特許第6141606号(P6141606)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141606
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】自動調心ころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/48 20060101AFI20170529BHJP
   F16C 33/56 20060101ALI20170529BHJP
   F16C 23/08 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   F16C33/48
   F16C33/56
   F16C23/08
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-165937(P2012-165937)
(22)【出願日】2012年7月26日
(65)【公開番号】特開2014-25529(P2014-25529A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 祐基
(72)【発明者】
【氏名】八木 隆司
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭40−11402(JP,B1)
【文献】 特開2011−202714(JP,A)
【文献】 特開2010−48374(JP,A)
【文献】 特開2010−25183(JP,A)
【文献】 特開2008−32224(JP,A)
【文献】 特開2004−360707(JP,A)
【文献】 特開2002−339982(JP,A)
【文献】 特開2000−65052(JP,A)
【文献】 特開平11−51059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00−19/56,
33/30−33/66
F16C 21/00−27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球面軌道を内周に有し径方向に貫通する給油穴を有する外輪と、複列の球面軌道を外周に有し鍔を有しない内輪と、その内輪の複列の球面軌道のそれぞれと前記外輪の球面軌道間に組み込まれた複列の球面ころと、その複列の球面ころを保持する保持器とからなる自動調心ころ軸受において、
前記保持器が、各列毎の球面ころを保持する2つの単列ころ用保持器からなり、その2つの単列ころ用保持器のそれぞれが、外輪に案内される中央側環状体と、内輪に案内される外側環状体と、その外側環状体と中央側環状体の対向部間に渡されて周方向に球面ころの間隔をおいて設けられた複数の柱部とで形成されて、隣接する柱部間にころ収容用のポケットが形成されたかご形とされ、その2つの単列ころ用保持器を、中央側環状体が互いに対向する組込みとし、中央側環状体の互いに接触する状態で相対回転する面に保持器径方向に貫通する油溝が設けられ、その油溝は前記外輪の給油穴と連通可能であることを特徴とする自動調心ころ軸受。
【請求項2】
前記柱部のポケットと対向する側面に、ポケット内に収容された球面ころが保持器径方向の外側に抜け落ちるのを防止する複数の抜止め突部を柱部の長さ方向に間隔をおいて設けた請求項1に記載の自動調心ころ軸受。
【請求項3】
前記柱部が、保持器外径側に折れ曲がる複数の屈曲部を有してなる請求項1又は2に記載の自動調心ころ軸受。
【請求項4】
前記柱部が、保持器外径側に折れ曲がる複数の屈曲部を内周に有し、外周に球面が設けられた請求項1又は2に記載の自動調心ころ軸受。
【請求項5】
前記単列ころ用保持器が、黄銅製とされた請求項1乃至4のいずれか1項に記載の自動調心ころ軸受。
【請求項6】
前記単列ころ用保持器が、鉄製とされた請求項1乃至4のいずれか1項に記載の自動調心ころ軸受。
【請求項7】
前記単列ころ用保持器が、表面硬化処理された請求項6に記載の自動調心ころ軸受。
【請求項8】
前記単列ころ用保持器が、潤滑性処理された請求項6に記載の自動調心ころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、振動スクリーンや鉱山機械、粉砕機等の回転荷重や振動衝撃荷重を受ける装置への使用に好適な自動調心ころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
自動調心ころ軸受においては、外輪の内周に形成された球面軌道と内輪の外周に形成された複列の球面軌道の対向部間に複列の球面ころを組込み、その複列の球面ころを保持器により保持している。
【0003】
ここで、複列の球面ころを保持する保持器として、外輪案内される環状体の軸方向一側面または両側面に軸方向に延びる複数の柱部を、球面ころの間隔をおいて設けた櫛形のものが従来から知られているが、この櫛形保持器においては、強度的に弱く、大きな回転荷重を受ける状態での使用において、球面ころの遅れ進みにより、その球面ころから柱部に衝撃力が負荷されて柱部が損傷する可能性がある。
【0004】
また、環状体が外輪案内される1点支持であるため、保持器および球面ころの安定性が悪く、回転時に保持器にガタツキが生じて騒音を発生させる可能性がある。
【0005】
さらに、球面ころが柱部の先端方向に脱落するのを防止するため、内輪の外周両端部に鍔部を設けて脱落を防止する必要があり、その鍔部が軸受内部への潤滑油の侵入を阻害し、潤滑不良が生じ易い。
【0006】
そのような不都合を解消するため、特許文献1に記載された自動調心ころ軸受においては、複列の球面ころの対向部間を通って外輪案内される中央環状体の軸方向両側面に軸方向に延びる複数の柱部を球面ころの間隔をおいて設け、その柱部の外端に外側環状体を一体化したポケット列が複列のかご形保持器によって球面ころを保持するようにしている。
【0007】
上記のようなかご形保持器を採用することにより、球面ころの脱落を防止する鍔部の形成を不要とすることができるため、潤滑性に優れた自動調心ころ軸受を得ることができる。また、保持器はかご形であるため、櫛形保持器と比較して強度が高く、大きな回転荷重や振動衝撃荷重を受けることができる自動調心ころ軸受を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−317760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記特許文献1に記載の自動調心ころ軸受におけるかご形保持器においては、ポケット列が複列であるため、加工が困難であってコストが高く、そのコストを低減する上において改善すべき点が残されている。
【0010】
また、保持器および球面ころの姿勢を安定させるため、複列の球面ころの対向端面を内輪側で接触させて、その球面ころの対向端面で外輪案内される中央環状体の両側面を支持する必要がある。このため、中央環状体は外周部から内周部に向けて厚みが次第に薄くなる断面V字状となって強度的に弱く、一方、外側環状体は、保持器の組込み上、内輪の最大外径より大きくしなければならないため、外側環状体の強度も低いものとなり、保持器の強度を高める上においても改善すべき点が残されている。
【0011】
この発明の課題は、自動調心ころ軸受における保持器のコストの低減を図ること、および、強度を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、この発明においては、球面軌道を内周に有する外輪と、複列の球面軌道を外周に有する内輪と、その内輪の複列の球面軌道のそれぞれと前記外輪の球面軌道間に組み込まれた複列の球面ころと、その複列の球面ころを保持する保持器とからなる自動調心ころ軸受において、前記保持器が、各列毎の球面ころを保持する2つの単列ころ用保持器からなり、その2つの単列ころ用保持器のそれぞれが、外輪案内される中央側環状体と、内輪案内される外側環状体と、その外側環状体と中央側環状体の対向部間に渡されて周方向に球面ころの間隔をおいて設けられた複数の柱部とで形成されて、隣接する柱部間にころ収容用のポケットが形成されたかご形とされ、その2つの単列ころ用保持器を、中央側環状体が互いに対向する組込みとした構成を採用したのである。
【0013】
上記のように、複列の球面ころを保持する保持器を各列毎の球面ころを支持する2つの単列ころ用保持器とし、その単列ころ用保持器のそれぞれに外輪案内される中央側環状体と内輪案内される外側環状体とを設けることにより、単列ころ用保持器のそれぞれは軸方向の2箇所で支持されることになって姿勢が安定し、ガタツキを生じるようなことはない。
【0014】
また、単列ころ用保持器は、中央側環状体と外側環状体の対向部間に複数の柱部を周方向に設け、隣接する柱部間に球面ころを収容するポケットを設けたポケット列が単列のかご形であるため、ポケット列を複列とするかご形保持器に比較して容易に加工することができる。
【0015】
さらに、2つの単列ころ用保持器のそれぞれをポケット列が単列のかご形とすることによって、複列の球面ころの対向端面を接触させる必要がなくなり、その複列の球面ころの対向面間に広い収容空間を確保することができ、その収容空間に収容される中央側環状体を厚みのあるものとすることができる。また、外側環状体を内輪案内するようにしているため、外側環状体の内径を内輪の最小外径とほぼ等しい径の小さなものとすることができる。
【0016】
このように、中央側環状体を厚みのあるものとすることができ、一方、外側環状体は、内径を小さくすることができるため、強度の高い耐久性に優れた保持器とすることができる。
【0017】
ここで、柱部のポケットと対向する側面に、ポケット内に収容された球面ころが保持器径方向の外側に抜け落ちるのを防止する複数の抜止め突部を柱部の長さ方向に間隔をおいて設けると、両端部から長さ方向の中央部に向けて幅寸法が次第に小さくなる柱部の周方向幅の広い部分で球面ころの抜け止めとすることができるため、柱部の損傷防止に効果を挙げることができる。また、球面ころの動きを効果的に抑制することができる。
【0018】
また、柱部に保持器外径側に折れ曲がる複数の屈曲部を設けると、柱部の強度を高めることができ、耐久性に優れた保持器を得ることができる。また、柱部の外周に球面を形成すると、柱部を太くすることができ、強度的に強い耐久性に優れた保持器を得ることができる。
【0019】
さらに、2つの単列ころ用保持器における中央側環状体の互いに接触する状態で相対回転する外側面に保持器径方向に延びる油溝を設けると、その油溝によって軸受内部に供給される潤滑油を保持することができ、その潤滑油によって中央側環状体の互いに接触して相対回転する外側面を潤滑することができるため、外側面の摩耗を抑制することができる。
【0020】
この発明に係る自動調心ころ軸受において、単列ころ用保持器の素材を黄銅とすると、保持器の加工が容易となってコストの低減を図り、自己潤滑性によって摩耗やかじりを抑制することができる。
【0021】
単列ころ用保持器を鉄製とすると、強度の高い保持器を得ることができる。その鉄製の単列ころ用保持器に、軟窒化処理、ショットブラスト処理、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理、硬質クロムめっき処理等の表面硬化処理を行うと、より強度の高い保持器を得ることができる。
【0022】
また、鉄製の単列ころ用保持器にリン酸塩処理または銀メッキ処理等の潤滑性処理を行うと、摩耗やかじりを抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明においては、上記のように、外輪と内輪間に組み込まれた複列の球面ころを保持する保持器を、各列毎の球面ころを支持する2つの単列ころ用保持器とし、その単列ころ用保持器のそれぞれに、外輪案内される中央側環状体と内輪案内される外側環状体とを設けたことにより、単列ころ用保持器のそれぞれは軸方向の2箇所で支持されることになってガタツキが生じるようなことのない安定した組込み状態を得ることができる。
【0024】
また、単列ころ用保持器は、中央側環状体と外側環状体の対向部間に複数の柱部を周方向に設け、隣接する柱部間に球面ころを収容するポケットを設けたポケット列が単列のかご形としたことにより、ポケット列を複列とするかご形保持器に比較して加工が容易であり、コストの安い保持器を得ることができる。
【0025】
さらに、2つの単列ころ用保持器のそれぞれをポケット列が単列のかご形とすることによって、中央側環状体を厚みのあるものとすることができると共に、外側環状体は、内径を小さくすることができるため、強度の高い耐久性に優れた保持器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この発明に係る自動調心ころ軸受の断面図
図2図1に示す2つの単列ころ用保持器の一部を示す平面図
図3図1のIII−III線に沿った断面図
図4】自動調心ころ軸受の他の例を示す断面図
図5】自動調心ころ軸受のさらに他の例を示す断面図
図6】自動調心ころ軸受のさらに他の例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は、この発明に係る自動調心ころ軸受の実施の形態を示す。この自動調心ころ軸受Aは、外輪11と、その外輪11の内側に組み込まれた内輪21と、その両輪11、21間に組み込まれた球面ころ31およびその球面ころ31を保持する保持器Cとからなる。
【0028】
外輪11は、球面軌道12を内周に有し、外径面からその球面軌道12に貫通する給油孔13が形成されている。一方、内輪21は、複列の球面軌道22を外周に有し、その複列の球面軌道22のそれぞれと外輪11の球面軌道12間に周方向に等間隔に並ぶ複数の球面ころ31が複列に組み込まれ、各列の複数の球面ころ31が保持器Cで保持されている。
【0029】
保持器Cは、各列毎の球面ころ31を保持する2つの単列ころ用保持器C、Cからなる。2つの単列ころ用保持器C、Cのそれぞれは、中央側環状体41と外側環状体42の対向部間に軸方向に延びる複数の柱部43を球面ころ31の間隔をおいて周方向に等間隔に設け、隣接する柱部43間に球面ころ31を収容するポケット44を形成したかご形とされている。
【0030】
中央側環状体41は、外輪案内される案内面45を外周に有し、一方、外側環状体42は、内輪案内される案内面46を内周に有している。
【0031】
柱部43には、ポケット44と対向する側面に抜止め突部47が設けられ、その抜止め突部47は、隣接する柱部43の側面に形成された抜止め突部47と保持器周方向で対向し、その対向面間の間隔は球面ころ31の長さ方向中央部での直径より小さくされて、球面ころ31が保持器外径側に抜け出るのを防止している。
【0032】
上記2つの単列ころ用保持器C、Cは、中央側環状体41が互いに対向する組込みとされて軸方向の側面が互いに接触している。また、その組み込み状態で、中央側環状体41の外周の案内面45が外輪11の球面軌道12で案内され、外側環状体42の内周の案内面46が内輪21の球面軌道22で案内されるようになっている。
【0033】
中央側環状体41の互いに接触する側面には、径方向に延びる複数の油溝48が周方向に間隔をおいて形成され、外輪11に形成された給油孔13から軸受内に供給される潤滑油はその油溝48で保持されて、中央側環状体41の互いに接触して相対回転する側面を潤滑するようになっている。
【0034】
実施の形態で示す自動調心ころ軸受は上記の構造からなり、その自動調心ころ軸受においては、上記のように、複列の球面ころ31を保持する保持器Cを、各列毎の球面ころ31を支持する2つの単列ころ用保持器Cとして、その単列ころ用保持器Cのそれぞれに、外輪案内される中央側環状体41と内輪案内される外側環状体42とを設けているため、単列ころ用保持器Cのそれぞれは軸方向の2箇所で支持されて安定している。
【0035】
このため、軸受の回転時に、単列ころ用保持器Cのそれぞれがガタついて騒音を発生させるという不都合の発生はない。
【0036】
また、単列ころ用保持器Cは、中央側環状体41と外側環状体42の対向部間に複数の柱部43を周方向に設け、隣接する柱部43間に球面ころ31を収容するポケット44を設けたポケット列が単列のかご形であるため、複列の球面ころ31は対向端面を接触させる必要がなく、中央側環状体41に厚みを持たせて強度を高めることができる。
【0037】
一方、外側環状体42は内輪案内されるため、外側環状体42の内径を内輪21の最小外径にほぼ等しい径の小さな強度の高いものとすることができる。
【0038】
このように、中央側環状体41および外側環状体42に強度をもたせることができるため、単列ころ用保持器Cを強度の高い損傷することの少ない耐久性に優れたものとすることができ、きわめて大きな回転荷重や振動衝撃荷重を受けることのできる自動調心ころ軸受を得ることができる。
【0039】
また、単列ころ用保持器Cは、ポケット列が単列のかご形であるため、ポケット列が複列のかご形保持器に比較して、加工が容易であり、コストの低減を図ることができる。
【0040】
ここで、単列ころ用保持器Cは、黄銅製のものであってもよく、鉄製のものであってもよい。単列ころ用保持器Cを黄銅製のものとすると、保持器の加工をより容易とすることができ、コストをさらに低減することができると共に、自己潤滑性によって摩耗やかじりを抑制することができる。
【0041】
一方、単列ころ用保持器Cを鉄製とすると、強度の高い保持器を得ることができる。その鉄製の単列ころ用保持器Cに、軟窒化処理、ショットブラスト処理、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜処理、硬質クロムめっき処理等の表面硬化処理を施すと、保持器Cの強度をより高めることができる。
【0042】
また、鉄製の単列ころ用保持器Cにリン酸塩処理または銀メッキ処理等の潤滑性処理を施すと、摩耗やかじりの抑制の効果を挙げることができる。
【0043】
図2においては、柱部43の長さ方向の中央部に抜止め突部47を設けたが、図4に示すように、柱部43のポケット44と対向する側面に複数の抜止め突部47を柱部43の長さ方向に間隔をおいて設けると、両端部から長さ方向の中央部に向けて幅寸法が次第に小さくなる柱部43の周方向幅の広い部分で球面ころ31の抜け止めとすることができるため、柱部43の損傷防止に効果を挙げることができると共に、球面ころ31の動きを効果的に抑制することができる。
【0044】
図5においては、柱部43に保持器外径側に折れ曲がる複数の屈曲部49を設けている。その屈曲部49の形成によって柱部43の強度を高めることができ、耐久性に優れた保持器を得ることができる。
【0045】
図6においては、柱部43の内周を傾斜角度が異なる複数の傾斜面50で形成して、その傾斜面50の交差部に複数の屈曲部51を設け、柱部43の外周に凸形球面52を形成している。
【0046】
上記のように、柱部43の外周に凸形の球面52を形成すると、柱部43を太くすることができ、強度的に強い耐久性に優れた保持器Cを得ることができる。
【符号の説明】
【0047】
11 外輪
12 球面軌道
21 内輪
22 球面軌道
31 球面ころ
保持器
単列ころ用保持器
41 中央側環状体
42 外側環状体
43 柱部
44 ポケット
47 抜止め突部
48 油溝
49 屈曲部
52 球面
図1
図2
図3
図4
図5
図6