特許第6141722号(P6141722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライオン株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141722
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】口腔用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20170529BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20170529BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20170529BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   A61K8/49
   A61K8/44
   A61K8/34
   A61Q11/00
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-175034(P2013-175034)
(22)【出願日】2013年8月26日
(65)【公開番号】特開2015-42625(P2015-42625A)
(43)【公開日】2015年3月5日
【審査請求日】2016年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】高下 典浩
(72)【発明者】
【氏名】曽我 晶子
【審査官】 石川 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−306865(JP,A)
【文献】 特開2001−031550(JP,A)
【文献】 特開昭61−074558(JP,A)
【文献】 特開2012−246324(JP,A)
【文献】 特開2011−001387(JP,A)
【文献】 特開2012−188406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/49
A61K 8/34
A61K 8/44
A61Q 11/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩と、
(B)成分:アルギニン及び/又はその塩と
(C)成分:メントールと
を含有する歯磨剤又は洗口剤である口腔用組成物。
【請求項2】
(A)成分の含有量が口腔用組成物全量に対して0.1質量%〜10質量%であり、
(B)成分の含有量が口腔用組成物全量に対して0.01質量%〜10質量%である
ことを特徴とする請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
(B)成分の含有量の(A)成分の含有量に対する比率が0.03〜3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
(C)成分の含有量が口腔用組成物全量に対して0.1質量%〜2質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
(C)成分の含有量の(A)成分の含有量に対する比率が0.05〜20であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
温感口腔用組成物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
(A)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩と、
(B)成分:アルギニン及び/又はその塩と
(C)成分:メントールと
を含有する歯磨剤又は洗口剤添加用口腔用温感剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯磨剤等の口腔用組成物に口腔内における温感を発揮させるため、トウガラシ等の刺激物質を歯磨剤に配合することがあった。
【0003】
一方、特許文献1には、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸塩及びピロリドンカルボン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種類と、アルギニンを有効成分として含む一酸化窒素合成酵素産生促進剤が記載されている。特許文献2には、上記組み合わせを有効成分として含む細胞への塩基性アミノ酸取り込み促進剤が記載されている。特許文献3にはアルギニンとピロリドンカルボン酸とを含有する血流増加用組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−220335号公報
【特許文献2】特開2004−18483号公報
【特許文献3】特開2006−306865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トウガラシ等の刺激物質を配合した歯磨剤は、刺激性を有しており、トウガラシによる温感を持続的に発揮するために多量に配合すると、刺激性もより強くなるという問題があった。そのため、口腔内の温感と低刺激性を両立できる技術は、今のところ知られていなかった。
【0006】
一方、特許文献1〜3には、ピロリドンカルボン酸とアルギニンとの組み合わせを歯磨用組成物等の口腔用組成物の成分として用いることは記載されていない。
【0007】
本発明の目的は、口腔内に刺激を与えずに温感を付与することのできる口腔用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記[1]〜[3]を提供する。
[1] (A)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩と、(B)成分:アルギニン及び/又はその塩とを含有する口腔用組成物。
[2] さらに、(C)成分:清涼剤を含有する上記[1]に記載の口腔用組成物。
[3] (A)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩と、(B)成分:アルギニン及び/又はその塩とを含有する口腔用温感剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、刺激性が低く、口腔内に温感を付与することができ、かつ温感を持続させることのできる口腔用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の口腔用組成物は、(A)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩と、(B)成分:アルギニン及び/又はその塩とを含有する。
【0011】
[(A)成分]
(A)成分は、ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩である。本発明の口腔用組成物は、(A)成分を(B)成分と組み合わせて含有するため、口腔内に温感を付与することができる。
【0012】
ピロリドンカルボン酸は、下記式(1)で表される構造を有する。ピロリドンカルボン酸は、グルタミン酸から生成することができる。グルタミン酸は、海草、小麦、サトウキビ等の原料から抽出されたグルタミン酸でもよいし、発酵法、化学合成法等の方法により製造されたグルタミン酸であってもよい。
【化1】
【0013】
(A)成分は、ピロリドンカルボン酸の塩であってもよい。斯かる塩としては、薬理学的に許容される塩であれば特に限定はされない。薬理学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、銅塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;リシン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。これらの塩の中でも水溶性の塩が好ましく、なかでもアルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム塩やカリウム塩が好ましい。
【0014】
上記ピロリドンカルボン酸及びその塩は、公知のスキームに従って合成してもよいし、市販品であってもよい。
【0015】
ピロリドンカルボン酸の市販品としては、例えば、味の素株式会社から発売されている「AJIDEW A−100(登録商標)」が挙げられる。
【0016】
(A)成分は、前記ピロリドンカルボン酸又はその塩1種でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0017】
本発明の口腔用組成物における(A)成分の含有量は、口腔用組成物全量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、口腔内において刺激感を低下させつつ温感を付与することができる。(A)成分の含有量の上限に特に制限はないが、口腔用組成物全量に対して、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、口腔内をスッキリさせることができ、製剤安定性を保持することが可能となる。
【0018】
口腔用組成物における(A)成分の含有量は、口腔用組成物全量に対して、好ましくは0.1質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.3質量%〜8質量%であり、さらに好ましくは0.5質量%〜5質量%である。
【0019】
[(B)成分]
(B)成分は、アルギニン及び/又はその塩である。
【0020】
本発明の口腔用組成物は、(B)成分を(A)成分と組み合わせて含有するため、口腔内に温感を付与することができる。
【0021】
アルギニン(5−グアニジノ−2−アミノペンタン酸)は、L−アルギニンでもD−アルギニンでもよく、また両方の光学異性体の混合物(配合割合は任意であればよい。)でもよい。
【0022】
アルギニンは塩であってもよい。斯かる塩としては、薬理学的に許容される塩であれば特に限定はされない。薬理学的に許容される塩の例及び好ましい例は、(A)成分の説明における例及び好ましい例と同様である。アルギニンの塩としては、L−アルギニンL−グルタミン酸塩、L−アルギニンL−アスパラギン酸塩、L−アルギニン塩酸塩が例示され、好ましくはL−アルギニンL−グルタミン酸塩である。
【0023】
アルギニンは、動物、植物等の天然物由来のものでもよいし、化学的に合成されたものでもよいし、市販品であってもよい。アルギニンの市販品としては、例えば、味の素株式会社製のL−アルギニン Cグレードが挙げられる。
【0024】
(B)成分は、アルギニン又はその塩1種でもよいし、2種以上のアルギニン及び/又は塩の組み合わせであってもよい。
【0025】
口腔用組成物における(B)成分の含有量は、口腔用組成物全量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、口腔内において温感を付与することができる。(B)成分の含有量の上限に特に制限はないが、口腔用組成物全量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、口腔内における刺激感を低下させることができ、製剤安定性を発揮することができる。
【0026】
口腔用組成物における(B)成分の含有量は、口腔用組成物全量に対して、好ましくは0.01質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜5質量%であり、さらに好ましくは0.3質量%〜3質量%である。
【0027】
口腔用組成物における(B)成分の(A)成分に対する比率は、0.03〜3であることが好ましく、0.1〜2であることがより好ましい。
【0028】
本発明の口腔用組成物は、さらに(C)成分を含有してもよい。
【0029】
[(C)成分]
(C)成分は清涼剤である。
【0030】
本発明の口腔用組成物は、(C)成分を含有するため、温感の持続性を向上させることができる。また、スッキリ感を付与することができる。
【0031】
清涼剤は、口腔用組成物に清涼感を付与するものである。
【0032】
(C)成分の清涼剤は、p−メンタン骨格を有する化合物であることが多いが、かかる化合物には限定されない。清涼剤としては、メントール、イソプレゴール、コハク酸モノメンチル、メンチルラクテート、メンチルアセテート、メンチルグルコシド、メンチルグリセリンアセタール、3−L−メントキシプロパン−1,2−ジオール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N−(エトキシカルボニルメチル)−3−p−メンタンカルボキシアミド、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、メントングリセリンエーテル、スピラントール、モノメンチルサクシネート等が例示される。これらのうち、メントールが好ましい。(C)成分は、上記清涼剤そのものでなくとも、清涼剤を含む組成物(例えば、ペパーミント油、スペアミント油)などであってもよい。ペパーミント油は、メントールを通常50質量%〜60質量%含む。
【0033】
清涼剤は、動物、植物等の天然物由来のものでもよいし、化学的に合成されたものでもよいし、市販品であってもよい。メントールの市販品としては、例えば、高砂香料工業株式会社製のメントールJPが挙げられる。
【0034】
本発明の口腔用組成物に含有される(C)成分は、清涼剤1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
【0035】
本発明の口腔用組成物における(C)成分の含有量は、口腔用組成物全量に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。これにより、温感の持続性を高めることができ、スッキリ感を得ることができる。(C)成分の含有量の上限に特に制限はないが、口腔用組成物全量に対して、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。これにより、刺激感を低下させることができ、冷感を防止して温感を付与することができる。また、(C)成分の含有量が2質量%を超えると口腔内に冷感を感じる場合がある。
【0036】
口腔用組成物における(C)成分の含有量は、口腔用組成物全量に対して、好ましくは0.1質量%〜2質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
【0037】
口腔用組成物における(C)成分の(A)成分に対する比率は、0.05〜20であることが好ましく、0.1〜4であることがより好ましい。
【0038】
本発明の口腔用組成物は形状、剤形は特に限定されない。例えば、液体系(液体、液状、ペースト状)、固体系(固体、固形状)などの各種形状に調製できる。剤形の例としては、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、粉歯磨などの歯磨剤組成物、洗口剤組成物、塗布剤組成物、口腔用パスタ、口中清涼剤組成物、食品形態(例えば、チューインガム、錠菓、キャンディ、グミ、フィルム、トローチなど)が挙げられる。
【0039】
本発明の口腔用組成物には、上記各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、口腔用組成物に使用し得る公知の添加成分を配合することができる。かかる添加成分としては、例えば、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、香料、酸味料、滑沢剤、着色剤、光沢剤、流動化剤、結合剤、崩壊剤、薬用成分、pH調整剤、溶剤、賦形剤が挙げられ、剤型に応じて適宜選択し得る。以下に添加成分の具体例を示すが、本発明の口腔用組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。
【0040】
研磨剤としては、例えば、無水ケイ酸、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、ゼオライト、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。
【0041】
研磨剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。研磨剤を配合する場合、その配合量は、歯磨剤においては組成物全体の2質量%〜40質量%であることが好ましく、5質量%〜20質量%であることがより好ましい。洗口剤においては、組成物全体の0質量%〜10質量%であることが好ましく、0質量%〜5質量%であることがより好ましい。
【0042】
粘結剤としては、例えば、プルラン、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。粘結剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。粘結剤を用いる場合の配合量は、通常、製剤全体に対して0.01質量%〜3質量%配合することができる。
粘稠剤(湿潤剤)としては、例えば、ソルビトール(ソルビット)、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。粘稠剤は、1種単独でもよいし、又は2種以上の組み合わせでもよい。口腔用組成物が粘稠剤を含有する場合、その含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で定めることができ、口腔用組成物全量に対して、通常、1質量%〜60質量%である。
【0043】
界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
【0044】
アニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩などが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩などが好ましく、発泡性及び耐硬水性の点で、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキル鎖の炭素鎖長として炭素数が10〜16のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどがより好ましい。
【0045】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアミド、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステルなどが好適に用いられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、アルキル鎖の炭素鎖長が、炭素数で14〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が15〜30であることが好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、エチレンオキサイド平均付加モル数(平均付加EO)が20〜100であることが好ましい。アルキロールアミドは、アルキル鎖の炭素鎖長が炭素数12〜14であることが好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が16〜18であることが好ましい。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が10〜40であることが好ましい。
【0046】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタインが挙げられ、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。
【0047】
界面活性剤は、1種単独でもよいし2種以上の組み合わせでもよい。口腔用組成物が界面活性剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全量に対して、通常、0質量%〜10質量%であり、0.01質量%〜5質量%であることが好ましい。
【0048】
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジンヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチン、パラチノース、マルチトール、キシリトール、アラビトール等が挙げられる。甘味剤は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。甘味剤を用いる場合、配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
【0049】
防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸塩、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。防腐剤は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。防腐剤を用いる場合、配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
【0050】
香料としては、例えば、天然香料、合成香料(単品香料)、調合香料(油脂香料(油性香料)、粉末香料など)が挙げられる。香料は、前記香料のうち1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0051】
天然香料としては、例えば、マスティック油、パセリ油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、コリアンダー油、オレンジ油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローレル油、カモミール油、カルダモン油、キャラウェイ油、ベイ油、レモングラス油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、ペパーミントアブソリュート、ローズアブソリュート、オレンジフラワー、シトラス油、ミックスフルーツ油、ストロベリー油、シナモン油、クローブ油、グレープ油、タイム油、セージ油、ハッカ油、ローズマリー油、マジョラム油、オリガナム油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚子油、マンゴーアブソリュート、オレンジフラワーアブソリュート、トウガラシ抽出物、ジンジャーオレオレジン、ペッパーオレオレジン、カプシカムオレオレジン等が挙げられる。
【0052】
単品香料としては、例えば、カルボン、アネトール、サリチル酸メチル、シンナムアルデヒド、リナロール、リナリルアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン(γ−ウンデカラクトン、δ−ウンデカラクトンなど)、ヘキサナール(トランス−2−ヘキセナールなど)、エチノンアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール(シス−3−ヘキセノールなど)、ジメチルサルフェイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルリオアセテート、シネオール(1,8−シネオールなど)、メンソフラン、リナロールオキサイド、バニリルブチルエーテル、イソプレゴール、フラネオール、エチルシクロペンテノロン、2−メチルブチリックアシッド、プロピオニックアシッド、デカラクトン(γ−デカラクトン、δ−デカラクトンなど)、ノナラクトン(γ−ノナラクトン、δ−ノナラクトンなど)、ヘキサラクトン(γ−ヘキサラクトン、δ−ヘキサラクトンなど)、イソアミルアセテート、ベンズアルデヒド、ヘキシルアセテート、エチル−2−メチルブチレート、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、フェニルエチルグリシデート、フェニルエチルアルコール、アリルヘキサノエート、メチルシンナメート、エチルβ−メチルチオプロピオネート、シス−6−ノネノール、キャロン、メチルジャスモネート等が挙げられる。
【0053】
調合香料とは、単品香料及び/又は天然香料を調合して作られる香料である。例えば、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、ヨーグルトフレーバー、フルーツミックスフレーバー、ハーブミントフレーバー等が挙げられる。
【0054】
香料の形態は限定されず、精油、抽出物、固形物、及びこれらのいずれかを噴霧乾燥した粉体のいずれでも構わない。口腔用組成物が香料素材を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全量に対して0.000001質量%〜1質量%であるのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全量に対して0.1〜2.0質量%であるのが好ましい。
【0055】
酸味料の例としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸が挙げられる。酸味料を配合する場合、配合量は組成物全体に対して0.001質量%〜5質量%が好ましい。
【0056】
滑沢剤の例としてはグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0057】
着色剤としては、例えば、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、クマリンド色素等の天然色素や、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、銅クロロフィンナトリウム、二酸化チタン等が挙げられる。口腔用組成物が着色剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全量に対して0.00001質量%〜3質量%であることが好ましい。
【0058】
光沢剤としては、例えば、シェラック、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどのワックス類、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。口腔用組成物が光沢剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全量に対して0.01質量%〜5質量%が好ましい。
【0059】
流動化剤の例としては、微粒子二酸化ケイ素などが挙げられる。口腔用組成物が流動化剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全量に対して0.01質量%〜5質量%が好ましい。
【0060】
結合剤としては、例えば、プルラン、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラヤガムなどが挙げられる。結合剤を配合する場合、配合量は製剤により異なり一律に規定することはできない。例えばフィルムの場合には、通常、組成物全体に対し0.01質量%〜90質量%が好ましい。フィルム以外の場合には、通常、組成物全体に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
【0061】
崩壊剤の例としては、アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、クロスポピドン、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤は錠菓において配合されることが多い。また錠菓において配合される結合剤の例としては、前記のうち、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カラヤガムなどが挙げられる。錠菓において崩壊剤および/または結合剤を配合する場合、それぞれの配合量は、組成物全体に対して0.1質量%〜10質量%が好ましい。
【0062】
薬用成分としては、例えば以下の成分が挙げられる:クロロヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛等の殺菌又は抗菌剤;縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;トラネキサム酸、グリチルリチン酸2カリウム塩、ε−アミノカプロン酸、オウバクエキス等の抗炎症剤;ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤;アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ビタミンC、塩化リゾチーム、グリチルレチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、アラントイン等の収斂剤;塩化ストロンチウム等の知覚過敏抑制剤;フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸及びその塩等の歯質強化剤;ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のステイン除去剤;ムタナーゼ等の酵素剤、等が挙げられる。薬用成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。薬用成分を使用する場合の配合量は、それぞれの薬用成分について薬剤学的に許容できる範囲で適宜設定することができる。
【0063】
本発明の口腔用組成物のpH(20℃)は、通常、6〜10であり、好ましくは6〜9である。pH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタミン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の酸やアルカリ、緩衝剤が挙げられる。pH調整剤を配合する場合、その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
【0064】
溶剤としては、例えば、水、及び、エタノール、プロパノールなどの炭素原子数3以下の低級アルコール等が挙げられる。溶剤は、液体系の口腔用組成物には通常配合される。口腔用組成物が溶剤として水を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全量に対して20質量%〜95質量%であることが好ましい。口腔用組成物が溶剤として低級アルコールを含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全量に対して1質量%〜20質量%であることが好ましい。
【0065】
賦形剤としては、例えば、水飴、ブドウ糖、果糖、転化糖、デキストリン、オリゴ糖等が挙げられる。口腔用組成物が食品製剤である場合、通常、賦形剤を配合する。賦形剤を配合する場合、その配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
【0066】
上記(A)成分及び(B)成分は、口腔内に刺激を与えずに温感を付与することができる。従って、(A)成分及び(B)成分は、口腔用温感剤の有効成分として有用である。
【0067】
本発明の口腔用温感剤の投与形態は特に限定されないが、通常は経口投与(例えば、口腔内投与、舌下投与など)である。
【0068】
本発明の口腔用温感剤の摂取対象者は、特に限定されず、リラックス感、ゆったり感を得たいと考えている対象者などが挙げられる。摂取時期は特に限定されないが、就寝時等が例示される。
【実施例】
【0069】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本発明は勿論、かかる実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「%」は、別途明示のない限り、「質量%」を意味する。
【0070】
以下に記載の実施例及び比較例に用いた主な原料を下記にまとめて記載する。
[実施例及び比較例に使用した主な原料]
<(A)成分>
(A−1):ピロリドンカルボン酸
味の素株式会社製「AJIDEW A−100(登録商標)」(分子量:129.12、酸性度pKa1=3.5)
<(B)成分>
アルギニン
味の素株式会社製「L−アルギニン Cグレード」
<(C)成分>
メントール
高砂香料工業株式会社製「メントールJP」
【0071】
<その他の添加成分>
フッ化ナトリウム(薬用成分)、プロピレングリコール(粘稠剤)、70質量%ソルビット液(粘稠剤)、ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(界面活性剤)、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(界面活性剤)、サッカリンナトリウム(甘味剤)、無水ケイ酸(粘度調整剤)、無水ケイ酸(研磨剤)、ペパーミント油(香料)、スペアミント油(香料)、ポリリン酸ナトリウム(薬用成分)、ε−アミノカプロン酸(薬用成分)、メチルパラベン(防腐剤)、ブチルパラベン(防腐剤)、酸化チタン(着色剤)、赤色106号(着色剤)、香料、精製水(溶剤)
【0072】
実施例1〜21及び比較例1〜2
表1〜4に示す配合量に従って、下記調製方法により、実施例及び比較例の歯磨剤組成物を調製した。なお、表1〜4に示す各成分の配合量は、70質量%ソルビット液を除いて、純分換算した値(AI)である。70質量%ソルビット液の配合量は、70質量%ソルビットとしての値である。
【0073】
調製した歯磨剤組成物について、下記手順に従って、口腔内の温感を評価した。評価結果を表1〜4に示す。
【0074】
(歯磨剤組成物の調製方法)
(1)精製水中にピロリドンカルボン酸、アルギニン、フッ化ナトリウム、サッカリンナトリウム、ポリエチレングリコール4000、無水ケイ酸(粘度調整剤)、70%ソルビット液を常温で混合溶解させた(A相)。
(2)プロピレングリコール中にキサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン及びアルギン酸ナトリウムを常温で分散させた(B相)。撹拌中のA相中に、酸化チタン、B相、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン及びポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油を添加混合して、C相を調製した。
(3)C相中に、香料、メントール、ラウリル硫酸ナトリウム及び無水ケイ酸(研磨剤)を、ニーダー(石山工作所製)を用いて常温で混合し、減圧(5.3kPa)による脱泡を行い、歯磨剤組成物を得た。
【0075】
(評価方法1:歯みがき直後の口腔内の温感の評価)
10名の被験者において、歯磨剤組成物を使用して歯みがき直後の口腔内の温感の程度についてアンケートを行い、下記スコア基準に基づきスコア(1〜4点)をつけ平均値を算出した。算出したスコアの平均値から下記評価基準に基づき口腔内の温感の程度を評価した。
【0076】
なお、歯みがきは、各被験者において、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間ブラッシング後、口腔内を水ですすぐことにより実施した。
【0077】
〔評点基準〕
4点:口腔内の温感を強く感じた
3点:口腔内の温感を感じた
2点:口腔内の温感をほとんど感じない
1点:口腔内の温感を感じない
【0078】
〔評価基準〕
☆:平均値3.5点以上
◎:平均値3.0点以上3.5点未満
○:平均値2.5点以上3.0点未満
△:平均値2.0点以上2.5点未満
×:平均値2.0点未満
【0079】
(評価方法2:温感の持続性の評価)
10名の被験者において、歯磨剤組成物を使用して歯みがき10分後の口腔内の温感の程度についてアンケートを行い、下記スコア基準に基づきスコア(1〜4点)をつけ平均値を算出した。算出したスコアの平均値から下記評価基準に基づき口腔内の温感の程度を評価した。
【0080】
なお、歯みがきは、各被験者において、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間ブラッシング後、口腔内を水ですすぐことにより実施した。
【0081】
〔評価基準〕
4点:口腔内の温感を強く感じた
3点:口腔内の温感を感じた
2点:口腔内の温感をほとんど感じない
1点:口腔内の温感を感じない
【0082】
〔評価基準〕
☆:平均値3.5点以上
◎:平均値3.0点以上3.5点未満
○:平均値2.5点以上3.0点未満
△:平均値2.0点以上2.5点未満
×:平均値2.0点未満
【0083】
(評価方法3:口腔内の刺激の無さの評価)
10名の被験者において、歯磨剤組成物を使用して歯みがき直後の口腔内の刺激の無さの程度についてアンケートを行い、下記スコア基準に基づきスコア(1〜4点)をつけ平均値を算出した。算出したスコアの平均値から下記評価基準に基づき口腔内の刺激の無さの程度を評価した。
【0084】
なお、歯みがきは、各被験者において、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間ブラッシング後、口腔内を水ですすぐことにより実施した。
【0085】
〔評価基準〕
4点:口腔内の刺激を感じない
3点:口腔内の刺激をほとんど感じない
2点:口腔内の刺激を感じた
1点:口腔内の刺激を強く感じた
【0086】
〔評価基準〕
☆:平均値3.5点以上
◎:平均値3.0点以上3.5点未満
○:平均値2.5点以上3.0点未満
△:平均値2.0点以上2.5点未満
×:平均値2.0点未満
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
表1〜4の結果から、以下のことが分かる。アルギニンのみ配合(ピロリドンカルボン酸無配合)の比較例1では温感は得られず強い刺激感があり、ピロリドンカルボン酸のみ配合(アルギニン無配合)の比較例2でも温感は得られなかった。一方、ピロリドンカルボン酸及びアルギニンを配合した実施例1〜21のいずれにおいても、刺激が抑制されかつ口腔内の温感が得られることが確認された。このうち、さらにメントールを配合した実施例20の口腔組成物では、歯磨後においても温感がより長く持続することが確認された。
【0092】
これらの結果は、本発明の口腔用組成物が、低刺激性であり、口腔内の温感を発揮すると共に温感の持続性が得られることを示している。さらに、本発明の口腔用組成物が(C)成分を含むことにより、温感の持続性が増すことを示している。
【0093】
実施例22〜24(歯磨剤組成物)
表5に示す配合量に従ったほかは実施例1と同様にして実施例22〜24の歯磨剤組成物を調製し、口腔内の温感の評価を行った。なお、ペパーミント油はメントールを55質量%含むため、いずれの実施例も(C)成分を含む組成物である。その結果、上述の実施例と同様に、口腔内の温感を発揮し、温感の持続性に優れることが分かった。
【0094】
【表5】