(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
式Iの少なくとも1種類の化合物を少なくとも1種類の更なる液晶化合物と混合し、任意成分として1種類以上の添加剤を加えることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の液晶媒体を調製する方法。
式Iの少なくとも1種類の化合物を、少なくとも1種類の更なるメソゲン化合物および少なくとも1種類の重合性化合物と混合し、任意成分として1種類以上の添加剤を加えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
VA、PSA、PS−VA、PA−VA、IPS、PS−IPS、FFS、PS−FFSまたはPALCディスプレイであることを特徴とする請求項22に記載の電気光学的ディスプレイ。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明による混合物の幾つかの好ましい実施形態を下に示す。
【0028】
式Iの化合物において、R
1およびR
1*は、それぞれ互いに独立に、好ましくは、直鎖状のアルコキシ、特には、OC
2H
5、OC
3H
7、OC
4H
9、OC
5H
11、OC
6H
13、更に、アルケニルオキシ、特に、OCH
2CH=CH
2、OCH
2CH=CHCH
3、OCH
2CH=CHC
2H
5、更に、アルキル、特に、n−C
3H
7、n−C
4H
9、n−C
5H
11、n−C
6H
13を表す。
【0029】
式Iの好ましい化合物は、式I−1〜I−13化合物である。
【0031】
【化4】
式中、
alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、alkenylおよびalkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表し、alkoxyおよびalkoxy
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルコキシ基を表し、L
1、L
2およびL
3は、それぞれ互いに独立に、FまたはClを表す。式Iの化合物およびサブ式I−1〜I−13において、好ましくは、L
1=L
2=L
3=Fである。
【0033】
本発明による混合物は、非常に特に好ましくは、式I−6Aの少なくとも1種類の化合物を含む。
【0034】
【化5】
本発明による混合物は、非常に特に好ましくは、以下の群からの少なくとも1種類の化合物を含む。
【0039】
【化10】
式Iおよびサブ式の化合物において、L
1、L
2およびL
3は、それぞれ互いに独立に、好ましくは、FまたはClを表し、特には、L
1=L
2=L
3=Fである。R
1およびR
1*は、好ましくは、両者がアルコキシを表す。
【0040】
式Iの化合物は、例えば、以下の通り調製できる。
【0041】
【化11】
同様に、本発明は、式Iの化合物に関する。
【0042】
本発明による媒体は、好ましくは、1種類、2種類、3種類または4種類以上、好ましくは、1種類、2種類または3種類の式Iの化合物を含む。
【0043】
式Iの化合物は、好ましくは、混合物全体を基礎として、1重量%以上、好ましくは、5重量%以上の量で液晶媒体中において用いられる。1種類以上の式Iの化合物を2〜15重量%含む液晶媒体が特に好ましい。
【0044】
本発明による液晶媒体の好ましい実施形態を下に示す。
【0045】
a)式IIA、IIBおよびIICの化合物群より選択される1種類以上の化合物を追加的に含む液晶媒体。
【0046】
【化12】
式中、
R
2A、R
2BおよびR
2Cは、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、CNまたはCF
3で一置換されているか、または、ハロゲンで少なくとも一置換されており、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH
2基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、
【0047】
【化13】
−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−、−OC−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
L
1〜4は、それぞれ互いに独立に、F、Cl、CF
3またはCHF
2を表し、
Z
2およびZ
2’は、それぞれ互いに独立に、単結合、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−COO−、−OCO−、−C
2F
4−、−CF=CF−、−CH=CHCH
2O−を表し、
pは、1または2を表し、
qは、0または1を表し、および
vは、1〜6を表す。
【0048】
式IIAおよびIIBの化合物において、Z
2は同一または異なる意味のいずれを有していてもよい。式IIBの化合物において、Z
2およびZ
2’は同一または異なる意味のいずれを有していてもよい。
【0049】
式IIA、IIBおよびIICの化合物において、R
2A、R
2BおよびR
2Cは、それぞれ好ましくは、1〜6個のC原子を有するアルキル、特に、CH
3、C
2H
5、n−C
3H
7、n−C
4H
9、n−C
5H
11を表す。
【0050】
式IIAおよびIIBの化合物において、L
1、L
2、L
3およびL
4は、好ましくは、L
1=L
2=FおよびL
3=L
4=F、更に、L
1=FおよびL
2=Cl、L
1=ClおよびL
2=F、L
3=FおよびL
4=Cl、L
3=ClおよびL
4=Fを表す。式IIAおよびIIBにおいて、Z
2およびZ
2’は、好ましくは、それぞれ互いに独立に、単結合、更に、−C
2H
4−ブリッジを表す。
【0051】
式IIBにおいてZ
2=−C
2H
4−の場合、Z
2’は、好ましくは、単結合であり、Z
2’=−C
2H
4−の場合、Z
2は、好ましくは、単結合である。式IIAおよびIIBの化合物において、(O)C
vH
2v+1は、好ましくは、OC
vH
2v+1、更に、C
VH
2v+1を表す。式IICの化合物において、(O)C
vH
2v+1は、好ましくは、C
VH
2v+1を表す。式IICの化合物において、L
3およびL
4は、それぞれ好ましくは、Fを表す。
【0052】
式IIA、IIBおよびIICの好ましい化合物を下に示す。
【0060】
【化21】
式中、alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表す。
【0061】
本発明による特に好ましい混合物は、式IIA−2、IIA−8、IIA−14、IIA−29、IIA−35、IIB−2、IIB−11、IIB−16およびIIC−1の1種類以上の化合物を含む。
【0062】
混合物全体における式IIAおよび/またはIIBの化合物の割合は、好ましくは、少なくとも20重量%である。
【0063】
本発明による特に好ましい媒体は、式IIC−1の少なくとも1種類の化合物を、好ましくは、3重量%より多く、特に、5重量%より多く、特に好ましくは、5〜25重量%の量で含む。
【0064】
【化22】
式中、alkylおよびalkyl
*は上で示される意味を有する。
【0065】
b)式IIIの1種類以上の化合物を追加的に含む液晶媒体。
【0066】
【化23】
式中、
R
31およびR
32は、それぞれ互いに独立に、12個までのC原子を有する直鎖状のアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシ基を表し、および
【0067】
【化24】
Z
3は、単結合、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−COO−、−OCO−、−C
2F
4−、−C
4H
8−、−CF=CF−を表す。
【0068】
式IIIの好ましい化合物を下に示す。
【0069】
【化25】
式中、
alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表す。
【0070】
本発明による媒体は、好ましくは、式IIIaおよび/または式IIIbの少なくとも1種類の化合物を含む。
【0071】
混合物全体における式IIIの化合物の割合は、好ましくは、少なくとも5重量%である。
【0072】
c)下式の化合物を、好ましくは、5重量%以上、特に、10重量%以上の総量で追加的に含む液晶媒体。
【0073】
【化26】
下の化合物を含む本発明による混合物が更に好ましい。
【0074】
【化27】
d)下式の1種類以上の四環式化合物を追加的に含む液晶媒体。
【0076】
【化29】
式中、
R
7〜10は、それぞれ互いに独立に、
式IIAにおいてR
2Aに示される意味の1つを有し、および
wおよびxは、それぞれ互いに独立に、1〜6を表す。
【0077】
式V−9の少なくとも1種類の化合物を含む混合物が特に好ましい。
【0078】
e)式Y−1〜Y−6の1種類以上の化合物を追加的に含む液晶媒体。
【0079】
【化30】
式中、R
14〜R
19は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し;zおよびmは、それぞれ互いに独立に、1〜6を表し;xは、0、1、2または3を表す。
【0080】
本発明による媒体は、特に好ましくは、式Y−1〜Y−6の1種類以上の化合物を、好ましくは、5重量%以上の量で含む。
【0081】
f)式T−1〜T−21の1種類以上のフッ素化されたターフェニル類を追加的に含む液晶媒体。
【0084】
【化33】
式中、
Rは1〜7個のC原子を有する直鎖状のアルキルまたはアルコキシ基を表し、m=0、1、2、3、4、5または6であり、nは、0、1、2、3または4を表す。
【0085】
Rは、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシを表す。
【0086】
本発明による媒体は、好ましくは、式T−1〜T−21のターフェニル類を、2〜30重量%、特に5〜20重量%の量で含む。
【0087】
式T−1、T−2、T−20およびT−21の化合物が特に好ましい。これらの化合物において、Rは、好ましくは、それぞれ1〜5個のC原子を有するアルキル、更に、アルコキシを表す。式T−20の化合物において、Rは、好ましくは、アルキルまたはアルケニル、特には、アルキルを表す。式T−21の化合物において、Rは、好ましくは、アルキルを表す。
【0088】
混合物のΔn値が0.1以上に意図されている場合、ターフェニル類が、好ましくは、本発明による混合物において用いられる。好ましい混合物は、化合物群T−1〜T−21より選択される1種類以上のターフェニル化合物を2〜20重量%で含む。
【0089】
g)式B−1〜B−3の1種類以上のビフェニル類を追加的に含む液晶媒体。
【0090】
【化34】
式中、
alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、および
alkenylおよびalkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。
【0091】
混合物全体における式B−1〜B−3のビフェニル類の割合は、好ましくは、少なくとも3重量%、特に5重量%以上である。
【0092】
式B−1〜B−3の化合物のなかでも、式B−1およびB−2の化合物が特に好ましい。
【0093】
特に好ましいビフェニル類は以下である。
【0094】
【化35】
式中、alkyl
*は、1〜6個のC原子を有するアルキル基を表す。本発明による媒体は、特に好ましくは、式B−1aおよび/またはB−2dの1種類以上の化合物を含む。
【0095】
h)式Z−1〜Z−7の少なくとも1種類の化合物を含む液晶媒体。
【0096】
【化36】
式中、Rおよびalkylは上で示される意味を有する。
【0097】
i)式O−1〜O−16の少なくとも1種類の化合物を含む液晶媒体。
【0099】
【化38】
式中、R
1およびR
2は、R
2Aに示される意味を有する。R
1およびR
2は、好ましくは、それぞれ互いに独立に、直鎖状のアルキルを表す。
【0100】
好ましい媒体は、式O−1、O−3、O−4、O−5、O−9、O−13、O−14、O−15および/またはO−16の1種類以上の化合物を含む。
【0101】
本発明による混合物は、非常に特に好ましくは、式O−9、O−15および/またはO−16の化合物を、特に、5〜30%の量で含む。
【0102】
式O−15およびO−16の好ましい化合物を下に示す。
【0103】
【化39】
本発明による媒体は、特に好ましくは、式O−15aおよび/または式O−15bの3環式化合物を、1種類以上の式O−16a〜O−16dの2環式化合物と組み合わせて含む。式O−16a〜O−16dの2環式化合物より選択される1種類以上の化合物と組み合わせて式O−15aおよび/またはO−15bの化合物の全体の割合は、5〜40%、非常に特に好ましくは、15〜35%である。
【0104】
非常に特に好ましい混合物は、化合物O−15aおよびO−16aを含む。
【0105】
【化40】
化合物O−15aおよびO−16aは、好ましくは、混合物全体を基礎として15〜35%、特に好ましくは15〜25%、特に好ましくは18〜22%の濃度において、混合物中に存在する。
【0106】
非常に特に好ましい混合物は、化合物O−15bおよびO−16aを含む。
【0107】
【化41】
化合物O−15bおよびO−16aは、好ましくは、混合物全体を基礎として15〜35%、特に好ましくは15〜25%、特に好ましくは18〜22%の濃度において、混合物中に存在する。
【0108】
非常に特に好ましい混合物は、以下の3種類の化合物を含む。
【0109】
【化42】
化合物O−15a、O−15bおよびO−16aは、好ましくは、混合物全体を基礎として15〜35%、特に好ましくは15〜25%、特に好ましくは18〜22%の濃度において、混合物中に存在する。
【0110】
j)本発明による好ましい液晶媒体は、例えば、式N−1〜N−5の化合物などのテトラヒドロナフチルまたはナフチル単位を含有する1種類以上の物質を含む。
【0111】
【化43】
式中、R
1NおよびR
2Nは、それぞれ互いに独立に、R
2Aに示される意味を有し、好ましくは、直鎖状のアルキル、直鎖状のアルコキシまたは直鎖状のアルケニルを表し、および
Z
1およびZ
2は、それぞれ互いに独立に、−C
2H
4−、−CH=CH−、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
3O−、−O(CH
2)
3−、−CH=CHCH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH=CH−、−CH
2O−、−OCH
2−、−COO−、−OCO−、−C
2F
4−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2−または単結合を表す。
【0112】
k)好ましい混合物は、式BCのジフルオロジベンゾクロマン化合物、式CRのクロマン類、式PH−1およびPH−2のフッ素化フェナントレン類、式BFのフッ素化ジベンゾフラン類の群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0113】
【化44】
式中、
R
B1、R
B2、R
CR1、R
CR2、R
1、R
2は、それぞれ互いに独立に、R
2Aの意味を有し、cは0、1または2である。
【0114】
本発明による混合物は、好ましくは、式BC、CR、PH−1、PH−2および/またはBFの化合物を、3〜20重量%の量、特に3〜15重量%の量で含む。式BCおよびCRの特に好ましい化合物は、化合物BC−1〜BC−7およびCR−1〜CR−5である。
【0116】
【化46】
式中、
alkylおよびalkyl
*は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、および
alkenylおよびalkenyl
*は、それぞれ互いに独立に、2〜6個のC原子を有する直鎖状のアルケニル基を表す。
【0117】
式BC−2の1種類、2種類または3種類の化合物を含む混合物が、非常に特に好ましい。
【0118】
l)好ましい混合物は、式Inの1種類以上のインダン化合物を含む。
【0119】
【化47】
式中、
R
11、R
12、R
13は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖状のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはアルケニル基を表し、
R
12およびR
13は、追加してハロゲン、好ましくはFを表し、
【0120】
【化48】
を表し、
iは、0、1または2を表す。
【0121】
式Inの好ましい化合物は、下に示される式In−1〜In−16の化合物である。
【0123】
【化50】
式In−1、In−2、In−3およびIn−4の化合物が特に好ましい。
【0124】
本発明による混合物において、式Inおよびサブ式In−1〜In−16の化合物は、好ましくは5重量%以上、特に5〜30重量%、非常に特に好ましくは5〜25重量%の濃度で用いる。
【0125】
m)好ましい混合物は、式L−1〜L−11の1種類以上の化合物を追加的に含む。
【0127】
【化52】
式中、
R、R
1およびR
2は、それぞれ互いに独立に、
式IIAにおいてR
2Aに示される意味を有し、alkylは1〜6個のC原子を有するアルキル基を表す。sは1または2を表す。
【0128】
式L−1およびL−4、特に、L−4の化合物が特に好ましい。
【0129】
式L−1〜L−11の化合物は、好ましくは5〜50重量%、特に5〜40重量%、非常に特に好ましくは10〜40重量%の濃度で用いる。
【0130】
n)媒体は、式EYの1種類以上の化合物を追加的に含む。
【0131】
【化53】
式中、R
1、R
1*、L
1およびL
2は、式Iにおいて示される意味を有する。式EYの化合物において、R
1およびR
1*は、好ましくは、2個以上のC原子を有するアルコキシを表し、L
1=L
2=Fである。以下の式の化合物が特に好ましい。
【0134】
【化56】
特に好ましい混合物の考え方を下に示す。(使用される頭字語は、表Aにおいて説明される。nおよびmは、それぞれ互いに独立に、1〜6を表す。)
本発明による混合物は、好ましくは、
・L
1=L
2=F、および、R
1およびR
1*が、それぞれ互いに独立に、アルコキシを表す(ただし、該アルコキシ基は同一でも異なってよい。)である式Iの化合物、
・CPY−n−Om、特に、CPY−2−O2、CPY−3−O2および/またはCPY−5−O2を、混合物全体を基礎として、好ましくは5%より多く、特に10〜30%の濃度で、
および/または
・CY−n−Om、好ましくは、CY−3−O2、CY−3−O4、CY−5−O2および/またはCY−5−O4を、混合物全体を基礎として、好ましくは5%より多く、特に15〜50%の濃度で、
および/または
・CCY−n−Om、好ましくは、CCY−2−O2、CCY−3−O1、CCY−3−O2、CCY−3−O3、CCY−4−O2および/またはCCY−5−O2を、混合物全体を基礎として、好ましくは5%より多く、特に10〜30%の濃度で、
および/または
・CLY−n−Om、好ましくは、CLY−2−O4、CLY−3−O2および/またはCLY−3−O3を、混合物全体を基礎として、好ましくは5%より多く、特に10〜30%の濃度で、
および/または
・CK−n−F、好ましくは、CK−3−F、CK−4−Fおよび/またはCK−5−Fを、混合物全体を基礎として、好ましくは5%より多く、特に5〜25%の濃度で含む。
【0135】
更に、以下の混合の考え方を含む本発明による混合物が好ましい(nおよびmは、それぞれ互いに独立に、1〜6を表す。):
・CPY−n−OmおよびCY−n−Omを、混合物全体を基礎として、好ましくは、10〜80%の濃度で、
および/または
・CPY−n−OmおよびCK−n−Fを、混合物全体を基礎として、好ましくは、10〜70%の濃度で、
および/または
・CPY−n−OmおよびCLY−n−Omを、混合物全体を基礎として、好ましくは、10〜80%の濃度。
【0136】
本発明は、更に、
特許請求の範囲または上記説明において記載される液晶媒体を誘電体として含有することを特徴とし、ECB、VA、PS−VA、PSA、PA−VA、IPS、PS−IPS、FFSまたはPS−FFS効果を基礎としてアドレスするアクティブマトリクスを有する電気光学的ディスプレイに関する。
【0137】
本発明による液晶媒体は、好ましくは−20℃以下〜70℃以上、特に好ましくは−30℃以下〜80℃以上、非常に特に好ましくは−40℃以下〜90℃以上のネマチック相を有する。
【0138】
本明細書において、表現「ネマチック相を有する」は、一方で、対応する温度における低温においてスメクチック相および結晶化が確認されず、他方で、ネマチック相から加熱しても依然として透明化が起きないことを意味する。低温における検討は対応する温度において流動粘度計中で行なわれ、電気光学的な使用に対応する層厚を有する試験用セル中において少なくとも100時間保存して確認する。対応する試験用セル中において−20℃の温度における保存安定性が1000時間以上の場合、媒体はこの温度において安定であるとする。−30℃および−40℃の温度において、対応する時間は、それぞれ500時間および250時間である。高温においては、毛細管中で従来法によって透明点を測定する。
【0139】
液晶混合物は、好ましくは、少なくとも60Kのネマチック相範囲と、20℃において最大で30mm
2・s
−1の流動粘度ν
20を有する。
【0140】
液晶混合物における複屈折率Δnの値は、一般に、0.07および0.16の間、好ましくは、0.08および0.12の間である。
【0141】
本発明による液晶混合物は、−0.5〜−8.0、特に−2.5〜−6.0のΔεを有し、ただしΔεは誘電異方性を表す。20℃における回転粘度γ
1は、好ましくは、165mPa・s以下、特に140mPa・s以下である。
【0142】
本発明による液晶媒体は、閾電圧(V
0)について比較的低い値を有する。それらは、好ましくは1.7V〜3.0V、特に好ましくは2.5V以下、非常に特に好ましくは2.3V以下の範囲内である。
【0143】
本発明においては、用語「閾電圧」は、他に明示しない限り、フレデリックス閾値としても知られる容量閾値(V
0)に関する。
【0144】
加えて、本発明による液晶媒体は、液晶セル中において、電圧保持率に対して高い値を有する。
【0145】
一般に、低いアドレス電圧または閾電圧を有する液晶媒体は、より高いアドレス電圧または閾電圧を有するものよりも低い電圧保持率を示し、逆もそうである。
【0146】
本発明において、用語「誘電的に正の化合物」はΔε>1.5を有する化合物を表し、用語「誘電的に中性の化合物」は−1.5≦Δε≦1.5を有するものを表し、用語「誘電的に負の化合物」はΔε<−1.5を有するものを表す。本明細書において、化合物の誘電異方性は10%の化合物を液晶ホストに溶解して決定され、それぞれの場合で20μmの層厚でホメオトロピックおよびホモジニアス表面配向を有する少なくとも1つの試験用セル中で1kHzにおいて、結果として得られる混合物のキャパシタンスを決定する。測定電圧は典型的には0.5V〜1.0Vであるが、検討されるそれぞれの液晶混合物の容量閾値よりも常に低くする。
【0147】
本発明において示される全ての温度の値は℃である。
【0148】
本発明による混合物は、例えば、VAN、MVA、(S)−PVA、ASV、PSA(polymer sustained VA:ポリマー維持VA)およびPS−VA(polymer stabilized VA:ポリマー安定化VA)などの全てのVA−TFT用途に適切である。それらは、更に、負のΔεを有するIPS(in−plane switching:面内スイッチング)およびFFS(fringe field switching:フリンジ場スイッチング)用途に適切である。
【0149】
本発明によるディスプレイにおけるネマチック液晶混合物は、一般に、それ自身、1種類以上の個々の化合物から成る2種類の成分AおよびBを含む。
【0150】
成分Aは著しい負の誘電異方性を有し、ネマチック相へ−0.5以下の誘電異方性を与える。式Iの1種類以上の化合物に加え、成分Aは、好ましくは、式IIA、IIBおよび/またはIICの化合物、更に、式IIIの化合物を含む。
【0151】
成分Aの割合は、好ましくは、45および100%の間、特に60および100%の間である。
【0152】
成分Aのためには、−0.8以下のΔεの値を有する1種類(またはそれ以上)の個々の化合物(1種類または複数種類)が好ましくは選択される。混合物全体における割合Aが小さくなるほど、この値をより負としなければならない。
【0153】
成分Bは明瞭なネマトゲン性、および、20℃において30mm
2・s
−1以下、好ましくは25mm
2・s
−1以下の流動粘度を有する。
【0154】
成分Bにおける特に好ましい個々の化合物は、20℃において18mm
2・s
−1以下、好ましくは12mm
2・s
−1以下の流動粘度を有する非常に低粘度のネマチック液晶である。
【0155】
成分Bはモノトロピック性またはエナンチオトロピック性のネマチックであり、スメクチック相を有さず、液晶混合物において非常に低い温度までスメクチック相の発生を防止することができる。例えば、高いネマトゲン性の各種材料をスメクチック液晶混合物に加える場合、達成されるスメクチック相の抑制の程度を通して、これらの材料のネマトゲン性を比較できる。
【0156】
また、混合物は、1.5以上のΔεの誘電異方性を有する化合物を含む成分Cを含んでも構わない。所謂これらの正の化合物は、一般に、混合物全体を基礎として20重量%以下の量で、負の誘電異方性の混合物中に存在する。
【0157】
多数の適切な材料が文献より当業者に知られている。式IIIの化合物が特に好ましい。
【0158】
加えて、また、これらの液晶相は18種類を超える成分、好ましくは18〜25種類の成分を含むこともある。
【0159】
式Iの1種類以上の化合物に加え、相は、好ましくは4〜15種類、特に5〜12種類、特に好ましくは10種類未満の式IIA、IIBおよび/またはIICおよび任意成分としてIIIの化合物を含む。
【0160】
式Iの化合物および式IIA、IIBおよび/またはIICおよび任意成分としてIIIの化合物に加え、他の構成成分も、また、例えば、混合物全体の45%まで、しかし、好ましくは35%まで、特に10%までの量で存在してもよい。
【0161】
他の構成成分は、好ましくは、ネマチックまたはネマトゲン性の物質、特に、アゾキシベンゼン類、ベンジリデンアニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、安息香酸フェニルまたはシクロヘキシル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルまたはシクロヘキシル類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルナフタレン類、1,4−ビスシクロヘキシルビフェニル類またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニルまたはシクロヘキシルジオキサン類、ハロゲン化されていてもよいスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル類、トラン類および置換桂皮酸エステル類に分類される既知の物質より選択される。
【0162】
このタイプの液晶相の構成成分として適する最も重要な化合物は、式IVで特徴付けることができる。
【0163】
【化57】
式中、LおよびEは、それぞれ、1,4−二置換ベンゼンおよびシクロヘキサン環、4,4’−二置換ビフェニル、フェニルシクロヘキサンおよびシクロへキシルシクロヘキサン構造、2,5−二置換ピリミジンおよび1,3−ジオキサン環、2,6−二置換ナフタレン、ジおよびテトラヒドロナフタレン、キナゾリンおよびテトラヒドロキナゾリンにより形成される群からの炭素またはヘテロ環式環構造を表し、
Gは、−CH=CH−、−N(O)=N−、−CH=CQ−、−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH
2−CH
2−、−CO−O−、−CH
2−O−、−CO−S−、−CH
2−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−、−CF
2O−、−CF=CF−、−OCF
2−、−OCH
2−、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
3O−またはC−C単結合であり、Qはハロゲン、好ましくは塩素、または、−CNを表し、および、R
20およびR
21は、それぞれ、18個までの、好ましくは8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはアルコキシカルボニルオキシを表し、あるいは、これらの基の1つは、CN、NC、NO
2、NCS、CF
3、SF
5、OCF
3、F、ClまたはBrを表す。
【0164】
これらの化合物の殆どにおいて、R
20およびR
21は互いに異なっており、これらの基の一方は、通常、アルキルまたはアルコキシ基である。また、提案された置換基の他に変種も一般的である。多くのそのような物質またはそれらの混合物も商業的に入手できる。全てのこれらの物質は、文献より既知の方法によって調製できる。
【0165】
また、当業者には言うまでもなく、本発明によるVA、IPSまたはFFS混合物は、例えば、H、N、O、ClおよびFが対応する同位体で置き換えられた化合物も含んでも構わない。
【0166】
更に、例えば、米国特許第6,861,107号明細書で開示される通りの重合性化合物、いわゆる反応性メソゲン(RM:reactive mesogen)を、混合物を基礎として好ましくは0.12〜5重量%、特に好ましくは0.2〜2重量%の濃度で、本発明による混合物に加えてもよい。また、これらの混合物は、例えば、米国特許第6,781,665号明細書に記載される通りの開始剤を含んでもよい。開始剤、例えば、Ciba社製Irganox−1076を、好ましくは、重合性化合物を含む混合物に0〜1%の量で加える。このタイプの混合物は、反応性メソゲンの重合が液晶混合物中において起こるよう意図されている所謂ポリマー安定化VAモード(PS−VA:polymer−stabilised VA)またはPSA(polymer sustained VA:ポリマー維持VA)用に使用できる。このための前提条件は、液晶混合物自身が重合性成分を一切含んでいないことである。
【0167】
本発明の好ましい実施形態において、重合性化合物は式Mの化合物より選択される。
【0168】
【化58】
式中、個々の基は以下の意味を有する。
【0169】
R
aおよびR
bは、それぞれ互いに独立に、P、P−Sp−、H、ハロゲン、SF
5、NO
2、炭素基または炭化水素基を表し、ただし、基R
aおよびR
bの少なくとも一方は、基PまたはP−Sp−を表すか含有し、
Pは、それぞれの出現において同一または異なって、重合性基を表し、
Spは、それぞれの出現において同一または異なって、スペーサー基または単結合を表し、
A
1およびA
2は、それぞれ互いに独立に、好ましくは4〜25個の環原子を有する芳香族、ヘテロ芳香族、脂環式またはヘテロ環式基を表し、また、該基は縮合環を含有してもよく、また、該基はLにより一置換または多置換されていてもよく、
Lは、P−Sp−、H、OH、CH
2OH、ハロゲン、SF
5、NO
2、炭素基または炭化水素基を表し、
Z
1は、それぞれの出現において同一または異なって、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−OCO−、−O−CO−O−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−(CH
2)
n1−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−(CF
2)
n1−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、CR
0R
00または単結合を表し、
R
0およびR
00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルを表し、
mは、0、1、2、3または4を表し、
n1は、1、2、3または4を表す。
【0170】
式Mの特に好ましい化合物は、
R
aおよびR
bが、それぞれ互いに独立に、P、P−Sp−、H、F、Cl、Br、I、−CN、−NO
2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、SF
5、または、1〜25個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル(ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−C(R
0)=C(R
00)−、−C≡C−、−N(R
00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CN、PまたはP−Sp−で置き換えられていてもよい。)を表し、ただし、基R
aおよびR
bの少なくとも一方は基PまたはP−Sp−を表すか含み、
A
1およびA
2は、それぞれ互いに独立に、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,7−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、2−オキソ−2H−クロメン−3,6−ジイル、2−オキソ−2H−クロメン−3,7−ジイル、4−オキソ−4H−クロメン−2,6−ジイル、4−オキソ−4H−クロメン−3,6−ジイル、4−オキソ−4H−クロメン−3,7−ジイル(慣用名は、それぞれ、クマリンまたはフラボン)、(ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基はNで置き換えられていてもよい。)、シクロヘキサン−1,4−ジイル(ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはSで置き換えられていてもよい。)、1,4−シクロヘキセニレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、ピペリジン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイルまたはオクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルを表し、ただし、これらの全ての基は無置換でもLで一置換または多置換されていてもよく、
Lは、P、P−Sp−、OH、CH
2OH、F、Cl、Br、I、−CN、−NO
2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(R
x)
2、−C(=O)Y
1、−C(=O)R
x、−N(R
x)
2、置換されていてもよいシリル、6〜20個のC原子を有する置換されていてもよいアリール、または、1〜25個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ(ただし加えて、これらの基において1個以上のH原子は、F、Cl、PまたはP−Sp−で置き換えられていてもよい。)を表し、
Pは、重合性基を表し、
Y
1は、ハロゲンを表し、
R
xは、P、P−Sp−、H、ハロゲン、1〜25個のC原子を有する直鎖状、分岐状または環状のアルキル(ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子は、F、Cl、PまたはP−Sp−で置き換えられていてもよい。)、6〜40個のC原子を有する置換されていてもよいアリールまたはアリールオキシ基、または、2〜40個のC原子を有する置換されていてもよいヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基を表す
ものである。
【0171】
式Mの更に好ましい化合物は、以下のサブ群の1つ以上より選択されるものである。
【0174】
・R
aおよびR
bは、同一または異なる基P−Sp−を表す。
【0175】
・R
aおよびR
bは、同一または異なる基P−Sp−(式中、1個以上の基Spは単結合を表す。)を表す。
【0176】
・mは2または3であり、R
aおよびR
bは同一の基P−Sp−を表す。
【0177】
・基R
aおよびR
bの一方はP−Sp−を表し、他方は非重合性基、好ましくは、1〜25個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルを表し、ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、それぞれ互いに独立に、O/S原子が互いに直接連結しないようにして、−C(R
00)=C(R
000)−、−C≡C−、−N(R
00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子は、F、Cl、Br、IまたはCNで置き換えられていてもよい。
【0178】
・1個以上の基Spは、単結合を表す。
【0179】
・1個以上の基Spは、−(CH
2)
p1−、−(CH
2)
p1−O−、−(CH
2)
p1−OCO−または−(CH
2)
p1−OCOO−を表し、式中、p1は1〜12の整数を表し、r1は1〜8の整数を表す。
【0180】
・Lは、重合性基を表さず、および/または、含有しない。
【0181】
・A
1およびA
2は、それぞれ互いに独立に、1,4−フェニレンまたはナフタレン−2,6−ジイルを表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基はNで置き換えられていてもよく、加えて、該基は、一フッ素化または多フッ素化されていてもよい。
【0182】
・Z
1は、−O−、−CO−O−、−OCO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C≡C−および単結合から成る群より選択される。
【0183】
・Lは非重合性基で、好ましくは、F、Cl、−CN、1〜25個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルから成る群より選択され、ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、それぞれ互いに独立に、O/S原子が互いに直接連結しないようにして、−C(R
00)=C(R
000)−、−C≡C−、−N(R
00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子は、F、Cl、Br、IまたはCNで置き換えられていてもよい。
【0184】
式Mの特に好ましい化合物は、以下のサブ式から選択される。
【0186】
【化60】
式中、
P
1およびP
2は、Pに対して示される意味の1つを有し、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、オキセタン、ビニルオキシまたはエポキシを表し、
Sp
1およびSp
2は、それぞれ互いに独立に、Spに対して示される意味の1つを有するか、単結合を表し、ただし、また、1個以上の基P
1−Sp
1−およびP
2−Sp
2はR
aaを表してもよく、ただし、基P
1−Sp
1−およびP
2−Sp
2の少なくとも一方はR
aaと異なり、
R
aaは、F、Cl、−CN、または、1〜25個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルを表し、ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−C(R
00)=C(R
000)−、−C≡C−、−N(R
00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子は、F、Cl、Br、IまたはCNで置き換えられていてもよく、
R
0、R
00は、式I
*において示される意味を有し、
Z
1は、−O−、−CO−、−C(R
yR
z)−または−CF
2CF
2−を表し、
Z
2およびZ
3は、それぞれ互いに独立に、−CO−O−、−O−CO−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CF
2O−、−OCF
2−または−(CH
2)
n−を表し、ただし、nは、2、3または4であり、
Lは、式Iに対して上で示される意味を有し、
L’およびL”は、それぞれ互いに独立に、H、FまたはClを表し、
rは、0、1、2、3または4を表し、
sは、0、1、2または3を表し、
tは、0、1または2を表し、
xは、0または1を表し、および
R
yおよびR
zは、それぞれ互いに独立に、H、CH
3またはCF
3を表す。
【0187】
式Mの更に好ましい化合物は、以下のサブ式より選択される。
【0189】
【化62】
式中、個々の基は、式M1〜M21に対し示される意味を有する。
【0190】
本発明の更に好ましい実施形態において、重合性化合物は式II
*より選択されるキラルまたは光学的活性化合物である(キラルRM):
【0191】
【化63】
式中、A
1、Z
1およびmは、それぞれの出現において同一または異なって、式I
*において示される意味の1つを有し、
R
*は、それぞれの出現において同一または異なって、式I
*においてR
aに示される意味の1つを有し、ただし、R
*はキラルまたはアキラルでよく、
Qは、式I
*において定義される通りのLにより一置換または多置換されていてもよいk価のキラル基を表し、
kは、1、2、3、4、5または6であり、
ただし、化合物は、上に定義される通りの基PまたはP−Sp−を表すか含有する基R
*またはLの少なくとも一方を含有する。
【0192】
式II
*の特に好ましい化合物は、式III
*の1価基Qを含有する。
【0193】
【化64】
式中、Lおよびrは、それぞれの出現において同一または異なって、上で示される意味を有し、
A
*およびB
*は、それぞれ互いに独立に、縮合されたベンゼン、シクロヘキサンまたはシクロヘキセンを表し、
tは、それぞれの出現において同一または異なって、0、1または2を表し、および
uは、それぞれの出現において同一または異なって、0、1または2を表す。
【0194】
uが1を表す式III
*の基が特に好ましい。
【0195】
式II
*の更に好ましい化合物は、式IV
*の1価基Qまたは1個以上の基R
*を含有する。
【0196】
【化65】
式中、
Q
1は、1〜9個のC原子を有するアルキレンまたはアルキレンオキシまたは単結合を表し、
Q
2は、1〜10個のC原子を有するフッ素化されていてもよいアルキルまたはアルコキシを表し、ただし加えて、1個または2個の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−O−COO−、−S−CO−、−CO−S−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
Q
3は、F、Cl、CNまたはQ
2で定義される通りであるがQ
2とは異なるアルキルまたはアルコキシを表す。
【0197】
式IV
*の好ましい基は、例えば、2−ブチル(即ち、1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に、2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。
【0198】
式II
*の更に好ましい化合物は、式V
*の2価基Qを含有する。
【0199】
【化66】
式中、L、r、t、A
*およびB
*は、上に示される意味を有する。
【0200】
式II
*の更に好ましい化合物は、以下の式より選択される2価基Qを含有する。
【0201】
【化67】
式中、Pheは、Lにより一置換または多置換されていてもよいフェニルを表し、および、R
xは、Fまたは1〜4個のC原子を有するフッ素化されていてもよいアルキルを表す。
【0202】
適切なキラルRMは、例えば、英国特許出願公開第2 314 839号公報、米国特許第6,511,719号明細書、米国特許第7,223,450号明細書、国際特許出願公開第02/34739号パンフレット、米国特許第7,041,345号明細書、米国特許第7,060,331号明細書または米国特許第7,318,950号明細書に記載されている。ビナフチル基を含有する適切なRMは、例えば、米国特許第6,818,261号明細書、米国特許第6,916,940号明細書、米国特許第7,318,950号明細書および米国特許第7,223,450号明細書に記載されている。
【0203】
上および下に示すキラル構造要素およびそのようなキラル構造要素を含有する重合性および重合された化合物は、光学的に活性な形態、即ち、純粋なエナンチオマーとして、または、2種類のエナンチオマーの任意の所望の混合物として、あるいは、ラセミ体として使用できる。ラセミ体の使用が好ましい。例えば、合成が著しくより単純で材料コストがより低いなど、ラセミ体の使用は純粋なエナンチオマーの使用に勝る幾つかの利点を有する。
【0204】
式II
*の化合物は、好ましくは、ラセミ体の形態でLC媒体中に存在する。
【0205】
式II
*の特に好ましい化合物は、以下のサブ式より選択される。
【0208】
【化70】
式中、L、P、Sp、m、rおよびtは、上に示される意味を有し、ZおよびAは、それぞれの出現において同一または異なって、それぞれZ
1およびA
1に示される意味の1つを有し、t1は、それぞれの出現において同一または異なって、0または1を表す。
【0209】
用語「炭素基」は、少なくとも1個の炭素原子を含有する一価または多価の有機基を表し、ただし、これは更なる原子を含有していない(例えば、−C≡C−など)か、例えば、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの更なる1個以上の原子を含有してもよい(例えば、カルボニルなど)かのいずれかである。用語「炭化水素基」は、1個以上のH原子を追加的に、および、例えば、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの1個以上のヘテロ原子を任意成分として含有する炭素基を表す。
【0210】
「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを表す。
【0211】
炭素基または炭化水素基は、飽和または不飽和基のいずれでもよい。不飽和基は、例えば、アリール、アルケニルまたはアルキニル基である。3個より多いC原子を有する炭素基または炭化水素基は、直鎖状、分岐状および/または環状のいずれでもよく、また、スピロ結合または縮合環を含有してもよい。
【0212】
用語「アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などは、多価の基、例えば、アルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレンなども包含する。
【0213】
用語「アリール」は、芳香族炭素基またはそれらより誘導される基を表す。用語「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子を含有し、上で定義される「アリール」を表す。
【0214】
好ましい炭素基または炭化水素基は、置換されていてもよく、1〜40個、好ましくは1〜25個、特に好ましくは1〜18個のC原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、置換されていてもよく、6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有するアリールまたはアリールオキシ、または、置換されていてもよく、6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有するアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである。
【0215】
更に好ましい炭素基または炭化水素基は、C
1〜C
40アルキル、C
2〜C
40アルケニル、C
2〜C
40アルキニル、C
3〜C
40アリル、C
4〜C
40アルキルジエニル、C
4〜C
40ポリエニル、C
6〜C
40アリール、C
6〜C
40アルキルアリール、C
6〜C
40アリールアルキル、C
6〜C
40アルキルアリールオキシ、C
6〜C
40アリールアルキルオキシ、C
2〜C
40ヘテロアリール、C
4〜C
40シクロアルキル、C
4〜C
40シクロアルケニルなどである。C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22アリル、C
4〜C
22アルキルジエニル、C
6〜C
12アリール、C
6〜C
20アリールアルキルおよびC
2〜C
20ヘテロアリールが特に好ましい。
【0216】
更に好ましい炭素基または炭化水素基は、1〜40個、好ましくは1〜25個のC原子を有する直鎖状、分岐状または環状アルキル基であり、該基は無置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されており、ただし、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−C(R
x)=C(R
x)−、−C≡C−、−N(R
x)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよい。
【0217】
R
xは、好ましくは、H、ハロゲン、直鎖状、分岐状または環状で、1〜25個のC原子を有するアルキル鎖(ただし加えて、1個以上の隣接していないC原子は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし、1個以上のH原子はフッ素で置き換えられていてもよい。)、置換されていてもよく、6〜40個のC原子を有するアリールまたはアリールオキシ基、または、置換されていてもよく、2〜40個のC原子を有するヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基を表す。
【0218】
好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−ノノキシ、n−デコキシ、n−ウンデコキシ、n−ドデコキシなどである。
【0219】
好ましいアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、ドデカニル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペルフルオロオクチル、ペルフルオロヘキシルなどである。
【0220】
好ましいアルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルなどである。
【0221】
好ましいアルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニルなどである。
【0222】
好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−ノノキシ、n−デコキシ、n−ウンデコキシ、n−ドデコキシなどである。
【0223】
好ましいアミノ基は、例えば、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノなどである。
【0224】
アリールおよびヘテロアリール基は単環でも多環でもよく、即ち、それらは1個の環(例えば、フェニルなど)または2個以上の環を含有してもよく、また、該基は縮合されていてもよく(例えば、ナフチルなど)、共有結合されていてもよく(例えば、ビフェニルなど)、縮合および連結された環の組み合わせを含有していてもよい。ヘテロアリール基は、好ましくは、O、N、SおよびSeより選択される1個以上のヘテロ原子を含有する。
【0225】
単環式、二環式または三環式で、6〜25個のC原子を有するアリール基、および、単環式、二環式または三環式で、2〜25個のC原子を有するへテロアリール基が特に好ましく、該基は縮合された環を含有していてもよく、置換されていてもよい。更に、5員、6員または7員のアリールおよびヘテロアリール基が好ましく、ただし加えて、1個以上のCH基は、O原子および/またはS原子が互いに直接連結されないようにして、N、SまたはOで置き換えられていてもよい。
【0226】
好ましいアリール基は、例えば、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、1,1’:3’,1”−ターフェニル−2’−イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどである。
【0227】
好ましいヘテロアリール基は、例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールなどの5員環;ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジンなどの6員環;またはインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフタイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリダイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾキサゾール、ナフトキサゾール、アントロキサゾール、フェナントロキサゾール、イソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンなどの縮合基;またはこれらの基の組み合わせである。また、ヘテロアリール基は、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フルオリン、フルオロアルキルまたは更なるアリールまたはヘテロアリール基で置換されてよい。
【0228】
(非芳香族)脂環式およびヘテロ環式基は、飽和環、即ち、排他的に単結合を含有するものと、また、部分的に不飽和な環、即ち、多重結合も含有してよいものとの両者を包含する。ヘテロ環式環は、好ましくは、Si、O、N、SおよびSeより選択される1個以上のヘテロ原子を含有する。
【0229】
(非芳香族)脂環式およびヘテロ環式基は、単環式、即ち、1個のみの環を含有(例えば、シクロヘキサンなど)してもよく、または、多環式、即ち、複数の環を含有(例えば、デカヒドロナフタレンまたはビシクロオクタンなど)していてもよい。飽和基が、特に好ましい。更に、単環式、二環式または三環式で、3〜25個のC原子を有する基が好ましく、該基は縮合環を含有していてもよく、置換されていてもよい。更に、5員、6員、7員または8員の炭素環式基が好ましく、ただし加えて、1個以上のC原子はSiで置き換えられていてもよく、および/または、1個以上のCH基はNで置き換えられていてもよく、および/または、1個以上の隣接していないCH
2基は−O−および/または−S−で置き換えられていてもよい。
【0230】
好ましい脂環式およびヘテロ環式基は、例えば、シクロペンタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、ピロリジンなどの5員基、シクロヘキサン、シリナン、シクロヘキセン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、ピペリジンなどの6員基、シクロヘプタンなどの7員基、および、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、インダン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、オクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルなどの縮合基である。
【0231】
好ましい置換基は、例えば、アルキルまたはアルコキシなどの溶解促進基、フッ素、ニトロまたはニトリルなどの電子吸引基、または、ポリマーにおいてガラス転移温度(Tg)を上昇させるための置換基、特に、例えば、t−ブチルまたは置換されていてもよいアリール基などの嵩高い基である。
【0232】
上および下で「L」とも呼ばれる好ましい置換基は、例えば、F、Cl、Br、I、−CN、−NO
2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(R
x)
2、−C(=O)Y
1、−C(=O)R
x、−N(R
x)
2(ただし、R
xは上で示される意味を有し、Y
1はハロゲンを表す。)、置換されていてもよく、6〜40個、好ましくは6〜20個のC原子を有するシリルまたはアリール、および、直鎖状または分岐状で、1〜25個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ(ただし、1個以上のH原子はFまたはClで置き換えられていてもよい。)である。
【0233】
「置換されたシリルまたはアリール」は、好ましくは、ハロゲン、−CN、R
0、−OR
0、−CO−R
0、−CO−O−R
0、−O−CO−R
0または−O−CO−O−R
0による置換を意味し、ただし、R
0は上で示される意味を有する。
【0234】
特に好ましい置換基Lは、例えば、F、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5、更に、フェニルである。
【0235】
【化71】
式中、Lは上で示される意味の1つを有する。
【0236】
重合性基Pは、例えば、フリーラジカルまたはイオン性連鎖重合、重付加または重縮合などの重合反応に適するか、または、例えば、ポリマー主鎖上への付加または縮合といったポリマー類似反応に適する基である。連鎖重合のための基、特に、C=C二重結合またはC≡C三重結合を含有するもの、および、例えば、オキセタンまたはエポキシド基などの開環重合に適する基が特に好ましい。
【0237】
好ましい基Pは、CH
2=CW
1−COO−、CH
2=CW
1−CO−、
【0238】
【化72】
CH
2=CW
2−(O)
k3−、CW
1=CH−CO−(O)
k3−、CW
1=CH−CO−NH−、CH
2=CW
1−CO−NH−、CH
3−CH=CH−O−、(CH
2=CH)
2CH−OCO−、(CH
2=CH−CH
2)
2CH−OCO−、(CH
2=CH)
2CH−O−、(CH
2=CH−CH
2)
2N−、(CH
2=CH−CH
2)
2N−CO−、HO−CW
2W
3−、HS−CW
2W
3−、HW
2N−、HO−CW
2W
3−NH−、CH
2=CW
1−CO−NH−、CH
2=CH−(COO)
k1−Phe−(O)
k2−、CH
2=CH−(CO)
k1−Phe−(O)
k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびW
4W
5W
6Si−から選択され、式中、W
1は、H、F、Cl、CN、CF
3、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、F、ClまたはCH
3を表し、W
2およびW
3は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特に、H、メチル、エチルまたはn−プロピルを表し、W
4、W
5およびW
6は、それぞれ互いに独立に、Cl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルを表し、W
7およびW
8は、それぞれ互いに独立に、H、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、Pheは、上で定義される通りでP−Sp−とは異なる1個以上の基Lで置換されていてもよい1,4−フェニレンを表し、k
1、k
2およびk
3は、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、k
3は、好ましくは、1を表す。
【0239】
特に好ましい基Pは、CH
2=CW
1−COO−、特には、CH
2=CH−COO−、CH
2=C(CH
3)−COO−およびCH
2=CF−COO−、更には、CH
2=CH−O−、(CH
2=CH)
2CH−OCO−、(CH
2=CH)
2CH−O−、
【0241】
非常に特に好ましい基Pは、ビニルオキシ、アクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、クロロアクリレート、オキセタンおよびエポキシド、特には、アクリレートおよびメタアクリレートである。
【0242】
好ましいスペーサー基Spは、基P−Sp−が式P−Sp’−X’−に対応するように、式Sp’−X’より選択され、ただし、
Sp’は、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキレンを表し、該基は、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されていてもよく、ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−O−、−S−、−NH−、−NR
0−、−SiR
00R
000−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR
00−CO−O−、−O−CO−NR
00−、−NR
00−CO−NR
00−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR
00−、−NR
00−CO−、−NR
00−CO−NR
00−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
0−、−CY
2=CY
3−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合を表し、
R
00およびR
000は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルを表し、および
Y
2およびY
3は、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNを表す。
【0243】
X’は、好ましくは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR
0−、−NR
0−CO−、−NR
0−CO−NR
0−または単結合である。
【0244】
典型的なスペーサー基Sp’は、例えば、−(CH
2)
p1−、−(CH
2CH
2O)
q1−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−S−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−NH−CH
2CH
2−または−(SiR
00R
000−O)
p1−であり、式中、p1は1〜12の整数、q1は1〜3の整数、およびR
00およびR
000は上で示される意味を有する。
【0245】
特に好ましい基−X’−Sp’−は、−(CH
2)
p1−、−O−(CH
2)
p1−、−OCO−(CH
2)
p1−、−OCOO−(CH
2)
p1−である。
【0246】
特に好ましい基Sp’は、例えば、それぞれの場合で直鎖状のエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0247】
本発明の更に好ましい実施形態において、P−Sp−は、2個以上の重合性基を含有する基(多官能重合性基)を表す。このタイプの適切な基およびそれらを含有する重合性化合物は、例えば、米国特許第7,060,200号明細書または米国特許出願公開第2006/0172090号公報に記載されている。以下の式より選択される多官能重合性基P−Sp−が特に好ましい。
【0248】
【化74】
式中、
alkylは、単結合、または、直鎖状または分岐状で、1〜12個のC原子を有するアルキレンを表し、ただし、1個以上の隣接していないCH
2基は、それぞれ互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接連結しないようにして、−C(R
00)=C(R
000)−、−C≡C−、−N(R
00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子は、F、ClまたはCNで置き換えられていてもよく、ただし、R
00およびR
000は上で示される意味を有し、
aaおよびbbは、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6を表し、
Xは、X’に示される意味の1つを有し、および
P
1〜5は、それぞれ互いに独立に、Pに示される意味の1つを有する。
【0249】
重合性化合物およびRMは、当業者に既知で、例えば、Houben−Weyl編、Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Thieme−Verlag社、Stuttgart市などの有機化学の標準的な著作に記載されている方法に類似して調製できる。更なる合成法は、上および下で引用される文献において与えられる。最も単純な場合、そのようなRMの合成は、例えば、2,6−ジヒドロキシナフタレンまたは4,4’−ジヒドロキシビフェニルを、例えば、塩化(メタ)アクリロイルまたは(メタ)アクリル酸などの基Pを含有する対応する酸、酸誘導体またはハロゲン化された化合物を使用して、例えば、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)などの脱水剤存在下において、エステル化またはエーテル化することで行う。
【0250】
本発明によるLC混合物およびLC媒体は、原理的に、PSまたはPSAディスプレイの任意のタイプ、特に、負の誘電異方性を有するLC媒体を基礎とするもの、特に好ましくは、PSA−VA、PSA−IPSまたはPS−FFSディスプレイに適している。しかしながら、また、PSまたはPSAタイプの他のディスプレイ(それらは、例えば、それらの基本的な構造において、または、例えば、任意に存在してもよい基板、配向層、電極、アドレス素子、バックライト、偏光子、着色フィルター、補償フィルムなどの使用される個々の部品の性質、配置または構造において、上述のディスプレイと異なっている。)においても、当業者であれば、本発明による適切なLC混合物およびLC媒体を、格段の創造力を発揮することなく用いることができるであろう。
【0251】
非常に特に適切な重合性化合物は、表Dに列記されている。
【0252】
本発明による液晶媒体が少なくとも1種類の重合性化合物を含む場合、それは、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜4.0重量%、特に好ましくは0.2〜2.0重量%の量で媒体中に存在する。
【0253】
本発明による混合物は、更に、例えば、安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、ナノ粒子、ミクロ粒子などの従来の添加剤を含んでよい。
【0254】
本発明による液晶ディスプレイの構造は、例えば、欧州特許出願公開第0 240 379号公報に記載される通りの通常の構成に対応する。
【0255】
以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を説明することを意図している。上および下において、パーセントのデータは重量パーセントを表し、全ての温度は摂氏度で示されている。
【0256】
本特許出願を通して、1,4−シクロへキシレン環および1,4−フェニレン環を以下の通り表記する。
【0257】
【化75】
式IIAおよび/またはIIBおよび/またはIICの化合物、式Iの1種類以上の化合物に加え、本発明による混合物は、好ましくは、下に示す表Aからの1種類以上の化合物を含む。
【0258】
<表A>
以下の略称を使用する:
(n、m、m’、z:それぞれ互いに独立に、1、2、3、4、5または6;(O)C
mH
2m+1はOC
mH
2m+1またはC
mH
2m+1を意味する)。
【0272】
【表14】
本発明によって使用できる液晶混合物は、それ自体従来の様式で調製される。一般に、より少量で使用される成分の所望の量を、主要な組成を構成する成分中で、有利には昇温して溶解する。また、有機溶媒、例えば、アセトン、クロロホルムまたはメタノール中の成分の溶液を混合し、完全に混合後に、例えば、蒸留によって溶媒を再び除去することも可能である。
【0273】
適切な添加剤を利用することで、本発明による液晶相を、例えば、これまで開示されてきたECB、VAN、IPS、GHまたはASM−VA LCDディスプレイの任意のタイプにおいて液晶相を用いることができるように改変できる。
【0274】
また、誘電体は、例えば、UV吸収剤、抗酸化剤、ナノ粒子およびフリーラジカル補足剤などの当業者に既知で文献に記載される更なる添加剤を含んでもよい。例えば、0〜15%の多色性色素、安定化剤またはキラルドーパントを加えることができる。本発明による混合物に適切な安定剤は、特に、表Bに列記されるものである。
【0275】
例えば、0〜15%の多色性色素を加えることができ、更に、導電性塩、好ましくは、4−ヒドロキシ安息香酸エチルジメチルドデシルアンモニウム、テトラフェニルボラン酸テトラブチルアンモニウムまたはクラウンエーテル類の錯塩(例えば、Hallerら、Mol.Cryst.Liq.Cryst.24巻、249〜258頁(1973年)参照)を、導電性を改良するために添加することができ、または、誘電異方性、粘度および/またはネマチック相の配向を改変するための物質を加えることもできる。このタイプの物質は、例えば、ドイツ国特許出願公開第22 09 127、22 40 864、23 21 632、23 38 281、24 50 088、26 37 430および28 53 728号公報に記載されている。
【0276】
表Bに、本発明による混合物に添加できる可能なドーパントを示す。混合物がドーパントを含む場合、0.01〜4重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%の量で用いる。
【0279】
【表16】
例えば、混合物の総量を基礎として10重量%まで、好ましくは0.01〜6重量%、特に0.1〜3重量%の量で、本発明による混合物に添加できる安定剤を下で表Cに示す。好ましい安定剤は、特に、BHT誘導体、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−アルキルフェノール類およびTinuvin770である。
【0285】
【表21】
好ましくは、PSAおよびPS−VA用途における本発明による混合物における使用に適する反応性メソゲン(重合性化合物)を下で表Dに示す。
【0286】
本発明による媒体において反応性メソゲン化合物(重合性化合物)として好ましくは使用できる例示化合物を、表Dに示す。
【実施例】
【0297】
以下の例は、本発明を制限することなく説明することを意図する。例において、m.p.は融点を摂氏度で表し、Cは液晶物質の透明点を摂氏度で表し;沸点はb.p.で表される。
【0298】
更に:Cは結晶固体状態を表し、Sはスメクチック相を表し(添字は相のタイプを表し)、Nはネマチック状態を表し、Chはコレステリック相を表し、Iは等方相を表し、Tgはガラス転移点を表す。2つの記号の間の数字は、転移温度を摂氏度で示す。
【0299】
式Iの化合物の光学的異方性Δnを決定するために使用されるホスト混合物は、商業的に入手可能な混合物ZLI−4792(メルク社)である。誘電異方性Δεは、入手可能な混合物ZLI−2857を使用して決定する。検討されるべき化合物の物理的データは、検討されるべき化合物を添加し、用いられる化合物を100%に外挿した後におけるホスト混合物の誘電定数の変化より得られる。溶解性にもよるが、一般に、検討されるべき化合物の10%をホスト混合物に溶解する。
【0300】
他に示さない限り、部またはパーセントのデータは重量部または重量パーセントを表す。
【0301】
定型操作とは、水を加え、混合物を塩化メチレンで抽出し、相を分離し、有機相を乾燥および蒸発させ、生成物を結晶化および/またはクロマトグラフィーで精製することを意味する。
【0302】
<例1>
【0303】
【化76】
<工程1>
最初に、63.3gの1を1.0リットルのアセトニトリル中に導入し、254.7gのセレクトフルオルおよび更に2リットルのアセトニトリルを添加する。約1時間かけて、濁った反応溶液を35℃まで温める。淡黄−緑色の濁った溶液を、室温で一晩攪拌する。定型操作によって、153gの褐−緑色の結晶を与える。エタノールより再結晶後、結晶2を10℃において吸引で濾別する。
【0304】
<工程2>
最初に、284.8gの2を1270mlのプロパノール中に導入し、130mlの水および600mlのTHF、次いで、24.8gの新たに粉末にされた水素化ホウ素ナトリウムを、25℃から最高35℃までで僅かに冷却しながら数回に分けて導入する。色が、黄色から薄茶色を経て橙色に変化する。混合物を更に3時間攪拌し、その間、温度を約29〜30℃で一定に保つ。反応が収まり沈殿が生じたら、固体を濾別し、母液を蒸発させ、残渣を1200mlの水および1200mlのメチルtert−ブチルエーテルで攪拌し、酸性として、有機相を分離し、乾燥し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。残渣を1200mlのトリエチルアミンと混合し、室温で一晩攪拌する。混合物をロータリーエバポレーター中で蒸発させ、残渣を500mlのジクロロメタン中に溶解し、希HClと振盪して溶液を洗浄する。溶媒を除去して、褐色の結晶3を与える。
【0305】
<工程3>
4.5gのブロモプロパンおよび6.3gの炭酸カリウムと共に、100mlのエチルメチルケトン中において、7.9gの3を懸濁し、懸濁液を還流下で一晩沸騰し、褐色がかった結晶4を与える。
【0306】
<工程4>
最初に、9.5gの4を180mlのTHF中に導入し、混合物を−70℃まで冷却し、この温度において、26.1mlのヘキサン中1.6MのBuLiを滴下で添加する。混合物を放置して30分攪拌した後、同様に−70℃において、4.7mlのホウ酸トリメチルを滴下で添加する。混合物を放置して−10℃まで温め、7.4mlの水および4.9mlの氷酢酸の混合物を添加する。次いで、混合物を約30℃まで温め、12.1mlの過酸化水素(30%)を滴下で加える。温度は30〜35℃である。滴下による添加が完了の時点で、温度は50℃まで上昇する。混合物を、45〜50℃において更に1時間および室温において一晩攪拌する。水をバッチに添加し、もはや発熱反応が顕著でなくなるまで、固体の硫酸アンモニウム鉄(II)を添加する。生成物をトルエンより再結晶し、約0℃において吸引により、結晶5を濾別する。
【0307】
<工程5>
1.6gのブロモプロパンおよび2.3gの炭酸カリウムと共に、50mlのエチルメチルケトン中において、3.7gの5を懸濁し、懸濁液を還流下で一晩沸騰する。定型操作によって、褐色がかった結晶6を与える。C31I;Δn=0.0989;Δε=−13.1;γ
1=137。
【0308】
類似して、下式の以下の化合物を調製する。
【0309】
【化77】
【0310】
【表31】
上および下において、
V
0は、20℃における容量閾電圧[V]を表し、
Δnは、20℃および589nmにおける光学的異方性を表し、
Δεは、20℃および1kHzにおける誘電異方性を表し、
cl.p.は、透明点[℃]を表し、
K
1は、20℃における「スプレイ(splay)」変形に対する弾性定数[pN]を表し、
K
3は、20℃における「ベンド(bend)」変形に対する弾性定数[pN]を表し、
γ
1は、20℃において測定され、磁界内回転法で決定される回転粘度[mPa・s]を表し、
LTSは、試験用セル内で決定される低温安定性(ネマチック相)を表す。
【0311】
容量閾電圧の測定用に使用されるディスプレイは、20μmの間隔で離れている2枚の平坦で平行な外板と、外板の内側でSE−1211(日産化学社)の配向層で覆われた電極層とを有し、配向層は液晶のホメオトロピック配向をもたらす。
【0312】
他に明らかに示さない限り、本出願において全ての濃度は、対応する混合物または混合物成分に関する。全ての物理的特性は「メルク液晶、液晶の物理的特性」1997年11月、ドイツ国メルク社に記載される通りに決定され、他に明らかに示さない限り、20℃の温度が適用される。
【0313】
<混合物例>
【0314】
【表32】
【0315】
【表33】
【0316】
【表34】
【0317】
【表35】
【0318】
【表36】
【0319】
【表37】
<例M7>
PS−VA混合物を調製するために、例M6による99.8%の混合物を、下式の0.2%の重合性化合物と混合する。
【0320】
【化78】
PS−VA混合物を、ホメオトロピック配向を有するセル内に導入する。24Vの電圧を印加後、100mW/cm
2の強度のUV光でセルを照射する。
【0321】
【表38】
【0322】
【表39】
【0323】
【表40】