特許第6141293号(P6141293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6141293行動傾向の特定方法および行動傾向の特定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141293
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】行動傾向の特定方法および行動傾向の特定システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20170529BHJP
   G06Q 50/24 20120101ALI20170529BHJP
【FI】
   G06Q50/22
   G06Q50/24
【請求項の数】17
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-538114(P2014-538114)
(86)(22)【出願日】2013年8月26日
(86)【国際出願番号】JP2013005029
(87)【国際公開番号】WO2014049953
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2016年2月22日
(31)【優先権主張番号】61/710,025
(32)【優先日】2012年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】特願2012-217907(P2012-217907)
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】坂田 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】丸山 友朗
(72)【発明者】
【氏名】近藤 健二
(72)【発明者】
【氏名】東島 勝義
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩明
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−159932(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/010232(WO,A1)
【文献】 特開2001−344424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器の動作状態と、前記機器を使用するユーザを識別するためのユーザ情報とが関連付けられた動作情報を受信する通信ステップと、
前記通信ステップにおいて受信した前記動作情報を第一記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記複数の機器のうちの1以上の機器の動作状態の組と、予め定められたユーザの行動の傾向とが関連付けられている行動傾向情報を、第二記憶部から読み出す読出しステップと、
前記読出しステップにおいて読み出した前記行動傾向情報と、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報とに基づいて、前記行動傾向情報に含まれる前記1以上の機器の動作状態の組を、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報の中から照合することにより、該当した動作状態の組に対応する予め定められたユーザの行動の傾向を特定する特定ステップと、を含み、
前記動作状態は、前記ユーザ情報で関連付けられた前記ユーザによる前記機器の操作に基づく状態情報と、前記機器が有しているセンサで検知した検知結果に基づく状態情報との、少なくとも一つを含み、
前記動作情報は、前記複数の機器のそれぞれにおいて、複数のタイミングで生成され、かつ、当該タイミングにおける当該機器の動作状態を含み、
前記行動傾向情報は、行動を行うべき時刻および当該行動に要する時間を示す生活行動の望ましい規則性のモデルであり、
前記特定ステップでは、前記モデルと、受信した前記動作状態が生成されたタイミングにおける時刻及び当該動作状態が継続した時間とを比較し、比較した結果、相関が高いほど望ましい生活習慣であると特定する
行動傾向の特定方法。
【請求項2】
前記読出しステップでは、前記動作状態の種類毎に関連付けられており、かつ、前記ユーザに関する評価値を増減させるための指標を、前記ユーザの行動の傾向とする前記行動傾向情報を取得し、
前記特定ステップでは、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報を、前記行動傾向情報と比較することによって前記評価値を算出することで、前記ユーザの行動の傾向を特定する
請求項1に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項3】
さらに、
前記ユーザ情報に関連付けられた動作情報を提供する機器の数と、当該機器の種別との少なくともいずれかに基づいて、前記評価値を調整する調整ステップを含む
請求項2に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項4】
前記調整ステップでは、前記ユーザ情報に関連付けられた動作情報を提供する機器の数が多いほど、前記特定ステップにおいて算出された当該ユーザの前記評価値をより低い値に調整する
請求項3に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項5】
前記調整ステップでは、前記ユーザ情報に関連付けられた動作情報に、重要度が高い情報が多く含まれているほど、前記特定ステップにおいて算出された当該ユーザの前記評価値をより低い値に調整する
請求項3または4に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項6】
前記重要度が高い情報種別は尿データである
請求項5に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項7】
前記重要度が高い情報種別は血糖値データである
請求項5または6に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項8】
前記行動傾向情報の前記指標は、前記ユーザの疾患に対するリスクを算出するための指標であり、
前記特定ステップでは、前記第一記憶部に記憶されている前記動作情報を、前記行動傾向情報と比較することによって前記リスクを算出することで、前記ユーザの行動の傾向を特定する
請求項2から7のいずれか1項に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項9】
前記疾患は生活習慣病である
請求項8に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項10】
前記複数の機器は、冷蔵庫を含み、
前記行動傾向情報の前記指標は、夜間ないし就寝前の前記冷蔵庫の開閉頻度が多いほど当該ユーザの前記リスクを大きく算出するための指標である
請求項8または9に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項11】
前記複数の機器は、掃除機を含み、
前記行動傾向情報の前記指標は、掃除機の運転頻度、運転時間が少ないほど当該ユーザの前記リスクを大きく算出するための指標である
請求項8から10のいずれか1項に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項12】
前記複数の機器は、電動歯ブラシを含み、
前記行動傾向情報の前記指標は、電動歯ブラシの使用頻度および使用時間の少なくとも一方が少ないほど当該ユーザの前記リスクを大きく算出するための指標である
請求項8から11のいずれか1項に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項13】
前記複数の機器は、空気清浄機を含み、
前記行動傾向情報の前記指標は、空気清浄機のホコリセンサの値が大きいほど当該ユーザの前記リスクを大きく算出するための指標である
請求項8から12のいずれか1項に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項14】
さらに、
前記特定ステップにおいて算出された前記評価値に基づいて、前記評価値に対する経済的対価を算定する対価算定ステップを含む
請求項2から13のいずれか1項に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項15】
前記対価算定ステップでは、前記経済的対価として前記ユーザに付与するポイントを算出する
請求項14に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項16】
前記対価算定ステップでは、前記経済的対価として前記ユーザに対する保険の保険料を算出する
請求項14に記載の行動傾向の特定方法。
【請求項17】
家電機器を含む複数の機器の動作状態と、前記機器を使用するユーザを識別するためのユーザ情報とが関連付けられた動作情報を受信する通信部と、
前記通信部において受信した前記動作情報を記憶する第一記憶部と、
前記複数の機器のうちの1以上の機器の動作状態の組と、予め定められたユーザの行動の傾向とが関連付けられている行動傾向情報を記憶している第二記憶部と、
前記第二記憶部に記憶されている前記行動傾向情報と、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報とを読み出して、前記行動傾向情報に含まれる前記1以上の機器の動作状態の組を、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報の中から照合することにより、該当した動作状態の組に対応する予め定められたユーザの行動の傾向を特定する特定部と、を備え、
前記動作状態は、前記ユーザ情報で関連付けられた前記ユーザによる前記機器の操作に基づく状態情報と、前記機器が有しているセンサで検知した検知結果に基づく状態情報との、少なくとも一つを含み、
前記動作情報は、前記複数の機器のそれぞれにおいて、複数のタイミングで生成され、かつ、当該タイミングにおける当該機器の動作状態を含み、
前記行動傾向情報は、行動を行うべき時刻および当該行動に要する時間を示す生活行動の望ましい規則性のモデルであり、
前記特定部は、前記モデルと、受信した前記動作状態が生成されたタイミングにおける時刻及び当該動作状態が継続した時間とを比較し、比較した結果、相関が高いほど望ましい生活習慣であると特定する
行動傾向の特定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機器から取得した動作情報を統合し、ユーザの行動の傾向を特定する行動傾向の特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運動および飲食に関する情報を取得し、運動および飲食を総合したアドバイス、アラームを利用者の携帯電話宛ての電子メールに対して発信するサーバが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、対象者識別情報と関連付けた生体情報に基づいて、予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出するものが知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−24404号公報
【特許文献2】特開2010−231308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、ユーザの生活行動に基づいたユーザの行動の傾向を多面的な観点から特定することは難しい。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ユーザの生活行動に基づいたユーザの行動の傾向を多面的な観点から特定する行動傾向の特定方法および特定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る行動傾向の特定方法は、複数の機器の動作状態と、ユーザを識別するためのユーザ情報とが関連付けられた動作情報を受信する通信ステップと、前記通信ステップにおいて受信した前記動作情報を第一記憶部に記憶する記憶ステップと、前記複数の機器のうちの1以上の機器の動作状態の組と、予め定められたユーザの行動の傾向とが関連付けられている行動傾向情報を、第二記憶部から読み出す読出しステップと、前記読出しステップにおいて読み出した前記行動傾向情報と、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報とに基づいて、前記行動傾向情報に含まれる前記1以上の機器の動作状態の組を、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報の中から照合することにより、該当した動作状態の組に対応する予め定められたユーザの行動の傾向を特定する特定ステップと、を含み、前記動作状態は、前記ユーザ情報で関連付けられた前記ユーザによる前記機器の操作に基づく状態情報と、前記機器が有しているセンサで検知した検知結果に基づく状態情報との、少なくとも一つを含み、前記動作情報は、前記複数の機器のそれぞれにおいて、複数のタイミングで生成され、かつ、当該タイミングにおける当該機器の動作状態を含み、前記行動傾向情報は、行動を行うべき時刻および当該行動に要する時間を示す生活行動の望ましい規則性のモデルであり、前記特定ステップでは、前記モデルと、受信した前記動作状態が生成されたタイミングにおける時刻及び当該動作状態が継続した時間とを比較し、比較した結果、相関が高いほど望ましい生活習慣であると特定する
【0008】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の行動傾向の特定方法および行動傾向の特定システムによれば、ユーザの生活行動に基づいたユーザの行動の傾向を多面的な観点から特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態1におけるシステム構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1におけるサーバ装置の構成図である。
図3A図3Aは、本発明の実施の形態1における第一記憶部のデータ例を示す図である。
図3B図3Bは、本発明の実施の形態1における第一記憶部のデータ例を示す図である。
図4A図4Aは、本発明の実施の形態1における第二記憶部のデータ例を示す図である。
図4B図4Bは、本発明の実施の形態1における第二記憶部のデータ例とユーザの実データ例を示す図である。
図4C図4Cは、本発明の実施の形態1における第二記憶部のデータ例とユーザの実データ例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態1における特定部のフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施の形態2におけるサーバ装置の構成図である。
図7図7は、本発明の実施の形態2における調整部のフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施の形態3におけるサーバ装置の構成図である。
図9A図9Aは、本発明の実施の形態3における対価算定部のフローチャートである。
図9B図9Bは、本発明の実施の形態3における対価算定部のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、サーバなどに関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0012】
特許文献1では、具体的には、運動量計測装置またはGPS機能を備えた携帯電話から、ユーザの運動量が自動的に取得され、また、メニュー単位に栄養素情報を管理したキャッシュレジスターにより、ユーザの飲食状況が取得される。そして、これらの運動量および飲食状況は、ともにインターネットを通じて、サーバに対して情報登録され、運動および飲食を総合したアドバイスがサーバにより生成されることになる。
【0013】
しかしながら、特許文献1では、キャッシュレジスターから飲食情報を取得するため、ユーザが購入または飲食した飲食物の栄養について管理できるが、ユーザが実際に飲食したタイミングまで管理することは難しい。また、キャッシュレジスターが対応していなければ、当該情報を取得することはできないため、ユーザは、PCなどの情報端末で当該情報を入力し、サーバに対して送信する必要がある。
【0014】
また、特許文献2では、ユーザ端末に対して生体情報を入力する必要があり、手間がかかる。
【0015】
以上のように、従来技術では、ユーザに情報を入力させる手間を生じさせずに、ユーザの行動の傾向を多面的に特定することは難しいという課題を有していた。特に、家庭内の生活行動を専用の計測装置を用いずにセンシングし、ユーザの行動の傾向を特定することは困難であった。
【0016】
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る行動傾向の特定方法は、複数の機器の動作状態と、ユーザを識別するためのユーザ情報とが関連付けられた動作情報を受信する通信ステップと、前記通信ステップにおいて受信した前記動作情報を第一記憶部に記憶する記憶ステップと、前記複数の機器のうちの1以上の機器の動作状態の組と、予め定められたユーザの行動の傾向とが関連付けられている行動傾向情報を、第二記憶部から読み出す読出しステップと、前記読出しステップにおいて読み出した前記行動傾向情報と、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報とに基づいて、前記行動傾向情報に含まれる前記1以上の機器の動作状態の組を、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報の中から照合することにより、該当した動作状態の組に対応する予め定められたユーザの行動の傾向を特定する特定ステップと、を含む。
【0017】
これによれば、家電機器を含む複数の機器の動作状態からユーザの日常の生活行動を特定できるため、ユーザの行動の傾向を多面的に特定することができる。
【0018】
また、例えば、前記動作情報は、前記複数の機器のそれぞれにおいて、複数のタイミングで生成され、かつ、当該タイミングにおける当該機器の動作状態を含み、前記特定ステップでは、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報を、前記行動傾向情報と比較することにより前記ユーザの行動が適した時刻に行われたか否かの判定を行い、当該判定の結果に基づいてユーザの行動の傾向を特定してもよい。
【0019】
これにより、就寝時刻や起床時刻の適時性、すなわち早寝早起きであるか、また、食事の時間帯が望ましい時間帯から外れていたり、偏っていたりしないか、夜食の頻度が多くないか、といった行動の適時性からユーザの行動の傾向を特定することができる。
【0020】
また、例えば、前記動作情報は、前記複数の機器のそれぞれにおいて、複数のタイミングで生成され、かつ、当該タイミングにおける当該機器の動作状態を含み、前記特定ステップでは、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報を、前記行動傾向情報と比較することにより前記ユーザの行動が規則正しいか否かの判定を行い、当該判定の結果に基づいてユーザの行動の傾向を特定してもよい。
【0021】
これにより、睡眠時間が規則正しくとられているか、掃除や歯磨きが適切な周期と頻度で行われているか、といった行動の規則性からユーザの行動の傾向を特定することができる。
【0022】
また、例えば、前記読出しステップでは、前記動作状態の種類毎に関連付けられており、かつ、前記ユーザに関する評価値を増減させるための指標を、前記ユーザの行動の傾向とする前記行動傾向情報を取得し、前記特定ステップでは、前記第一記憶部に記憶された前記動作情報を、前記行動傾向情報と比較することによって前記評価値を算出することで、前記ユーザの行動の傾向を特定してもよい。
【0023】
これにより、複数の機器のうちの1以上の機器の動作状態により特定されるユーザの複数種類の行動から、ユーザの行動の傾向を一つの評価値に統合して評価することができる。
【0024】
また、例えば、さらに、前記ユーザ情報に関連付けられた動作情報を提供する機器の数と、当該機器の種別との少なくともいずれかに基づいて、前記評価値を調整する調整ステップを含んでもよい。
【0025】
これにより、ユーザが情報を提供する機器の数や種別に応じてユーザの行動の傾向の分析を調整することが可能となる。
【0026】
また、例えば、前記調整ステップでは、前記ユーザ情報に関連付けられた動作情報を提供する機器の数が多いほど、前記特定ステップにおいて算出された当該ユーザの前記評価値をより低い値に調整してもよい。
【0027】
これにより、多くの情報提供を行うインセンティブをユーザに与えることが可能となる。ひいては、該当機器の購入をユーザに促すことにもなる。
【0028】
また、例えば、前記調整ステップでは、前記ユーザ情報に関連付けられた動作情報に、重要度が高い情報が多く含まれているほど、前記特定ステップにおいて算出された当該ユーザの前記評価値をより低い値に調整してもよい。なお、前記重要度が高い情報種別は、尿データとしてもよいし、血糖値データとしてもよい。
【0029】
これにより、より重要度の高い情報種別の情報を提供するインセンティブをユーザに与えることが可能となる。ひいては、重要度の高い情報を提供しうる機器の購入をユーザに促すことにもなる。
【0030】
また、例えば、前記行動傾向情報の前記指標は、前記ユーザの疾患に対するリスクを算出するための指標であり、前記特定ステップでは、前記第一記憶部に記憶されている前記動作情報を、前記行動傾向情報と比較することによって前記リスクを算出することで、前記ユーザの行動の傾向を特定してもよい。なお、前記疾患は生活習慣病としてもよい。
【0031】
これにより、日常の生活行動を反映した疾患の発症リスクの算出が可能となる。特に、生活習慣病は、日常の生活習慣が発症の大きな要因であり、生活習慣病の高精度なリスクの算出が可能となる。
【0032】
また、例えば、前記複数の機器は、冷蔵庫を含み、前記行動傾向情報の前記指標は、夜間ないし就寝前の前記冷蔵庫の開閉頻度が多いほど当該ユーザの前記リスクを大きく算出するための指標としてもよい。
【0033】
これにより、ユーザの夜食の頻度等から分かる食習慣を反映したリスクの算定が可能となる。
【0034】
また、例えば、前記複数の機器は、掃除機を含み、前記行動傾向情報の前記指標は、掃除機の運転頻度、運転時間が少ないほど当該ユーザの前記リスクを大きく算出するための指標としてもよい。
【0035】
これにより、ユーザの掃除の頻度等から分かる空間の衛生状態を反映したリスクの算定が可能となる。
【0036】
また、例えば、前記複数の機器は、電動歯ブラシを含み、前記行動傾向情報の前記指標は、電動歯ブラシの使用頻度および使用時間の少なくとも一方が少ないほど当該ユーザの前記リスクを大きく算出するための指標としてもよい。
【0037】
これにより、ユーザの歯磨きの頻度等から分かる衛生習慣を反映したリスクの算定が可能となる。
【0038】
また、例えば、前記複数の機器は、空気清浄機を含み、前記行動傾向情報の前記指標は、空気清浄機のホコリセンサの値が大きいほど当該ユーザの前記リスクを大きく算出するための指標としてもよい。
【0039】
これにより、空間の空質状態を反映したリスクの算定が可能となる。
【0040】
また、例えば、さらに、前記特定ステップにおいて算出された前記評価値に基づいて、前記評価値に対する経済的対価を算定する対価算定ステップを含んでもよい。なお、前記対価算定ステップでは、前記経済的対価として前記ユーザに付与するポイントを算出してもよい。例えば、前記対価算定ステップでは、前記経済的対価として前記ユーザに対する保険の保険料を算出してもよい。
【0041】
これにより、日常の生活行動の好ましさに基づき経済的対価が算定されることで、ユーザに生活行動の改善のインセンティブを与えることが可能となる。
【0042】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0043】
以下、本発明の一態様に係る行動傾向の特定方法および行動傾向の特定システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0044】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるシステム構成図である。
【0045】
図1に示すように、ネットワークに接続する機能を有する機器102は、ネットワークを介して外部のサーバ装置101と接続され、プログラムの送受信、ユーザに関連するデータの送受信、機器をコントロールするための制御データの送受信等のデータ送受信が行われる。
【0046】
ここで、機器とは、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、空気清浄機、電動歯ブラシ、ドライヤー等の家電機器やパーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレットといった情報端末、血糖値センサ装置等のセンサ装置、トイレ、バスルーム、ミラー、照明等を含むあらゆる機器またはシステムを示す。
【0047】
図2は、本発明の実施の形態1におけるサーバ装置の構成図である。
【0048】
図2に示すように、サーバ装置101aは、通信部201、第一記憶部202、第二記憶部203、および特定部204から構成される。なお、サーバ装置101aは、図1に示すサーバ装置101の一形態である。
【0049】
サーバ装置101aは、具体的には図示されていないマイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクなどから構成される。前記ROM、RAM、およびハードディスクにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記マイクロプロセッサが前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、サーバ装置101aはその機能を果たす。
【0050】
なお、通信部201、第一記憶部202、第二記憶部203、および特定部204の各機能ブロックは、ソフトウェアで実現されてもよいし、集積回路(つまり、ハードウェア)であるLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)とソフトウェアとの組み合わせ、もしくは、LSI(つまり、ハードウェア)で実現されてもよい。
【0051】
(1)通信部
通信部201は、各機器から送信された機器の動作状態の変化情報とそれに関連付けられたユーザ情報を受信する。
【0052】
ここで、機器とは、上述のとおり、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、空気清浄機、電動歯ブラシ、ドライヤー等の家電機器やパーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレットといった情報端末、血糖値センサ装置等のセンサ装置、トイレ、バスルーム、ミラー、照明等の住宅単位で設置されているあらゆる機器またはシステムを示す。
【0053】
また、ユーザ情報は、ユーザ毎に、ユーザを識別するための固有の識別子(以下、「ユーザID」という)を含む。ユーザIDは、ユーザ個々人に付与されてもよいし、当該機器を使用するユーザの集合に付与されてもよい。すなわち、例えば、家族や同居人毎にIDを付与されてもよい。ユーザIDは、機器の販売時など適切なタイミングで、オフライン操作またはオンライン操作により機器の制御部に記録される。
【0054】
複数の機器のそれぞれには、固有の識別子(以下、「機器ID」という)があらかじめ割り当てられている。機器IDは、複数の機器のそれぞれについて、当該機器の製造時に当該機器の制御部に記録される。これに加えて、複数の機器のそれぞれは、当該機器の制御部が当該機器の動作状態を表す機器状態を管理する。機器状態は、例えば、機器の入力部において新たな操作が指示されたときや、機器が有しているセンサで検出された検出結果が予め定められた結果に変化したとき、予め定められた時刻に到達したときなどにおいて処理部の状態が変化することにより、変化する。なお、機器IDは、機器の製造時に制御部に記録されるとしたが、製造時に限らず、適切なタイミングでオフライン操作またはオンライン操作によって当該機器の制御部に記録してもよい。
【0055】
複数の機器のそれぞれは、あらかじめ定められたタイミングで、当該機器の動作状態を示す動作情報をサーバ装置に送信する。具体的には、当該機器の制御部が、ユーザIDと機器IDと機器状態とが関連付けられた動作情報を生成する。そして、通信部201が、当該機器の制御部により生成された動作情報を、ネットワークを経由して受信する。なお、各機器の制御部は、予め定められた複数のタイミングで、当該タイミングにおける動作情報を生成してもよい。サーバ装置101aの通信部201に対して送信するタイミングで動作情報を生成してもよいし、動作情報を送信するタイミングとは独立したタイミングで動作情報を生成してもよい。
【0056】
各機器が動作情報を送信するタイミングおよびその頻度は、任意でよい。例えば、機器は、電源が供給されている間は5分に1回程度の頻度で定期的に動作情報を送信してもよい。また、同様に、各機器が動作情報を生成するタイミングおよびその頻度は任意でよい。
【0057】
(2)第一記憶部
第一記憶部202は、通信部201で受信した複数の機器のそれぞれで生成された動作情報を記憶する。
【0058】
図3A図3Bは、本発明の実施の形態1における第一記憶部202のデータ例である。図3A図3Bでは示していないが、タイムスタンプの情報も記憶してもよい。つまり、動作情報には、動作情報が生成されたタイミングを示すタイムスタンプの情報がさらに関連付けられていてもよい。
【0059】
図3A図3Bに示すように、第一記憶部202には、少なくともユーザID301、機器ID302、および動作状態303が記憶されている。
【0060】
図3A図3Bの例では、機器ID302の先頭のアルファベットが機器の種別を表しており、先頭から2文字目の数字が、当該機器が提供する情報の重要度のレベルを「レベル1(低)」〜「レベル9(高)」の9段階で表している。図3Aに示されている機器ID302の「A73214E」は、先頭の「A」が、空気清浄機であることを示し、先頭から2文字目の「7」が、当該空気清浄機が提供する情報の重要度のレベルが「レベル7」であることを示している。同様に、図3Bに示されている機器ID302の「O63214A」は、先頭の「O」がオーブンレンジであることを示し、先頭から2文字目の「6」が、当該オーブンレンジが提供する情報の重要度のレベルが「レベル6」であることを示している。
【0061】
同じ機器の種別であっても、機種によって搭載されているセンサ等が異なるため、機器が提供する情報の重要度は変わる。例えば、空気清浄機のすべての機種に、ハウスダストを検出するセンサが搭載されている一方で、においセンサが、上位機種のみに搭載され、中位機種、下位機種には搭載されていない場合、上位機種が提供する情報の重要度のレベルは、中位機種や下位機種が提供する情報の重要度のレベルよりもセンサの種類が多くなるため高くなる。また、同じ種類のセンサ(例えばにおいセンサ)が搭載されている機種の中でも、においの種類の判別の精度によって、各機種が提供する情報の重要度のレベルに差が出る。このため、精度の高い判別が可能なにおいセンサを有する機種が提供する重要度のレベルを、精度の低い判別しかできないにおいセンサを有する機種が提供する重要度のレベルよりも高くしてもよい。つまり、搭載されているセンサの種類が多い機種ほど提供する情報の重要度のレベルを高くしてもよいし、搭載されているセンサの精度が高い機種ほど提供する情報の重要度のレベルを高くしてもよい。
【0062】
また、機器の動作状態は、図3Aに示す「おまかせモード開始」といった機器の動作状態に加えて、図3Aに示す「ハウスダストレベル高」や、図3Bに示す「トイレ尿蛋白(−)糖(−)・・・」といった機器に搭載されたセンサの出力値も含む。
【0063】
(3)第二記憶部
第二記憶部203は、ユーザの行動の傾向を特徴づける機器の動作パターンを記憶している。つまり、第二記憶部203は、複数の機器農地の1以上の機器の動作状態の組と、予め定められたユーザの行動の傾向とが関連付けられた行動傾向情報を記憶している。
【0064】
図4A図4Bの(a)および図4Cの(a)は、本発明の実施の形態1における第二記憶部203に記憶されている行動傾向情報のデータ例であり、図4Bの(b)および図4Cの(b)は、実施の形態1におけるユーザについて取得された動作状態から特定される行動情報の実データ例である。
【0065】
図4Aに示すように、第二記憶部203は、機器種別401、動作状態402、時間帯403、頻度404等からなる動作パターンと、当該動作パターンに対応付けられるユーザの行動の傾向405とを記憶する。
【0066】
図4Aでは、「機器種別;動作状態;時間帯;頻度;傾向」の例として、「R;ドア開閉;21:00−5:00;少ない;食習慣(+)」、「D;ON;−;1日3回;衛生(−)」、「A;においセンサ高;−;多い;喫煙(+)」、および「L、C;OFF、OFF;22:00−6:00;1日1回;睡眠(+)」が示されている。「R;ドア開閉;21:00−5:00;少ない;食習慣(+)」は、「冷蔵庫の開閉時間が21:00−5:00の間で少なければ、好ましい食習慣である」ことを示す。「D;ON;−;1日3回;衛生(−)」は、「電動歯ブラシが1日3回ONであれば、好ましい衛生習慣である」ことを示す。「A;においセンサ高;−;多い;喫煙(+)」は、空気清浄機のにおいセンサが高い値を示しており、特に、タバコのにおいと判別されている頻度が高ければ、喫煙習慣があり、好ましくない」ことを示す。「L、C;OFF、OFF;22:00−6:00;1日1回;睡眠(+)」は、寝室の照明がOFFで、かつエアコンの人感センサ等が睡眠状態と判定した時間帯が、22:00−6:00に近ければ、睡眠習慣が好ましい」ことを示す。「L、C;OFF、OFF;22:00−6:00;1日1回;睡眠(+)」のように、複数の機器の動作状態を統合した動作パターンと、ユーザの行動の傾向を対応付けたモデルを有することは、特定部204での高精度な分析に資する。つまり、行動傾向情報は、複数の機器のうちの1つの機器から得られる動作状態と、予め定められたユーザの行動の傾向とが関連付けられていてもよいし、複数の機器のうちの2つ以上の機器の組み合わせから得られる動作状態と、予め定められたユーザの行動の傾向とが関連付けられていてもよい。
【0067】
なお、図4Aでは、ユーザの行動の傾向として、食習慣、衛生習慣、喫煙、睡眠等の傾向を例示しているが、もちろんこれに限定される訳ではない。例えば、ユーザの行動の傾向として、「せっかち」、「おっちょこちょい」、「冷静」といった性格を示す情報としてもよい。
【0068】
また、図4Bの(a)および図4Cの(a)に示すように、第二記憶部203は、睡眠、食事などの行動の望ましい規則性のモデルを行動傾向情報として記憶していてもよい。図4Bの(a)は、22:00−6:00の8時間、睡眠することが望ましいことを示すモデルを示している。図4Cの(a)は、1日3回、所定の時間帯に食事をとることが望ましいことを示すモデルを示している。
【0069】
また、特定部204は、図4Bの(a)および図4Cの(a)に示されるモデルと、図4Bの(b)および図4Cの(b)に示されるユーザの実データとを比較し、図4Bの(a)および図4Bの(b)の相関が高ければ当該ユーザが望ましい睡眠習慣であると特定でき、図4C(a)と図4C(b)の相関が高ければ当該ユーザが望ましい食習慣であると特定できる。
【0070】
(4)特定部
特定部204は、特定部204は、第二記憶部203に記憶されている行動傾向情報を読み出して、読み出した行動傾向情報と、第一記憶部202に記憶された動作情報とに基づいて、行動傾向情報に含まれる1以上の機器の動作状態の組を、第一記憶部202に記憶された動作情報の中から参照することにより、該当した動作状態の組に対応する予め定められたユーザの行動の傾向を特定する。
【0071】
特定部204は、図4A図4Bの(a)および図4Cの(a)に示されている第二記憶部203に記憶されている行動傾向情報としてのモデルを参照し、行動の適時性に基づきユーザの行動の傾向を特定してもよい。つまり、特定部204は、第一記憶部202に記憶された動作情報を、行動傾向情報と比較することによりユーザの行動が適した時刻に行われたか否かの判定を行い、当該判定の結果に基づいてユーザの行動の傾向を特定してもよい。
【0072】
これにより、就寝時刻や起床時刻の適時性、すなわち早寝早起きであるか、また、食事の時間帯が偏っていないか、夜食の頻度が多くないか、といった行動の適時性からユーザの行動の傾向を特定できる。
【0073】
また、特定部204は、図4A図4B(a)および図4C(a)に示されている第二記憶部203に記憶されている行動傾向情報としてのモデルを参照し、行動の規則性に基づきユーザの行動の傾向を特定してもよい。つまり、特定部204は、第一記憶部202に記憶された動作情報を、行動傾向情報と比較することによりユーザの行動が規則正しいか否かの判定を行い、当該判定の結果に基づいてユーザの行動の傾向を特定してもよい。
【0074】
これにより、睡眠時間が規則正しくとられているか、掃除や歯磨きが適切な周期で行われているか、といった行動の規則性からユーザの行動の傾向を特定できる。
【0075】
図5は、本発明の実施の形態1におけるサーバ装置101aにより行われる行動傾向の特定方法のフローチャートである。
【0076】
サーバ装置101aの動作について、図5を用いて説明する。
【0077】
まず、通信部201は、複数の機器102のそれぞれから動作情報を受信する(S501:通信ステップ)。
【0078】
次に、ステップS501において受信した動作情報を第一記憶部202に記憶する(S502:記憶ステップ)。
【0079】
第二記憶部から行動傾向情報を読み出す(S503:読出しステップ)。
【0080】
そして、読み出された行動傾向情報と、前記第一記憶部202に記憶された動作情報とに基づいて、行動傾向情報に含まれる1以上の機器の動作状態の組を、第一記憶部202に記憶された動作情報の中から照合することにより、該当した動作状態の組に対応する予め定められたユーザの行動の傾向を特定する(S504:特定ステップ)。
【0081】
また、ユーザの行動の傾向は、例えば、疾患のリスク(評価値)を指してもよい。
【0082】
第二記憶部203は、動作状態の種類毎に関連付けられており、かつ、ユーザに関する評価値を増減させるための指標を、ユーザの行動の傾向とする行動傾向情報を記憶していてもよい。このとき、特定部204は、第一記憶部202に記憶された動作情報を、行動傾向情報と比較することによって評価値を算出することで、ユーザの行動の傾向を特定してもよい。
【0083】
行動傾向情報の指標は、例えば、ユーザの疾患に対するリスクを算出させるための指標としてもよい。この場合、第二記憶部203は、各種疾患のリスクを増減させる機器の動作状態を記憶しており、特定部204は、第二記憶部203に記憶されている機器の動作状態を照合することで抽出されたリスクに基づいて各疾患の発症のリスクを算出してもよい。つまり、特定部204は、第一記憶部202に記憶されている動作情報を、行動傾向情報と比較することによってリスクを算出することで、ユーザの行動の傾向を特定してもよい。また、疾患は生活習慣病であってもよい。
【0084】
生活習慣病とは、生活習慣が要因となって発生する疾患の総称である。食習慣、運動習慣、睡眠習慣、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する。生活習慣病の例としては、糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症、肥満などが知られている。
【0085】
生活習慣病の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
【0086】
(a)食習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
(b)運動習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
(c)喫煙:肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫 歯周病等
(d)飲酒:アルコール性肝疾患等
【0087】
そもそも疾病の発症は、遺伝子の異常や加齢を含めた「遺伝要因」、病原体、有害物質、事故、ストレッサー等の「外部環境要因」、食習慣、運動習慣をはじめとする「生活習慣要因」等のさまざまな要因が複雑に関連しているが、従来、特に家庭内の行動、生活習慣を専用の計測装置を用いずともセンシングし、ユーザの行動の傾向を分析することは困難であった。
【0088】
本実施の形態1に係る行動傾向の特定方法では、生活習慣病のリスクの算出を以下のように行う。
【0089】
行動傾向情報は、複数の機器に冷蔵庫が含まれる場合、夜間ないし就寝前の冷蔵庫の開閉頻度が多いほど、当該ユーザの前記リスクが大きいと特定部204に算出させるための指標を含んでもよい。また、行動傾向情報は、複数の機器に掃除機が含まれる場合、掃除機の運転頻度、運転時間が少ないほど、当該ユーザの前記リスクが大きいと特定部204に算出させるための指標を含んでもよい。また、行動傾向情報は、複数の機器に電動歯ブラシが含まれる場合、電動歯ブラシの使用頻度および使用時間の少なくとも一方が少ないほど、当該ユーザの前記リスクが大きいと特定部204に算出させるための指標を含んでもよい。さらに、行動傾向情報は、複数の機器に空気清浄機が含まれる場合、空気清浄機のホコリセンサの値が大きいほど、当該ユーザの前記リスクが大きいと特定部204に算出させるための指標を含んでもよい。特定部204は、これらにより算出された複数のリスクを統合して、生活習慣病のリスクを算出してもよい。
【0090】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2におけるサーバ装置の構成図である。
【0091】
図6に示すように、サーバ装置101bは、通信部201、第一記憶部202、第二記憶部203、特定部204、および調整部205から構成される。なお、サーバ装置101bは、図1に示すサーバ装置101の一形態である。
【0092】
サーバ装置101bは、具体的には図示されていないマイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクなどから構成される。前記ROM、RAM、およびハードディスクにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記マイクロプロセッサが前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、サーバ装置101bはその機能を果たす。
【0093】
なお、通信部201、第一記憶部202、第二記憶部203、特定部204、および調整部205の各機能ブロックは、ソフトウェアで実現されてもよいし、集積回路(つまり、ハードウェア)であるLSIとソフトウェアとの組み合わせ、もしくは、LSI(つまり、ハードウェア)で実現されてもよい。
【0094】
通信部201、第一記憶部202、第二記憶部203、特定部204については、実施の形態1と同様であるためここではその説明を省略する。
【0095】
調整部205は、ユーザ情報に関連付けられた動作情報を提供する機器の数と、当該機器の種別との少なくともいずれかに基づいて、評価値を調整する。なお、例えば、評価値は、後述するが、その値が高いほど、ユーザに多くの経済的な恩恵が生じる値である。
【0096】
具体的には、調整部205は、ユーザ情報に関連付けられた動作情報を提供する機器の数が多いほど、前記特定部204が算出した当該ユーザの評価値をより低い値に調整してもよい。これにより、情報提供のインセンティブをユーザに与えることが可能となる。ひいては、該当機器の購入をユーザに促すことにもなる。
【0097】
また、調整部205は、ユーザ情報に関連付けられた動作情報に、重要度が高い情報種別が多く含まれているほど、前記特定部204が算出した当該ユーザの評価値をより低い値に調整してもよい。これにより、より重要度の高い情報種別の情報を提供するインセンティブをユーザに与えることが可能となる。ひいては、重要度の高い情報を提供しうる機器の購入をユーザに促すことにもなる。
【0098】
なお、前記重要度が高い情報種別は尿データや血糖値データといった生体情報であってもよい。例えば、尿データを計測するトイレは特許第3565051号等で開示されている。こういったトイレからの尿データ等が得られれば、特定部204での分析の精度を高めることができる。特に、尿中には、糖、タンパク、潜血等、ユーザの健康状態に応じてその濃度が変動する様々な成分が含まれており、尿データが得られれば、糖尿病等の生活習慣病のリスクを算出する上で極めて有用である。また、血糖値データも、尿データと同様に生活習慣病のリスクの算出に有用である。血糖値測定システムは特許第5034720号等で開示されている。
【0099】
図7は、本発明の実施の形態2における調整部205のフローチャートである。
【0100】
調整部205の動作について、図7を用いて説明する。
【0101】
ここでは、リスクは、例えば、そのレベルが「レベル5(高)」−「レベル1(低)」の5段階で評価されている。リスクの「レベル5」はリスクの値が「100〜81」、リスクの「レベル4」はリスクの値が「80〜61」、リスクの「レベル3」はリスクの値が「60〜41」、リスクの「レベル2」はリスクの値が「40〜21」、リスクの「レベル1」はリスクの値が「20〜0」であるとする。
【0102】
まず、調整部205は、特定部204で算出されたリスクの値R(評価値)を取得する(ステップS701)。例えば、ユーザKのリスクの値Rは「68」であるとする。このとき、ユーザKのリスクのレベルは「レベル4」に区分される。そして、ユーザが提供する情報の数があらかじめ定められた値「n」よりも大きいか否かを判定(ステップS702)し、ユーザが提供する情報の数があらかじめ定められた値「n」よりも大きければリスクの値R(評価値)を減算する(ステップS703)。ユーザKの提供する情報の数は「12」であり、これは「n=9」よりも大きいため、リスクの値「R=68」からあらかじめ定められた値「5」を減算して、「R=63」とする。このとき、リスクのレベルは依然として「レベル4」に区分される。そして、ユーザが提供する情報種別があらかじめ定められた種別を含んでいるか否かを判定(ステップS704)し、ユーザが提供する情報種別があらかじめ定められた種別を含んでいればリスクの値Rを減算する(ステップS705)。ユーザKは、図3Bで示されている重要度のレベルが「レベル9」のトイレの情報を提供しており、また、図3Aで示されている重要度のレベルが「レベル7」の空気清浄機の情報を提供しているため、リスクの値「R=63」からあらかじめ定められた値「7」を減算して、「R=56」とする。これによって、ユーザKのリスクのレベルは当初の「レベル4」から「レベル3」へと1段階低くなる。これは、後述する対価の算定に影響を及ぼす。具体的には、リスクのレベルが「レベル4」から「レベル3」へと1段階低くなることで、保険料が安くなるなど、ユーザに経済的恩恵を与えることができる。
【0103】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3におけるサーバ装置101cの構成図である。
【0104】
図8に示すように、サーバ装置101cは、通信部201、第一記憶部202、第二記憶部203、特定部204、調整部205、および対価算定部206から構成される。なお、調整部205は必須ではない。また、サーバ装置101cは、図1に示すサーバ装置101の一形態である。
【0105】
サーバ装置101cは、具体的には図示されていないマイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクなどから構成される。前記ROM、RAM、およびハードディスクにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記マイクロプロセッサが前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、サーバ装置101cはその機能を果たす。
【0106】
なお、通信部201、第一記憶部202、第二記憶部203、特定部204、調整部205、および対価算定部206の各機能ブロックは、ソフトウェアで実現されてもよいし、集積回路(つまり、ハードウェア)であるLSIとソフトウェアとの組み合わせ、もしくは、LSI(つまり、ハードウェア)で実現されてもよい。
【0107】
通信部201、第一記憶部202、第二記憶部203、および特定部204については、実施の形態1と同様であるためここではその説明を省略する。
【0108】
また、調整部205については、実施の形態2と同様であるためここではその説明を省略する。
【0109】
対価算定部206は、特定部204で算出評価値に基づいて、評価値に対する経済的対価を算定する。つまり、なお、前記経済的対価はユーザに付与するポイントであってもよいし、ユーザが購入する、あるいは、ユーザに提供される商品、サービスの価格であってもよい。また、価格は例えば、保険商品の価格、すなわち、保険料であってもよい。なお、対価算定部206は、具体的には、評価値毎に経済的対価が予め定められたテーブルを参照することにより、評価値に対する経済的対価を算定してもよいし、予め定められた評価値と経済的対価との関係式を利用して評価値に対する経済的対価を算定してもよい。つまり、対価算定部206は、予め定められた評価値と経済的対価との関係を用いて算出される。
【0110】
図9A図9Bは、本発明の実施の形態3における対価算定部206のフローチャートである。
【0111】
対価算定部206の動作について、図9A図9Bを用いて説明する。
【0112】
図9Aに示すように、まず、対価算定部206は、特定部204で算出された評価値としてのリスク、あるいは調整部205で調整された評価値(リスク)を取得する(ステップS901A)。そして、あらかじめ評価値毎に値が定められたテーブルを参照し、取得した評価値に応じた対価を算出する(ステップS902A)。
【0113】
または、図9Bに示すように、まず、対価算定部206は、あらかじめ定められた対価を取得する(ステップS901B)。そして、特定部204で算出された評価値、あるいは調整部205で調整された評価値を取得(ステップS902B)し、取得した評価値に応じて、前記対価を調整する(ステップS903B)。
【0114】
ところで、保険商品には、生命保険、医療保険、がん保険、生活習慣病保険、ペット保険等、さまざまなものがある。
【0115】
従来の生命保険の保険料は、予定死亡率、予定利率、および予定事業費率の3つの予定率を基に計算される。予定率とは、契約時に予定された基礎率のことである。過去の統計をもとに、性別・年齢別の死亡者数(生存者数)を予測し、将来の保険金などの支払いにあてるための必要額が算出される。この際に用いられる死亡率が予定死亡率である。また、生命保険会社は資産運用による一定の収益をあらかじめ見込んで、その分だけ保険料を割り引いている。この割引率を予定利率という。また、生命保険会社は契約の締結・保険料の収納・契約の維持管理などの事業運営に必要な諸経費をあらかじめ見込んでおり、これを予定事業費率という。なお、これらの予定率は、保険種類や契約時期によって異なる。
【0116】
このように、従来、保険料は契約時の状況に基づいて算出されている。しかしながら、疾患の中には、生活習慣病のように、緩やかに進行するものが多く、また、早期に発見し治療することが必要であるにも関わらず初期段階では自覚症状がないものが多いため、日々の生活習慣に基づいて保険料を算出および改訂することが望ましい。
【0117】
本発明のデータ分析システムでは、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、空気清浄機、電動歯ブラシ、ドライヤー等の家電機器やパーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレットといった情報端末、血糖値センサ装置等のセンサ装置、トイレ、バスルーム、ミラー、照明等を含むさまざまな機器またはシステムからの情報に基づき、その時点の生活習慣病のリスクを算出し、そのリスクに応じて保険料を算出および改訂できるため、保険会社にとっては従来よりも高精度なリスク見積が可能となる。また、ユーザは、生活習慣を改善すれば、例えば、評価値が下がり、保険料を安くすることができるため、生活習慣の改善のモチベーションが高まることが期待できる。
【0118】
かかる構成によれば日常の生活行動に基づいたユーザの行動の傾向の分析を行うことができる。
【0119】
なお、上記実施の形態では、ユーザの健康に関わる保険について例示したが、これに限らずに、自動車保険や火災保険などのユーザの健康に関わらない保険に適用してもよい。例えば自動車保険の場合には、例えばユーザの性格が「せっかち」、「怒りっぽい」などのように、自動車事故をより起こしやすいと考えられるユーザの行動の傾向を評価値として評価すれば本発明を適用できる。
【0120】
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係るデータ分析システムについて、実施の形態およびその変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態又はその変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態又はその変形例に施したもの、あるいは異なる実施の形態又はその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0121】
さらに、本発明は、以下のように変形することもできる。
【0122】
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAM又は前記ハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここで、コンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。なお、各装置は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどの全てを含むコンピュータシステムに限らず、これらの一部から構成されているコンピュータシステムであってもよい。
【0123】
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0124】
なお、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0125】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0126】
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、などから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0127】
(4)本発明は、上記に示すデータ分析システムが備える特徴的な構成部の動作をステップとする方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0128】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD―ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなど、に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0129】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0130】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリとを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
【0131】
また、前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0132】
(5)上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0133】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明にかかるデータ分析システムは、複数の情報を統合し、ユーザの行動の傾向を分析するシステム等として有用である。
【符号の説明】
【0135】
101、101a〜101c サーバ装置
102 機器
201 通信部
202 第一記憶部
203 第二記憶部
204 特定部
205 調整部
206 対価算定部
301 ユーザID
302 機器ID
303 動作状態
401 機器種別
402 動作状態
403 時間帯
404 頻度
405 傾向
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B