(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力先設定部は、前記再度の出力先として前記候補を設定した場合、前記異なる出力装置である迂回先を前記再度の出力先の設定完了を示す通知である再出力通知の出力先として設定し、
前記通信部は、前記再出力通知を前記異なる出力装置に送信する
請求項1に記載の注文管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1から
図17を参照して、注文管理装置、注文管理システム、注文管理方法、および、注文管理プログラムの一実施形態を説明する。以下では、注文管理システムの構成、注文管理システムを構成する各要素の電気的構成、プリンタから出力される伝票、注文管理システムの動作を順に説明する。なお、以下では、注文管理システムの一例として飲食店に設置される注文管理システムを説明する。
【0018】
[注文管理システムの全体構成]
図1に示されるように、注文管理システム10は、端末としてのハンディターミナル20、注文管理装置としてのコントローラ30、および、出力装置としてのプリンタ40A,40Bを備えている。注文管理システム10は、例えば、1つ以上のハンディターミナル20と、2つのプリンタ40A,40Bを備えている。各プリンタ40A,40Bには、バーコードを読み取るバーコードリーダ40AR,40BRが1つずつ接続されている。本実施形態では、注文管理システム10として、2台のプリンタを備えた構成を例として説明するが、注文管理システム10の備えるプリンタの台数は、1台であってもよいし3台以上であってもよい。2つのプリンタのうち、一方のプリンタが、調理プリンタ40Aとして設定され、他方のプリンタが、ゲストプリンタ40Bとして設定されている。調理プリンタ40Aは、厨房での調理の管理に用いられる調理指示伝票51を出力し、ゲストプリンタ40Bは、利用客の注文の管理に用いられるゲスト伝票52を出力する。
【0019】
ハンディターミナル20は、例えば、従業員によって1つずつ携帯される。ハンディターミナル20には、従業員によって利用客の注文が入力され、ハンディターミナル20は、入力情報から注文の内容を示す注文データを生成する。コントローラ30は、飲食店の一角に配置され、コントローラ30には、ハンディターミナル20から注文データが送信される。コントローラ30は、注文データに基づいて調理指示伝票51を出力するためのデータである調理指示伝票データ、および、ゲスト伝票52を出力するためのデータであるゲスト伝票データを生成する。
【0020】
調理プリンタ40Aは、例えば、厨房に配置され、調理プリンタ40Aには、例えば調理指示伝票データがコントローラ30から送信される。ゲストプリンタ40Bは、例えば、飲食店のうち客席が設置された空間の近くに配置され、ゲストプリンタ40Bには、例えばゲスト伝票データがコントローラ30から送信される。各プリンタ40A,40Bは、受信した伝票データに基づいて、調理指示伝票51あるいはゲスト伝票52を出力する。
【0021】
ここで、例えば、コントローラ30と調理プリンタ40Aとの間での通信ができなかったり、調理プリンタ40Aにて紙切れや紙詰まりが生じたりすることによって、調理プリンタ40Aから調理伝票が出力されないこともある。この場合には、コントローラ30は、調理プリンタ40Aを迂回してゲストプリンタ40Bに調理指示伝票データを送信することによって、ゲストプリンタ40Bに調理指示伝票を出力させる。なお、以下では、コントローラ30が、一方のプリンタを伝票の出力先として迂回することによって他方のプリンタから伝票を出力させる処理が、迂回出力処理として設定される。
【0022】
[ハンディターミナルの電気的構成]
図2を参照して、ハンディターミナル20の電気的構成を説明する。
図2に示されるように、ハンディターミナル20は、入力部21、ターミナル制御部22、注文データ生成部23、表示部24、および、通信部25を備えている。入力部21は、例えば、メニュー名に対応するメンブレンキー、タッチパネルキー、および、テンキー等を含む入力装置に接続され、入力部21には、テーブル番号、利用客の人数、および、メニュー名等の注文に関する情報が入力装置から入力される。ターミナル制御部22は、入力部21、注文データ生成部23、表示部24、および、通信部25の駆動を制御する。
【0023】
注文データ生成部23では、入力部21から入力された注文に関するデータがターミナル制御部22を経由して入力され、注文された内容を示す注文データが生成される。表示部24は、例えば、液晶ディスプレイであり、表示部24には、注文データ生成部23で処理されたメニュー名や数量等を示す表示データがターミナル制御部22を経由して入力され、入力された表示データに基づく内容が表示される。通信部25は、例えば、無線通信によってコントローラ30、および、各プリンタ40A,40Bに対して各種データを送信し、無線通信によってコントローラ30、および、各プリンタ40A,40Bから各種データを受信する。
【0024】
[コントローラの電気的構成]
図3から
図7を参照して、コントローラ30の電気的構成を説明する。なお、以下では、コントローラ30の電気的構成を説明した後に、コントローラ30のデータ記憶部に記憶された各種情報を説明する。
【0025】
図3を参照してコントローラの電気的構成を説明する。
図3に示されるように、コントローラ30は、通信機能を有するコンピュータであって、制御部31、通信部32、データ記憶部33、伝票データ処理部34、および、注文データ処理部35を備えている。制御部31は、通信部32、データ記憶部33、伝票データ処理部34、および、注文データ処理部35の駆動を注文管理プログラムに従って制御する。
【0026】
通信部32は、ハンディターミナル20の通信部25と同様、例えば、無線通信によってハンディターミナル20、および、各プリンタ40A,40Bに対して各種データを送信し、無線通信によってハンディターミナル20、および、各プリンタ40A,40Bから各種データを受信する。
【0027】
伝票データ処理部34は、候補選択部34a、出力判断部34b、および、出力先設定部34cを備えている。候補選択部34aは、調理プリンタ40Aとゲストプリンタ40Bとの中から伝票の出力先となる候補を選択する。出力判断部34bは、出力先として選択された候補にて伝票の出力が可能であるか、もしくは、不能であるかを判断する。出力先設定部34cは、選択された候補にて伝票の出力が不能である場合に、候補を迂回した伝票の出力先と、候補を迂回したことを通知する迂回通知としての迂回リストの出力先等を調理プリンタ40Aとゲストプリンタ40Bとの中から設定する。一方、出力先設定部34cは、選択された候補にて伝票の出力が可能である場合には、候補を伝票の出力先に設定する。
【0028】
また、伝票データ処理部34は、迂回通知データの一例である迂回リストデータ入力部34d、迂回届出データ入力部34e、および、出力伝票データ生成部34fを備えている。迂回リストデータ入力部34dは、通信部32の受信した迂回通知データの一例である迂回リストデータの入力を受け付け、迂回リストデータは、各プリンタ40A,40Bから送信されて通信部32で受信される。
【0029】
迂回届出データ入力部34eは、同じく通信部32の受信した迂回届出データの入力を受け付け、迂回届出データは、各プリンタ40A,40Bから送信されて通信部32で受信される。出力伝票データ生成部34fは、伝票データ処理部34の備える他の機能部とともに伝票データを生成し、伝票データは、通信部32から送信されて各プリンタ40A,40Bで受信される。
【0030】
注文データ処理部35は、通信部32の受信した注文データの入力を受け付け、注文データは、ハンディターミナル20から送信されて通信部32で受信される。
制御部31は、上述の迂回リストデータ、迂回届出データ、および、注文データをデータ記憶部33に記憶させて、伝票データ処理部34での伝票データ処理に利用する。
データ記憶部33には、伝票データ処理部34での伝票データの生成に用いられる各種データ、例えば、上述の迂回リストデータ、迂回届出データ、および、注文データ等が記憶されている。
【0031】
図4から
図7を参照してデータ記憶部33に記憶された情報を説明する。
コントローラ30のデータ記憶部33には、注文管理システム10にて出力される伝票の種類の各々に対するフォーマットが記憶されている。伝票の種類には、例えば、調理指示伝票51、ゲスト伝票52、出力先が上述の候補から変更されたときに出力される後出の迂回伝票53、同じく後出の迂回リスト54、および、迂回伝票と同じ内容の伝票が再発行されたことを通知する再発行通知等が含まれる。なお、調理指示伝票51およびゲスト伝票52の各々のフォーマットは、後述するプリンタ出力設定情報320の伝票名列322に対応付けられている。
【0032】
図4に示されるように、データ記憶部33には、メニュー設定情報310が記憶され、メニュー設定情報310では、注文データに含まれることの可能なメニュー名から構成されるメニュー名列311に対し、調理指示伝票列312と、ゲスト伝票列313とが対応づけられている。メニュー名列311は、相互に異なる複数のメニューから構成され、各メニュー名には、調理指示伝票列312を構成する1つのデータと、ゲスト伝票列313を構成する1つのデータとが対応付けられている。各伝票列312,313は、注文データに各メニュー名が含まれる場合に、調理指示伝票51あるいはゲスト伝票52の出力が必要であるか否かを示すデータから構成されている。なお、
図4では、各伝票51,52の出力が必要であることを示すデータが便宜的に一重丸で示され、各伝票51,52の出力が必要でないことを示すデータが便宜的に空欄で示されている。
【0033】
注文データが、例えば、メニュー名としてアイスクリームを含む場合には、2つの伝票列312,313におけるアイスクリームに対応付けられたデータが参照され、調理指示伝票51およびゲスト伝票52の各々の出力が必要であることがコントローラ30にて把握される。
【0034】
なお、
図4では、略全てメニュー名に調理指示伝票51およびゲスト伝票52を出力することが必要であることが対応付けられている。ただし、調理プリンタ40Aの配置される場所によっては、少なくとも1つのメニュー名に対し、調理指示伝票51を出力することが不要であることが対応付けられてもよい。あるいは、
図4に示される例えばドリンクバー等のように調理が不要なメニューであれば、調理指示伝票51を出力することが不要であることが対応付けられることが好ましい。また、ゲストプリンタ40Bについても同様に、ゲストプリンタ40Bの配置される場所によっては、少なくとも1つのメニュー名に対し、ゲスト伝票52を出力することが不要であることが対応付けられてもよい。
【0035】
図5に示されるように、データ記憶部33には、プリンタ出力設定情報320が記憶されている。プリンタ出力設定情報320では、プリンタ名列321に対し、伝票名列322、プリンタ識別データ列323、リトライ時間列324、および、伝票識別データ列325が対応付けられている。プリンタ名列321は、調理プリンタ40Aとゲストプリンタ40Bとから構成され、伝票名列322は、調理指示伝票と、ゲスト伝票から構成されている。プリンタ識別データ列323は、各プリンタ40A,40Bを識別するためのデータである「1」および「2」から構成され、プリンタ識別データ列323では、「1」が調理プリンタに対応付けられ、「2」がゲストプリンタに対応付けられている。
【0036】
リトライ時間列324は、コントローラ30が伝票データを送信してもプリンタ40A,40Bが伝票を出力できなかったときに、コントローラ30が伝票データの送信を繰り返し行う時間、例えば、数十秒から数百秒の時間を示すデータから構成されている。リトライ時間が経過するまでの間は、コントローラ30は、例えば、数秒から数十秒ごとに伝票データの送信を繰り返し行う。そして、コントローラ30が、プリンタ40A,40Bに対してリトライ時間が経過するまで伝票データを送信しても、プリンタ40A,40Bが伝票を出力しない場合もある。その場合には、コントローラ30は、プリンタ出力設定情報320にて対応付けられたプリンタ40A,40B、すなわち、出力先の候補として設定された出力の優先順位が最も高いプリンタとは異なるプリンタに対して伝票データを送信する。リトライ時間列324では、例えば30秒を示すデータが、調理プリンタに対応付けられ、例えば45秒を示すデータが、ゲストプリンタに対応付けられている。
【0037】
伝票識別データ列325では、「C」を示すデータが、伝票名列322の調理指示伝票に対応付けられることで調理プリンタに対応付けられ、「G」を示すデータが、伝票名列322のゲスト伝票に対応付けられることでゲストプリンタに対応付けられている。
【0038】
伝票データ処理部34の候補選択部34aは、伝票の出力先の候補を選択するときに、プリンタ出力設定情報320のプリンタ名列321を構成するデータと、伝票名列322を構成するデータとを参照する。候補選択部34aは、プリンタ名列321および伝票名列322を構成するデータに基づき、調理指示伝票51の出力先の候補として調理プリンタ40Aを選択し、ゲスト伝票52の出力先の候補としてゲストプリンタ40Bを選択する。
【0039】
図6に示されるように、データ記憶部33には、迂回先候補情報330が記憶され、迂回先候補情報330では、伝票名列331に対し、迂回先プリンタ識別データ列332が対応付けられている。伝票名列331における調理指示伝票には、迂回先プリンタ識別データ列332にてゲストプリンタ40Bを示す「2」が対応付けられ、伝票名列331におけるゲスト伝票には、迂回先プリンタ識別データ列332にて調理プリンタ40Aを示す「1」が対応付けられている。
【0040】
なお、
図6に示される迂回先候補情報330の一例では、伝票名列331の調理指示伝票とゲスト伝票との各々には、迂回先プリンタ識別データとして1つのプリンタに対応するデータのみが対応付けられている。しかしながら、例えば、注文管理システム10が、3台以上のプリンタを備える構成であれば、調理指示伝票とゲスト伝票との各々には、複数の迂回先となるプリンタのデータが指定されてもよい。
【0041】
出力先設定部34cは、候補選択部34aによって選択されたプリンタの候補が伝票を出力可能であるときに、候補選択部34aが伝票名列322を構成するデータとプリンタ識別データ列323を構成するデータとを参照して選択した候補を各伝票51,52の出力先に設定する。一方、出力先設定部34cは、候補選択部34aによって選択されたプリンタの候補が伝票を出力不能であるときに、伝票名列331と迂回先プリンタ識別データ列332とを参照して各伝票51,52の出力先を選択して設定する。
【0042】
図7に示されるように、データ記憶部33には、伝票出力管理情報340が記憶され、伝票出力管理情報340は、伝票番号列341、伝票出力列342、迂回フラグ列343、迂回リスト出力列344、迂回データ入力列345、届出データ入力列346、および、再発行列347から構成されている。伝票番号列341は、伝票を識別することの可能な複数の伝票番号によって構成され、例えば、「001」から「999」まで3桁の数字から構成されている。伝票番号列341を構成する各伝票番号には、伝票出力列342、迂回フラグ列343、迂回リスト出力列344、迂回データ入力列345、届出データ入力列346、および、再発行列347の各々を構成するデータが1つずつ対応付けられている。伝票番号列341を除く各列342から347は、伝票の種類、伝票番号、および、プリンタ識別データまたは迂回先プリンタ識別データのいずれかに対応するプリンタ識別子から構成される複数の管理コードを含む。
【0043】
伝票出力列342は、調理プリンタ40Aあるいはゲストプリンタ40Bが調理指示伝票またはゲスト伝票を出力したか否かを示すデータから構成される。データには、調理プリンタ40Aあるいはゲストプリンタ40Bが調理指示伝票またはゲスト伝票を出力したことを示すデータとして管理コードが含まれる。そして、伝票出力列342では、調理プリンタ40Aあるいはゲストプリンタ40Bが調理指示伝票またはゲスト伝票を出力したとき、出力された伝票に対応付けられる伝票番号に対し、その調理指示伝票データまたはゲスト伝票データに対応するデータが管理コードとして対応付けられる。
【0044】
迂回フラグ列343は、伝票出力に対する迂回出力処理によって、調理指示伝票をゲストプリンタ40Bが出力したか否か、または、ゲスト伝票を調理プリンタ40Aが出力したか否かを示すデータから構成される。データには、ゲストプリンタ40Bが調理指示伝票を出力したことを示す管理コード、または、調理プリンタ40Aがゲスト伝票を出力したことを示す管理コードが含まれる。そして、迂回フラグ列343では、ゲストプリンタ40Bが調理指示伝票を出力したとき、または、調理プリンタ40Aがゲスト伝票を出力したとき、出力された調理指示伝票またはゲスト伝票に対応付けられた伝票番号に対し、その伝票に対応するデータが管理コードとして対応付けられる。
【0045】
迂回リスト出力列344は、調理プリンタ40Aまたはゲストプリンタ40Bが迂回リストを出力したか否かを示すデータから構成され、データには、調理プリンタ40Aまたはゲストプリンタ40Bが迂回リストを出力したことを示す管理コードが含まれる。そして、迂回リスト出力列344では、調理プリンタ40Aまたはゲストプリンタ40Bが迂回リストを出力したとき、出力された迂回リストに対応付けられた伝票番号に対し、その迂回リストに対応するデータが管理コードとして対応付けられる。
【0046】
迂回データ入力列345は、コントローラ30が、迂回リストに印字された管理コードから生成された迂回リストデータを受信したか否かを示すデータから構成され、データには、迂回リストデータを入力したことを示す管理コードが含まれる。そして、迂回データ入力列345では、コントローラ30が迂回リストデータを入力したとき、入力された迂回リストに対応付けられた伝票番号に対し、その迂回リストに対応するデータが管理コードとして対応付けられる。
【0047】
届出データ入力列346は、コントローラ30が、迂回伝票の一部として印字された迂回情報伝票から生成された届出データを入力したか否かを示すデータから構成され、データには、届出データを入力したことを示す管理コードが含まれる。そして、届出データ列346では、コントローラ30が届出データを入力したとき、入力された届出データに対応付けられた伝票番号に対し、その届出データに対応するデータが管理コードとして対応付けられる。
【0048】
再発行列347は、再度の出力先として設定された調理プリンタ40Aが調理指示伝票を出力したか否か、または、再度の出力先として設定されたゲストプリンタ40Bがゲスト伝票を出力したか否かを示すデータから構成される。データには、調理プリンタ40Aが再度の出力先として調理指示伝票を出力したか否かを示す管理コード、または、ゲストプリンタ40Bが再度の出力先としてゲスト伝票を出力したか否かを示す管理コードが含まれる。そして、再発行列347には、再度の出力先として設定されたそれぞれのプリンタが、対応する調理指示伝票またはゲスト伝票を出力したとき、以下の処理が行われる。すなわち、出力された調理指示伝票またはゲスト伝票のいずれかに対応付けられた伝票番号に対し、その調理指示伝票データまたはゲスト伝票データに対応するデータが管理コードとして対応付けられる。
なお、データ記憶部33には、ハンディターミナル20から入力された注文データに含まれる内容が、注文管理データとして伝票番号と対応付けられて記憶されている。
【0049】
図8を参照して、伝票出力管理情報340に記憶される管理コードの構成を説明する。
図8に示されるように、管理コード360には、紙面の左側から順に、1つのアルファベットで示される入力用データ識別子361、上述した伝票識別データに対応する伝票識別子362、3桁の数字で示される伝票番号データ363、および、1桁の数字で示されるプリンタ識別データまたは迂回先プリンタ識別データに対応するプリンタ識別子364が含まれる。
【0050】
入力用データ識別子361は、各プリンタ40A,40Bから出力された伝票の種別、あるいは、リストを示す識別子であって、空白、「U」、および、「L」のいずれかが用いられる。なお、空白は調理指示伝票またはゲスト伝票、「U」は迂回情報伝票、「L」は迂回リストをそれぞれ示している。伝票識別子362は、各プリンタ40A,40Bから出力された伝票の種別を示す識別子であって、「C」は調理指示伝票、「G」はゲスト伝票をそれぞれ示している。伝票番号データ363は、出力された伝票の伝票番号、あるいは、リストに含まれる伝票の伝票番号を示す数字であって、伝票番号列341と同じ番号によって構成される。プリンタ識別子364には、出力された先のプリンタを示す識別子である「1」または「2」が用いられ、上述のように、「1」は調理プリンタ40Aを示し、「2」はゲストプリンタ40Bを示している。なお、プリンタ識別子364は、プリンタ識別データまたは迂回先プリンタ識別データに対応している。
【0051】
[プリンタの電気的構成]
図9を参照して、各プリンタ40A,40Bの電気的構成を説明する。なお、調理プリンタ40Aとゲストプリンタ40Bとでは、伝票を出力するための構成は同じである。
各プリンタ40A,40Bは、制御部41、通信部42、データ記憶部43、印刷機構駆動部44、および、バーコードリーダ駆動部45を備えている。制御部41は、通信部42、データ記憶部43、印刷機構駆動部44、および、バーコードリーダ駆動部45の駆動を制御する。
【0052】
通信部42は、ハンディターミナル20の通信部25と同様、例えば、無線通信によってハンディターミナル20、および、コントローラ30に対して各種データを送信し、無線通信によってハンディターミナル20、および、コントローラ30から各種データを受信する。
【0053】
通信部42は、伝票データ入力部42a、迂回リストデータ出力部42b、および、届出データ出力部42cを備え、伝票データ入力部42aは、コントローラ30が出力した伝票データを受信してプリンタ40A,40Bに入力する。迂回リストデータ出力部42bは、バーコードリーダ40AR,40BRの生成した迂回リストデータをコントローラ30に送信する。届出データ出力部42cは、同じくバーコードリーダ40AR,40BRの生成した届出データをコントローラ30に送信する。また、通信部42は、コントローラ30から送信された各種データに基づく伝票あるいはリストの出力が完了したことを示す出力完了データをコントローラ30に送信する。
【0054】
なお、各バーコードリーダ40AR,40BRは出力部を備え、出力部は、制御部41の制御を通じて、迂回リストデータあるいは届出データのバーコードを読み取って生成した迂回リストデータあるいは届出データを通信部42に出力する。各バーコードリーダ40AR,40BRによって読み取られるバーコードには、例えば、迂回リストを示す「L」、または、迂回情報伝票を示す「U」が含まれている。
【0055】
制御部41は、通信部42の受信した伝票データ、通信部42の送信した迂回リストデータ、および、同じく通信部42の送信した届出データをデータ記憶部43に記憶させる。制御部41は、通信部42の受信した伝票データを用いて伝票を印刷するための印刷データを生成し、印刷データに基づく制御信号を生成して印刷機構駆動部44に制御信号を出力する。制御部41は、バーコードリーダ駆動部45に対し、バーコードの読み取りが行われているか否かを監視させる。
【0056】
印刷機構駆動部44は、制御部41からの制御信号に応じて印刷機構を駆動するための駆動信号を生成し、生成した駆動信号を印刷機構に出力して伝票データに対応する伝票を印刷機構に印刷させる。バーコードリーダ駆動部45は、バーコードの読み取りを可能にするための駆動信号をバーコードリーダ40AR,40BRに出力する。バーコードリーダ駆動部45は、制御部41の制御信号に応じてバーコードの読み取りが行われているか否かを監視し、バーコードリーダ40AR,40BRでバーコードが読み取られたとき、バーコードリーダ40AR,40BRで読み取られたデータを制御部41に出力する。
【0057】
[伝票の種類]
図10から
図13を参照して、各プリンタ40A,40Bから出力される伝票の種類を説明する。
図10に示されるように、調理指示伝票51には、紙面の上方に伝票名51aが印字され、伝票名51aの下方には、伝票番号51b、バーコード51c、および、バーコード51cの内容を目視によって理解させるための管理コード360Aが、紙面の上方側から順に印字されている。バーコード51cでは、管理コード360Aに含まれるデータ、すなわち、入力用データ識別子としての「空白」、伝票識別子としての「C」、伝票番号データとしての「001」、および、プリンタ識別子としての「1」が複数のバーによって示されている。そのため、バーコード51cが、各プリンタ40A,40Bに接続されたバーコードリーダ40AR,40BRによって読み取られた場合には、バーコードリーダ40AR,40BRが、プリンタ40A,40Bの通信部42に伝票識別子、伝票番号、および、プリンタ識別データを含むバーコードデータを出力する。調理指示伝票51の下方には、注文内容51dが印字され、注文内容51dには、メニュー名、および、各メニューの数量等が含まれている。
【0058】
図11に示されるように、ゲスト伝票52には、調理指示伝票51と同様、紙面の上方に伝票名52aが印字されている。伝票名52aの下方には、伝票番号52b、バーコード52c、および、バーコード52cの内容を目視によって理解させるための管理コード360Bが、紙面の上方側から順に印字されている。バーコード52cでは、調理指示伝票51のバーコード51cと同様、管理コード360Bに含まれるデータが複数のバーによって示されている。ゲスト伝票52の下方には、注文内容52dが印字され、注文内容52dには、メニュー名、各メニューの数量、メニューごとの金額、および、合計金額等が含まれている。
【0059】
図12に示されるように、出力先の変更後に出力された迂回伝票53は、迂回情報伝票53Aと指示伝票53Bとによって構成され、迂回情報伝票53Aと指示伝票53Bとの間は、パーシャルカットにより形成された紙面の左右方向の幅が小さい連結部53Cによって連結されている。例えば、調理指示伝票51が出力先の変更後に出力された場合には、指示伝票53Bには、上述した調理指示伝票51と同じ内容が印字され、ゲスト伝票52が出力先の変更後に出力された場合には、指示伝票53Bには、上述したゲスト伝票52と同じ内容が印字されている。以下では、調理指示伝票51が、出力先の変更後に出力された場合を説明する。
【0060】
迂回情報伝票53Aの略全体には、調理プリンタ40Aとゲストプリンタ40Bとのうち、いずれのプリンタ40A,40Bが出力先として迂回されたかを示す迂回情報53A1が印字されている。迂回情報53A1には、調理プリンタ40Aを出力先として迂回した場合には、調理プリンタ40Aを迂回したことが印字される一方、ゲストプリンタ40Bを出力先として迂回した場合には、ゲストプリンタ40Bを迂回したことが印字されている。紙面の左右方向における迂回情報53A1の右側には、バーコード53A2が印字され、バーコード53A2の下方には、バーコード53A2の内容を目視によって理解させるための管理コード360C1が印字されている。すなわち、バーコード53A2では、入力用データ識別子としての「U」、伝票識別子としての「C」、伝票番号データとしての「002」、および、プリンタ識別子としての「2」が複数のバーで示されている。
指示伝票53Bには、調理指示伝票51と同様、伝票名53B1、伝票番号53B2、バーコード53B3、管理コード360C2、および、注文内容53B4が印字されている。
【0061】
図13に示されるように、迂回リスト54には、紙面の上方に伝票名54aが印字され、伝票名54aの左下方には、伝票番号54bと出力プリンタ情報54cとが、紙面の上方から順に印字されている。伝票番号54bには、迂回出力処理によって出力された伝票の伝票番号が示され、出力プリンタ情報54cには、迂回伝票53を出力したプリンタの名称が示されている。伝票名54aの右下方には、バーコード54dとバーコード54dの内容を目視によって理解させるための管理コード360Dとが、紙面の上方から順に印字され、バーコード54dでは、管理コード360Dに含まれるデータが複数のバーによって示されている。
【0062】
[注文管理システムの動作]
図14から
図17を参照して、注文管理システム10の動作を説明する。なお、以下に説明する注文管理システムの動作のうち、コントローラ30によって行われる動作は、上述のように、制御部31が、注文管理プログラムに従って各部を制御することによって行われる。
【0063】
また、注文管理システム10が使用される場合には、まず、各ハンディターミナル20、コントローラ30、および、プリンタ40A,40Bの各々に電源が投入される。 次いで、各ハンディターミナル20の通信部25がコントローラ30に対する接続要求データを生成して出力する。コントローラ30の通信部32は、接続要求データを入力すると、接続要求データを出力したハンディターミナル20に対する接続応答データを生成して出力する。ハンディターミナル20の通信部25が接続応答データを入力することによって、各ハンディターミナル20とコントローラ30との間での無線通信が可能になる。
【0064】
また、各プリンタ40A,40Bも各ハンディターミナル20と同様、各プリンタ40A,40Bの通信部42がコントローラ30に対する接続要求データを生成して出力する。コントローラ30の通信部32は、接続要求データを入力すると、接続要求データを出力したプリンタ40A,40Bに対する接続応答データを生成して出力する。プリンタ40A,40Bの通信部42が接続応答データを入力することによって、各プリンタ40A,40Bとコントローラ30との間での無線通信が可能になる。
【0065】
[伝票の出力処理]
図14を参照して、プリンタ40A,40Bにて出力障害が発生していないときの注文管理システム10の動作を説明する。なお、以下では、注文管理システム10によって管理される伝票に、伝票番号として「001」が対応付けられている場合の動作を説明する。
【0066】
図14に示されるように、ハンディターミナル20の入力部21が注文データ生成部23に対して注文に関するデータを出力し、注文データ生成部23が注文データを生成する(ステップS1501)。これにより、注文管理システム10に注文の入力が行われる。注文データ生成部23は、通信部25を経由して注文データをコントローラ30に送信し(ステップS1502)、コントローラ30の注文データ処理部35が、通信部32を経由して注文データの入力を受け付ける、すなわち、注文データ処理部35が注文データを処理する(ステップS1503)。注文データ処理部35は、受け付けた注文データをデータ記憶部33に出力し、データ記憶部33が、注文データに含まれる内容を伝票番号と対応付けた注文管理データとして記憶する。
【0067】
注文データ処理部35が、受信した注文データを伝票データ処理部34に出力し、伝票データ処理部34の出力伝票データ生成部34fが、メニュー設定情報310とプリンタ出力設定情報320の伝票名列322とを参照して、生成する伝票データのフォーマットを選択する。各フォーマットには、伝票識別子が対応付けられている。例えば、注文データに含まれるメニュー名がステーキである場合には、調理指示伝票列312では、一重丸、すなわち、伝票の出力が必要であることを示すデータが対応付けられ、かつ、ゲスト伝票列313では、一重丸、すなわち、伝票の出力が必要であることを示すデータが対応付けられている。そのため、調理指示伝票を示す伝票識別子である「C」に対応付けられた調理指示伝票フォーマットと、ゲスト伝票を示す伝票識別子である「G」に対応付けられたゲスト伝票フォーマットとが出力伝票データ生成部34fによって選択される。
【0068】
そして、伝票データ処理部34の候補選択部34aが、プリンタ出力設定情報320のプリンタ名列321、伝票名列322、および、プリンタ識別データ列323を参照し、選択されたフォーマットに対して出力先の候補を選択する。すなわち、候補選択部34aは、各フォーマットに対して出力先の候補のプリンタ識別データを対応付ける。このとき、候補選択部34aは、調理指示伝票フォーマットにはプリンタ識別データとして「1」を対応付け、ゲスト伝票フォーマットにはプリンタ識別データとして「2」を対応付ける。
【0069】
これにより、伝票識別子、伝票番号、および、プリンタ識別子から構成される管理コードが対応付けられた伝票データが生成される。例えば、調理指示伝票51の伝票データとして管理コードである「C001−1」が対応付けられたデータが生成され、ゲスト伝票52の伝票データとして管理コードである「G001−2」が対応付けられたデータが生成される。次いで、出力先設定部34cが、各伝票データに対して対応付けられたプリンタ識別子に基づき、各伝票データの出力先となるプリンタを設定する(ステップS1504)。こうして、伝票データ処理部34の候補選択部34aおよび出力伝票データ生成部34fが、伝票データの生成に関わる処理を行う。
【0070】
伝票データ処理部34は、生成した伝票データを通信部32に出力し、通信部32は、伝票データに対応付けられたプリンタ識別子に対応するプリンタ40A,40Bに伝票データを送信する。詳しくは、通信部32は、管理コードである「C001−1」が対応付けられた伝票データを調理プリンタ40Aに送信し(ステップS1505)、管理コードである「G001−2」が対応付けられた伝票データをゲストプリンタ40Bに送信する(ステップS1507)。
【0071】
調理プリンタ40Aでは、通信部42の伝票データ入力部42aが伝票データを受信して制御部41に出力し、制御部41が伝票データに基づいて印刷データを生成する。制御部41は、印刷データに基づき制御信号を生成して出力する。印刷機構駆動部44が制御信号に基づく駆動信号を生成して出力し、印刷機構が管理コードとして「C001−1」の印字された調理指示伝票51を出力する(ステップS1506)。調理指示伝票51の出力が完了すると、調理プリンタ40Aの通信部42が、出力完了データをコントローラ30に送信し、コントローラ30の通信部32が受信する。通信部32は、受信した出力完了データを制御部31に出力し、制御部31は、ステップS1505にて出力された調理指示伝票データに対応付けられた管理コードである「C001−1」をデータ記憶部33に記憶させる。データ記憶部33は、入力した管理コードである「C001−1」を伝票出力列342にて「001」の伝票番号に対応付ける。
【0072】
ゲストプリンタ40Bでは、伝票データ入力部42aが伝票データを受信することによって、調理プリンタ40Aと同様の処理が行われ、ゲスト伝票52が出力される(ステップS1508)。そして、データ記憶部33では、入力された管理コードである「G001−2」が、伝票出力列342にて「001」の伝票番号に対応付けられる。
【0073】
[伝票の迂回出力処理]
図15を参照して、例えば、調理プリンタ40Aでの出力障害によって、調理指示伝票の出力先として調理プリンタ40Aが迂回されるときの注文管理システム10の動作を説明する。なお、
図15から
図17では、注文管理システム10によって管理される伝票に、伝票番号として「002」が対応付けられている場合の動作を説明する。
【0074】
図15に示されるように、ハンディターミナル20の入力部21が注文データ生成部23に対して注文に関するデータを出力し、注文データ生成部23が注文データを生成する(ステップS1601)。注文データ生成部23は、注文データをコントローラ30に送信し(ステップS1602)、コントローラ30の通信部32が注文データを受信し、注文データ処理部35が注文処理を行う(S1604)。このとき、調理プリンタ40Aでは、例えば、コントローラ30との間での無線通信における障害によって、出力障害が生じている(ステップS1603)。
【0075】
注文データ処理部35が、注文データを伝票データ処理部34に出力し、伝票データ処理部34の出力伝票データ生成部34fが、メニュー設定情報310とプリンタ出力設定情報320の伝票名列322とを参照して生成する伝票データのフォーマットを選択する。そして、伝票データ処理部34の候補選択部34aが、プリンタ出力設定情報320を参照して、選択されたフォーマットに対して出力先の候補を選択する。これにより、例えば、調理指示伝票51の伝票データとして管理コードである「C002−1」が対応付けられたデータが生成され、ゲスト伝票52の伝票データとして管理コードである「G002−2」が対応付けられたデータが生成される。次いで、出力先設定部34cが、各伝票データに対して対応付けられたプリンタ識別子に基づき、各伝票データの出力先となるプリンタを設定する(ステップS1605)。
【0076】
伝票データ処理部34は、生成した伝票データを通信部32に出力し、通信部32は、伝票データに対応付けられたプリンタ識別子に対応するプリンタ40A,40Bに伝票データを送信する。詳細には、通信部32は、管理コードとして「C002−1」が対応付けられた伝票データを調理プリンタ40Aに送信し(ステップS1606)、管理コードとして「G002−2」が対応付けられた伝票データをゲストプリンタ40Bに送信する(ステップS1607)。ゲストプリンタ40Bでは、伝票データ入力部42aが、管理コードとして「G002−2」の対応付けられた伝票データを受信することにより、ゲスト伝票52が出力される(ステップS1608)。
【0077】
一方、調理プリンタ40Aでは出力障害が生じているため、コントローラ30には、調理プリンタ40Aが調理伝票データを受信したことを示す受信データが、調理プリンタ40Aの通信部42から所定の時間内に入力されない。そのため、コントローラ30の通信部32は、プリンタ出力設定情報320のリトライ時間列324に記憶された時間が経過するまで、調理プリンタ40Aに対して所定の間隔で伝票データを送信する。
【0078】
リトライ時間が経過しても調理プリンタ40Aから受信データが送信されないときには、出力判断部34bが、調理プリンタ40Aが伝票を出力できない状態であると判断し、出力先設定部34cが、迂回先候補情報330を参照する。出力先設定部34cは、迂回先候補情報330のうち、プリンタ出力設定情報320とは異なるプリンタが対応付けられた迂回先プリンタ識別データ列332を参照し、調理指示伝票51の伝票データに対応付けられるプリンタ識別子を「2」に設定する。このように、出力伝票データ生成部34f、候補選択部34a、および、出力先設定部34cが、指示伝票53Bの指示伝票データとして管理コードである「C002−2」が対応付けられた指示伝票データの生成に関わる処理を行う。
【0079】
また、出力判断部34bが、調理プリンタ40Aが出力不能であると判断したときには、出力伝票データ生成部34fは、迂回情報伝票53Aのフォーマットを参照する。出力伝票データ生成部34fは、入力用データ識別子361として「U」が対応付けられ、伝票識別子364として指示伝票53Bの管理コードに含まれる伝票識別子と同じ伝票識別子である「C」が対応付けられた迂回情報伝票53Aの伝票データを生成する。このとき、出力先設定部34cは、指示伝票53Bの伝票データと同じプリンタ識別子を迂回情報伝票53Aのフォーマットに対応付ける。このように、出力伝票データ生成部34f、および、出力先設定部34cが、迂回情報伝票53Aの迂回情報伝票データとして管理コードである「UC002−2」が対応付けられたデータの生成に関わる処理を行う(ステップS1605)。
【0080】
伝票データ処理部34は、生成した伝票データを通信部32に出力し、通信部32は、管理コードである「UC002−2」が対応付けられた迂回情報伝票データと、管理コードである「C002−2」が対応付けられた指示伝票データとをゲストプリンタ40Bに送信する(ステップS1609)。ゲストプリンタ40Bでは、入力された伝票データに基づいて、迂回情報伝票53Aと指示伝票53Bとから構成される迂回伝票53が出力される(ステップS1610)。なお、上述したステップS1604からステップS1610によって、迂回出力処理(ステップS2000)が構成される。迂回伝票53の出力が完了すると、ゲストプリンタ40Bの通信部42が、迂回伝票53の出力の完了を示す出力完了データをコントローラ30に送信し、コントローラ30が出力完了データを受信する。出力完了データを受信すると、制御部31は、ステップS1609にて出力された迂回情報伝票データに対応付けられた管理コードである「UC002−2」と、指示伝票データに対応付けられた管理コードである「C002−2」とをデータ記憶部33に記憶させる。データ記憶部33は、2つの管理コードのうち、入力用データ識別子である「U」を含む迂回情報伝票データに対応付けられた管理コードである「UC002−2」を迂回フラグ列343にて「002」の伝票番号に対応付ける。一方、データ記憶部33は、指示伝票データに対応付けられた管理コードである「C002−2」を伝票出力列342にて「002」の伝票番号に対応付ける。
【0081】
なお、調理プリンタ40Aにおける紙切れや紙詰まり等の印刷機構の障害によって調理指示伝票51が出力されない場合には、コントローラ30は、ステップS1606にて調理プリンタ40Aに対して調理指示伝票データを送信することは可能である。しかしながら、調理プリンタ40Aの印刷機構が調理指示伝票51を出力することができないため、コントローラ30は、調理指示伝票データの出力から所定の時間を経過しても出力完了データを受信できない。このとき、コントローラ30の出力判断部34bは、調理プリンタ40Aが出力不能の状態であると判断する。
そして、出力判断部34bが調理プリンタ40Aの出力不能を判断して以降は、上述のようにコントローラ30と調理プリンタ40Aとの間での無線通信ができない場合と同様の処理が行われる。
【0082】
[伝票の再発行処理]
図16を参照して、調理プリンタ40Aでの出力障害が解消された後に、迂回出力処理によって出力された調理指示伝票が、調理プリンタ40Aから再発行されるときの注文管理システム10の動作を説明する。
図16に示されるように、ステップS1701からステップS1703までの処理は、
図15におけるステップS1601からステップS1603の処理と同じである。そして、ステップS2000において、伝票番号が「002」である調理指示伝票51の迂回出力処理が行われる。
【0083】
調理プリンタ40Aでの出力障害が復旧すると、調理プリンタ40Aは、通信部42を経由して出力障害が復旧したことを通知するための復旧通知データをコントローラ30に送信する(ステップS1704)。コントローラ30の通信部32が復旧通知データを受信すると、伝票データ処理部34の出力判断部34bが、調理プリンタ40Aが伝票を出力不能な状態から復帰して出力可能な状態になったと判断する。そして、伝票データ処理部34の出力伝票データ生成部34fが、データ記憶部33の伝票出力管理情報340における迂回フラグ列343を参照する。出力伝票データ生成部34fは、迂回フラグ列343に、「002」の伝票番号に対応付けられた管理コードである「UC002−2」が含まれていることを検出し、伝票番号として「002」を抽出する。出力伝票データ生成部34fは、伝票出力管理情報340の迂回リスト出力列344と届出データ入力列346とを参照する。
【0084】
出力伝票データ生成部34fは、迂回リスト出力列344と届出データ入力列346との各々に、「002」の伝票番号に対応付けられた管理コードが含まれていないことを検出し、迂回リスト54を出力させるための伝票データである迂回リストデータを生成する(ステップS1705)。迂回リストデータには、入力用データ識別子である「L」が対応付けられる。
【0085】
このとき、出力伝票データ生成部34fは、データ記憶部33に記憶された迂回リストフォーマットを参照し、抽出した伝票番号である「002」をフォーマットに対応付ける。また、候補選択部34aは、伝票出力管理情報340の「002」の伝票番号に対応付けられた迂回フラグ列343の伝票識別子364である「C」を参照し、フォーマットに対して調理指示伝票と同じプリンタ識別子を対応付ける。そして、出力先設定部34cは、出力判断部34bが調理プリンタ40Aの出力可能を判断しているため、候補選択部34aが選択した出力先の候補を迂回リストの出力先として設定する。このように、出力伝票データ生成部34f、および、候補選択部34aが、管理コードである「LC002−1」が対応付けられた迂回リストデータの生成に関わる処理を行う(ステップS1705)。こうして、迂回通知の生成処理が行われる。
【0086】
伝票データ処理部34は、通信部32を経由して迂回リストデータを調理プリンタ40Aに送信し(ステップS1706)、調理プリンタ40Aの通信部42が迂回リストデータを受信する。調理プリンタ40Aは、受信した迂回リストデータに基づいて、管理コードとして「LC002−1」が印字された迂回リスト54を出力する(ステップS1707)。
【0087】
調理プリンタ40Aの状態が、出力不能から出力可能になった場合に、調理指示伝票51の出力先として設定された候補が、迂回リスト54の出力先として設定される。そのため、迂回リスト54が調理プリンタ40Aに出力されない構成と比べて、調理指示伝票51の内容を必要とする対象者に、調理指示伝票51の出力先が、調理プリンタ40Aを迂回して選択されたこと、すなわち、出力先がゲストプリンタ40Bであることを知らせることができる。それゆえに、調理指示伝票51の内容を必要とする対象者は、調理プリンタ40Aまでゲストプリンタ40Bから出力された調理指示伝票51が配達されることを待つばかりでなく、迂回伝票53をゲストプリンタ40Bまで取りに行くことも可能になる。結果として、対象者には、出力先が変更された調理指示伝票51の内容が伝わりやすくなる。
【0088】
調理プリンタ40Aの通信部42は、迂回リストの出力が完了したことを示す出力完了データをコントローラ30に送信し、コントローラ30が、出力完了データを受信する。コントローラ30が出力完了データを受信すると、コントローラ30の制御部31は、ステップS1706にて出力された迂回リストデータに対応付けられた管理コードである「LC002−1」をデータ記憶部33に記憶させる。データ記憶部33は、管理コードである「LC002−1」を迂回リスト出力列344にて「002」の伝票番号に対応付ける。
【0089】
次いで、例えば、従業員が調理プリンタ40Aのバーコードリーダ40ARに迂回リスト54のバーコード54dを読み取らせることによって、バーコードリーダ40ARが迂回リストデータを生成する(ステップS1708)。これにより、注文管理システム10に迂回リストデータが入力される。バーコード54dは、迂回リスト54に印字された管理コード360Dを含むため、バーコードリーダ40ARによって生成されるバーコードデータには、管理コードである「LC002−1」が対応付けられる。すなわち、迂回リスト54の内容が、調理プリンタ40Aに入力される。
【0090】
そして、調理プリンタ40Aの迂回リストデータ出力部42bがコントローラ30に対して迂回リストデータを送信し(ステップS1709)、コントローラ30では、通信部32が受信した迂回リストデータが、迂回リストデータ入力部34dによって受け付けられる。
【0091】
迂回リストデータ入力部34dは、制御部31に迂回リストデータを出力し、制御部31が迂回リストデータに対応付けられた管理コードである「LC002−1」をデータ記憶部33に記憶させる。データ記憶部33は、伝票出力管理情報340の迂回データ入力列345にて、迂回リストデータに対応付けられた管理コードである「LC002−1」を「002」の伝票番号と対応付ける。次いで、伝票データ処理部34の出力伝票データ生成部34fは、伝票出力管理情報340の再発行列347を参照し、再発行列347には、「002」の伝票番号に対応付けられた管理コードが含まれていないことを検出する。
【0092】
伝票データ処理部34の出力伝票データ生成部34fは、データ記憶部33に記憶された注文管理データのうち「002」の伝票番号に対応付けられた注文管理データ、および、調理指示伝票フォーマットを参照する。そして、出力先設定部34cが、迂回データ入力列345にて、「002」の伝票番号と対応付けられた管理コードである「LC002−1」から、プリンタ識別子を抽出し、調理指示伝票フォーマットに対応付ける。これにより、迂回リストデータ入力部34d、出力伝票データ生成部34f、および、出力先設定部34cが、管理コードである「C002−1」が対応付けられた調理指示伝票データの再生成、すなわち、伝票の再発行に関わる処理を行う(ステップS1710)。
【0093】
伝票データ処理部34は、通信部32を経由して管理コードとして「C002−1」が対応付けられた調理指示伝票データを調理プリンタ40Aに送信する(ステップS1711)。次いで、調理プリンタ40Aでは、通信部42が受信した調理指示伝票データに基づいて調理指示伝票が出力されることで、調理指示伝票が再発行される(ステップS1712)。調理プリンタ40Aの通信部42は、調理指示伝票を出力したときに調理指示伝票の出力が完了したことを示す出力完了データを生成して、コントローラ30に出力完了データを送信する。そして、コントローラ30の制御部31が、出力完了データを受信することによって、ステップS1711にて送信した調理指示伝票データに対応付けられた管理コードである「C002−1」をデータ記憶部33に記憶させる。データ記憶部33は、伝票出力管理情報340の伝票出力列342に、「002」の伝票番号に対応付けられた管理コードが含まれていることを検出する。そのため、データ記憶部33は、伝票出力管理情報340の再発行列347にて、「002」の伝票番号に対して管理コードである「C002−1」を対応付ける。
【0094】
注文管理システム10では、コントローラ30が迂回リストデータを入力することにより、調理指示伝票51の再度の出力先として候補選択部34aが最初に選択したプリンタの候補が設定される。そのため、調理指示伝票51の再度の出力先が設定されない構成と比べて、調理プリンタ40Aを迂回して設定された出力先であるゲストプリンタ40Bから調理指示伝票51が配達されずとも、調理指示伝票51の内容を必要とする対象者のもとに調理指示伝票51が届く。
【0095】
再発行列347に管理コードが記憶されると、伝票データ処理部34の出力伝票データ生成部34fは、データ記憶部33に記憶された再発行通知フォーマットを参照して再発行通知データを生成する。そして、出力先設定部34cが、伝票出力管理情報340の伝票出力列342にて、「002」の伝票番号に対応付けられた管理コードであって、再発行された伝票と同種の伝票に対する管理コードである「C002−2」を参照し、プリンタ識別子を抽出する。出力先設定部34cは、抽出したプリンタ識別子である「2」から、調理指示伝票51を出力したプリンタがゲストプリンタ40Bであると判断し、再発行通知の出力先として、ゲストプリンタ40Bを設定する。このように、出力伝票データ生成部34fおよび出力先設定部34cが、再発行通知のデータの生成に関わる処理を行う。
【0096】
伝票データ処理部34が通信部32を経由してゲストプリンタ40Bに再発行通知データを出力し(ステップS1713)、ゲストプリンタ40Bが、受信した再発行通知データに基づいて再発行通知を出力する(ステップS1714)。
【0097】
注文管理システム10では、迂回先のプリンタが再出力通知の出力先として設定されるため、再出力通知によって、迂回先から出力された調理指示伝票51が調理プリンタ40Aまで配達されなくとも、対象者に調理指示伝票51の内容が伝わることを知らせることができる。それゆえに、調理プリンタ40Aから調理指示伝票51が出力された上で、更に、ゲストプリンタ40Bから出力された調理指示伝票51が配達されることを抑えることができる。
【0098】
[伝票の届出処理]
図17を参照して、調理プリンタ40Aを迂回してゲストプリンタ40Bにて出力された調理指示伝票51が、調理プリンタ40Aの出力障害が復旧する前に調理プリンタ40Aに届けられたときの注文管理システム10の動作を説明する。
図17に示されるように、ステップS1801からステップS1803までの処理は、
図15におけるステップS1601からステップS1603までの処理と同じである。そして、ステップS2000における迂回出力処理が行われる。
【0099】
次いで、調理プリンタ40Aでの出力障害が復旧する前に、ステップS1610にて出力された迂回伝票53が、例えば、従業員によって調理プリンタ40Aまで届けられる(ステップS1804)。従業員が、迂回伝票53の迂回情報伝票53Aに印字されたバーコード53A2をバーコードリーダ40ARに読み取らせることより、バーコードリーダ40ARが、届出データを生成する(ステップS1805)。これにより、注文管理システム10には、迂回伝票53の入力が行われる。迂回情報伝票53Aのバーコード53A2には、迂回情報伝票53Aの管理コードである「UC002−2」が含まれているため、届出データには、管理コードである「UC002−2」が対応付けられる。
【0100】
そして、調理プリンタ40Aの出力障害が復旧すると(ステップS1806)、届出データ出力部42cが、届出データをコントローラ30に送信し(ステップS1807)、コントローラ30の通信部32が届出データを受信する。なお、調理プリンタ40Aが届出データを送信する際には、届出データとともに送信元が調理プリンタ40Aであることを示すデータであるプリンタ識別データも送信される。通信部32は、送信元を示すデータとともに届出データを迂回届出データ入力部34eに出力する。迂回届出データ入力部34eは、届出データに対応付けられた管理コードである「UC002−2」からプリンタ識別子を抽出し、プリンタ識別子と、届出データを送信したプリンタとを比べる。迂回届出データ入力部34eは、プリンタ識別子と、届出データを出力したプリンタとが相互に異なる場合には、届出データを制御部31に出力する。一方、迂回届出データ入力部34eは、プリンタ識別子と、出力したプリンタとが同じである場合には、届出データを制御部31に出力しない。
【0101】
制御部31は、届出データに対応付けられた管理コードである「UC002−2」をデータ記憶部33に記憶させ、データ記憶部33は、伝票出力管理情報340の届出データ入力列346における「002」の伝票番号に管理コードを対応付ける。これにより、届出データ入力列346には「002」の伝票番号に対応付けられた管理コードである「UC002−2」が含まれる。そのため、伝票データ処理部34は、調理プリンタ40Aから「002」の伝票番号に対応付けられた迂回情報伝票データが入力されても、迂回リストデータおよび調理指示伝票データを生成しない(ステップS1808)。このように、コントローラ30では、迂回伝票53に対応付けられた管理コードが記憶される処理である迂回伝票処理が行われる。
【0102】
注文管理システム10では、コントローラ30が届出データを受信しない場合に限り調理指示伝票51が再度出力されるため、既に対象者に対して内容が伝えられた調理指示伝票51と同じ内容の調理指示伝票51が、重複して出力されることが抑えられる。それゆえに、調理指示伝票51の内容に基づく処理が、重複して行われることを抑えられる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
【0103】
(1)調理プリンタ40Aの状態が、出力不能から出力可能になった場合には、調理指示伝票51を出力する調理プリンタ40Aが迂回リストの出力先として設定される。そのため、迂回リストが調理プリンタ40Aに出力されない構成と比べて、調理指示伝票51の内容を必要とする対象者に、調理指示伝票51の出力先が、調理プリンタ40Aを迂回して選択されたことを知らせることができる。それゆえに、調理指示伝票51の内容を必要とする対象者は、調理プリンタ40Aまで、ゲストプリンタ40Bから出力された調理指示伝票51が配達されることを待つばかりでなく、ゲストプリンタ40Bから出力された調理指示伝票51をゲストプリンタ40Bまで取りに行くことも可能になる。結果として、対象者には、出力先が変更された調理指示伝票51の内容が伝わりやすくなる。
【0104】
(2)迂回リストデータの入力により、調理指示伝票51の再度の出力先として調理プリンタ40Aが設定される。そのため、調理指示伝票51の再度の出力先が設定されない構成と比べて、ゲストプリンタ40Bから調理指示伝票51が配達されずとも、調理指示伝票51の内容を必要とする対象者のもとに調理指示伝票51が届く。
【0105】
(3)迂回先のプリンタであるゲストプリンタ40Bが再出力通知の出力先として設定されるため、再出力通知によって、ゲストプリンタ40Bから出力された調理指示伝票51が調理プリンタ40Aまで配達されなくとも、対象者に調理指示伝票51の内容が伝わることを知らせることができる。それゆえに、調理プリンタ40Aから調理指示伝票51が出力された上で、更に、ゲストプリンタ40Bから出力された調理指示伝票51が配達されることを抑えることができる。
【0106】
(4)届出データが入力されていない場合に限り調理指示伝票51が再度出力されるため、既に対象者に対して内容が伝えられた調理指示伝票51と同じ内容の調理指示伝票51が重複して出力されることが抑えられる。それゆえに、伝票の内容に基づく処理が、重複して行われることを抑えられる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
【0107】
・出力先設定部34cは、迂回リストデータの出力先として、迂回されたプリンタに加えて、ハンディターミナル20を選択する構成であってもよく、この場合には、ハンディターミナル20が、迂回通知を表示する表示部を備えることが好ましい。こうした構成によれば、迂回出力処理が生じたことの通知が、プリンタ40A,40Bだけでなく、ハンディターミナル20にも通知されるため、迂回出力処理が生じたことが、迂回出力処理の対象となった伝票の内容を必要とする対象者に伝わりやすくなる。
【0108】
・コントローラ30は、調理プリンタ40Aから届出データが入力されても、調理プリンタ40Aに、調理指示伝票データを再度送信し、調理プリンタ40Aにて調理指示伝票が出力される構成でもよい。こうした構成であっても、コントローラ30が、調理プリンタ40Aに迂回リストデータを出力する構成である以上、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
【0109】
・コントローラ30は、調理プリンタ40Aに調理指示伝票データを再度送信したときに、ゲストプリンタ40Bに再発行通知データを送信しない構成でもよい。こうした構成であっても、コントローラ30が、調理プリンタ40Aに迂回リストデータを出力する構成である以上、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
【0110】
・コントローラ30は、迂回リスト54に対応する迂回リストデータを受信しても、調理指示伝票データを調理プリンタ40Aに送信しなくともよい。こうした構成であっても、コントローラ30が、調理プリンタ40Aが迂回リストに迂回リストデータを出力する構成である以上、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
【0111】
・候補選択部34aは、出力先の候補として伝票の種類ごとに1つのプリンタを定める構成に限らず、2つ以上のプリンタを定める構成でもよい。この場合には、例えば、プリンタ出力設定情報320、および、迂回先候補情報330にて、複数のプリンタデータに対して同じ伝票名データが対応付けられていればよい。
【0112】
・出力判断部34bは、コントローラ30が伝票データを出力したプリンタから、伝票データを受信したことを示す受信完了データが、所定時間内に出力されるか否かによって、各プリンタ40A,40Bの出力の状態を判断する構成でなくともよい。例えば、出力判断部34bは、各プリンタ40A,40Bからコントローラ30に入力される各プリンタ40A,40Bの稼働の状態を示すデータによって、出力の状態を判断する構成でもよい。あるいは、出力判断部34bは、コントローラ30が、各プリンタ40A,40Bとコントローラ30との間での通信が良好であるか否かを把握した結果を示すデータによって、出力の状態を判断する構成でもよい。
【0113】
・各プリンタ40A,40Bがコントローラ30に送信する出力完了データには、出力した伝票あるいはリストの管理コードを示すデータが含まれていてもよい。こうした構成では、コントローラ30は、出力管理データに含まれる管理コードをデータ記憶部33に記憶させ、データ記憶部33では、管理コードが、伝票出力管理情報340として記憶されればよい。
【0114】
・伝票出力列342および再発行列347には、コントローラ30が、伝票データを受信した各プリンタ40A,40Bからの受信完了データを受信したときに、伝票データに対応付けられた管理コードが記憶されてもよい。ただし、各プリンタ40A,40Bでの印刷機構の障害によって出力障害が生じている場合にも、各プリンタが出力不能であることを伝票出力管理情報340に反映させる上では、コントローラ30が、各プリンタ40A,40Bからの出力完了データを受信したときに、上述の各列に管理コードが記憶されることが好ましい。
【0115】
・迂回フラグ列343には、コントローラ30が、迂回情報伝票データを受信した各プリンタ40A,40Bからの受信完了データを受信したときに、迂回情報伝票データに対応付けられた管理コードが記憶されてもよい。あるいは、迂回フラグ列343,353には、コントローラ30が、迂回情報伝票データを各プリンタ40A,40Bに出力したときに、出力した迂回情報伝票データに対応付けられた管理コードが記憶されてもよい。
【0116】
・迂回リスト出力列344には、コントローラ30が、迂回リストデータを受信した各プリンタ40A,40Bからの受信完了データを受信したときに、迂回リストデータに対応付けられた管理コードが記憶されてもよい。ただし、各プリンタ40A,40Bでの印刷機構の障害によって迂回リストが出力されないことを伝票出力管理情報340に反映させる上では、コントローラ30が、出力完了データを受信したときに、迂回リスト出力列344に管理コードが記憶されることが好ましい。
【0117】
・迂回リストデータが生成されるときには、候補選択部34aによる出力先の候補の選択が行われなくともよく、この場合には、出力先設定部34cが、出力先の選択と設定との両方を行ってもよい。こうした構成では、例えば、出力先設定部34cが、迂回フラグ列343にて対象となる伝票番号に対応付けられた管理コードを参照し、管理コードに含まれる伝票識別子に対応するプリンタ識別子を迂回リストフォーマットに対応付ければよい。
【0118】
・再発行される伝票のデータが生成されるときには、出力先設定部34cが、迂回データ入力列345に含まれる管理コードからプリンタ識別子を抽出して、伝票フォーマットに対応付ける構成とした。これに限らず、候補選択部34aが、プリンタ出力設定情報320を参照して、出力伝票データ生成部34fによって選択された伝票フォーマットに対して出力先の候補を対応付けてもよい。そして、出力先設定部34cが、出力判断部34bbが出力可能を判断しているため、候補を出力先に設定する構成でもよい。
【0119】
・出力先設定部34cは、伝票出力列342にて、「002」の伝票番号に対応付けられた管理コードを参照し、再発行通知の出力先を設定する。これに限らず、出力先設定部34cは、例えば、伝票出力管理情報340における迂回フラグ列343、および、迂回先候補情報330における迂回先プリンタ識別データ列332を参照して、再発行通知の出力先を設定してもよい。要は、出力先設定部34cが、迂回出力処理によって伝票を出力したプリンタを再発行通知の出力先として設定する構成であればよい。
【0120】
・注文管理システム10が3台以上のプリンタを備える場合には、迂回先候補情報330には、出力先として設定される優先順位が定められた構成であってもよい。この場合には、出力先設定部34cは、迂回先候補情報330における優先順位の高い方から迂回先となるプリンタを設定すればよい。あるいは、出力先設定部34cは、伝票データの出力先をプリンタ出力設定情報320にて設定されたプリンタとは異なるプリンタの中から任意に設定してもよいし、出力が可能なプリンタの中から任意に設定してもよい。
【0121】
・迂回出力処理によって伝票が出力された場合には、管理コードが対応付けられた迂回リストが出力される構成でなくともよく、単に、迂回出力処理が行われたことのみを通知する迂回通知や、迂回伝票53が出力された出力先のみを通知する迂回通知が出力される構成であってもよい。こうした構成であっても、迂回出力処理が行われたときに迂回通知が出力される以上は、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
【0122】
・迂回リストデータが、迂回リスト54の出力先に設定されたプリンタとは異なるプリンタからコントローラ30に送信された場合にも、上述と同様の処理が行われる構成でもよい。こうした構成であっても、迂回リスト54が、出力先として迂回されたプリンタから出力される以上は、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
【0123】
・届出データが、迂回伝票53の出力先に設定されたプリンタとは異なるプリンタからコントローラ30に送信された場合にも、上述と同様の処理が行われる構成でもよい。こうした構成であっても、迂回リスト54が、出力先として迂回されたプリンタから出力される以上は、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
【0124】
・調理プリンタ40Aの出力障害が復旧するまでの間には、1つの調理指示伝票だけでなく、2つ以上の複数の調理指示伝票が、迂回出力処理の対象となる場合もある。この場合には、伝票出力管理情報340の迂回フラグ列343には、1つの伝票番号だけでなく、複数の伝票番号の各々に対応付けられた複数の管理コードが含まれている。そのため、伝票データ処理部34は、伝票出力管理情報340を参照することによって、複数の伝票番号の各々に対応する迂回リスト54を出力することが可能である。
【0125】
・出力障害の生じるプリンタは、調理プリンタ40Aに限らず、ゲストプリンタ40Bである場合もある。こうした場合であっても、コントローラ30は、調理プリンタ40Aにおいて出力障害が生じたときと同等の処理、すなわち、
図15から
図17に示される処理をゲスト伝票データに対して行う。これにより、注文管理システム10によれば、迂回出力処理の対象がゲスト伝票52である場合にも、迂回出力処理の対象が調理指示伝票51と同等の効果を得ることができる。
【0126】
・注文管理システム10は、3台以上のプリンタを備える構成であってもよく、注文管理システム10が、例えば、3台のプリンタを備える場合には、3台のプリンタの各々には、1から3のプリンタ識別データのうち、相互に異なる1つの数字が対応付けられる。なお、注文管理システム10が、3台のプリンタを備える構成では、上述した実施形態と比べて、届出データを出力したプリンタと、迂回伝票53が届けられるべきプリンタとを照合する方法が異なる。そのため、以下では、こうした相違点についてのみ説明し、その他の説明を省略する。
【0127】
コントローラ30の出力先設定部34cは、プリンタ識別データとして「1」が対応付けられた調理指示伝票データを第1プリンタに出力できないと判断すると、迂回先候補情報330を参照して、例えば、プリンタ識別データとして「3」が対応付けられた第3プリンタを出力先に設定する。このとき、伝票データ処理部34は、迂回情報伝票データに対して指示伝票データに対応付けられる伝票識別子と同じ伝票識別子を対応付ける。そのため、第3プリンタでは、管理コード360C1の伝票識別子として「C」が印字された迂回伝票53が出力される。つまり、迂回伝票53の伝票識別子は、プリンタ出力設定情報320に設定された伝票識別データと同じである。
【0128】
そして、迂回伝票53が、例えば、従業員によって第1プリンタまで届けられ、迂回情報伝票53Aのバーコード53A2が、バーコードリーダによって読み取られる。これにより、バーコードリーダが、管理コードを含む届出データを生成し、第1プリンタが届出データと、送信元が第1プリンタであることを示すデータとをコントローラ30に出力する。コントローラ30では、迂回届出データ入力部34eが届出データと送信元を示すデータとを入力し、届出データに対応付けられた管理コード360C1から伝票識別子を抽出する。そして、迂回届出データ入力部34eが、プリンタ出力設定情報320の伝票識別データ列325から抽出した伝票識別子に対応付けられたプリンタ識別データと、送信元を示すデータとを比べる。迂回届出データ入力部34eは、プリンタ出力設定情報320のプリンタ識別データと送信元のプリンタとが同じである場合には、届出データを伝票データ処理部34に出力する。一方、迂回届出データ入力部34eは、プリンタ識別データと、プリンタとが相互に異なる場合には、届出データを伝票データ処理部34に出力しない。
【0129】
このように、注文管理システム10が3台以上のプリンタを備える場合には、迂回伝票53に対応付けられる伝票識別子に対応付けられたプリンタ識別データと、送信元のプリンタとを比べる。これにより、プリンタ識別データと送信元のプリンタとが一致したときにのみ、入力された管理コード360C1に基づいて以降の処理が行われる。そのため、注文管理システム10では、迂回伝票53の内容を必要とする対象者に迂回伝票の内容が伝わっていない可能性が高いにもかかわらず、伝票が再出力されなくなることが抑えられる。結果として、迂回伝票53の内容を必要とする対象者に、伝要の内容が伝わりやすくなる。
【0130】
・上述した実施形態においても、管理コードの伝票識別子に対応するプリンタ識別データと送信元のプリンタとを比べることによって、迂回伝票53が迂回されたプリンタに届けられたか否かを判断してもよい。
【0131】
・注文管理システム10の備えるハンディターミナル、コントローラ、および、プリンタは、多層階の建物のうち、相互に異なる階層に設置されてもよい。例えば、厨房が1階に配置され、客席が1階と2階とに配置される場合には、コントローラ、調理プリンタ、および、1階の利用客に対するゲスト伝票を出力する1階用ゲストプリンタが1階に設置され、2階の利用客に対するゲスト伝票を出力する2階用ゲストプリンタが2階に設置されてもよい。この場合には、2階用ゲストプリンタから出力されたデータを入力し、このデータを1階のコントローラに出力するアンテナが、2階に設置されることが好ましい。これにより、2階用ゲストプリンタとコントローラとの間での通信障害が生じにくくなり、2階用ゲストプリンタでの出力障害の発生が抑えられる。
【0132】
・ハンディターミナル20とコントローラ30との通信は、無線通信に限らず有線通信であってもよい。また、プリンタ40A,40Bとコントローラ30との通信も、無線通信に限らず有線通信であってもよい。
【0133】
・伝票データを出力する出力装置は、伝票を出力するプリンタに限らず、例えば、液晶ディスプレイやELディスプレイ等の表示装置であってもよい。こうした構成であっても、候補とは異なる出力装置に迂回リストが表示される構成であれば、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
【0134】
・注文管理システム10は、飲食店に限らず、他業種の店舗にて利用客からの注文を管理するために用いられてもよい。