【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、主要な構成要素として厚紙から作製され、または厚紙を備える構造を提供する。これは、厚紙が、構造の全重量の典型的には少なくとも80%、85%、90%を構成し、時には少なくとも95%でさえも構成することを意味する。構造は、以下に説明するように、例えば、厚紙の円柱、棒などであることができる厚紙から作製可能であり、あるいは木材またはプラスチックなどの他の軽量材料から作製可能である補強長尺部材を備える。長尺部材は、前記部材の長さ全体または少なくとも主要部分全体で、前記長尺部材に緊密に結合されるように形成される厚紙パネルの部分によって全体的または部分的に包囲される(または巻かれる)。厚紙パネルのいくつかの他の部分は、互いに結合されて、多層厚紙要素を画定する。前記長尺部材は、厚紙パネルの結合された部分と共に一緒にコア包囲要素を形成する。コア包囲要素は、多層平坦要素に配置され、多層平坦要素の縁部を画定して、機能的要素として独自で作用することが可能であり、構造上の補強的重要性などを有することが可能である。本発明の特有の形態の1つは、以下に更に説明するように、少なくとも部分的に、および時には主として、前記長尺コア包囲要素によって与えられる全体的な剛性である。本発明の構造は、例えば二輪車または三輪車など、車輪付き装置のような装置の部分を構成することができる。
【0005】
本発明は、互いに緊密に結合され、第1の面および第2の面を有し成形された厚紙パネルによって構成されている2つ以上の厚紙層をそれぞれ備える1つまたは複数の略平坦な要素を備える厚紙をベースとするユニットを提供する。ユニットは、2つ以上の長尺部材の周りに巻かれているパネルの包囲部分をそれぞれ備える少なくとも2つのコア包囲要素を更に備えて、パネルが前記部材に緊密に結合するようにする。これらの要素は、ユニットの中で互いに一体となっている。
【0006】
一般に、「長尺」という用語は、その要素が、その要素の他の寸法よりもより顕著な長さ寸法を有することを意味する。そのような要素は、「厚紙を備える構造的要素」と題し、2つの米国特許仮出願第61/715,359号明細書および第61/787,229号明細書から優先権を主張する、同時に出願され、本願の権利者が所有するPCT出願(以後、「構造要素PCT出願」)の中に開示されている細長い要素の構造を一般に有することができる。長尺部材(それらの文献には「矩形副構造」と呼ばれる)を有するパネル部分の一方または両方が、構造の他の部品を形成するパネル部分と一体である。
【0007】
「厚紙パネル」という用語は、その長さおよび幅と比較すると実質的に薄い広い表面を有する平坦な、または略平坦な厚紙片を意味する。厚紙パネルは、均一の厚紙片であることができるが、例えば、一体に接着剤で付けられ、またはそうではなく粘着された2つ以上の平坦な厚紙片から作製されて、ユニットの異なる要素に形成される、より大きい厚紙パネルを形成することも更に可能である。
【0008】
「成形された」という用語(または言語学上のその任意の変化)は、厚紙パネルに成形または形状を与える、すなわちパネルをユニット内の最終的な意図される形状に形成するという行為を示すことを意味する。そのような形成ステップには、例えば、長尺部材上方のパネルの部分を包んで、それによってそのように形成された長尺要素のコア包囲構造を得るステップが含まれる。そのような形成ステップは、いくつかの実施形態では、前記平坦な要素の中に空所を画定するステップも更に含むことができる。
【0009】
「一体の」という用語は、異なる要素を形成する際に使用されるパネル部分が、単一の、形成されたパネルのすべての部分であるということを意味する。したがって、例えば、長尺部材に沿って画定された頂点から延在するパネルの2つのスカートを画定する、長尺部材を包囲しているパネル部分の場合、パネルのスカート部分の少なくとも一方または両方が、ユニットの1つまたは複数の他方の要素を画定するパネルの他方の部分の中に延在する。
【0010】
1つまたは複数の厚紙ユニットの要素が、互いに緊密に結合され(例えば、接着剤または他の粘着手段によって互いに付着されている)、第1の面および第2の面を有する成形された厚紙パネルによって構成されている2つ以上の厚紙の層の部分を備える。注記するように、パネルの部分は、2つ以上の長尺部材の周りに巻かれており、パネルが前記部材に緊密に結合するようになって、それによって長尺コア包囲要素を画定する。長尺部材と包囲する厚紙パネルとの間の結合によって形成される、長尺コア包囲要素は、そのような長尺コア包囲要素を含まない同様の厚紙構造の剛性および曲げ耐性と比較して、厚紙構造に向上した剛性および曲げ抵抗を与えることができる。前記長尺コア包囲要素は、平坦な多層(例えば、2層)厚紙ユニットの縁部を画定することができる。典型的には、2つのそのようなコア包囲要素が、その間に延在する略平坦な要素の縁部を画定する。
【0011】
長尺部材(上記に注記するように、厚紙、木材またはプラスチックから作製され得る)は、典型的には丸みを帯びた形状、例えば円形断面(長円形、楕円形などであってよい)を含み、したがって、前記長尺コア包囲要素は典型的には丸みを帯びているが、しかし、適切なダイを使用して、例えば矩形外部横断面形状を有する他の形状に成形されることができる。
【0012】
本発明は、PCT出願の構造要素の特徴、ならびに「厚紙をベースとする構造」と題し、その関連する内容を本明細書に参照によって組み込む米国特許仮出願第61/787,292号明細書から優先権を主張する、別の同時に出願され、本願の権利者が所有するPCT出願の構造要素の特徴と共通のいくつかの特徴を実施する。
【0013】
本発明の厚紙をベースとするユニットは、前記長尺コア包囲要素に垂直な3点または4点曲げ強度を含み、その曲げ強度は、そのような長尺コア包囲要素がない2層厚紙構造の強度よりも著しく大きい。「著しく大きい」という用語は、その強度が、長尺部材がない、補強部材または規則的2層厚紙構造のいずれの強度よりも少なくとも2倍、5倍、時には少なくとも10倍大きいということを意味する。この曲げ耐性に関するいくつかの説明、およびパラメータをPCT出願の構造要素の中に見られ、その内容は上記に注記するように、その関連する部分について参照によって本明細書に組み込まれる。
【0014】
厚紙パネルは、例えば、その間に複数の空所を画定する波形の、縦溝付き、またはそうではなくゆるく詰まった紙シートまたはストリップによって形成される複数のセルまたは空所を画定するように配置されている紙、重質紙または厚紙(参照を容易にするために、「紙」という用語が、集合的に紙、重質紙または厚紙を呼ぶために以後使用される)でできている(i)少なくとも1つの低密度層を備え、(ii)低密度層の一方の側面または両方の側面で裏打ちされた1つまたは複数のライナ厚紙シート(すなわち、低密度層をライナの間に挟む)を備える種類の厚紙から成ることができる。そのような厚紙パネルの実施例は、「波形厚紙」として公知であり、縦溝付または波形の紙パネル、またはストリップ、および縦溝付または波形の紙の一方の側面または両方の側面(すなわち挟んでいる)の1つまたは2つの平坦なライナボードから成り、「ハニカム厚紙」と呼ぶこともできる。そのような材料は、箱および出荷用梱包の製造で広く使用されている。波形またはハニカム厚紙パネルは、単層または多層厚紙パネルであることができる。これらの用語は、単一の厚い紙パネルの簡単な配置から複数の波形またはハニカムおよび他の層を特徴とする複雑な構成までの範囲に亘る様々な強度の重質厚紙を包含することを更に意味する。
【0015】
一実施形態によれば、厚紙をベースとするユニットは、対応する平行な長尺部材によって形成される、2つの第1の互いに平行である長尺コア包囲要素を備える。そのような第1の長尺コア包囲要素は、その間に延在する第1の略平坦な要素の縁部を画定する。第1の長尺コア包囲要素は、対応する第1の平行な長尺部材に結合されている。前記第1の長尺部材は、元の厚紙パネルの中央セグメントと、中央セグメントに隣接する第1の側方セグメントおよび第2の側方セグメントの一方との間をそれぞれ分離することが可能であり、以前はパネルの部分であった2つのセグメントが、長尺部材の上方に巻かれて、一体に2層の要素を形成する。
【0016】
一実施形態によれば、第1の側方セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分が、中央セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分に(形成された構造の反対側)付着されている。別の実施例では、第1の側方セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分、および2つの第2の側方セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分が、両方とも中央セグメントの第1の面の対応する部分に付着されている。
【0017】
上記の段落に定義される実施形態による少なくとも2つの平行な長尺部材が、パネルの第1の面に結合される。側方セグメントの端部の縁部である、元のパネルの反対側の縁部が互いに近接するように、典型的に構造は形成される。このようにして、閉ループ構造がパネルによって形成され、第1の長尺コア包囲要素が、そのようなループの先端を画定する。
【0018】
別の実施例では、閉ループ構造を形成するのではなく、厚紙は、反対側に配向された折り重ねによって「S」字形に概ね類似する形態に折り重ねられる。そのような構成では、第1の側方セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分が、中央セグメントの第1の面の対応する1つまたは複数の部分に付着されており、一方、中央セグメントの第2の面の対応する1つまたは複数の部分が、第2の側方セグメントの第2の面の対応する1つまたは複数の部分に付着されている。この構成では、第1の平行な長尺コア包囲要素内の長尺部材が、一方はパネルの第1の面に結合され、他方はパネルの第2の面に結合される。
【0019】
一実施形態によれば、そのような平坦な厚紙片は、表面全体の上に完全な厚紙多層構造を含む形態で略矩形である。別の実施形態では、例えば、多層厚紙要素からの切り抜きによって、または元の厚紙パネルを適切に形成することによって、この平坦な厚紙要素の中に1つまたは複数の空所が画定され、それが装飾的または機能的な重要性を有することができる。
【0020】
一実施形態では、厚紙をベースとするユニットが、1つまたは複数の一体の第2の長尺コア包囲要素(前記第1の長尺コア包囲要素に垂直に配向されている、長尺部材の周りに包まれる厚紙パネルの部分によって形成される)を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、厚紙をベースとするユニットは、二輪車または三輪車などの車輪付き装置の部品である。そのような実施形態のユニットは、(i)前輪および(ii)二輪車または三輪車の1つまたは複数の他の部品に取り付けるように構成されている、平行な第1の長尺要素の間に形成される1つの平坦な要素を備えることができ、第1の要素に垂直であり、平坦な要素と一体であり、二輪車または三輪車のハンドルバーとして構成されている第2の長尺要素を備える。平坦な片は、典型的には、(i)前輪および(ii)二輪車または三輪車の1つまたは複数の他の部品に結合する機能を有する空所と共に構成される。
【0022】
本明細書に開示される主題をよりよく理解するために、およびその主題が実際に実施される方法を例示するために、次に実施形態が、添付の図面を参照して非限定的な実施例だけによって説明される。