(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電設備は、無人化、大型化する趨勢であるとともに、電力生産のためには大面積太陽光モジュールの設置が必須であることから、主に、屋根、建物の壁、駐車場の屋根のような、人の接近が難しい所が設置場所として選択されている。
【0003】
このため、太陽光発電設備は外部環境に長時間露出され、その分、飛散するホコリ、鳥類の分泌物、黄砂及びその他汚染物質によって集光量が減少してしまう。
【0004】
また、太陽光の集光による太陽光モジュールの温度上昇は、太陽光発電設備の出力低下現象をもたらす。
【0005】
最も広く使われているシリコンソーラーセル(Solar Cell)の場合、太陽光モジュールの温度が1℃上昇する度に0.4〜0.5%の出力減少が起こり、特に、夏期には太陽光モジュールの温度が70℃以上まで上昇するため、15〜20%まで出力が減少するという問題点があった。
【0006】
また、冬期には太陽光モジュールの表面に積もった雪が太陽光モジュールの発電出力を減少させる直接的な要因の一つとなる。
【0007】
このため、太陽光発電設備は、太陽光モジュールを冷まして温度を下げる冷却作用と、太陽光モジュールに積もっている汚れ、雪、雨などの洗浄又は除去を行うことによって、太陽光モジュールが一定の出力の発電を行えるように太陽光発電設備を維持管理する設備も備える必要がある。
【0008】
このような太陽光発電設備維持管理装置には、車のワイパーのように機械的な駆動力で太陽光モジュールを洗浄する方式、太陽光モジュールの上部に水ホースを連結して水を流すことによって太陽光モジュールを洗浄する方式、及び別途のノズルから強い水圧で水を噴射して太陽光モジュールを洗浄する水噴射方式がある。
【0009】
ワイパーを用いる方式は、太陽光発電設備の維持管理装置に適した別のワイパーを製作しなければならなく、また、太陽光モジュールが過熱した場合に熱を冷ます特別な方法を提供できないという短所がある。
【0010】
水ホースを通して水を流す方式は、汚れの除去や除雪には大きな効果がないという短所がある。
【0011】
このため、ノズルから水を噴射して太陽光モジュールを洗浄する水噴射方式が効率的であるが、この方式は、強い水圧で水を噴射しなければならず、水の消耗が多いという短所があり、家庭で使用するには水圧や水量に限界があった。
【0012】
また、冬に雪が多く降る地域では冬季の積雪によって雪が溶けずに太陽光モジュールの表面に積もるため、太陽光発電出力が減少し、また、冬期に周囲の低い気温によって排水ラインなどが凍破するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、別途のポンプを使用せずに一般家庭の水道圧だけでも太陽光モジュールの表面を効率的に洗浄及び冷却できる太陽光モジュール用洗浄装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、排水ラインを通して冷却水を自然排水することによって、冬季に排水ラインの凍結による破損を防止できる太陽光モジュール用洗浄装置及びこれに採用される分配アセンブリーを提供することにある。
【0016】
本発明が解決しようとする様々な課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない別の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記のような目的を達成するために、本発明は、太陽光モジュールに洗浄水を噴射する複数のノズル;前記複数のノズルの全て又は一部に洗浄水を同時に又は時間差をおいて供給する分配ユニット;前記分配ユニットと配管で連結され、前記分配ユニットに洗浄水を供給する洗浄水供給部;及び、前記洗浄水供給部及び前記分配ユニットと配管で連結され、前記洗浄水供給部から洗浄水を前記分配ユニットに供給する、又は内部、前記配管、及び前記分配ユニット内に残留する洗浄水を自然排出させる洗浄水給排部;を備え、前記複数のノズル、前記分配ユニット及び洗浄水給排部は、前記太陽光モジュールを基準に上下方向に順次配置されることを特徴とする太陽光モジュール用洗浄装置を提供することができる。
【0018】
ここで、前記分配ユニットは、前記複数のノズルと対応する個数の第1ソレノイド弁を内部に具備し、前記複数のノズルと前記第1ソレノイド弁のそれぞれとを配管で連結し、前記複数のノズルのそれぞれに洗浄水を供給する、又は前記残留する洗浄水を排出するための流路を形成する。
【0019】
このとき、前記洗浄水供給部は、前記洗浄水として水道水を供給する水道配管、又は前記洗浄水として工業用水を供給する工業用水配管を備えることができ、前記洗浄水供給部は、前記洗浄水として地下水を供給するために地下井戸と連結される地下水供給配管と、前記地下水供給配管と連結されて前記洗浄水給排部側に前記地下水をくみ上げるポンプを含むことができる。
【0020】
そして、前記洗浄水給排部は、前記分配ユニット及び前記洗浄水供給部と配管で連結されて形成される内部流路と、前記内部流路の上端部に設けられた第2ソレノイド弁と、前記内部流路の下端部に設けられた第3ソレノイド弁と、前記第2及び第3ソレノイド弁の開閉を制御するコントローラと、を備え、前記第3ソレノイド弁は、前記太陽光モジュールの洗浄及び冷却作業を完了した洗浄水が排出される排水ラインと連結されることを特徴とする。
【0021】
そして、前記洗浄水給排部は、前記分配ユニット及び前記洗浄水供給部と配管で連結されて形成される内部流路と、前記内部流路の上端部に設けられた第2ソレノイド弁と、前記内部流路の下端部に設けられた第3ソレノイド弁と、前記第2及び第3ソレノイド弁と共に、前記分配ユニットに内蔵された第1ソレノイド弁の開閉を制御するコントローラと、を備え、前記第3ソレノイド弁は、前記太陽光モジュールの洗浄及び冷却作業を完了した洗浄水が排出される排水ラインと連結されることを特徴とする。
【0022】
そして、前記太陽光モジュール用洗浄装置は、前記洗浄水給排部と前記分配ユニットとを連結する配管上に装着され、内部を通過する水にエアーを混入させて前記複数のノズル側に供給される前記洗浄水の噴射圧力を上げる二相流動(two phase flow)アセンブリーをさらに備えることを特徴とする。
【0023】
そして、前記ノズルは、前記分配ユニットと連結される配管と連通し、前記配管よりも小さくなる直径を有するノズル連結具と、前記ノズル連結具の一端部と結合されて前記ノズル連結具を前記配管に固定させるノズル固定具と、前記ノズル連結具の他端部と結合されて正・逆回転可能であり、一側に偏るように非対称的に貫通形成された排出切欠部を有する半球状の排出端部を有する排出具と、前記ノズル連結具の他端部の縁に結合されて前記排出具を内蔵し、表面に沿って複数の排出孔が一列に配置される半球状のノズルカバーと、を備えることを特徴とする。
【0024】
そして、前記分配ユニットは、前記第1ソレノイド弁が内蔵される内部空間を形成する本体と、前記本体に内蔵され、前記第1ソレノイド弁のそれぞれと連結される入出口ポートを有し、内部に前記複数のノズル及び前記二相流動アセンブリー側と相互連通する流路が形成された水分配具と、を備え、前記本体は、前記太陽光モジュールに着脱可能に結合されることを特徴とする。
【0025】
そして、前記コントローラは、前記第2及び第3ソレノイド弁を内蔵するコントローラ本体と、前記コントローラ本体の上端部に設けられて前記水道配管及び前記第2ソレノイド弁と連通する供給ポートと、前記コントローラ本体の下端部に設けられて、前記第2ソレノイド弁と連結される前記内部流路の下端部に設けられた前記第3ソレノイド弁と連通するドレンポートと、前記内部流路と連結され、前記コントローラ本体の上端部側に向かう給排水流路と、前記給排水流路の上端部と連結され、前記コントローラ本体の上端部に設けられて前記二相流動アセンブリー側と連通する給排水ポートと、前記第1,2,3ソレノイド弁と電気的に連結され、前記第1,2,3ソレノイド弁の稼動及び停止を制御するコントロールパネルと、を備えることを特徴とする。
【0026】
そして、前記二相流動アセンブリーは、上端部及び下端部に比べて中間部に向かって直径が小さくなる流動流路が形成された流動本体と、前記流動本体の外面から貫通されて前記流動流路と連通し、前記流動流路に流れる水にエアーが混入する流路を形成するエアー注入流路と、前記流動本体の上端部に設けられ、上下に貫通する複数の排出スリットが形成されたディフューザーと、を備えることを特徴とする。
【0027】
そして、前記ノズル連結具は、前記配管よりも小さい内径を有する円筒状の軸径部と、前記軸径部の端部外周面から延長されて前記排出具が着座する回転支持フランジと、前記回転支持フランジ上に突出形成され、前記軸径部よりも大きい内径を有し、前記排出具で囲まれる拡径部と、を備えることを特徴とする。
【0028】
そして、前記ノズルは、前記排出端部の縁から延長され、前記ノズル連結具に着座して回転する円筒状の回転胴部をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
そして、前記分配ユニットは、前記本体の一側に設けられ、回動可能であるリンク片と、前記リンク片の端部に回動可能に結合され、前記太陽光モジュールの縁をクランピングする少なくとも一つのクランプをさらに備えることを特徴とする。
【0030】
そして、前記分配ユニットは、前記クランプに着脱可能に結合されて前記太陽光モジュールの縁に接触固定されるモジュール固定用ボルトをさらに備えることを特徴とする。
【0031】
そして、前記本体は、向かい合う一対の第1面、及び前記一対の第1面を相互連結する第1連結面を有する第1ケーシング片と、向かい合う一対の第2面、及び前記一対の第2面を相互連結する第2連結面を有し、前記一対の第2面の縁と前記一対の第1面の縁とが着脱可能に結合されて前記内部空間を形成する第2ケーシング片と、前記第1ケーシング片及び前記第2ケーシング片が形成する開放された両側面を仕上げるものであって、前記開放された両側面の縁に沿って結合され、前記第1ソレノイド弁の外側ポートが露出される連結孔を有する側片と、を備え、前記第1連結面は、前記太陽光モジュールと対面し、前記第2連結面は、前記二相流動アセンブリーと対面し、前記水分配具の前記入出口ポートはそれぞれ、前記第1ソレノイド弁の内側ポートと連結されることを特徴とする。
【0032】
そして、前記本体は、前記一対の第1面及び前記第1連結面の両側縁に沿って形成されて前記側片の縁を収容する第1固定溝と、前記一対の第2面及び前記第2連結面の両側縁に沿って形成されて前記側片の縁を収容する第2固定溝と、をさらに備えることを特徴とする。
【0033】
そして、前記側片は、前記一対の第1面のうち一つの第1面、前記第1連結面の一部、前記一対の第2面のうち一つの第2面、及び前記第2連結面の一部に沿って外側縁が結合され、前記外側縁を除く残りの縁に沿って、前記第1ソレノイド弁の外側ポートの外周面の一部分に対応する第1切欠溝が形成された第1半片と、前記一対の第1面のうち残りの第1面、前記第1連結面の残りの部分、前記一対の第2面のうち残りの第2面、及び前記第2連結面の残りの部分に沿って外側縁が結合され、前記外側縁を除く残りの縁に沿って、前記第1ソレノイド弁の外側ポートの外周面の残りの部分に対応する第2切欠溝が形成された第2半片と、を備え、前記第1半片の残りの縁と前記第2半片の残りの縁とが接することによって前記第1切欠溝と前記第2切欠溝とが接して前記連結孔を形成することを特徴とする。
【0034】
一方、前記本体は、一定の面積を持つ第3面、前記第3面の両端縁から延長されて向かい合う第3連結面、及び前記第3面と前記第3連結面の両側縁を仕上げる第1側面を有する第3ケーシング片と、一定の面積を持つ第4面、前記第4面の両端縁から延長されて向かい合う第4連結面、及び前記第4面と前記第4連結面の両側縁を仕上げる第2側面を有し、前記第3ケーシング片と着脱可能に結合されて前記内部空間を形成する第4ケーシング片と、を備え、前記第3ケーシング片と前記第4ケーシング片との間に前記水分配具が配置され、前記第1側面の縁と前記第2側面の縁とが接して、前記第1ソレノイド弁の外側ポートが露出される連結孔を形成することを特徴とする。
【0035】
そして、前記本体は、前記第1側面の縁に沿って、前記第1ソレノイド弁の外側ポートの外周面の一部分に対応する形状に切欠された第3切欠溝と、前記第2側面の縁に沿って、前記第1ソレノイド弁の外側ポートの外周面の残りの部分に対応する形状に切欠された第4切欠溝と、をさらに備え、前記第3切欠溝と前記第4切欠溝とが接することによって前記連結孔を形成することを特徴とする。
【0036】
そして、前記本体は、前記水分配具と前記第1ソレノイド弁の内側ポートとを連結する締結ユニオン;及び、前記第1ソレノイド弁の外側ポートと該外側ポート及び前記ノズル間を連結する配管の端部との間に装着される防水ゴムリングをさらに備えることを特徴とする。
【0037】
また、前記太陽光モジュール用洗浄装置は、前記洗浄水供給部と前記内部流路を相互連結する配管上に装着されるフィルターをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る太陽光モジュール用洗浄装置は、次のような効果を得ることができる。
【0039】
まず、本発明は、別途のポンプを使用せず、家庭用水道配管、すなわち、洗浄水供給部から供給される直水の水圧を洗浄水給排部で操作し、二相流動アセンブリーを介して上昇させることができるので、一般家庭の水道配管から供給される水圧だけでも十分に太陽光モジュールを洗浄及び冷却することができる。
【0040】
ここで、本発明は、少ない量の冷却水でも効率的に洗浄及び冷却が可能なように、ノズル側に供給される水にエアーを混入させる二相流動(two phase flow)アセンブリーによって効率的な洗浄及び冷却効果を図ることができ、水の浪費を減らすことができる。
【0041】
特に、本発明は、前述したような家庭用水道配管から供給される水道水だけでなく、工業用水及び地下水なども洗浄及び冷却用の水として活用できるので、水のある環境であればどこでも使用可能であり、汎用性に優れている。
【0042】
したがって、本発明は、上水道配管、工業用水配管及び地下水配管のように、洗浄水供給部と洗浄水給排部との間を連結する配管上に種々のフィルターを装着することによって、工業用水の場合、工業用水に混在している各種の異物を濾過することができ、一般上水道の場合、活性炭フィルターを用いて水道水中の塩素を除去することができ、地下水の場合、カルシウム又はマグネシウムイオンなどのように水垢を発生させる成分を軟水フィルターで容易に除去できるため、洗浄水として使用する水の種類によって種々のフィルターを選択的に使用することができる。
【0043】
そして、本発明は、角度調節可能に噴射される複数のノズルによって、水道配管から供給される水圧が太陽光モジュールの全体面積にわたって均一に伝達されるようにし、優れた洗浄効果を図ることができる。
【0044】
特に、本発明は、ノズル、分配ユニット、二相流動アセンブリー及び洗浄水給排部を上下方向に順次に配置することによって、ノズルから噴射されてから残った水が重力方向に自然に排水されるようにし、冬期に排水ラインの凍破を防止することもできる。
【0045】
本発明の技術的思想における様々な実施例が具体的に言及していない様々な効果も提供できるということは明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳しく後述される実施例から明らかになるであろう。
【0048】
しかしながら、本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態として具体化されてもよい。
【0049】
むしろ、ここに取り上げられる実施例は、開示された内容が徹底且つ完全になり得るように、そして当業者に本発明の思想を十分に伝達し得るように提供されるものである。
【0050】
各図において、層及び領域の厚さは、明確性を期するために誇張して示されている。
【0051】
上端・下端、上面・下面、又は上部・下部などの用語は、構成要素において相対的な位置を区別するために使われる。
【0052】
例えば、便宜上、図面上の上の方を上部、図面上の下の方を下部と命名する場合、実際には、本発明の権利範囲から逸脱しない範囲で、上部を下部、下部を上部と命名してもよい。
【0053】
本出願で使われた用語は、単に特定の実施例を説明するために使用したものであり、本発明を限定する意図で使用したものではない。
【0054】
単数の表現は、文脈上明示されない限り、複数の表現をも含む。
【0055】
本出願で、“含む”、“備える”又は“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はそれらを組み合わせた物が存在することを表すためのものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はそれらを組み合わせた物の存在又は付加可能性をあらかじめ排除するためのものではないと理解しなければならない。
【0056】
特別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めて、ここで使われる用語はいずれも、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0057】
一般に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術における文脈上の意味と一致する意味があるものと解釈しなければならず、本出願で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈してはならない。
【0058】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る太陽光モジュール用洗浄装置の好適な実施例について一層詳しく説明する。
【0059】
図1は、本発明の一実施例に係る太陽光モジュール用洗浄装置の全体的な構造を示す概念図である。
【0060】
本発明は、図示のように、洗浄水供給部60から供給される洗浄水が、洗浄水給排部C及び分配ユニット30を経て複数のノズル20,20,20,20から太陽光モジュール10に均一の圧力で噴射されながら洗浄及び冷却される構造になっている。
【0061】
複数のノズル20,20,20,20は、太陽光モジュール10に洗浄水を噴射し、分配ユニット30は、複数のノズル20,20,20,20の全て又は一部に洗浄水を同時に又は時間差をおいて供給する。
【0062】
洗浄水供給部60は、分配ユニット30と配管で連結され、分配ユニット30に洗浄水を供給するものであり、本発明では水道配管61が示されているが、必ずしも一般上水道の水道水が供給される水道配管61に限定されず、例えば、工業用水や地下水がそれぞれ供給される工業用水配管又は地下水配管にしてもよい。
【0063】
洗浄水給排部Cは、洗浄水供給部60及び分配ユニット30と配管で連結され、洗浄水供給部60から洗浄水を分配ユニット30に供給し、複数のノズル20,20,20,20から噴射されて太陽光モジュール10の洗浄及び冷却作業を完了した洗浄水、又は洗浄水給排部Cの内部と配管71,72及び分配ユニット30内に残留している洗浄水を自然排出させる。
【0064】
そのために、複数のノズル20,20,20,20、分配ユニット30及び洗浄水給排部Cを、太陽光モジュール10を基準に上下方向に順次配置することによって、洗浄及び冷却作業を完了し、残留している洗浄水を重力方向に自然に排出することができる。
【0065】
本発明は、上記のような実施例の適用が可能であり、次のような様々な実施例の適用も可能であることはいうまでもない。
【0066】
複数のノズル20,20,20,20は、前述したように、太陽光モジュール10に洗浄水を供給する役割を担うものであり、洗浄水の噴射角度が調節可能になっており、その構造及び作動メカニズムの詳細は後述する。
【0067】
分配ユニット30は、複数のノズル20,20,20,20に対応する個数の第1ソレノイド弁31を内部に具備し、複数のノズル20,20,20,20と第1ソレノイド弁31とをそれぞれ配管で連結し、複数のノズル20,20,20,20のそれぞれに洗浄水を供給し、使用済みの洗浄水を排出する流路を形成する。
【0068】
洗浄水供給部60は、洗浄水として水道水を供給する水道配管61を備えることもでき、別に図示してはいないが、洗浄水として工業用水を供給する工業用水配管を備えることもできる。
【0069】
また、洗浄水供給部60は、前述したように、洗浄水として水道水や工業用水を使用する場合には、一定の圧力で水道水や工業用水が後述の洗浄水給排部C側に供給されるため、ポンプを備える必要がないが、洗浄水として地下水を使用する場合にはポンプ(図示せず)を備えることもできる。
【0070】
すなわち、洗浄水供給部60は、洗浄水として地下水を供給するために、地下井戸(図示せず)と連結される地下水供給配管(図示せず)、及び地下水供給配管と連結されて洗浄水給排部C側に地下水をくみ上げるポンプを備えることができる。
【0071】
以下、本発明の一実施例に係る太陽光モジュール用洗浄装置の洗浄及び冷却作業と排水作業について説明する場合、洗浄水供給部60は、水道配管61を備える構造を取り上げて説明する。
【0072】
一方、洗浄水給排部Cは、分配ユニット30及び洗浄水供給部60と配管で連結されて内部流路41を形成し、内部流路41は水道配管61と連通し、内部流路41の上端部に第2ソレノイド弁42が設けられ、内部流路41の下端部に第3ソレノイド弁43が設けられ、第1、2、3ソレノイド弁31,42,43の開閉を制御するコントローラ40が備えられている。
【0073】
また、本発明は、洗浄水給排部Cの内部流路41、すなわち、内部流路41と連通している後述の給排水流路46と分配ユニット30とを連結する配管72上に、装着され、内部を通過する水にエアーを混入させて、複数のノズル20,20,20,20側に供給される洗浄水の噴射圧力を高めるための二相流動アセンブリー50をさらに備える実施例を適用することができる。
【0074】
ここで、ノズル20,20,20,20、分配ユニット30、二相流動アセンブリー50及びコントローラ40は、太陽光モジュール10側から上下方向に順次に配置されることにより、使用されてから配管71,72内に残留している水を重力方向に排水ライン73を通して自然に排出させることができる。
【0075】
本発明では別に図示していないが、太陽光モジュール10のフレームの縁部に固定させて角度調節しながら洗浄水を噴射し得るように、ノズル20のそれぞれにクランプ装置(図示せず)を別途に具備することもできる。
【0076】
ノズル20は、
図2及び
図3を参照すると、ノズル連結具21、ノズル固定具22、排出具23及びノズルカバー24を備える構造になっている。
【0077】
ノズル連結具21は、分配ユニット30と連結される配管71と連通し、配管よりも小さくなる直径を有する。ノズル固定具22は、ノズル連結具21の一端部と結合されてノズル連結具21を配管71に固定させる役割を担う。
【0078】
排出具23は、ノズル連結具21の他端部と結合されて正・逆回転可能であり、一側に偏るように非対称的に貫通形成された排出切欠部23sを有する半球状の排出端部23aを備えている。
【0079】
ノズルカバー24は、ノズル連結具21の他端部の縁部に結合されて排出具23を内蔵し、表面に沿って複数の排出孔24hが一列に配置される半球状の部材である。
【0080】
このため、ノズル20は、ノズル連結具21を通して供給される洗浄水が排出される時、
図3に示すように、排出端部23aの正・逆回転によって一側に偏るように非対称的に貫通形成された排出切欠部23sも共に回転するため、洗浄水の排出される方向がそれぞれ不規則的に形成され、これによって、排出切欠部23sを経て排出孔24hからそれぞれ異なる噴射角度で洗浄水を排出することができる。
【0081】
ここで、ノズル連結具21は、より詳しく説明すると、配管71より小さい内径を有する円筒状の軸径部21sの端部外周面から延長されて排出具が着座する回転支持フランジ21fと、回転支持フランジ21f上に突出して形成され、軸径部21sよりも大きい内径を有し、排出具で囲まれる拡径部21bとを具備している。
【0082】
ここで、ノズル20は、排出端部23aの周縁から延長され、ノズル連結具21に着座して回転する円筒状の回転胴部23bをさらに備え、回転胴部23bがノズル連結具21の回転支持フランジ21fによって円滑に回転するように支持されてもよい。
【0083】
したがって、使用者は、あらかじめ排出孔24hから洗浄水が噴射される角度を調節するために回転胴部23bを適切に正・逆回転して排出切欠部23sの位置を調節して洗浄水を噴射させることができる。
【0084】
勿論、排出切欠部23sが回転後に停止した位置を使用者が肉眼で識別できるように、ノズルカバー24は透明又は半透明の材質からなることが好ましい。
【0085】
一方、分配ユニット30は、前述したように、複数のノズル20,20,20,20側に洗浄水を供給する役割を担うものであり、
図4に示すように、本体30aと水分配具30bとを備える構造であることが把握できる。
【0086】
すなわち、分配ユニット30は、後述する二相流動アセンブリー50を通過しながら上昇した水圧で供給される洗浄水の水圧も均一にして分配させることができる。
【0087】
本体30aは、第1ソレノイド弁31が内蔵される内部空間を形成する。
【0088】
水分配具30bは本体30aに内蔵され、第1ソレノイド弁31のそれぞれと連結される入出口ポート30pを具備し、内部に複数のノズル20,20,20,20及び二相流動アセンブリー50側と相互連通する流路が形成される。
【0089】
すなわち、水分配具30bの内部流路は、後述する二相流動アセンブリー50を通過しながら上昇した水圧で供給される洗浄水の水圧も均一にして分配供給できるように相互対称的に形成される。
【0090】
ここで、本体30aは、太陽光モジュール10に着脱可能に結合するようにリンク片30kで連結されたクランプ30cを具備することが好ましい。
【0091】
リンク片30kは、本体30aの一側に回動可能に設けられ、クランプ30cはリンク片30kの端部に回動可能に結合されて太陽光モジュール10の縁をクランピングする少なくとも一つの部材であり、本体30aが太陽光モジュール10に着脱可能に結合されるようにする技術的手段といえる。
【0092】
ここで、分配ユニット30は、
図4の左上端に拡大して示すように、クランプ30cに着脱可能に結合されて太陽光モジュール10の縁に接触固定されるモジュール固定用ボルト30cbをさらに具備することが好ましい。
【0093】
モジュール固定用ボルト30cbは、クランプ30cにねじ結合方式で脱着可能に締結され、モジュール固定用ボルト30cbの端部がクランプ30cに接触した太陽光モジュール10の縁に接触することによって、クランプ30cのクランピング又はクランピング解除による太陽光モジュール10の縁の破損を防止し、きちんとした固定状態を保持させる技術的手段といえる。
【0094】
そして、本体30aは、別の道具無しでも組立と分解が容易となるように、第1及び第2ケーシング片32,33と側片34とを有する構造を適用することができる。
【0095】
すなわち、第1ケーシング片32は、向かい合う一対の第1面32a,32aと、一対の第1面32a,32aを相互連結する第1連結面32cと、を有する。
【0096】
第2ケーシング片33は、向かい合う一対の第2面33a,33aと、一対の第2面33a,33aを相互連結する第2連結面33cと、を有する。このため、一対の第2面33a,33aの縁と一対の第1面32a,32aの縁とが着脱可能に結合されて内部空間を形成する。
【0097】
側片34は、第1ケーシング片32と第2ケーシング片33が形成する開放された両側面を仕上げるものであり、開放された両側面の縁に沿って結合され、第1ソレノイド弁31の外側ポート31aが露出される連結孔34cを形成する。
【0098】
第1連結面32cは太陽光モジュール10と対面し、第2連結面33cは二相流動アセンブリー50と対面し、水分配具30bの入出口ポート30pはそれぞれ第1ソレノイド弁31の内側ポート31bと連結される。
【0099】
第1ケーシング片32には、一対の第1面32a,32aと第1連結面32cの両側縁に沿って形成されて側片34の縁を収容する第1固定溝35aが設けられている。
【0100】
そして、第2ケーシング片33にも、一対の第2面33a,33aと第2連結面33cの両側縁に沿って形成されて側片34の縁を収容する第2固定溝35bが設けられている。
【0101】
ここで、一対の第1面32a,32aのうち一つの第1面32aの縁から第1舌片32tが延長され、向かい合う一対の第2面33a,33aのうち一つの第2面33aの縁に固定される。
【0102】
このとき、一対の第2面33a,33aのうち残りの第2面33aの縁から第2舌片33tが延長され、向かい合う一対の第1面32a,32aのうち残りの第1面32aの縁に固定される。
【0103】
したがって、第1及び第2舌片32t,33tが第1及び2ケーシング片32,33を相互着脱可能に結合させる役割を担当し、特別に図示してはいないが、第1及び第2舌片32t,33tと対応する第1及び第2面32a,33aの縁には、第1及び第2舌片32t,33tと対応する形状に陥没した段差部を形成することができる。
【0104】
そして、本発明は、第1及び第2舌片32t,33tの端部には複数のホック片(図示せず)をさらに設けることによって、第1及び第2ケーシング片32,33が相互遠ざかる方向に単純に作用する力だけでは第1及び第2ケーシング片32,33が分解されないようにすることもできる。
【0105】
また、側片34は、組立と分解の便宜のために、第1半片34aと第2半片34bを有する構造の実施例を適用することもできる。
【0106】
すなわち、第1半片34aは、一対の第1面32a,32aのうち一つの第1面32a、第1連結面32cの一部、一対の第2面33a,33aのうち一つの第2面33a、及び第2連結面33cの一部に沿って外側縁が結合され、外側縁を除く残りの縁に沿って、第1ソレノイド弁31の外側ポート31aの外周面の一部分に対応する第1切欠溝34agが形成されている。
【0107】
第2半片34bは、一対の第1面32a,32aのうち残りの第1面32a、第1連結面32cの残りの部分、一対の第2面33a,33aのうち残りの第2面33a、及び第2連結面33cの残りの部分に沿って外側縁が結合され、外側縁を除く残りの縁に沿って、第1ソレノイド弁31の外側ポート31aの外周面の残りの部分に対応する第2切欠溝34bgが形成されている。
【0108】
このため、第1半片34aの残りの縁と第2半片34bの残りの縁とが接することによって第1切欠溝34agと第2切欠溝34bgも相接し、これで連結孔34cが形成される。
【0109】
ここで、第2半片34bの残りの縁に沿って結合舌片34btが突出形成され、特別に図示してはいないが、このような結合舌片34btに対応する形状に第1半片34aの残りの縁に沿って陥没した結合溝に結合舌片34btをはめ込むことによって強固な締結力を保持することができる。
【0110】
一方、本発明は、
図5に示すように、第3ケーシング片35と第4ケーシング片36とに二等分される本体30aの構造による実施例を適用することもできる。
【0111】
第3ケーシング片35は、一定の面積を持つ第3面35aと、第3面35aの両端縁から延長されて向かい合う第3連結面35cと、第3面35a及び第3連結面35cの両側縁を仕上げる第1側面35sと、を有する。
【0112】
第4ケーシング片36は、一定の面積を持つ第4面36aと、第4面36aの両端縁から延長されて向かい合う第4連結面36cと、第4面36a及び第4連結面36cの両側縁を仕上げる第2側面36sと、を有する。この第4ケーシング片36は第3ケーシング片35と相互着脱可能に結合されて内部空間を形成する。
【0113】
ここで、第1側面35sと第2側面36sの縁が接することによって、第1ソレノイド弁31の外側ポート31aが露出される連結孔34cを形成する。
【0114】
連結孔34cは、図示のように、第3切欠溝35bgと第4切欠溝36bgとが相接することによって形成される。
【0115】
第3切欠溝35bgは、第1側面35sの縁に沿って、第1ソレノイド弁31の外側ポート31aの外周面の一部分に対応する形状に切欠されている。
【0116】
第4切欠溝36bgは、第2側面36sの縁に沿って、第1ソレノイド弁31の外側ポート31aの外周面の残りの部分に対応する形状に切欠されている。
【0117】
したがって、第3ケーシング片35と第4ケーシング片36とが結合されて、第1ソレノイド弁31及び水分配具30bが内蔵される内部空間を形成することができる。
【0118】
ここで、本体30aは、水分配具30bと第1ソレノイド弁31の内側ポート31bとを相互連結する締結ユニオン30buをさらに備えることによって、水分配具30bと第1ソレノイド弁31との締結の便宜を図り、気密を維持することができる。
【0119】
このとき、本体30aは、第1ソレノイド弁31の外側ポート31aと、該外側ポート31a及びノズル20間を連結する配管71の端部との間に装着された防水ゴムリング31apをさらに備えることによって、外側ポート31aとノズル20間の防水及び気密を維持することができる。
【0120】
一方、洗浄水給排部Cを構成する一要素であるコントローラ40は、前述したように、第2及び第3ソレノイド弁42,43の開閉などを制御することはもとより、分配ユニット30の第1ソレノイド弁31の開閉も制御するものであり、
図6に示すように、コントローラ本体40b、供給ポート44、ドレンポート45、給排水流路46、給排水ポート47、及びコントロールパネル48を備えることができる。
【0121】
コントローラ本体40bは、第2及び第3ソレノイド弁42,43を内蔵するための空間を有するものであり、組立と分解の便宜を提供し、メンテナンスを容易にするために、相互着脱可能に結合されるように本体ベース40ba及び本体カバー40bbで構成されることが好ましい。
【0122】
供給ポート44は、コントローラ本体40bの上端部に設けられて、洗浄水供給部60の水道配管61と第2ソレノイド弁42とを連通させる。
【0123】
ドレンポート45は、コントローラ本体40bの下端部に設けられて、第2ソレノイド弁42と連結される内部流路41の下端部に設けられた第3ソレノイド弁43と連通し、排水ライン73とも連通する。
【0124】
給排水流路46は内部流路41と連結され、またコントローラ本体40bの上端部側に向かっている。
【0125】
給排水ポート47は、給排水流路46の上端部と連結され、コントローラ本体40bの上端部に設けられて二相流動アセンブリー50側と連通する。
【0126】
コントロールパネル48は、第1,2,3ソレノイド弁31,42,43と電気的に連結され、第1,2,3ソレノイド弁31,42,43の稼動及び停止を制御し、現在制御される第1,2,3ソレノイド弁31,42,43の作動及び開閉状態と共に、後述する二相流動アセンブリー50を通過する洗浄水の水圧上昇の程度を画面に出力することもできる。
【0127】
具体的に、コントロールパネル48は、回路基板48p上に画面出力用のディスプレイパネル48dを具備し、ディスプレイパネル48dは、本体カバー40bbとの間に装着されるカバープレート48cで保護される。
【0128】
ここで、コントロールパネル48と隣接して複数のコントロールボタン49が設けられ、装置全体のオン・オフ制御と第1,2,3ソレノイド弁31,42,43の開閉操作などを行うことができる。
【0129】
さらにいうと、コントロールボタン49は、回路基板48p上に複数配列されたボタンアレイ49bの押下動作によって、装置全体のオン・オフ制御と第1,2,3ソレノイド弁31,42,43の開閉操作などを含めた様々な操作を行うことができ、ボタンアレイ49b上にゴム、合成ゴム又は合成樹脂などのような材質のボタンカバー49cを具備して水分侵入を防止することができる。
【0130】
勿論、本発明は、特別に図示していないが、コントロールパネル48に代えて、遠隔制御可能にリモートコントローラを使用してもよく、携帯電話やPDAなどのような携帯用端末機の制御アプリケーションを用いて各種の制御動作を行ってもよい。
【0131】
一方、二相流動アセンブリー50は、前述したように、複数のノズル20,20,20,20側に供給される洗浄水の噴射圧力を高めるためのものであり、複数のノズル20,20,20,20の水使用量を減らすために、分配ユニット30側に供給される洗浄水にエアーを混合させる。
【0132】
通常、二相流動アセンブリー50は水道使用量を既存の装置に比べて30%以上節減することができる。
【0133】
二相流動アセンブリー50がコントローラ40、すなわち、洗浄水供給部60の水道配管61よりも上側に配置されているため、二相流動アセンブリー50の内部に注入されるエアーが水道配管61から分配ユニット30側に上昇しながら、供給される洗浄水を加速させることによって、複数のノズル20,20,20,20において別途の加圧装置無しで噴射圧力が上昇する効果を得ることができる。
【0134】
このように二相流動アセンブリー50を通過してノズル20,20,20,20のそれぞれから排出される洗浄水の噴射圧力が上昇することによって、ノズル20,20,20,20のそれぞれから洗浄水が噴射される距離が長くなるだけでなく、冷却及び洗浄効果も向上させることができる。
【0135】
このような二相流動アセンブリー50の構造について
図7を参照してより詳しく説明する。
【0136】
すなわち、二相流動アセンブリー50は、流動本体51、エアー注入流路52及びディフューザー53を有する構造となっている。
【0137】
流動本体51は、上端部及び下端部に比べて中間部に向かって直径が次第に小さくなる流動流路51fが形成されている。
【0138】
エアー注入流路52は、流動本体51の外面から貫通して流動流路51fと連通し、流動流路51fに流れる水にエアーを混入するための流路を形成している。
【0139】
ディフューザー53は流動本体51の上端部に設けられており、上下に貫通する複数の排出スリット53sを有する。
【0140】
ここで、流動本体51の上端部及び下端部には、流動流路51fと連通する上部連結スリーブ55ca及び下部連結スリーブ55cbがそれぞれ設けられており、上部及び下部連結スリーブ55ca,55cbは配管固定具55a,55bを介して分配ユニット30側とコントローラ40側とを配管72で連結する。
【0141】
一方、本発明の一実施例に係る太陽光モジュール用洗浄装置は、洗浄水供給部60の水道配管61と内部流路41、すなわち給排水流路46とを相互連結する配管72上に装着されるフィルター80(
図1参照)をさらに備える構造の実施例を適用することもできる。
【0142】
フィルター80は、図示のように、複数のノズル20,20,20,20を介して供給される洗浄水が一般上水道から供給される水道水である場合、活性炭フィルターを採択し、水道水に含まれている塩素を除去することができる。
【0143】
そして、フィルター80は、複数のノズル20,20,20,20を介して供給される洗浄水が工業用水である場合、工業用水に混在する各種の異物を濾過することができる。
【0144】
また、フィルター80は、複数のノズル20,20,20,20を通して供給される洗浄水が地下水である場合、カルシウム又はマグネシウムイオンなどのように水垢を発生させる成分を除去できるように軟水フィルターを採択することができる。
【0145】
したがって、本発明は、前述したように、太陽光モジュール10に噴射される洗浄水として家庭用の水道配管61から供給される水道水を使用できるだけでなく、工業用水及び地下水なども太陽光モジュール10の洗浄及び冷却用に活用することができ、よって、水のある環境であればどこでも使用することができ、洗浄水として使用される水の種類によって種々のフィルターを選択的に使用することもできる。
【0146】
上記のような本発明の一実施例に係る太陽光モジュール用洗浄装置を用いて洗浄及び冷却する作業を簡略に順次説明する。
【0147】
まず、使用者は、分配ユニット30と配管71,71,71,71にて連結された複数のノズル20,20,20,20を、クランプ装置を用いて太陽光モジュール10の縁に固定させ、分配ユニット30もクランプ30cを用いて太陽光モジュール10の縁に固定させる。
【0148】
このとき、使用者は、太陽光モジュール10の縁に固定された複数のノズル20,20,20,20から下方に向かって順次に分配ユニット30、二相流動アセンブリー50及びコントローラ40が配置されるようにする。
【0149】
次に、使用者は、各ノズル20,20,20,20の回転胴部23bを正・逆回転して適度な噴射角度にする。
【0150】
その後、使用者はコントロールパネル48を操作して、装置の電源をオン(ON)にし、第3ソレノイド弁43は閉状態にし、第1及び第2ソレノイド弁42は全て開状態にし、洗浄水供給部60の水道配管61から洗浄水がコントローラ40側に供給されるようにする。
【0151】
続いて、洗浄水はコントローラ40から二相流動アセンブリー50を通過しながら水圧の上昇した状態に加速されて複数のノズル20,20,20,20側に供給され、各ノズル20,20,20,20の排出孔24hから噴射される洗浄水によって太陽光モジュール10が洗浄及び冷却される。
【0152】
一方、上記のような本発明の一実施例に係る太陽光モジュール用洗浄装置を用いて洗浄及び冷却する作業を完了してから洗浄水を排出させる過程について簡略に説明する。
【0153】
まず、使用者は、洗浄水供給部60の水道配管61を閉じてそれ以上の洗浄水供給を遮断した後、コントロールパネル48を操作して第1及び第2ソレノイド弁42の開状態を維持しつつ、第3ソレノイド弁43を開状態にする。
【0154】
これによって、洗浄水を複数の配管71,72からコントローラ40を経て排水ライン73を通して重力方向に自然に排水させることができる。
【0155】
最後に、使用者はコントロールパネル48を操作して装置の電源をオフOFFにすればいい。
【0156】
以上の如く、本発明は、別途のポンプを使用せずにも、一般家庭の水道圧だけでも太陽光モジュールの表面を効率的に洗浄及び冷却することができ、且つ、排水ラインを通して冷却水を自然排水することによって、冬季に排水ラインの凍結による破損を防止できる太陽光モジュール用洗浄装置を提供することを基本的な技術的思想としている。
【0157】
そして、本発明の基本的な技術的思想の範ちゅう内で当業界における通常の知識を有する者にとっては他の様々な変形及び応用も可能であることはいうまでもない。