(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ホイール(10)のリム(20)の内周面に装着され、内部に形成された空間部(101)内に一定の間隔を置いて配列される複数の磁石(111、111’)を有する第1磁石体(110)を備える回転リング(100)と;
シャフト(30)に固定され、前記第1磁石体(110)の前記磁石と対応するように前記空間部(101)内に配列される複数のコイル(211、211’)を有するコイル体(210)を備える固定板(200)と;
前記ホイール(10)の回転力を減速することにより増加した推進力を与えるように前記空間部(101)に設けられる第1、2補助動力部(300,300’)と;
前記リム(20)の開放された両側に配設され、軸受を介して前記シャフト(30)に回転可能に装着され、前記第1、2補助動力部(300,300’)で発生した推進力を前記ホイールに伝達するホイールカバー(40)と;
を含むことを特徴とする複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイール。
前記回転リング(100)の前記第1磁石体(110)の前記磁石は、複数の行に一定の間隔を置いて配列され、いずれかの1つの側の前記ホイールカバー(40)に向かって水平に延設され、
前記固定板(200)は、一側に偏位するように前記シャフト上に設けられており、
前記固定板(200)の前記コイル体(210)は、前記固定板(200)の外縁部で前記第1磁石体(110)の前記磁石の間に収容される複数のコイルを有する外側コイル体(210a)と、前記外側コイル体(210a)から前記固定板(200)の中心に向かって離間して配置されるコイルを有する内側コイル体(210b)と、を備え、
前記第1、2補助動力部(300,300’)は、前記空間部(101)内の前記固定板(200)を中心とした両側に、それぞれ配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイール。
【背景技術】
【0002】
通常、電動機は電流が流れる導体が磁場の中で受ける力を用いて電気エネルギーを力学的エネルギーに変える装置であり、一般的にモーターと呼ぶ。モーターは電源の種類に応じて直流電動機と交流電動機に分類され、交流電動機は再び三相交流用と単相交流用に区分される。最近は3相交流用電動機が主に用いられる。
【0003】
電動機は1831年にファラデーが電磁誘導を発見した頃から作り始められた。初期の電動機は永久磁石の引力と斥力を用いて可動部を回転させずに揺動させる方式で作動される。1830年台には電機子と直流励起された電磁石を用いて今日のような形式の直流電動機が最初に作られたが、出力が小さく、研究段階に過ぎなかった。
【0004】
その後、フェラーリスとテスラが交流で作られる回転磁場を発見したことを契機に、これらは独自に2相交流電動機を発明した。1889年にドイツのドブロボルスキが出力100ワット(W)の3相交流電動機を最初に制作した以来、3相交流電動機は今日の交流電動機の主流をなしている。
【0005】
直流電動機と交流電動機の両方は同一の原理で動作する。電流が流れる導体を磁場の中に載置すると、磁場の方向に垂直な方向に電磁力(ローレンツ力)が発生する。電動機の内部に磁石を載置すると磁場が作られ、軸に連結された導線に電流が流れると電磁力が発生する。したがって、フレミングの左手の法則によって軸が回転しながら動力が発生する。導線に作用する電磁力は磁場の強さ、電流の強さ、および導体の長さに比例する。
【0006】
このような原理に基づいた最も一般的な電動機は、永久磁石または電磁石からなる固定子の内部に永久磁石または電磁石からなる回転子が設けられる、普遍的で、且つ基本的な構成を有する。特に、4つの接点を有する直流電動機の場合は、電磁石からなる回転子は接点を介して電力の供給を受け、電磁気による引力と斥力を通じて連続的な回転運動が発生する。
【0007】
一方、一般的に電動モーターは速度の増加によって推進力が低下するので、必要な推進力を得るために減速装置をさらに備えなければならない。しかし、減速装置を付加すると、速度が低下する。自動車の場合は300ボルト以上の電力を用いて、これらの問題を解決しているが、過度のバッテリー電力消費、車両の重量、及びコストの上昇により効率が大幅に低下する。
【0008】
一方、本出願人が出願して登録を受けた特許文献1及び2は高効率発電兼用円盤回転装置を開示し、特許文献3はこれを用いたホイールを開示する。これらの特許は特殊な環境を用いて既存の電動装置における問題点を解決した。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書および特許請求の範囲に使用した用語や単語は、通常的や辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者はその自身の発明を最善の方法として説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立ち、本発明の技術的な思想に符合する意味と概念として解釈しなければならない。
【0017】
したがって、本明細書に記載した実施形態と図面に示す構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想をすべて代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【0019】
図1は本発明に係る複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイールを示す斜視図であり、
図2は本発明の第1実施形態に係る複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイールの断面図であり、
図3は本発明の第2実施形態に係る複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイールの断面図である。
【0020】
図1〜
図3に示すように本発明に係る複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイール10は、回転リング100と、固定板200と、第1、2補助動力部300,300’と、ホイールカバー40と、から構成される。
【0021】
ここで、ホイール10は、通常、タイヤが中央貫通型リム20の外縁部に結合された構造を有するものであれば可能である。
【0022】
回転リング100は、リム20の内周面に装着されるもので、内部には空間部101が形成され、全体的には環状になっており、内周面には第1磁石体110が配置される。
【0023】
ここで、第1磁石体110はリング状になっており、第1磁石体110は一定の間隔を置いて配列された複数の磁石111を備える。
【0024】
固定板200は円盤形状になっており、空間部101の中央から電動力を有する装置(図示省略)のシャフト30に固定される。第1磁石体と対応するように構成されたコイル体210は第1磁石体110の磁石111、111’と対応するように配置される複数のコイル211、211’を有する。
【0025】
第1、2補助動力部300,300’は、固定板200の両側から空間部101に設けられてホイール10の推進力と回転力を向上させる役割をする。
【0026】
ホイールカバー40は、リム20の両側を覆った状態で、軸受を介してシャフトに回転可能に装着され、第1、2補助動力部300,300’の回転力をホイール10に伝達できるように構成される。
【0027】
一方、前述のような構成を有する本発明に係るホイール10は、その推進力と回転力の向上のために様々な形態で実現することができ、これについては実施形態を通じて説明する。
【0028】
図2を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0029】
まず、回転リング100の第1磁石体110の磁石は、一定の間隔を置いて複数の列に配列される。その配列方式としては、複数の磁石が回転リング100の内周面からその回転リング100の中心に向けて垂直に延設され、本発明の実施形態においては一定の間隔を置いて4列または3列に配列される。
【0030】
固定板200のコイル体210は、固定板200の円周方向に向けて配置される外側コイル体210aと、固定板200の中心に向かって配置される内側コイル体210bと、を備える。
【0031】
ここで、外側コイル体210aは、固定板200の外縁部に形成され、第1磁石体110の磁石の間に収容されるように円周方向に向いていると共に、3列に配列されるコイルを有する。
【0032】
即ち、前述したように第1磁石体110の磁石は、水平方向に外側コイル体210aのコイルと互いに交互に配列される。
【0033】
そして、内側コイル体210bのコイルは、外側コイル体210aの内側で固定板200の中心に向かって一定の間隔を置いて複数の列、例えば3列に配列され、外側コイル体210aのコイルと垂直方向において対称に延設される。
【0034】
また、固定板200を中心に両空間部101には水平方向において互いに対称な形態で、第1、2補助動力部300,300’が設けられる。
【0035】
この時、各第1、2補助動力部300,300’は次のように構成される。
【0036】
一方向軸受Bを介してシャフト30に回転可能に装着されるディスク310を有し、ディスク310は駆動歯車320と共にシャフト上で自由に回転するようになる。
【0037】
そして、ディスク310の外縁部には第2磁石体311が配置される。第2磁石体311は内側コイル体210bのコイル211’に収容されるように一定の間隔を置いて円周方向に2列に延設される磁石を有する。
【0038】
そして、駆動歯車320の一側にはクラッチ歯車330が配置される。クラッチ歯車330は、通常の一方向クラッチと同様に、一方向にのみ回転力を伝達する一方、一定の大きさの回転力下で駆動歯車320との接触状態が維持される。即ち、ディスク310に回転力が与えられると、一定の大きさの回転力が作用する場合、クラッチ歯車330は駆動歯車320と接触して回転され、それ以上の大きさの回転力が作用するか、逆回転する場合は、互いに分離されて空回りするように構成される。
【0039】
そして、ホイールカバー40の内周面には内接歯車41が形成され、クラッチ歯車330と内接歯車41は減速力を与える1つ以上の遊星歯車340によって互いに噛合されて連動するように構成される。
【0040】
次に、
図3を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
【0041】
まず、回転リング100の第1磁石体110の磁石は、一定の間隔を置いて複数の行に配列される。その配列方式としては、複数の磁石が回転リング100の内周面でどちらか1つの側のホイールカバー40に向けて水平方向に延設され、本発明の実施形態では一定の間隔を置いて3行に配列される。
【0042】
また、固定板200はホイール10の一側に偏位され、シャフト上に設けられる。
【0043】
固定板200のコイル体210は、固定板200の外縁部に形成される外側コイル体210aと、固定板200の中心に向かって配置される内側コイル体210bと、を備える。
【0044】
ここで、外側コイル体210aは、固定板200の外縁部に形成されるもので、第1磁石体110の磁石の間に収容されるように水平に延設され、3行の第1磁石体110の間にそれぞれ収容されるように2行に配列されるコイルを有する。
【0045】
即ち、前述のように第1磁石体110の磁石と外側コイル体210aのコイルは、互いに交互に配列される。
【0046】
そして、内側コイル体210bのコイルは、外側コイル体210aから固定板200の中心に向かってコイルから離隔される位置から1行に配列されて、水平方向に延長するように形成される。
【0047】
また、固定板200を中心に空間部101の両側には、第1、2補助動力部300,300’がそれぞれ配置される。
【0048】
この時、第1、2補助動力部300、300は次のように構成される。
【0049】
まず、固定板200の一側には円盤状のディスク310が形成される。この時、ディスク310には駆動歯車320が連結され、駆動歯車320は中央に1つのホイールカバー40側に延びる第1駆動歯車321と、第1駆動歯車321よりも大きな歯車比を有する第2駆動歯車322と、を備える。一方向軸受Bを介してシャフト30に回転可能に装着されるディスク310は駆動歯車320と共にシャフト上で自由に回転するようになる。
【0050】
第1補助動力部300のディスク310に連結される駆動歯車320は、中央に1つのホイールカバー40側に延びる第1駆動歯車321と、第1駆動歯車321よりも大きな歯車比を有する第2駆動歯車322を備える。
【0051】
そして、ディスク310の外縁部には固定板200の内側コイル体210bが収容されてコイル211、211’と対応するように配列された複数の磁石111、111’を有する第2磁石体311が配置される。第2磁石体311の磁石は内側コイル体210bのコイルが収容できるように一定の間隔を置いて一つのホイールカバー40を向けて3行に水平に延設される。
【0052】
この時、第1補助動力部300は次のようになっている。
【0053】
駆動歯車320の第1駆動歯車321と接触及び分離される第1クラッチ歯車331を有する。第1クラッチ歯車331は通常の一方向クラッチと同様に、一方向にのみ回転力を伝達する一方、一定の大きさの回転力下で第1駆動歯車321との接触状態が維持される。即ち、ディスク310に回転力が与えられると、一定の大きさの回転力が作用する場合、第1駆動歯車321と接触して回転し、それ以上の大きさの回転力が作用するか、逆回転する場合は、互いに分離されて空回りするように構成される。
【0054】
そして、ホイールカバー40の内周面には内接歯車41が形成され、第1クラッチ歯車331と内接歯車41は減速力を与える1つ以上の第1遊星歯車341によって互いに噛合されて連動するように構成される。
【0055】
第2補助動力部300’は次のようになっている。
【0056】
駆動歯車320の第2駆動歯車322には固定板200に軸設される1つ以上の第2遊星歯車342が噛合される。固定板200の他側にはそれぞれの第2遊星歯車342と同一軸線上で第3遊星歯車343が軸設される。
【0057】
そして、シャフト30には一方向に回転するように一方向軸受Bを介して第2クラッチ歯車332が装着されて状態で、他側のホイールカバー40に設けられる。
【0058】
なお、第2クラッチ歯車332上には第3遊星歯車343と噛合される連動歯車350が配置される。連動歯車350によって第2クラッチ歯車332から第3遊星歯車に回転力を伝達することができる。
【0059】
この時、第2クラッチ歯車332は、通常の一方向クラッチと同様に、一方向に回転力を有する一方、一定の大きさの回転力下で連動歯車350と接触状態に維持される。即ち、連動歯車350に回転力が与えられると、一定の大きさの回転力が作用する場合、連動歯車350と噛合して回転し、それ以上の大きさの回転力が作用するか、逆回転する場合は、互いに分離されて空回りするように構成される。
【0060】
以下、前述のような構成を有する本発明に係る複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイールの作用について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0061】
まず、本発明に係る複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイールにおいて、固定板200に設けられたコイル体210に直流電源を印加すると、コイル体210から誘導される電荷の符号と回転リング100の第1磁石体110とディスク310の第2磁石体311が有している極性による引力と斥力の作用により、回転リング100とディスク310はシャフト30を中心に自由に回転する。
【0062】
即ち、これらの作用は本発明の出願人が出願した先行特許である韓国特許公開第10−2010−0012178号に開示したように行われる。即ち、コイル体210に印加される直流電源の極性を繰り返し切り替えると、コイル体210には直流電源の極性によって誘導される電荷の符号が共に切り替えられ、第1、2の磁石体110,311による極性は電荷の符号と干渉して相互間の引力が発生するか、斥力が発生しながら自由に回転することが可能である。この状態で、回転リング100とディスク310を回転させる。
【0063】
この時、本発明においてはコイル体210のコイル211、211’及び第1、2の磁石体110,311の磁石111、111’を複数の列に構成することによって、コイル体210に配列されるコイル211、211’及び第1、2の磁石体110,311に配列される磁石111、111’の増加によって引力と斥力が増大し、回転リング100とディスク310の駆動力を向上させる。
【0064】
一方、本発明においては、前述のように実質的に雲回転力が与えられるホイール10に強い駆動力をさらに与える。これは、第1、2補助動力部300,300’によって実現可能である。
【0065】
まず、第1実施形態に係る第1、2補助動力部300,300’の動作関係を説明する。
【0066】
図2を参照すると、
図4に示すように最初に固定板200に設けられたコイル体210、即ち外側コイル体210aと内側コイル体210bに電源を印加すると、引力と斥力によってホイール10に対応する回転リング100の駆動力が与えられると共に、ディスク310にも駆動力が与えられて、回転リング100の駆動力にディスク310の駆動力が加えられてホイール10の増加した推進力が提供される。その結果、順次ホイール10の回転力が増大する。
【0067】
即ち、第1、2補助動力部300,300’では、ディスク310が回転する時に、そのディスク310は一方向軸受Bが結合されたシャフト30を中心に自由に回転するようになり、これによって駆動歯車320に回転力が与えられる。
【0068】
この時、駆動歯車320はクラッチ歯車330と接触しているので、クラッチ歯車330に回転力が伝達され、その回転力はホイールカバー40の内接歯車41に伝達される。
【0069】
一方、前述したように内接歯車41に回転力を伝達する時、クラッチ歯車330と内接歯車41は減速を行う通常の遊星歯車340によって噛合される。遊星歯車340はクラッチ歯車330に伝達された回転力を減速させて強い駆動力へと変換した後、内接歯車41を介してホイール10に伝達するようになる。
【0070】
即ち、ホイール10には回転リング100による駆動力にディスク310から減速されることにより発生した駆動力が加えられ、さらに増加した推進力が加えられ、それによって強い回転力が与えられる。
【0071】
一方、前述したように強い回転力が与えられたホイール10に一定の大きさ以上の回転力が与えられると、ディスク310による回転力はそれ以上伝達されなくなる。即ち、クラッチ歯車330は前述したように、一定の大きさの回転力下で駆動歯車320に接触されている。この時、回転力が一定の大きさを超えると、駆動歯車320から分離されてそれぞれ空回りする。ホイール10の回転力が減少すると、再び駆動歯車320と接触して駆動力が与えられるようになる。
【0072】
この時、前述したように作用する第1、2補助動力部300,300’は、固定板200の両側に対称形状に構成されている。したがって、両側から強い駆動力が加えられて、ホイール10の推進力の向上と回転力の向上が可能になる。
【0073】
また、第2実施形態に係る第1、2補助動力部300,300’の動作関係を説明する。
【0074】
最初に固定板200に設けられたコイル体210即ち、外側コイル体210aと内側コイル体210bに電源が印加されると、引力と斥力によってホイール10に対応する回転リング100の駆動力が与えられると共に、ディスク310に駆動力が与えられて、回転リング100の駆動力にディスク310の推進力が加わる。その結果、ホイール10の増加した推進力と順次回転力を増大させる。
【0075】
即ち、第1、2補助動力部300,300’では、ディスク310が回転する時に、そのディスク310は一方向軸受Bが結合されたシャフト30を中心に自由に回転するようになり、これによって駆動歯車320に回転力が与えられる。
【0076】
この時、第1補助動力部300においては、
図3を参照して、
図5に示すように、第1駆動歯車321は第1クラッチ歯車331と接触しているので、第1クラッチ歯車331に回転力が伝達され、その回転力はホイールカバー40の内接歯車41に伝達される。
【0077】
一方、前述したように内接歯車41に回転力を伝達する時、第1クラッチ歯車331と内接歯車41は減速を行う通常の第1遊星歯車341によって噛合される。第1遊星歯車341は第1クラッチ歯車331に伝達された回転力を減速させて強い駆動力へと変換した後、内接歯車41に伝達するようになる。
【0078】
即ち、ホイール10には回転リング100による駆動力にディスク310から減速されて発生した強力な駆動力が加えられ、さらに増加した推進力が加えられ、それによって強い回転力が与えられる。
【0079】
また、第2補助動力部300’においては、
図6に示すように第2駆動歯車322は減速を行う通常の第2遊星歯車342と噛合されているので、第2遊星歯車342は第2駆動歯車322に伝達された回転力を減速させる。
【0080】
そして、第2遊星歯車342は固定板200の他側で同一軸線上に第3遊星歯車343が設けられているので、第3遊星歯車343に回転力が伝達される。
【0081】
以後、第3遊星歯車343に伝達された回転力は連動歯車350に伝達され、次に一方向軸受Bを介してシャフト30に結合された第2クラッチ歯車332に伝達される。したがって、それに設けられた第2クラッチ歯車332を介してホイールカバー40に回転力が与えられる。
【0082】
即ち、ホイール10には回転リング100による回転力にディスク310から減速されて発生した強力な駆動力が加えられてさらに増加した推進力が加えられ、それによって強い回転力が与えられる。
【0083】
一方、前述したように強い回転力が与えられたホイール10に一定の大きさ以上の回転力が与えられると、ディスク310による回転力はそれ以上伝達されなくなる。即ち、第1、2クラッチ歯車331、332は前述したように、一定の大きさの回転力下で駆動歯車320または連動歯車350に接触されている。この時、回転力が一定の大きさを超えると、第1、2クラッチ歯車331、332は第1駆動歯車321または連動歯車350から分離されてそれぞれ空回りする。ホイール10の回転力が減少すると、第1、2クラッチ歯車331、332は、再び第1駆動歯車321または連動歯車350と接触してホイール10に推進力が与えられるようになる。
【0084】
以上で説明したように、本発明に係る複数の補助動力部を有する発電兼用電動手段を備えたホイールは、回転リングの内側に空間部が形成されており、その空間部には第1、2補助動力部に配置されているので、ホイール自体で第1、2補助動力部によって減速された強力な駆動力が生成されることによって、最初の駆動時や上り坂などの増加した推進力が必要な場合、自動的に変速動作される。