特許第6141723号(P6141723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6141723アームレスト取付けブラケット及びアームレスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141723
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】アームレスト取付けブラケット及びアームレスト
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/46 20060101AFI20170529BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   B60N2/46
   A47C7/54 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-175658(P2013-175658)
(22)【出願日】2013年8月27日
(65)【公開番号】特開2015-44440(P2015-44440A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】荻野 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】増田 知泰
(72)【発明者】
【氏名】山下 明俊
(72)【発明者】
【氏名】安藤 公一
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5131721(US,A)
【文献】 特開2013−86777(JP,A)
【文献】 特開2010−167856(JP,A)
【文献】 特開2000−83758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00− 2/72
A47C 7/00− 7/02
A47C 7/40
A47C 7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アームレスト本体が取付けられる第1アームレスト取付け部と、前記第1アームレスト取付け部の縁部から屈曲され、車両用シートのシートバックフレーム側部にレーザー溶接される第1溶接部と、を有する第1取付けブラケットと、
前記第1取付けブラケットの前記第1アームレスト取付け部にシート幅方向から重なる第2アームレスト取付け部と、前記第2アームレスト取付け部の縁部から屈曲され、前記シートバックフレーム側部にレーザー溶接される第2溶接部と、を有する第2取付けブラケットと、
を備えるアームレスト取付けブラケット。
【請求項2】
前記第1アームレスト取付け部に形成された第1貫通孔と、
前記第2アームレスト取付け部に形成され、前記第1貫通孔と同軸上で且つ前記第1貫通孔より小径の第2貫通孔と、
前記第2アームレスト取付け部における前記第2貫通孔との同軸位置に溶接され、前記アームレスト本体を回動可能に支持する締結部材と、
を備える請求項1に記載のアームレスト取付けブラケット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のアームレスト取付けブラケットと、
前記アームレスト取付けブラケットの前記第1アームレスト取付け部及び前記第2アームレスト取付け部に取付けられたアームレスト本体と、
を備えるアームレスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員が着座するための車両用シートに設けられるアームレスト取付けブラケット及び該アームレスト取付けブラケットを備えたアームレストに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されたアームレストは、アームレスト本体を回動可能に支持してシートバックのサイドフレームに取り付けられたアームレスト取付け用ブラケットを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-167022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されたアームレストにおいては、アームレスト取付け用ブラケットが一枚の板を屈曲して形成されている。このため、アームレスト取付け用ブラケットを補強する際には、アームレスト取付け用ブラケットのアームレスト取付け部に補強プレートを溶接するか、又は、補強リブを形成する必要がある。ところが、補強プレートをアーク溶接する場合には、作業スペースを確保する必要からアームレスト取付け用ブラケットが大型化する。一方、補強リブを形成する場合にはプレス工程が増えることからアームレスト取付け用ブラケットの生産性が低下する。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、小型化と生産性向上が可能なアームレスト取付けブラケット及びアームレストを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のアームレスト取付けブラケットは、アームレスト本体が取付けられる第1アームレスト取付け部と、前記第1アームレスト取付け部の縁部から屈曲され、車両用シートのシートバックフレーム側部に溶接される第1溶接部と、を有する第1取付けブラケットと、前記第1取付けブラケットの前記第1アームレスト取付け部にシート幅方向から重なる第2アームレスト取付け部と、前記第2アームレスト取付け部の縁部から屈曲され、前記シートバックフレーム側部に溶接される第2溶接部と、を有する第2取付けブラケットと、を備える。
【0007】
上記構成によれば、アームレスト取付けブラケットが第1取付けブラケットと第2取付けブラケットとを備えている。また、第1取付けブラケットの第1アームレスト取付け部と第2取付けブラケットの第2アームレスト取付け部とがシート幅方向から重ねられている。このため、アームレスト本体を取付けるアームレスト取付け部が二重構造となることでアームレスト取付け部を容易に補強することができるので生産性が向上する。また、重ねられた第1アームレスト取付け部と第2アームレスト取付け部とを、シート幅方向の一方側からレーザー溶接によって容易に結合することができる。このため、アーク溶接を行う場合のように溶接用のスペースを確保する必要がくなり、アームレスト取付けブラケットの小型化が可能になる。
【0008】
請求項2に記載のアームレスト取付けブラケットは、請求項1に記載のアームレスト取付けブラケットにおいて、前記第1アームレスト取付け部に形成された第1貫通孔と、前記第2アームレスト取付け部に形成され、前記第1貫通孔と同軸上で且つ前記第1貫通孔より小径の第2貫通孔と、前記第2アームレスト取付け部における前記第2貫通孔との同軸位置に溶接され、前記アームレスト本体を回動可能に支持する締結部材と、を備える。
【0009】
上記構成によれば、第1アームレスト取付け部に形成された第1貫通孔の内部において、第2アームレスト取付け部に形成され、第1貫通孔と同軸上で且つ第1貫通孔より小径の第2貫通孔の外周部に、第2貫通孔と同軸位置にアームレスト本体を回動可能に支持する締結部材をレーザー溶接によって溶接することができる。このため、アームレスト取付けブラケットの生産性が更に向上する。
【0010】
請求項3に記載のアームレストは、請求項1又は請求項2に記載のアームレスト取付けブラケットと、前記アームレスト取付けブラケットの前記第1アームレスト取付け部及び前記第2アームレスト取付け部に取付けられたアームレスト本体と、を備える。
【0011】
上記構成によれば、請求項1又は請求項2に記載のアームレスト取付けブラケットを備えているため、前述した如き作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、小型化と生産性向上が可能なアームレスト取付けブラケット及びアームレストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るアームレスト取付けブラケットを示すシート幅方向斜め外側後方から見た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアームレスト取付けブラケットを示すシート幅方向斜め内側上方から見た斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るアームレスト取付けブラケットを示すシート幅方向外側から見た平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るアームレスト取付けブラケットを示すシート幅方向内側から見た平面図である。
図5図4の5−5断面線に沿った断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るアームレスト本体のアームレストフレームを示すシート幅方向内側から見た平面図である。
図7】本発明の一実施形態に係るアームレストを示すシート幅方向斜め外側後方から見た分解斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係るアームレスト取付けブラケットのシートバックフレームへの取付けを示すシート幅方向内側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態に係るアームレスト取付けブラケット及び該アームレスト取付けブラケットを備えたアームレストを図1図8に基づいて説明する。なお、図1図8では、矢印RRはアームレストが取付けられた車両用シートの後方を示し、矢印FRはアームレストが取付けられた車両用シートの前方を示し、矢印INは車両用シートの幅方向の内方を示し、矢印UPは車両用シートの上方を示す。
【0015】
図7に示すように、本実施形態のアームレスト10は、車両用シートのシートバックフレームの側部に固定されるアームレスト取付けブラケット12と、このアームレスト取付けブラケット12に取付けられるアームレスト本体13とを備えている。
【0016】
(アームレスト取付けブラケット)
アームレスト取付けブラケット12は、第1取付けブラケット14と第2取付けブラケット16とを備えており、2部品で構成されている。第1取付けブラケット14には第1アームレスト取付け部14Aが形成されている。この第1アームレスト取付け部14Aは、シート幅方向から見た形状がシート上下方向を長手方向とすると共に、下方側のシート前後方向に沿った幅に比べて上方側のシート前後方向の沿った幅が狭い矩形状となっている。また、第1アームレスト取付け部14Aのシート後方側縁部には、シート幅方向内側に向かって屈曲された第1溶接部としての後側第1溶接部14Bが形成されており、第1アームレスト取付け部14Aのシート前方側縁部の上側略半分の部位には、シート幅方向内側に向かって屈曲された第1溶接部としての前側第1溶接部14Cが形成されている。
【0017】
第2取付けブラケット16には第2アームレスト取付け部16Aが形成されている。この第2アームレスト取付け部16Aは、シート幅方向から見た形状がシート上下方向を長手方向とすると共に、下方側のシート前後方向に沿った幅に比べて上方側のシート前後方向に沿った幅が狭い矩形状となっている。また、第2アームレスト取付け部16Aのシート下方側縁部には、シート幅方向内側に向かって屈曲された第2溶接部16Bが形成されている。
【0018】
図1図4に示すように、第1取付けブラケット14の第1アームレスト取付け部14Aのシート幅方向外側に、第2取付けブラケット16の第2アームレスト取付け部16Aが重ねられている。また、図3に示すように、第1アームレスト取付け部14Aと第2アームレスト取付け部16Aとは、破線LBW1〜3で示されるように、シート幅方向外側(第2取付けブラケット16側)からレーザー溶接によって結合されている。なお、レーザー溶接LBW1は、第2アームレスト取付け部16Aのシート前方側縁部の上部に沿った部位に行われている。また、レーザー溶接LBW2は、第2アームレスト取付け部16Aのシート後方側縁部の上部に沿った部位にレーザー溶接LBW1と略平行に行われている。さらに、レーザー溶接LBW3は、レーザー溶接LBW1の下端近傍の部位からレーザー溶接LBW2の下端近傍の部位へシート前後方向に沿って行われている。
【0019】
図7に示すように、第1取付けブラケット14の第1アームレスト取付け部14Aの略中央部には、円形の第1貫通孔20が形成されている。一方、第2取付けブラケット16と第2アームレスト取付け部16Aにおける第1貫通孔20と同軸上の部位には第2貫通孔22が形成されている。
【0020】
図5に示すように、第2貫通孔22の孔径R2は、第1貫通孔20の孔径R1より小径となっている。また、第2取付けブラケット16の第2アームレスト取付け部16Aにおける第1アームレスト取付け部14A側の面には、締結部材としてのナット26が第2貫通孔22と同軸位置に溶接されている。また、ナット26は一方の端部にリング状のフランジ部26Aが形成されており、このフランジ部26Aが第1貫通孔20の内部に挿入されている。なお、フランジ部26Aは、図3に破線LBW4で示されるように、第1貫通孔20の内部において、全周が第2取付けブラケット16の第2アームレスト取付け部16Aにシート幅方向外側(第2取付けブラケット16側)からレーザー溶接によって結合されている。
【0021】
(アームレスト本体)
図7に示すように、アームレスト本体13は、アームレストフレーム30、第1補強ブラケット34及び第2補強ブラケット36を備えている。なお、図示しないが、アームレストフレーム30の外側には、樹脂カバーやクッション材、外皮材等が取付けられている。これによって、アームレスト本体13が形成されており、アームレスト本体13には、車両用シートに着座した乗員の腕を置くことができるようになっている。
【0022】
アームレストフレーム30の長手方向の基端側部(図7の下方側部)30Aには円形の貫通孔32が形成されており、貫通孔32の外周部には、レーザー溶接用の直線状の開口部33が複数形成されている。また、アームレストフレーム30の基端側部30Aにおけるシート幅方向内側面には第1補強ブラケット34と第2補強ブラケット36とが設けられている。第1補強ブラケット34は、アームレストフレーム30の基端側部30Aの略全域に重ねられており、第1補強ブラケット34の略中央には貫通孔38が貫通孔32と同軸上に形成されている。また、第2補強ブラケット36は、第1補強ブラケット34のシート幅方向内側面の中央部に重ねられており、第2補強ブラケット36の略中央には貫通孔40が貫通孔32と同軸上に形成されている。
【0023】
図6に示すように、アームレストフレーム30の基端側部30Aと第1補強ブラケット34とは、図6に破線LBW5〜8で示されるように、シート幅方向内側(第1補強ブラケット34側)からレーザー溶接によって結合されている。なお、レーザー溶接LBW5は、第1補強ブラケット34のシート後方側縁部に沿った部位に行われており、レーザー溶接LBW6は、第1補強ブラケット34のシート上方側縁部に沿った部位に行われている。また、レーザー溶接LBW7は、第1補強ブラケット34のシート前方側縁部に沿った部位に行われており、レーザー溶接LBW8は、第1補強ブラケット34のシート下方側縁部に沿った部位に行われている。
【0024】
一方、第1補強ブラケット34と第2補強ブラケット36は、図6に破線LBW9〜12で示されるように、シート幅方向外側(第1補強ブラケット34)からレーザー溶接によって結合されている。なお、レーザー溶接LBW9〜12は、アームレストフレーム30の基端側部30Aに形成された開口部33の内側の部位においてそれぞれ行われている。
【0025】
図7に示すように、アームレストフレーム30の貫通孔32、第1補強ブラケット34の貫通孔38、第2補強ブラケット36の貫通孔40には、アームレスト本体13の回転軸となるボルト46がシート幅方向外側から挿入されている。このボルト46はアームレストフレーム30のシート幅方向外側に介在するワッシャ48と、シート幅方向内側から貫通孔40と貫通孔38とに挿入されたフランジ付きのワッシャ50を挿通し、ナット26に締結されている。
【0026】
アームレストフレーム30の外周部には、シート幅方向外側に向かって壁部30Bが形成されている。なお、アームレストフレーム30の壁部30Bの内側における基端側部30Aには、図示しないロック機構が設けられている。このため、アームレストフレーム30の先端側部30Cは、基端側部30Aを中心にシート前後方向へ回動できると共に、所望の回動位置でロックできるようになっている。
【0027】
また、本実施形態では、図8に示すように、後側第1溶接部14Bのシート幅方向内側端14Dと、前側第1溶接部14Cのシート幅方向内側端14Eと、第2溶接部16Bのシート幅方向内側端16Cとが、シートバックフレーム60のサイド部60Aのシート幅方向外側面に、図8に破線LBW13〜15で示されるように、シート幅方向内側(シートバックフレーム60側)からレーザー溶接によって結合されている。なお、レーザー溶接LBW13は、シートバックフレーム60のサイド部60Aのシート後方側縁部に沿った部位に行われており、レーザー溶接LBW14は、シートバックフレーム60のサイド部60Aのシート前方側縁部に沿った部位に行われている。また、レーザー溶接LBW15は、シートバックフレーム60のサイド部60Aにシート前後方向に沿って行われている。
【0028】
なお、図1図5及び図7に示す符号52は一端にフランジ52Aを有するピンを示している。図5に示すように、ピン52は、第1アームレスト取付け部14Aに形成された円形の貫通孔54と、第2アームレスト取付け部16Aに形成された貫通孔56と、にシート幅方向内側(第1取付けブラケット14側)から挿入されている。また、貫通孔54は貫通孔56より小さくなっており、ピン52のフランジ部52Aは、図3に破線LBW16で示されるように、貫通孔56の内側において、全周が第1アームレスト取付け部14Aにシート幅方向外側(第2取付けブラケット16側)からレーザー溶接によって結合されている。
【0029】
(作用、効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
本実施形態では、アームレスト10のアームレスト取付けブラケット12が第1取付けブラケット14と第2取付けブラケット16とを備えており、2部品で構成されている。また、第1取付けブラケット14の第1アームレスト取付け部14Aと第2取付けブラケット16の第2アームレスト取付け部16Aとがシート幅方向から重ねられている。
【0030】
このため、アームレスト本体13を取付けるアームレスト取付けブラケット12のアームレスト取付け部14A、16Aを二重構造とすることができる。この結果、アームレスト取付けブラケット12のアームレスト取付け部14A、16Aを容易に補強することができ、アームレスト取付けブラケット12のアームレスト取付け部14A、16Aに補強リブを形成する構成に比べて生産性が向上する。また、補強リブを形成するための深絞り加工等を必要としないので高強度鋼板が使用できる。この結果、アームレスト取付けブラケット12の更なる薄型軽量化が可能になる。
【0031】
また、本実施形態では、図3のLBW1〜3に示すように、重ねられた第1アームレスト取付け部14Aと第2アームレスト取付け部16Aとをレーザー溶接によってシート幅方向外側(第2取付けブラケット16側)から容易に結合することができる。このため、アーク溶接を行う場合のように溶接用のスペースを確保する必要がかくなり、アームレスト取付けブラケット12の小型化が可能になる。
【0032】
また、本実施形態では、第2アームレスト取付け部16Aの第2貫通孔22の孔径R2が、第1アームレスト取付け部14Aの第1貫通孔20の孔径R1より小径となっており、ナット26のフランジ部26Aが第1貫通孔20の内部に挿入されている。そして、図3のLBW4に示すように、第1アームレスト取付け部14Aの第1貫通孔20の内部において、第2アームレスト取付け部16Aの第2貫通孔の外周部にナット26のフランジ部26Aをシート幅方向外側(第2取付けブラケット16側)からレーザー溶接によって容易に溶接することができる。このため、アームレスト取付けブラケット12の生産性が更に向上する。
【0033】
また、本実施形態では、第1取付けブラケット14の後側第1溶接部14B、前側第1溶接部14Cと、第2取付けブラケット16の第2溶接部16Bとが、シートバックフレーム60のサイド部60Aのシート幅方向外側面に、図8に破線LBW13〜15で示されるように、シート幅方向内側(シートバックフレーム60側)からレーザー溶接によって結合されている。このため、アームレスト取付けブラケット12を製造するための第1取付けブラケット14と第2取付けブラケット14とのレーザー溶接と、アームレスト取付けブラケット12へのナット26のレーザー溶接と、アームレスト取付けブラケット12のシートバックフレーム60のサイド部60Aへのレーザー溶接とが、同一のレーザー溶接用の治具を使用し、1工程で行える。この結果、アームレスト10の生産性がさらに向上する。
【0034】
(実施形態の補足説明)
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、第2取付けブラケット16の第2アームレスト取付け部16Aに締結部材としてのナット26を溶接したが、締結部材はナット26に限定されず、ボルト等の他の締結部材を溶接してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、第2取付けブラケット16の第2アームレスト取付け部16Aに締結部材としてのナット26を溶接したが、締結部材を第1取付けブラケット14の第1アームレスト取付け部14Aに溶接する構成としてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、第1取付けブラケット14の第1アームレスト取付け部14Aのシート後方側縁部に後側第1溶接部14Bを形成し、第1アームレスト取付け部14Aのシート前方側縁部の上側略半分の部位に前側第1溶接部14Cを形成した。これに代えて、第1取付けブラケット14の第1アームレスト取付け部14Aのシート上方側縁部やシート下方側縁部等の他の部位に第1溶接部を形成した構成としてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、第2取付けブラケット16の第2アームレスト取付け部16Aのシート下方側縁部に第2溶接部16Bを形成した。これに代えて、第2取付けブラケット16の第2アームレスト取付け部16Aのシート後方側縁部、シート前方側縁部、シート上方側縁部等の他の部位に第2溶接部を形成した構成としてもよい。
【0038】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。
【符号の説明】
【0039】
10 ヘッドレスト
12 アームレスト取付けブラケット
13 アームレスト本体
14 第1取付けブラケット
14A 第1アームレスト取付け部
14B 後側第1溶接部(第1溶接部)
14C 前側第1溶接部(第1溶接部)
16 第2取付けブラケット
16A 第2アームレスト取付け部
16B 第2溶接部
20 第1貫通孔
22 第2貫通孔
26 ナット(締結部材)
30 アームレストフレーム
34 第1補強ブラケット
36 第2補強ブラケット
46 ボルト
60 シートバックフレーム
LBW1〜16 レーザー溶接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8