【実施例】
【0063】
実施例1:抗体発現および精製
重鎖および軽鎖の可変領域のポリペプチド、抗体I−IVの完全重鎖および軽鎖アミノ酸配列、ならびにそれらをコードするヌクレオチド配列は、「アミノ酸およびヌクレオチド配列」という標題の段落で以下に記載されている。さらに、軽鎖および重鎖CDRポリペプチドは表1に示される。
【0064】
限定されないが、抗体IおよびIIを含む、本発明の方法および使用のためのVEGFR1抗体は、本質的に以下のように作製され、精製され得る。HEK293EBNAまたはCHOなどの適切な宿主細胞は、最適な所定のHC:LCベクター比またはHCおよびLCの両方をコードする単一のベクター系を使用して抗体を分泌するための発現系で一過性または安定にトランスフェクトされ得る。抗体が分泌される浄化培地は多くの一般的に使用される技術のいずれかを使用して精製され得る。例えば、培地は、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)などの相溶性緩衝液で平衡化されている、Fab断片についてMabSelectカラム(GE Healthcare)、またはKappaSelectカラム(GE Healthcare)に簡便に適用され得る。カラムは非特異的結合成分を除去するために洗浄され得る。結合抗体は、例えば、pH勾配(20mMトリス緩衝液 pH7から10mMクエン酸ナトリウム緩衝液 pH3.0、またはリン酸緩衝生理食塩水 pH7.4から100mMグリシン緩衝液 pH3.0など)によって溶出され得る。抗体画分はSDS−PAGEなどによって検出され得、次いでプールされ得る。さらなる精製は、意図する使用に応じて任意である。抗体は一般的な技術を使用して濃縮および/または濾過滅菌され得る。可溶性凝集体および多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、マルチモード、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技術によって効果的に除去され得る。産生物は−70℃にて即座に凍結されてもよく、または凍結乾燥されてもよい。
【0065】
【表1】
【0066】
実施例2:VEGFR1抗体の結合キネティクス、親和性、および特異性
本発明の方法および使用のための抗体について、ヒトVEGFR1、ならびにヒトVEGFR2およびヒトVEGFR3に対する結合キネティクス、親和性、および選択性を、当該分野において公知の方法に従って、BIAcore(登録商標)2000、BIAcore(登録商標)3000、またはBIAcore(登録商標)T100(GE HealthCare)などの表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサを使用することによって求めることができる。結合キネティクス、親和性、および特異性は、マウスVEGFR1に対する開示された抗体が、インビトロで、ヒトVEGFR1に対する開示された抗体と同様に機能することを実証するための分析に使用され得る。
【0067】
種々の種類のVEGF受容体に対する抗体の結合親和性、特異性、キネティクスおよび化学量論は、HBS−EPランニング緩衝液(GE Healthcare #BR−1006−69)を流したBiacore機器でSPRアッセイを使用して求めることができ、分析温度は25℃または37℃に設定できる。固定したヤギ抗(ヒトまたはマウス)カッパ(κ鎖特異的)またはプロテインAを含有するCM4チップ(37℃にてT100についてSシリーズ)は、2つまたは4つ全てのフローセル(Fc)上で標準的なNHS−EDCアミンカップリングを使用して生成でき、捕捉法を利用するために使用できる。抗体試料またはVEGF−Fc受容体は、ランニング緩衝液中で希釈することによって1から10μg/mLの濃度範囲で調製できる。VEGFR1−His、抗体IIまたは抗体IVは異なる濃度(2倍希釈増分で200nM〜0.078nMの濃度範囲)で調製できる。各分析サイクルは、(1)別のフローセル(Fc2、Fc3、およびFc4)における固定化プロテインAまたは抗(ヒトまたはマウス)カッパ(κ鎖特異的)上で抗体試料を捕捉すること、(2)50μL/分にて全てのFcに対して250μL(300秒)のHisタグ化受容体、抗体II−Fabまたは抗体IVを注入すること、(3)解離相をモニタするために20分間、緩衝液の流れに戻すこと、(4)グリシン、pH1.5の25μL(30秒)の注入によりチップ表面を再生すること、(5)HBS−EPの25μL(30秒)の注入によりチップ表面を平衡化することからなることができる。データは、標準的な二重参照を使用して処理でき、会合速度(k
on、M
−1s
−1単位)、溶解速度(k
off、s
−1単位)、およびR
max(RU単位)を求めるために、Biacore評価ソフトウェア、Biacore 2000についてバージョン4.1およびBiacore T100について2.0.3を使用して1:1結合モデルにフィットできる。平衡解離定数(K
D)は関係K
D=k
off/k
onから計算できる。
【0068】
本質的にこの実施例2に記載されるように実施した実験において、抗体I、II、III、およびIVは、同様に高い結合親和性(K
D)でそれらの対応する種のVEGFR1に結合する(表2を参照のこと)。抗体IIおよびIVの両方は、200nMまでの受容体で、VEGFR2およびVEGFR3に対する結合ではなく、VEGFR1に対して良好な選択性を示す。抗体IIはヒトおよびカニクイザルVEGFR1受容体に対して密接なピコモルの親和性を有する。ヒトVEGFR1に対する抗体IIのK
Dは37℃にて740+/−34pM(n=3)であり、カニクイザルVEGFR1に対しては37℃にて554+/−29pM(n=3)である。
【0069】
【表2】
【0070】
実施例3:キメラヒトVEGFR1/EpoRまたはマウスVEGFR1/マウスEpoR受容体を発現する培養細胞中の抗体IIおよび抗体IVによるVEGFR1の内在化
VEGFR1を中和し、続いて分解するVEGFR1抗体の能力は、キメラマウスVEGFR1/マウスEpoRまたはヒトVEGFR1/マウスEpoR受容体を発現する細胞においてVEGFR1の内在化を測定することによって求めることができる。VEGFR1内在化は、マウスVEGFR1に対する開示された抗体が、インビトロで、ヒトVEGFR1に対する開示された抗体と同様に機能することを実証するための分析に使用され得る。BaF3細胞は、キメラVEGFR1/Epo受容体を発現する場合、IL−3の非存在下で生存する。抗体介在性内在化によって細胞表面キメラVEGFR1/EpoRを減少させることにより、細胞死がもたらされる。
【0071】
ヒトおよびマウスVEGFR1細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインはEpo受容体の細胞内ドメインと融合し得る。キメラ受容体は、pMSCV puroレトロウイルスベクター(Clontech、カタログ番号634401)内でクローニングされ得る。BaF3−マウスVEGFR1−マウスEpoR細胞およびBaF3−ヒトVEGFR1−マウスEpoR細胞はレトロウイルス感染によって生成できる。レトロウイルスは、マウスVEGFR1/マウスEpoRまたはヒトVEGFR1/マウスEpoRのそれぞれでPhoenix Ecoレトロウイルスパッケージング細胞(ATCC)をトランスフェクトすることによって産生できる。レトロウイルス粒子はBaF3細胞を形質導入するために使用され得る。BaF3−VEGFR1−EpoR細胞は、RPMI−1640(Thermo Scientific、#SH30255.01)、10%(v/v)FBS(Invitrogen、#10082)、1mMピルビン酸ナトリウム(Thermo Scientific、#SH30239.01)、100U/500mLペニシリンG、および100μg/500mLストレプトマイシン(Thermo Scientific、#SV30079.01)、2μg/mLピューロマイシン(Calbiochem#540411);5ng/mLマウスIL−3(R&D #403−ML−CF)中で培養できる。
【0072】
内在化アッセイを実施するために、形質導入したBaF3細胞は、IL−3を洗い落とすためにIL−3を有さない20mLの培養培地で3回洗浄できる。IL−3を有さない培養培地中の100μlの細胞を白/透明の96ウェル組織培養プレート(BD#353377)の各ウェルに加えて、1〜2×10
4細胞/ウェルを達成することができる。VEGFR1およびアイソタイプ対照抗体は、IL−3を有さない培養培地で連続希釈して、2倍の試験される最終濃度を達成でき、次いで100μlの2倍抗体溶液を各ウェルに加えることができる。次いでこのプレートを95%相対湿度および5%(v/v)CO
2下で37℃にてインキュベートできる。6日間の培養後、生存細胞の数を、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega#G7571)によって求めることができる。プレートおよびCellTiter−Glo基質は30分間、室温で平衡化できる。100μlのCellTiter−Gloを各ウェルに加えることができる。プレートを2分間、オービタルシェーカーで振盪して、内容物を混合でき、発光信号を安定化するために室温にて10分間、インキュベートを継続できる。発光は、Wallac Victor3TM 1420 Multilable Counter(PerkinElmer Precisely)によって記録できる。VEGFR1および対照IgG抗体で処理した群において細胞変動性の百分率を、抗体処理していないBaF3細胞と比較することによって算出できる。各用量の三連の処理の平均を、平均として、および標準誤差計算のために使用できる。T試験を同じ用量でVEGFR1と対照抗体との間のデータを比較するために使用できる。0.05未満のP値が統計的に有意であるとみなすことができる。
【0073】
本質的にこの実施例3に記載されるように実施した実験において、異なる用量の抗体IIのインキュベーションにより、抗体は、ヒトIgG4対照抗体と比較した生存率の有意な減少によって示されるように、BaF3−マウスVEGFR1−マウスEpoR細胞増殖を阻害する(表3)。同様に、抗体IVの異なる用量でのインキュベーションの6日後、BaF3−マウスVEGFR1−マウスEpoR細胞はマウスIgG1対照抗体と比較して多くの細胞死を示した(表3)。これらの結果は抗体IIおよびIVの両方による細胞表面VEGFR1受容体の内在化を実証する。さらに、この結果は、BaF3細胞におけるキメラVEGFR1に対する抗体IIおよびIVの結合が受容体活性化および細胞増殖を刺激しないことを示す。
【0074】
【表3】
【0075】
データは、3連の処理の平均および標準誤差を示し、2回の実験の代表である。
【0076】
実施例4:固相ELISAおよび細胞ベースのVEGFR1リン酸化アッセイによって測定された抗体IIによるヒトVEGFR1に対するヒトVEGF−AおよびPlGF結合の中和
VEGFR1に結合し、VEGFR1に対するVEGF−AおよびPlGFの結合を中和するVEGFR1抗体の能力は、固相ELISAおよび細胞ベースのVEGFR1リン酸化アッセイによって測定できる。VEGF−AおよびPlGF中和は、マウスVEGFR1に対する開示された抗体が、インビトロで、ヒトVEGFR1に対する開示された抗体と同様に機能することを実証するための分析に使用され得る。
【0077】
固相ELISAに関して、96ウェルプレートは、50μl/ウェルにてPBS中の1μg/mLのhVEGFR1−Fc(R&D 321−fl 050/cf)でコーティングでき、次いで4℃にて一晩インキュベートできる。次いで溶液はウェルから除去でき、次いでウェルは室温にて100μlの1%カゼインで1時間遮断できる。抗体(対照Ron抗体(R&D MAB691)を含む)は、50μg/mLで開始し、0.023μg/mLまで1:3希釈で希釈している、PBSt(Tween20を含有するPBS)に対してマイクロタイタープレート中で滴定できる。(表4aを参照のこと)。ELISAプレートはPBStで3回洗浄でき、次いで50μl/ウェルの前滴定した抗体を加えることができる。37℃での1時間のインキュベーション後、50μlのビオチン化リガンド(2nMのhPLGF1(Pepro Tech#AF−100 06)または2nMのhVEGFA−165(R&D#293−VE)は各ウェルに加えることができ、インキュベーションを37℃にて30分間継続できる。プレートはPBStで3回洗浄でき、次いで15分の室温にてインキュベーションしながら、50μl/ウェルのNA−AP(1:1000希釈)を加えることができる。3回より多く洗浄した後、100μl/ウェルのPMP(水中で1:35希釈)を加えることができる。次いでプレートを30分間進行させ、OD
560にて読み取ることができる。
【0078】
細胞ベースのVEGFR1リン酸化アッセイに関して、ヒトVEGFR1を発現するPAE−R1細胞は、100,000細胞/ウェルにて24ウェル組織培養プレート中に播種でき、5%CO
2、37℃にて一晩培養できる。次いで培養培地を500μlの飢餓培地(0.1%BSAを含有するDMEM/F12)に変えることができ、一晩培養できる。次いで抗体は培地中に加えることができ、細胞を30分間培養した。ヒトVEGF−A165(R&Dカタログ番号293−VE)またはヒトPlGF(R&Dカタログ番号264−PG)を次いで加えることができ、細胞をさらに10分間インキュベートできる。リン酸化ヒトVEGFR1は、ELISA(R&D Duo Set IC ELISA開発キット、#DYC4170−2)を使用して求めることができる。
【0079】
データは平均+/−標準誤差として表すことができる。JMP8は、ANOVA解析、その後のダネット比較のために使用できる。IC
50はGraphPad Prismバーション4を使用して計算できる。0.05未満のP値は統計的に有意であるとみなすことができる。
【0080】
本質的にこの実施例4の上記に記載されるように実施される実験において、抗体IIはVEGFR1に対するヒトVEGF−AおよびPlGF結合を中和し、また、ヒトVEGF−AおよびPlGFで刺激されたVEGFR1リン酸化を抑制する。抗体IIは、それぞれ0.43nMおよび0.14nMのIC
50でVEGFR1に対するPlGFおよびVEGF−A結合を中和する(表4a)。
【0081】
低い抗体濃度でのデータ点はIC
50を正確に計算することを必要とする。したがって、この実験は、5μg/mLで開始して、0.0023μg/mLまで1:3希釈で希釈する抗体濃度で繰り返される。実験手順は以下に記載されている通りであり得る。
【0082】
固相ELISAに関して、96ウェルプレートは、50μl/ウェルにてPBS中の1μg/mLのhVEGFR1−Fc(R&D 321−fl 050/cf)でコーティングでき、次いで4℃にて一晩インキュベートできる。次いで溶液はウェルから除去でき、次いでウェルは室温にて100μlの1%カゼインで1時間遮断できる。抗体(対照Ron抗体(R&D MAB691)を含む)は、5μg/mLで開始して、0.0023μg/mLまで1:3希釈で希釈する、PBSt(Tween20を含有するPBS)に対してマイクロタイタープレート中で滴定できる(表4bを参照のこと)。ELISAプレートはPBStで3回洗浄でき、次いで50μl/ウェルの前滴定した抗体を加えることができる。37℃での1時間のインキュベーション後、50μlのビオチン化リガンド(4nMのhPLGF1(R&D カタログ番号264−PG−010)または2nMのhVEGFA−165(R&D #293−VE)は各ウェルに加えることができ、37℃にて30分間インキュベーションを継続した。プレートはPBStで3回洗浄でき、次いで室温にて15分間インキュベートしながら、50μl/ウェルのNA−AP(1:1000希釈)を加えることができる。3回より多い洗浄の後、100μl/ウェルのPMP(水中で1:35希釈)を加えることができる。次いでプレートを30分間進行させ、OD
560にて読み取ることができる。
【0083】
データは平均+/−標準誤差として表すことができる。JMP8は、ANOVA解析、その後のダネット比較のために使用できる。IC
50は、GraphPad Prismバージョン6を使用して計算できる。0.05未満のP値は統計的に有意であるとみなすことができる。
【0084】
本質的に上記のように実施した反復実験において、抗体IIはVEGFR1に対するヒトVEGF−AおよびPlGF結合を中和し、また、ヒトVEGF−AおよびPlGFで刺激したVEGFR1リン酸化を抑制する。抗体IIは、それぞれ0.31nMおよび1.02nMのIC
50でVEGFR1に対するPlGFおよびVEGF−A結合を中和する(表4b)。
【0085】
抗体IIは、表5に見られるように、インビトロでVEGFおよびPlGFで刺激したVEGFR1リン酸化の両方を遮断する。
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
実施例5:抗体IIおよびIVはVEGF−A介在性ERKリン酸化に対するsFlt1の抑制効果を弱める
sFlt1によるVEGF−A介在性ERKリン酸化の抑制を弱めるVEGFR1抗体の能力は、培養したhUVECおよびbEnd3細胞において測定できる。VEGF−A介在性ERKリン酸化の抑制は、マウスVEGFR1に対する開示された抗体が、インビトロで、ヒトVEGFR1に対する開示された抗体と同様に機能することを実証するための分析に使用できる。
【0090】
bEnd3細胞における測定に関して、bEnd3細胞はATCC(#CRL−2299)から購入できる。bEnd3細胞は、Anti/Anti(Thermo#SV30079.01)および10%ウシ胎仔血清(Invitrogen#10082−147)を含有するDMEM/高グルコース培地(HyClone#SH30243.1)中で3×10
5細胞/mLまで再懸濁できる。0.5mLの再懸濁したbEnd.3細胞(約1.5×10
5細胞を含有する)は、24ウェルマイクロタイタープレート(Costar#3524)の各ウェルに加えることができ、37℃、5%CO
2にて24時間インキュベートできる。次いで培地を吸引でき、次いで細胞を、37℃、5%CO
2にて15時間、Anti/Antiおよび0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma#A7979)を含有する500μL/ウェルのDMEM/高グルコース培地中で飢餓させることができる。VEGF−A、sFlt1、および/またはVEGFR1抗体を加える前に、培養は0.1%BSAを有する新鮮な飢餓培地に変えることができる。
【0091】
VEGF−A処理に関して、50μLの10倍濃度のマウスVEGF164(8ng/mL最終)(R&D #493−MV/CF)を各ウェルに加えることができ、細胞を37℃、5%CO
2にて10分間インキュベートできる。VEGF−AプラスsFlt1処理に関して、30μLの20倍濃度のマウスVEGF164(8ng/mL最終)は、37℃にて30分間、30μLのマウスsFlt1(40ng/mL最終、R&D #471−F1)と前もって混合でき、次いで50μLの混合物を各ウェルに加えることができ、細胞を37℃、5%CO
2にて10分間インキュベートできる。VEGF−AプラスsFlt1および抗体IVに関して、20μLの30倍濃度の抗体IV(500ng/mL最終)は、37℃にて30分間、マウスsFlt1(40ng/mL最終、R&D 471−F1)と前もって混合できる。次に、40μLの30倍濃度のマウスVEGF164(8ng/mL最終)を抗体IVおよびsFlt1の混合物に加えることができる。50μLの最終混合物を各ウェルに加えることができ、細胞を37℃、5%CO
2にて10分間インキュベートできる。無血清培地対照群に関して、0.1%BSAを有する50μLの飢餓培地を各ウェルに加えることができ、細胞を37℃、5%CO
2にて10分間インキュベートできる。
【0092】
hUVE細胞における測定に関して、hUVE細胞は、補足物(Lonza#CC−4176)を含むEGM−2培地(Lonza#CC−3156)中で3×10
5細胞/mLまで再懸濁できる。0.5mLの再懸濁したhUVE細胞を24ウェルマイクロタイタープレート(Costar#3524)(1.5×10
5細胞/ウェル)の各ウェルに加えることができ、37℃、5%CO
2にて24時間、インキュベートできる。次いで培地は、37℃、5%CO
2にて15時間、飢餓のために0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma#A7979)を含有する500μL/ウェルのEGM−2培地に変えることができる。処理化合物を加える前に、培地は0.1%BSAを有する新鮮な飢餓培地に変えることができる。VEGF−A処理のために、50μLの10倍濃度のヒトVEGF165(1.5ng/mL最終)(R&D 293−VE)を加えることができ、細胞を37℃、5%CO
2にて10分間インキュベートできる。VEGF−AプラスsFlt1に関して、30μLの20倍濃度のヒトVEGF165(1.5ng/mL最終)は、37℃にて30分間、ヒトsFlt1(40ng/mL最終、R&D 321−FL/CF)と混合できる。次いで50μlの混合物をウェルに加えることができ、細胞を37℃、5%CO
2にて10分間、インキュベートできる。VEGF−AプラスsFlt1および抗体IIに関して、20μLの30倍濃度の抗体II(73μg/mL最終)は、37℃にて30分間、ヒトsFlt1(40ng/mL最終)と前もって混合でき、次いで40μLの30倍濃度のヒトVEGF165(1.5ng/mL最終)をVEGF−AとsFlt1の混合物に加えることができる。50μLの最終混合物をウェルに加えることができ、細胞を37℃、5%CO
2にて10分間、インキュベートできる。無血清培地対照群に関して、0.1%BSAを有する50μLの飢餓培地を各ウェルに加えることができ、細胞を37℃、5%CO
2にて10分間、インキュベートできる。
【0093】
細胞溶解調製物に関して、10mLのトリス溶解緩衝液(MSD)を、200μLのプロテアーゼ阻害剤溶液(50倍ストック)、100μLのホスファターゼ阻害剤I(100倍ストック)、100μLのホスファターゼ阻害剤I(100倍ストック)、100μLのホスファターゼ阻害剤II(100倍ストック)、DMSO中の40μLのフェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)(250倍ストック)、および100μLのSDS(10%ストック)と混合できる。PMSFおよびSDSは使用前に即座に加えることができる。処理培地を除去した後、50μLの細胞溶解緩衝液を各ウェルに加えることができる。細胞は、氷上の溶解緩衝液と10分間インキュベートでき、次いで4℃にて30分間振盪できる。溶解物のタンパク質濃度は、Pierce BCAタンパク質アッセイキット、カタログ番号23227を使用して求めることができる。
【0094】
ERK1/2リン酸化アッセイに関して、リン酸化ERK1/2は、MSD(ホスホ−ERK1/2(Thr202/Tyr204;Thr185/Tyr187)アッセイ全細胞溶解キット;MSD#K151DWD−1)によって開発されたサンドイッチ免疫アッセイのプロトコルに従って求めることができる。アッセイは、リン酸化ERK1/2(Thr202/Tyr204;Thr185/Tyr187)について捕捉抗体でプレコーティングしたプレートを使用できる。試料を加えた後、検出抗体、電気化学発光化合物(MSD SULFO−TAG標識)でコンジュゲートした抗−全ERK1/2を含有する溶液を加えることができる。MSD SECTOR Imagerを、試料中のリン酸化ERK1/2レベルと相関している放射光の強度を測定するために使用できる。捕捉および検出抗体の両方はヒトおよびマウス全細胞溶解物と交差反応する。
【0095】
データは平均+/−標準誤差として表すことができる。JMP8は、ANOVA解析、その後のダネット比較のために使用できる。
【0096】
本質的にこの実施例5に記載されるように実施される実験において、抗体IIおよび抗体IVはそれぞれ、培養したhUVECおよびbEnd3細胞におけるsFlt1活性を弱める(表6)。マウスVEGF−A164との混合前の抗体IVとのsFlt1のプレインキュベーションは、bEnd3細胞においてVEGF−Aで刺激したERK1/2リン酸化に対するsFltlの抑制効果を顕著に阻止する。最終濃度の抗体IVはこの研究において500ng/mLである。抗体IVと同様に、ヒトVEGF−A165との混合前の抗体IIとのsFltのプレインキュベーションは、hUVE細胞においてVEGF−A165で刺激したERK1/2リン酸化を顕著に減少させる。最終濃度の抗体IIはこの研究において73μg/mLである。これらの結果により、抗体IIおよびIVの両方がVEGF−AのFlt1捕捉を遮断することが実証され、VEGFR2に対するVEGF−Aの増加した接触性が生じ得る。
【0097】
【表7】
実施例6:抗体IIIおよびIVは、残存腎臓マウスモデルにおいてアルブミン尿を減少させ、腎臓組織病理学的損傷を改善する
アルブミン尿および腎臓組織病理学的損傷(両方、CKDの指標である)を改善するVEGFR1抗体の可能性は、インビボで、残存腎臓マウスモデルにおいて測定できる(Leelahavanichkulら、(2010) Kidney Int.78(11):1136−1153)。
【0098】
残存腎臓モデルは約8週齢でマウス腎臓塊の4分の3を外科的に除去することによって生成できる。このモデルは、アルブミン尿、高血圧症、ならびにメサンギウム増殖、糸球体硬化症、および間質性線維症を含む腎臓障害を発生しているヒト慢性腎疾患(CKD)と似ている。残存腎臓手術は8〜9週齢の129S6/SvEvTacオスマウスにおいて行われ得る。1つの腎臓の2つの極が焼灼を使用して切除され、続いて第2の腎臓の腎摘出術を行うことができる場合、全腎臓塊の4分の3を減少させるための改変された1段階手順を使用できる。外科用ステープルを外科手術の1週間後に取り除くことができる。マウスは、マイクロアイソレーターケージングにおいて高密度ラックで個々に収容でき、12時間の明/暗サイクルで75°Fおよび湿度50%に維持した部屋で栄養を高めるためにおがくずを敷き落ちつかせる。マウスはボトルの水およびPurina5008食餌を自由に得ることができる。ハウスウォーターは、逆浸透で濾過し、塩素処理した水道水(pH6.5〜7)であってもよい。残存腎臓マウスは、外科手術の2週間後、ベースライン尿ACRおよび体重によってランダム化できる。
【0099】
採尿および尿アルブミンおよびクレアチニン測定に関して、96ウェルCorning#3359ポリプロピレンマイクロタイタープレート上に単一の動物を配置することによってスポット尿を採取することができる。プレキシガラス収容チャンバをマウスおよびプレートに固定できる。尿は、マイクロタイタープレートを使用して氷上の1.5mLのエッペンドルフチューブ内に移すことができ、5分間、10,000rpmにて遠心分離できる。尿アルブミンは国内で有効とされたアッセイを使用して測定でき、尿クレアチニンは酵素法を使用して測定できる。
【0100】
腎臓病理学に関して、腎臓は、研究の終わりに採取でき、ホルマリンで固定でき、標準的な方法に従ってパラフィン切片化のために処理できる。腎臓の切片は病理学者により腎臓障害について評価できる。メサンギウム基質、糸球体線維症、および間質性線維症は、以下のスケール:なし(0)、最小(1)、わずか(2)、中度(3)、著しい(4)および重度(5)を使用して半定量的にスコア付けできる。糸球体メサンギウム基質増殖および基底膜厚化はH&EおよびPAS染色切片を使用してスコア付けできる。腎臓のマッソンの三重染色切片は線維症(間質および糸球体)の程度を求めるために評価できる。
【0101】
最大血圧の測定に関して、血圧は、マウスを、実際の測定の3〜5日前に1日5分間、テールカフを取り付けたマウスホルダに配置することによって抑制に慣らすことができる、テールカフ法(Coda System、Kent Scientific)を使用して測定できる。施設の室温は、血圧採取プロセスの間、さらなる加温を提供するために75°Fまで増加させることができる。マウスを選択し、ランダム化できる。マウスはホルダ/保定器に配置でき、Coda加温パッド装置(31〜33℃)の上部に固定できる。尾はテールカフにより配置でき、各マウスは、約30分間、抑制できる。テールカフは膨らませることができ、動脈血流を一瞬だけ遮断するのに十分に尾をきつく圧縮し、次いで動脈拍動の戻りを観察するために収縮することによって徐々に緩める。動脈拍動が戻ると、カフは完全に収縮できる。一匹のマウスからの反復測定の平均が、そのマウスについて最大血圧のレベルとして使用できる。
【0102】
データは平均+/−SEとして示すことができる。GraphPad PrismまたはJMPは、ANOVAまたは独立t検定解析のために使用できる。解析に関して、尿ACRデータは対数値に変換できる。Graphpad PrismまたはJMPは、ANOVA解析、その後のダネット多重比較検定のために使用できる。0.05未満のP値は統計的に有意とみなすことができる。
【0103】
本質的にこの実施例6に記載されるように実施される実験において、3つの研究が実施される。研究1について、6つの群を含む:(1)PBS、1週間に3回(tiw)、n=12;(2)10mg/kgにてマウスIgG1、tiw、n=12;(3)10mg/kgにて抗体IV、tiw、n=12;(4)3mg/kgにて抗体IV、tiw、n=12;(5)3mg/kgにて抗体IV、qw、n=12;および(6)1mg/kgにて抗体IV、tiw、n=12。0.2mLの試験または対照化合物を、16週間、上記に示した用量および間隔で皮下注射(sc)する。スポット尿および体重をベースライン(処理前)にまとめ、3、6、10、12および16週に再度投与する。最大血圧は16週での投与で収集する。研究の8週の終わりに採取した試料は、EDTA抗凝固全血および腎臓を含む。BUN、クレアチニンおよび他のパラメータを測定するためにEDTA血漿を使用する。冠状に切片化した残存腎臓の半分を、組織病理学的検査のために10%nBF(中性緩衝ホルマリン)中で固定し、残存腎臓のもう半分をさらなる解析のために−80℃で急速冷凍する。
【0104】
研究2について、5つの群をこの研究に含む:(1)偽対照(n=4、処理なし);(2)PBS対照(n=10);(3)10mg/kgにてラットIgG1(n=10);(4)10mg/kgにて抗体III(n=10);および(5)3mg/kgにて抗体III(n=10)。全ての群は、0.2mL/マウスの体積にて8週の間、一週間に3回(tiw)、腹腔内投与(i.p.)する。スポット尿を採取し、体重をランダムで測定し(ベースライン)、4、6および8週に再度投与する。最大血圧を4および8週の投与で採取する。テールカフを使用して血圧を求める。エンドポイント試料採取は研究1に記載されているものと同じである。
【0105】
研究3について、9つの群を含む:(1)偽操作群、処理なし、n=4;(2)PBS対照、tiw、n=6;(3)30mg/kgにてラットIgG1、biw、n=10;(4)30mg/kgにて抗体III、biw、n=10;(5)10mg/kgにて抗体III、tiw、n=10;(6)10mg/kgにて抗体III、qw、n=10;(7)3mg/kgにて抗体III、tiw、n=10;(8)3mg/kgにて抗体III、qw、n=10;および(9)1mg/kgにて抗体III、qw、n=10。化合物は0.2mL/マウスの体積で6週間、皮下注射(sc)する。スポット尿および体重をベースライン(処理前)にまとめ、2、4および6週に投与する。テールカフ法を使用して最大血圧を投与の6週に収集する。エンドポイント試料採取は研究1に記載されているもと同じである。
【0106】
研究1、2および3は、抗体III(3および10mg/kg)および抗体IV(1、3および10mg/kg)が、残存腎臓マウスにおいて、尿アルブミン/クレアチニン(ACR)によって測定して、対応する時点で対照と比較してアルブミン尿を有意に減少させることを実証する(表7〜9)。10mg/kg、30mg/kg、および3mg/kg(tiw)の抗体IIIおよび抗体IVを投与した群はまた、残存腎臓マウスにおいて、腎糸球体線維症、間質性線維症、およびマッソンスコアによって測定して、腎臓病理学的スコアを改善する(表10〜11)。
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】
【表10】
【0110】
【表11】
【0111】
【表12】
【0112】
実施例7:抗体IIIは、糖尿病db/dbおよび一側性腎摘出したdb/dbマウスにおいてアルブミン尿を減少させ、腎臓組織学的病変を改善する
両方ともCKDの指標である、アルブミン尿および腎臓組織学的病変を改善するVEGFR1抗体の可能性は、インビボで、糖尿病db/dbおよび一側性腎摘出したdb/dbマウスにおいて測定できる。db/dbマウスは、アルブミン尿およびヒト糖尿病性ネフロパシーに似ている腎臓組織学的病変を発生する2型糖尿病マウスモデルを表す(Sharmaら (2003) Am J Physiol Renal Physiol 284: F1138)。一側性腎摘出したdb/dbマウスは、一側性腎摘出していないdb/dbマウスより多くのアルブミン尿およびいくつかの腎臓構造病変を発生する(Ninichukら (2007) Eur J Med Res 12:351)。
【0113】
採尿および尿アルブミンおよびクレアチニン測定に関して、スポット尿は、96ウェルCorning #3359ポリプロピレンマイクロタイタープレートに単一動物を配置することによって採取できる。プレキシガラス収容チャンバはマウスおよびプレートに固定できる。尿はマイクロピペットを使用して氷上の1.5mLエッペンドルフチューブに移すことができ、10,000rpmにて5分間、遠心分離できる。尿アルブミンは、国内で有効とされたアッセイを使用して測定でき、尿クレアチニンは酵素法を使用して測定できる。
【0114】
腎臓病理学に関して、腎臓は、研究の終わりに採取でき、ホルマリンで固定でき、標準的な方法に従ってパラフィン切片化のために処理できる。腎臓の切片は病理学者により腎臓障害について評価できる。メサンギウム基質、糸球体線維症、および間質性線維症は、以下のスケール:なし(0)、最小(1)、わずか(2)、中度(3)、著しい(4)および重度(5)を使用して半定量的にスコア付けできる。糸球体メサンギウム基質増殖および基底膜厚化はH&EおよびPAS染色切片を使用してスコア付けできる。腎臓のマッソンの三重染色切片は線維症(間質および糸球体)の程度を求めるために評価できる。
【0115】
データは平均+/−SEとして示すことができる。GraphPad PrismまたはJMPは、ANOVA解析、その後のダネット多重比較試験のために使用され得る。0.05未満のP値は統計的に有意とみなすことができる。
【0116】
本質的にこの実施例7に記載されるように実施される実験において、2つの研究を実施する。研究4において、オスdb/dbのオスのマウス(BKS.Cg−+Lepr
db/+Lepr
db/OlaHsd)は、Harlan Laboratories(Indianapolis、IN)から購入し、7週齢にランダム化して、6週の間、1週に3回(tiw)、PBS、10mg/kgにて対照ラットIgG1、10mg/kgにて抗体II、および3mg/kgにて抗体IIIをそれぞれ与える。8匹のPBS群を除いて各群におけるマウスの数は10匹である。アルブミン/クレアチニン(ACR)は処理の4および6週に採取したスポット尿において決定される。血液パラメータおよび腎臓組織構造は6週の研究の終わりに試験する。
【0117】
研究5において、IACUCおよびそれらの機関のガイドラインに従って、一側性腎摘出術を4週齢のdb/dbマウス(BKS.Cg−+Lepr db/+Lepr db/OlaHsd)において行う。マウスを約8〜9週齢にランダム化する。7つの群をこの研究において含む:(1)PBS対照、n=6;(2)30mg/kgにてラットIgG1、biw、n=10;(3)30mg/kgにて抗体III、biw、n=10;(4)10mg/kgにて抗体III、tiw、n=10;(5)10mg/kgにて抗体III、qw、n=10;(6)3mg/kgにて抗体III、qw、n=10;および(7)1mg/kgにて抗体III、qw、n=10。6週間、動物に0.2mL/注射を皮下(sc)投与する。血糖、体重、スポット尿ACRは、表13および15に示したように定期的に試験する。血中クレアチニン、BUN、および腎臓組織構造は6週の研究の終わりに試験する。
【0118】
研究4および5において、抗体IIIは、db/dbマウスにおいて10mg/kg、tiw、および3mg/kg、tiwの両方の用量について、および一側性腎摘出したdb/dbマウスにおいて全ての試験した用量(30mg/kg、tiw;10mg/kg、tiw;10mg/kg、qw;3mg/kg、tiw;3mg/kg、qw、および1mg/kg、qw)について、対照抗体と比較して尿アルブミン/クレアチニン(ACR)を有意に減少させる(表12〜13)。抗体IIIはまた、メサンギウム基質スコアによって測定して、一側性腎摘出したdb/dbマウスにおいて腎臓組織病理学的構造スコアを改善し、血中尿素窒素(BUN)を減少させる(表14および15)。
【0119】
【表13】
【0120】
【表14】
【0121】
【表15】
【0122】
【表16】
【0123】
実施例8:抗体IVは、糖尿病db/db−eNOS糖尿病マウスにおいてアルブミン尿を減少させ、血清クレアチニン増加を防ぎ、死亡率を減少させる
両方ともCKDの指標である、アルブミン尿および腎機能を改善するVEGFR1抗体の可能性は、糖尿病db/db−eNOS欠損マウスにおいてインビボで測定できる。db/db−eNOSノックアウトマウスは、より進行した段階のヒト糖尿病性ネフロパシーに似ている糖尿病性腎損傷モデルを表す。マウスは、高血糖、アルブミン尿、細動脈ヒアリン変性、GMB厚化、メサンギウム増殖、メサンギウム融解、巣状分節状および早期結節性糸球体硬化症、ならびに糸球体濾過率(GFR)の減少を発生する(Zhaoら (2006) J Am Soc Nephrol 17:2664)。処置なしでは、マウスは16〜20週齢後に高い死亡率を示す。
【0124】
採尿および尿アルブミンおよびクレアチニン測定に関して、スポット尿は、96ウェルCorning#3359ポリプロピレンマイクロタイタープレートに単一動物を配置することによって採取できる。プレキシガラス収容チャンバはマウスおよびプレートに固定できる。尿はマイクロピペットを使用して氷上の1.5mLエッペンドルフチューブに移すことができ、10,000rpmにて5分間、遠心分離できる。尿アルブミンは、国内で有効とされたアッセイを使用して測定でき、尿クレアチニンは酵素法を使用して測定できる。
【0125】
本質的にこの実施例8に記載されるように実施される実験において、抗体IVの有効性を試験する2つの研究を糖尿病db/db−eNOSノックアウトマウスにおいて行う(研究6および研究7)。
【0126】
研究6について、8〜22週齢のdb/db−eNOSノックアウトマウス(BKS.Cg−Lepr<db>−Nos3<tm1Unc/Rhrs>)を2つの群にランダム化する:10mg/kgのマウスIgG1を受けた6匹のオスおよび5匹のメスのマウスからなる対照群ならびに10mg/kgの抗体IVを受けた6匹のオスおよび4匹のメスのマウスからなる処置群。抗体は、12週の間、0.2mL/注射の体積にて、1週に3回(tiw)、皮下(sc)投与する。血清クレアチニンを研究の終わりに測定する。
【0127】
研究7について、db/db−eNOSノックアウトマウスを、3つの群にランダム化し、PBS、10mg/kgにて対照マウスIgG1、および10mg/kgにて抗体IVのそれぞれを与える。PBS群は5匹のオスおよび6匹のメスを含む11匹のマウスからなる。対照IgG1群は、6匹のオスおよび5匹のメスのマウスを含む11匹のマウスからなる。抗体IVの群は、処置の開始時に7匹のオスおよび5匹のメスのマウスからなる。抗体IVおよび対照試薬は、12週の間、1週に3回(tiw)、sc投与する。スポット尿ACRレベルは、ベースラインおよび2、4、6、6、10および12週の処置で測定する。血清クレアチニンは、ベースライン、ならびに6週および12週の処置で試験する。
【0128】
抗体IVは、db/db−eNOSノックアウトマウスにおいて、対応する時点で対照と比較して尿アルブミン/クレアチニン(ACR)によって測定して、アルブミン尿を有意に減少させる(表16)。抗体IVはまた、糖尿病db/db−eNOSノックアウトマウスにおける血清クレアチニン増加の阻止によって測定して、腎機能を改善する(表16)。この研究のエンドポイントまで生存したマウスの中で、対照群(PBS+IgG1、n=13)における69%は、抗体IV群において10%に対して、50%より多く血清クレアチニンを増加した(n=10;カイ二乗検定においてP=0.016)。さらに、対照群におけるマウスの30%は血清クレアチニンが二倍になったのに対して、抗体IV群におけるマウスはならなかった。抗体IV処置はdb/db−eNOSノックアウトマウスにおいて死亡率を減少させる(表17)。
【0129】
【表17】
【0130】
【表18】
【0131】
実施例9:サルおよびマウスにおける血液PlGFレベルに対する抗体IIおよびIIIの効果
インビボで血液PlGFレベルに影響を及ぼすVEGFR1抗体の能力はサルおよびマウスにおいて測定できる。サル血漿におけるPlGFの測定のために、PlGF ELISAアッセイ(R&D Systems #DPG00)が使用できる。マウス血液におけるPlGFの測定のために、PlGF ELISAアッセイ(R&D Systems、Quantikine Mouse PlGF−2免疫アッセイ;カタログ番号MP200)が使用できる。血清および血漿試料はアッセイ前に標準物質希釈剤(R&D Systems #RD5−17)中で2〜20倍に希釈できる。標準曲線は、マウスPlGFについて23.4〜1500pg/ml、およびサルPlGFについて15.6〜1000pg/mlの範囲であり得る。データは平均+/−として示すことができ;GraphPad Prism 4をデータ解析のために使用できる。
【0132】
カニクイザルの研究において、抗体IIに対する血液PlGFのインビボ反応は、2.5〜4.5歳のサルの4つの群(各群は4匹のオスおよび4匹のメスのサルからなる)から回収した血漿を使用して測定できる。サルに、13週の間、1週間に1回(qw)、0、3、20または65mg/kgの用量で抗体IIを与えることができる。血液試料は研究の終わりに採取できる。
【0133】
マウスの研究において、抗体IIIに対する血液PlGFのインビボ反応は、残存マウスまたは一側性腎摘出したdb/dbマウスから回収した血液を使用して測定できる。残存腎臓マウス研究において、抗体IIIは、8週の間、1週間に3回(tiw)、10mg/kgおよび3mg/kgで投与できる。一側性腎摘出したdb/db研究において、抗体IIIは、6週の間、30mg/kg biw、10mg/kg tiw、10mg/kg qw、3mg/kg qw、および1mg/kg qwにて投与できる。血漿試料は研究の終わりに採取できる。
【0134】
本質的にこの実施例9に記載されるように実施される実験において、抗体IIは、13週の間、1週に1回、3、20および65mg/kgの用量にて、カニクイザルにおける血漿PlGFレベルを有意に向上させる(表18)。抗体IIIは、残存腎臓および一側性腎摘出したマウスの両方において血液PlGFを用量依存的に増加させる(表19)。
【0135】
【表19】
【0136】
【表20】
【0137】
実施例10:マウスおよびサル腎臓における腎臓VEGFR2リン酸化
腎臓VEGFR2リン酸化に影響を及ぼすVEGFR1抗体の能力はサルおよびマウスの腎臓において測定できる。
【0138】
サル腎臓は、2.5〜4.5歳の4つの群のサル(各群は4匹のオスおよび4匹のメスのサルからなる)を、13週の間、1週に1回(qw)、0、3、20および65mg/kgのそれぞれの用量にて抗体IIにより処置できる、カニクイザルの研究から採取できる。用量0の群のサルにビヒクル(PBS、pH7.4)注射を与えることができる。腎臓試料は研究の終わりに採取し、凍結できる。
【0139】
サル腎臓ホモジネートは、約150μgのサル腎臓組織を、氷上の2mlのQIAGENチューブに入れることができるQIAGEN TissueLyserを使用して調製でき、次いで500μLの試料緩衝液(MSDホスホ−VEGFR2カタログ番号K151DJD−1)を加える。チューブは、60秒間、6.5の速度で、ステンレス鋼ビーズ(5mm、QIAGEN#69989)を有するQIAGEN TissueLyserで振盪できる。チューブは、5分間、氷上でインキュベートでき、続いて4℃にて30分間、チューブを回転できる。次いでチューブは、10分間、4℃および8,000rpmにて遠心分離できる。上清は新鮮なエッペンドルフチューブに取り除くことができる。1:100希釈したホモジネート中のタンパク質濃度はBCAアッセイ(Pierce BCAタンパク質アッセイキットカタログ番号23227)を使用して決定できる。試料は−80℃で保存できる。
【0140】
リン酸化VEGFR2レベルは、ホスホ−VEGFR−2(Tyr1054)アッセイ全細胞溶解キット(MSD#K151DJD−1)を使用して決定できる。400gの全タンパク質を含有するサル腎臓ホモジネートを各ウェルに充填できる。
【0141】
マウス腎臓は、実施例6に記載される残存腎臓研究、実施例7に記載される一側性腎摘出したdb/dbマウス研究、または正常な129マウスから採取できる。129マウスの研究において、Taconic Farmからのオスの129S6/SvEvTacマウスは、約10週齢で2つの群にランダム化でき、抗体IIIまたは対照ラットIgG1抗体のいずれかを与える。抗体IIIおよび対照IgG1抗体の両方は、16週の間、1週に3回(tiw)、sc、10mg/kgにて投与できる。腎臓は16週の研究の終わりに採取できる。
【0142】
マウス腎臓ホモジネートは、約50μgのマウス腎臓を300μLの試料緩衝液(MSDマウスホスホ−KDR(Tyr1175)を加えることによって調製できる。チューブは氷上に置くことができ、40秒間、6.5の速度にてFastPrepで振盪できる。氷上でのインキュベーションの5分後、組織はFastPrepを使用して破壊できる。チューブは、4℃にて30分間、回転でき、続いて10分間、4℃および8,000rpmにて遠心分離できる。上清は新鮮なエッペンドルフチューブに取り除くことができる。1:100希釈したホモジネート中のタンパク質濃度は、BCA法(Pierce BACタンパク質アッセイキットカタログ番号23227)を使用して決定できる。試料は−80℃にて保存できる。
【0143】
リン酸化マウスVEGFR2は、マウスホスホ−KDR(Tyr1175)アッセイ全細胞溶解キット(MSDカスタム番号N45CA−1)を使用して決定できる。400μgの全タンパク質を含有するマウス腎臓ホモジネートを各ウェルに充填できる。ODはSECTOR Imagerを使用して読み取ることができる。
【0144】
本質的にこの実施例10に記載されるように実施される実験において、抗体IIは、13週の間、20mg/kg、qw用量を与えているカニクイザルにおいて腎臓VEGFR2リン酸化を増加させる(表20)。同様に、抗体IIIは、6週の抗体III処置を与えている残存腎臓マウスにおいて(表21)、6週の抗体III処置を与えている一側性腎摘出したdb/dbマウスにおいて(表22)、および16週の抗体III処置を与えている129マウスにおいて(表23)、腎臓VEGFR2リン酸化を増加させる。
【0145】
【表21】
【0146】
【表22】
【0147】
【表23】
【0148】
【表24】
【0149】
アミノ酸およびヌクレオチド配列
配列番号1 (hVEGFR1)
MVSYWDTGVLLCALLSCLLLTGSSSGSKLKDPELSLKGTQHIMQAGQTLHLQCRGEAAHKWSLPEMVSKESERLSITKSACGRNGKQFCSTLTLNTAQANHTGFYSCKYLAVPTSKKKETESAIYIFISDTGRPFVEMYSEIPEIIHMTEGRELVIPCRVTSPNITVTLKKFPLDTLIPDGKRIIWDSRKGFIISNATYKEIGLLTCEATVNGHLYKTNYLTHRQTNTIIDVQISTPRPVKLLRGHTLVLNCTATTPLNTRVQMTWSYPDEKNKRASVRRRIDQSNSHANIFYSVLTIDKMQNKDKGLYTCRVRSGPSFKSVNTSVHIYDKAFITVKHRKQQVLETVAGKRSYRLSMKVKAFPSPEVVWLKDGLPATEKSARYLTRGYSLIIKDVTEEDAGNYTILLSIKQSNVFKNLTATLIVNVKPQIYEKAVSSFPDPALYPLGSRQILTCTAYGIPQPTIKWFWHPCNHNHSEARCDFCSNNEESFILDADSNMGNRIESITQRMAIIEGKNKMASTLVVADSRISGIYICIASNKVGTVGRNISFYITDVPNGFHVNLEKMPTEGEDLKLSCTVNKFLYRDVTWILLRTVNNRTMHYSISKQKMAITKEHSITLNLTIMNVSLQDSGTYACRARNVYTGEEILQKKEITIRDQEAPYLLRNLSDHTVAISSSTTLDCHANGVPEPQITWFKNNHKIQQEPGIILGPGSSTLFIERVTEEDEGVYHCKATNQKGSVESSAYLTVQGTSDKSNLELITLTCTCVAAT LFWLLLTLFIRKMKRSSSEIKTDYLSIIMDPDEVPLDEQCERLPYDASKWEFARERLKLGKSLGRGAFGKVVQASAFGIKKSPTCRTVAVKMLKEGATASEYKALMTELKILTHIGHHLNVVNLLGACTKQGGPLMVIVEYCKYGNLSNYLKSKRDLFFLNKDAALHMEPKKEKMEPGLEQGKKPRLDSVTSSESFASSGFQEDKSLSDVEEEEDSDGFYKEPITMEDLISYSFQVARGMEFLSSRKCIHRDLAARNILLSENNVVKICDFGLARDIYKNPDYVRKGDTRLPLKWMAPESIFDKIYSTKSDVWSYGVLLWEIFSLGGSPYPGVQMDEDFCSRLREGMRMRAPEYSTPEIYQIMLDCWHRDPKERPRFAELVEKLGDLLQANVQQDGKDYIPINAILTGNSGFTYSTPAFSEDFFKESISAPKFNSGSSDDVRYVNAFKFMSLERIKTFEELLPNATSMFDDYQGDSSTLLASPMLKRFTWTDSKPKASLKIDLRVTSKSKESGLSDVSRPSFCHSSCGHVSEGKRRFTYDHAELERKIACCSPPPDYNSVVLYSTPPI
配列番号2 (HCDR1−抗体1および2)
GFAFSSYGMH
配列番号3 (HCDR2−抗体1および2)
VIWYDGSNKYYADSVRG
配列番号4 (HCDR3−抗体1および2)
DHYGSGVHHYFYYGLDV
配列番号5 (HCVR−抗体1および2)
QAQVVESGGGVVQSGRSLRLSCAASGFAFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSNKYYADSVRGRFTISRDNSENTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHYGSGVHHYFYYGLDVWGQGTTVTVSS
配列番号6 (HC−抗体1)
QAQVVESGGGVVQSGRSLRLSCAASGFAFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSNKYYADSVRGRFTISRDNSENTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHYGSGVHHYFYYGLDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号7 (HC−抗体2)
QAQVVESGGGVVQSGRSLRLSCAASGFAFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSNKYYADSVRGRFTISRDNSENTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHYGSGVHHYFYYGLDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
配列番号8 (LCDR1−抗体1および2)
RASQSVSSSYLA
配列番号9 (LCDR2−抗体1および2)
GASSRAT
配列番号10 (LCDR3−抗体1および2)
QQYGSSPLT
配列番号11 (LCVR−抗体1および2)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPLTFGGGTKVEIK
配列番号12 (LC−抗体1および2)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号13 (HC DNA−抗体1)
CAGGCGCAGGTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGTCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCGTCTGGATTCGCCTTCAGTAGCTACGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATATGGTATGATGGAAGTAATAAATACTATGCAGACTCCGTGAGGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCGAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTATATTACTGTGCGAGAGATCACTATGGTTCGGGGGTGCACCACTATTTCTACTACGGTCTGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCCCCGGGTAAA
配列番号14 (HC DNA−抗体2)
CAGGCGCAGGTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGTCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCGTCTGGATTCGCCTTCAGTAGCTACGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATATGGTATGATGGAAGTAATAAATACTATGCAGACTCCGTGAGGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCGAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTATATTACTGTGCGAGAGATCACTATGGTTCGGGGGTGCACCACTATTTCTACTACGGTCTGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGT
配列番号15 (LC DNA−抗体1および2)
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGGCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTAGCAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAGCAGGGCCACTGGCATCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGCAGTGTATTACTGTCAGCAGTATGGTAGCTCACCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
配列番号16 (HC−抗体3)
QVQLKESGPGLVRPSETLSLTCTVSGFSLSDYSLSWVRRPSGKGPEWLGRLWFDGDTTYNSAFKSRLTISRDTSKDQVFLKMNSLQTDDTGTYYCTRDDRDFDYWGQGVMVTVSSAETTAPSVYPLAPGTALKSNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGALSSGVHTFPAVLQSGLYTLTSSVTVPSSTWPSQTVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRNCGGDCKPCICTGSEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVDISQDDPEVHFSWFVDDVEVHTAQTRPPEEQFNSTFRSVSELPILHQDWLNGRTFRCKVTSAAFPSPIEKTISKPEGRTQVPHVYTMSPTKEEMTQNEVSITCMVKGFYPPDIYVEWQMNGQPQENYKNTPPTMDTDGSYFLYSKLNVKKEKWQQGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPGK
配列番号17 (LC−抗体3)
DIVMTQTPVSMSVSLGGQVSISCRSSQSLVNNNGNTYLSWYIQKPSQSPQLLIYKVSNRVSGISDRFSGSGSGTDFTLKINKIEPDDLGVYYCGQNTQYPLTFGSGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSTEQLATGGASVVCLMNNFYPRDISVKWKIDGTERRDGVLDSVTDQDSKDSTYSMSSTLSLTKADYESHNLYTCEVVHKTSSSPVVKSFNRNEC
配列番号18 (HC−抗体4)
QVQLKESGPGLVRPSETLSLTCTVSGFSLSDYSLSWVRRPSGKGPEWLGRLWFDGDTTYNSAFKSRLTISRDTSKDQVFLKMNSLQTDDTGTYYCTRDDRDFDYWGQGVMVTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSTWPSETVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRDCGCKPCICTVPEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVDISKDDPEVQFSWFVDDVEVHTAQTQPREEQFNSTFRSVSELPIMHQDWLNGKEFKCRVNSAAFPAPIEKTISKTKGRPKAPQVYTIPPPKEQMAKDKVSLTCMITDFFPEDITVEWQWNGQPAENYKNTQPIMDTDGSYFVYSKLNVQKSNWEAGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPG
配列番号19 (LC−抗体4)
DIVMTQTPVSMSVSLGGQVSISCRSSQSLVNNNGNTYLSWYIQKPSQSPQLLIYKVSNRVSGISDRFSGSGSGTDFTLKINKIEPDDLGVYYCGQNTQYPLTFGSGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
本発明の実施態様の例として以下を挙げる。
[1]
有効量のVEGFR1抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者における慢性腎疾患を治療する方法であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、方法。
[2]
前記慢性腎疾患が糖尿病によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
[3]
前記患者が慢性腎疾患のステージ3またはステージ4である、請求項1または2に記載の方法。
[4]
前記慢性腎疾患が糖尿病性ネフロパシーまたは巣状分節性糸球体硬化症である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[5]
有効量のVEGFR1抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者におけるタンパク尿を減少させる方法であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、方法。
[6]
前記タンパク尿が糖尿病性ネフロパシーによって引き起こされる、請求項5に記載の方法。
[7]
有効量のVEGFR1抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者におけるアルブミン尿を減少させる方法であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、方法。
[8]
前記アルブミン尿が糖尿病性ネフロパシーによって引き起こされる、請求項7に記載の方法。
[9]
有効量のVEGFR1抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者における血清クレアチニンの増加によって反映される糸球体濾過率の損失を減少させる方法であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、方法。
[10]
有効量のVEGFR1抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者における腎臓組織病理学的損傷を予防する方法であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、方法。
[11]
前記VEGFR1抗体が、表面プラズモン共鳴によって測定して、80pM未満のVEGFR1に対するKDを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
[12]
前記VEGFR1抗体が、インビトロで、2.0nM未満のIC50でVEGFR1に対するVEGF−A結合を中和する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
[13]
前記VEGFR1抗体が、インビトロで、2.0nM未満のIC50でVEGFR1に対するPlGF結合を中和する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
[14]
前記VEGFR1抗体が、配列番号11のポリペプチドであるLCVRおよび配列番号5のポリペプチドであるHCVRを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
[15]
前記VEGFR1抗体が軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含み、前記LCが配列番号12のポリペプチドであり、前記HCが配列番号6のポリペプチドである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
[16]
前記VEGFR1抗体が軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含み、前記LCが配列番号12のポリペプチドであり、前記HCが配列番号7のポリペプチドである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
[17]
前記VEGFR1抗体が2本の軽鎖および2本の重鎖を含み、各々の軽鎖が配列番号12のポリペプチドであり、各々の重鎖が配列番号6のポリペプチドである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
[18]
前記VEGFR1抗体が2本の軽鎖および2本の重鎖を含み、各々の軽鎖が配列番号12のポリペプチドであり、各々の重鎖が配列番号7のポリペプチドである、請求項1〜14または16のいずれか一項に記載の方法。
[19]
慢性腎疾患の治療に使用するためのVEGFR1抗体であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、VEGFR1抗体。
[20]
前記慢性腎疾患が糖尿病によって引き起こされる、請求項19に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[21]
前記慢性腎疾患がステージ3またはステージ4である、請求項19または20に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[22]
前記慢性腎疾患が糖尿病性ネフロパシーまたは巣状分節性糸球体硬化症である、請求項19または21のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[23]
タンパク尿を減少させるのに使用するためのVEGFR1抗体であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、VEGFR1抗体。
[24]
前記タンパク尿が糖尿病性ネフロパシーによって引き起こされる、請求項23に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[25]
アルブミン尿を減少させるのに使用するためのVEGFR1抗体であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、VEGFR1抗体。
[26]
前記アルブミン尿が糖尿病性ネフロパシーによって引き起こされる、請求項25に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[27]
血清クレアチニンの増加によって反映される糸球体濾過率の損失を減少させるのに使用するためのVEGFR1抗体であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、VEGFR1抗体。
[28]
腎臓組織病理学的損傷を予防するのに使用するためのVEGFR1抗体であって、前記VEGFR1抗体は軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含む抗体であり、前記LCVRは、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRは、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCDR1はRASQSVSSSYLA(配列番号8)のポリペプチドであり、前記LCDR2はGASSRAT(配列番号9)のポリペプチドであり、前記LCDR3はQQYGSSPLT(配列番号10)のポリペプチドであり、前記HCDR1はGFAFSSYGMH(配列番号2)のポリペプチドであり、前記HCDR2はVIWYDGSNKYYADSVRG(配列番号3)のポリペプチドであり、前記HCDR3はDHYGSGVHHYFYYGLDV(配列番号4)のポリペプチドである、VEGFR1抗体。
[29]
前記VEGFR1抗体が、表面プラズモン共鳴によって測定して、80pM未満のVEGFR1に対するKDを有する、請求項19〜28のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[30]
前記VEGFR1抗体が、インビトロで、2.0nM未満のIC50でVEGFR1に対するVEGF−A結合を中和する、請求項19〜29のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[31]
前記VEGFR1抗体が、インビトロで、2.0nM未満のIC50でVEGFR1に対するPlGF結合を中和する、請求項19〜30のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[32]
前記VEGFR1抗体が、配列番号11のポリペプチドであるLCVRおよび配列番号5のポリペプチドであるHCVRを含む抗体である、請求項19〜31のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[33]
前記VEGFR1抗体が軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含む抗体であり、前記LCが配列番号12のポリペプチドであり、前記HCが配列番号6のポリペプチドである、請求項19〜32のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[34]
前記VEGFR1抗体が軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含む抗体であり、前記LCが配列番号12のポリペプチドであり、前記HCが配列番号7のポリペプチドである、請求項19〜32のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[35]
前記VEGFR1抗体が2本の軽鎖および2本の重鎖を含み、各々の軽鎖が配列番号12のポリペプチドであり、各々の重鎖が配列番号6のポリペプチドである、請求項19〜33のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。
[36]
前記VEGFR1抗体が2本の軽鎖および2本の重鎖を含み、各々の軽鎖が配列番号12のポリペプチドであり、各々の重鎖が配列番号7のポリペプチドである、請求項19〜32または34のいずれか一項に記載の使用するためのVEGFR1抗体。