(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
レールの軌道(R)内外に敷設される樹脂又はゴムからなるベース部(2)と、このベース部(2)と異なる色に着色され、このベース部(2)の上面に積層される樹脂又はゴムからなる着色積層部(3)と、を有し、平面視において、前記ベース部(2)と前記着色積層部(3)とで色分けされ、
複数を並べて敷設することにより、踏切内に、前記色分けごとに、車道、歩道、自転車道、又は、車道、歩道、若しくは自転車道の間、若しくは踏切の端部を示す仕切り線のいずれかの所望の通行区分を形成した踏切用舗装板。
レールの軌道(R)内外に敷設される樹脂又はゴムからなるベース部(2)と、このベース部(2)と異なる色に着色され、このベース部(2)の上面に積層される樹脂又はゴムからなる着色積層部(3)と、を有し、前記着色積層部(3)が、平面視において、2色以上の色彩で色分けされ、
複数を並べて敷設することにより、踏切内に、前記色分けごとに、車道、歩道、自転車道、又は、車道、歩道、若しくは自転車道の間、若しくは踏切の端部を示す仕切り線のいずれかの所望の通行区分を形成した踏切用舗装板。
【背景技術】
【0002】
踏切用舗装板1は、
図18及び
図19に例示するように、踏切において、バラストB上のマクラギSにレール締結具Cを用いて固定された一対のレールR、Rの軌間内外に敷設されるものである。この踏切用舗装板1は、マクラギS上に載置され、レールRに面する端部が、レールRのベース部Rbと頭部Rtの間の凹状の腹部Rmに嵌め込まれて、このレールRに固定される。軌間内に敷設する踏切用舗装板1inの前記端部には輪縁路部4が形成され、電車等の車輪のフランジ部が通る輪縁路が確保されている。その一方で、軌間外に敷設する踏切用舗装板1outにおいては、輪縁路部4は形成されておらず、その端部はレールRのベース部Rbから頭部Rtの全体にかけて、そのレールRに嵌め込まれた状態となっている。踏切のレール長さ方向の端部には係止部材Hが設けられ、この係止部材Hで、踏切用舗装板1(1in、1out)がレール長さ方向にずれるのを防止している。
【0003】
マクラギSへのレールRの固定箇所では、踏切用舗装板1の端部の下側に凹部が形成されている(
図19(b)を参照)。このように凹部を形成することにより、レール締結具Cと踏切用舗装板1の端部が干渉するのを防止している。なお、
図18及び
図19においては、踏切用舗装板1の内部に、補強部材として鋼管Pを埋設した構成を示したが、この鋼管Pの代わりに補強布等の補強部材を用いたり、補強部材を用いない構成としたりすることもある。
【0004】
近年、踏切においては、車両、歩行者、自転車等の通行区分を明確にするため、踏切用舗装板1の表面を塗料で塗装し、例えば車両は赤色、歩行者は緑色、というように色分けによって通行区分を決め、歩車分離を図る事例が増えている。なお、踏切用舗装板1の素材としては、コンクリート板が用いられる他、成形が容易で、耐久性やコストの面で優れる樹脂やゴムが用いられる場合がある。
【0005】
この踏切用舗装板1の表面塗装は、車両等の通行や風雨にさらされることによって次第に剥離・退色し、通行区分が不明確となりやすい。特に、踏切用舗装板1の素材としてゴムを用いる場合、このゴムは弾性が大きく容易に変形するのに対し、塗布後に乾燥した塗料はゴムほど弾性を有しないことから、両者が密着せずに剥離してしまう問題が生じやすい。
【0006】
そこで、例えば特許文献1及び2では、踏切用舗装板にゴムを用いる構成において、ベース部となるゴムの表面全体に、着色したゴムからなる層を積層させた構成を採用している。この構成においては、着色したゴムの厚みを例えば10−20mmとすれば(特許文献1の明細書の段落0012を参照)、年月が経過してこの着色したゴムからなる層が多少摩耗したとしても、その摩耗がベース部となるゴムまで到達することは通常ない。このため、着色したゴムによる色分けが消えることはなく、通行区分が不明確となる問題は生じない。また、この着色したゴムは、ベース部となるゴム(一般的には、カーボンブラックを混ぜた黒色のゴム)と比較して高価であることが多い。そこで、このようにベース部となるゴムに着色したゴムを積層させることにより、全体に着色したゴムを使用した場合と比較して、この着色したゴムの使用量を減らすことができ、材料コストの削減を図ることができるというメリットもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び2に示す構成は、ベース部となる所定の大きさのゴムの表面全体に、単色のゴムからなる層を積層させた構成としている。このため、車道や歩道等を異なる幅の多色の色分けによって形成したい場合や、レールと道路が直交しない場合(例えば60度の角度で交差する場合)に、通行区分を所望の色分けによって構成することが困難な場合が生じ得る。
【0009】
そこで、この発明は、踏切内に所望の通行区分等の色分けを容易に形成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明は、レールの軌道内外に敷設される樹脂又はゴムからなるベース部と、このベース部と異なる色に着色され、このベース部の上面に積層される樹脂又はゴムからなる着色積層部と、を有し、平面視において、前記ベース部と前記着色積層部とで色分けされた踏切用舗装板を構成した。
【0011】
このように、踏切用舗装板をベース部と着色積層部とで色分けし、レール内の各敷設位置に対応する色分けのパターンを形成した複数の踏切用舗装板を並べて敷設することにより、踏切内に所望の通行区分等の色分けを容易に形成することができる。
【0012】
前記構成においては、前記着色積層部が、平面視において、2色以上の色彩で色分けされた構成とすることもできる。
【0013】
このようにすれば、踏切用舗装板の表面に、ベース部と着色積層部の2色以上の色分けによる3以上の通行区分(例えば、黒色、緑色、赤色)を形成することができる。このため、踏切内を通行する際の安全性が一層高まる。
【0014】
前記各構成の代わりに、レールの軌道内外に敷設される樹脂又はゴムからなるベース部と、このベース部と異なる色に着色され、このベース部の上面に積層される樹脂又はゴムからなる着色積層部と、を有し、前記着色積層部が、平面視において、2色以上の色彩で色分けされた踏切用舗装板を構成することもできる。
【0015】
この場合も、上記と同様に、踏切用舗装板の表面に、少なくとも着色積層部の2色以上の色分けによる通行区分(例えば、緑色、赤色)を形成することができる。このため、踏切内を通行する際の安全性が一層高まる。
【0016】
前記各構成においては、前記色分けごとに、車道、歩道、自転車道、又は、車道、歩道、若しくは自転車道の間、若しくは踏切の端部を示す仕切り線のいずれかとして定めることができる。
【0017】
このように、車両、歩行者、自転車等ごとに明確に色分けを施して通行区分を表示することにより、歩車分離が確実になされて通行の安全性が一層高まることが期待できる。各通行区分の幅は、交通量を考慮して適宜決定することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明では、このベース部の上側に着色積層部を積層し、平面視において、前記ベース部と前記着色積層部とで、又は、2色以上の彩色を施した着色積層部で色分けし、一つの踏切用舗装板に複数の通行区分を表示するようにした。この構成によると、レール内の各敷設位置に対応する色分けのパターンを形成した複数の踏切用舗装板を並べて敷設することにより、踏切内に所望の通行区分等の色分けを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本願発明に係る踏切用舗装板の設置状態を示す平面図(レールと道路が非直交の場合)
【
図2】本願発明に係る踏切用舗装板の設置状態を示す平面図(レールと道路が直交している場合)
【
図3】本願発明に係る踏切用舗装板の第一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図
【
図4】第一実施形態に係る踏切用舗装板を示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図
【
図5】第一実施形態に係る踏切用舗装板の表面を示す平面図
【
図6】本願発明に係る踏切用舗装板の製造工程を示す図
【
図7】本願発明に係る踏切用舗装板の第二実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図8】本願発明に係る踏切用舗装板の第三実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図9】本願発明に係る踏切用舗装板の第四実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図10】本願発明に係る踏切用舗装板の第五実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図11】本願発明に係る踏切用舗装板の第六実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図12】本願発明に係る踏切用舗装板の第七実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図13】本願発明に係る踏切用舗装板の第八実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図14】本願発明に係る踏切用舗装板の第九実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図15】本願発明に係る踏切用舗装板の第十実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図16】本願発明に係る踏切用舗装板の第十一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図17】本願発明に係る踏切用舗装板の第十二実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)中のb−b線に沿う断面図、(c)は同図(a)中のc−c線に沿う断面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は左側面図、(g)は右側面図、(h)は底面図
【
図18】踏切用舗装板の設置状態を示す部分断面斜視図
【
図19】踏切用舗装板の設置状態を示し、(a)は
図18中のa−a線に沿う断面図、(b)は
図18中のb−b線に沿う断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願発明に係る踏切用舗装板1は、背景技術において説明したように、踏切において、バラストB上のマクラギTにレール締結具Cを用いて固定された一対のレールR、Rの軌間内外に設けられるものである(
図18及び
図19を参照)。この踏切には、
図1に示すようにレールRと道路が非直交の場合(例えば60度の角度で交差する場合)と、
図2に示すようにレールRと道路が直交する場合があり、それぞれの場合において種々の色分けによる通行区分の形成パターンが考えられる。
【0021】
図1(a)から(d)においては、いずれも踏切のレール長さ方向の両端部に黒色のベース部2が配置され、このベース部2の内側に、(a)では赤色の着色積層部3(赤色積層部3a)からなる車道と緑色の着色積層部3(緑色積層部3b)からなる歩道が、(b)では(a)の構成に加えて車道及び歩道とベース部2の境界、及び車道と歩道の境界に白色の着色積層部3(白色積層部3c)からなる境界線が、(c)では赤色積層部3aからなる車道の両側に緑色積層部3bからなる歩道が、(d)では(c)の構成に加えて歩道とベース部2との境界、及び車道と歩道の境界に白色積層部3cからなる境界線が、それぞれ構成されている。また、
図2(a)から(d)においては、いずれも踏切のレール長さ方向の両端部に黒色のベース部2が配置され、このベース部2の内側に、(a)では赤色積層部3aからなる車道と緑色積層部3bからなる歩道が、(b)では(a)の構成に加えて車道及び歩道とベース部2の境界に白色積層部3cからなる境界線が、(c)では赤色積層部3aからなる車道の両側に緑色積層部3bからなる歩道が、(d)では(c)の構成に加えて歩道とベース部2との境界、及び車道と歩道の境界に白色積層部3cからなる境界線が、それぞれ構成されている。上記の通行区分及び境界線の色彩は一例であって、例えば、境界線を白色ではなく黄色とする等のように、視認性や美観等の種々の要素を勘案して適宜変更することができる。以下、
図1及び
図2で示す各踏切用舗装板の中から、本願発明に係る色分けを施したもの(着色積層部3において色分けされた複数の色彩、又は、ベース部2と着色積層部3の両方、が一つの踏切用舗装板1に現れているもの)を幾つかを取り上げて説明する。
【0022】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第一実施形態を
図3及び
図4に示す。この踏切用舗装板1aは、レールRと道路が非直交の場合において、レールRの軌道内に敷設されるものであり、
図1(a)において符号1aで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1aは、レールRに敷設される黒色のゴムからなるベース部2と、このベース部2の色と異なる赤色及び緑色の2色にそれぞれ着色された赤色積層部3a及び緑色積層部3bと、を有している。平面視においてベース部2は露出しておらず、赤色積層部3a及び緑色積層部3bのみが視認できる。この踏切用舗装板1aの軌道幅方向の両端部は輪縁路部4となっている。この輪縁路部4を形成することにより、電車等の車輪のフランジ部が通る輪縁路を確保している。
【0023】
この輪縁路部4には、補強用の鋼管(図示せず)を挿し込む管体用孔5が形成されている。なお、この鋼管は必須のものではなく、その代わりに補強布等の補強部材を用いたり、特に補強の必要がなければ省略したりすることもできる。この場合は、管体用孔5を形成する必要はない。
図3には図示していないが、輪縁路部4以外の部分に鋼管、鋼材、補強布等の補強部材を埋設して、この踏切用舗装板1aの強度向上を図るように構成することもできる。
【0024】
この踏切用舗装板1aのレール長さ方向の端部には、連結凸部6又は連結凹部7が形成されており、この連結凹部7に連結凸部6を挿し込むことによって、隣り合う踏切用舗装板1、1同士を連結する。ベース部2の大きさは、例えば、軌間内の幅方向に1120mm、レール長さ方向に600mm等とし、一対のレールR、Rの間に、踏切用舗装板1aがちょうど嵌まり込むようにすることができる。
【0025】
この踏切用舗装板1aの上面は無模様の平坦な形状でもよいが、この上面の排水性を高めるとともに滑り止め作用をもたせるために、
図5に示すように、例えば亀甲状の凹凸模様8を形成するのが好ましい。この亀甲状の凹凸模様8を横切るように凹溝9を形成することにより、排水性及び滑り止め作用の一層の向上が期待できる。この凹凸模様8等は、排水性及び滑り止め作用が発揮される限りにおいて、適宜他の形状を採用することができる。
【0026】
踏切用舗装板1の製造工程の概略を
図6に示す。まず、原料ゴムに、所定量の補強材、促進剤、加硫剤、老化防止剤、軟化剤、その他の配合物を配合して混練及び熟成し、所定の形状に加工する。ベース部2となる原料ゴムには、ブラックカーボンを配合した黒色の汎用ゴムを用いる。着色積層部3となる原料ゴムには、着色剤を配合して着色を施したものを用いる(例えば、第一実施形態においては、緑色と赤色の2色)。次に、ベース部2となる原料ゴムを型枠に敷設する。さらに、このベース部2となる原料ゴムの上面の所定の領域に、着色積層部3となる原料ゴムを積層して積層体とする。ベース部2の厚さは数cm程度、着色積層部3の厚さは数mmから数cm程度とすることが多い。この原料ゴムの積層体を構成する際に、踏切用舗装板1の強度向上を図るための鋼管をその積層体内部に埋設する。この鋼管には、予め脱脂洗浄、ショットブラスト等による表面処理、及び接着剤の塗布等の前処理を行っておき、ゴムに埋設した際に良好な密着性が得られるようにしておくのが好ましい。引き続いて、この積層体を成形し加硫するための所定の熱処理を施す。最後に、仕上げ・寸法測定等の検査を経て踏切用舗装板1が完成する。なお、積層した着色積層部3の退色を防ぐため、ベース部2に用いる原料ゴムに配合する老化防止剤として、退色を生じにくいタイプのものを使用するのが好ましい。
【0027】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第二実施形態を
図7に示す。この踏切用舗装板1bも、レールRと道路が非直交の場合において、レールRの軌道内に敷設されるものであり、
図1(a)において符号1bで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1bは、第一実施形態に係るものと、外形サイズ、ベース部2と着色積層部3の積層体とした点、輪縁路部4の形状の点等で共通する。その一方で、平面視においてベース部2が露出しており、着色積層部3が緑色積層部3b(歩道)の1色のみで構成されている点で異なっている。このように着色積層部3を積層する位置を変えるだけで、色分けによる所望の通行区分を形成することができる。
【0028】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第三実施形態を
図8に示す。この踏切用舗装板1cも、レールRと道路が非直交の場合において、レールRの軌道内に敷設されるものであり、
図1(b)において符号1cで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1cは、第二実施形態に係るものと、外形サイズ、ベース部2と着色積層部3の積層体とした点、輪縁路部4の形状の点等で共通する。その一方で、平面視において着色積層部3が緑色積層部3b(歩道)と白色積層部3cの2色で色分けされている点で異なっている。この白色の色分けは、歩道の踏切幅方向端部を示す境界線である。この境界線を表示することにより、歩行者が歩道の端部を明確に認識することができ、誤って踏切から足を踏み外す等のトラブルを未然に防止することができる。この境界線の白色の色分けを、黄色の色分けとすることもできる。この境界線は、
図1(b)において符号1c’で示される位置に配置されている踏切用舗装板1c’のように、赤色積層部3a(車道)の踏切幅方向端部に表示してもよい。このように境界線を表示することによって、ドライバーに注意喚起して、脱輪等のトラブルを防止することができるためである。
【0029】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第四実施形態を
図9に示す。この踏切用舗装板1dは、レールRと道路が非直交の場合において、レールRの軌道外に敷設されるものであり、
図1(c)において符号1dで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1dは、レールRに敷設される黒色のゴムからなるベース部2と、このベース部2の色と異なる赤色及び緑色の2色にそれぞれ着色された着色積層部3(赤色積層部3a、緑色積層部3b)と、を有している。平面視においてベース部2は露出しておらず、赤色積層部3a及び緑色積層部3bのみが視認できる。この踏切用舗装板1dのレール長さ方向の端部には、連結凸部6又は連結凹部7が形成されており、この連結凹部7に連結凸部6を挿し込むことによって、隣り合う踏切用舗装板1、1同士を連結する。ベース部2の大きさは、例えば、軌間の幅方向に500mm、レール長さ方向に1200mm等とし、レールRの軌間外端面側に、踏切用舗装板1dの端部10がちょうど嵌まり込むようにすることができる。
【0030】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第五実施形態を
図10に示す。この踏切用舗装板1eも、レールRと道路が非直交の場合において、レールRの軌道外に敷設されるものであり、
図1(c)において符号1eで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1eは、第四実施形態に係るものと、外形サイズ、ベース部2と着色積層部3の積層体とした点等で共通する。その一方で、平面視においてベース部2が露出しており、着色積層部3が緑色積層部3b(歩道)の1色のみで構成されている点で異なっている。
【0031】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第六実施形態を
図11に示す。この踏切用舗装板も1f、レールRと道路が非直交の場合において、レールRの軌道外に敷設されるものであり、
図1(d)において符号1fで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1fは、第四実施形態に係るものと、外形サイズ、ベース部2と着色積層部3の積層体とした点で共通する。その一方で、平面視において着色積層部が緑色積層部3b(歩道)と白色積層部3c(境界線)の2色で色分けされている点で異なっている。この境界線の機能は、第三実施形態において説明したのと同様である。
【0032】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第七実施形態を
図12に示す。この踏切用舗装板1gは、レールRと道路が直交する場合において、レールRの軌道内に敷設されるものであり、
図2(c)において符号1gで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1gは、レールRに敷設される黒色のゴムからなるベース部2と、このベース部2の色と異なる赤色及び緑色の2色にそれぞれ着色された着色積層部3(赤色積層部3a、緑色積層部3b)と、を有している。平面視においてベース部2は露出しておらず、赤色積層部3a及び緑色積層部3bのみが視認できる。この実施形態においても、赤色が車道、緑色が歩道として区分けされている。この踏切用舗装板の軌道幅方向の両端部は輪縁路部4となっている。この輪縁路部4を形成することにより、電車等の車輪のフランジ部が通る輪縁路を確保している。ベース部2の大きさは、例えば、軌間内の幅方向に1120mm、レール長さ方向に600mm等とし、一対のレールR、Rの間に、踏切用舗装板1gがちょうど嵌まり込むようにすることができる。
【0033】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第八実施形態を
図13に示す。この踏切用舗装板1hも、レールRと道路が直交する場合において、レールRの軌道内に敷設されるものであり、
図2(a)において符号1hで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1hは、第七実施形態に係るものと、外形サイズ、ベース部と着色積層部の積層体とした点、輪縁路部の形状の点等で共通する。その一方で、平面視においてベース部2が露出しており、着色積層部3が緑色積層部3b(歩道)の1色のみで構成されている点で異なっている。
【0034】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第九実施形態を
図14に示す。この踏切用舗装板1iも、レールRと道路が直交する場合において、レールの軌道内に敷設されるものであり、
図2(b)において符号1aで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1iは、第七実施形態に係るものと、ベース部2と着色積層部3の積層体とした点、輪縁路部4の形状の点等で共通する。その一方で、平面視において着色積層部3が緑色積層部3b(歩道)と白色積層部3c(境界線)の2色で色分けされている点で異なっている。この境界線は、
図2(b)において符号1i’で示される位置に配置されている踏切用舗装板1i’のように、赤色積層部3a(車道)の踏切幅方向端部に表示してもよい。
【0035】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第十実施形態を
図15に示す。この踏切用舗装板1jは、レールRと道路が直交する場合において、レールRの軌道外に敷設されるものであり、
図2(c)において符号1jで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1jは、レールRに敷設される黒色のゴムからなるベース部2と、このベース部2の色と異なる赤色及び緑色の2色にそれぞれ着色された着色積層部3(赤色積層部3a、緑色積層部3b)と、を有している。平面視においてベース部2は露出しておらず、赤色積層部3a及び緑色積層部3bのみが視認できる。この踏切用舗装板1jのレール長さ方向の端部には、連結凸部6又は連結凹部7が形成されており、この連結凹部7に連結凸部6を挿し込むことによって、隣り合う踏切用舗装板1、1同士を連結する。ベース部2の大きさは、例えば、軌間の幅方向に500mm、レール長さ方向に1200mm等とし、レールRの軌間外端面側に、踏切用舗装板1jの端部10がちょうど嵌まり込むようにすることができる。
【0036】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第十一実施形態を
図16に示す。この踏切用舗装板1kも、レールRと道路が直交する場合において、レールRの軌道外に敷設されるものであり、
図2(a)において符号1kで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1kは、第十実施形態に係るものと、外形サイズ、ベース部2と着色積層部3の積層体とした点等で共通する。その一方で、平面視においてベース部2が露出しており、着色積層部3が緑色積層部3b(歩道)の1色のみで構成されている点で異なっている。
【0037】
本願発明に係る踏切用舗装板1の第十二実施形態を
図17に示す。この踏切用舗装板1Lも、レールRと道路が直交する場合において、レールRの軌道外に敷設されるものであり、
図2(d)において符号1Lで示される位置に配置されている。この踏切用舗装板1Lは、第十一実施形態に係るものと、外形サイズ、ベース部2と着色積層部3の積層体とした点で共通する。その一方で、平面視において着色積層部3が緑色積層部3b(歩道)と白色積層部3c(境界線)の2色で色分けされている点で異なっている。この境界線の機能は、第三実施形態において説明したのと同様である。
【0038】
上記のように、金型に原料ゴムを積層した後に熱処理を施して踏切用舗装板1を構成する代わりに、予め所定形状に成形した樹脂からなるベース部2の表面に、予め成形した樹脂からなる着色積層部3を接着等の手法により一体に設けて、踏切用舗装板1を構成することもできる。
【0039】
上記の各実施形態に示した通行区分の色分けはあくまでも一例であって、通行区分の数、道路とレールRとの交差角度等の種々の要因を考慮して、通行区分の幅、色彩等は適宜変更することができる。