノイドアクチュエータ(以下「ソレノイド」という)520に駆動用の電流供給(ここでは、30ボルトとする)を行う電力供給部172を備えている。電力供給部172は電力伝送線部(プリントパターン)を介して電力ポート112に接続されており、ソレノイドの駆動用の電流が電力ポート112から出力される。なお、
図10に示す遊技機70では、電力ポート112に対して並列に接続されたソレノイド520、540、560に対して電流供給が行われる。
【0220】
また、遊技機30および遊技機70の主制御基板100はそれぞれ、ソレノイド520(
図10では、ソレノイド540、560も含む)における駆動制御に用いられる電流信号(駆動制御電流:制御信号に対応)の出力を行うソレノイドドライブ(以下「ドライバ端子」という)132、134、136と、ドライバ端子132、134、136における入力端子(IN端子)に電圧印加を行うことで、ドライバ端子132、134、136それぞれにおける駆動制御電流の送出を制御するCPU150を備えている。
【0221】
ここで、駆動対象である動作部がモータである場合は、ドライバ端子は、いわゆる「モータドライブ」とする。
ドライバ端子132、134、136は、具体的には、パワー半導体素子などのドライバ端子であり、ソレノイド520、540、560における駆動制御用の電流を生成して送出する。
【0222】
また、遊技機30および遊技機70の主制御基板100はそれぞれドライバ端子132、134、136の出力端子に接続された制御信号ポート114、116、118を備えている。ここで、制御信号ポート114、116、118は、それぞれに対応したアクチュエータであるソレノイド520、540、560に対する制御信号(駆動制御電流)の出力用に設けられた出力ポートとする。
【0223】
次に、遊技機30の主制御基板100、中継端子板200の内部構成と、主制御基板100に設けられた接続異常検出部105について、
図8を用いて説明する。
主制御基板100からソレノイド520(動作部)に対して電力線(電力中継線)を介して定電位が印加され、分岐電力線(第1分岐部)および分岐電力線(第2分岐部)がそれぞれ電力線(電力中継線)から分岐されている場合に、主制御基板100の接続異常検出部105は第1ポートおよび第2ポートに印加される電圧電位の監視を行う。
また、中継端子板200における第1分岐部(分岐電力線部268)および第2分岐部(分岐電力線部266)それぞれには抵抗素子R244、R243が設けられており、制御信号中継端子218(第1端子)または制御信号中継端子214(第2端子)のいずれか一方、または両方に印加された電位が接続異常検出部105における基準電位より高くなるように、抵抗素子R243、R244それぞれの抵抗値が設定されている。
【0224】
ここで、主制御基板100は、
図8に示すように、制御信号ポート114の内端子とドライバ端子132を接続する信号線194から分岐して接続異常検出部105に接続される分岐線部152と、制御信号ポート118の内端子とドライバ端子136を接続する信号線198から分岐して105に接続される分岐線部154を備えている。
ここで、制御基板100の接続異常検出部105は、制御信号ポート118(第1ポートに対応)または制御信号ポート114(第2ポート)に印加される電圧電位の変化を監視する。
【0225】
ここでは、主制御基板100からソレノイド520(動作部)に対して電力線251(電力中継線)を介して定電位が印加され、更には、分岐電力線部268(第1分岐部)および266(第2分岐部)がそれぞれ電力線部262(電力中継線の一部)から分岐され、分岐電力線257、259を介して、主制御基板100内の信号線198、194に対して制御信号ポート118(第1ポートに対応)、制御信号ポート114(第2ポート)から上記定電位が印加される。
また、分岐電力線部268に印加された電位は主制御基板100の分岐線部154を介して接続異常検出部105に印加される電位と同電位となる。また、分岐電力線部266に印加された電圧電位は主制御基板100の分岐線部152を介して接続異常検出部105に印加される電圧電位と同電位となる。
【0226】
ここで、中継端子板208の分岐電力線部268(第1分岐部)に設けられた抵抗素子R244の抵抗値は、抵抗素子R244が分岐電力線部266を介して接続された制御信号中継端子218(第1端子)に印加された電圧電位が、接続異常検出部105における基準電位より高くなるような抵抗値に設定されている。また、分岐電力線部266(第2分岐部)に設けられた抵抗素子R243の抵抗値は、抵抗素子R243が分岐電力線部266を介して接続された制御信号中継端子214(第2端子)に印加された電圧電位が、接続異常検出部105における基準電位より高くなるような抵抗値に設定されている。
【0227】
また、中継端子板200の分岐電力線部266には抵抗素子R243が、分岐電力線部268にはR244がそれぞれ直列に設けられており、制御信号中継端子218(第1端子)または制御信号中継端子214(第2端子)のいずれか一方、または両方に対して印加される電力電位が、接続異常検出部105内における予め設定された基準電位より高くなるように、抵抗素子R243、R244それぞれの抵抗値が設定されているものとする。
【0228】
このとき、中継端子板200の分岐電力線部266、268には電力線部262と同電位の電圧が印加される。このため、制御信号中継端子214の内端子に印加される電圧が制御信号ポート114を介して分岐線部152に印加され、また、制御信号中継端子218の内端子に印加される電圧が制御信号ポート118を介して分岐線部154に印加される。
【0229】
なお、
図8における分岐線部152、154はそれぞれ
図7の主制御基板100における信号伝送線部171、175に対応する。このため、
図8に示す接続異常検出部105は分岐線部152、154それぞれから印加されるそれぞれの電圧電位変化を検出し、印加電圧の変化があった場合に、接続異常検出部105は、これを制御信号ポート114、118それぞれに接続された分岐電力線259、257における接続異常が発生したものとして報知する。なお、実施形態8における主制御基板100の備えた接続異常検出部105は、実施形態7の主制御基板100(
図7)が備えたものと同構成を有するものとする。
【0230】
ここで、実施形態8における主制御基板100の備えた分岐線部152、154はそれぞれ実施形態7における主制御基板100が備えた信号伝送線部171、175に対応する。
すなわち、実施形態8では、主制御基板100の制御信号ポート114から印加された電圧電位は信号線194、分岐線部152を介して接続異常検出部105が備えた比較器135の(−)端子に印加され、制御信号ポート118から印加された電圧電位は信号線198、分岐線部154を介して接続異常検出部105が備えた比較器133の(−)端子に印加される。
【0231】
また、接続異常検出部105は、制御信号ポート114または118におけるコネクタの接続点や信号線(伝送線)を含む分岐電力線259または257における接続異常を検出した場合に、これを報知するための出力信号を接続異常報知手段(図示なし)に対して送出する構成であってもよい。これにより、接続異常報知手段は遊技機30における照明装置やスピーカ33を含み、接続異常が発生したことを示す報知音がスピーカから出力され、また、照明装置35では接続異常の発生を示すランプの点灯が行われる。
【0232】
以上のように、実施形態8の主制御基板100は、基板ポート群101および中継基板端子群201の接続箇所であるコネクタの両端部分、また、この両端部分同士を接続する伝送線185、187における断線、配線抜けなどを、常時検出することが可能となる。このため、
図11に示すような、複数端子(ポート)を有するコネクタにおける斜め差しなどにより発生する接続異常を迅速かつ正確に検出し、報知することが可能となる。
【0233】
また、電力線部262(電力中継線)から分岐した異なる分岐電力線部266、268(分岐部)が少なくとも制御信号中継端子214(第1端子)と制御信号中継端子218(第2端子)とに接続されるものとする。
すなわち、主制御基板100の制御信号ポートのいずれかに接続された、中継基板端子群201における3つ以上の空き端子が生じ得る場合には、この空き端子に対して電力線部262(電力中継線)から、分岐電力線部266、268、および、これらの分岐電力線部とは別に分岐した異なる分岐電力線部(図示なし)が接続された構成であってもよい。
【0234】
なお、遊技機30(
図8)では、上述のように、中継端子板200の制御信号中継端子214、218の内端子に接続された2つの分岐線部が、電力線部262から分岐した分岐電力線部266、268である場合の構成について説明しているが、上記2つの分岐線部として、制御信号中継線部264から分岐した異なる2つの分岐線部が制御信号中継端子214、218それぞれの内端子に接続された構成であってもよい。
この場合、主制御基板100の制御信号ポート116からソレノイド520に向けて出力された制御信号が制御信号中継線部264で分岐して、制御信号中継端子214、218それぞれに接続された分岐線部を介して制御信号ポート114、118それぞれに入力される。
【0235】
ここで、主制御基板100の接続異常検出部105は、制御信号ポート114、118から入力される制御信号を監視していてもよい。このため、接続異常検出部105は、制御信号ポート114、118から入力される制御信号が一定期間検出されない側の分岐線に接続異常が生じたものとしてこれを検出する。例えば、制御信号ポート114から入力されるべき制御信号が一定期間検出されない場合に、第2ポート(制御信号ポート114)側の分岐線に接続異常が生じたことを検出する。
【0236】
また、中継端子板200上の2つの分岐線部として、一方が制御信号中継線部264から分岐し、他方が電力線部262から分岐した分岐線部が制御信号中継端子214、218それぞれの内端子に接続された構成であってもよい。
この場合、電力線部262から分岐した分岐線部に接続した制御信号ポート(114または118)には定電圧が印加されるので、接続異常検出部105はこの定電圧が検出されない(もしくは、印加される電圧レベルが一定値以下に下がった)場合に、分岐線に接続異常が生じたものとして検出する。また、制御信号中継線部264から分岐した分岐線部に接続した制御信号ポート(114または118)の側では、通常時、制御信号が入力(中継端子板200から主制御基板100内へ)されるので、例えば、一定期間、制御信号が検出されない場合に、分岐線に接続異常が生じたものとして接続異常検出を行う設定であってもよい。
【0237】
また、
図8の遊技機30では、接続異常検出部105が制御基板100内部に設けられた構成が示されているが、接続異常検出部105は、主制御基板100および中継端子板200の間に設けられたサブ基板(図示なし)上などに設けられた構成であってもよい。
【0238】
このとき、制御信号中継線部264上における2点の分岐点から制御信号中継端子216、214の内端子に接続された分岐制御信号中継線が設けられている場合に、サブ基板は主制御基板100の制御信号ポート114、118から伝送線185、187に対して出力される制御信号を監視する。
【0239】
また、接続異常検出部105は、分岐制御信号中継線が接続されている場合、例えば、制御信号ポート114、118から出力される制御信号が一定期間検出されない場合に、分岐電力線257に接続異常があったものと検出する構成であってもよい。
【0240】
さらに、接続異常検出部105を、制御信号ポート114または118に接続された伝送線185または187と、制御基板100の内部で制御信号ポート114または118に接続された信号線194または198と、に接続して設けた場合、すなわち、接続異常検出部105が制御信号ポート114または118を跨いて接続された構成である場合、制御信号ポート114または118における外部伝送線(伝送線185または187)と内部信号線(信号線194または198)との電位差に基づいて分岐電力線(分岐電力線257、259)における接続異常を検出する構成であってもよい。
【0241】
ここで、例えば、CPU150は、ドライバ端子132、136に対しては接続異常の検出用に同一の制御信号が送出されるように制御コマンドを送信する設定であってもよい。
これにより、ドライバ端子132、136からは同一の制御信号が定期的に出力され、サブ基板に設けられた接続異常検出部105は、制御信号ポート114、118それぞれから出力された制御信号を取得する。
また、接続異常検出部105は、制御信号ポート114、118それぞれから出力される制御信号が一定期間検出されない場合に、制御信号ポート114または118、または、伝送線185または187に接続異常が生じたものとして、接続異常の報知を行う設定であってもよい。
【0242】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)動作部との間で制御信号が伝送される制御信号中継線に接続された制御基板と、定電位に接続された電力中継線と、前記制御信号の出力または入力用に前記制御基板に設けられた1または複数の制御信号ポートと、を備えた遊技機であって、前記制御信号ポートである第1ポートに対して前記電力中継線または前記制御信号中継線から分岐して接続された第1分岐線を有し、前記第1ポートにおける印加電位または、入力または出力される制御信号に基づき前記第1ポートまたは前記第1分岐線における接続異常を検出する接続異常検出部を有することを特徴とした遊技機。
(2)前記制御基板は、予め決められた方向に並べられた前記複数の制御信号ポートを含む基板ポート群を備え、前記第1ポートは前記基板ポート群における一端に位置することを特徴とした(1)に記載の遊技機。
(3)前記制御基板は、予め決められた方向に並べられた前記複数の制御信号ポートを含む基板ポート群を有し、前記基板ポート群における両端に位置する前記制御信号ポートである前記第1ポートと第2ポートとを備え、前記電力中継線または前記制御信号中継線から分岐して前記第2ポートに接続された第2分岐線を有し、前記接続異常検出部が、前記第1ポートおよび前記第2ポートの電位または制御信号に基づき前記第1分岐線または第2分岐線における接続異常を検知することを特徴とした(1)に記載の遊技機。
(4)前記基板ポート群には、複数の前記制御信号ポートおよび前記電力中継線が接続された電力ポートが含まれ、前記制御信号ポートが前記基板ポート群における両端に位置することを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(5)前記制御信号ポートそれぞれに対応して接続された異なる複数の信号中継端子と、前記動作部および前記制御基板の間で伝送される前記制御信号の中継を行う前記制御信号中継線の一部と、を有し、前記制御基板と前記動作部との間に設けられた中継端子板を備え、前記中継端子板は、前記第1ポートに接続された前記信号中継端子である第1端子に対して前記電力中継線または前記制御信号中継線から分岐して接続された第1分岐部を有することを特徴とした(1)に記載の遊技機。
(6)前記制御基板は、予め決められた方向に並べられた前記複数の制御信号ポートを含む基板ポート群を有し、前記基板ポート群における両端に位置する前記制御信号ポートである前記第1ポートと第2ポートとを備え、前記中継端子板は、予め決められた方向に並べられた前記複数の信号中継端子を含む中継基板端子群を有すると共に、前記中継基板端子群における両端に位置する前記信号中継端子である前記第1端子および第2端子に対して前記電力中継線または前記制御信号中継線から分岐して接続された第1分岐部および第2分岐部を備え、前記接続異常検出部が、前記第1端子に接続された前記第1ポートおよび前記第2端子に接続された前記第2ポートの電位または制御信号に基づき前記第1分岐線または第2分岐線における接続異常を検知することを特徴とした(5)に記載の遊技機。
(7)前記中継基板端子群には前記電力中継線および前記電力ポートに接続された電力中継端子が含まれ、且つ前記中継基板端子群における一端および他端のそれぞれには前記信号中継端子が位置することを特徴とした(6)に記載の遊技機。
(8)前記動作部に前記電力中継線を介して定電位が印加され、前記第1分岐部および第2分岐部がそれぞれ前記電力中継線から分岐されている場合に、前記第1分岐部および第2分岐部それぞれに抵抗素子が設けられていることを特徴とした(6)または(7)に記載の遊技機。
(9)前記第1ポートおよび第2ポートはそれぞれ前記中継端子板を介して送られた前記制御信号が入力される入力ポートであり、
前記第1ポートと前記第1端子、前記第2ポートと前記第2端子とがそれぞれ信号線で接続されている(6)から(8)のいずれか一項に記載の遊技機。
(10)前記第1ポートおよび前記第2ポートはそれぞれ前記制御信号が出力される出力ポートであり、前記第1ポートと前記第1端子、前記第2ポートと前記第2端子とがそれぞれ信号線で接続されている(6)から(8)のいずれか一項に記載の遊技機。
(11)前記電力中継線から分岐した前記第1および前記第2分岐部を含む異なる分岐部が少なくとも前記第1端子と前記第2端子とに接続されていることを特徴とする(10)に記載の遊技機。
(12)前記動作部に前記電力中継線を介して定電位が印加され、前記第1分岐部および第2分岐部がそれぞれ前記電力中継線から分岐されている場合に、前記制御基板の前記接続異常検出部は前記第1ポートおよび第2ポートに印加される電圧電位を監視し、前記中継端子板の前記第1分岐部および第2分岐部それぞれに抵抗素子が設けられており、前記第1端子または前記第2端子のいずれか一方、または両方における電圧電位が前記接続異常検出部における基準電位より高くなるように前記抵抗素子それぞれの抵抗値が設定されていることを特徴とする(9)または(10)に記載の遊技機。
(13)接続異常検出部は、前記第1ポートおよび前記第2ポートから得られる異なる2つの制御信号を比較することにより前記制御基板および前記中継端子板の間における接続異常を検知することを特徴とする(5)に記載の遊技機。