(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリウレタンウレアポリマーは、少なくとも1つの芳香族または脂肪族ポリイソシアネート7.5〜35重量%から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンウレア分散体。
ポリウレタンウレアポリマーは、≧2の官能価を有し、潜在的イオン性基を含む、少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物0.5〜4.5重量%から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンウレア分散体。
ポリエステルポリオールは、−80℃〜0℃の範囲のガラス転移温度Tgを有し、このガラス転移温度は20K/分の加熱速度でDIN 65467に従ってDSC測定によって測定されることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンウレア分散体。
ジヒドロキシ化合物は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびヒドロキシル末端基を有するオリゴテトラヒドロフランからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンウレア分散体。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ポリエステルポリオールの数平均モル質量M
nは、テトラヒドロフラン中、23℃においてポリスチレン標準に基づいて、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定される。
【0013】
本発明によって用いられるポリエステルポリオールは、好ましくは非晶質である。好ましくは、これは-80℃〜0℃の範囲、特に好ましくは-70℃〜-10℃の範囲のガラス転移温度Tgを有し、20K/分の加熱速度でDIN 65467に従ってDSC測定により測定される。
【0014】
適当なポリイソシアネートa)は、当業者にそれ自体既知の芳香族、芳香脂肪族、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートである。適当なポリイソシアネートa)は、例えば1,4-ブチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,2,4-および/もしくは2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、異性体ビス-(4,4'-イソシアナトシクロヘキシル)メタンまたは任意の所望の異性体含有量のその混合物、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/もしくは2,6-トルエンジイソシアネートまたは水素化2,4-および/もしくは2,6-トルエンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,4'-もしくは4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-および1,4-ビス-(2-イソシアナト-プロプ-2-イル)-ベンゼン(TMXDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)、(S)-アルキル2,6-ジイソシアナトヘキサノエートまたは(L)-アルキル2,6-ジイソシアナトヘキサノエートである。
【0015】
>2の官能価を有するポリイソシアネートを相応に使用することも可能である。この例として、ウレトジオン、イソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンおよび/またはオキサジアジントリオン構造を有する修飾ジイソシアネート、ならびに1分子当たり2つより多いNCO基を有する非修飾ポリイソシアネート、例えば4-イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート(ノナントリイソシアネート)またはトリフェニルメタン-4,4',4''-トリイソシアネートが挙げられる。
【0016】
好ましくは、2〜4、好ましくは2〜2.6、特に好ましくは2〜2.4の平均官能価を有するもっぱら脂肪族的および/または脂環式的に結合したイソシアネート基を有する上述した種類のポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物が挙げられる。
【0017】
化合物b)として使用できるポリエステルポリオールは、400〜8000g/モル、好ましくは400〜6000g/モル、特に好ましくは400〜3000g/モルの数平均分子量M
nを有する。ポリエステルポリオールの数平均分子量M
nは、テトラヒドロフラン中、23℃においてポリスチレン標準に基づいて、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定される。DIN ISO 4629によるそのヒドロキシル価は、22〜400mg KOH/g、好ましくは30〜300mg KOH/g、特に好ましくは40〜250mg KOH/gであり、このポリエステルポリオールは1〜6、好ましくは1.5〜4.0、特に好ましくは1.9〜2.1のOH官能価を有する。
【0018】
ポリエステルポリオールb)は好ましくは、従来技術に従って、62〜300g/モルのモル質量を有し、2〜12個の炭素原子および少なくとも2の官能価を有する2つの異なるジヒドロキシ化合物を用いて、コハク酸、無水コハク酸および/またはコハク酸エステルから重縮合させることによって調製され、これは分岐状または非分岐状であってよく、そのヒドロキシル基は第1級または第2級である。ジヒドロキシ化合物はエーテル基を含んでもよい。好ましくは、ジヒドロキシ化合物は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびヒドロキシル末端基を有するオリゴ-テトラヒドロフランからなる群から選択される。特に好ましくは、2つのジヒドロキシ化合物は、3〜6個の炭素原子の炭素骨格を有するジオールから選択され、非常に特に好ましくはヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび1,3-プロパンジオールからなる群から選択される。
【0019】
2つのジヒドロキシ化合物のモル混合比率は、生じるポリエステルが非晶質であるように選択される。非晶質ポリエステルは、DIN 65467によるDSC測定において、溶融もしくは結晶化ピークまたは溶融エンタルピーΔmH<10J/gに関連する結晶化ピークを示さない。
【0020】
ポリエステルポリオールb)の調製は、従来技術に従って、150〜250℃の範囲の高温下、および1〜100mbarの減圧適用下、および/または窒素流下において、必要に応じてエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行われ、反応は、DIN EN ISO 2114による酸価が5mg KOH/gの値未満であるような程度まで完結される。
【0021】
成分b)の調製用のコハク酸は、石油化学原材料と再生式および再生可能資源との両方から得ることができ、調製法は、例えばDE 10 2008 051727 A1およびDE 10 2007 019184に記載されているように、デンプンまたはバイオマスの発酵法によって進行することが多い。
【0022】
成分c)は潜在的イオン性基を含み、カチオン的またはアニオン的性質のどちらであってもよい。カチオン性、アニオン性または非イオン性分散作用を有する化合物は、例えばスルホニウム、アンモニウム、ホスホニウム、カルボキシレート、スルホネート、ホスホネート基、または塩生成によって上述した基に変換されてよい基(潜在的イオン性基)またはポリエーテル基を含むものであり、存在するイソシアネート反応性基によって高分子中に組み込むことができる。好ましい適当なイソシアネート反応性基は、ヒドロキシルおよびアミン基である。
【0023】
適当なイオン性または潜在的イオン性化合物c)は、例えばモノ-およびジ-ヒドロキシカルボン酸、モノ-およびジ-アミノカルボン酸、モノ-およびジ-ヒドロキシスルホン酸、モノ-およびジ-アミノスルホン酸、ならびにモノ-およびジ-ヒドロキシホスホン酸またはモノ-およびジ-アミノホスホン酸およびその塩であり、例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ヒドロキシピバリン酸、N-(2-アミノエチル)-β-アラニン、2-(2-アミノ-エチルアミノ)-エタンスルホン酸、エチレンジアミン-プロピル-または-ブチル-スルホン酸、1,2-または1,3-プロピレンジアミン-β-エチルスルホン酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、グリシン、アラニン、タウリン、リシン、3,5-ジアミノ安息香酸、IPDIおよびアクリル酸の付加生成物(EP-A 0916647、実施例1)およびそのアルカリおよび/またはアンモニウム塩;亜硫酸水素ナトリウムの2-ブテン-1,4-ジオールとの付加物、ポリエーテルスルホネート、例えばDE-A 2446440(第5〜9頁、式I〜III)に記載されている2-ブテンジオールおよびNaHSO
3のプロポキシル化付加物ならびにカチオン性基に変換されてよい構造単位、例えば親水性鎖延長成分としてのN-メチル-ジエタノールアミンである。好ましいイオン性または潜在的イオン性化合物は、カルボキシまたはカルボキシレートおよび/またはスルホネート基および/またはアンモニウム基を有し、1.9〜2.1の官能価を有するものである。特に好ましいイオン性化合物は、1.9〜2.1のアミン官能価を有し、イオン性または潜在的イオン性基としてスルホネート基を含んでおり、例えばN-(2-アミノエチル)-β-アラニンの塩、2-(2-アミノ-エチルアミノ)-エタンスルホン酸の塩またはIPDIおよびアクリル酸の付加生成物の塩(EP-A 0916647、実施例1)である。
【0024】
鎖延長のために用いられるポリアミンd)は、好ましくは1〜2の官能価を有し、例えばジ-またはポリ-アミン、およびヒドラジドであり、例えばエチレンジアミン、1,2-および1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、2,2,4-および2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物、2-メチルペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3-および1,4-キシリレンジアミン、α,α,α',α'-テトラメチル-1,3-および-1,4-キシリレンジアミンならびに4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジメチルエチレンジアミン、ヒドラジンまたはアジピン酸ジヒドラジドである。
【0025】
成分d)として、原理上、NCO基に対して異なった反応性の活性水素を含む化合物も考えられ、例えば第1級アミノ基に加えて第2級アミノ基も含む化合物、またはアミノ基(第1級または第2級)に加えてOH基も含む化合物である。その例は、第1級/第2級アミン、例えば3-アミノ-1-メチルアミノプロパン、3-アミノ-1-エチルアミノ-プロパン、3-アミノ-1-シクロヘキシルアミノプロパン、3-アミノ-1-メチルアミノブタン等、またアルカノールアミン、例えばN-アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、3-アミノプロパノールまたはネオペンタノールアミン等である。
【0026】
好ましくは、ジエタノールアミンおよび/またはヒドラジンおよび/またはイソホロンジアミン(IPDA)および/またはエチレンジアミンが挙げられる。特に好ましくは、ヒドラジンおよび/またはイソホロンジアミンおよび/またはエチレンジアミンが挙げられる。非常に特に好ましくは、ヒドラジンとIPDAとの混合物が挙げられる。
【0027】
非イオン的親水化作用を有する適当な化合物e)は、例えば少なくとも1つのヒドロキシまたはアミノ基を含むポリオキシアルキレンエーテルである。このようなポリエーテルは、30重量%〜100重量%の量のエチレンオキシド由来の構造単位を含む。1〜2の官能価を有する直鎖状ポリエーテルが適当であるが、一般式(I):
〔式中、
R
1およびR
2は、互いに独立して、1〜18個の炭素原子を有し、酸素および/または窒素原子によって割り込まれてよい2価の脂肪族、脂環式または芳香族基を表し、ならびに
R
3は、アルコキシ末端ポリエチレンオキシド基を表す〕
の化合物も適当である。
【0028】
非イオン的親水化作用を有する化合物e)はまた、例えば、それ自体既知の方法で適当な開始剤分子のアルコキシル化によって得られるような(例えば、Ullmanns Encyclopaedie der technischen Chemie、第4版、第19巻、Verlag Chemie、Weinheim 第31〜38頁における)、統計平均で1分子当たり5〜70個、好ましくは7〜55個のエチレンオキシドを有する1価のポルアルキレンオキシドポリエーテルアルコールである。
【0029】
適当な開始剤分子は、例えば飽和モノアルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、異性体ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールおよびノナノール、n-デカノール、n-ドデカノール、n-テトラデカノール、n-ヘキサデカノール、n-オクタデカノール、シクロヘキサノール、異性体メチルシクロヘキサノールまたはヒドロキシメチルシクロヘキサン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンまたはテトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル等、不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、1,1-ジメチルアリルアルコールまたはオレイルアルコール等、芳香族アルコール、例えばフェノール、異性体クレゾールまたはメトキシフェノール等、芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、アニスアルコールまたはシンナミルアルコール等、第2級モノアミン、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ビス-(2-エチルヘキシル)-アミン、N-メチル-およびN-エチル-シクロヘキシルアミンまたはジシクロヘキシルアミン等、ならびに複素環式第2級アミン、例えばモルホリン、ピロリジン、ピペリジンまたは1H-ピラゾール等である。好ましい開始剤分子は飽和モノアルコールである。開始剤分子としてジエチレングリコールモノブチルエーテルを用いることが特に好ましい。
【0030】
アルコキシル化反応に適当なアルキレンオキシドは、特にエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドであり、これらはアルコキシル化反応において、任意の所望の順序または代わりに混合物で用いてよい。
【0031】
アルキレンオキシドの数平均モル質量M
nは、300g/モル〜6000g/モル、好ましくは500g/モル〜4000g/モル、特に好ましくは750g/モル〜3000g/モルであり、1の官能価を有する。アルキレンオキシドの数平均分子量M
nは、テトラヒドロフラン中、23℃においてポリスチレン標準に基づいて、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定される。
【0032】
その種類の適当な非イオン的親水化単官能性化合物e)は、例えば単官能性アルコキシポリエチレングリコール、例えばメトキシポリエチレングリコール(MPEG Carbowax(登録商標)2000またはMethoxy PEG-40、分子量範囲1800〜2200、The Dow Chemical Company)等、単官能性ポリエーテルモノアルキルエーテル、例えばブタノールおよびエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから構成され、2250g/モルの平均モル質量M
nを有するBayer MaterialScience製のLB 25等、単官能性ポリエーテルアミン(Jeffamine(登録商標)M 1000、PO/EOモル比3/19およびM 2070、PO/EOモル比10/31、Huntsman Corp.)である。
【0033】
化合物e)として、MPEG Carbowax(登録商標)2000、LB 25またはJeffamine(登録商標)M 2070が好ましく用いられる。MPEG Carbowax(登録商標)2000またはLB 25が特に好ましい。
【0034】
必要に応じてポリウレタン樹脂の生成過程において用いてよい低分子量ポリオールf)は一般に、ポリマー鎖の剛化および/または分岐を引き起こす。その分子量は、好ましくは62〜200であり、その官能価は好ましくは2〜3である。適当なポリオール
f)は、脂肪族、脂環式または芳香族基を含んでよい。1分子当たり約20個以下の炭素原子を有する低分子量ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)およびその混合物、ならびにトリメチロールプロパン、グリセロールまたはペンタエリスリトール等をここで挙げることができる。エステルジオール、例えばδ-ヒドロキシブチル-δ-ヒドロキシ-カプロン酸エステル、ω-ヒドロキシヘキシル-γ-ヒドロキシ酪酸エステル、アジピン酸(β-ヒドロキシエチル)エステルまたはテレフタル酸ビス(β-ヒドロキシエチル)エステル等を用いることもできる。特に好ましくは、ヘキサンジオールおよび/またはトリメチロールプロパンおよび/またはブタンジオールが挙げられる。
【0035】
潜在的イオン性基c)を中和するために必要に応じて用いることができる中和剤g)は、
c)がアミノ基を含まなければ、a)、b)およびc)から、
アニオン的および/またはカチオン的分散作用を有する基の部分的または完全な塩生成がまだ開始分子において行われていなければ、ならびに必要に応じてe)およびf)からポリウレタンプレポリマーを調製後または調製中
に添加する。アニオン性基の場合には、塩基、例えばアンモニア、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化カリウムまたは炭酸ナトリウム、好ましくはトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンまたはジイソプロピルエチルアミンが、その目的のために用いられる。塩基の量は、50〜100%、好ましくは60〜90%の量のアニオン性基である。カチオン性基の場合には、硫酸ジメチルエステルまたはコハク酸が用いられる。エーテル基を有する非イオン的親水化化合物のみを用いると、中和工程は省略される。分散水が既に中和剤を含む場合には、中和は、分散と同時に行ってもよい。
【0036】
水性ポリウレタン分散体の調製は、1以上の段階において均一相で行ってよく、または多段階反応の場合には部分的に分散相で行ってよい。重付加を完全にまたは部分的に行った場合、分散、乳化または溶解工程を行う。その後、分散相において更なる重付加または修飾を必要に応じて行う。
【0037】
従来技術から既知の全ての方法を、本発明によるポリウレタンウレア分散体の調製に用いてよく、例えば乳化機/剪断力、アセトン、プレポリマー混合、溶融乳化、ケチミンおよび固体自然分散法またはその派生法を用いてよい。これらの方法の要約は、Methoden der organischen Chemie(Houben-Weyl, Erweiterungs- und Folgebaende zur 4. Auflage、第E20巻、H. BartlおよびJ. Falbe、Stuttgart、New York、Thieme 1987年、第1671〜1682頁)に見つけることができる。溶融乳化およびアセトン法が好ましい。アセトン法が特に好ましい。
【0038】
通常、成分a)〜g)の全てまたは一部は、第1級も第2級アミノ基も含まず、ポリウレタンプレポリマーを調製するために1以上のポリイソシアネートa)を反応器中に設置し、水混和性であるがイソシアネート基に対して不活性の溶媒を用いて必要に応じて希釈するが、好ましくは無溶媒で、高温に、好ましくは50〜120℃の範囲に加熱する。
【0039】
適当な溶媒は、例えばアセトン、ブタノン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルおよび1-メチル-2-ピロリドンであり、必要に応じて分割して、調製の開始においてだけでなく後期にも添加してよい。アセトンおよびブタノンが好ましい。標準圧または高圧下で反応を行うことができ、例えば、アセトン等の必要に応じて添加する溶媒の標準圧沸点以上で行うことができる。
【0040】
イソシアネート付加反応を促進するとして知られている触媒、例えばトリエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ-[2,2,2]-オクタン、錫ジオクトエートまたはジブチル錫ジラウレート等を、同時に反応器にさらに設置してよく、または後で添加してよい。ジブチル錫ジラウレートが好ましい。
【0041】
第1級も第2級アミノ基も含まず、反応の開始に添加されなかった任意の成分(a)および/またはb)〜f)を、次に計量添加する。ポリウレタンプレポリマーの調製におけるイソシアネート基のイソシアネート反応性基に対する比率は、0.90〜4.00、好ましくは1.20〜3.00、特に好ましくは1.40〜2.50である。成分a)の、成分b)、c)、e)およびf)との反応は、イソシアネート反応性基の全量に基づいて、部分的または完全に行われるが、好ましくは完全に行われる。転化度は、通常、反応混合物のNCO含有量を追うことによってモニターする。この目的のため、赤外または近赤外スペクトル、屈折率の測定等の分光測定および取り出した試料の滴定等の化学分析の両方を行ってよい。遊離イソシアネート基を含むポリウレタンプレポリマーは、無溶媒でまたは溶液で得られる。
【0042】
次に、更なる加工工程において、これを未だ行っていなければ、または部分的にしか行っていなければ、生じるプレポリマーを上述した溶媒を用いて溶解させる。
【0043】
その後、あり得るNH
2-および/またはNH-官能性成分c)およびd)を残存するイソシアネート基と反応させる。この鎖延長/停止は、分散前、分散中に溶媒において行ってよく、または分散後に水において行ってよい。好ましくは、鎖延長を水において分散の前に行う。
【0044】
鎖延長度、すなわち鎖延長のために用いる化合物のNCO反応性基の、プレポリマーの遊離NCO基に対する当量比は、40〜100%、好ましくは60〜100%、特に好ましくは70〜100%である。
【0045】
アミン成分c)およびd)を、必要に応じて水中または溶媒中に溶解して、本発明による方法で個別にまたは混合物中において用いてよく、原理上、あらゆる添加順が可能である。
【0046】
水または有機溶媒を付随的に希釈剤として用いる場合、希釈剤含有量は好ましくは70〜95重量%である。
【0047】
プレポリマーからの本発明によるポリウレタンウレア分散体の調製は、鎖延長の後に行う。この目的のため、溶解され、鎖延長されたポリウレタンポリマーを、必要に応じて強い攪拌等の強い剪断をかけながら、分散水中に導入するか、または逆に、分散水をポリマー溶液中にかき混ぜながら入れる。好ましくは、水を溶解プレポリマーに添加する。
【0048】
通常、次に、分散工程後になおも分散体中に含まれる溶媒を蒸留によって除去する。分散中の除去も同じく可能である。
【0049】
本発明によるポリウレタンポリウレア分散体の固体含有量は、20〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、特に好ましくは32〜62重量%である。
【0050】
本発明はさらに、柔軟な基材、例えば編織布、革、紙等および繊維、例えばガラス繊維、プラスチック繊維および黒鉛繊維等用の被覆組成物の製造における、好ましくは編織布コーティングの製造における、本発明によるポリウレタンポリウレア分散体の使用を提供する。
【0051】
本発明によるポリウレタンポリウレア分散体を含む水性被覆組成物は、更なる成分として補助物質および添加剤を含んでよい。このような補助物質および添加剤は、コバインダー、増粘剤、接着促進剤、滑剤、湿潤剤、着色剤、光安定剤および劣化防止剤、顔料、流れ剤、帯電防止剤、UV吸収剤、フィルム成形助剤、抑泡剤または可塑剤であってよい。
【0052】
本発明によるポリウレタンポリウレア分散体は、柔軟な表面のコーティング用の水性ラッカーにおける成分として用いることができる。その目的のため、本発明によるポリウレタンポリウレア分散体を、更なる水性樹脂分散体、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリウレタンポリアクリレート、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリエステルポリアクリレート、アルキド樹脂、ポリアミド/イミドまたはポリエポキシド等に基づく水性分散体と混合してよい。
【0053】
コーティングは、様々なスプレー法、例えば1-または必要に応じて2-成分スプレーシステムを用いた、圧縮空気、無気または静電スプレー法によって製造することができる。しかし、本発明によるポリウレタンポリウレア分散体を含むラッカーおよび被覆組成物は、他の方法、例えばスプレッドコーティング、ロールコーティング、スプレー、ディッピング、印刷またはドクターブレード法等によって適用することもできる。
【実施例】
【0054】
原材料および方法:
LB 25:エチレンオキシド含有量84%、OH価25、M
n=2250g・mol
-1を有するエチレンオキシド/プロピレンオキシドに基づく単官能性ポリエーテル(Bayer MaterialScience AG、独国)。
IPDI:Desmodur(登録商標)I、イソホロンジイソシアネート(Bayer MaterialScience AG、独国)。
HDI:Desmodur(登録商標)H、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(Bayer MaterialScience AG、独国)。
IPDA:イソホロンジアミン(Bayer MaterialScience AG、独国)。
AAS:ジアミノスルホネート、水中において45%、H
2N-CH
2-CH
2-NH-CH
2-CH
2-SO
3Na(Bayer MaterialScience AG、独国)。
HyHy:ヒドラジン水和物(Bayer MaterialScience AG、独国)。
NPG:ネオペンチルグリコール(Aldrich、独国)
HXDO:1,6-ヘキサンジオール(Aldrich、独国)
BDO:1,4-ブタンジオール(Aldrich、独国)
TMP:トリメチロールプロパン(Aldrich、独国)
EDA:エチレンジアミン(Aldrich、独国)
DMPS:ジメチロールプロピオン酸(Aldrich、独国)
TEA:トリエチルアミン(Aldrich、独国)
Impranil DLS:ヘキサンジオールおよびネオペンチルグリコールを用いたアジピン酸塩に基づくポリウレタンウレア分散体
Impranil DL 1537 ヘキサンジオールを用いたフタル酸塩に基づくポリウレタンウレア分散体
Impranil DL 1554 ヘキサンジオールおよびネオペンチルグリコールを用いたアジピン酸塩に基づくポリウレタンウレア分散体
アジピン酸:1,6-ヘキサン二酸(Lanxess、独国)
コハク酸 1,4-ブタン二酸(石油化学製造法、Aldrich、独国)
バイオコハク酸 1,4-ブタン二酸(発酵製造法、DSM-Roquette、NL-FR)
1,3-プロパンジオール (発酵製造法、DuPont、米国)
SnCl
2x2H
2O 二塩化錫(II)二水和物(Aldrich、独国)
【0055】
PU分散体の機械物性は独立フィルムにおいて測定し、このフィルムは次のように調製する:
【0056】
間隔を正確に設定できる2つの磨きローラーからなるフィルム延伸装置において、剥離紙を後側のローラーの前に設置する。隙間ゲージを用いて、紙と前側のローラーとの間の間隔を調節する。その間隔は、生じるコーティングのフィルム厚み(湿潤)に相当し、それぞれの被膜を所望の厚みに調節することができる。コーティングは、連続的に複数の被膜において可能でもある。
【0057】
個々の被膜を適用するため、アニオン性アクリルポリマーの添加によって粘度を4500mPa・sに調節した後、生成物を紙と前側のローラーとの間の隙間に入れる;剥離紙を垂直に下向きに引き離し、対応するフィルムが紙上に成形される。複数の被膜を適用する場合、それぞれ個々の被膜を乾燥し、紙を再度差し込む。
【0058】
固体含有量は、DIN-EN ISO 3251に従って測定した。
【0059】
他に明確に示されていない限り、NCO含有量は、DIN-EN ISO 11909に従って容量分析で測定した。
【0060】
これらのフィルム試料の力学は、標準気候条件下(20℃および65%大気湿度)で24時間貯蔵後、DIN 53504に従って測定する。機械フィルム特性は、150℃で30分間乾燥後に測定する。
【0061】
環状エステルの測定はVDA 278に従って行い、沈着した不純物をガスクロマトグラフィ/質量分析によって構造的に測定した。
【0062】
ガラス転移温度は、動的示差熱量測定(DSC、DSC-7装置、Perkin Elmer)によって、20K/分の加熱速度で測定した。
【0063】
平均粒径は、光子相関分光(Malvern Instruments、型:Zetasizer 1000)によって測定した。
【0064】
酸価は、DIN EN ISO 2114に従って測定した。
【0065】
ヒドロキシル価は、DIN ISO 4629に従って測定した。
【0066】
ポリエステルポリオールの調製
ポリオールa)
1747gの1,6-ヘキサンジオール、1019gのNPG、0.14gのSnCl
2x2H
2Oを、攪拌機および蒸留ブリッジを備えた5リットルのステンレス製反応器に入れ、窒素流(5〜6リットル/時)下において100℃に加熱する。それにより、液体の攪拌可能な溶融物が得られ、錨型撹拌機によって1分当たり500回転(rpm)で均質化する。生成した混合物に2494gのコハク酸を添加する。次に、攪拌速度を150rpmに上げ、10〜12リットル/時の流速で窒素を反応混合物に通入する。蒸留ブリッジにおいて測定した温度が102℃を超えないように、反応温度を220℃に上げる。取り出した試料が<5mg KOH/gの酸価(DIN EN ISO 2114に従って測定)の物質を有するまで(約15時間)、その温度で攪拌を行う。室温において非常に粘着性があり、70mg KOH/gのOH価の物質および2.6mg KOH/gの酸価の物質を有する、4328gの透明無色の液体が得られる。
【0067】
ポリオールは完全に非晶質であり、-49.5℃においてガラス転移温度を有する。
【0068】
ポリオールb)
その手順は、
1305gの1,3-プロパンジオール、1183gのNPG、0.14gのSnCl
2x2H
2Oおよび2894gのコハク酸を約30時間にわたって反応させ、その結果、室温において非常に粘着性があり、75mg KOH/gのOH価の物質および2.8mg KOH/gの酸価の物質を有する、3897gの透明でわずかに黄色がかったポリエステルジオールを与えること
以外は、ポリオールa)の調製手順と類似している。
【0069】
ポリオールは完全に非晶質であり、-37.0℃においてガラス転移温度を有する。
【0070】
ポリオールc)
その手順は、
15リットルの鋼製反応器におけること、最初に100℃で15〜16リットル/時、次いで220℃で30〜32リットル/時の窒素流を用いること、および50rpmの攪拌速度であること、
5241gの1,6-ヘキサンジオール、3057gのNPG、0.41gのSnCl
2x2H
2Oおよび7482gのバイオコハク酸を約13時間にわたって反応させ、室温において非常に粘着性があり、79mg KOH/gのOH価の物質および2.4mg KOH/gの酸価の物質を有する、13,110gの透明無色のポリエステルジオールを与えること
以外は、ポリオールa)の調製手順と類似している。
【0071】
ポリオールは完全に非晶質であり、-48.4℃においてガラス転移温度を有する。
【0072】
本発明によるPU分散体の調製:
実施例1(本発明による)
44.8gのHDIおよび59.2gのIPDIを、269.4gのポリエステルポリオールb)、13.5gの単官能性親水化剤LB25および5.8gのNPGに50℃で添加し、次に、理論上のNCO価(NCO-1=6.31%)に達するまで100℃でプレポリマーに反応させる。その後、698gのアセトンを80℃で添加し、混合物を40℃に冷却し、プレポリマーを溶解させる。50gの水中における35.3gのIPDA、12.5gのAASおよび1.2gのHyHyの鎖延長溶液を添加し、攪拌を40℃で5分間行う。生成物を594gの水に分散させ、次に、アセトンを120mbarおよび40℃で留去する。41.1重量%の固体含有量を有し、7.1のpH価および560nmの平均粒径を有する水性分散体が得られる。
【0073】
実施例2(本発明による)
131.8gのIPDIを、270.6gのポリエステルポリオールa)および14.6gの単官能性親水化剤LB25に50℃で添加し、次に、理論上のNCO価(NCO-1=10.38%)に達するまで、100℃でプレポリマーに反応させる。その後、プレポリマーが第2のNCO価(NCO-2=6.09%)に達するまで、5.9gのTMPおよび5.9gのBDOを添加する。次に、760gのアセトンを80℃で添加し、混合物を40℃に冷却し、プレポリマーを溶解させる。130gの水中における14.9gのAASおよび12.6gのEDAの鎖延長溶液を添加し、攪拌を40℃で5分間行う。生成物を530gの水に分散させ、次に、アセトンを120mbarおよび40℃で留去する。42.7重量%の固体含有量を有し、7.0のpH価および235nmの平均粒径を有する水性分散体が得られる。
【0074】
実施例3(本発明による)
42.7gのIPDIおよび32.2gのHDIを、306.6gのポリエステルポリオールa)および9.7gの単官能性親水化剤LB25に50℃で添加し、次に、理論上のNCO価(NCO-1=4.56%)に達するまで、100℃でプレポリマーに反応させる。その後、695gのアセトンを80℃で添加し、混合物を40℃に冷却し、プレポリマーを溶解させる。36gの水中における25.4gのIPDA、9.0gのAASおよび0.9gのHyHyの鎖延長溶液を添加し、攪拌を40℃で5分間行う。生成物を590gの水に分散させ、次に、アセトンを120mbarおよび40℃で留去する。43.4重量%の固体含有量を有し、7.6のpH価および220nmの平均粒径を有する水性分散体が得られる。
【0075】
実施例4(本発明による)
60.1gのHDIを、362gのポリエステルポリオールa)に50℃で添加し、次に、理論上のNCO価(NCO-1=3.14%)に達するまで、100℃でプレポリマーに反応させる。その後、750gのアセトンを80℃で添加し、混合物を40℃に冷却し、プレポリマーを溶解させる。88gの水中における22.6gのAASおよび3.5gのEDAの鎖延長溶液を添加し、攪拌を40℃で5分間行う。生成物を550gの水に分散させ、次に、アセトンを120mbarおよび40℃で留去する。42.1重量%の固体含有量を有し、6.8のpH価および120nmの平均粒径を有する水性分散体が得られる。
【0076】
実施例5(本発明による)
49.8gのIPDIおよび37.6gのHDIを、284.3gのポリエステルポリオールc)および11.3gの単官能性親水化剤LB25に50℃で添加し、次に、理論上のNCO価(NCO-1=5.44%)に達するまで、100℃でプレポリマーに反応させる。その後、680gのアセトンを80℃で添加し、混合物を40℃に冷却し、プレポリマーを溶解させる。42gの水中における29.6gのIPDA、10.5gのAASおよび1.0gのHyHyの鎖延長溶液を添加し、攪拌を40℃で5分間行う。生成物を580gの水に分散させ、次に、アセトンを120mbarおよび40℃で留去する。41.9重量%の固体含有量を有し、7.1のpH価および175nmの平均粒径を有する水性分散体が得られる。
【0077】
実施例6(本発明による)
53.7gのHDIおよび71.1gのIPDIを、223.2gのポリエステルポリオールa)、16.2gの単官能性親水化剤LB25および15.8gのHXDOに50℃で添加し、次に、理論上のNCO価(NCO-1=7.83%)に達するまで、100℃でプレポリマーに反応させる。その後、675gのアセトンを80℃で添加し、混合物を40℃に冷却し、プレポリマーを溶解させる。60gの水中における42.3gのIPDA、15.0gのAASおよび1.4gのHyHyの鎖延長溶液を添加し、攪拌を40℃で5分間行う。生成物を575gの水に分散させ、次に、アセトンを120mbarおよび40℃において留去する。41.4重量%の固体含有量を有し、7.1のpH価および175nmの平均粒径を有する水性分散体が得られる。
【0078】
実施例7(本発明による)
115.4gのIPDIおよび9.7gのHDIを、273.3gのポリエステルポリオールa)および14.1gのDMPSに50℃で添加し、次に、理論上のNCO価(NCO-1=6.55%)に達するまで、100℃でプレポリマーに反応させる。その後、730gのアセトンを80℃で添加し、混合物を40℃に冷却し、プレポリマーを溶解させる。次に、10.6gのTEAを中和のために添加する。272gのアセトン中における37.2gのIPDAの鎖延長溶液を添加し、5分間攪拌を行い、次に11.9gの水中における2.7gのHyHyを添加し、更に5分間攪拌を行う。生成物を680gの水に分散させ、次に、アセトンを120mbarおよび40℃で留去する。40.6重量%の固体含有量を有し、7.7のpH価および320nmの平均粒径を有する水性分散体が得られる。
【0079】
【表1】
【0080】
本発明による試料だけが著しく低い環状エステル含有量を有し、対応する極限伸びを有しており、環状エステルのサイズが重要でないことが明らかである。