【実施例】
【0068】
用いたH官能性スターター化合物(スターター):
PET-1 112mg
KOH/gのOH価を有する2官能性ポリ(オキシプロピレン)ポリオール
PET-2 261mg
KOH/gのOH価を有する2官能性ポリ(オキシプロピレン)ポリオール
PET-3 400mg
KOH/gのOH価を有する3官能性ポリ(オキシプロピレン)ポリオール
【0069】
DMC触媒は、WO-A 01/80994の実施例6に従って調製した。
【0070】
実施例において用いた300ml容の圧力反応器は、高さ(内部)10.16cmおよび内径6.35cmを有した。この反応器は、電気加熱ジャケット(510ワット最大加熱出力)を備えていた。カウンタ冷却は、外径6mmを有するU形に曲がった浸漬管を含み、これは、反応器に底部から5mm上まで差し込まれ、約10℃の冷却水が流された。水流は、電磁弁によってオンオフを切り替えた。この反応器は、さらに送込管および反応器に底部から3mm上まで差し込まれた直径1.6mmの熱電対を備えていた。
【0071】
活性化[工程(β)]中における電気加熱ジャケットの加熱出力は、平均で最大加熱出力の約20%であった。加熱出力は、調節によって最大加熱出力の±5%前後で変わった。触媒活性化[工程(β)]中におけるプロピレンオキシドの急速な反応に起因する反応器における発熱の増加の発生は、加熱ジャケットの加熱出力の減少、カウンタ冷却のオンおよび、適当な場合には、反応器における温度の上昇によって観察された。反応[工程(γ)]中におけるプロピレンオキシドの連続的な反応に起因する反応器における発熱の発生は、加熱ジャケットの出力を最大加熱出力の約8%に減少させた。加熱出力は、調節によって最大加熱出力の±5%前後で変わった。
【0072】
実施例において用いた中空シャフト攪拌機は、攪拌機の中空シャフトによって反応混合物に気体を通入する中空シャフト攪拌機であった。中空シャフトに取り付けられた攪拌機本体は、直径35mmおよび高さ14mmを有する4つのアームを備えていた。直径3mmを有する2つの気体出口は、アームの各末端に取り付けられていた。攪拌機が回転することによって、減圧が発生し、その結果、反応混合物上の気体(CO
2および場合によりアルキレンオキシド)が吸引され、攪拌機の中空シャフトによって反応混合物に通入された。
【0073】
実施例において用いたインペラ攪拌機(impeller stirrer)は、直径35mmおよび高さ10mmを有するそれぞれ4つの攪拌機翼(45°)を備えた全部で2つの攪拌機段階が7mmの距離で攪拌機シャフトに設置された傾斜翼タービンであった。
【0074】
共重合において、環式プロピレンカーボネートに加えて、一方で式(IXa):
【化2】
に示されるポリカーボネート単位を含み、および他方で、式(IXb):
【化3】
に示されるポリエーテル単位を含むポリエーテルカーボネートポリオールが生成した。
【0075】
反応混合物は、
1H-NMR分光法およびゲル浸透クロマトグラフィによって特性を明らかにした:
【0076】
ポリエーテルカーボネートポリオールに対する環式プロピレンカーボネートの量比(選択性)およびポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比(比率e/f)および反応したプロピレンオキシドの量(C、モル%)を、
1H-NMR分光法によって測定した。試料をそれぞれ重水素クロロホルムに溶解し、ブルカー分光計(AV400、400MHz)において測定した。積分に用いた
1H-NMRスペクトル(TMS=0ppmを基準とする)における関連する共鳴は、次のとおりである:
I1: 1.11〜1.17:ポリエーテル単位のメチル基、3つのH原子に対応する共鳴領域
I2: 1.25〜1.32:ポリカーボネート単位のメチル基、3つのH原子に対応する共鳴領域
I3: 1.45〜1.49:環式カーボネートのメチル基、3つのH原子に対応する共鳴領域
I4: 2.95〜2.99:遊離の未反応プロピレンオキシドに対するCH基、1つのH原子に対応する共鳴領域
【0077】
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるカーボネート単位に対する環式プロピレンカーボネートの量のモル比(選択性、g/e)およびポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比(e/f)および反応したプロピレンオキシドの含有量(C、モル%)について述べる。
【0078】
相対強度を考慮し、値を次のとおり算出した:
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるカーボネート単位に対する環式プロピレンカーボネートの量のモル比(選択性、g/e):
g/e=I3/I2 (X)
ポリマーにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比(e/f):
e/f=I2/I1 (XI)
反応したプロピレンオキシドのモル含有量(C、モル%)を、活性化および共重合において用いたプロピレンオキシドの総量を基準として、式:
C=[((I1/3)+(I2/3)+(I3/3))/((I1/3)+(I2/3)+(I3/3)+I4)]*100% (XII)
に従って算出し、試料において97.8ないし>99.9%の間であった。
【0079】
生成したポリマーの数平均分子量M
nおよび重量平均分子量M
wは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定した。手順は、DIN 55672-1に従った:「ゲル浸透クロマトグラフィ、パート1−溶離剤としてのテトラヒドロフラン」(PSS Polymer Service製のSECurity GPC System、流速1.0ml/分;カラム:2×PSS SDV linear M、8×300mm、5μm;RID検出器)。ここでは既知の分子量のポリスチレン試料を校正に用いた。
【0080】
OH価(ヒドロキシル価)は、DIN 53240-2に従って測定したが、THF/塩化メチレンに代えて、N-メチルピロリドンを溶媒として用いた。0.5モル濃度のKOHエタノール溶液を用いて滴定を行った(電位差測定法による終点検出)。証明書により特定されたOH価を有するヒマシ油は試験物質として機能した。「mg/g」で記載された単位は、mg[KOH]/g[ポリエーテルカーボネートポリオール]に関する。
【0081】
次の実施例1〜5は、PET-1をスターターとして用いて行った。記載した圧力は絶対圧に関する。
【0082】
実施例1:アルゴン下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(30g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程中においてCO
2を充填するによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。この時間中での反応器における一時的な発熱の増加の発生によって、触媒の活性化が確認された[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながらHPLCポンプを用いてさらに81gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.06であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは20.1/79.9であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=5,756g/モル、M
w=13,076g/モルおよび多分散度2.27を有した。
得られた混合物のOH価は、26.6mg
KOH/gであった。
【0083】
実施例2:CO
2雰囲気下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(30g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、CO
2の緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、減圧(50mbar)およびCO
2の緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程中においてCO
2を充填するによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながらHPLCポンプを用いてさらに81gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.07であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは20.5/79.5であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=6,730g/モル、M
w=15,686g/モルおよび多分散度2.33を有した。
得られた混合物のOH価は、25.1mg
KOH/gであった。
【0084】
実施例3:CO
2を用いずに乾燥し、CO
2を用いずに活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(30g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、わずかに減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。2.5barのアルゴンを押し入れた。次にHPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、アルゴン圧を下げ、15barのCO
2を押し入れた。次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに81gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.08であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは18.1/81.9であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=5,644g/モル、M
w=9,576g/モルおよび多分散度1.70を有した。
得られた混合物のOH価は、25.0mg
KOH/gであった。
【0085】
実施例4:CO
2を用いて乾燥し、CO
2を用いずに活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(30g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、CO
2の緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、わずかに減圧(50mbar)およびCO
2の緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)。次にCO
2流を切ることによって圧力を5mbarまで下げた[工程(α)]。2.5barのアルゴンを押し入れた。次にHPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、アルゴン圧を下げ、15barのCO
2を押し入れた。次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに81gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.07であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは18.5/81.5であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=5,905g/モル、M
w=10,757g/モルおよび多分散度1.82を有した。
得られた混合物のOH価は、25.8mg
KOH/gであった。
【0086】
比較実施例5:CO
2を用いずに乾燥し、CO
2を用いずに活性化したDMC触媒を用い、インペラ攪拌機を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(30g)との混合物を、インペラ攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbar(絶対)に調節した。反応器を130℃に加熱し、わずかに減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。2.5barのアルゴンを押し入れた。次にHPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、アルゴン圧を下げ、15barのCO
2を押し入れた。次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに81gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.08であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは17.5/82.5であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=6,474g/モル、M
w=9,413g/モルおよび多分散度1.45を有した。
得られた混合物のOH価は、28.2mg
KOH/gであった。
【0087】
【表1】
【0088】
比率e/fは、ポリマー鎖への二酸化炭素の組み込みの効率の評価基準である:この比率の値が高いほど、ポリマーに組み込まれた反応混合物中の二酸化炭素の含有量が高くなる。実施例3と比較実施例5とを比較することで、インペラ攪拌機を用いる場合よりも、中空シャフト攪拌機を使用することによってCO
2の組み込みが高くなることが示される。実施例1と実施例3とを比較することで、CO
2雰囲気下において活性化(工程β)を行う場合に、より高いCO
2の組み込みに有利であるという更なる改善が達成されるということが示される。これは、実施例2と実施例4との比較によっても確認される。
【0089】
スターターとしてPET-1を用いて、次の実施例6〜9を行った。記載した圧力は絶対圧に関する。
【0090】
実施例6:アルゴン下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用い、低回転速度で中空シャフト攪拌機を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(60g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(800rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(800rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(800rpm)。この時間中での反応器における一時的な発熱の増加の発生によって、触媒の活性化が確認された[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながらHPLCポンプを用いてさらに42gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(800rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.09であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは14.1/85.9であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=2,954g/モル、M
w=6,437g/モルおよび多分散度2.18を有した。
得られた混合物のOH価は、48.6mg
KOH/gであった。
【0091】
実施例7:アルゴン下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用い、高回転速度で中空シャフト攪拌機を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(60g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)。この時間中での反応器における一時的な発熱の増加の発生によって、触媒の活性化が確認された[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながらHPLCポンプを用いてさらに42gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.15であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは13.5/86.5であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=2,380g/モル、M
w=2,398g/モルおよび多分散度1.01を有した。
得られた混合物のOH価は、48.6mg
KOH/gであった。
【0092】
比較実施例8:アルゴン下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用い、低回転速度でインペラ攪拌機を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(60g)との混合物を、インペラ攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(800rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(800rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(800rpm)。この時間中での反応器における一時的な発熱の増加の発生によって、触媒の活性化が確認された[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながらHPLCポンプを用いてさらに42gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(800rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、反応混合物が未反応プロピレンオキシドをまだ含むことが示された。
選択性g/eは0.14であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは11.2/88.8であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=1,830g/モル、M
w=2,170g/モルおよび多分散度1.18を有した。
得られた混合物のOH価は、56.5mg
KOH/gであった。
【0093】
比較実施例9:アルゴン下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用い、高回転速度でインペラ攪拌機を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.8mg)とPET-1(60g)との混合物を、インペラ攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。この時間中での反応器における一時的な発熱の増加の発生によって、触媒の活性化が確認された[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながらHPLCポンプを用いてさらに42gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、反応混合物が未反応プロピレンオキシドをまだ含むことが示された。
選択性g/eは0.17であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは10.3/89.7であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=1,840g/モル、M
w=2,062g/モルおよび多分散度1.12を有した。
得られた混合物のOH価は、55.0mg
KOH/gであった。
【0094】
【表2】
【0095】
比率e/fは、ポリマー鎖への二酸化炭素の組み込みの効率の評価基準である:この比率の値が高いほど、ポリマーに組み込まれる反応混合物中の二酸化炭素の含有量が高くなる。実施例6および7と比較実施例8および9とを比較することで、インペラ攪拌機を用いる場合よりも、中空シャフト攪拌機を使用することによってCO
2の組み込みが高くなり、選択性が改善されること(すなわち環式カーボネートがより少ないこと)が示される。
【0096】
スターターとしてPET-2を用いて、次の実施例10〜14を行った。記載した圧力は絶対圧に関する。
【0097】
実施例10:アルゴン下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(27.9mg)とPET-2(30g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。この時間中での反応器における一時的な発熱の増加の発生によって、触媒の活性化が確認された[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながらHPLCポンプを用いてさらに100.5gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.13であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは15.9/84.1であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=3,036g/モル、M
w=4,899g/モルおよび多分散度1.61を有した。
得られた混合物のOH価は、56.2mg
KOH/gであった。
【0098】
実施例11:CO
2雰囲気下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(27.9mg)とPET-2(30g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、CO
2の緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、減圧(50mbar)およびCO
2の緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながらHPLCポンプを用いてさらに100.5gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.14であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは15.0/85.0であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=3,187g/モル、M
w=4,770g/モルおよび多分散度1.50を有した。
得られた混合物のOH価は、56.9mg
KOH/gであった。
【0099】
実施例12:CO
2を用いずに乾燥し、CO
2を用いずに活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(27.9mg)とPET-2(30g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbar(絶対)に調節した。反応器を130℃に加熱し、わずかに減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。2.5barのアルゴンを押し入れた。次に、HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、アルゴン圧を下げ、15barのCO
2を押し入れた。次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに100.5gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.16であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは14.6/85.4であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=3,067g/モル、M
w=4,474g/モルおよび多分散度1.46を有した。
得られた混合物のOH価は、57.9mg
KOH/gであった。
【0100】
実施例13:CO
2を用いて乾燥し、CO
2を用いずに活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(27.9mg)とPET-2(30g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、CO
2の緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbarに調節した。反応器を130℃に加熱し、わずかに減圧(50mbar)およびCO
2の緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)。次にCO
2流を切ることによって圧力を5mbarに下げた[工程(α)]。2.5barのアルゴンを押し入れた。次に、HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、アルゴン圧を下げ、15barのCO
2を押し入れた。次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに100.5gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.15であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは12.2/87.8であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=3,180g/モル、M
w=5,116g/モルおよび多分散度1.61を有した。
得られた混合物のOH価は、55.5mg
KOH/gであった。
【0101】
比較実施例14:CO
2を用いずに乾燥し、CO
2を用いずに活性化したDMC触媒を用い、インペラ攪拌機を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(27.9mg)とPET-2(30g)との混合物を、インペラ攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入した。反応器を閉じ、反応器中の圧力を5mbarまで5分間減圧した。次に、Arの緩流を適用し、同時にポンプを用いて気体を除去することによって反応器中の圧力を50mbar(絶対)に調節した。反応器を130℃に加熱し、わずかに減圧(50mbar)およびArの緩流下、130℃において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。2.5barのアルゴンを押し入れた。次に、HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、アルゴン圧を下げ、15barのCO
2を押し入れた。次の工程中において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに100.5gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。次に反応混合物を室温まで冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.13であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは9.1/90.9であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=1,979g/モル、M
w=3,045g/モルおよび多分散度1.54を有した。
得られた混合物のOH価は、56.7mg
KOH/gであった。
【0102】
【表3】
【0103】
比率e/fは、ポリマー鎖への二酸化炭素の組み込みの効率の評価基準である:この比率の値が高いほど、ポリマーに組み込まれる反応混合物における二酸化炭素の含有量が高くなる。実施例12と比較実施例14とを比較することで、インペラ攪拌機を用いる場合よりも、中空シャフト攪拌機を使用することによってCO
2の組み込みが高くなることが示される。実施例10と実施例12とを比較することで、CO
2雰囲気下において活性化(工程β)を行う場合に、より高いCO
2の組み込みに有利であるという更なる改善が達成されるということが示される。これは、実施例11と実施例13との比較によっても確認される。
【0104】
スターターとしてPET-3を用いて、次の実施例15を行った。記載した圧力は絶対圧に関する。
【0105】
実施例15:アルゴン下において乾燥し、CO
2雰囲気下において活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCO
2との重合
DMC触媒(23.6mg)とPET-3(12.6g)との混合物を、中空シャフト攪拌機を備えた300ml容の圧力反応器にまず導入し、130℃において、わずかに減圧(50mbar)およびArの緩流下において混合物を30分間攪拌した(1,500rpm)[工程(α)]。15barのCO
2を押し入れ、その結果、反応器中の温度がわずかに下がった。温度を130℃に調節し、次の工程において、CO
2を充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。HPLCポンプを用いて1.3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物を20分間攪拌した(1,500rpm)。次に、さらに2回HPLCポンプを用いて1.3gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をそれぞれ20分間攪拌した(1,500rpm)。この時間中での反応器における一時的な発熱の増加の発生によって、触媒の活性化が確認された[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに103.6gのプロピレンオキシドを計量添加し(1.5ml/分)、反応混合物をさらに攪拌した(1,500rpm)。混合物を100℃において、プロピレンオキシドの添加の開始から合計で3時間攪拌した[工程(γ)]。反応器を氷浴において冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
反応[工程(γ)]中においてホットスポットは観測されなかった。
反応混合物のNMR分光分析により、プロピレンオキシドの完全転化が示された。
選択性g/eは0.18であった。
ポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは21.2/73.3であった。
得られたポリエーテルカーボネートポリオールは、分子量M
n=5,460g/モル、M
w=14,320g/モルおよび多分散度2.62を有した。
得られた混合物のOH価は、40.6mg
KOH/gであった。