特許第6141736号(P6141736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141736
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/16 20060101AFI20170529BHJP
   B60N 2/22 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   B60N2/16
   B60N2/22
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-200084(P2013-200084)
(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-66969(P2015-66969A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】田中 大助
(72)【発明者】
【氏名】松澤 剛
(72)【発明者】
【氏名】櫛来 宏
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−72220(JP,A)
【文献】 特開平5−77667(JP,A)
【文献】 実開平5−76860(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0069405(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0060485(US,A1)
【文献】 実開平5−34030(JP,U)
【文献】 特開昭57−33032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00− 2/72
A47C 7/14
A47C 7/40
A47C 7/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座乗員の尻部を支えるシートクッション本体部と、前記シートクッション本体部のシート幅方向両側に配置されたシートクッションサイド部と、を含んで構成されたシートクッションと、
着座乗員の背部を支えるシートバック本体部と、前記シートバック本体部のシート幅方向両側に配置されたシートバックサイド部と、を含んで構成されたシートバックと、
前記シートクッション本体部及び前記シートバック本体部の少なくとも一方を支持すると共に、前記シートクッション本体部を支持する第1の場合には作動することで前記シートクッション本体部の位置を前記シートクッションサイド部に対してシート上下方向に可変させ、前記シートバック本体部を支持する第2の場合には作動することで前記シートバック本体部の位置を前記シートバックサイド部に対してシート前後方向に可変させる可変機構と、
を備え
前記第1の場合において、前記シートクッションサイド部は、シート上方から見て前記シートクッション本体部を囲むU字形状に構成されたシートクッション枠部の一部を構成し、
前記第2の場合において、前記シートバックサイド部は、シート前方から見て前記シートバック本体部を囲む矩形枠状形成されたシートバック枠部の一部を構成している車両用シート。
【請求項2】
前記シートクッション本体部の最上位置では、前記シートクッション本体部が前記シートクッションサイド部に対して段差の生じない位置に配置され或いは前記シートクッション本体部が前記シートクッションサイド部に対してシート上側へ突出され、
前記シートバック本体部の最前位置では、前記シートバック本体部が前記シートバックサイド部に対して段差の生じない位置に配置され或いは前記シートバック本体部が前記シートバックサイド部に対してシート前側へ突出される請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記可変機構は、前記シートクッション本体部及び前記シートバック本体部を支持すると共に、
前記シートクッション本体部のシート下側への変位に同期して前記シートバック本体部がシート後側へ変位すると共に、前記シートクッション本体部のシート上側への変位に同期して前記シートバック本体部がシート前側へ変位する請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記可変機構による前記シートクッション本体部の変位量がシートバック本体部の変位量に比べて大きく設定された請求項3に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記可変機構が平行リンク機構によって構成された請求項3又は請求項4に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記シートクッション本体部を支持する前記可変機構では、平行リンク機構を構成するリンクが、側面視でシート前方へ向かうに従いシート上方へ傾斜され、当該リンクの回転中心が後端部に設定された請求項5に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載されたシートカバーでは、サポートパッドがシートカバーのシート幅方向両側部分に取付けられている。そして、シートカバーを車両用シートに装着することで、着座乗員の身体がサポートパッドによってホールドされる。これにより、着座乗員に対するホールド性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−000383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば着座乗員に対するホールド感等を変更したい場合には、シートカバーを車両用シートから取り外して、厚みの異なるサポートパッドを有するシートカバーを車両用シートに装着させる必要があった。すなわち、この場合には、シートカバーの交換作業が必要となる。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、着座乗員に対するホールド感を容易に変更することができる車両用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用シートは、着座乗員の尻部を支えるシートクッション本体部と、前記シートクッション本体部のシート幅方向両側に配置されたシートクッションサイド部と、を含んで構成されたシートクッションと、着座乗員の背部を支えるシートバック本体部と、前記シートバック本体部のシート幅方向両側に配置されたシートバックサイド部と、を含んで構成されたシートバックと、前記シートクッション本体部及び前記シートバック本体部の少なくとも一方を支持すると共に、前記シートクッション本体部を支持する第1の場合には作動することで前記シートクッション本体部の位置を前記シートクッションサイド部に対してシート上下方向に可変させ、前記シートバック本体部を支持する第2の場合には作動することで前記シートバック本体部の位置を前記シートバックサイド部に対してシート前後方向に可変させる可変機構と、を備え、前記第1の場合において、前記シートクッションサイド部は、シート上方から見て前記シートクッション本体部を囲むU字形状に構成されたシートクッション枠部の一部を構成し、前記第2の場合において、前記シートバックサイド部は、シート前方から見て前記シートバック本体部を囲む矩形枠状形成されたシートバック枠部の一部を構成している。
【0007】
請求項1に記載の車両用シートでは、シートクッションが、着座乗員の尻部を支えるシートクッション本体部と、シートクッション本体部のシート幅方向両側に配置されたシートクッションサイド部と、を含んで構成されている。また、シートバックは、着座乗員の背部を支えるシートバック本体部と、シートバック本体部のシート幅方向両側に配置されたシートバックサイド部と、を含んで構成されている。
【0008】
ここで、シートクッション本体部及びシートバック本体部の少なくとも一方が、可変機構に支持されている。そして、シートクッション本体部が可変機構に支持された第1の場合では、可変機構が作動することで、シートクッションサイド部に対するシートクッション本体部のシート上下方向の位置が可変する。このため、シートクッション本体部をシートクッションサイド部に対して窪むようにシート下方側へ変位させることで、着座乗員の下半身(主に大腿部)をシートクッションサイド部によってホールドできる。そして、シートクッション本体部に対するシートクッションサイド部の突出量を可変機構によって容易に変更できる。
【0009】
一方、シートバック本体部が可変機構に支持された第2の場合では、可変機構が作動することで、シートバックサイド部に対するシートバック本体部のシート前後方向の位置が可変する。このため、シートバック本体部をシートバックサイド部に対して窪むようにシート後側へ変位させることで、着座乗員の上半身(主に脇腹部)をシートバックサイド部によってホールドできる。そして、シートバック本体部に対するシートバックサイド部の突出量を可変機構によって容易に変更できる。以上により、着座乗員に対するホールド感を容易に変更することができる。
【0010】
請求項2に記載の車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記シートクッション本体部の最上位置では、前記シートクッション本体部が前記シートクッションサイド部に対して段差の生じない位置に配置され或いは前記シートクッション本体部が前記シートクッションサイド部に対してシート上側へ突出され、前記シートバック本体部の最前位置では、前記シートバック本体部が前記シートバックサイド部に対して段差の生じない位置に配置され或いは前記シートバック本体部が前記シートバックサイド部に対してシート前側へ突出される。
【0011】
請求項2に記載の車両用シートでは、シートクッション本体部の最上位置において、シートクッション本体部に対するシートクッションサイド部のシート上側への突出が抑制される。また、シートバック本体部の最前位置において、シートバック本体部に対するシートバックサイド部のシート前側への突出が抑制される。これにより、車両用シートの乗降時に、シートクッション本体部(シートバック本体部)を最上位置(最前位置)に配置することで、車両用シートの乗降性を確保することができる。
【0012】
請求項3に記載の車両用シートは、請求項1又は請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記可変機構は、前記シートクッション本体部及び前記シートバック本体部を支持すると共に、前記シートクッション本体部のシート下側への変位に同期して前記シートバック本体部がシート後側へ変位すると共に、前記シートクッション本体部のシート上側への変位に同期して前記シートバック本体部がシート前側へ変位する。
【0013】
請求項3に記載の車両用シートでは、乗員の上半身及び下半身がシートクッションサイド部及びシートバックサイド部によってホールドされるため、着座乗員に対するホールド性を一層向上できる。一方、シートクッションサイド部及びシートバックサイド部による乗員の上半身及び下半身に対するホールドを同時に解除できる。
【0014】
請求項4に記載の車両用シートは、請求項3に記載の車両用シートにおいて、前記可変機構による前記シートクッション本体部の変位量がシートバック本体部の変位量に比べて大きく設定されている。
【0015】
請求項4に記載の車両用シートでは、シートクッション本体部の変位量がシートバック本体部の変位量に比べて大きく設定されているため、シートバックの厚み方向における大型化を抑制しつつ、シートクッション及びシートバックの着座乗員に対するホールド性を高めることができる。
【0016】
請求項5に記載の車両用シートは、請求項3又は請求項4に記載の車両用シートにおいて、前記可変機構が平行リンク機構によって構成されている。
【0017】
請求項5に記載の車両用シートでは、可変機構が平行リンク機構によって構成されているため、シートクッション本体部を並進移動させることができ、シートバック本体部を並進移動させることができる。これにより、可変機構の作動時における着座乗員の姿勢の変化を抑制しつつ、シートクッション本体部及びシートバック本体部を変位させることができる。
【0018】
請求項6に記載の車両用シートは、請求項5に記載の車両用シートにおいて、前記シートクッション本体部を支持する前記可変機構では、平行リンク機構を構成するリンクが、側面視でシート前方へ向かうに従いシート上方へ傾斜され、当該リンクの回転中心が後端部に設定されている。
【0019】
請求項6に記載の車両用シートでは、シートクッション本体部を支持する可変機構において、リンクがシート前方へ向かうに従いシート上方へ傾斜されており、リンクの回転中心が後端部に設定されている。これにより、シートクッション本体部が最上位置から最下位置へ変位する際には、シートクッション本体部がシート前斜め下方へ変位する。すなわち、シートクッション本体部がシートバックに対して離間する方向に変位する。したがって、シートクッション本体部とシートバックとの干渉防止に寄与できる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の車両用シートによれば、着座乗員に対するホールド感を容易に変更することができる。
【0021】
請求項2に記載の車両用シートによれば、車両用シートの乗降性を確保することができる。
【0022】
請求項3に記載の車両用シートによれば、着座乗員に対するホールド性を一層向上でき、車両用シートの乗降性を確保することができる。
【0023】
請求項4に記載の車両用シートによれば、シートバックの厚み方向における大型化を抑制しつつ、着座乗員に対するホールド性を高めることができる。
【0024】
請求項5に記載の車両用シートによれば、可変機構の作動時における着座乗員の姿勢の変化を抑制できる。
【0025】
請求項6に記載の車両用シートによれば、可変機構の作動時におけるシートクッション本体部とシートバックとの干渉防止に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態に係る車両用シートにおいてシートクッション本体部が最下位置に配置され且つシートバック本体部が最後位置に配置された状態を示すシート右斜め前方から見た模式的な斜視図である。
図2図1に示されるシートクッション本体部が最上位置に配置され且つシートバック本体部が最前位置に配置された状態を示す図1に対応する斜視図である。
図3図1に示される車両用シートの内部構造を示すシート右斜め前方から見た模式的な斜視図である。
図4図2に示されるシートクッション本体部及びシートバック本体部の配置状態を模式的に示す側面図である。
図5図1に示されるシートクッション本体部及びシートバック本体の配置状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態に係る車両用シート10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRは車両用シート10のシート前方を示し、矢印UPはシート上方を示し、矢印LHはシート左方(シート幅方向一方側)を示している。また、本実施形態では、車両用シート10のシート前方、シート上方、シート左方は、車両用シート10が搭載される車両(自動車)の車両前方、車両上方、車両左方とそれぞれ一致している。
【0028】
図1及び図2に示されるように、車両用シート10は、車両用シート10の下部を構成するスライド機構12と、車両用シート10の着座部を構成するシートクッション30と、車両用シート10の背凭れ部を構成するシートバック60と、を有している。また、車両用シート10の内部には、可変機構100(図3参照)が設けられている。以下、各々の構成について説明する。
【0029】
(スライド機構12について)
図3に示されるように、スライド機構12は、一対のスライドレール14を有している。このスライドレール14は、長手方向をシート前後方向にした略長尺状を成すと共に、シート幅方向に並んで配置されている。そして、スライドレール14は、ロアレール16とアッパレール18とを含んで構成されている。
【0030】
ロアレール16は、シート前方から見てシート上側へ開放した断面略C字形状に形成されると共に、シート前後方向に延びている。そして、ロアレール16の前端部及び後端部が、取付ブラケット20を介して車両の車体フロアに固定されている。アッパレール18は、ロアレール16に対してシート前後方向にスライド可能に支持されている。なお、図3では、シート右側のアッパレール18のみ図示されている。また、通常時には、ロアレール16に対するアッパレール18のスライドが、図示しないスライドロック機構によって規制されている。そして、ロック解除レバー22が操作されることにより、当該スライドロック機構によるスライド規制が解除されて、車両用シート10が車体フロアに対してシート前後方向にスライドされるようになっている。
【0031】
(シートクッション30について)
シートクッション30は、シートクッション30の骨格部材を構成するシートクッションフレーム32を有している。シートクッションフレーム32は、一対のサイドフレーム34を有しており、サイドフレーム34は、それぞれスライドレール14のシート上側に配置されている。このサイドフレーム34は、例えば板金により製作されて、長手方向をシート前後方向にした長尺状に形成されると共に、板厚方向をシート幅方向にして配置されている。そして、サイドフレーム34の下端部がアッパレール18に固定されている。
【0032】
また、シートクッションフレーム32はリヤフレーム36を有している。このリヤフレーム36は、例えば金属製のパイプ材によって形成されると共に、軸方向(長手方向)をシート幅方向にして配置されている。そして、リヤフレーム36の長手方向両端部がサイドフレーム34の後端部に結合されている。
【0033】
さらに、シートクッションフレーム32のシート上側には、図1及び図2に示されるように、シートクッションパッド38が設けられている。このシートクッションパッド38は、ウレタン等の発泡材により構成されると共に、2分割されており、この2分割されたシートクッションパッド38は、表皮40によってそれぞれ覆われている。これにより、シートクッション30における着座部が、シートクッション本体部42とシートクッション枠部44とで構成されている。
【0034】
シートクッション本体部42は、シート上方から見て略矩形状に形成されると共に、シートクッション30のシート幅方向中央部に配置されて、後述する可変機構100のクッションプレート120に固定支持されている。これにより、着座乗員の尻部が主にシートクッション本体部42によって支持されるようになっている。一方、シートクッション枠部44は、シート上方から見てシート前方へ開放した略U字形状に形成されると共に、シートクッションフレーム32に固定支持されている。そして、シートクッション枠部44内にシートクッション本体部42が配置されており、シートクッション枠部44におけるシートクッション本体部42のシート幅方向両側に隣接した部分が、シートクッションサイド部46とされている。
【0035】
また、シートクッション本体部42は、後述する可変機構100によってシート上下方向に変位可能に構成されている。すなわち、可変機構100によってシートクッション本体部42のシート上下方向の位置が可変するように構成されている。具体的には、シートクッション本体部42は、図2に示される最上位置と、最上位置からシート下側に配置された最下位置(図1参照)と、の間で変位するように構成されている。
【0036】
そして、シートクッション本体部42の最上位置では、シートクッション本体部42とシートクッションサイド部46との間に段差が生じないようになっている。具体的には、シートクッション本体部42の前部上面が、シートクッションサイド部46の前部上面とフラットな面を形成するように配置されている。これにより、シートクッション本体部42の最上位置では、シートクッション本体部42に対するシートクッションサイド部46のシート上側への突出が抑制されて、車両用シート10の乗降性を確保するように構成されている。なお、最上位置では車両用シート10の乗降性を確保するように、シートクッション本体部42がシートクッションサイド部46に対して配置されていればよい。このため、本発明の「シートクッション本体部がシートクッションサイド部に対して段差の生じない位置に配置され」とは、車両用シート10の乗降性を確保するように、シートクッション本体部42がシートクッションサイド部46に対してシート上下方向にずれて配置された場合も含んでいる。
【0037】
一方、シートクッション本体部42の最下位置では、シートクッション本体部42がシートクッション枠部44に対して窪むようになっている。換言すると、シートクッションサイド部46がシートクッション本体部42に対してシート上側へ突出される。これにより、シートクッション本体部42が最下位置に配置されることで、着座乗員の下半身(主に大腿部)がシートクッションサイド部46によってホールドされるようになっている。
【0038】
また、シートクッション30のシート幅方向両側には、ライザー48が設けられており、ライザー48は、シートクッション30をシート幅方向両側から覆うようにしてシートクッションフレーム32に固定されている。また、シート右側に配置されたライザー48には、後述する可変機構100を操作するための操作部50が設けられており、操作部50は、例えばシート上下方向へスライドするスライドスイッチ等で構成されている。
【0039】
(シートバック60について)
シートバック60は、シートクッション30の後端部において、起立した状態で設けられている。図3に示されるように、シートバック60の内部には、シートバック60の骨格部材を構成するシートバックフレーム62が設けられている。シートバックフレーム62は、一対のサイドフレーム64を有しており、サイドフレーム64は、例えば板金により製作されている。また、サイドフレーム64は、長手方向をシート上下方向にした長尺状に形成されると共に、板厚方向をシート幅方向にして配置されている。そして、サイドフレーム64の下端部が、従来周知のリクライニング機構Rを介してシートクッションフレーム32のサイドフレーム34の後端部に傾倒可能に連結されている。
【0040】
また、シートバックフレーム62はアッパフレーム66を有している。アッパフレーム66は、例えば金属製のパイプ材によって形成されると共に、シート前方から見てシート下側へ開放した略U字形状に屈曲されている。そして、アッパフレーム66の長手方向両端部が、サイドフレーム64の上端部に溶接等の手段によって結合されている。また、アッパフレーム66には、ヘッドレスト90(図1及び図2参照)を固定支持するためのステー68が設けられている。ステー68は、略長尺棒状に形成されて、シート前方から見てシート下側へ開放した略U字形状に屈曲されている。そして、ステー68の長手方向両端部が、アッパフレーム66の長手方向中間部に溶接等の手段によって結合されている。さらに、アッパフレーム66には、後述する可変機構100のアッパリンク132を取付けるための取付フレーム70が固定されている。取付フレーム70は、シート幅方向を長手方向とする長尺板状に形成されており、取付フレーム70の長手方向両端部が、アッパフレーム66の長手方向両端部に結合されている。
【0041】
さらに、シートバックフレーム62のシート前側には、図1及び図2に示されるように、シートバックパッド72が設けられている。このシートバックパッド72は、ウレタン等の発泡材により構成されると共に、2分割されており、この2分割されたシートバックパッド72は、表皮74によってそれぞれ覆われている。これにより、シートバック60における背凭れ部が、シートバック本体部76とシートバック枠部78とで構成されている。
【0042】
シートバック本体部76は、シート前方から見て略矩形状に形成されると共に、シートバック60の略中央部に配置されて、後述する可変機構100のバックプレート140に固定支持されている。一方、シートバック枠部78は、シート前方から見て略矩形枠状に形成されて、シートバックフレーム62に固定支持されている。そして、シートバック本体部76がシートバック枠部78内に配置されており、シートバック枠部78におけるシートバック本体部76のシート幅方向両側に隣接した部分が、シートバックサイド部80とされている。
【0043】
また、シートバック本体部76は、後述する可変機構100によって、シート前後方向に変位可能に構成されている。すなわち、可変機構100によってシートバック本体部76のシート前後方向の位置が可変するように構成されている。具体的には、シートバック本体部76は、図2に示される最前位置と、最前位置からシート後側に配置された最後位置(図1参照)と、の間で変位するように構成されている。
【0044】
そして、シートバック本体部76における最前位置では、シートバック本体部76とシートバックサイド部80との間に段差が生じないようなっている。これにより、シートバック本体部76の最前位置では、シートバック本体部76に対するシートバックサイド部80のシート前側への突出が抑制されるため、車両用シート10の乗降性を確保するように構成されている。なお、車両用シート10の乗降性を確保するように、シートバック本体部76がシートバックサイド部80に対して配置されていればよい。このため、本発明の「シートバック本体部がシートバックサイド部に対して段差の生じない位置に配置され」とは、車両用シート10の乗降性を確保するように、シートバック本体部76がシートバックサイド部80に対してシート前後方向にずれて配置された場合も含んでいる。
【0045】
一方、シートバック本体部76の最後位置では、シートバック本体部76がシートバック枠部78に対して窪むようになっている。換言すると、シートバックサイド部80がシートバック本体部76に対してシート前側へ突出される。これにより、シートバック本体部76が最後位置に配置されることで、着座乗員の上半身(主に脇腹部)がシートバックサイド部80によってホールドされるようになっている。
【0046】
(可変機構100について)
図3に示されるように、可変機構100は、シートクッション本体部42のシート上下方向の位置を可変させる第1可変機構部110と、シートバック本体部76のシート前後方向の位置を可変させる第2可変機構部130と、を含んで構成されている。
【0047】
第1可変機構部110は、所謂平行リンク機構として構成されて、一対のフロントリンク112と、一対のリヤリンク116と、を有している。フロントリンク112は、フロントメインリンク112Aを有しており、フロントメインリンク112Aは、シートクッションフレーム32のサイドフレーム34のシート幅方向内側に配置されると共に、側面視でシート前方へ向かうに従いシート上方へ傾斜されている。そして、フロントメインリンク112Aの下端部(後端部)が、軸方向をシート幅方向にしてサイドフレーム34に回転可能に連結されている。また、フロントメインリンク112Aの上端部(前端部)には、フロントサブリンク112Bが回転不能に連結されており、フロントサブリンク112Bは、フロントメインリンク112Aからシート上側へ延びている。
【0048】
一対のフロントサブリンク112Bの間には、フロント連結軸114が設けられている。フロント連結軸114は、例えば金属製のパイプ材によって形成されると共に、軸方向をシート幅方向にして配置されている。そして、フロント連結軸114の長手方向両端部が、フロントサブリンク112Bの上端部に回転可能に連結されている。
【0049】
リヤリンク116は、フロントリンク112のシート後方側で且つシートクッションフレーム32のサイドフレーム34のシート幅方向内側に配置されると共に、側面視でシート前方へ向かうに従いシート上方へ傾斜されている。そして、リヤリンク116の下端部(後端部)が、軸方向をシート幅方向にしてサイドフレーム34に回転可能に連結されている。
【0050】
また、一対のリヤリンク116の間には、リヤ連結軸118が設けられている。リヤ連結軸118は、例えば金属製のパイプ材によって形成されると共に、軸方向をシート幅方向にして配置されている。そして、リヤ連結軸118の長手方向両端部が、リヤリンク116の上端部(前端部)に回転可能に連結されている。
【0051】
さらに、リヤ連結軸118とフロント連結軸114との間には、クッションプレート120が架け渡されており、クッションプレート120は、略矩形板状を成すと共に、板厚方向を略シート上下方向にして配置されている。そして、クッションプレート120の前端部がフロント連結軸114に結合されており、クッションプレート120の後端部がリヤ連結軸118に結合されている。また、クッションプレート120のシート上側には、前述したシートクッション本体部42が配置されており、シートクッション本体部42はクッションプレート120に固定支持されている。
【0052】
また、シート右側のサイドフレーム34のシート幅方向外側には、第1可変機構部110を構成する第1ギヤボックス122(広義には、「減速機構部」として把握される要素である)が設けられている。第1ギヤボックス122は、複数のギヤを有するギヤ列(図示省略)によって構成されている。このギヤ列における入力側のギヤは、トルクケーブル124を介してモータMに連結されている。一方、ギヤ列における出力側のギヤは、リヤリンク116の下端部と連結されている。これにより、モータMの駆動力が第1ギヤボックス122によって減速されてリヤリンク116の下端部(後端部)に伝達されるようになっている。そして、リヤリンク116の下端部(後端部)にモータMの駆動力が伝達されると、フロントリンク112及びリヤリンク116が、各々の下端部(後端部)を回転中心として回転して(図4に示される矢印A及び図5に示される矢印C参照)、シートクッション本体部42が最上位置と最下位置との間で変位するようになっている。
【0053】
一方、第2可変機構部130は、第1可変機構部110と同様に所謂平行リンク機構として構成されて、一対のアッパリンク132と、一対のロアリンク136と、を有している。アッパリンク132は、取付フレーム70の長手方向両端部のシート幅方向内側に配置されると共に、側面視でシート下方へ向かうに従いシート前方へ傾斜されている。そして、アッパリンク132の後端部(上端部)が、軸方向をシート幅方向にして取付フレーム70に回転可能に連結されている。
【0054】
一対のアッパリンク132の間には、アッパ連結軸134が設けられている。アッパ連結軸134は、例えば金属製のパイプ材によって形成されると共に、軸方向をシート幅方向にして配置されている。そして、アッパ連結軸134の長手方向両端部が、アッパリンク132の前端部(下端部)に回転可能に連結されている。
【0055】
ロアリンク136は、アッパリンク132のシート下方側で且つシートバックフレーム62のサイドフレーム64のシート幅方向内側に配置されると共に、側面視でシート下方へ向かうに従いシート前方へ傾斜されている。そして、ロアリンク136の後端部(上端部)が、軸方向をシート幅方向にしてサイドフレーム64に回転可能に連結されている。
【0056】
また、一対のロアリンク136の間には、ロア連結軸138が設けられている。ロア連結軸138は、例えば金属製のパイプ材によって形成されると共に、軸方向をシート幅方向にして配置されている。そして、ロア連結軸138の長手方向両端部が、ロアリンク136の前端部(下端部)に回転可能に連結されている。
【0057】
さらに、ロア連結軸138とアッパ連結軸134との間には、一対のバックプレート140が架け渡されている。バックプレート140は、長手方向をシート上下方向にした略矩形板状に形成されると共に、板厚方向を略シート前後方向にして配置されている。そして、バックプレート140の上端部がアッパ連結軸134に結合されており、バックプレート140の下端部がロア連結軸138に結合されている。また、バックプレート140のシート前側には、前述したシートバック本体部76が配置されており、シートバック本体部76はバックプレート140に固定支持されている。
【0058】
また、シート左側のサイドフレーム64のシート幅方向外側には、第2可変機構部130を構成する第2ギヤボックス142(広義には、「減速機構部」として把握される要素である)が設けられている。第2ギヤボックス142は、複数のギヤを有するギヤ列(図示省略)によって構成されている。このギヤ列における入力側のギヤは、トルクケーブル144を介してモータMに連結されている。一方、ギヤ列における出力側のギヤは、ロアリンク136の後端部と連結されている。これにより、モータMの駆動力が第2ギヤボックス142によって減速されてロアリンク136の下端部に伝達されるようになっている。そして、ロアリンク136の後端部にモータMの駆動力が伝達されると、アッパリンク132及びロアリンク136が、各々の後端部を回転中心として回転して(図4に示される矢印B及び図5に示される矢印D参照)、シートバック本体部76が最前位置と最後位置との間で変位するようになっている。
【0059】
また、モータMは、前述した操作部50と電気的に接続されている。そして、操作部50が操作されることで、モータMが駆動して、シートクッション本体部42及びシートバック本体部76が同期しながら変位するようになっている。具体的には、操作部50がシート下側へスライド操作されると、シートクッション本体部42がシート下側へ変位すると共に、シートバック本体部76がシート後側へ変位するようになっている。一方、操作部50がシート上側へスライド操作されると、シートクッション本体部42がシート上側へ変位すると共に、シートバック本体部76がシート前側へ変位するようになっている。
【0060】
そして、シートクッション本体部42及びシートバック本体部76は、着座乗員による操作部50の操作が解除された時点の位置に停止するようになっている。さらに、着座乗員による操作部50の操作が継続された場合には、シートクッション本体部42が最下位置又は最上位置において停止し、シートバック本体部76が最後位置又は最前位置において停止するようになっている。
【0061】
また、第2ギヤボックス142における減速比は、第1ギヤボックス122の減速比に比して大きくなるように設定されている。つまり、シートクッション本体部42の変位量(シートクッションサイド部46に対するシートクッション本体部42の窪み量)が、シートバック本体部76の変位量(シートバックサイド部80に対するシートバック本体部76の窪み量)に比して大きく設定されている(本実施の形態では、シートクッション本体部42の変位量が40mmで、シートバック本体部76の変位量が30mmに設定されている)。
【0062】
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0063】
上記のように構成された車両用シート10では、シートクッション本体部42の最上位置では、シートクッション本体部42とシートクッションサイド部46との間で段差が生じないようにシートクッション本体部42がシートクッションサイド部46に対して配置されている(図2参照)。また、シートバック本体部76の最前位置では、シートバック本体部76とシートバックサイド部80との間で段差が生じないようにシートバック本体部76がシートバックサイド部80に対して配置されている(図2参照)。
【0064】
ここで、可変機構100の第1可変機構部110にシートクッション本体部42が支持されており、可変機構100の第2可変機構部130にシートバック本体部76が支持されている。
【0065】
そして、車両用シート10によるホールド感をアップするために着座乗員が操作部50をシート下側へスライド操作すると、モータMが駆動されて、モータMの駆動力がトルクケーブル124を介して第1ギヤボックス122に伝達される。そして、第1ギヤボックス122に伝達された駆動力が、第1ギヤボックス122のギヤ列を介して第1可変機構部110のリヤリンク116の下端部に伝達されて、リヤリンク116がシート下側(図4の矢印A方向)へ回転する。また、第1可変機構部110は平行リンク機構として構成されているため、リヤリンク116の回転に連動してフロントリンク112がシート下側へ回転して、クッションプレート120がシート下側へ変位する。これにより、シートクッション本体部42がシート下側へ変位して、シートクッション本体部42に対してシートクッションサイド部46がシート上側へ突出される(図1参照)。その結果、着座乗員の大腿部がシートクッションサイド部46によってホールドされる。
【0066】
一方、モータMが駆動されると、モータMの駆動力が、トルクケーブル144を介して第2ギヤボックス142にも伝達される。そして、第2ギヤボックス142に伝達された駆動力が、第2ギヤボックス142のギヤ列を介して第2可変機構部130のロアリンク136の後端部(上端部)に伝達されて、ロアリンク136がシート後側(図4の矢印B方向)へ回転する。また、第2可変機構部130は平行リンク機構として構成されているため、ロアリンク136の回転に連動してアッパリンク132がシート後側へ回転して、バックプレート140がシート後側へ変位する。これにより、シートバック本体部76がシート後側へ変位して、シートバック本体部76に対してシートバックサイド部80がシート前側へ突出される(図1参照)。その結果、着座乗員の脇腹部がシートバックサイド部80によってホールドされる。
【0067】
さらに、シートクッション本体部42及びシートバック本体部76は、着座乗員による操作部50の操作が解除された時点の位置に停止する。また、着座乗員による操作部50の操作が継続された場合には、シートクッション本体部42は最下位置において停止し、シートバック本体部76は最後位置において停止する。このように、シートクッション本体部42のシート上下方向の位置を可変機構100によって可変させることで、シートクッション本体部42に対するシートクッションサイド部46の突出量を容易に変更できる。また、シートバック本体部76のシート前後方向の位置を可変機構100によって可変させることで、シートバック本体部76に対するシートバックサイド部80の突出量を容易に変更できる。
【0068】
以上により、従来技術のようにシートカバーを交換することなく、着座乗員に対するホールド感を変更することができる。したがって、着座乗員に対するホールド感を容易に変更することができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る車両用シート10では、可変機構100によって、シートクッション本体部42がシートクッションサイド部46に対してシート上下方向に変位可能に構成され、シートバック本体部76がシートバックサイド部80に対してシート前後方向に変位可能に構成されている。このため、シートクッションサイド部46(シートバックサイド部80)をシート上下方向(シート前後方向)に変位可能に構成する場合と比べて、着座乗員に対するホールド感の変更を簡易な構成で実現できる。
【0070】
すなわち、仮に一対のシートクッションサイド部46をシート上下方向に変位させる場合には、例えばシートクッションサイド部46の各々をシート上下方向に変位させる一対の可変機構を設ける必要がある。また、この一対の可変機構を同期させる機構等が必要になる。このため、シートクッション本体部42を変位させる場合と比べて可変機構が複雑な構造になる可能性がある。これに対して、本実施の形態の車両用シート10のように、シートクッション本体部42を変位させる場合には、上述のような一対の可変機構を設ける必要がなくなる。このため、当該一対の可変機構を同期させる機構も必要なくなる。したがって、シートクッションサイド部46(シートバックサイド部80)をシート上下方向(シート前後方向)に変位可能に構成する場合と比べて、着座乗員に対するホールド感の変更を簡易な構成で実現できる。
【0071】
また、着差乗員が車両用シート10から降りるときには、着座乗員が操作部50をシート上側へスライド操作して、シートクッション本体部42を最上位置に変位させ、シートバック本体部76を最前位置に変位させる(図2参照)。そして、シートクッション本体部42の最上位置では、シートクッション本体部42が、シートクッションサイド部46に対して段差の生じない位置に配置される。また、シートバック本体部76の最前位置では、シートバック本体部76が、シートバックサイド部80に対して段差の生じない位置に配置される。これにより、シートクッション本体部42を最上位置に配置することで、シートクッション本体部42に対するシートクッションサイド部46のシート上側への突出が抑制される。また、シートバック本体部76を最前位置に配置することで、シートバック本体部76に対するシートバックサイド部80のシート前側への突出が抑制される。したがって、車両用シート10の乗降時に、シートクッション本体部42(シートバック本体部76)を最上位置(最前位置)に配置することで、車両用シート10の乗降性を確保することができる。
【0072】
さらに、シートクッション本体部42のシート下側への変位に同期して、シートバック本体部76がシート後側へ変位する。これにより、着座乗員の上半身(大腿部)及び下半身(脇腹部)がシートクッションサイド部46及びシートバックサイド部80によってホールドされるため、着座乗員に対するホールド性を一層向上できる。
【0073】
一方、シートクッション本体部42のシート上側への変位に同期して、シートバック本体部76がシート前側へ変位する。このため、着座乗員の上半身及び下半身に対するシートクッションサイド部46及びシートバックサイド部80のホールドを同時に解除することができる。これにより、シートクッションサイド部46及びシートバックサイド部80によって着座乗員をホールドするように構成した場合でも、車両用シート10の乗降性を確保できる。
【0074】
また、可変機構100の作動時におけるシートクッション本体部42の変位量がシートバック本体部76の変位量に比べて大きく設定されている。これにより、シートバック60の厚み方向における大型化を抑制しつつ、シートクッション30及びシートバック60の乗員に対するホールド性を高めることができる。
【0075】
さらに、可変機構100の第1可変機構部110及び第2可変機構部130は、平行リンク機構によって構成されている。このため、シートクッション本体部42を並進移動させることができ、シートバック本体部76を並進移動させることができる。これにより、可変機構100が作動するときの着座乗員の姿勢の変化を抑制できる。
【0076】
また、第1可変機構部110では、フロントリンク112及びリヤリンク116がシート前方へ向かうに従いシート上方へ傾斜されており、フロントリンク112及びリヤリンク116の後端部にフロントリンク112及びリヤリンク116の回転中心が設定されている。これにより、シートクッション本体部42が最上位置から最下位置へ変位する際には、シートクッション本体部42がシート前斜め下方(シートバック60に対して離間する方向)へ変位する。したがって、シートクッション本体部42とシートバック60との干渉防止に寄与できる。
【0077】
なお、本実施の形態では、シートクッション本体部42における最上位置では、シートクッション本体部42が、シートクッションサイド部46に対して段差の生じない位置に配置されている。また、シートバック本体部76における最前位置では、シートバック本体部76が、シートバックサイド部80に対して段差の生じない位置に配置されている。これに代えて、最上位置において、シートクッション本体部42がシートクッションサイド部46に対してシート上側へ突出するように構成してもよいし、最前位置において、シートバック本体部76がシートバックサイド部80に対してシート前側へ突出するように構成してもよい。これにより、着座乗員に対する乗降性を一層向上できる。
【0078】
また、本実施の形成では、可変機構100が、第1可変機構部110及び第2可変機構部130を含んで構成されているが、第1可変機構部110及び第2可変機構部130の一方を省略してもよい。すなわち、シートクッション本体部42又はシートバック本体部76を可変機構100によって変位可能に構成してもよい。
【0079】
さらに、本実施の形態では、シートクッション本体部42の変位量がシートバック本体部76の変位量よりも大きく設定されている。これに代えて、シートバック本体部76の変位量とシートクッション本体部の変位量とを同じにしてもよいし、シートクッション本体部42の変位量をシートバック本体部76の変位量よりも小さく設定してもよい。
【0080】
また、第1可変機構部110は平行リンク機構で構成されているが、シートクッションサイド部46に対してシートクッション本体部42をシート上下方向に変位させる機構はこれに限らない。例えば、フロントリンク112を省略して、シートクッション本体部42の後部のみをシート上下方向に変位させるように構成してもよい。この場合には、最下位置におけるシートクッション本体部42の車体フロアに対する傾斜角度が大きくなる。つまり、最下位置では、シートクッション本体部42が側面視でシート前方へ向かうに従いシート上方へ大きく傾斜される。これにより、着座乗員に対するホールド性を向上しつつ、車両前面衝突時におけるサブマリン現象(乗員がシートベルトの下側を潜り込むこと)の発生を抑制できる。
【符号の説明】
【0081】
10 車両用シート
30 シートクッション
42 シートクッション本体部
46 シートクッションサイド部
60 シートバック
76 シートバック本体部
80 シートバックサイド部
100 可変機構
112 フロントリンク(リンク)
116 リヤリンク(リンク)
図1
図2
図3
図4
図5