【課題を解決するための手段】
【0009】
(概要)
本開示の1局面において、遠位端部および近位端部を有する細長い管状部材を含む内視鏡外科用ステープラーが提供される。第一ジョーは管状部材の遠位端部に位置づけられ、長手方向軸を有する。第二ジョーは、管状部材の遠位端部の第一ジョーに実質的に平行な関係で、配列される。第二ジョーは、第一ジョーの方へ、実質的に垂直な方向で、長手方向軸に可動である一方で、第一ジョーと第二ジョーとの間の実質的に平行な関係を維持する。外科用ステープラーは、さらに、第一ジョーおよび第二ジョーの各々に配列されたステープリングアセンブリを含む。外科用ステープラーは、縫合糸が、外科用ステープルと組み合わせて、外科用ステープラーが作動させられたとき、組織に巾着縫合糸を形成するように、外科用ステープルを組織に適用するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、外科用ステープラーは、管状部材内を長手方向に可動なプランジャおよびプランジャの長手方向の動きに反応して、実質的に垂直に長手方向軸に第二ジョーを動かすように位置づけられているカムアームを含む。
【0011】
外科用ステープラーは、最小切開外科手術における使用のために、外科用ステープラーの外科用ポートの中への挿入を可能とするように、好ましくはサイズが合わせられる。
【0012】
外科用ステープラーは、管状部材の外側の表面上に縫合糸を搭載する縫合糸維持部材を含み得る。外科用ステープラーは、管状部材に隣接する縫合糸の一部を解放可能に維持する管状部材上に位置づけられるスロットを有する複数のガイドを有し得る。
【0013】
第一ジョーは第一の長さを有し得、第二ジョーは第二の長さを有し得る。ここで、第二の長さは、第一の長さよりも大きく、第二ジョーは第一ジョーの近位に延在し得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、外科用ステープラーは、ロッキング機構を含み、外科用ステープラーからの意図しない外科用ステープルの発射を防ぐ。ロッキング機構は、いくつかの実施形態において、取り外し可能タブまたは旋回可能キャッチであり得る。取り外し可能タブは、制御装置として機能し得、プランジャの、管状部材に対する長手方向の動きを限定する。旋回可能キャッチは、キャッチをロック凹所内に取り外し可能に連結して、プランジャの、外側の管に対する長手方向の動きを限定するようにサイズおよび形が好ましくは合わせられる。
【0015】
外科用ステープラーは、管状部材に対して近位位置にあるプランジャに付勢する近位スプリングを含み得、第二ジョーを第一ジョーから遠ざけて付勢する遠位スプリングを含み得る。近位スプリングおよび遠位スプリングは、外科用ステープルの外科用ステープラーからの意図しない排出を防ぐように機能し得る。
【0016】
本開示のもう1つの局面において、近位端部および遠位端部を有する細長い管状部材を含む内視鏡外科用ステープラーが、組織に縫合糸を適用するために提供される。第一ジョーおよび第二ジョーは、管状部材の遠位端部に隣接して位置づけられる。少なくとも、第二ジョーは、第一ジョーの方へ、離間した位置から接近した位置へ可動であり、ジョーの各々は、複数のステープルおよび縫合糸の一部を含む。接近機構は、第二ジョーに関して、少なくとも第一ジョーを動かし、細長い管状部材内に位置づけられた線形にスライド可能な部材を含む。
【0017】
付勢部材は、第一ジョーを超えて延在する第二ジョーの一部に隣接して配列され得る。第一ジョーは固定され得る。第二ジョーは第一ジョーに対して、第一ジョーの方へ実質的に平行な動きで可動であり得る。第一ジョーおよび第二ジョーは、ステープルを形成し、巾着縫合糸を適用するアンビルのないステープリングアセンブリを含み得る。
【0018】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
組織に縫合糸を適用する内視鏡外科用ステープラーであって、該外科用ステープラーは、
遠位端部および近位端部を有する細長い管状部材と、
該管状部材の遠位端部に位置づけられた長手方向軸を有する第一ジョーと、
該管状部材の遠位端部の該第一ジョーに対して実質的に平行な関係で配列された第二ジョーであって、該第二ジョーは、該第一ジョーと該第二ジョーとの間の実質的に平行な関係を維持する一方で、該第一ジョーの方へ実質的に垂直な方向で長手方向軸に対して可動である、第二ジョーと、
該第一ジョーおよび該第二ジョーの各々に配列されたステープリングアセンブリであって、該ステープリングアセンブリは、該外科用ステープラーが作動されたとき、縫合糸が外科用ステープルと組み合わせて巾着縫合糸を該組織に形成するように、該外科用ステープルを組織に適用するように構成されている、ステープリングアセンブリと
を含む、外科用ステープラー。
(項目2) 上記第一ジョーは、第一の長さを有し、上記第二ジョーは、第二の長さを有し、該第二の長さは、該第一の長さよりも大きい、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目3) 上記第一ジョーを超えて延在する上記第二ジョーの一部に隣接して配列された付勢部材をさらに含み、該第一ジョーは、固定される、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目4) 上記管状部材に対して長手方向に可動なプランジャと、
該プランジャの動きに反応して上記第二ジョーを動かすよう位置づけられたカムアームと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目5) 縫合糸を上記外科用器具の外側の表面上に搭載する縫合糸維持部材をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目6) 上記外科用ステープラーからの意図しない外科用ステープルの発射を防ぐロッキング機構をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目7) 縫合糸の一部を解放可能に維持する複数のガイドをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目8) 上記ステープリングアセンブリは、アンビルのないステープリングアセンブリである、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目9) 上記ロッキング機構は、上記管状部材に対して上記プランジャの長手方向の動きを限定するため、ロック凹所に取り外し可能に連結するようにサイズおよび形が合わせられた外側の管または旋回可能キャッチに対して該プランジャの長手方向の動きを限定するよう機能する取り外し可能なタブである、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目10) 上記管状部材に対して近位位置にある上記プランジャを付勢するスプリングをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目11) 縫合糸を組織に適用する内視鏡外科用ステープラーであって、該外科用ステープラーは、
近位端部および遠位端部を有する細長い管状部材と、
該管状部材の遠位端部に隣接して位置づけられた第一ジョーおよび第二ジョーであって、少なくとも該第二ジョーは、離間した位置から接近した位置へ該第一ジョーの方へ可動であり、該ジョーの各々は、複数のステープルおよび縫合糸の一部を含む、第一ジョーおよび第二ジョーと、
少なくとも該第二ジョーを該第一ジョーに関して動かす接近機構であって、該接近機構は、該細長い管状部材内に位置づけられた線形にスライド可能な部材を含む、接近機構と
を含む、外科用ステープラー。
(項目12) 上記縫合糸を上記管状部材に搭載する縫合糸維持部材をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目13) 上記第一ジョーおよび上記第二ジョーは、上記ステープルを形成し、上記組織に巾着縫合糸を適用するアンビルのないステープリングアセンブリを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目14) 上記第二ジョーは、実質的に平行な動きで上記第一ジョーの方へ動く、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープラー。
(項目1A) 組織に縫合糸を適用する内視鏡外科用ステープラーであって、該外科用ステープラーは、
遠位端部および近位端部を有する細長い管状部材と、
該管状部材の遠位端部に位置づけられた長手方向軸を有する第一ジョーと、
該管状部材の遠位端部の該第一ジョーに対して実質的に平行な関係で配列された第二ジョーであって、該第二ジョーは、該第一ジョーと該第二ジョーとの間の実質的に平行な関係を維持する一方で、該第一ジョーの方へ実質的に垂直な方向で長手方向軸に対して可動である、第二ジョーと、
該第一ジョーおよび該第二ジョーの各々に配列されたステープリングアセンブリであって、該ステープリングアセンブリは、該外科用ステープラーが作動されたとき、縫合糸が外科用ステープルと組み合わせて巾着縫合糸を該組織に形成するように、該外科用ステープルを組織に適用するように構成されている、ステープリングアセンブリと
を含む、外科用ステープラー。
(項目2A) 前記第一ジョーは、第一の長さを有し、前記第二ジョーは、第二の長さを有し、該第二の長さは、該第一の長さよりも大きい、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目3A) 前記第一ジョーは、固定され、該第一ジョーを超えて延在する前記第二ジョーの一部に隣接して配列された付勢部材をさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目4A) 前記第一ジョーは固定されている、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目5A) 前記第二ジョーに関連付けられたカムアームを作動させるプランジャをさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目6A) 縫合糸を、前記外科用器具の外側の表面に搭載する縫合糸維持部材をさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目7A) 前記外科用ステープラーから、意図しない外科用ステープルの発射を防ぐロッキング機構をさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目8A) 縫合糸の一部を解放可能に維持する複数のガイドをさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目9A) 前記ステープリングアセンブリは、アンビルのないステープリングアセンブリである、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目10A) 上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラーであって、該外科用ステープラーは、
前記管状部材に対して長手方向に可動なプランジャと、
該プランジャの動きに反応して前記第二ジョーを動かすように位置づけられているカムアームと
を含む、外科用ステープラー。
(項目11A) 前記縫合糸を維持するために、前記管状部材の外側の表面に位置づけられたスロットを有する複数のガイドをさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目12A) 前記ロッキング機構は、前記外側の管に対して前記プランジャの長手方向の動きを限定する機能を果たす取り外し可能なタブである、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目13A) 前記ロッキング機構は、ロック凹所に取り外し可能に連結するようにサイズおよび形が合わせられ、前記管状部材に対して前記プランジャの長手方向の動きを限定する旋回可能なキャッチである、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目14A) 前記管状部材に対して近位位置にある前記プランジャに付勢するスプリングをさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目15A) 前記第一ジョーから離れるように前記第二ジョーに付勢するスプリングをさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目16A) 縫合糸を組織に適用する内視鏡外科用ステープラーであって、該外科用ステープラーは、
近位端部および遠位端部を有する細長い管状部材と、
該管状部材の遠位端部に隣接して位置づけられた第一ジョーおよび第二ジョーであって、少なくとも該第二ジョーは、離間した位置から接近した位置へ該第一ジョーの方へ可動であり、該ジョーの各々は、複数のステープルおよび縫合糸の一部を含む、第一ジョーおよび第二ジョーと、
少なくとも該第二ジョーを該第一ジョーに関して動かす接近機構であって、該接近機構は、該細長い管状部材内に位置づけられた線形にスライド可能な部材を含む、接近機構と
を含む、外科用ステープラー。
(項目17A) 前記縫合糸を前記管状部材に搭載する縫合糸維持部材をさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目18A) 前記第一ジョーおよび前記第二ジョーは、前記ステープルを形成し、前記組織に巾着縫合糸を適用するアンビルのないステープリングアセンブリを含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目19A) 前記第二ジョーは、実質的に平行な動きで前記第一ジョーの方へ動く、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
(項目20A) 前記第二ジョーに関連付けられたカムアームをさらに含む、上記項目のいずれか1項目に記載の外科用ステープラー。
【0019】
(摘要)
細長い管状部材、管状部材の遠位端部に位置づけられた、長手方向軸を有する第一ジョーおよび管状部材の遠位端部の第一ジョーに対して実質的に平行に配列された第二ジョーを含む、縫合糸を組織に適用するための内視鏡外科用ステープラー。第二ジョーは、実質的に垂直の方向に、第一ジョーの方へ長手方向軸に可動であり、一方、第一ジョーと第二ジョーとの間の実質的に平行な関係は維持する。ステープリングアセンブリは第一ジョーおよび第二ジョーの各々に配列され、外科用ステープルを組織に適用し、縫合糸が外科用ステープルと組み合わせて、外科用ステープラーが作動されたとき、組織に巾着縫合糸を形成するように構成されている。
【0020】
明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、説明に関して見たとき、本開示を例示する。