(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成形ベース材料を、アルカリケイ酸塩バインダー又は水ガラスバインダーと混合し、かつコアシューターを用いてコアボックス内で鋳造品製造のためのロストコア又は成形品を成形することによる、鋳造品製造のためのロストコア又は成形品を製造する方法であって、前記アルカリケイ酸塩バインダー又は水ガラスバインダーが、1.5〜3.5の係数を有するアルカリケイ酸塩溶液又は水ガラス溶液、並びに前記バインダーの全割合を基準に測定して0.1〜25質量%の割合の、5μm未満の粒度を有する天然及び/又は合成添加剤を含有し、ここで、前記天然及び/又は合成添加剤は、前記バインダーの全割合を基準に測定してそれぞれ1〜5質量%で少なくともケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸ナトリウムアルミニウムであること、前記ロストコア又は他の成形品を、加熱されていないコアボックス内で成形すること、並びにそのように成形した前記ロストコア又は成形品を、CO2で富化された高温空気を用いて硬化させることを特徴とする、方法。
前記成形ベース材料として、石英砂、ジルコン砂、クロマイト砂、オリビン砂、長石砂、ムライト砂、耐火粘土砂、ボーキサイト砂又はルチル砂から選択される少なくとも1種の砂を用いることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
前記バインダーが、ケイ酸ジルコニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化チタン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸リチウム、ゲルマン酸ナトリウム、ゲルマン酸カリウム、ゲルマン酸リチウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マグネシウム鉄ケイ酸塩、酸化鉄、水酸化鉄及び二酸化ケイ素から選択される少なくとも1種の更なる天然及び/又は合成添加剤を、前記バインダーの全割合を基準に測定してそれぞれ0〜3質量%の割合で含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
高温空気を用いた硬化のために、機械的に又は圧力シールを施して前記コアシューター内に又は前記コアシューターに組み込まれている高温空気発生器を使用することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
鋳造品製造のためのロストコア又は成形品用の成形ベース材料を結合するためのアルカリバインダー又は水ガラスバインダーであって、1.5〜3.5の係数を有するアルカリケイ酸塩溶液又は水ガラス溶液、並びに前記バインダーの全割合を基準に測定して0.1〜25質量%の割合の、5μm未満の粒度を有する天然及び/又は合成添加剤を含有し、ここで、前記天然及び/又は合成添加剤が、前記バインダーの全割合を基準に測定してそれぞれ1〜5質量%で少なくともケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸ナトリウムアルミニウムである、前記アルカリバインダー又は水ガラスバインダー。
前記バインダーが、ケイ酸ジルコニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化チタン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸リチウム、ゲルマン酸ナトリウム、ゲルマン酸カリウム、ゲルマン酸リチウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マグネシウム鉄ケイ酸塩、酸化鉄、水酸化鉄及び二酸化ケイ素から選択される少なくとも1種の更なる天然及び/又は合成添加剤を、前記バインダーの全割合を基準に測定してそれぞれ0〜3質量%の割合で含有することを特徴とする、請求項15記載のバインダー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造された構成部品を製造(鋳造品製造)するための鋳型用のロストコア又は成形品の製造に関する。ロストコアは、鋳造工業において、鋳造品の内部の空洞を実現するために必要とされ、例えば乗用車のシリンダーヘッド用のコアのように、極めて複雑な構造を有することがある。
【0002】
ロストコアは、粒状の乾燥した成形ベース材料(Formgrundstoff)、砂、しばしば石英砂、或いはまたクロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、長石砂、ムライト砂又はその他の砂と、化学的に硬化するバインダー系とから製造される。これらの成分は、混合され、場合によっては更なる添加剤を添加しながら及び圧力の適用(圧縮空気)によって、成形用型(Urformwerkzeug)(コアボックス又は成形ボックス)内に入れられる。引き続き行われる、なおルーズな成形材料混合物の固化は、様々な手法によって、例えば、硬化ガス、例えば二酸化炭素を導入することによって、又は加熱された、すなわち金属製の成形用型を用いた熱固化によって行われることができる。
【0003】
水ガラスをベースにした、通常は、多成分系として、水ガラス成分と、たいてい粉末状の添加剤成分とから成るバインダーが知られている。成形ベース材料と混合されて、コア又はコア成形品へと成形され、このような成形品は、物理的固化(脱水、水抜き、乾燥)又は化学的固化(化学硬化)によって固化させられ得る。
【0004】
バインダーとしてケイ酸ナトリウムベースのバインダー混合物を利用するINOTEC法が知られており、その際、このバインダーの場合、いわゆるイノテック促進剤として知られている添加剤の添加によって、成形材料の様々な特性が改善される。このときの硬化は、150〜250℃の金型温度及び同じ温度範囲において引き続き行われる高温空気を用いたフラッシングにより段階的に進行するコア成形材料の脱水によって行われる。砂品質に応じて、1.8〜2.5%のバインダー含分及び0.1%〜1.0%の促進剤含分が使用される。促進剤は、なかでも、コア成形材料及びコアの流動性並びに強度を改善し、その際、促進剤は、個々のバインダー粒子を互いに結合させて、三次元の網目構造を形成する。
【0005】
INOTEC法及びINOTECバインダーの主たる適用分野は、例えば、シリンダーヘッドを製造するための、或いはまた弁体鋳造の軽金属合金及び非鉄金属合金である。
【0006】
バインダーが、リン酸塩基、ホウ酸塩基及びケイ酸塩基の組合せから成るマトリックスを有するCORDISバインダー系も知られている。このCORDISバインダー系は、CORDISバインダーとAnorgit添加剤とから成る無機二成分系である。このバインダー系を用いるためには、加熱されたコアボックス(130〜180℃)及び高温空気を用いたパージ(100〜200℃)が必要である。用いられるバインダー含分は、バインダーの種類に応じて1.5〜3.0%であってよい。その際、350〜550N/cm
2の曲げ強度が得られる。
【0007】
CORDISバインダー系は、同様に、調温されたコア製造金型において無機結合されたコアを製造するために使用される。CORDISバインダー系は、溶剤としての水と無機バインダーマトリックスとから成る。このバインダーマトリックスは、使用目的に応じて、変性されたリン酸塩基、ケイ酸塩基及びホウ酸塩基の組合せから成る。さらに、直接バインダー内に無機材料を添加することによって又はコア製造時の添加剤として、特性を適宜制御することができる。これらの特性に数えられるのは、例えば、流動性、成形材料混合物の反応性、溶融物によるコアの湿潤又は貯蔵安定性である。
【0008】
このバインダーの場合に問題なのは、その親水性に基づき、結合されたコアの貯蔵安定性が制限されていることである。例えば、24時間貯蔵すると、強度は出発強度の約1/3が低下する。CORDISバインダー系は、アルミニウム重力金型鋳物用に有利である。
【0009】
無機コアのエミッションフリーな製造のための別の選択肢は、いわゆるAWB(無機ウォームボックス)法である。AWB法も、加熱されたコアボックス(160〜200℃)により作業される。コアの打込み(Schiessen)時に、コアボックスに負圧がかけられ、これは発生する水蒸気の排出に役立つ。硬化は、純粋に物理的な性質であって、鋳込み後の成形材料の再生に良い影響を及ぼす。コアボックス内のコアがある一定の加工強度を有した後に、これはマイクロ波加熱炉内で低出力にて完全に硬化させられる。
【0010】
このAWB法は、調温された金型内で水ガラスにより結合された成形材料の熱硬化と、これに続けて行われるマイクロ波乾燥に基づく。バインダーとして、苛性ソーダによる希釈によって低い粘度を有する変性された水ガラスが使われる。これにより製造された成形材料混合物の流動性ひいてはその打込み性が、コア又は成形品の良好な製造を可能にする。AWB法における成形材料の固化は、もっぱら、脱水、すなわち160〜200℃の金型温度での乾燥によって行われ、その際、追加的に負圧をかけてよい。この最終的な乾燥は、そのとき低出力のマイクロ波加熱炉によって保証される。バインダー添加率は1.5〜2.5%である。添加剤は省かれる。
【0011】
独国特許出願公開第10321106号明細書からは、溶融軽金属を注入するための鋳型からの成形品用成形材料が知られており、その際、成形ベース材料として、石英を含まない砂(オリビン)及び水ガラスをベースとする無機バインダーが使用される。
【0012】
噴霧乾燥された水ガラスがバインダーとして使用される水ガラス粉末系も知られている。しかしながら、この粉末バインダーは、鋳造運転において作業場の空気を汚染する極微小の粒子から成っていることが欠点である。
【0013】
先行技術からは、二成分バインダー系が知られている。独国実用新案第202008017975U1は、第一の液状の水ガラスと、第二の固体状で粒状の金属酸化物含有成分とから成る二成分系を開示している。さらに、表面活性物質が、好ましくは液状成分に加えられる。その際、金属酸化物は、100μm未満でかつ10μm超の粒径を有している。このバインダーの場合、表面活性物質を混ぜる必要があることが欠点である。そのうえ、バインダーは二成分系として準備されて、その使用前にまず手間をかけて一緒に混合されなければならない。
【0014】
独国特許出願公開第2434431号明細書は、水ガラスをベースとするバインダー系を開示しており、その際、これにより製造された成形材料混合物は、成形ベース材料及びバインダーの他に、一連の追加的な成分を含有している。バインダーは、3.5:1〜10:1のケイ酸とアルカリ金属酸化物との比を有しており、かつ3〜15質量%の割合で成形ベース材料に加えられる。この多成分系のために用いられる添加剤は、粘土又はアルミナ、炭素質材料(例えばピッチ若しくはカーボンブラック)及び皮膜形成樹脂接着剤(例えばポリ酢酸ビニル分散液若しくは酢酸ビニル−エチレン−コポリマー)である。
【0015】
独国特許出願公開第102012020510号明細書は、耐火性の成形ベース材料、水ガラスベースの無無機バインダー及び粒状の非晶質SiO
2から成る成形材料混合物を開示している。さらに、これは、二成分バインダーとして働く系とともに追加的な有機添加剤及び種々の界面活性剤を含有している。ここでは、粒状の非晶質SiO
2が粉末として加えられる。使用された成形材料混合物は、硬化剤(例えばエステル化合物又はリン酸塩化合物)を含み、かつアルミニウム鋳造分野での使用に適している。成形材料混合物の硬化は、有利には120〜250℃に加熱される高温の金型を用いて行われる。
【0016】
独国特許出願公開第102007027577号明細書は、アルカリケイ酸塩ベースのバインダーの他に、0.1〜10%の苛性ソーダ及び30〜70%の非晶質で球形のSiO
2固形分割合を有する0.1〜3質量%の懸濁液である添加物を含有する成形材料混合物を開示している。このようにして製造された成形材料混合物の乾燥のために、この方法はマイクロ波エネルギーを用いている。
【0017】
中国特許出願公開第1721103号明細書は、鋳造品の鋳込み後の改善された分解挙動を有する、成形品製造用の無機バインダーを開示している。そのために、このバインダーは、グルコース粉末、炭酸カルシウム粉末、懸濁剤及び更なる添加剤を含有している。
【0018】
独国特許出願公開第102007023883号明細書は、特定の湿分を有する湿らされたガスをコアシューターに供給するための打込み用ガス処理装置を開示しており、その際、このガスの温度は、様々に変化させられることができる。湿らされたガスを調温するために、マイクロ波エミッターが用いられることができる。
【0019】
欧州特許出願公開第2163328号明細書は、成形ベース材料を、全成形材料質量に対して0.25〜0.9%の範囲の水ガラスバインダーでコーティングし、このバインダーが更に、接着促進剤、流動性向上剤、表面用改善剤、乾燥剤又は離型剤の群からの少なくとも1種の添加剤を含有している方法を開示している。さらに、この成形材料混合物中には、例えば水蒸気との接触によって硬化する少なくとも1種の硬化剤が含まれている。製造された成形品の硬化は、好ましくは60〜120℃の温度に加熱される加熱式の成形用型内で行われる。
【0020】
欧州特許出願公開第1095719号明細書には、コアを製造する型砂用のバインダー系が記載されている。水ガラスベースのこのバインダー系は、アルカリケイ酸塩水溶液と、吸湿性塩基、例えば水酸化ナトリウムとからなり、これは1:4〜1:6の比で混ぜられる。この水ガラスは、2.5〜3.5の係数SiO
2/M
2O及び20〜40%の固形分割合を有している。複雑なコア型にも充填されることができる流動性の成形混合物を得るために、並びに吸湿特性の制御のために、このバインダー系は更に、表面活性物質、例えば≧250℃の沸点を有するシリコーン油を含有する。このバインダー系は、適した耐火材料、例えば石英砂と混合され、次いでコアシューターによりコアボックス内に打ち込まれることができる。成形材料混合物の硬化は、依然として含まれる水を取り去ることによって行われる。鋳型の乾燥又は硬化は、マイクロ波を作用させて行ってもよい。
【0021】
国際公開第2006/024540号は、アルカリ水ガラス並びに二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン及び酸化ジルコニウムの群から選択される粒状の金属酸化物を含有するバインダーの使用によって、鋳型の強度が、形状付与及び硬化の直後にも、空気湿度増大下での貯蔵時にも著しく改善され得ることを記載している。これらの酸化金属の粒度は、好ましくは300μm未満であり、殊に有利には100μm未満である。成形材料混合物の製造時に、一般的には、まず耐火性の成形ベース材料を装入し、次いで撹拌しながらバインダーを加える手法がとられる。その際、水ガラス及び粒状の金属酸化物は、それ自体任意の順番で加えてよい。しかしながら、液状の成分が初めに加えられる場合に好ましい。欠点なのは、この成形材料系の場合も加熱された成形用型を用いて処理されなければならないことである。
【0022】
高品質かつ幾何学的に複雑なロストコアを製造するための今日のコア製造法の問題は、健康及び環境に害を及ぼすバインダー、触媒、硬化ガス(アミン−空気混合物若しくは二酸化硫黄)、又は高いエネルギー消費量で加熱されなければならない、一般に鋼から作られた高価な金属製のコアボックスのいずれかが用いられなければならないことにある。
【0023】
本発明の課題は、環境及び現場に優しいバインダー系を用いて、木材、プラスチック、金属又はそれらの組合せから成る成形用型の使用のもと、活発な加熱を行わずに、無機バインダー系を用いて複雑な形状をしたロストコア又は成形品の製造を可能にする鋳型用のロストコア又は成形品を製造する方法を開発することである。
【0024】
本発明により、前記課題は、成形ベース材料を、アルカリケイ酸塩バインダー又は水ガラスバインダーと混合し、かつコアシューターを用いてコアボックス内で鋳型用のロストコア又は成形品を形作る、鋳造品製造のための鋳型用のロストコア又は成形品を製造する方法によって解決され、かつこの方法は、アルカリケイ酸塩バインダー又は水ガラスバインダーが、1.5〜3.5の係数を有するアルカリケイ酸塩溶液又は水ガラス溶液、並びにバインダーの全割合を基準に測定して0.1〜25質量%の割合の、5μm未満の粒度を有する天然及び/又は合成添加剤を含有し、ここで、天然及び/又は合成添加剤は、バインダーの全割合を基準に測定してそれぞれ1〜5質量%で少なくともケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸ナトリウムアルミニウムであること、ロストコア又は成形品を、加熱されていないコアボックス内で形作ること、並びにこのようにして形作られたロストコア又は成形品は、高温空気を用いて硬化させることを特徴とする。
【0025】
これに関して、通常の砂の場合、成形ベース材料用のバインダーとして、変性されたアルカリケイ酸溶液又は水ガラス溶液が用いられ、その際、バインダーは、本発明により、5μm未満の粒度を有する天然又は合成鉱物をベースとする添加剤を含有し、かつコアシューターにより製造されたロストコアは、CO
2で富化されていてよい高温空気を用いて硬化させられる。
【0026】
ロストコアは、本発明により、例えば、鋳物における、複雑な輪郭、たいてい空洞のためのスペーサーとして機能するために鋳造品の製造時に用いられる成形品を意味する。これらは一方では、鋳造プロセス中に形状をとどめるのに十分に堅牢で安定でなければならず、他方では、それらは鋳造プロセス及び鋳造品の冷却後に、完成した鋳造品から容易に除去されることができるべきである。このため、ロストコアは、成形ベース材料と、上述の要件に適合し得るために十分な安定性をもたらすバインダーとから成る。
【0027】
成形品は、本発明により、例えば、その外部形態がその後の鋳造品に相当する鋳型の部品を意味する。
【0028】
水ガラス溶液は、単一の化合物ではなく、溶相の様々の組成を有するアルカリケイ酸塩のガラス様に固化した溶融物の総称である。アルカリケイ酸塩水溶液は、水ガラス溶液として当業者に知られている。水ガラス溶液は、一般組成xSiO
2・yM
2O・zH
2Oを有し、ここで、Mは、有利にはナトリウム、カリウム及びリチウムから選択されるアルカリ金属である。ここで、アルカリ金属酸化物に対する二酸化ケイ素の比を係数と呼ぶ。この係数は、両成分のモル比を意味する。
【0029】
バインダーは、本発明により、成形ベース材料混合物が所望の形状で保たれ、かつロストコア又は成形品がバインダーの硬化後に生じるようにする。その際、ロストコア又は成形品は、製造されるべき鋳造品がもはや変形を被らない程度にまで固化及び冷却されるまでのあいだ少なくとも形状安定であるべきである。その際、バインダーは、単一成分系又は多成分系として存在してよく、すなわち、それは使用直前に一緒に混合されてよいか又はすぐに使える調製物として存在してよい。
【0030】
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及びケイ酸リチウム並びに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム若しくは水酸化リチウム又はそれらの組合せをベースとするバインダーが用いられる。
【0031】
微粒状の天然及び/又は合成添加剤は、バインダー中で0.1〜25質量%の割合で、有利には0.5〜15質量%の割合で含まれている。コア製造時の成形材料混合物中でのバインダーの割合は5質量%より低く、かつ好ましくは0.5〜3.5質量%、特に有利には1.0〜2.0質量%である。
【0032】
有利には、天然及び/又は合成添加剤は、5μm未満の粒度を有し、それによって、好ましくはバインダー中で添加剤が沈殿することが防がれる。したがって、バインダーは、数ヶ月、少なくとも2ヶ月は貯蔵可能である。
【0033】
コアシューターは、ロストコアを製造するための装置である。通常用いられるコアシューターは当業者に知られている。コアシューターは、バインダーと混合された成形ベース材料をコアボックス内に打ち込むのに役立つ。コアボックスは、ロストコアにその後の形状を付与する型を意味する。そのために、バインダーと混合された成形ベース材料は、コアシューターを用いてコアボックス内に正圧下で打ち込まれて、当該ボックス内で硬化させられる。好ましくは、本発明によるコアボックス自体は加熱されず、それゆえにコアボックスの材料は、プラスチック、木材及び金属又は金属合金、例えばアルミニウムから選択されていてよい。コアボックスは、少なくとも最初の使用時に室温を有する。つまり、好ましくはエネルギーが節約される。なぜなら、初めにコアボックス全体を加熱し、かつ使用期間にわたって一定の温度に温め続ける必要がないからである。本発明の特別な実施形態においては、コアボックスは、加熱可能な材料、有利には鋼から成る。好ましくは、コアボックスは、ロストモールドが高温空気を用いて硬化させられる場合に加熱し、こうして、これらのコアボックス内でのその後のロストコアの素早い硬化に寄与する。空気は、本発明の範囲内では、自然に存在する地球の大気のガス混合物であり、その組成は変わり易く、かつ当業者に知られており、主成分中に少なくとも窒素、酸素、アルゴン並びにより僅かな割合の、例えば他の希ガス及び二酸化炭素を含有する。
【0034】
有利には、ケイ酸アルミニウムは、天然ケイ酸アルミニウムであり、ケイ酸マグネシウムは、天然ケイ酸マグネシウムであり、かつケイ酸ナトリウムアルミニウムは、合成ケイ酸ナトリムアルミニウムである。天然及び合成添加剤の種々の由来及び種類は、当業者に知られている。
【0035】
有利には、バインダーは、成形ベース材料の量を基準に測定して5質量%未満の割合で当該成形ベース材料と混合される。
【0036】
有利には、成形ベース材料として、石英砂、ジルコン砂、クロマイト砂、オリビン砂、長石砂、ムライト砂、耐火粘土砂、ボーキサイト砂又はルチル砂から選択される少なくとも1種の砂が用いられる。ロストコア又は成形品を製造するためのベース材料として更なる適した砂が当業者に知られている。砂は、本発明により、0.02〜2mmの範囲のサイズの粒径を有するあらゆる鉱物物質を意味する。
【0037】
有利には、バインダーは、ケイ酸ジルコニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化チタン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸リチウム、ゲルマン酸ナトリウム、ゲルマン酸カリウム、ゲルマン酸リチウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マグネシウム鉄ケイ酸塩、酸化鉄、水酸化鉄及び二酸化ケイ素から選択される少なくとも1種の更なる天然及び/又は合成添加剤を、バインダーの全割合を基準に測定してそれぞれ0〜3質量%の割合で含有する。
【0038】
バインダー系に加えられる天然又は合成材料は、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化チタン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム若しくはアルミン酸リチウム、ゲルマン酸ナトリウム、ゲルマン酸カリウム、ゲルマン酸リチウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マグネシウム鉄ケイ酸塩、酸化鉄、水酸化鉄又は二酸化ケイ素を含有してよい。特に適しているのは、以下の材料であって、水酸化マグネシウム、アルミン酸リチウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム及び/又は二酸化ケイ素が含まれる。
【0039】
有利には、アルカリケイ酸塩バインダー又は水ガラスバインダーとして、一成分バインダーが使用される。
【0040】
一成分バインダーは、本発明の範囲内では、一成分系を意味する。一成分系は、バインダー(一成分系)のその後の凝結又は硬化に必要な全ての成分が、この一成分バインダー中に既に含まれていることを特徴とする。したがって、その使用前に混ぜ合わせることは、好ましくはもはや必要ではない。
【0041】
有利には、高温空気を用いた硬化のために、機械的に又は圧力シールを施してコアシューター内に又は当該コアシューターに組み込まれている高温空気発生器(Heisslufterzeuger)が使用される。
【0042】
高温空気発生器は、空気及びその他のガス又はガス混合物を吸い上げて、加熱された装置に導くことによって、それらを所望の温度に加熱することができる装置である。当業者には、種々の高温空気発生器が知られている。
【0043】
好ましくは、高温空気発生器をコアシューター内に若しくは当該コアシューターに組み込むことによって、又はそのすぐ近くで組み込むことによって熱損失が最小限に抑えられる。
【0044】
好ましくは、バインダーと混合された成形ベース混合物は、高温空気との接触によって、ロストコア又は成形品へと硬化させられ得る。
【0045】
有利には、高温空気発生器は、持続的な機械的結合によってコアシューターと結合されている。
【0046】
高温空気発生器とコアシューターとの結合は、例えば、堅い導管又は柔らかいゴム管により行ってよい。当業者には、双方の装置を連結するための方法が知られている。
【0047】
有利には、高温空気発生器の制御は、コアシューターの制御に組み込まれる。
【0048】
有利には、高温空気は、500℃までの温度、特に有利には150〜300℃、極めて有利には150〜200℃の温度で用いられる。
【0049】
本発明による方法の特別な実施形態においては、高温空気は、空気の全割合を基準に測定して5〜99体積%の範囲、特に有利には30〜96体積%の範囲、極めて有利には65〜96体積%の範囲の二酸化炭素含有率で使用される。
【0050】
この二酸化炭素割合によって、硬化の度合いが高められ得る。
【0051】
本発明の特別な実施形態においては、純粋な二酸化炭素がバインダーの硬化のために使用される。
【0052】
有利には、高温空気は、バインダーの硬化のために、40,000l/分までの体積流、特に有利には20,000l/分〜35,000l/分の体積流で用いられる。
【0053】
有利には、高温空気は、10barまでの圧力、有利には2〜5barの圧力、極めて有利には2〜4barの圧力で用いられる。
【0054】
有利には、高温空気により、15〜200秒間、特に有利には30〜90秒間、極めて有利には30〜60秒間硬化させられる。
【0055】
好ましくは、ロストコアは、比較的僅かなエネルギー消費量にて短時間で硬化させられることができる。先行技術により知られているコアボックス全体の加熱には、はるかに高いエネルギー消費量が必要である。
【0056】
有利には、特定方向への高温空気の吸引は、1barまでの負圧によって行われる。
【0057】
硬化後、堅固なロストコア又は成形品がコアボックスから取り出されて、鋳造品製造のために用いられる。
【0058】
硬化のために、高温空気発生器が、熱損失を最小限に抑えるために、機械的に若しくは圧力シールを施してコアシューター内に若しくは当該コアシューターに組み込まれるか、又はすぐ近くで組み込まれる。有利には、高温空気発生器の組込みは、持続的な機械的結合によってコアシューターと結合される。高温発生器の制御は、コアシューターの制御に組み込まれる。
【0059】
硬化時に、高温空気が500℃までの温度及び10barまでの正圧で用いられる。高温空気は、1barまでの負圧によって吸い上げられることもできる。体積流の制御及び調節は、40,000l/分の範囲で行われる。
【0060】
本発明による方法は、環境及び現場に優しいバインダー系を用いた鋳型用のロストコア又は成形品の製造を可能にする。本発明の好ましい実施形態においては、このバインダー系は、簡素化された使用を可能にする一成分系である。さらに、バインダーは、より僅かな量で用いてもよく、有利には、成形ベース材料の質量を基準に測定してバインダー2質量%で十分である。加熱されていないコアボックスの使用によって、一方では、エネルギー及びコストを節約する方法が提供され、他方では、感熱性材料から成るコアボックスも使用されることができる。好ましくは、本発明による方法に従って製造されたロストコア又は成形品は、高い一次強度の他に、鋳造後の低い二次強度も有する。一次強度は、本発明により、製造後のロストコア又は成形品の強度を意味する。有利には、一次強度は、ロストコア又は成形品が長期間にわたり耐久性及び貯蔵安定性であり、かつその使用中にそれらが崩壊しない程度に高い。二次強度は、本発明の範囲内では、ロストコア又は成形品を使った鋳造品の製造後の強度を意味する。有利には、二次強度は、ロストコア又は成形品が素早くかつ簡単に鋳型から取り外すことができる程度に低い。
【0061】
本発明にはまた、鋳造品製造のための鋳型用のロストコア又は成形品用の成形ベース材料を結合するためのアルカリバインダー又は水ガラスバインダーであって、1.5〜3.5の係数を有するアルカリケイ酸塩溶液又は水ガラス溶液、並びにバインダーの全割合を基準に測定して0.1〜25質量%の割合の、5μm未満の粒度を有する天然及び/又は合成添加剤を含有し、ここで、天然及び/又は合成添加剤が、バインダーの全割合を基準に測定してそれぞれ1〜5質量%で少なくともケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸ナトリウムアルミニウムである前記アルカリバインダー又は水ガラスバインダーも包含される。
【0062】
好ましくは、本発明によるバインダーは、公知のバインダーと比べて、より高い流動性及びより僅かな吸水量を有する。そのため、好ましくは、従来のバインダーを用いたときより高い強度を有するロストコア又は成形品を製造することができる。
【0063】
有利には、バインダーは、ケイ酸ジルコニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化チタン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸リチウム、ゲルマン酸ナトリウム、ゲルマン酸カリウム、ゲルマン酸リチウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マグネシウム鉄ケイ酸塩、酸化鉄、水酸化鉄及び二酸化ケイ素から選択される少なくとも1種の更なる天然及び/又は合成添加剤を、バインダーの全割合を基準に測定してそれぞれ0〜3質量%の割合で含有する。
【0064】
有利には、アルカリケイ酸塩バインダー又は水ガラスバインダーは、一成分バインダーである。
【0065】
好ましくは、一成分バインダー中には、バインダーの全ての構成成分が単一の調製物において存在し、かつバインダーの使用前に一緒に混合される必要がないことから、バインダーの使用が簡素化される。
【0066】
本発明にはまた、鋳造品製造のための鋳型用のロストコア又は成形品を製造するためのアルカリケイ酸塩バインダー又は水ガラスバインダーの使用も包含される。
【0067】
下記に記載した実施例に基づき、本発明を詳細に説明することにするが、当該実施例によって本発明は制限されるものではない。
【0068】
例1−公知のバインダーを用いたロストコアの製造
成形ベース材料としての石英砂を、一方では、公知のバインダー“旧バインダー1”と混合し、かつ他方では、公知のバインダー“旧バインダー2”と混合する。その際、98質量%及び98.5質量の成形ベース材料割合を有する成形材料混合物を製造する。成形材料混合物中でのバインダー割合は、2質量%及び1.5質量%に相当していた。その際、質量パーセントとの用語は、成形ベース材料とバインダーとの混合物の全割合に対するものである。混合のためにバッチミキサーを使用した。“旧バインダー1”は、2.3の係数を有し、かつ単に有機添加剤を僅かな割合(オキソアニオン1.5%、ポリオール0.5%及び水酸化ナトリウム2%)で含有するする公知のアルカリケイ酸塩バインダーである。“旧バインダー2”は、2.3の係数を有し、かつ有機添加剤を僅かな割合(オキソアニオン1.5%、ポリオール0.5%及び水酸化ナトリウム2%)で及び流動性向上剤0.5%を含有する公知のアルカリケイ酸塩バインダーである。
【0069】
次いで、完成した成形材料混合物を、コアシューター(DISA Core EP 20)のホッパーに移す。引き続き、加熱されていないコアボックスに、短時間(2秒)の圧縮空気適用(2.5bar)によって成形材料混合物を充填する。
【0070】
それから、コアボックスをマシンの打込みヘッドから切り離して、高温空気発生器(DISA型,出力8KW)を取り付ける。次いで、形作ったロストコアに、表中に記載した温度、圧力及び時間の値に応じて高温空気を貫流させる。
【0071】
温風処理を終えた後、コアボックスを熱源と切り離して、コアシューターから取り出す。コアボックスを開けた後、コアを取り出して、更に加工することができる。
【0072】
例2−本発明によるアルカリケイ酸ガラス一成分バインダー又は水ガラス一成分バインダーを用いたロストコアの製造
ロストコアの製造のために、石英砂を成形ベース材料として使用する。この石英砂を、バッチミキサーを用いて98質量%の割合でバインダー2.0質量%と混合し、かつ第2の試験においては石英砂98.5%とバインダー1.5%とを混合する。一成分バインダーとして、以下の添加剤を有する水ガラス溶液(係数2.0〜3.5)を用いる:
【0073】
新バインダー1
水ガラス溶液の係数2.3
添加剤の全割合3.6質量%
添加剤の割合:添加剤の全割合を基準に測定して、3質量%のケイ酸アルミニウム、1質量%のケイ酸ナトリウムアルミニウム、<1質量%のケイ酸ジルコニウム
【0074】
新バインダー2
水ガラス溶液の係数2.3
添加剤の全割合3.9質量%
添加剤の割合:添加剤の全割合を基準に測定して、3質量%のケイ酸アルミニウム、1質量%のケイ酸ナトリウムアルミニウム、2質量%のケイ酸マグネシウム、<1質量%のケイ酸ジルコニウム
【0075】
新バインダー3
水ガラス溶液の係数2.5
添加剤の全割合5.2質量%
添加剤の割合:添加剤の全割合を基準に測定して、3質量%のケイ酸アルミニウム、1質量%のケイ酸ナトリウムアルミニウム、2質量%のケイ酸マグネシウム、<1質量%のケイ酸ジルコニウム
【0076】
ロストコアの製造及びそれのガス処理は、例1に記載した方法に従って行う。
【0077】
例1及び2に従って得られたロストコアを、それらの曲げ強度、圧縮強度及び残存圧縮強度に関して調べた。以下の特性を測定した:
圧縮強度は、円筒形の試験体(好ましくは直径50mm及び高さ50mm)を用いて測定した。そのために、この試験体を、その端面でもって2枚の固定されたプレッシャーディスクと1枚の可動式のプレッシャーディスクの間に挿入して荷重をかける。この試験体の破断時に示される、その断面積に対する力を、圧縮強度N/cm
2として示す。この圧縮強度は、VDG(German Association of Foundry Professionals) technical note “Testing clay-bonded moulding materials - determination of strengths”, Issue 2, P38, April 1988に従って測定する。
【0078】
残存圧縮強度は、圧縮強度と同じように測定される。
【0079】
曲げ強度は、DIN 52404及びVDG(German Association of Foundry Professionals) technical note “Binder testing - Testing of cold-hardening, resin-bonded moist moulding materials with aerosol and/or gas hardening”, P73, August 1972に収容される曲げ強度測定のための規定に従って測定する。
【0080】
第1表及び第2表は、例1及び2の曲げ強度及び圧縮強度の値を示す。曲げ強度及び圧縮強度は、汎用強度試験装置Multiserv LRu−2eを用いて測定した。
【0081】
第3表は、400℃及び800℃で鋳造をシミュレートした後の、例1及び2の残存圧縮強度の値を示す。
【0082】
第4表〜第9表は、異なるガス処理温度及び時間で1.5質量%及び2.0質量%のバインダー含有率を有する新バインダー1を使用して得られた試験値を示す。
【0083】
第4表〜第9表の試験条件:打込み圧力2.5bar、打込み時間2.0秒、曲げ試験用棒(Biegeriegel)を用いた曲げ強度試験、表中の時間は、コアボックスから試験体を取り出した後の試験時間を示す;残存圧縮強度のために、試験温度で20分間の試料の焼きなまし、焼きなまし処理を終えてから1時間後の試験、全ての測定値は、3つの個々の測定からの平均値である。
【0084】
記載した全ての例について、石英砂のHaltern H32を使用した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【表8】
【0093】
【表9】
【0094】
これらの試験は、本発明による一成分バインダーが、先行技術に従ったこれまでのバインダー系の場合に通常用いられる割合より僅かな割合において成形材料混合物中で使用され得ることを示す。
【0095】
用いた成形ベース材料の量を基準に測定して一成分バインダーの割合が1.5〜2質量%とより僅かであるにも関わらず、少なくとも同じ良好な強度特性を有するロストコアが得られる。明確にするために、ロストコア又は成形品を、公知のバインダーを用いて(“旧バインダー1”及び“旧バインダー2”)同様に僅かな割合のバインダーにより製造した。
【0096】
第1表は、ロストコアの曲げ強度を示す。本発明による一成分バインダーを用いて製造されたロストコアは、従来のバインダーを用いて製造されたロストコアより、ずっと高い曲げ強度を即座に示すだけでなく、1時間後及び24時間後にも示すことが明らかになる。この傾向は、圧縮強度の場合にも認められる。
【0097】
第4表〜第9表の試験値は、1.5質量%及び2.0質量%のバインダー割合を用いて、150〜170℃のガス処理温度及び1〜3分のガス処理時間により、曲げ強度の非常に高い値も、残存圧縮強度の非常に低い値も達成することができることを示している。試験片から検出されたこの挙動は、可能な限り高い一次強度及び非常に低い二次強度(理想的には0)という実際の要求に非常に近いものである。