(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の従来技術のモータは、大きい出力を得るために、減速機(減速部)に連結されて用いられることが多い。ここで、モータの小型化を図る手段として減速機の減速比を大きくすることが考えられる。減速比を大きくすることにより、モータ自体の出力を抑えることができ、この結果、モータを小型化することができるからである。
このとき、減速比を大きくする分、モータの回転数を増加させる必要があるが、スロット数が多い場合、磁極数とスロット数との最小公倍数により決定する次数が大きくなる。
このため、モータの騒音が高音質になり、この騒音が耳障りになるという課題がある。
【0007】
また、スロットの個数が多い分、アーマチュアコアの形状が複雑になるので、アーマチュアの生産性が悪化するという課題がある。
さらに、一極対あたりのセグメント数が少ないので、セグメント間電圧が大きくなり、整流性が悪化するという課題がある。
そして、ティースに、分布巻方式にてコイルを巻回するので、コイルエンドの重なりが多くなり、コイルの線材コストが嵩むと共に、モータ性能を低下させ、電動モータが大型化してしまうという課題がある。
【0008】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、高音質な騒音を防止すると共に、アーマチュアの生産性を高め、さらに整流性を向上できる電動モータを提供するものである。また、生産コストを低減させつつモータ性能を向上させることができ、小型化を図ることが可能な電動モータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る電動モータは、4極の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸
が取り付けられ
る貫通孔が形成されたコア本体、前記コア本体から径方向に向かって放射状に延びる6つのティース、及びこれらティース間に形成される6つのスロットを有するアーマチュアコアと、各ティースに、それぞれ集中巻方式にて巻装されるコイルと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ18つのセグメントを周方向に配置したコンミテータと、各セグメントのうち、前記回転軸を中心にして対向し同電位となるセグメント同士を接続する接続線と、前記セグメントを介して前記コイルに給電を行う低速用ブラシ、高速用ブラシ、及びこれらに共通して用いら
れ、前記低速用ブラシに対して周方向に90°間隔をあけて配設される共通ブラシの3つのブラシとを備え、
前記コア本体には、周方向に複数の空孔が形成され、各ティースに巻装されているコイルは、順方向に巻回して形成された1つの順巻きコイルと、逆方向に巻回して形成されて2つの逆巻きコイルとを備え、各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当て、各相に巻装されている前記順巻きコイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記逆巻きコイルをそれぞれ−U相、−V相、−W相のコイルとしたとき、隣接するセグメント間に、U相、−W相、−W相、V相、−U相、−U相、W相、−V、−V相のコイルをこの順で電気的に接続し、これらU相、−W相、−W相、V相、−U相、−U相、W相、−V
相、−V相のコイルと共に前記接続線を一連に形成し、且つ、前記アーマチュアコアと前記コンミテータとの間に引き回される前記コイルは、前記回転軸周りに同一方向に向かって引き回され、前記セグメントに形成されているライザに、前記コイル及び前記接続線を同一方向のα巻により巻き付け、前記セグメントと前記コイルとを接続したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る電動モータは、4極の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸
が取り付けられ
る貫通孔が形成されたコア本体、前記コア本体から径方向に向かって放射状に延びる6つのティースと、及びこれらティース間に形成される6つのスロットを有するアーマチュアコアと、各ティースに、それぞれ集中巻方式にて巻装されるコイルと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ18つのセグメントを周方向に配置したコンミテータと、各セグメントのうち、前記回転軸を中心にして対向し同電位となるセグメント同士を接続する接続線と、前記セグメントを介して前記コイルに給電を行
い、周方向に90°間隔をあけて配設される2つのブラシとを備え、
前記コア本体には、周方向に複数の空孔が形成され、各ティースに巻装されているコイルは、順方向に巻回して形成された1つの順巻きコイルと、逆方向に巻回して形成されて2つの逆巻きコイルとを備え、各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当て、各相に巻装されている前記順巻きコイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記逆巻きコイルをそれぞれ−U相、−V相、−W相のコイルとしたとき、隣接するセグメント間に、U相、−W相、−W相、V相、−U相、−U相、W相、−V、−V相のコイルをこの順で電気的に接続し、これらU相、−W相、−W相、V相、−U相、−U相、W相、−V
相、−V相のコイルと共に前記接続線を一連に形成し、且つ、前記アーマチュアコアと前記コンミテータとの間に引き回される前記コイルは、前記回転軸周りに同一方向に向かって引き回され、前記セグメントに形成されているライザに、前記コイル及び前記接続線を同一方向のα巻により巻き付け、前記セグメントと前記コイルとを接続したことを特徴とする。
【0011】
このように構成することで、モータ性能を悪化させることなくスロット数を減少させることができるので、モータの次数を減少することができる。このため、モータの高速回転時の高音質な騒音を防止することが可能になる。
また、スロット数を減少させることにより、この分、アーマチュアコアの形状が簡素化でき、アーマチュアの生産性を高めることができる。さらに、スロット数を減少させる分、各々スロットの大きさを大きく設定することができる。このため、各ティースへのコイルの巻回数を多く設定することができる。この結果、アーマチュアコアの小型、軽量化を図ることが可能になる。
【0012】
そして、セグメント数をスロット数の3倍以上に設定することにより、一極対あたりのセグメント数を多くすることができる。このため、セグメント間電圧を小さくすることができ、整流性を向上させることが可能になる。また、1つのセグメントあたりのコイルの有効導体数が小さくなるので、高速用ブラシによる速度可変が対応し易くなる。
また、ティースに、集中巻方式にてコイルを巻回するので、分布巻方式にてコイルを巻回する場合と比較してコイルの占積率を向上させることができると共に、コイルエンドの重なりを減少させることができる。このため、コイルの線材コストを低減させることができ、安価な電動モータを提供することが可能になる。さらに、モータ性能を同一とした場合、アーマチュアコアの小型、軸短化を図ることができる。
【0013】
また、アーマチュアコアとコンミテータとの間に引き回されるコイルが、回転軸周りに同一方向に向かって引き回されるので、コイルを引き回す巻線装置の動作方向を一定にすることができる。このため、巻線装置の負担を軽減することができ、コイルの巻線作業性を向上させることができると共に、コイルにかかるテンションにムラがなくなり、さらに占積率を向上させることができる。よって、生産コストを低減させつつモータ性能を向上させることができる。
さらに、セグメントとコイルとの接続不良を確実に防止することができる。また、コンミテータの首下のコイルの広がりを確実に抑制できるので、隣り合うライザに掛け回されたコイル同士の接触を抑制できる。このため、熱の発生を抑えることが可能になると共に、コイルの被覆が剥離して隣り合うライザに掛け回されたコイル同士が接触することによる電動モータの作動不良を防止することができる。
【0014】
本発明に係る電動モータは、各セグメントのうち、同電位となるセグメント同士を接続線により接続し、前記U相、−W相、−W相、V相、−U相、−U相、W相、−V、−V相のコイルを形成する際に、これらU相、−W相、−W相、V相、−U相、−U相、W相、−V、−V相のコイルと共に前記接続線を一連に形成し、この接続線を形成する際に、前記コイルを、前記アーマチュアコアと前記コンミテータとの間に引き回す際の方向と同一方向となるように引き回し、前記セグメントに形成されているライザに、前記コイルをα巻により巻き付け、前記セグメントと前記コイルとを接続したことを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、セグメントとコイルとの接続不良を確実に防止することができる。また、コンミテータの首下のコイルの広がりを確実に抑制できるので、隣り合うライザに掛け回されたコイル同士の接触を抑制できる。このため、熱の発生を抑えることが可能になると共に、コイルの被覆が剥離して隣り合うライザに掛け回されたコイル同士が接触することによる電動モータの作動不良を防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、モータ性能を悪化させることなくスロット数を減少させることができるので、モータの次数を減少することができる。このため、モータの高速回転時の高音質な騒音を防止することが可能になる。
また、スロット数を減少させることにより、この分、アーマチュアコアの形状が簡素化でき、アーマチュアの生産性を高めることができる。さらに、スロット数を減少させる分、各々スロットの大きさを大きく設定することができる。このため、各ティースへのコイルの巻回数を多く設定することができる。この結果、アーマチュアコアの小型、軽量化を図ることが可能になる。
【0017】
そして、セグメント数をスロット数の3倍以上に設定することにより、一極対あたりのセグメント数を多くすることができる。このため、セグメント間電圧を小さくすることができ、整流性を向上させることが可能になる。また、1つのセグメントあたりのコイルの有効導体数が小さくなるので、高速用ブラシによる速度可変が対応し易くなる。
また、ティースに、集中巻方式にてコイルを巻回するので、分布巻方式にてコイルを巻回する場合と比較してコイルの占積率を向上させることができると共に、コイルエンドの重なりを減少させることができる。このため、コイルの線材コストを低減させることができ、安価な電動モータを提供することが可能になる。さらに、モータ性能を同一とした場合、アーマチュアコアの小型、軸短化を図ることができる。
【0018】
また、アーマチュアコアとコンミテータとの間に引き回されるコイルが、回転軸周りに同一方向に向かって引き回されるので、コイルを引き回す巻線装置の動作方向を一定にすることができる。このため、巻線装置の負担を軽減することができ、コイルの巻線作業性を向上させることができると共に、コイルにかかるテンションにムラがなくなり、さらに占積率を向上させることができる。よって、生産コストを低減させつつモータ性能を向上させることができる。
さらに、セグメントとコイルとの接続不良を確実に防止することができる。また、コンミテータの首下のコイルの広がりを確実に抑制できるので、隣り合うライザに掛け回されたコイル同士の接触を抑制できる。このため、熱の発生を抑えることが可能になると共に、コイルの被覆が剥離して隣り合うライザに掛け回されたコイル同士が接触することによる電動モータの作動不良を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
(減速機付モータ)
次に、この発明の第1実施形態を
図1〜
図6に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動モータが適用された減速機付モータの縦断面図、
図2は、電動モータを軸方向からみた平面図である。
図1、
図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば、自動車のワイパ駆動用に用いるものであって、電動モータ2と、電動モータ2の回転軸3に連結された減速機構4とを備えている。電動モータ2は、有底筒状のヨーク5と、ヨーク5内に回転自在に設けられたアーマチュア6とを有している。
【0021】
ヨーク5の筒部53は略円筒状に形成されており、この筒部53の内周面には、4つのセグメント型の永久磁石7が配設されている。
ヨーク5の底壁(エンド部)51には、径方向中央に軸方向外側に向かって突出する軸受ハウジング19が形成され、ここに回転軸3の一端を回転自在に軸支するための滑り軸受18が設けられている。この滑り軸受18は、回転軸3の調心機能を有している。
【0022】
筒部53の開口部53aには、外フランジ部52が設けられている。外フランジ部52には、ボルト孔(不図示)が形成されている。このボルト孔に不図示のボルトが挿通され、減速機構4の後述するギヤハウジング23に形成された不図示のボルト孔に螺入されることによって、ヨーク5が減速機構4に締結固定される。
【0023】
アーマチュア6は、回転軸3に外嵌固定されたアーマチュアコア8と、アーマチュアコア8に巻装されたアーマチュアコイル9と、回転軸3の他端側に配置されたコンミテータ10とを備えている。アーマチュアコア8は、プレス加工等によって打ち抜かれた磁性材料の板材を軸方向に積層したり(積層コア)、軟磁性粉を加圧成形したり(圧粉コア)して形成されたものであって、略円柱状のコア本体11を有している。
【0024】
コア本体11の径方向略中央には、回転軸3を圧入するための貫通孔11aが形成されている。また、コア本体11の外周部には、軸方向平面視略T字型のティース12が放射状に6つ設けられている。コア本体11の外周部に、ティース12を放射状に設けることによって、隣接するティース12間には、蟻溝状のスロット13が6つ形成されている。
これらスロット13を介してアーマチュアコア8にアーマチュアコイル9が巻装される。
【0025】
ここで、コア本体11には、ティース12の根元に対応する位置に、それぞれ軸方向に貫通する断面円形状の空孔11bが周方向に沿って6つ形成されている。より具体的には、コア本体11の貫通孔11aとティース12との間には、これら貫通孔11aとティース12の根元との間の径方向略中央よりもやや貫通孔11a寄りに、空孔11bが形成されている。この空孔11bは、電動モータ2の内部での空気の対流を促進し、電動モータ2の温度上昇を抑えるためのものである。
【0026】
回転軸3のアーマチュアコア8よりも他端側には、コンミテータ10が外嵌固定されている。このコンミテータ10の外周面には、導電材で形成されたセグメント15が18枚取り付けられている。セグメント15は軸方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。
このように、電動モータ2は、永久磁石7が4つ(磁極数が4極)、スロット13の個数が6つ、セグメント15の枚数が18枚に設定された所謂4極6スロット18セグメントの電動モータである。
【0027】
また、各セグメント15のアーマチュアコア8側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ16が一体成形されている。ライザ16には、アーマチュアコイル9の端末部が掛け回わされ、ヒュージングなどにより固定されている。これにより、セグメント15と、これに対応するアーマチュアコイル9とが導通される。
【0028】
また、同電位となるセグメント15にそれぞれ対応するライザ16には、接続線17(
図4参照)が掛け回され、この接続線17がヒュージングによりライザ16に固定されている。接続線17は、同電位となるセグメント15同士を短絡するためのものであって、コンミテータ10とアーマチュアコア8との間に引き回される(詳細は後述する)。
【0029】
このように構成されたコンミテータ10は、減速機構4のギヤハウジング23に臨まされた状態になっている。ギヤハウジング23は、一面に開口部42aを有する略箱状に形成され減速機構4の歯車群41を収納するアルミダイキャスト製のハウジング本体42と、ハウジング本体42の開口部42aを閉塞する樹脂製のボトムプレート43とで構成されている。ハウジング本体42の電動モータ2側には、ブラシ収納部22が一体成形され、ここに電動モータ2のコンミテータ10が臨まされている。
【0030】
(ブラシ収納部)
図3は、ブラシ収納部の平面図である。
図3に示すように、ブラシ収納部22は、ギヤハウジング23の電動モータ2側に凹状に形成されたものである。ブラシ収納部22の周壁30は、断面略長円形に形成されており、平面壁30aと円弧壁30bとで構成されている。
【0031】
ブラシ収納部22の内側には、これに対応するように断面略長円形の筒状に形成されたカバー33が設けられている。このカバー33も平面壁33aと円弧壁33bとを有している。さらに、カバー33の内側には、このカバー33に対応するように形成されたホルダステー34が設けられている。ホルダステー34は、ボルト35によってハウジング本体42の側壁42bに締結固定されている。
【0032】
ホルダステー34には、周方向3箇所にブラシホルダ36が設けられている。ブラシホルダ36には、それぞれブラシ21が各々スプリングSを介して付勢された状態で出没自在に内装されている。これらブラシ21の先端部はスプリングSによって付勢されているためコンミテータ10のセグメント15に摺接している。また、ブラシ21は、不図示の外部電源、例えば、自動車に搭載されているバッテリに電気的に接続されている。そして、コンミテータ10に、不図示の外部電源からの電力を給電することができるようになっている。
【0033】
ブラシ21は、陽極側に接続されている低速用ブラシ21a、および高速用ブラシ21bと、これら低速用ブラシ21aと高速用ブラシ21bとに共通使用され陰極側に接続されている共通ブラシ21cとで構成されている。低速用ブラシ21aと共通ブラシ21cは、互いに電気角で180°、つまり、機械角で周方向に90°間隔をあけて配設されている。一方、高速用ブラシ21bは、低速用ブラシ21aから周方向に角度αだけ離間して配置されている。尚、本実施形態では、共通ブラシ21cを陰極側とし、低速用ブラシ21a、および高速用ブラシ21bを陽極側として説明するが、陽極側と陰極側を反対にしてもよい。
【0034】
ここで、コンミテータ10の同電位となるセグメント15、すなわち、回転軸3を中心にして互いに対向するセグメント15同士は接続線17によって短絡されているため、ブラシ21が摺接していないセグメントにも給電することが可能になる。したがって、高速用ブラシ21bは低速用ブラシ21aよりも角度θだけ進角した位置に存在していることになる。
【0035】
(接続線の結線構造、及びアーマチュアコイルの巻装構造)
ここで、
図4に基づいて、接続線17の結線構造、及びアーマチュアコイル9の巻装構造について詳述する。
図4は、アーマチュア6の展開図であり、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。尚、以下の
図4においては、各セグメント15、各ティース12、及び巻装されたアーマチュアコイル9にそれぞれ符号を付して説明する。
【0036】
同図に示すように、各ティース12は、それぞれU相、V相、W相が周回り方向にこの順で割り当てられている。つまり、1番、4番ティース12がU相、2番、5番ティース12がV相、3番、6番ティース12がW相になっている。また、同電位となるセグメント15同士は、接続線17によって短絡されている。ここで、セグメント15に付した番号のうち、1番に相当する位置は、1番ティース12に対応する位置とする。
【0037】
そして、各ティース12に巻装されるアーマチュアコイル9、及び接続線17は、アーマチュアコア8やコンミテータ10のライザ16に、巻線14をダブルフライヤ方式によって巻回されることにより形成されている。尚、ダブルフライヤ方式とは、回転軸3を中心にして点対称となる関係で2箇所同時に巻線14を巻回する方式をいう。以下、より具体的に説明する。
【0038】
ここで、巻線14の巻き始め端81は2つ存在しており、それぞれ同電位となる1番セグメント15のライザ16と、10番セグメント15のライザ16とに掛け回されている。そして、アーマチュアコア6とコンミテータ10との間に引き回される巻線14、及び接続線17を形成するために引き回される巻線14の引き回し方向は、回転軸3周りに全て同一方向となるように設定されている。
【0039】
尚、以下の説明において、各ティース12にU相、V相、W相を順に割り当てた方向、つまり、
図4における右方向を、単に右方向と称して説明する。
また、1番セグメント15から巻き始められる巻線14と、10番セグメント15から巻き始められる巻線14の引き回し手順は、回転軸3を中心にして点対称となるので、以下の説明では、10番セグメント15から巻き始められる巻線14のみについて説明する。
【0040】
10番セグメント15のライザ16に巻き始め端81が掛け回される巻線14は、この後、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回され、10番セグメント15と同電位の1番セグメント15に掛け回される。そして、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、1−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。次に、各ティース12に巻線14をそれぞれN(Nは1以上の自然数)回、巻回するものとした場合、1番ティース12にN/3回順方向に巻回してU相コイル91aを形成する。
【0041】
続いて、1−2番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、1番セグメント15に隣接する2番セグメント15のライザ16に掛け回す。次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、2番セグメント15と同電位の11番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、3−4番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、3番ティース12にN/3回逆方向に巻回して「−W相」コイル91bを形成する。
【0042】
続いて、2−3番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、2番セグメント15に隣接する3番セグメント15のライザ16に掛け回す。次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、3番セグメント15と同電位の12番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、3−4番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、3番ティース12にN/3回逆方向に巻回して「−W相」コイル92bを形成する。
【0043】
続いて、2−3番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、3番セグメント15に隣接する4番セグメント15のライザ16に掛け回す。次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、4番セグメント15と同電位の13番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、4−5番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、5番ティース12にN/3回順方向に巻回してV相コイル91cを形成する。
【0044】
続いて、5−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、13番セグメント15に隣接する14番セグメント15のライザ16に掛け回す。次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、14番セグメント15と同電位の5番セグメント15のライザ16に巻線14を掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、1−2番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、1番ティース12にN/3回逆方向に巻回して「−U相」コイル92aを形成する。
【0045】
続いて、1−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、14番セグメント15に隣接する15番セグメント15のライザ16に掛け回す。次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、15番セグメント15と同電位の6番セグメント15のライザ16に巻線14を掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、1−2番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、1番ティース12にN/3回逆方向に巻回して「−U相」コイル93aを形成する。
【0046】
続いて、1−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、15番セグメント15に隣接する16番セグメント15のライザ16に掛け回す。次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、16番セグメント15と同電位の7番セグメント15のライザ16に巻線14を掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、2−3番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、3番ティース12にN/3回順方向に巻回してW相コイル93bを形成する。
【0047】
続いて、3−4番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、7番セグメント15に隣接する8番セグメント15のライザ16に掛け回す。次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、8番セグメント15と同電位の17番セグメント15のライザ16に巻線14を掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、5−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、5番ティース12にN/3回逆方向に巻回して「−V相」コイル92cを形成する。
【0048】
続いて、4−5番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、8番セグメント15に隣接する9番セグメント15のライザ16に掛け回す。次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、9番セグメント15と同電位の18番セグメント15のライザ16に巻線14を掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、5−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、5番ティース12にN/3回逆方向に巻回して「−V相」コイル93cを形成する。
【0049】
その後、4−5番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、9番セグメント15に隣接する10番セグメント15のライザ16に掛け回し、この10番セグメント15に巻線14の巻き終わり端82を接続する。
【0050】
これにより、1番ティース12には、U相コイル91a、「−U相」コイル92a、及び「−U相」コイル93aにより構成されるN回巻回されたU相のアーマチュアコイル9U1が形成される。また、3番ティース12には、「−W相」コイル91b、「−W相」コイル92b、及びW相コイル93bにより構成されるN回巻回されたW相のアーマチュアコイル9W1が形成される。さらに、5番ティース12には、V相コイル91c、「−V相」コイル92c、及び「−V相」コイル93cにより構成されるN回巻回されたV相のアーマチュアコイル9V1が形成される。
【0051】
一方、1番セグメント15のライザ16に巻き始め端81が掛け回される巻線14は、上述の10番セグメント15のライザ16に巻き始め端81が掛け回された巻線14と同時に、且つ回転軸3を中心にして点対称に引き回される。
そして、2番ティース12には、V相コイル91d、「−V相」コイル92d、及び「−V相」コイル93dにより構成されるN回巻回されたV相のアーマチュアコイル9V2が形成される。また、4番ティース12には、U相コイル91e、「−U相」コイル92e、及び「−U相」コイル93eにより構成されるN回巻回されたU相のアーマチュアコイル9U2が形成される。さらに、6番ティース12には、「−W相」コイル91f、「−W相」コイル92f、及びW相コイル93fにより構成されるN回巻回されたW相のアーマチュアコイル9W2が形成される。
【0052】
このように、アーマチュアコイル9は、1番、4番ティース12に形成されているU相のアーマチュアコイル9U1,9U2と、2番、5番ティース12に形成されているV相のアーマチュアコイル9V1,9V2と、3番、6番ティース12に形成されているW相のアーマチュアコイル9W1,9W2とにより構成され、並列回路数が4つとなる。
そして、隣接するセグメント15間には、各相コイル91a〜93fがU,「−W」,「−W」,V,「−U」,「−U」,W,「−V」,「−V」相の順で電気的に順次接続されている。
【0053】
ここで、
図2に詳示するように、各ティース12には巻線14が集中巻方式により巻回されているので、隣接するティース12間に跨る巻線14の渡り線が無くなる。すなわち、アーマチュアコア8の軸方向端部に存在するアーマチュアコイル9のコイルエンド9aの重なりが、分布巻方式にて巻線14を巻回する場合と比較して減少される。このため、アーマチュアコア8のコア本体11の軸方向端部が巻線14で覆われることなく、コア本体11に形成されている空孔11bが露出する。
【0054】
また、アーマチュアコア8とセグメント15のライザ16との間の巻線14が、回転軸3に掛け回されるように引き回されているので、コンミテータ10の首下の巻太りが抑えられる。
さらに、アーマチュアコア6とコンミテータ10との間に引き回される巻線14、及び接続線17を形成するために引き回される巻線14の引き回し方向が、回転軸3周りに全て同一方向(
図4における右方向)となるように設定されているので、各セグメント15のライザ16に、巻線14がα巻により巻き付けられる。
【0055】
α巻について、
図5に基づいて詳述する。
図5は、各セグメントのライザへの巻線の掛け回し方法を示す説明図である。
同図に示すように、アーマチュアコア6とコンミテータ10との間に引き回される巻線14、及び接続線17を形成するために引き回される巻線14の引き回し方向が、回転軸3周りに全て同一方向(
図4における右方向)となるように設定されていることから、各セグメント15のライザ16に掛け回される巻線14は、常に左方向からライザ16に掛け回され、右方向へと引き出される。このため、
図5のA部に示すように、ライザ16に巻線14がα巻により巻き付けられる。
【0056】
(減速機構)
図1に示すように、このような電動モータ2が取付けられているギヤハウジング23には、ハウジング本体42に歯車群41が収納されている。歯車群41は、電動モータ2の回転軸3に連結されたウォーム軸25と、ウォーム軸25に噛合う1対の段付歯車26,26と、段付歯車26に噛合うスパーギヤ27とで構成されている。
【0057】
ウォーム軸25は、一端が回転軸3に連結されると共に、他端がハウジング本体42に回転自在に軸支されている。ウォーム軸25と回転軸3との連結部24、つまり、回転軸3の他端は、ハウジング本体42に形成されたブラシ収納部22の底壁31に設けられている転がり軸受32に、回転自在に支持されている。
また、ウォーム軸25は、互いに逆ネジの第1ネジ部25a、及び第2ネジ部25bを有している。これら第1ネジ部25a、及び第2ネジ部25bは、1条又は2条に形成されている。しかしながら、第1ネジ部25a、及び第2ネジ部25bを、3条以上に形成してもよい。
【0058】
ウォーム軸25を挟んで両側には、1対の段付歯車26,26が配置され、第1ネジ部25a、及び第2ネジ部25bに、それぞれ1対の段付歯車26,26が噛合されている。
1対の段付歯車26は、ウォーム軸25に噛合うウォームホイール28と、ウォームホイール28よりも小径に形成された小径歯車29とが一体成形されたものである。段付歯車26の径方向中央には、アイドラー軸61が圧入されている。アイドラー軸61は、小径歯車29とは反対側に突出しており、この突出した端部61aがハウジング本体42に回転自在に軸支されている。一方、アイドラー軸61の端部61aとは反対側端に存在する小径歯車29の先端は、ボトムプレート43に回転自在に軸支されている。
【0059】
このように、1対の段付歯車26は、ハウジング本体42とボトムプレート43とで両端が軸支されている。そして、1対の段付歯車26,26は、それぞれ同方向に回転し、スパーギヤ27にウォーム軸25の回転を伝達する。すなわち、ウォーム軸25と、1対の段付歯車26,26とにより所謂マーシャル機構を構成しており、1対の段付歯車26,26によりウォーム軸25にかかるスラスト力が相殺されるようになっている。
【0060】
スパーギヤ27は、段付歯車26の小径歯車29に噛合っている。スパーギヤ27の径方向中央には、ボス部65がボトムプレート43側に向かって突出形成されている。このボス部65は、ボトムプレート43に回転自在に支持されている。また、ボス部65には、出力軸62が圧入されている。出力軸62は、ハウジング本体42の底壁(エンド部)42cから突出している。ハウジング本体42の底壁42cには、出力軸62に対応する部位に、ボス部63が外方に向かって突出形成されている。このボス部63には、出力軸62を回転自在に軸支するためのすべり軸受64が設けられている。
【0061】
出力軸62のハウジング本体42から突出した部分には、先端に向かうに従って徐々に先細りとなる先細り部66が形成されている。この先細り部66には、セレーション67が形成されている。これによって、例えば、ワイパなどを駆動するための外部機構と出力軸62とを連結することができるようになっている。
また、ハウジング本体42の側壁42bには、コネクタ68が回転軸3の軸方向に沿って突設されている。コネクタ68は、不図示の制御機器に接続され、不図示の外部電源の電力を電動モータ2に供給する。
【0062】
ハウジング本体42の開口部42aを閉塞するボトムプレート43には、内面43aに基板71が配置されている。この基板71には、コネクタ68と電動モータ2とを電気的に接続するためのターミナル72が設けられている。また、基板71には、コンタクタ73a,73bが設けられている。コンタクタ73a,73bは、スパーギヤ27の回転位置を検出するための摺動接点である。スパーギヤ27のコンタクタ73a,73bが摺接する部位には、不図示のコンタクトプレートが設けられている。
【0063】
そして、スパーギヤ27、つまり、出力軸62の回転に伴って、コンタクタ73a,73bとコンタクトプレート(不図示)との接触位置が変化したり、接触/非接触したりすることによって出力軸62の回転位置が検出できるようになっている。コンタクタ73a,73bによって検出された信号は、ターミナル72を介して不図示の制御機器に出力され、電動モータ2の回転制御が行われる。
【0064】
(電動モータの作用)
次に、
図4に基づいて、電動モータ2の作用について説明する。
例えば、
図4に示すように、1−2番セグメント15間に低速用ブラシ21aが配置され、6番セグメント15に共通ブラシ21cが配置された状態であって、これら低速用ブラシ21aと共通ブラシ21cとの間に電圧を印加した場合について説明する。
この場合、1−2番セグメント15,15間に跨って低速用ブラシ21aが配置されているので、U相の順巻きコイル91a,91eが短絡した状態になる。
【0065】
一方、1番ティース12、及び4番ティース12に巻回されている「−U」相コイル92a,92eには逆方向(
図4における反時計回り方向)に電流が流れる。他方、1番ティース12、及び4番ティース12に巻回されている「−U」相コイル93a,93eには順方向(
図4における時計回り方向)に電流が流れる。このように、1番ティース12、及び4番ティース12に巻回され、ブラシ21a,21cによって短絡されない「−U」相コイル92a,92e、及び「−U」相コイル93a,93eには、互いに逆向きの電流が流れるので磁界が相殺され、永久磁石7との間にトルクが発生しない。
【0066】
これに対し、2番ティース12、及び5番ティース12に巻回されているV相コイル91c,91d、「−V相」コイル92c,92d、及び「−V相」コイル93c,93dには、それぞれ順方向に電流が流れる。
一方、3番ティース12、及び6番ティース12に巻回されている「−W相」コイル91b,91f、「−W相」コイル92b,92f、及びW相コイル93b,93fには、それぞれ逆方向に電流が流れる。
【0067】
すると、2,3,5,6番ティース12にそれぞれ磁界が形成される。これらの磁界の向きは、周回り方向に順番になるので、各ティース12に形成される磁界と永久磁石7との間に磁気的な吸引力や反発力が回転軸3を中心にして点対称位置で同じ方向に作用する。そして、これによって回転軸3が回転する。
回転軸3が回転し始めると、ブラシ21a,21cに摺接するセグメント15が順次変更されコイルに流れる電流の向きが切り替えられる、所謂整流が行われる。これにより、回転軸3が回転し続ける。
【0068】
これに対し、高速用ブラシ21bと共通ブラシ21cとの間に電圧を印加した場合、高速用ブラシ21bは、低速用ブラシ21aよりも角度θだけ進角した位置に存在しているので(
図3、
図4参照)、低速用ブラシ21aと共通ブラシ21cとの間に電圧を印加する場合と比較して、通電される有効導体数が減少する。このため、高速用ブラシ21bと共通ブラシ21cとの間に電圧を印加した場合、電動モータ2が進角され、低速用ブラシ21aと共通ブラシ21cとの間に電圧を印加する場合と比較して高回転で作動する。
【0069】
(効果)
したがって、上述の第1実施形態によれば、ヨーク5に永久磁石7を4つ設け、アーマチュアコア8にスロット13を6つ形成し、コンミテータ10にセグメント15を18枚設け、磁極数とスロット数との最小公倍数により決定する次数を12次とすることができる。これに対し、従来の電動モータは、磁極数が4極、スロット数が16に設定されているので、次数が32次となる。このため、モータ性能を悪化させることなく、従来と比較して次数を減少させることができるので、電動モータ2の高速回転時の高音質な騒音を防止することができる。
【0070】
また、従来のスロット数が16であるのに対し、アーマチュアコア8のスロット数を6に設定しているので、スロット数を減少した分、アーマチュアコア8の形状を簡素化でき、アーマチュア6の生産性を高めることができる。
さらに、スロット数を減少させる分、各々スロット13の大きさを大きく設定することができる。このため、各ティース12への巻線14の巻回数を多く設定することができ、この結果、アーマチュアコア8の小型、軽量化を図ることが可能になる。
【0071】
そして、セグメント数がスロット数の3倍に設定されているので、一極対あたりのセグメント数が従来よりも多くなる。このため、セグメント15間の電圧を小さくすることができ、従来よりも整流性を向上させることができる。また、1つのセグメント15あたりのアーマチュアコイル9の有効導体数が小さくなるので、高速用ブラシ21bによる速度可変が対応し易くなる。
また、各ティース12には巻線14が集中巻方式により巻回されているので、隣接するティース12間に跨る巻線14の渡り線を無くすことができる。この分、アーマチュアコイル9の線材コストを低減させることができ、安価な電動モータ2を提供することが可能になる。
【0072】
さらに、各ティース12に、集中巻方式にて巻線14を巻回するので、従来のように、分布巻方式にて巻線14を巻回する場合と比較して巻線14の占積率を向上させることができると共に、コイルエンド9aの重なりを減少させることができる。このため、銅損を低減できるので、電動モータ2の高効率化を図ることができる。そして、モータ性能を同一とした場合、アーマチュアコア8の小型、軸短化を図ることができる。
【0073】
そして、巻線14の渡り線を無くすことにより、アーマチュアコア8のコア本体11の軸方向端部が巻線14で覆われることがない。このため、コア本体11に形成されている空孔11bを確実に露出させることができ、電動モータ2の内部での空気の対流を促進することができる。このため、電動モータ2の温度上昇を抑制でき、モータ効率を向上させることが可能になる。
【0074】
また、アーマチュアコア6とコンミテータ10との間に引き回される巻線14が、全て回転軸3周りに同一方向(
図4における右方向)に向かって引き回されるので、巻線14を引き回す不図示の巻線装置の動作方向を一定にすることができる。このため、不図示の巻線装置の負担を軽減することができ、巻線14の巻線作業性を向上させることができると共に、巻線14にかかるテンションにムラがなくなり、さらに占積率を向上させることができる。よって、生産コストを低減させつつ電動モータ2のモータ性能を向上させることができる。
【0075】
さらに、アーマチュアコア6とコンミテータ10との間に引き回される巻線14に加え、接続線17を形成するために引き回される巻線14の引き回し方向も同一方向(
図4における右方向)に設定されており、セグメント15のライザ16に、巻線14がα巻により巻き付けられている。このため、セグメント15と巻線14との接続不良を確実に防止することができる。また、コンミテータ10の首下の巻線14の広がりを確実に抑制できるので、隣り合うライザ16に掛け回された巻線14同士の接触を抑制し、熱の発生を抑えることが可能になる。
【0076】
これら巻線14の接続不良、及び熱の発生の抑制について、
図6、
図7に基づいて詳述する。
図6は、コンミテータのライザ部分の拡大斜視図であって、ライザに巻線がα巻により巻き付けられている状態を示す。
図7は、コンミテータのライザ部分の拡大斜視図であって、ライザに巻線がα巻により巻き付けられていない状態を示す。
図6に示すように、各ライザ16に巻線14がα巻により巻き付けられることにより、巻線14が各ライザ16の周囲を囲繞するように掛け回される。これに対し、ライザ16に巻線14がα巻により巻き付けられていない場合、換言すればライザ16に巻線14がU巻状に巻き付けられている場合、巻線14がライザ16に引っ掛かっているだけの状態になる。このため、各ライザ16に巻線14がα巻により巻き付けられることにより、セグメント15と巻線14との接続不良を確実に防止することができる。
【0077】
また、
図6に示すように、各ライザ16に巻線14がα巻により巻き付けられることにより、コンミテータ10の首下で巻線14が交差した状態になり、コンミテータ10の首下における巻線14の広がりが抑制される。これに対し、ライザ16に巻線14がα巻により巻き付けられていない場合、コンミテータ10の首下で巻線14が交差することなく、この分、巻線14が広がってしまう。このように、コンミテータ10の首下で巻線14が広がると、隣り合うライザ16に掛け回された巻線14同士が接触してしまい、熱の発生が促進されてしまう。このため、各ライザ16に巻線14がα巻により巻き付けられることにより、熱の発生を抑えることが可能になる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、
図1、
図2を援用し、
図8に基づいて説明する。
図8は、第2実施形態におけるアーマチュアの展開図であり、
図4に対応している。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
この第2実施形態において、減速機付モータ1は、例えば、自動車のワイパ駆動用に用いるものであって、電動モータ2と、電動モータ2の回転軸3に連結された減速機構4とを備えている点、電動モータ2は、有底筒状のヨーク5と、ヨーク5内に回転自在に設けられたアーマチュア6とを有している点、電動モータ2は、ヨーク5に配設された永久磁石7が4つ、アーマチュアコア8に形成されているスロット13の個数が6つ、コンミテータ10に設けられているセグメント15の枚数が18枚に設定された所謂4極6スロット18セグメントの電動モータである点、各ティース12は、それぞれU相、V相、W相が周回り方向にこの順で割り当てられている点、同電位となるセグメント15同士は、接続線17によって短絡されている点、各ティース12に巻装されるアーマチュアコイル9、及び接続線17は、アーマチュアコア8やコンミテータ10のライザ16に、巻線14をダブルフライヤ方式によって巻回されることにより形成されている点、アーマチュアコア6とコンミテータ10との間に引き回される巻線14、及び接続線17を形成するために引き回される巻線14の引き回し方向は、回転軸3周りに全て同一方向となるように設定されている点等の基本的構成は、上述した第1実施形態と同様である(以下の実施形態についても同様)。
【0079】
ここで、この第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第1実施形態の各ティース12に形成されているアーマチュアコイル9U1〜9W2は、各相コイル91a〜93fが形成される毎に巻線14が所定のセグメント15に接続されるが、第2実施形態の各ティース12に形成されているアーマチュアコイル9U1〜9W2は、同相で、且つ同じ方向に巻回される各相コイル91a〜93fが、対応する2つのティース12に連続して形成される点にある。
【0080】
(接続線の結線構造、及びアーマチュアコイルの巻装構造)
以下、接続線17の結線構造、及びアーマチュアコイル9U1〜9W2の巻装構造について詳述する。
尚、巻線14の巻き始め箇所は、前述の第1実施形態と同様に、1番セグメント15、及び10番セグメント15として説明する。また、1番セグメント15から巻き始められる巻線14と、10番セグメント15から巻き始められる巻線14の引き回し手順は、回転軸3を中心にして点対称となるので、以下の説明では、10番セグメント15から巻き始められる巻線14のみについて説明する。
【0081】
10番セグメント15のライザ16に巻き始め端81が掛け回される巻線14は、この後、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回され、10番セグメント15と同電位の1番セグメント15に掛け回される。そして、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、1−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。次に、各ティース12に巻線14をそれぞれN(Nは1以上の自然数)回、巻回するものとした場合、1番ティース12にN/6回順方向に巻回してU相コイル91aを形成する。
【0082】
続いて、1−2番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、3−4番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、4番ティース12にN/6回順方向に巻回してU相コイル91eを形成する。次に、4−5番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、10番セグメント15に隣接する11番セグメント15のライザ16に掛け回す。
【0083】
次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、11番セグメント15と同電位の2番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、1−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、6番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−W相」コイル91fを形成する。
【0084】
続いて、5−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、3−4番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、3番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−W相」コイル91bを形成する。次に、2−3番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、2番セグメント15に隣接する3番セグメント15のライザ16に掛け回す。
【0085】
次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、3番セグメント15と同電位の12番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、3−4番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、3番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−W相」コイル92bを形成する。
【0086】
続いて、2−3番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、1−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、6番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−W相」コイル92fを形成する。次に、5−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、12番セグメント15に隣接する13番セグメント15のライザ16に掛け回す。
【0087】
次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、13番セグメント15と同電位の4番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、1−2番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、2番ティース12にN/6回順方向に巻回してV相コイル91dを形成する。
【0088】
続いて、2−3番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、4−5番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、5番ティース12にN/6回順方向に巻回してV相コイル91cを形成する。次に、5−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、13番セグメント15に隣接する14番セグメント15のライザ16に掛け回す。
【0089】
次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、14番セグメント15と同電位の5番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、1−2番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、1番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−U相」コイル92aを形成する。
【0090】
続いて、1−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、4−5番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、4番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−U相」コイル92eを形成する。次に、3−4番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、5番セグメント15に隣接する6番セグメント15のライザ16に掛け回す。
【0091】
次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、6番セグメント15と同電位の15番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、4−5番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、4番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−U相」コイル93eを形成する。
【0092】
続いて、3−4番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、1−2番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、1番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−U相」コイル93aを形成する。次に、1−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、15番セグメント15に隣接する16番セグメント15のライザ16に掛け回す。
【0093】
次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、16番セグメント15と同電位の7番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、2−3番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、3番ティース12にN/6回順方向に巻回してW相コイル93bを形成する。
【0094】
続いて、3−4番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、5−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、6番ティース12にN/6回順方向に巻回してW相コイル93fを形成する。次に、1−6番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、7番セグメント15に隣接する8番セグメント15のライザ16に掛け回す。
【0095】
次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、8番セグメント15と同電位の17番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、5−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、5番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−V相」コイル92cを形成する。
【0096】
続いて、4−5番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、2−3番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、2番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−W相」コイル92dを形成する。次に、1−2番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、17番セグメント15に隣接する18番セグメント15のライザ16に掛け回す。
【0097】
次に、巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、18番セグメント15と同電位の9番セグメント15のライザ16に掛け回す。再び、巻線14をコンミテータ10からアーマチュアコア8に向かって引き回す際、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、2−3番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、2番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−V相」コイル93dを形成する。
【0098】
続いて、1−2番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を右方向に向かって引き回し、5−6番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、5番ティース12にN/6回逆方向に巻回して「−V相」コイル93cを形成する。次に、4−5番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出し、この巻線14を、回転軸3に掛け回すようにしながら右方向に向かって引き回し、9番セグメント15に隣接する10番セグメント15のライザ16に掛け回し、この10番セグメント15に巻線14の巻き終わり端82を接続する。
【0099】
これにより、1番ティース12には、U相コイル91a、「−U相」コイル92a、及び「−U相」コイル93aにより構成されるN/2回巻回されたU相のアーマチュアコイル9U1が形成される。また、3番ティース12には、「−W相」コイル91b、「−W相」コイル92b、及びW相コイル93bにより構成されるN/2回巻回されたW相のアーマチュアコイル9W1が形成される。さらに、5番ティース12には、V相コイル91c、「−V相」コイル92c、及び「−V相」コイル93cにより構成されるN/2回巻回されたV相のアーマチュアコイル9V1が形成される。
そして、同相で、且つ同じ方向に巻回される各相コイル91a〜93fが、対応する2つのティース12に連続して形成される。
【0100】
一方、1番セグメント15のライザ16に巻き始め端81が掛け回される巻線14は、上述の10番セグメント15のライザ16に巻き始め端81が掛け回された巻線14と同時に、且つ回転軸3を中心にして点対称に引き回される。そして、N/2回巻回された各相のアーマチュアコイル9U1〜9W2が形成される。
これにより、アーマチュアコイル9は、1番、4番ティース12に形成されているU相のアーマチュアコイル9U1,9U2と、2番、5番ティース12に形成されているV相のアーマチュアコイル9V1,9V2と、3番、6番ティース12に形成されているW相のアーマチュアコイル9W1,9W2とにより構成され、並列回路数は4つとなる。
【0101】
ここで、各相のアーマチュアコイル9U1〜9W2の巻線14の巻回数Nが奇数である場合、1番セグメント15、及び10番セグメント15から巻き始められる巻装工程のうちの一方の巻回数を1ターン多くし、他方の巻回数を1ターン少なくすればよい。
したがって、上述の第2実施形態では、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0102】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、
図9、
図10に基づいて説明する。
図9は、第3実施形態におけるブラシ収納部の平面図であり、
図3に対応している。また、
図10は、第3実施形態におけるアーマチュアの展開図であり、
図4に対応している。
図9、
図10に示すように、この第3実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第1実施形態では、ブラシ21は、陽極側に接続されている低速用ブラシ21a、および高速用ブラシ21bと、これら低速用ブラシ21aと高速用ブラシ21bとに共通使用され陰極側に接続されている共通ブラシ21cとの3つのブラシ21で構成されているのに対し、第3実施形態では、ブラシ121は、陽極側に接続されている陽極側ブラシ121aと、陰極側に接続されている陰極側ブラシ121bとの2つのブラシ121で構成されている点にある。
【0103】
陽極側ブラシ121aと陰極側ブラシ121bは、互いに電気角で180°、つまり、機械角で周方向に90°間隔をあけて配設されている。
このように構成した減速機付モータ1を、例えば、自動車のワイパ駆動用に用いる場合、2つの減速機付モータ1を用いてワイパブレードを往復動させる。これにより、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、ワイパブレードを下反転位置と上反転位置との間における往復払拭範囲を調整したり、ワイパブレードの未使用時のワイパの収納位置を、ワイパ使用時のワイパの下反転位置よりも車体の内部に設定し、自動車全体の美観性を向上させたりすることも可能になる。
【0104】
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の第2実施形態では、所謂ダブルフライヤ方式により、各ティース12に巻線14をN/6回ずつ巻回しながら各相コイル91a〜93fを形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、所謂シングルフライヤ方式を採用し、各ティース12に巻線14をN/3回ずつ巻回しながら各相コイル91a〜93fを形成してもよい。すなわち、各相コイル91a〜93fを、各ティース12に一度に形成してもよい。このように構成する場合、並列回路数は2つとなる。