(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141353
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】ウェーハを検査しかつ/または分類するシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20170529BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N21/956 A
【請求項の数】38
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-102719(P2015-102719)
(22)【出願日】2015年5月20日
(62)【分割の表示】特願2011-520112(P2011-520112)の分割
【原出願日】2009年7月17日
(65)【公開番号】特開2015-215352(P2015-215352A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2015年5月22日
(31)【優先権主張番号】12/179,260
(32)【優先日】2008年7月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502442049
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】KLA−TENCOR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライヒ・ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ビントロ・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ディゲ・プラサナ
(72)【発明者】
【氏名】シュタインバッハ・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】カバルジェブ・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ビエラク・スティーブン
【審査官】
堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/092950(WO,A2)
【文献】
特開平06−295945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01N 21/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを検査するように構成されたシステムであって、
前記ウェーハからの散乱光に応じて出力を生成するように構成された検査サブシステムと、
コンピュータサブシステムであって、
前記出力を用いてウェーハの第1の特性を特定する処理であり、前記第1の特性は、空間的に2次元では局在していない、処理と、
第1の特性に基づき1以上の欠陥検出パラメータを特定する処理と、
1以上の欠陥検出パラメータと出力とを用いてウェーハ上の欠陥を検出する処理であり、前記欠陥は、空間的に少なくとも1次元で局在している、処理と、を行うように構成されたコンピュータサブシステムと、含む、システム。
【請求項2】
第1の特性の特定に用いる出力は、ヘイズに起因する散乱光に応答する出力を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1の特性の特定に用いる出力は、パターンノイズに起因する散乱光に応答する出力を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
第1の特性は、表面粗さ、ウェーハ全体での表面粗さのばらつき、フィルム厚、フィルム組成、フィルム残滓、1以上のパターン寸法、表面組成、形態、またはウェーハ内の形態の変化を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第1の特性は、表面粗さの全表面の空間周波数帯域の、部分集合だけについての表面粗さのばらつきを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
第1の特性は、2次元における第1の特性が延在する位置の横方向規模が、前記検査サブシステムの点像分布関数であって、前記検査サブシステムが含む光学系の分解能を示す点像分布関数により定まる規模を上回るが故に、空間的に2次元では局在していない、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
1以上の欠陥検出パラメータを特定する処理は、ウェーハについて1以上の欠陥検出パラメータを全体的に特定する処理を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1以上の欠陥検出パラメータを特定する処理は、ウェーハの、異なる複数の領域に対して1以上の欠陥検出パラメータを局所的に特定する処理を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
第1の特性を特定する処理は、ウェーハ全体に1方向に沿って第1の特性のばらつきを特定する処理を含み、1以上の欠陥検出パラメータを特定する処理は、第1の特性のばらつきに基づき1以上の欠陥検出パラメータを特定する処理を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
第1の特性を特定する処理は、ウェーハの、異なる複数の領域の第1の特性のばらつきを特定する処理を含み、1以上の欠陥検出パラメータを特定する処理は、異なる領域の第1の特性のばらつきに個別に基づき異なる領域について1以上の欠陥検出パラメータを選択する処理を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
第1の特性を特定する処理は、ウェーハの、異なる複数の領域の第1の特性のばらつきを特定する処理を含み、1以上の欠陥検出パラメータを特定する処理は、異なる複数の領域の第1の特性のばらつきに基づき、異なる複数の領域において、個別に欠陥の検出を実施するかどうかを判定する処理を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
第1の特性の特定に用いる出力は、ウェーハ用の検査サブシステムが生成する出力の一部しか含んでおらず、ウェーハ上の欠陥の検出に用いる出力は、ウェーハ用の検査サブシステムが生成する出力の別の部分を含み、第1の特性を特定するのに用いる出力の一部分と欠陥を検出するのに用いる出力との異なる部分が、検査サブシステムの、照明サブシステムおよび集光サブシステムの異なる構成によって生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
第1の特性を特定するのに用いる出力とウェーハ上の欠陥の検出に用いる出力は、検査サブシステムの、照明サブシステムおよび集光サブシステムの同一構成により生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピュータサブシステムは、第1の特性と欠陥との組み合わせに基づきウェーハを分類する処理をさらに行うように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
ウェーハを分類するように構成されたシステムであって、
前記ウェーハからの散乱光に応じて出力を生成するように構成された検査サブシステムと、
コンピュータサブシステムであって、
前記出力を用いてウェーハの第1の特性を特定する処理であり、第1の特性が空間的に2次元では局在していない処理と、
出力を用いてウェーハの第2の特性を特定する処理であり、第2の特性が空間的に少なくとも1次元で局在している処理と、
第1の特性と第2の特性の組み合わせに基づきウェーハを分類する処理と、を行うように構成されたコンピュータサブシステムと、含み、
第2の特性はウェーハ上の欠陥を含んでおり、
前記コンピュータサブシステムはさらに第1の特性に基づき1以上の欠陥検出パラメータを特定する処理行うように構成されており、
第2の特性を特定する処理は、1以上の検出パラメータと出力とを用いてウェーハ上の欠陥を検出する処理を含む、システム。
【請求項16】
第1の特性は、2次元における第1の特性が延在する位置の横方向規模が、前記検査サブシステムの点像分布関数であって、前記検査サブシステムが含む光学系の分解能を示す点像分布関数により定まる規模を上回るが故に空間的に2次元では局在していない、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
第1の特性は、表面粗さ、ウェーハ全体の表面粗さのばらつき、フィルム厚、フィルム組成、フィルム残滓、1以上のパターン寸法、表面組成、形態、またはウェーハ内の形態の変化を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記分類する処理は、出力を用いて欠陥が検出された後に実行される、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
第1の特性と第2の特性の組み合わせは、前記分類する処理が、第1の特性と第2の特性に等しく基づくよう第1の特性と第2の特性を等しく扱うことで生成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記分類する処理は、ウェーハに対し施す1以上の処置を特定するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記分類する処理は、ウェーハの全体的属性を特定するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記分類する処理は、ウェーハの少なくとも一部の作成に用いる工程の属性を特定するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記分類する処理は、ウェーハ上の1以上の空間位置における、第1の特性の存否と、1以上の空間位置における、第2の特性の存否との組み合わせに基づいて、ウェーハを分類する処理を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
前記分類する処理は、ウェーハ上の1以上の空間位置における第1の特性値と、1以上の空間位置における第2の特性値との組み合わせに基づいて、ウェーハを分類する処理を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
前記分類する処理は、ウェーハ上の所定位置の第1の特性と、ウェーハ上の同じ位置の第2の特性との組み合わせに基づき、ウェーハの所定位置について単一の特性を特定し、この単一の特性に基づきウェーハを分類するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項26】
前記分類する処理は、第1と第2の特性の一方がウェーハの所定領域に存在するかどうか判定し、第1と第2の特性の一方がその所定領域に存在する場合に、存在する第1または第2の特性だけに基づきウェーハを分類するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項27】
ウェーハを分類する処理は、ウェーハの所定領域において第1と第2の特性値を特定し、ウェーハの所定領域における第1と第2の特性値に基づき、第1と第2の特性のみに基づいてウェーハを分類するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項28】
前記分類する処理は、第1の特性と第2の特性の両方がウェーハの所定領域に存在する場合と、第1の特性と第2の特性がウェーハの異なる領域に存在し、ウェーハの所定領域に両方が存在しない場合とを異ならしめて分類するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項29】
前記分類に用いる第1の特性は、ウェーハ規模について特定され、前記分類する処理に用いる第2の特性はウェーハ規模について特定される第2の特性の属性を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項30】
第1と第2の特性の組み合わせは、第1と第2の特性の重ね合わせ処理を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項31】
第1と第2の特性の組み合わせは、第1と第2の特性の領域に基づく重ね合わせを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項32】
第1と第2の特性の組み合わせは、第1と第2の特性の空間的な組み合わせを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項33】
第1と第2の特性の組み合わせは、第1と第2の特性の統計的な組み合わせを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項34】
前記コンピュータサブシステムは、出力を用いてウェーハの追加の特性を特定する処理をさらに行うように構成されており、前記分類する処理は全ての追加の特性と第1と第2の特性の組み合わせとに基づきウェーハを分類するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項35】
前記コンピュータサブシステムは、出力を用いてウェーハの追加の特性を特定する処理をさらに行うように構成されており、前記分類する処理は追加の特性および第1と第2の特性の組み合わせの一部のみに基づきウェーハを分類するステップを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項36】
前記コンピュータサブシステムはさらに欠陥の領域内の第1の特性に基づき欠陥を分類する処理を行うように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項37】
第2の特性は、さらに、ウェーハ上の前記欠陥の1以上の属性を含んでおり、前記コンピュータサブシステムはさらに、欠陥の1以上の属性のうちの少なくとも1つと組み合わせて欠陥の領域における第1の特性に基づき欠陥を分類する処理を行うように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項38】
前記コンピュータサブシステムは、第1の特性の領域における第2の特性に基づき、第1の特性の1以上の属性を特定する処理をさらに行うように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハを検査しかつ/または分類するコンピュータ実装方法に概ね関する。幾つかの実施形態は、ウェーハの、空間的に局在しない特性に基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定および/またはウェーハの、空間的に局在しない特性とウェーハの、空間的に局在する特性との組み合わせに基づくウェーハの分類を含む方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記の説明と実施例は、本節におけるそれらの包含が故に先行技術であると認められるものではない。
【0003】
論理デバイスや記憶デバイス等の半導体デバイスの製造には通常、幾つかの半導体製造工程を用いて様々な特徴ならびに複数のレベルの半導体デバイスを形成する半導体ウェーハ等の試験片の処理が含まれる。例えば、リソグラフィは半導体ウェーハ上に配列されたレジストに対するパターンの転写を通常含む半導体製造方法である。半導体製造方法の追加の事例には、これらに限定はされないが、化学−機械的研磨や蝕刻や蒸着やイオン注入が含まれる。多くの半導体デバイスは半導体ウェーハ上の所定配置にて製造され、続いて個別半導体デバイスに切り離すことができる。
【0004】
製造工程におけるより高い生産高とかくしてより高収益とを促すべく、半導体製造工程期間中の様々なステップにおいてウェーハ上の欠陥を検出する検査工程が用いられる。検査は、集積回路等の半導体デバイス作製の常に重要部分であった。しかしながら、半導体デバイスの大きさが小さくなるにつれ、受容可能な半導体デバイスの首尾良き製造にとって検査はますます重要になってきており、それはより小さな欠陥がデバイスの故障を引き起こすことがあるからである。例えば、半導体デバイスの大きさが小さくなるにつれ、寸法の小さくなった欠陥の検出が必要とされ、それはたとえ比較的小さな欠陥でも半導体デバイス内の不要な異常の原因となることがあるからである。
【0005】
計測工程もまた、工程を監視し制御すべく半導体製造工程期間中の様々なステップにおいて用いられる。計測工程は、ウェーハ上の欠陥を検出する検査工程とは異なり、計測工程が検査ツールを用いて一般に特定することのできないウェーハの1以上の特性を測定するのに用いられるが故に、検査工程とは異なるものである。例えば、計測工程は1以上の特性から工程効率が判定できるよう工程期間中にウェーハ上に形成される特徴の大きさ(例えば、線幅や厚さ等)といったウェーハの1以上の特性の測定に用いられる。加えて、ウェーハの1以上の特性が不合格である場合(例えば、1(又は複数)の特性が所定範囲外にある)、ウェーハの1以上の特性の測定値を用い1以上の工程パラメータを変更し、その工程により製造される追加のウェーハが受容可能な1(または複数)の特性を有するようにすることができる。
【0006】
しかしながら、工程を監視し用途を制御するため計測工程やツールを用いてウェーハの1以上の特性を測定することについて幾つかの欠点が存在する。例えば、特に検査システムに比べ大半の計測ツールは相対的に緩慢である。それ故、比較的応急的な仕方で計測結果を取得することができるよう、計測工程はしばしばウェーハ上の一カ所あるいは限られた数の箇所で行なわれる。しかしながら、半導体デバイスの製造に使用する多くの工程は、ウェーハ表面全体で変化する1(または複数)の特性を有するウェーハを生産している。かくして、ウェーハ上の一カ所あるいは限られた数の箇所で行なわれる計測測定値の使用は、工程を正確に監視し制御できるようウェーハの1(または複数)の特性に関する十分な情報を提供することができない。さらにまた、インライン式監視とアプリケーション制御用にウェーハ全体の特性を測定する計測ツールの使用は、この種の測定を行なうことのできる時間故に実行不能である。特に、表面粗さや抵抗性やフィルム厚等の現在利用可能な計測ツールにより遂行される計測測定は、インライン式監視用のウェーハの大量の試料採取には適しておらず、何故なら測定が生産時のサイクルタイムに影響する(例えば、増大させる)ことになるからである。
【0007】
ウェーハの度量衡的特性を特定すべく、検査システムが生成する出力を用いる試行が試みられてきた。例えば、一般に検査システムは数多くのコレクタやチャネルを用いて構成される。これらのコレクタやチャネルは、これらに限定はされないが、形状と寸法の変わる粒子や欠陥、掻き傷、表面粗さ、フィルム厚、フィルム組成、フィルム残渣、材料の結晶度、表面の光学定数、ナノ次元特徴の特性、パターンの線幅、先の工程あるいはパターン化パラメータを含む検査面の複数の特性を捕捉することができる。便利で費用対効果が高いものの、単一のコレクタあるいはチャネルを用いた複数面の特性の検出は次善最適となることがある。例えば、点欠陥は一部事例では暗視野(DF)コレクタ内に相当顕著に分散することがあり、ハードウェアやソフトウェアの動的範囲限界はその特定のコレクタを用いた異なるウェーハ特性の最適検出(例えば、表面粗さの比較的小さな振幅や比較的長い空間周波数変動)を可能にはできない。
【0008】
多くのDF検査システムでは、背景面の散乱(ヘイズ)あるいはパターンノイズを用い、欠陥検出用に全体的あるいは局所的のいずれかで閾値を特定する。欠陥は、しばしば少なくとも1個の空間次元内にきっちりと限定した粒子や小孔や掻き傷や欠落材料あるいは他の特徴である。この閾値処理により検出される欠陥の数や種別や大きさおよび/または空間位置をそこで記録し、この情報からウェーハの全体的属性(例えば、品質)の特定がなされる。
【0009】
上記に記載した方法では、検査システムが測定可能な多くのウェーハ特性はウェーハの処置では殆ど無視される。これらの特性には、ウェーハ面全体の表面粗さや形態やフィルム厚やフィルム組成やフィルム残滓や他の先の工程誘発変化が含まれることがある。一部事例では、これらの特性は検査後の「オフライン」分析用に用いられる。これらの低空間周波数特性の活用および/またはデータ処理は、しばしば高空間周波数(例えば、点検出)試料特性とは無関係である。
【0010】
従って、ウェーハの、空間的に局在しない特性に基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定および/またはウェーハの、空間的に局在しない特性とウェーハの、空間的に局在する特性との組み合わせに基づくウェーハの分類を含むウェーハの検査および/または分類用のコンピュータ実装方法を開発することは好都合な筈である。
【発明の概要】
【0011】
様々なコンピュータ実装方法実施形態の下記の説明は、決して添付特許請求の範囲の主題を限定するものと解釈すべきではない。
【0012】
一実施形態は、ウェーハを検査するコンピュータ実装方法に関する。本方法は、検査システムが生成するウェーハからの散乱光に応答する出力を用いるウェーハの第1の特性の特定を含む。第1の特性は、(例えば、2次元でのその側方規模がシステムの点像分布関数を上回るが故に)空間的に2次元で局在しない。本方法はまた、第1の特性に基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定を含む。加えて、本方法は1以上の欠陥検出パラメータと出力とを用いたウェーハ上の欠陥検出を含む。欠陥は、(例えば、その側方規模が少なくとも1次元のシステムの点像分布関数を下回るが故に)空間的に少なくとも1次元で局在する。
【0013】
一実施形態では、第1の特性を特定するのに用いる出力はヘイズが故に発散させられる光に応答する出力を含む。別の実施形態では、第1の特性の特定に使用する出力にはパターンノイズに起因する散乱光に応答する出力が含まれる。
【0014】
一実施形態では、第1の特性には、表面粗さやウェーハ全体での表面粗さのばらつきやフィルム厚やフィルム組成やフィルム残滓や1以上のパターン寸法や表面組成や形態やウェーハ内の形態変化が含まれる。別の実施形態では、第1の特性は表面粗さの全表面空間周波数帯域の部分集合にのみ関する表面粗さのばらつき含む。追加の実施形態では、第1の特性は2次元での第1の特性の側方規模がシステムの点像分布関数を上回るが故に空間的に2次元で局在しない。
【0015】
一実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定にはウェーハに関する1以上の欠陥検出パラメータの全体的な特定が含まれる。別の実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定には異なるウェーハ領域ごとの1以上の欠陥検出パラメータの局所的な特定が含まれる。
【0016】
一部実施形態では、第1の特性の特定にはウェーハ全体での一方向に沿う第1の特性のばらつきの特定が含まれ、1以上の欠陥検出パラメータの特定には第1の特性のばらつきに基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定が含まれる。別の実施形態では、第1の特性の特定にはウェーハの異なる領域における第1の特性のばらつきの特定が含まれる。この種の1つの実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定には、異なる領域の第1の特性におけるぱらつきに個別に基づく異なる領域ごとの1以上の欠陥検出パラメータの選択が含まれる。別の実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定には欠陥の検出が異なる領域における第1の特性のばらつきに個別に基づく異なる領域で行なわれることになるかどうかの判定が含まれる。
【0017】
一実施形態では、第1の特性の特定に用いられる出力にはウェーハごとに検査システムが生成する出力の一部だけが含まれ、ウェーハ上の欠陥の検出に用いられる出力にはウェーハごとに検査システムが生成する出力の異なる部分が含まれる。この種の一実施形態では、第1の特性の特定に用いる出力の一部と欠陥の検出に用いる出力の異なる部分は検査システムの照明および集光サブシステムの異なる構成により生成される。別の実施形態では、第1の特性の特定に用いる出力とウェーハ上の欠陥の検出に用いる出力は、検査システムの照明および集光サブシステムの同一の構成により生成される。
【0018】
一実施形態では、本方法には第1の特性と欠陥の組み合わせに基づくウェーハの分類が含まれる。
【0019】
上記のコンピュータ実装方法の各実施形態の各ステップは、本願明細書に記載するようにさらに実行することができる。加えて、上記したコンピュータ実装方法の各実施形態には本願明細書に記載する任意の他の1(または複数)の方法の他の1(または複数)のステップを含めることができる。さらに、上記のコンピュータ実装方法の各実施形態は本願明細書に記載する任意のシステムにて実行することができる。
【0020】
別の実施形態は、ウェーハを分類するコンピュータ実装方法に関する。本方法には、検査システムが生成するウェーハから散乱光に応答する出力を用いたウェーハの第1の特性の特定が含まれる。第1の特性は、空間的に2次元で局在しない。本方法にはまた、出力を使用したウェーハの第2の特性の特定が含まれる。第2の特性は、空間的に少なくとも1次元で局在する。本方法にはさらに、第1の特性と第2の特性の組み合わせに基づくウェーハの分類が含まれる。
【0021】
一実施形態では、第1の特性は2次元での第1の特性の側方規模がシステムの点像分布関数を上回るが故に空間的に2次元で局在しない。別の実施形態では、第1の特性には表面粗さやウェーハ全体での表面粗さのばらつきやフィルム厚やフィルム組成やフィルム残滓や1以上のパターン寸法や表面組成や形態やウェーハ内の形態変化が含まれる。追加の実施形態では、第2の特性がウェーハ上の欠陥を含み、ウェーハの分類は出力を用いて欠陥が検出された後に行なわれる。
【0022】
一実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせは、ウェーハの分類が第1と第2の特性に等しく基づくよう第1と第2の特性を等しく処置することで生成される。
【0023】
一実施形態では、ウェーハの分類にはウェーハに対し実行される1以上の処置の特定が含まれる。別の実施形態では、ウェーハの分類にはウェーハの全体的属性の特定が含まれる。付加的な実施形態では、ウェーハの分類には少なくともウェーハの一部の作成に用いる工程の属性の特定が含まれる。
【0024】
一実施形態では、ウェーハの分類にはウェーハ上の1以上の空間位置における第1の特性の存否と1以上の空間位置における第2の特性の存否との組み合わせに基づくウェーハの分類が含まれる。別の実施形態では、ウェーハの分類には、ウェーハの1以上の空間位置における第1の特性値と1以上の空間位置における第2の特性値との組み合わせに基づくウェーハの分類が含まれる。追加の実施形態では、ウェーハの分類には、ウェーハ上の所定位置の第1の特性とウェーハ上の同一箇所の第2の特性との組み合わせに基づくウェーハ上の所定位置での単一特性の特定と、この単一特性に基づくウェーハの分類とが含まれる。
【0025】
一実施形態では、ウェーハの分類には、第1と第2の特性の一方がウェーハの所定領域に存在するかどうかと、第1と第2の特性の一方がその領域に存在するかどうかの判定と、存在する第1または第2の特性だけに基づくウェーハの分類とが含まれる。別の実施形態では、ウェーハの分類には、ウェーハの特定の領域における第1と第2の特性値の特定と、ウェーハの特定の領域における第1と第2の特性値に基づく、第1または第2の特性だけに基づくウェーハの分類とが含まれる。もう一つの実施形態では、ウェーハの分類には、第1と第2の特性がウェーハの所定領域に共存する場合と、第1と第2の特性がウェーハの異なる領域に存在し、かつウェーハの所定領域には共存しない場合とで異ならしめるウェーハの分類が含まれる。追加の実施形態では、ウェーハの分類に用いる第1の特性はウェーハ規模に対し特定され、ウェーハの分類に用いる第2の特性にはウェーハ規模に対し特定される第2の特性の属性が含まれる。
【0026】
一実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせには第1と第2の特性のオーバレイ処理が含まれる。他の実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせには第1および第2の特性の領域準拠オーバレイ処理が含まれる。付加的な実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせには第1と第2の特性の空間的組み合わせが含まれる。もう一つの実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせには第1と第2の特性の統計的組み合わせが含まれる。上記のオーバレイ処理と領域準拠オーバレイ処理と空間的組み合わせと統計的組み合わせは、第1と第2の特性値と第1と第2の特性の不在と第1と第2の特性の存在の幾つかの組み合わせを用いて行なわれる。
【0027】
一実施形態では、本方法には出力を用いたウェーハの付加的な特性の特定が含まれる。この種の一実施形態では、ウェーハの分類には追加の特性と第1と第2の特性の組み合わせの全てに基づくウェーハの分類が含まれる。この種の別の実施形態では、ウェーハの分類には追加の特性および第1と第2の特性の組み合わせの全てには満たないものに基づくウェーハの分類が含まれる。
【0028】
一実施形態では、第2の特性にはウェーハ上の欠陥が含まれる。この種の一実施形態では、本方法には第1の特性に基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定が含まれ、第2の特性の特定には1以上の欠陥検出パラメータと出力とを用いたウェーハの欠陥の検出が含まれる。
【0029】
一実施形態では、第2の特性にはウェーハ上の欠陥の検出が含まれ、本方法には欠陥領域における第1の特性に基づく欠陥の分類が含まれる。別の実施形態では、第2の特性にはウェーハ上の欠陥の1以上の属性が含まれ、本方法には欠陥の1以上の属性の少なくとも1つと組み合わせた欠陥領域における第1の特性に基づく欠陥の分類が含まれる。追加の実施形態では、本方法には第1の特性の領域における第2の特性に基づく第1の特性の1以上の属性の特定が含まれる。
【0030】
上記したコンピュータ実装方法の各実施形態の各ステップは、本願明細書に記載する如くさらに実行することができる。加えて、上記のコンピュータ実装方法の各実施形態には本願明細書に記載する他の任意の1(または複数)の方法の他の任意の1(または複数)のステップを含めることができる。さらに、上記のコンピュータ実装方法の各実施形態は本願明細書に記載する任意のシステムにより行なうことができる。
【0031】
本発明の他の目的ならびに利点は、下記の詳細な説明を読み、かつ添付図面を参照するときに明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】2以上の特性、すなわち空間的に少なくとも1次元で局在する2つの特性と空間的に2次元で局在しない別の特性とを有するウェーハの一例の平面図を示す概略線図である。
【
図2】本願明細書に説明する1以上のコンピュータ実装方法を実行するよう構成されたシステムの一実施形態と、本願明細書に説明する1以上のコンピュータ実装方法を実行するコンピュータシステムに対し実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体の一実施形態とを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は様々な改変と代替形態の余地があるが、その具体的実施形態を例示により図面に示し、本願明細書において詳細に説明することにする。しかしながら、図面とこれに対する詳細な説明は本発明を開示する具体的形態に限定する意図はないものであり、これとは逆にその意図は本発明が添付特許請求の範囲により限定される本発明の趣旨ならびに範囲内に包含される全ての改変例と均等物と代替例とを網羅することにある。
【0034】
本願明細書に使用する如く、用語「ウェーハ」は半導体あるいは非半導体材料で形成される基板を概ね指す。この種の半導体あるいは非半導体材料の実例には、これらに限定はされないが、単結晶シリコンや砒化ガリウムや燐化インジウムが含まれる。この種の基板は、一般に半導体製造設備に見出され、かつ/または処理することができる。
【0035】
ウェーハ上には、1以上の層を形成することができる。例えば、この種の層には、これらに限定はされないが、レジストや誘電材料や導電材料や半導体材料を含めることができる。この種の層の多くの異種は当分野では周知であり、本願明細書に使用する用語ウェーハはこの種の層の全種を形成することのできるウェーハを包含することを意図するものである。
【0036】
ウェーハ上に形成される1以上の層は、パターン化することもあるいは非パターン化することもできる。こうして、ウェーハはパターン化ウェーハもしくは非パターン化ウェーハとすることができる。例えば、ウェーハにはそれぞれが反復可能にパターン化された特徴を有する複数のチップを含ませることができる。この種の材料の層の形成と処理は、最終的には完成デバイスに帰結させることができる。多くの異種のデバイスをウェーハ上に形成することができ、用語ウェーハは本願明細書では当分野で周知のあらゆる種別のデバイスをその上に作製するウェーハを包含することを意図するものである。
【0037】
本願明細書では実施形態はウェーハについて説明するが、実施形態は一般にマスクあるいはフォトマスクと呼ばれることのあるレチクル等の別の試験片の検査および/または分類に用いることができる。多くの異種のレチクルが当分野で知られており、本願明細書に使用する用語「レチクル」や「マスク」や「フォトマスク」は当分野で周知の全ての種のレチクルを包含することを意図するものである。
【0038】
用語「第1」と「第2」は、本願明細書では異なる特性等どうしを区別するのに用いられる。用語「第1」と「第2」は、特性の時間的あるいは空間的あるいは好適な属性を指すのに用いることはない。
【0039】
ここで図面を参照するに、図面が実寸で描かれていないことに留意されたい。特に、図の幾つかの要素の尺度は、要素の特性を強調すべく大幅に誇張されている。図が同一尺度で描かれていない点にも、留意されたい。2枚以上の図面に図示された同様の構成とされるような要素は、同一の参照符号を用いて指し示されている。
【0040】
一実施形態は、ウェーハを検査するコンピュータ実装方法に関する。本願明細書に記載する方法とは対照的に、欠陥検出用の先に使用されている方法では、特定の空間周波数帯域における表面粗さ等の1以上の特性の存否は微細な掻き傷等の他の特性の測定あるいは検出に影響を及ぼさない筈である。対照的に、本願明細書に記載する実施形態は改善された測定能力により他方に基づく1つの特性の測定を可能とするものである。
【0041】
本方法には、検査システムが生成するウェーハで散乱された光に応答する出力を用いたウェーハの第1の特性の特定が含まれる。ウェーハから散乱される光に応答する出力には、任意の適当な出力を含ませることができる。検査システムは、本願明細書にさらに説明する如く構成することができる。一実施形態では、第1の特性の特定に用いる出力にはヘイズに起因する散乱光に応答する出力が含まれる。例えば、第1の特性は背景面散乱あるいはヘイズに基づき特定することができる。加えて、第1の特性は共にカリフォルニア州サンノゼ市のKLA−Tencor社からから市販されているSURFモニター・プロセス・シグニチャおよび計測モジュールおよび/またはSP2検査システム等の市販のソフトウェアおよび/またはハードウェアを用いたヘイズ分析により特定することができる。第1の特性はまた、米国特許出願公開2008/0013083として2008年1月17日に公開された2007年2月9日出願のKirk et al.による本発明の出願人に譲渡された米国特許出願第11/673,150号に記載されたシステムならびに方法を用いて特定することができ、両文献とも本願明細書にあたかも全体が記載されている如く参照により組み込むものとする。別の実施形態では、第1の特性を特定するのに用いる出力はパターンノイズが原因で散乱される光に応答する出力を含む。例えば、第1の特性はパターンノイズに基づき特定することができる。第1の特性はまた、出力と任意の適当な方法および/またはアルゴリズムを用いて特定することができる。
【0042】
第1の特性は、空間的に2次元で局在しない。より具体的には、第1の特性は、ウェーハの上面に実質平行な平面内に広がる2次元で、空間的に局在しない。換言すれば、2次元はウェーハのx−y平面内において定義される。加えて、第1の特性は2次元において強度に空間的に局在してはいない。例えば、2次元において強度に空間的に局在していないウェーハの特性には、表面粗さや光学定数や付着フィルム厚や本願明細書に記載する他の例が含まれる。こうして、第1の特性には、「欠陥」として一般に知られるものではなく数十ミクロンからmmあるいはcmの大きさをもった特性を含めることができる。加えて、この種の第1の特性の値は、ウェーハを「欠陥を有するもの」とするが、特性自体は、その用語が普通に用いられているような「欠陥」とは一般に見なされない。そうではなく、この種の第1の特性は、通常、一般に検査システムを用いては特定されないウェーハの計測学的特性と見なされる。しかしながら、第1の特性は、空間的に2次元で、局在していない欠陥あるいは欠陥の特性を含む。例えば、第1の特性は、数十ミクロンからmmあるいはcmの大きさを有する欠陥か、さもなくば本願明細書に説明するように2次元で空間的に局在していない欠陥を含めることができる。
【0043】
一実施形態では、第1の特性には表面粗さやウェーハ全体での表面粗さのばらつきやフィルム厚やフィルム組成やフィルムの残滓や1以上のパターン寸法や表面組成や形態やウェーハ内の形態変化が含まれる。例えば、第1の特性は比較的小さな振幅、すなわち表面粗さの比較的長い空間周波数のばらつきを含むことがある。それ故、第1の特性にはウェーハの幾つかの異なる、空間的に局在していない特性を含めることができる。加えて、第1の特性には検査システムが生成するウェーハからの散乱光に応答する出力から特定することのできるウェーハの、空間的に局在していない他の任意の特性を含めることができる。この種の第1の特性は、出力と任意の適当な方法および/またはアルゴリズムを用いて特定することができる。
【0044】
別の実施形態では、第1の特性は表面粗さの全表面空間周波数帯域の部分集合にだけ関する表面粗さのばらつきを含む。換言すれば、第1の特性には表面粗さの全表面空間周波数帯域の一部だけを含めることができる。かくして、第1の特性は全表面空間周波数帯域全体に特定されるウェーハの表面粗さよりも詳細な表面粗さに関する情報を提供することができる。特に、粗さを有するウェーハ上のスポットを照明したときに、表面粗さは空間周波数帯域の関数として表面粗さの分布を有する光回折格子の如く機能する。こうして、全表面空間周波数帯域に亙る表面粗さを特定するときに、特定された表面粗さは全表面空間周波数帯域の平均値(あるいは別の関数)である表面粗さに関する単一の値を表わす。一部用途では、この種の特性は表面粗さに関するより詳細さの劣る情報を提供する。しかしながら、表面粗さの全表面空間周波数帯域の一部だけに関する第1の特性を特定することで、表面粗さに関するより詳細な情報を提供することができる。この種の第1の特性は、下記に参照により組み込まれるBiellak et al.による特許出願に記載されているような検査システムにより生成される出力を用いて特定することができる。
【0045】
追加の実施形態では、第1の特性は2次元における第1の特性の側方規模が検査システムの点像分布関数を上回るが故に空間的に2次元では局在しない。例えば、第1の特性は検査システムの点像分布関数をずっと上回る長さ規模について測定することのできるウェーハ特性とすることができる。この種の一例では、
図1に示すように、ウェーハ10は表面粗さ12を有することがある。
図1に示す如く、表面粗さはこの表面粗さが実質的にウェーハ10の表面全体に亙り延在するが故に空間的に2次元では局在化されない。空間的に2次元で局在していない第1の特性は実質ウェーハ全体に亙り延在するようであるが、第1の特性は実質ウェーハ全体に亙って延在はしておらず、やはり(例えば、第1の特性を測定することのできる検査システムの点像分布関数あるいは長さ規模に対する第1の特性の側方規模が故に)2次元で空間的に局在することはできない。
【0046】
一実施形態では、第1の特性の特定にはウェーハ全体に一方向に沿う第1の特性のばらつきの特定が含まれる。例えば、第1の特性の特定には、例えばフィルム厚が故に2次元表面の特定の方向に沿う空間周波数ヘイズのばらつきの特定を含めることができる。第1の特性のばらつきは、一方向に沿うウェーハの少なくとも一部に亙りあるいは一方向に沿うウェーハ全体の寸法に亙り特定することができる。ウェーハの一方向に沿う第1の特性のばらつきは、1以上の値(例えば、平均や最大値や最小値や標準偏差等)および/または一方向に沿う位置の関数として特定することができる。第1の特性のばらつきはまた、ウェーハの2以上の方向に沿いかつ/またはウェーハの2箇所以上について個別に特定することができる。第1の特性のばらつきは、前述の如く任意の適当な方法および/またはアルゴリズムを用いて特定することができる。
【0047】
別の実施形態では、第1の特性の特定には、ウェーハの異なる領域における第1の特性のばらつきの特定が含まれる。例えば、ウェーハの第1の特性のばらつきの特定には、例えばフィルム組成や形態変化に起因するウェーハの特定の領域における低空間周波数ヘイズのばらつきの特定を含めることができる。ウェーハの一部分(例えば、ウェーハの一部分だけやウェーハ全体やあるいは検査システムが走査するウェーハ部分の全体)内で検査システムが生成するウェーハからの散乱光に応答する出力は、ウェーハの異なる領域における第1の特性の一部ばらつきの特定に用いることができる。異なる領域における第1の特性のばらつきは1以上の値(例えば、平均値や最大値や最小値や標準偏差等)として、かつ/または異なる領域あるいはウェーハ全体の位置の関数として特定することができる。第1の特性のばらつきとして特定される異なる領域はウェーハ全体や、検査システムが走査するウェーハ部分の全体あるいはウェーハの一部分のみに延在させることができる。加えて、異なる領域の一部あるいは全部をウェーハ上の別領域に隣接させることができ、かつ/または異なる隣接の一部または全部をウェーハ上で互いに離間させることができる。異なる領域には、異なる形状と大きさあるいは同一の形状と大きさ(例えば、異なる領域の正規の格子配列)を持たせることができる。異なる領域の形状と大きさは、例えば第1の特性および/または第1の特性におけるばらつきに応じて変化することができる。例えば、異なる領域はウェーハ全体での第1の特性のばらつきを分析し、1つの異なる領域がウェーハ上の他の領域の第1の特性値とは異なる第1の特性値を有するウェーハ上の所定領域として定義され、それによってウェーハ上の別の異なる領域として定義されるようにすることができる。第1の特性におけるばらつきは、前記した如く任意の適当な方法および/またはアルゴリズムを用いて特定することができる。
【0048】
本方法にはまた、ウェーハ全体あるいは検査期間中に走査されるウェーハ部分の全体について検査システムが生成するウェーハからの散乱光に応答する出力全ての記憶と、記憶する出力の一部あるいは全部を用いた第1の特性の特定および/またはウェーハに関する記憶させた出力の一部または全部を用いたウェーハ上の位置の関数としての第1の特性の特定とを含めることができる。本方法にはまた、ウェーハ全体や、ウェーハの一方向に沿って走査したウェーハ部分の全体や、あるいは記憶させた出力の全部あるいは一部を用いてウェーハ全体の位置の関数としてのウェーハの異なる領域の第1の特性のばらつきの特定を含めることができる。加えて、本方法には、ウェーハに関する記憶させた出力の全部または一部を用いた第1の特性の1以上の属性(例えば、ウェーハ全体あるいはウェーハ部分の全体に亙る第1の特性の平均値あるいは何らかの統計値)の特定を含めることができる。本方法には、本発明の譲受人に譲渡され、あたかもその全体が本願明細書に記載されている如くに参照により組み込まれるBhaskar et al.による2007年9月20日出願の米国特許出願第60/974,030号等のシステムを用いた出力の記憶を含めることができる。本願明細書に記載する実施形態には、本特許出願に記載されるあらゆる1(または複数)の方法の任意の(1または複数)のステップを含めることができる。
【0049】
本方法にはまた、第1の特性に基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定を含めることができる。本願明細書にさらに説明する如く、1(または複数の)欠陥検出パラメータを用い、空間的に少なくとも1次元でするウェーハ上の欠陥を検出することができる。特に、欠陥は空間的に1次元または2次元で局在することができる。例えば、欠陥には形状や寸法が異なる粒子や欠陥を含めることができる。加えて、欠陥には少なくとも1つの空間次元内にきっちりと限定された点欠陥や粒子や小孔や掻き傷や欠落材料や他の特徴を含めることができる。この種の粒子や欠陥の数例が、
図1に示されている。特に、粒子14と掻き傷16はウェーハ10上に位置する。
図1に示す如く、粒子14は2次元で局在し、掻き傷16は1次元で局在する。換言すれば、粒子14は2次元において強度の空間的に局在し、掻き傷16は1次元において強度の空間的に局在する。こうして、この種の欠陥が生み出す兆候は少なくとも1次元で強度に空間的に局在することになる(例えば、掻き傷はcmの長さのこともあるが、通常は1ミクロン幅よりもずっと小さい)。本願明細書に用いる用語「欠陥」は、具体的には、ウェーハを「欠陥を有するもの」とすることがあるものの、それ自体は「欠陥」と見なされない本願明細書に記載するウェーハの他の特性(第1の特性)とは対照的に、空間的に少なくとも1次元で局在する欠陥を指す。
【0050】
こうして、表面検査システムでは、低空間周波数状況(例えば、検査システムの点像分布関数をずっと上回る距離規模)において特定されるウェーハの1(または複数)の特性を用い、点欠陥等のより高空間周波数のウェーハの1(または複数)の特性を捕捉しあるいは検出するよう採用データ処理を調整する。加えて、本方法はウェーハの1(または複数)の低空間周波数を用いて空間的に限定された欠陥の検出を最適化するのに役立てることができる。第1の特性に基づき特定される1以上の欠陥検出パラメータには、任意の欠陥検出方法および/またはアルゴリズムの本願明細書に記載した1(または複数)のパラメータのいずれかを含む任意の1(または複数)のパラメータを含めることができる。加えて、1(または複数)の欠陥検出パラメータは、本願明細書にさらに説明するように、本願明細書に記載する2以上の第1の特性を用いて特定することができる。1(または複数)の異なる欠陥検出パラメータは、本願明細書に記載する1個の第1の特性だけを用いて特定することができる。別の選択肢として、異なる欠陥検出パラメータは異なる第1の特性を用いて特定することができる(例えば、1つの欠陥検出パラメータは第1の特性の1つに基づき特定でき、別の欠陥検出パラメータは第1の特性の別の1つに基づき特定することができる等)。
【0051】
一実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定には、ウェーハについての1以上の欠陥検出パラメータの全体的な特定が含まれる。換言すれば、1以上の欠陥検出パラメータはウェーハ規模に対し特定することができ、欠陥検出用にウェーハについて生成される出力に対し全体的に適用することができる。こうして、特定された1以上の欠陥検出パラメータは、検査システムによりウェーハについて生成された出力の全てに適用することができる。例えば、特定される1以上の欠陥検出パラメータには欠陥検出に用いる全体的閾値を含めることができる。こうして、表面検査システムでは、低空間周波数状況(例えば、検査システムの点像分布関数をずっと上回る距離規模)において特定されるウェーハの1(または複数)の特性を用い、点欠陥等のより高い空間周波数のウェーハの1(または複数)の特性を捕捉しあるいは検出するよう採用データ処理を全体的に調整することができる。
【0052】
別の実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定にはウェーハの異なる領域ごとの1以上の欠陥検出パラメータの局所的な特定が含まれる。例えば、特定された1以上の欠陥検出パラメータは欠陥検出に用いる局所的閾値を含むことができる。こうして、表面検査システムでは、低空間周波数状況(例えば、検査システムの点像分布関数をずっと上回る距離規模)において特定されるウェーハの1(または複数)の特性を用い、様々なウェーハ領域における局所的な点欠陥等のより高い空間周波数のウェーハの1(または複数)の特性を捕捉しあるいは検出するよう採用データ処理を調整することができる。1以上の欠陥検出パラメータは、任意の局所準拠にて独立して特定することができる。例えば、1以上の欠陥検出パラメータはウェーハの1つの領域について特定することができ、1以上の欠陥検出パラメータはウェーハの別の領域について別個に特定することができる。
【0053】
前記した如く、第1の特性の特定にはウェーハ全体の一方向に沿う第1の特性のばらつきの特定を含めることができる。この種の一実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定には第1の特性のばらつきに基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定が含まれる。例えば、ウェーハのヘイズあるいはパターンノイズから抽出される低空間周波数の1(または複数の)試料特性のばらつきは、掻き傷や小孔や粒子等の空間的に限定した欠陥を検出する最適な1(または複数)の検査システムアルゴリズムを示唆することができる。この種の一例では、例えばフィルム厚のばらつきに起因する2次元表面の特定の方向に沿う空間周波数のヘイズのばらつきは、掻き傷あるいは微細な掻き傷の検出に異なるアルゴリズム、すなわちその方向に沿うヘイズのばらつきをより効率的に抽出するものを示唆することができる。いずれの1(または複数)のアルゴリズムおよび/または1(または複数)の方法を用いるべきかの特定に加え、第1の特性のばらつきを用いて他の任意の1(または複数)の欠陥検出パラメータ(特定のアルゴリズムの1以上の閾値に関する値等)を特定することができる。
【0054】
前記した如く、第1の特性の特定にはウェーハの異なる領域における第1の特性のばらつきの特定を含めることができる。この種の実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定には、異なる領域における第1の特性のばらつきに個別に基づく異なる領域ごとの1以上の欠陥検出パラメータの選択が含まれる。例えば、例えばフィルム組成あるいは形態変化に起因するウェーハの特定領域における低空間周波数ヘイズのばらつきは、これらの領域における固定点の欠陥検出閾値に加えあるいはこれに代えて動的な点欠陥検出閾値の使用を示唆することができる。ウェーハの異なる領域においてどの1(または複数)の欠陥検出アルゴリズムおよび/または1(または複数)の方法を使用するかの特定に加え、第1の特性のばらつきを用いてウェーハの異なる領域に関する他の任意の1(または複数)の検出パラメータ(特定のアルゴリズムの1以上の閾値に関する値等)を特定することができる。
【0055】
別の実施形態では、1以上の欠陥検出パラメータの特定には異なる領域の第1の特性のばらつきに個別に基づき異なる領域で欠陥検出を実施することにするかどうかの判定が含まれる。例えば、一部の事例では、透かし等の特定の領域における低空間周波数特性は誤ったあるいは厄介な欠陥を排除すべくその領域に欠陥処理を一切生じさせるべきでないことを示唆することができる。
【0056】
本方法にはまた、1以上の欠陥検出パラメータと出力を用いるウェーハ上の欠陥検出が含まれる。例えば、前記した如く、1以上の欠陥検出パラメータには閾値(例えば、全体的あるいは局所的閾値)を含めることができる。こうして、1以上の欠陥検出パラメータを用いた欠陥の検出には検査システムが生成する出力に対するこの種の閾値の全体的あるいは局所的な適用を含めることができる。別の例では、前記した如く、1以上の欠陥検出パラメータには欠陥検出方法および/またはアルゴリズムを含めることができる。欠陥の検出には、それ故に、ウェーハについて検査システムが生成する出力に対する欠陥検出方法および/またはアルゴリズムの全体的あるいは局所的な適用を含めることができる。
【0057】
1(または複数)の欠陥検出パラメータは、それ故に欠陥が検出される前に第1の特性に基づき特定される。例えば、第1の特性は出力に基づき特定され、1(または複数)の欠陥検出パラメータは第1の特性に基づき特定され、続いて欠陥は出力と1(または複数)の欠陥検出パラメータを用いて検出される。こうして、出力は二度処理、すなわち一度目は第1の特性を特定し、二度目は欠陥を検出することができる。
【0058】
一部実施形態では、出力はこの出力を欠陥検出用に再処理することができるよう前記した如く記憶することができる。この種の実施形態では、前記した如く、ウェーハ全体や、検査システムにより走査されるウェーハ部分の全体や、あるいはウェーハの一部分について生成された出力を記憶することができる。こうして、ウェーハ全体について生成される出力や、検査システムにより走査されるウェーハ部分の全体、あるいはウェーハの一部分は二度処理し、一度目は第1の特性を特定し、二度目は欠陥を検出することができる。
【0059】
しかしながら、ウェーハの比較的小さな部分について生成される出力を個別に処理し、ウェーハの異なる部分に関する第1の特性を特定し、続いてその異なる部分の欠陥を検出することができる。ウェーハの比較的小さな部分についての出力を処理して第1の特性を特定し、続いてその部分の欠陥を検出した後は、その出力は廃棄することができる。かくして、比較的少量の出力を時間軸上の任意の時点でメモリに記憶させ、それによって本方法の実施に用いるシステムのメモリ要件を減らすことができる。
【0060】
一実施形態では、第1の特性の特定に用いる出力には、ウェーハに関し検査システムが生成する出力の一部分のみが含まれ、ウェーハ上の欠陥の検出に用いる出力には、ウェーハに関し検査システムが生成する出力の異なる部分が含まれる。この種の一実施形態では、第1の特性の特定に用いる出力の一部分と欠陥の検出に用いる出力の異なる部分は検査システムの異なる構成の照明および集光サブシステムにより生成される。異なる構成は、集光(例えば、幅広散光角度対幅狭散光角度)、照明(例えば、垂直(または垂直に近い)対斜め)、波長、偏光等あるいはそれらの幾つかの組み合わせにおいてのみ異ならしめることができる。出力の異なる部分は、検査システムにより同時並行的にあるいは順次生成することができる。しかしながら、同じ出力を用いて第1の特性を特定し欠陥を検出することができる。例えば、一実施形態では、第1の特性の特定に用いる出力とウェーハ上の欠陥の検出に用いる出力は、検査システムの同じ構成の照明および集光サブシステムにより生成される。上記の全ての実施形態において、検査システムの照明および集光サブシステムは下記に参照により組み込まれるBiellak et al.による特許出願に記載されている如く構成することができる。
【0061】
一部実施形態では、本方法には第1の特性と欠陥との組み合わせに基づくウェーハの分類が含まれる。第1の特性と欠陥の組み合わせに基づくウェーハの分類は、本願明細書にさらに説明するいずれかの実施形態に従って遂行することができる。
【0062】
上記したコンピュータ実装方法の各実施形態には、本願明細書に記載する他の任意の1(または複数)のコンピュータ実装方法の他の任意の1(または複数)のステップを含めることができる。加えて、上記したコンピュータ実装方法の各実施形態は、本願明細書に記載するシステムのいずれかにより実施することができる。
【0063】
別の実施形態は、ウェーハを分類するコンピュータ実装方法に関するものである。本方法には、検査システムが生成するウェーハからの散乱光に応答する出力を用いるウェーハの第1の特性の特定が含まれる。ウェーハからの散乱光に応答する出力には、本願明細書にさらに説明する出力を含む任意の適当な出力を含めることができる。検査システムは、本願明細書に記載した如く構成することができる。第1の特性は、出力と任意の適切な方法および/またはアルゴリズムを用いて本願明細書に記載する如く特定することができる。第1の特性は、前記したようにウェーハ規模あるいは何らかの局所的規模にて特定することもできる。
【0064】
第1の特性は、空間的に2次元で局在しない。第1の特性には、本願明細書に記載する任意のこの種の特性を含めることができる。例えば、一実施形態では、第1の特性は2次元における第1の特性の側方規模がシステムの点像分布関数を上回るが故に空間的に2次元で局在しない。別の実施形態では、第1の特性には表面粗さやウェーハ全体での表面粗さのばらつきやフィルム厚やフィルム組成やフィルム残滓や1以上のパターン寸法や表面組成や形態やウェーハ内の形態変化が含まれる。例えば、第1の特性にはウェーハ表面全体の表面粗さや形態やフィルム厚やフィルム組成やフィルム残渣や他の先の製法誘因変化を含めることができる。
【0065】
本方法にはまた、出力を用いたウェーハの第2の特性の特定が含まれる。第2の特性は、空間的に少なくとも1次元で局在する。より具体的には、第2の特性はウェーハの上面に実質平行な平面内に広がる少なくとも1次元で、空間的に局在する。換言すれば、少なくとも1次元はウェーハのx−y平面内で定義される。第2の特性は、少なくとも1次元におけるこの第2の特性の側方規模がシステムの点像分布関数を下回るが故に空間的に少なくとも1次元で局在することができる。例えば、第2の特性は点像分布関数を下回る点欠陥等の欠陥とすることができる。こうして、「空間的に局在すること」はおおよそ、システムの光学的点像分布関数以下を意味する。
【0066】
一実施形態では、第2の特性はウェーハ上の欠陥を含む。欠陥は、空間的に1次元あるいは2次元で局在する。例えば、第2の特性は前記したような様々な形状と寸法の粒子や欠陥を含むことがある。かくして、本願明細書に記載する方法実施形態は、システムを用いて特定することのできる少なくとも1つの特性が検査方法を用いて普通に検出される「欠陥」を含むが故に「検査方法」と見なすことができる。欠陥には、これらに限定はされないが、粒子や小孔や掻き傷や凹み傷や微細掻き傷等を含む特定点あるいは拡張された欠陥等の本願明細書に記載する空間的に局在するあらゆる欠陥を含めることができる。例えば、第2の特性にはウェーハ上の30nm〜1μmの直径を有する粒子の存在と大きさを含めることができる。しかしながら、第2の特性には検査システムにより欠陥を検出可能とする任意の大きさ(例えば、30nm未満で1μm超)を有するウェーハ上の欠陥を含めることができる。第2の特性には、数や種別や大きさおよび/または欠陥の空間位置等の空間的に局在する欠陥の任意の適当な特性を含めることができる。
【0067】
第2の特性の特定には、欠陥の検出と、続く検出欠陥に基づく第2の特性の特定とを含めることができる。一例として、(例えば、出力に対し閾値を適用することで)検出される欠陥の数や種別や大きさおよび/または空間位置を特定し記録することができる。欠陥の数や種別や大きさおよび/または空間位置は、そこで第2の特性として用いることができる。別の例では、第2の特性はウェーハ上の位置に拘わらず点欠陥の総数とすることができる。上記した第2の特性はいずれも、1(または複数)の任意の適当なアルゴリズムおよび/または1(または複数)の方法を用いて特定することができる。
【0068】
本方法にはさらに、第1の特性と2の特性の組み合わせに基づくウェーハの分類が含まれる。例えば、表面検査システムでは、システムの点像分布関数をずっと上回る長さ規模に対し特定されたウェーハの1(または複数)の特性を、後検査データ処理において(点欠陥等の)ずっと小さな空間範囲の1(または複数)の特性を本願明細書に記載した実施形態において組み合わせ、ウェーハの分類を特定する。こうして、ウェーハを分類するために本方法にはウェーハの高空間周波数(例えば、点欠陥)の1(または複数)の特性と組み合わせてウェーハを分類するウェーハの低空間周波数の活用および/またはデータ処理を含めることができる。かくして、ウェーハの分類は空間的に少なくとも1次元で局在するウェーハの他の1(または複数)の特徴(ウェーハのより小さい1(または複数の)特徴)と併せウェーハの1(または複数)の空間的に局在しない特徴を用いて実行することができる。本願明細書に記載したいずれかの実施形態に従ったウェーハの分類は、任意の適当な方法および/またはアルゴリズムを用いて遂行することができる。
【0069】
ウェーハ分類用の既に使用されている方法では、表面検査システムにより測定される様々な特性はしばしばウェーハの処置とは無関係に用いられていた。例えば、しかるべき大きさ範囲内でのウェーハ上の点欠陥の数はウェーハが「良品」か「不良品」かを判定する筈である。その同じウェーハはウェーハ品質も決定する筈の表面粗さのばらつきを有しうるが、これまでのところ、これらの特性を空間的や統計的あるいはウェーハ全体の品質のより正確な特定に向けた他の任意の適当な仕方でオーバレイ処理するか、さもなくば組み合わせる努力は殆どなされていないかあるいは皆無である。
【0070】
上記したように、第2の特性にはウェーハ上の欠陥を含めることができる。この種の一実施形態では、ウェーハの分類は出力を用いて欠陥を検出した後に行われる。例えば、一旦1(または複数)のアルゴリズムおよび/または他のデータ処理を用いてウェーハ上の関心のある全ての位置におけるウェーハ特性が特定されると、関心のある位置の全部あるいは一部について特定された第1と第2の特性をウェーハの処置あるいは分類に用いることができる。こうして、本願明細書に記載する実施形態は、ウェーハの分類は、少なくとも、ウェーハ上の個々の欠陥の分類に言及しないが故にウェーハ上の個々の欠陥を分類する方法とは異なるものである(ただし、個々の欠陥について特定される分類はウェーハ用の分類全体の特定に用いることができる)。
【0071】
一実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせは第1と第2の特性を等しく処置し、ウェーハの分類が第1と第2の特性に等しく基づくようにすることで生成される。例えば、本方法には検査後ウェーハ処置用に測定された1(または複数)の空間限定欠陥特性を等しく用いるウェーハの測定された1(または複数)の低周波数特性の処置を含めることができる。こうして、本方法はKLA−Tencor社から市販されているSURFスキャンツール上で一般に測定される「古典的な」欠陥と同じ土俵にあるSURFモニターモジュールにより測定することのできるウェーハの全ての特性を処置することができる。
【0072】
別の実施形態では、ウェーハの分類にはウェーハの全体的属性の特定が含まれる。例えば、表面検査システムでは、システム点像分布関数をずっと上回る長さ規模に亙って特定されるウェーハの1(または複数)の特徴を検査後データ処理におけるずっと小さな空間範囲(点欠陥等)の1(または複数)の特性と組み合わせ、ウェーハの属性を特定することができる。加えて、第1と第2の特性の組み合わせは、ウェーハの属性(例えば、ウェーハの品質)全体を特定するのに用いることができる。
【0073】
一実施形態では、ウェーハの分類にはウェーハに対し施す1以上の処置の特定が含まれる。例えば、ウェーハの分類にはウェーハの処置を含めることができる。処置には、さらに費用のかかる処理に対するウェーハの妥当さ等の試料全体の属性の特定を含めることができる。このように、ウェーハに対し施される1以上の処置をウェーハ処置用に特定することができる。この種の処置には、これらに限定はされないが、修理や再加工や廃棄やさらなる処理を含めることができる。こうして、本願明細書に記載する方法はウェーハの処置を改善する複数のウェーハ特性を活用する表面検査方法とすることができる。加えて、本願明細書に記載する方法は、ウェーハの複数の異なる特性を測定し、測定された特性の一部または全部を用いて試料を処置する改善された表面検査方法を提供する。
【0074】
追加の実施形態では、ウェーハの分類にはウェーハの少なくとも一部の作製に用いられた工程の属性の特定が含まれる。例えば、表面検査システムでは、システムの点像分布関数をずっと上回る長さ規模に亙り特定されるウェーハの1(または複数)の特性を検査後データ処理におけるずっと小さな空間範囲(点欠陥等)の特性と組み合わせ、ウェーハの作製に使用された工程の属性を特定することができる。ウェーハの作成に使用される工程の属性には、例えば工程が仕様内で遂行されたかどうかや、工程が仕様から逸脱していたかどうかや、工程に欠陥があるかどうかや、工程を評価すべきかどうかを含めることができる。
【0075】
一実施形態では、ウェーハの分類には、ウェーハ上の1以上の空間位置における第1の特性の存否と1以上の空間位置における第2の特性の存否との組み合わせに基づくウェーハの分類が含まれる。例えば、空間限定欠陥等の1以上の特性の存否や1以上の空間位置における表面粗さのばらつきやフィルム厚やフィルム組成やフィルム残滓やパターンの線幅や表面組成や形態変化等の低い空間周波数情報を用い、ウェーハを処置あるいは分類することができる。1以上の空間位置における第1の特性の存否は1以上の空間位置において第1の特性に閾値を適用することで特定することができ、1以上の空間位置における第2の特性の存否は1以上の空間位置において第2の特性に閾値を適用することで特定することができる。こうして、第1および/または第2の特性の閾値処理後に第1と第2の特性を用いてウェーハを分類することができる。1以上の空間位置には、ウェーハ上の1(または複数)の任意の場所を含めることができる。
【0076】
別の実施形態では、ウェーハの分類にはウェーハの1以上の空間位置における第1の特性値と1以上の空間位置における第2の特性値との組み合わせに基づくウェーハの分類が含まれる。例えば、空間限定欠陥等の1以上の特性値と表面粗さのばらつきやフィルム厚やフィルム組成やフィルム残滓やパターン線幅や表面組成や1以上の空間位置の形態変化等のより低い空間周波数情報を用い、ウェーハを処置あるいは分類することができる。1以上の空間位置における第1と第2の特性値は、第1と第2の特性に対し閾値を適用することなくウェーハ上の第1と第2の特性に関する空間情報に基づき特定することができる。こうして、第1と第2の特性の閾値適用前に第1と第2の特性を用いてウェーハを分類することができる。1以上の空間位置には、ウェーハ上の1(または複数)の任意の空間位置を含めることができる。
【0077】
一実施形態では、ウェーハの分類には、ウェーハ上の所定位置の第1の特性とウェーハ上の同一位置の第2の特性との組み合わせに基づくウェーハ上の所定位置に関する単一の特性の特定と、この単一の特性に基づくウェーハの分類とが含まれる。例えば、異なる特性の大きさ、例えば単一の位置における点欠陥や増大した表面粗さは、個々の特性の上位版である単一特性に組み合わせるかあるいは区分けすることができる。単一の特性は、そこでウェーハの分類に用いることができる。
【0078】
別の実施形態では、ウェーハの分類には第1と第2の特性の一方がウェーハの所定領域内に存在するかどうかの判定と、第1と第2の特性の一方がその領域に存在する場合に、存在する第1または第2の特性にだけ基づくウェーハの分類が含まれる。例えば、分類目的に合わせ、1以上の他の特性が存在する領域において特性の1つを無視することができる。ウェーハの領域には、ウェーハの任意の適当な領域(例えば、ウェーハの領域の一部だけ)を含めることができる。第1と第2の特性の一方がウェーハの所定領域に存在するかどうかの判定は、ウェーハの異なる領域ごとに個別に行なうことができる。加えて、ウェーハの分類はウェーハの異なる領域に存在する第1または第2の特性だけに基づき行なうことができる。
【0079】
一部実施形態では、ウェーハの分類にはウェーハの所定領域における第1と第2の特性値の特定と、ウェーハの所定領域における第1と第2の特性値に基づき、第1または第2の特性にのみ基づくウェーハの分類が含まれる。例えば、分類目的に合わせ、特性のうちの1つは1以上の他の特性がしかるべき値を有する所定領域内で無視することができる。ウェーハの領域には、ウェーハの任意の適当な領域(例えば、ウェーハの領域の一部のみ)を含めることができる。ウェーハの所定領域の第1と第2の特性値の特定は、ウェーハの異なる領域ごとに個別に行なうことができる。加えて、ウェーハの対応領域における第1と第2の特性値に応じ、ウェーハの分類はウェーハの異なる領域における第1または第2の特性にだけ基づき行なうことができる。
【0080】
追加の実施形態では、ウェーハの分類には第1と第2の特性が共にウェーハの所定領域内に存在する場合と第1と第2の特性がウェーハの異なる領域に存在し、ウェーハの所定領域には共存しない場合とで異なる分類が含まれる。例えば、ウェーハの同一領域における2以上の特性がウェーハを試料の異なる領域に存在する同じ2以上の特性とは異ならしめて分類できるようにする。
【0081】
一実施形態では、ウェーハの分類に用いる第1の特性はウェーハ規模について特定され、ウェーハの分類に用いる第2の特性にはウェーハ規模について特定された第2の特性の属性が含まれる。例えば、ウェーハ上で検出された位置とは無関係の点欠陥の総数等の第2の特性には、例えばウェーハを分類する透かし等の不要なフィルムや特徴が存在する箇所の総表面積等の第1の特性を組み合わせることができる。この種の1つの例では、特定のウェーハ上の点欠陥の数は比較的小さく、そのことを根拠にしてのみウェーハを検査に「合格」させることができる。しかしながら、同一のウェーハには実質大型の空間的に局在しないタイプの特徴を持たせることができる。2つの特性(実質的に大型の空間的に局在しないタイプの特徴を示す第1の特性とウェーハ上の比較的少数の点欠陥を示す第2の特性)は、「欠陥」結果をもたらしうる。
【0082】
一部実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせには第1と第2の特性のオーバレイ処理が含まれる。例えば、表面検査システムでは、システム点像分布関数をずっと上回る長さ規模に亙って特定されたウェーハの1(または複数)の特性に、オーバレイ処理を用いた検査後データ処理におけるずっと小さな空間範囲(点欠陥等)の1(または複数)の特性を組み合わせ、ウェーハを分類することができる。この種の1つの例では、点欠陥結果群は空間的に局在しない特徴結果群を用いてオーバレイ処理することができる。オーバレイ処理される特性には、本願明細書に記載する第1と第2の特性のいずれかや、第1の特性の1以上の属性と第2の特性の1以上の属性や、第2の特性の1以上の属性と第1の特性や、第1の特性の1以上の属性と第2の特性とを含めることができる。例えば、ウェーハ全体に関する第1および/または第2の特性についての結果「統計値」を相互にあるいは他の特性を用いてオーバレイ処理することができる。加えて、オーバレイ処理は第1と第2の特性値や第1と第2の特性の欠如や第1と第2の特性の存在の幾つかの組み合わせを用いて行なうことができる。例えば、オーバレイ処理は、第1の特性に対する閾値の適用結果や第2の特性に対する閾値の適用結果やそこへの閾値の適用を伴わない第1の特性(例えば、第1の特性の閾値処理前)やそこへの閾値の適用を伴わない第2の特性(例えば、第2の特性の閾値処理前)の幾つかの組み合わせを用いて行なうことができる。オーバレイ処理は、ウェーハ全体あるいは検査期間中に走査されるウェーハ部分の全体について施すことができる。別の選択肢では、オーバレイ処理はウェーハの一部のみあるいは検査期間中に走査されるウェーハの一部分にだけ施すことができる。こうして、この組み合わせにはウェーハ規模あるいは局所的規模に対し第1と第2の特性のオーバレイ処理を含めることができる。第1と第2の特性のオーバレイ処理は、任意の適当な1(または複数)のアルゴリズムおよび/または1(または複数)の方法を用いて施すことができる。
【0083】
別の実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせには第1と第2の特性の領域準拠オーバレイ処理が含まれる。例えば、表面検査システムでは、システム点像分布関数をずっと上回る長さ規模に亙り特定されたウェーハの1(または複数)の特性を領域準拠オーバレイ処理を用いて後検査データ処理におけるずっと小さな空間範囲(点欠陥等)の1(または複数)の特性と組み合わせ、ウェーハの分類を特定することができる。この種の1つの例では、点欠陥群はウェーハの比較的小さな領域すなわち区域における空間的に局在しない特徴結果群を用いてオーバレイ処理することができる。所定領域上でオーバレイ処理された特性には、本願明細書に記載する第1と第2の特性のいずれかや、第1の特性の1以上の属性と第2の特性の1以上の属性や、第2の特性の1以上の属性と第1の特性や、第1の特性の1以上の属性と第2の特性を含めることができる。例えば、ウェーハの領域ごとに特定された第1および/または第2の特性に関する結果「統計」は、互いにあるいは他の特性と共にオーバレイ処理することができる。加えて、領域準拠オーバレイ処理は第1と第2の特性値や第1と第2の特性の欠如や第1と第2の特性の存在の幾つかの組み合わせを用いて行なうことができる。例えば、領域準拠オーバレイ処理は、第1の特性に対する閾値の適用結果や第2の特性に対する閾値の適用結果やそこへの閾値の適用を伴わない第1の特性(例えば、第1の特性の閾値処理前)やそこへの閾値の適用を伴わない第2の特性(例えば、第2の特性の閾値処理前)の幾つかの組み合わせを用いて行なうことができる。第1と第2の特性の領域準拠オーバレイ処理は、任意の適当な1(または複数)のアルゴリズムおよび/または1(または複数)の方法を用いて行なうことができる。
【0084】
領域準拠オーバレイ処理は、ウェーハの1領域についてのみあるいはウェーハの2領域以上(例えば、ウェーハ上の関心のある領域だけ)について行なうことができる。オーバレイ処理を施すウェーハの1(または複数)の領域は、組み合わせてウェーハ全体あるいは検査期間中に走査されるウェーハの部分全体に亙り延在させるか、あるいはウェーハ全体の一部分のみあるいは検査期間中に走査されるウェーハの一部分のみに延在させることができる。加えて、オーバレイ処理を行なうウェーハの1(または複数)の領域は1以上の特性に基づき特定することができる。例えば、本方法には、ウェーハの異なる領域で検出された点欠陥の数等の第2の特性を分析し、点欠陥の数が比較的大きなウェーハの領域を識別し、続いて点欠陥の数が比較的大きいこれらの領域でだけオーバレイ処理を行なう(例えば、点欠陥の数がウェーハの何らかの空間的に局在する特性に対応するかどうか判定する)ことを含めることができる。
【0085】
追加の実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせは第1と第2の特性の空間的な組み合わせを含む。例えば、第1と第2の特性の空間的な組み合わせには前記した如く第1と第2の特性のオーバレイ処理(空間準拠オーバレイ処理)を含めることができる。しかしながら、第1と第2の特性の空間的組み合わせは必ずしもオーバレイ処理を含むとは限らない。例えば、第1と第2の特性を数学的にあるいはさもなくばウェーハ上の個々の位置について(例えば、空間準拠で)組み合わせることができる。ウェーハ上の個々の位置の第1と第2の特性は、他の任意の適切な仕方で組み合わせることができる。加えて、第1と第2の特性の空間的組み合わせは、第1と第2の特性値や第1と第2の特性の欠如や第1と第2の特性の存在の幾つかの組み合わせに基づき生成することができる。例えば、空間的組み合わせは、第1の特性に対する閾値の適用結果や第2の特性に対する閾値の適用結果やそこへの閾値の適用を伴わない第1の特性(例えば、第1の特性の閾値処理前)やそこへの閾値の適用を伴わない第2の特性(例えば、第2の特性の閾値処理前)の幾つかの組み合わせに基づき生成することができる。
【0086】
もう一つの実施形態では、第1と第2の特性の組み合わせには第1と第2の特性の統計的組み合わせが含まれる。第1と第2の特性は、任意の適当な態様にて統計的に組み合わせることができる。加えて、第1と第2の特性の統計的組み合わせは、第1と第2の特性値や第1と第2の特性の欠如や第1と第2の特性の存在の幾つかの組み合わせに基づき生成することができる。例えば、統計的な組み合わせは、第1の特性に対する閾値の適用結果や第2の特性に対する閾値の適用結果やそこへの閾値の適用を伴わない第1の特性(例えば、第1の特性の閾値処理前)やそこへの閾値の適用を伴わない第2の特性(例えば、第2の特性の閾値処理前)の幾つかの組み合わせに基づき生成することができる。
【0087】
一実施形態では、本方法には出力を用いたウェーハの追加の特性の特定が含まれる。追加の特性には、空間的に局在しない1以上の追加の特性および/または空間的に少なくとも1次元で局在する1以上の追加の特性を含めることができる。例えば、第1の特性にはウェーハ全体の表面粗さのばらつきを含めることができ、第2の特性にはウェーハ上の粒子の特性を含めることができ、追加の特性にはウェーハ上のフィルム厚のばらつきを含めることができる。別の例では、第1の特性にはウェーハ上のフィルム厚のばらつきを含めることができ、第2の特性にはウェーハ上の粒子の特性を含めることができ、追加の特性にはウェーハ上の小孔の特性を含めることができる。
【0088】
この種の一実施形態では、ウェーハの分類には全ての追加の特性と第1と第2の特性の組み合わせとに基づくウェーハの分類が含まれる。例えば、表面検査システムでは、システム点像分布関数をずっと上回る長さ規模に亙って特定されたウェーハの1(または複数)の特性を測定された全ての特性の検査後データ処理におけるずっと小さな空間範囲(点欠陥等)の1(または複数)の特性と組み合わせることができる。この種の別の実施形態では、ウェーハの分類には追加の特性および第1と第2の特性の組み合わせの全てに満たないものに基づくウェーハの分類が含まれる。例えば、表面検査システムでは、システム点像分布関数をずっと上回る長さ規模に亙って特定されたウェーハの1(または複数)の特性を測定された一部の特性だけの検査後データ処理におけるずっと小さな空間範囲(点欠陥等)の1(または複数)の特性と組み合わせることができる。
【0089】
上記の如く、一実施形態では、第2の特性はウェーハ上の欠陥を含む。この種の一実施形態では、本方法には第1の特性に基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定が含まれる。第1の特性に基づく1以上の欠陥検出パラメータの特定は、本願明細書にさらに説明する如く行なうことができる。この種の一実施形態では、第2の特性の特定には1以上の欠陥検出パラメータと出力とを用いたウェーハ上での欠陥検出が含まれる。1以上の欠陥検出パラメータと出力とを用いたウェーハ上の欠陥の検出を、本願明細書にさらに説明する如く行なうことができる。第2の特性は、本願明細書にさらに説明する如く検出欠陥に基づき特定することができる。
【0090】
一実施形態では、第2の特性はウェーハ上の欠陥を含む。第2の特性には、前述の如くウェーハ上の欠陥を含めることができる。この種の一実施形態では、本方法は欠陥領域の第1の特性に基づく欠陥の分類を含む。こうして、本方法には他方の特性に基づく一方の特性の分類を含めることができる。欠陥の分類には、欠陥の欠陥種別の特定を含めることができる。例えば、(第2の特性に含まれる)点欠陥の種別は欠陥領域における第1の特性(例えば、第1の特性の局所的値)に基づき特定することができる。欠陥領域における第1の特性には、欠陥と空間的に一致する(例えば、欠陥が位置する同じ領域)第1の特性の1(または複数)の値を含めることができる。しかしながら、欠陥の所定領域における第1の特性には、欠陥近傍(例えば、欠陥のほぼ1ミクロン以内)の第1の特性の1(または複数)の値を含めることができる。上記の第1の特性に基づく欠陥の分類は、任意の適当なアルゴリズムおよび/または方法を用いて行なうことができる。
【0091】
別の実施形態では、第2の特性にはウェーハ上の欠陥の1以上の属性が含まれ、本方法には欠陥の1以上の属性のうちの少なくとも1つと組み合わせた欠陥領域における第1の特性に基づく欠陥の分類が含まれる。例えば、ウェーハ上の欠陥の1以上の属性には本願明細書に記載する欠陥の1以上の次元での欠陥の大きさおよび/または他の任意の1(または複数)の属性を含めることができる。欠陥の1(または複数)の属性は、検査システムが生成する出力と任意の適当なアルゴリズムおよび/または方法を用いて特定することができる。こうして、本方法の本実施形態には他方の特性に基づく一方の特性の分類もまた含めることができる。欠陥の分類には、欠陥の欠陥種別の特定を含めることができる。例えば、(第2の特性に含まれる)点欠陥の種別は、欠陥の1以上の属性(例えば、大きさ)と組み合わせた、その欠陥領域における第1の特性(例えば、第1の特性の局所的値)に基づき特定することができる。欠陥領域における第1の特性には、前記のこの種の第1の特性のいずれかを含めることができる。欠陥の属性の少なくとも1つと組み合わせた欠陥領域における第1の特性に基づく欠陥の分類は、任意の適当なアルゴリズムおよび/または方法を用いて行なうことができる。
【0092】
追加の実施形態では、本方法には第1の特性の領域における第2の特性に基づく第1の特性の1以上の属性の特定が含まれる。例えば、本方法には第1の特性の領域における第2の特性に基づく第1の特性の分類を含めることができる。こうして、本方法には他方の特性に基づく一方の特性の分類を含めることができる。第1の特性の分類には、第1の特性の欠陥種別または他の種別の特定を含めることができる。別の例では、本方法には第1の特性の領域における第2の特性に基づく第1の特性の原因の特定を含めることができる。この種の例では、空間的に限定された第2の特性は第1の空間的に拡張された特性の原因を明確にするのに役立てることができる。1つの具体例では、ウェーハ上のレジスト上の粒子の存在はウェーハのレジスト厚さのばらつきに関係付けることができる(例えば、粒子がウェーハ上のレジストの実質均一な被覆を妨げる場合)。それ故、ウェーハ上の粒子の存在と厚さのばらつきに対するそれらの空間的な関係は、厚さのばらつきの原因(例えば、粒子自体の存在)の分類に役立つ。第1の特性の領域における第2の特性には、第1の特性と空間的に一致する(例えば、第1の特性と同一の領域あるいは第1の特性の局所的値と同じ領域の)第2の特性の1(または複数)の値を含めることができる。しかしながら、第1の特性の領域における第2の特性には、第1の特性に近いかあるいは第1の特性の局所的値に近い(例えば、第1の特性のほぼ1ミクロン以内あるいは第1の特性の局所的値のほぼ1ミクロン以内の)第2の特性の1(または複数)の値を含めることができる。第1の特性の1以上の属性の特定はまた、第1の特性の1以上の他の属性(例えば、空間範囲や形状やウェーハ位置の関数としてのばらつき等)と組み合わせた第1の特性の領域における第2の特性に基づいて行なうことができる。前記した第2の特性に基づく第1の特性の分類は、任意の適当なアルゴリズムおよび/または方法を用いて遂行することができる。
【0093】
前記したコンピュータ実装方法の各実施形態には、本願明細書に記載する他の任意の1(または複数)のコンピュータ実装方法の他の任意の1(または複数)のステップを含めることができる。加えて、前記したコンピュータ実装方法の各実施形態は本願明細書に記載されたいずれかのシステムにより実施することができる。
【0094】
図2は、本願明細書に説明する1以上のコンピュータ実装方法を実行することのできるシステムの一実施形態を示す。システムは、検査システム18を含む。検査システムは、ウェーハからの散乱光に応答する出力を生成するように構成される。検査システムは、本願明細書にあたかも全て記載されている如くに参照により組み込まれる本発明の譲受人に譲渡された2008年5月28日出願のBiellak et al.による米国特許出願第12/128,426号に記載されている如く構成することができる。加えて、検査システムは、本願明細書にあたかも全て記載されている如くに参照により組み込まれるJudell et al.の米国特許第7,286,218号に記載されている如く構成することができる。さらに、本願明細書に記載する方法はSPx系列ツール等の既存の検査システムを用いて(例えば、本願明細書に記載する実施形態に基づき既存の検査システムを修正することで)装備させることができる。この種の一部システムでは、本願明細書に記載する方法実施形態の機能はシステムの随意選択的な機能として(例えば、システムの他の機能に加え)提供することができる。
【0095】
システムはまた、コンピュータシステム20を含む。検査システムが生成する出力は、コンピュータシステムに供給することができる。例えば、コンピュータシステムは、検査システム(例えば、検査システムの1以上の検出器あるいは検出サブシステム)に結合し、コンピュータシステムが検査システムが生成する出力を受け取れるようにすることができる。コンピュータシステムは、出力を用いて本願明細書に記載したいずれかのコンピュータ実装方法のいずれかの1(または複数)のステップを実行するよう構成することができる。例えば、コンピュータシステムは出力を用いてウェーハの第1の特性を特定するよう構成することができる。第1の特性には、本願明細書に記載する第1の特性のいずれかを含めることができる。コンピュータシステムは、第1の特性に基づき1以上の欠陥検出パラメータを特定するよう構成することもできる。1以上の欠陥検出パラメータには、本願明細書に記載した欠陥検出パラメータのいずれをも含めることができる。加えて、コンピュータシステムは1以上の欠陥検出パラメータと出力とを用いてウェーハ上の欠陥を検出するよう構成することができる。欠陥には、本願明細書に記載する欠陥のいずれをも含めることができる。コンピュータシステムは、さらに本願明細書に記載する如くこの種のステップ(と本願明細書に記載する他の任意の1(または複数)のコンピュータ実装方法実施形態の他の任意の1(または複数)のステップ)を実行するよう構成することができる。
【0096】
コンピュータシステムは、パーソナルコンピュータシステムや画像コンピュータやメインフレーム・コンピュータシステムやワークステーションやネットワーク機器やインターネット機器や他の装置を含む様々な形態をとることができる。一般に、用語「コンピュータシステム」は記憶媒体からの命令を実行する1以上のプロセッサを有するあらゆる装置を包含するよう広義に定義することができる。コンピュータシステムには、並列プロセッサ等の当分野で公知の任意の適当なプロセッサを含めることもできる。加えて、コンピュータシステムには独立型あるいはネットワーク接続されたツールのいずれかとして高速処理とソフトウェアを有するコンピュータ・プラットフォームを含めることができる。
【0097】
コンピュータシステムは、検査システムに含まれるコンピュータシステムとしたり、あるいは検査システム外付けの(であるが、前記した如く検査システムあるいは検査システムのコンピュータシステムに結合され、コンピュータシステムが検査システムにより生成される出力を受け取ることができるようにした)コンピュータシステムとすることができる。例えば、前記したコンピュータシステムは検査ツールや計測ツールや精査ツールや他のツールの一部を形成しない独立型システムとして構成することができる。この種の実施形態では、コンピュータシステムは「有線」および/または「無線」部分を含めることのできる伝送媒体により他のシステムからデータや情報(例えば、検査システムにより生成される出力)を受け取り、かつ/または取得するよう構成することができる。こうして、伝送媒体はコンピュータシステムと他のシステムとの間のデータリンクとして役立てることができる。加えて、コンピュータシステムは伝送媒体を介してデータを他のシステムに送信することができる。この種のデータには、本願明細書に記載する方法の結果のいずれをも含めることができる。
【0098】
別の実施形態は、本願明細書に記載した1以上のコンピュータ実装方法の実施形態を実施するコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体に関する。この種の一実施形態が、
図2に示してある。例えば、
図2に示す如く、コンピュータ可読媒体22は本願明細書に記載する1以上のコンピュータ実装方法の実施形態を実施するコンピュータシステム20上で実行可能なプログラム命令24を含む。
【0099】
本願明細書に記載したもの等の方法を実施するプログラム命令24は、コンピュータ可読媒体22を介して伝送あるいは記憶させることができる。コンピュータ可読媒体は、導線やケーブルや無線伝送リンク等の伝送媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体は、読み出し専用メモリやRAMや磁気ディスクもしくは光ディスクあるいは磁気テープ等の記憶媒体とすることもできる。
【0100】
プログラム命令は、とりわけ手順準拠技法や構成要素準拠技法および/またはオブジェクト準拠技法を含む様々な方法のいずれかにて実行することができる。例えば、プログラム命令はマトラボ(Matlab)、ビジュアルベーシック(Visual Basic)、ActiveXコントロール、C言語によるプログラミング、C++言語によるオブジェクト指向プログラミング、C#言語によるプログラミング、ジャバビーンズ(JavaBeans)、マイクロソフト・ファンデーション・クラスイズ (「MFC」:Microsoft Foundation Classes)、あるいは必要に応じて他の技術や原理体系を用いて実行することができる。
【0101】
本願明細書に記載した実施形態にはまた、記憶媒体内に本願明細書に記載した1以上のコンピュータ実装方法の1以上のステップの結果の記憶を含めることができる。この結果には、本願明細書に記載する任意の結果を含めることができる。この結果は、当分野で公知の任意の仕方で記憶させることができる。記憶媒体には、当分野で公知の任意の適切な記憶媒体を含めることができる。結果を記憶させた後、結果は記憶媒体内でアクセスし、本願明細書に記載した任意の方法あるいはシステムの実施形態や他の任意の方法あるいは他の任意のシステムにより用いることができる。さらにまた、その結果は「恒久的」や「半恒久的」や「一時的」あるいは何らかの時間期間に亙り記憶させることができる。例えば、記憶媒体はランダム・アクセス・メモリ(RAM)とすることができ、結果は必ずしも記憶媒体内に永久に残存するとは限らない。
【0102】
本発明の様々な態様のさらなる改変例や代替実施形態は、本説明に鑑み当業者には明白であろう。例えば、ウェーハを検査しかつ/または分類するコンピュータ実装方法が提供される。従って、本説明は例示としてのみ解釈すべきであり、また本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的に合わせたものである。図示し本願明細書に記載した本発明の形態は目下の好適な実施形態として解釈すべきであると、理解されたい。本発明の説明の便益を手にした後で当業者に全て明らかとなる筈である如く、本願明細書に図示し説明されたものについて要素や材料を置き換えることができ、部品や工程を逆転することができ、本発明の幾つかの特徴を独立して活用することができる。下記の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨ならびに範囲から逸脱することなく、本願明細書に記載した要素に変更を施すことができる。
なお、本発明は以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
ウェーハを検査するコンピュータ実装方法であって、検査システムにより生成される、ウェーハからの散乱光に応答する出力を用いてウェーハの第1の特性を特定する、ステップであり、第1の特性が、空間的に2次元で局在していない、ステップと、第1の特性に基づき1以上の欠陥検出パラメータを特定するステップと、1以上の欠陥検出パラメータと出力とを用いてウェーハ上の欠陥を検出するステップであり、欠陥が空間的に少なくとも1次元で局在している、ステップとを含む、方法。
適用例2:
第1の特性の特定に用いる出力は、ヘイズに起因する散乱光に応答する出力を含む、適用例1の方法。
適用例3:
第1の特性の特定に用いる出力は、パターンノイズに起因する散乱光に応答する出力を含む、適用例1の方法。
適用例4:
第1の特性は、表面粗さやウェーハ全体での表面粗さのばらつきやフィルム厚やフィルム組成やフィルム残滓や1以上のパターン寸法や表面組成や形態やウェーハ内の形態変化を含む、適用例1の方法。
適用例5:
第1の特性は、表面粗さの全表面の空間周波数帯域の、部分集合だけについての表面粗さのばらつきを含む、適用例1の方法。
適用例6:
第1の特性は2次元における第1の特性の側方規模が、検査システムの点像分布関数を上回るが故に、空間的に2次元で局在していない、適用例1の方法。
適用例7:
1以上の欠陥検出パラメータを特定するステップは、ウェーハについて1以上の欠陥検出パラメータを全体的に特定するステップを含む、適用例1の方法。
適用例8:
1以上の欠陥検出パラメータを特定するステップは、ウェーハの、異なる複数の領域に対して、1以上の欠陥検出パラメータを局所的に特定するステップを含む、適用例1の方法。
適用例9:
第1の特性を特定するステップは、ウェーハ全体に1方向に沿って第1の特性のばらつきを特定するステップを含み、1以上の欠陥検出パラメータを特定するステップは、第1の特性のばらつきに基づき1以上の欠陥検出パラメータを特定するステップを含む、適用例1の方法。
適用例10:
第1の特性を特定するステップは、ウェーハの、異なる複数の領域の、第1の特性のばらつきを特定するステップを含み、1以上の欠陥検出パラメータを特定するステップは、異なる複数の領域の第1の特性のばらつきに基づき、異なる複数の領域について、個別に1以上の欠陥検出パラメータを選択するステップを含む、適用例1の方法。
適用例11:
第1の特性を特定するステップは、ウェーハの、異なる複数の領域の、第1の特性のばらつきを特定するステップを含み、1以上の欠陥検出パラメータを特定するステップは、異なる複数の領域の第1の特性のばらつきに基づき、異なる複数の領域において、個別に欠陥を検出するステップを実施するかどうかを判定するステップを含む、適用例1の方法。
適用例12:
第1の特性の特定に用いる出力は、ウェーハ用の検査システムが生成する出力の一部しか含んでおらず、ウェーハ上の欠陥の検出に用いる出力は、ウェーハ用の検査システムが生成する出力の別の部分を含み、第1の特性を特定するのに用いる出力の一部分と欠陥を検出するのに用いる出力との異なる部分が、検査システムの、照明サブシステムおよび集光サブシステムの異なる構成によって生成される、適用例1の方法。
適用例13:
第1の特性を特定するのに用いる出力とウェーハ上の欠陥の検出に用いる出力は、検査システムの、照明サブシステムおよび集光サブシステムの同一構成により生成される、適用例1の方法。
適用例14:
第1の特性と欠陥との組み合わせに基づきウェーハを分類するステップをさらに含む、適用例1の方法。
適用例15:
ウェーハを分類するコンピュータ実装方法であって、検査システムによって生成されたウェーハからの散乱光に応答する出力を用いてウェーハの第1の特性を特定するステップであり、第1の特性が空間的に2次元で局在していない、ステップと、出力を用いてウェーハの第2の特性を特定するステップであり、第2の特性が空間的に少なくとも1次元で局在している、ステップと、第1の特性と第2の特性の組み合わせに基づきウェーハを分類するステップとを含む、方法。
適用例16:
第1の特性は、2次元における第1の特性の側方規模がシステムの点像分布関数を上回るが故に空間的に2次元で局在していない、適用例15の方法。
適用例17:
第1の特性は、表面粗さ、ウェーハ全体の表面粗さのばらつき、フィルム厚、フィルム組成、フィルム残滓、1以上のパターン寸法、表面組成、形態、またはウェーハ内の形態の変化を含む、適用例15の方法。
適用例18:
第2の特性はウェーハ上の欠陥を含んでおり、前記分類するステップは、出力を用いて欠陥が検出された後に実行される、適用例15の方法。
適用例19:
第1の特性と第2の特性の組み合わせは、前記分類するステップが、第1の特性と第2の特性に等しく基づくよう第1の特性と第2の特性を等しく扱うことで生成される、適用例15の方法。
適用例20:
前記分類するステップは、ウェーハに対し施す1以上の処置を特定するステップを含む、適用例15の方法。
適用例21:
前記分類するステップは、ウェーハの全体的属性を特定するステップを含む、適用例15の方法。
適用例22:
前記分類するステップは、ウェーハの少なくとも一部の作成に用いる工程の属性を特定するステップを含む、適用例15の方法。
適用例23:
前記分類するステップは、ウェーハ上の1以上の空間位置における、第1の特性の存否と、1以上の空間位置における、第2の特性の存否との組み合わせに基づいて、ウェーハを分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例24:
前記分類するステップは、ウェーハ上の1以上の空間位置における第1の特性値と、1以上の空間位置における第2の特性値との組み合わせに基づいて、ウェーハを分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例25:
前記分類するステップは、ウェーハ上の所定位置の第1の特性と、ウェーハ上の同じ位置の第2の特性との組み合わせに基づき、ウェーハの所定位置について単一の特性を特定し、この単一の特性に基づきウェーハを分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例26:
前記分類するステップは、第1と第2の特性の一方がウェーハの所定領域に存在するかどうか判定し、第1と第2の特性の一方がその所定領域に存在する場合に、存在する第1または第2の特性だけに基づきウェーハを分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例27:
ウェーハを分類するステップは、ウェーハの所定領域において第1と第2の特性値を特定し、ウェーハの所定領域における第1と第2の特性値に基づき、第1と第2の特性のみに基づいて、ウェーハを分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例28:
前記分類するステップは、第1の特性と第2の特性の両方がウェーハの所定領域に存在する場合と、第1の特性と第2の特性がウェーハの異なる領域に存在し、ウェーハの所定領域に両方が存在しない場合とを異ならしめて分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例29:
前記分類するステップに用いる第1の特性は、ウェーハ規模について特定され、前記分類するステップに用いる第2の特性はウェーハ規模について特定される第2の特性の属性を含む、適用例15の方法。
適用例30:
第1と第2の特性の組み合わせは、第1と第2の特性の重ね合わせを含む、適用例15の方法。
適用例31:
第1と第2の特性の組み合わせは、第1と第2の特性の領域に基づく重ね合わせを含む、適用例15の方法。
適用例32:
第1と第2の特性の組み合わせは、第1と第2の特性の空間的組み合わせを含む、適用例15の方法。
適用例33:
第1と第2の特性の組み合わせは、第1と第2の特性の統計的組み合わせを含む、適用例15の方法。
適用例34:
出力を用いてウェーハの追加の特性を特定するステップをさらに含み、前記分類するステップは全ての追加の特性と第1と第2の特性の組み合わせとに基づきウェーハを分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例35:
出力を用いてウェーハの追加の特性を特定するステップをさらに含み、前記分類するステップは追加の特性および第1と第2の特性の組み合わせの全てに満たないものに基づきウェーハを分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例36:
第2の特性はウェーハ上の欠陥を含んでおり、前記方法はさらに第1の特性に基づき1以上の欠陥検出パラメータを特定するステップを含み、第2の特性を特定するステップは、1以上の検出パラメータと出力とを用いてウェーハ上の欠陥を検出するステップを含む、適用例15の方法。
適用例37:
第2の特性はウェーハ上の欠陥を含んでおり、前記方法はさらに欠陥の領域内の第1の特性に基づき欠陥を分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例38:
第2の特性はウェーハ上の欠陥の1以上の属性を含んでおり、前記方法はさらに、欠陥の1以上の属性のうちの少なくとも1つと組み合わせて欠陥の領域における第1の特性に基づき、欠陥を分類するステップを含む、適用例15の方法。
適用例39:
第1の特性の領域における第2の特性に基づき、第1の特性の1以上の属性を特定するステップをさらに含む、適用例15の方法。