(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141640
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】処置計画生成ワークフローの追跡
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/24 20120101AFI20170529BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20170529BHJP
G06Q 50/22 20120101ALI20170529BHJP
【FI】
G06Q50/24
G06Q10/06
G06Q50/22
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-551707(P2012-551707)
(86)(22)【出願日】2011年1月7日
(65)【公表番号】特表2013-519145(P2013-519145A)
(43)【公表日】2013年5月23日
(86)【国際出願番号】IB2011050070
(87)【国際公開番号】WO2011095900
(87)【国際公開日】20110811
【審査請求日】2013年12月18日
【審判番号】不服2015-14370(P2015-14370/J1)
【審判請求日】2015年7月30日
(31)【優先権主張番号】61/301,671
(32)【優先日】2010年2月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(73)【特許権者】
【識別番号】502261163
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシティー・オブ・シカゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】ステパニーク クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】メイネル リナ アーバッシュ
(72)【発明者】
【氏名】アル‐ハラク ハニア アブドゥルラウフ
【合議体】
【審判長】
金子 幸一
【審判官】
手島 聖治
【審判官】
石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−20503(JP,A)
【文献】
特開2005−63253(JP,A)
【文献】
特開2009−66345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを有するコンピュータにおいて、患者に関する処置計画生成ワークフローを追跡する方法であって、
前記プロセッサが、患者が処置に同意したことの標示に応じて、患者の処置計画を生成するために完了されるべき作業の組を含む処置計画生成ワークフローを発生するステップであって、前記処置計画が、患者に供給される線量計画を含む、ステップと、
前記プロセッサが、前記処置計画生成ワークフローにおける前記作業の組のうち少なくとも1つの作業の状態を示す情報を入力するステップと、
前記プロセッサが、前記処置計画を生成するために、前記入力される作業の状態の情報に応じて、前記作業の組のうち、前記処置計画生成ワークフローの進行において次に実施されるべき作業を通知する信号を発生する発生ステップであって、前記信号を、ウェブベースのインタフェースアプリケーションを通じて遠隔装置に提示することを含む、発生ステップと、
前記プロセッサが、前記通知された作業が実施された後、前記通知された作業の状態の変更を表す情報を入力する入力ステップと、
を含み、前記完了されるべき作業の組の中のすべての作業が実施されるまで、前記発生ステップ及び前記入力ステップが繰り返される、方法。
【請求項2】
前記プロセッサが、病院情報システム又は放射線医学情報システムの少なくとも一方から、前記処置計画生成ワークフローに関する情報を得るステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遠隔装置は、セル電話、スマートフォン、ページャ、電話、セットトップボックス又は電子メールアカウントの1又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記信号を人間可読の形式で提示するステップを更に含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセッサが、
患者に供給された線量を示すデータを受け取るステップと、
患者に供給された前記線量を示すデータを提示するステップと、
を更に含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
処置が、放射線治療、化学療法、粒子治療、高密度焦点式超音波、アブレーション、外科手術又はこれらの組み合わせのうちの1つである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記作業の状態の変更を表す情報の前記入力に基づいて前記処置計画生成ワークフローを更新することを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
患者の処置計画を生成するために完了されるべき作業の組を含む患者に関する処置計画生成ワークフローを生成するプロセッサであって、前記処置計画が、患者に供給される線量計画を含む、プロセッサと、
前記処置計画生成ワークフローにおける前記作業の組のうち少なくとも1つの作業の状態を示す情報を入力する入力手段と、
前記処置計画を生成するために、前記入力された作業の状態を示す情報に応じて、前記作業の組のうち、前記処置計画生成ワークフローの進行において次に実施されるべき作業を示す通知を、ウェブベースのインタフェースアプリケーションを通じて前記通知を表示する遠隔装置に送信する通知コンポーネントと、
を有し、
前記送信された通知によって示された前記作業が実施された後、前記入力手段は、当該作業の状態の変更を示す情報を入力し、
前記完了されるべき作業の組の中のすべての作業が実施されるまで、前記通知コンポーネントによる前記通知の前記送信及び前記入力手段による前記作業の状態の変更を示す前記情報の前記入力が、繰り返される、
するシステム。
【請求項9】
前記遠隔装置が、グラフィカルユーザインタフェースを通じて人間可読の形式で前記信号を提示する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記作業の状態の変更を示す前記情報の前記入力に基づいて、前記処置計画生成ワークフローを更新する、請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
患者に供給された線量を示すデータを発生する線量追跡器を更に有する、請求項8乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実施させるコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、処置計画生成ワークフローを追跡することに関し、治療処置の特定の用途に関して記述される。
【背景技術】
【0002】
患者に関する放射線治療処置計画の生成は、概して、さまざまなシステムを用いて仕事し、異なる役割を担う幾人かの関係者(例えば、医師、療法士、医学物理学者、医療線量測定士、その他)を含む。このようなシステムの例は、病院情報システム(HIS)、画像データ保管通信システム(PACS)システム、処置計画(TP)システム、記録及び検証(R(record))及びV(verify))システム等を含むが、これらに限定されるものではない。これらのシステムの間の情報のやり取りは、処置計画の効果的且つタイムリーな完了を容易にする。処置計画は、しばしば1週間又はそれ以上を費やす労働集約的な作業でありうる。残念ながら、これらのシステムは、概して、独立した別個のシステムであり、情報共有のためにあまり適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのシステムから情報を集めるための1つのアプローチは、さまざまな関係者に、例えば薬局又は他の部門に掛かっている物理的なホワイトボード等の一般的な板上にそれらの情報を手作業で記録させることであった。残念ながら、関係者による情報の手作業の記録は、人的エラーを受けやすい。更に、全体の処置計画効率は、情報を取得してから、ホワイトボード上にその情報を記録するまでの時間によって、及び/又は情報の記録から、次のステップを実施する関係者が記録された情報を閲覧するまでの時間によって、低下されうる。更に、処置計画生成ワークフローの永続的な記録は、保持されない(すなわち、ホワイトボードは消去される)。更に、ワークフロー情報は、1つのロケーション(例えば、単一のホワイトボード上)にしかないことがあり、又はワークフローのさまざまな異なる部分が、複数ロケーションにわたって分散される(例えば、さまざまな異なる部分が、それぞれの異なるロケーションの異なるホワイトボード上にある)。
【0004】
電子患者カルテを有しない設備の場合、物理的なファイルフォルダも使用されている。このようなフォルダは、計画情報及び患者カルテの全てを含んでいる。患者のファイルフォルダは、通常、約数週間の間に部門から部門へ転々と移動させなければならず、他方、処置計画のために使用される情報は、入力され及び/又は更新される。残念なことに、ファイルフォルダをそのように転々と移動させることは、フォルダを置き忘れる又は紛失する可能性を増大させ、効率を低下させることがあり、及び/又はその結果、患者プライバシを損なうことがある。1つのトレンドは、フォルダの置き忘れ及び紛失を軽減するために、フォルダ上にワイヤレス追跡装置を取り付けることである。しかしながら、追跡装置は絶対確実なものではなく、フォルダはなお部門から部門へ転々と移動されており、非効率性をもたらす。
【0005】
本出願の見地は、上述した問題その他に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの見地によれば、患者に関する処置計画の生成を追跡する方法は、処置計画生成ワークフローにおける作業の状態を示す入力を得るステップと、処置計画生成ワークフローの作業の組を示す信号を発生するステップであって、前記信号は、受け取られた入力に対応する作業の状態を含む、ステップと、を含む。
【0007】
別の見地によれば、システムは、患者に関する処置計画生成ワークフローに基づいて、患者に関する処置計画を生成するプロセッサであって、処置計画生成ワークフローが、処置計画を生成するために完了されるべき1又は複数の作業を含む、プロセッサと、処置計画又は1又は複数の作業のうち少なくとも一方の状態を示す信号を提示する装置と、を有する。
【0008】
別の見地によれば、コンピュータによって実行される際、処置計画の生成を追跡するステップであって、処置計画を生成するために使用される処置計画生成ワークフローの作業の状態を動的に提示し、更新することを含むステップを、コンピュータのプロセッサに実施させる命令によって符号化されるコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0009】
本発明は、さまざまなコンポーネント及びコンポーネントの取り合わせ、並びにさまざまなステップ及びステップの取り合わせの形をとりうる。図面は、好適な実施形態を示すためにあり、本発明を制限するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】例示の処置ワークフローマネージャを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下は、概して、放射線治療、化学療法、粒子(例えばプロトン)治療、高密度焦点式超音波(HIFU)、アブレーション、外科手術、又はこれらの組み合わせのような処置、及び/又は患者に関する他の処置に関連して、処置計画の生成を追跡することに関する。後で詳しく述べるように、1つの例において、これは、処置計画を生成するために使用されるさまざまなシステムを統合し、処置計画の進行を動的に追跡し、及び/又は例えば処置の開始を経たシミュレーションから、処置計画作業の完了を調整することを含む。これは、処置計画効率及び処置計画を生成する他の側面を改善することができる。
【0012】
最初に
図1を参照して、処置計画を生成するための例示のシステムが示されている。図示されるように、本実施例において、システムは、処置計画を生成することに関連してさまざなま機能を実施するために使用される複数の異なるシステムから構成される。さまざまなシステムは次に記述される。
【0013】
処置計画生成(TPC)ワークフローマネージャ100は、処置計画の生成を管理する。1つの例において、及び以下により詳しく記述されるように、これは、処置計画を生成するために実施されるべき作業の組を取得し、発生し、変更し、削除する等を行い、作業の状態を識別し(例えば、完了済み、現在完了されている最中、今後完了される、その他)、人間可読の形式で作業(作業の状態を含む)を提示し、提示された作業(提示された作業の状態を含む)を動的に更新し、作業が実施されるべきであることを認可された従事者に通知すること等を含む。
【0014】
図示される処置計画生成ワークフローマネージャ100は、さまざまな異なるシステムから少なくとも状態情報を得るために、それらシステムと通信することができる。図示される処置計画生成ワークフローマネージャ100は、付加的に又は代替として、非限定的な例としてイメージングデータ及び/又は非イメージングデータのような他の情報を取得するために、1又は複数のシステムと通信することができる。非イメージングデータの例は、病理学、分子学、検査室、保険、遺伝学、料金請求、家族履歴、その他の情報を含むが、これらに限定されるものではない。
【0015】
処置計画システム102は、患者に関する処置計画を生成するために使用される。図示される実施形態において、処置計画は、1又は複数の画像リポジトリ104からの画像のようなイメージングデータに少なくとも部分的に基づいて、生成される。例えば、リポジトリ104からの画像は、セグメント化、輪郭決定等を通じて、関心領域を識別するために使用されることができる。他の処置計画は、リポジトリ104からの画像を利用しないことがある。画像レポジトリ104の非限定的な例は、画像データ保管通信システム(PACS)レジポジト等を含む。
【0016】
処置計画生成ワークフローマネージャ100及び/又は処置計画システム102は、患者情報リポジトリ106の1又は複数から、患者情報を取得することができ、患者情報リポジトリ106は、病院情報システム(HIS)等を含みうる。患者の以前のイメージングプロシージャに関するイメージング情報は、イメージングプロシージャ情報リポジトリ108の1又は複数から取得されることができる。イメージングプロシージャ情報リポジトリ108は、放射線医学情報システム(radiology information system、RIS)等を含みうる。
【0017】
記録及び検証システム110は、処置パラメータを記録し、及び/又は実施された処置が記録された処置パラメータに従って実施されているかを検証するために使用される。記録及び検証システム110は更に、放射線医学部門、入院部門、料金請求部門、保険設備等のシステムと通信するように構成されることができる。
【0018】
1又は複数の提示コンポーネント112は、処置計画を生成するための作業及び/又は作業の状態を示す情報を、視覚的に及び/又は聴覚的に提示するために使用される。例えば、1つの例において、1又は複数の提示コンポーネント114のうちの1つは、作業及び/又は作業の状態を視覚的に提示するためにさまざまに位置付けられる1又は複数のディスプレイを含む。付加的に又は代替として、このような情報は、聴覚的に提供されることができる。
【0019】
図示される実施形態において、関係装置(actors)100−110の1又は複数は、バス又はローカルエリアネットワーク114を通じて通信する。このような通信は、ワイヤ及び/又はワイヤレス通信を含むことができる。別の実施形態において、付加的に又は代替として、システムのうち少なくとも2つが、別の通信チャネル又はプロトコルを通じて通信する。例えば、画像は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)プロトコル及び/又は他のプロトコルを通じて、画像リポジトリ104から処置計画システム102に伝達されることができる。
【0020】
関係装置100−118の1又は複数は更に、1又は複数の他の関係装置と、例えば検査室部門、入院部門、課金部門、保険部門、病理学部門、放射線医学部門、外科手術部門、腫瘍学部門等のコンピューティングシステムと通信することができる。従って、病理学、分子診断、血液検査、保険計画、料金請求レコード等の情報が、イメージングデータに加えて又はそれに代わって、関係装置100−118によって用いられることができ、及び/又は関係装置100−118を通じて通信されることができる。
【0021】
1又は複数のコンピューティングシステム116(例えば、コンピュータ、イメージングシステムワークステーション等)が、処置計画生成ワークフローマネージャ100によって提供される情報を閲覧するために使用されることができる。このような閲覧は、ウェブベースのアプリケーション又はコンピューティングシステム116上で実行する他のポータルを通じて、行われることができる。非限定的なウェブベースのアプリケーションは、1又は複数のウェブページを含むことができる。例えば、1つの非限定的な実施形態によれば、患者データ、処置ワークフロー、処置ワークフロー進行、物理学等のための個々のウェブページがありうる。ナビゲーションバー等が、さまざまなウェブページ間のナビゲーションのために提供されることができる。1つの例において、情報が利用可能になるとき、このようなウェブページが自動的に配置される。更に、計画は、予め決められた又は作業を実施するために必要なステップの全てが完了されている場合のみ、配置されることができる。非ウェブベースのインタフェースもまたここで企図される。このような情報に対するアクセスは、ログオン及びパスワード及び/又は同様のものを通じて、許可された従事者に制限されることができる。
【0022】
1又は複数の遠隔システム118は、従事者によって携帯されるセル電話、スマートフォン、ページャ、電子データアシスタント、電子メール等、ディスプレイ、テレビジョン等に接続されるセットトップボックス、コンピュータのような装置、及び/又は他の装置を含む。図示される1又は複数の遠隔システム118は、ローカルエリアネットワーク114へのインタフェース120を通じて、少なくとも処置計画生成ワークフローマネージャ100と通信する。このような通信は、処置計画生成作業、作業の状態、実施されるべき作業に関する通知、オペレータの注記及びコメント等の通信を含む。コンピューティングシステム116の場合と同様に、このような通信は、ウェブ及び/又は非ウェブインタフェース通じて行われることができ、セキュリティ等(例えば、ログオン、パスワード等)を含みうる。
【0023】
1又は複数のイメージングモダリティ122が、画像リポジトリ104内の画像を生成するために使用されることができる。適切なイメージングモダリティの例は、コンピュータトモグラフィ(CT)、磁気共鳴(MR)、ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)、シングルフォトンエミッショントモグラフィ(SPECT)、超音波(US)、ラジオグラフィ(X線)、マンモグラフィ、陽電子放出マンモグラフィ(PEM)、デジタルトモシンセシス、及び/又は他のモダリティ、及び/又はMRI/US、PET/CT等の複数モダリティの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。図示されるように、1又は複数のイメージングモダリティ122のうち少なくとも1つは、関係装置(例えば、(複数の)画像リポジトリ104)と直接的に、及び/又はネットワーク114を通じて、通信することができる。
【0024】
ネットワーク114及び/又は処置計画生成ワークフローマネージャ100を通じて、処置システム及び/又は他のシステムのさまざまな異なるコンポーネントを統合することは、処置計画生成ワークフローマネージャ100が省かれるコンフィギュレーションと比べて、処置計画時間を短縮し、人的エラーを軽減し、ゆえに効率及び品質を改善することを容易にすることが可能である。更に、処置計画情報(例えば3次元線量分布又は他の情報)を、放射線医学部門及び/又は他の部門のような部門と共有することは、以前に処置された患者の現在及び/又は将来の診断を容易にすることができ、ゆえに、診断の正確さを改善する。
【0025】
関係装置100−110の1又は複数が、1又は複数の局所的な及び/又は遠隔的なコンピュータ可読媒体に埋め込まれる1又は複数のコンピュータ実行可能命令を実行する1又は複数のプロセッサを通じて、実現されることができることが理解されるべきである。
【0026】
図2は、例示の処置計画生成ワークフローマネージャ100を示している。
【0027】
処置計画ワークフロー発生器202は、患者に関する処置計画を生成するための(例えば作業の)ワークフローを発生する。特定の発生されるワークフローは、処置のタイプ(例えば、放射線、化学、外科手術、その他)、患者デモグラフィック、患者医療履歴、以前に生成された及び/又は実現された処置計画、デフォルトワークフロー、オペレータが生成したワークフロー等の、さまざまなファクタに基づくことができる。ワークフローは、例えば、(例えばユーザ及び/又は装置から)受け取られた入力によって、変更され及び/又は更新されることができる。1つの例において、作業を完了した結果、患者状態の変化、作業を実施するために使用される資源の利用可能性、文献の中のワークフロー解説等に基づいて、ワークフローに対する変更が行われることができる。1つの例において、患者に関するワークフローの発生は、患者が処置について同意した及び/又は承認されているという標示に応じて行われる。
【0028】
追跡コンポーネント204は、処置計画生成ワークフローを追跡する。これは、作業の変更、完了、今後完了されるべき作業等を含むワークフローの進行を追跡することを含む。追跡コンポーネント204は、例えば提示コンポーネント112、コンピューティングシステム116、遠隔システム118及び/又は他のシステムを通じて、この情報を提示のために提供する。
【0029】
通知コンポーネント206は、例えば処置計画を生成するための作業、さまざまな作業の状態、作業の付加及び/又は削除の標示、作業に関連する警報又は警告、作業が実施される準備ができているという標示及び/又は他の情報のような、さまざまな情報を示す通知を送信する。通知は、さまざまな通信技法を通じて、例えば電子メール、テキストメッセージ、インスタントメッセージ、電話コール、ページャ及び/又は他の電子通信信号を通じて、送信されることができる。
【0030】
通知は更に、以前に実施された作業及び/又は次に実施されるべき作業に対応するオペレータ注記、コメント等を含むことができる。例えば、処置計画が、医師レビューの準備ができている場合、さまざまな計画についての重要な線量測定フィーチャ及び/又はトレードオフの要約記録(summary note)が、医師又は他の従事者に送信される通知に含められることができる。医師は、処置計画をレビューする前、その間及び/又はその後に要約記録を閲覧し、処置に関する適当な計画を選択し、任意には、例えば改善の潜在的な他の領域を示すためのコメントを含めることができる。
【0031】
任意の線量追跡器208が、患者に供給された線量及び/又はシミュレートされた供給線量を示す信号を発生する。追跡コンポーネント204は、単独で、又は作業情報及び/又は他の情報とともに、線量情報を提供することができる。1つの例において、これは、線量−ボリュームヒストグラム及び/又は他の線量ベースの情報を含むことができる。通知コンポーネント206は、線量情報に基づいて、通知を発生し、送信することができる。例えば、通知コンポーネント206は、予め決められた線量マイルストーンが満たされると、供給された線量に関する通知を発生し、送信することができ、通知は、次の計画を開始するように従事者に警告するために使用されることができ、これは、処置の連続性を保証することを容易にすることができる。
【0032】
図3は、処置計画の生成を追跡し及び/又は調整するための非限定的な方法を示している。以下の処理の順序は限定的なものでないことが理解されるべきである。従って、処理の1又は複数は、別の処理より早く、遅く、又は別の処理と同時に行われることができる。更に、他の実施形態において、多かれ少なかれ、同様の及び/又は異なる処理が含められることができる。
【0033】
ステップ302において、患者が処置に同意する。
【0034】
ステップ304において、処置計画生成ワークフローマネージャ100は、患者に関する処置計画生成ワークフローを取得する。患者情報リポジトリ106及び/又は他のリポジトリからの患者情報が、患者に関する情報を取得するために使用されることができる。
【0035】
ステップ306において、処置計画生成ワークフローマネージャ100は、処置計画を生成するための作業を示す情報を発生し、かかる情報は、作業の1又は複数の状態及び/又は他の情報を含む。
【0036】
ステップ308において、処置計画生成ワークフローマネージャ100は、作業を提示し、かかる提示は、作業の1又は複数の状態及び/又は他の情報を含む。ここに示されるように、この情報は、1又は複数の提示コンポーネント112、1又は複数のコンピューティングシステム116、1又は複数の遠隔システム118及び/又は1又は複数の他の装置を通じて、認可された従事者によって閲覧されることができる。
【0037】
ステップ310において、処置計画生成ワークフローマネージャ100は、関係装置に、実施されるべき処置ワークフロー作業を通知する。ここに述べられるように、通知は、1又は複数の提示コンポーネント112、1又は複数のコンピューティングシステム116、1又は複数の遠隔システム118を通じて及び/又は他のやり方で、情報を視覚的及び/又は聴覚的に提示することによるものでありうる。別の実施形態では、関係装置は、別のやり方で通知される。
【0038】
ステップ312において、作業が実施されると、作業に関する情報が、処置計画生成ワークフローマネージャ100に提供される。このような情報は、許可された従事者を通じて、及び/又はネットワーク114を通じた情報の伝達によって、入力されることができる。情報は、作業が計画通りに実施されたかどうか、作業が変更されたかどうか、作業が実施された日付、開始、終了及び/又は持続時間を示すタイムスタンプ、人が作業の完了を監督したことの識別に関する情報、及び/又は他の情報を含むことができる。
【0039】
ステップ314において、処置計画生成ワークフローが更新される。ここに述べられるように、ワークフローの更新は、動的な更新を含むことができ、1又は複数の提示コンポーネント112、1又は複数のコンピューティングシステム116、1又は複数の遠隔システム118を通じて提示される作業に関する情報が、作業の現在の状態を反映するために更新される。
【0040】
ステップ316において、別の作業が実施される場合、処理310−314が繰り返される。
【0041】
ステップ318において、他のいかなる作業も実施されない場合、処置計画が実現されることができる。
【0042】
ステップ320において、任意には、処置計画生成ワークフロー及び/又はその進行は、ここに記述されるように、記憶リポジトリに電子的に記憶されることができ、取り出し及び/又は閲覧のために利用可能にされる。
【0043】
ステップ322において、任意には、処置計画生成ワークフローのレトロスペクティブ解析が実施されることができる。これは、効率、他の処置ワークフローとの差、次の処置のためのパラメータに関する情報及び/又は他の情報を提供することができる。
【0044】
上述したことは、コンピュータプロセッサによって実行される場合、ここに記述される処理をプロセッサに実施させるコンピュータ可読命令を通じて実現されることができる。そのような場合、命令は、当該コンピュータに関連する及び/又は当該コンピュータにとって他のやり方でアクセス可能なメモリのようなコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。
【0045】
本発明は、好適な実施形態に関して記述された。変形及び変更は、先行する詳細な説明を読み、理解することにより当業者に思いつくであろう。すべてのこのような変形及び変更が添付の請求項又はその等価なものの範囲内にある限り、本発明は、すべてのそのような変形及び変更を含むとして構成されることが意図される。