特許第6141771号(P6141771)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6141771手によって高さ調整可能な放出体が設けられた飲料準備デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141771
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】手によって高さ調整可能な放出体が設けられた飲料準備デバイス
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/46 20060101AFI20170529BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   A47J31/46
   B67D1/08 Z
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-553386(P2013-553386)
(86)(22)【出願日】2012年2月2日
(65)【公表番号】特表2014-506508(P2014-506508A)
(43)【公表日】2014年3月17日
(86)【国際出願番号】NL2012050057
(87)【国際公開番号】WO2012108762
(87)【国際公開日】20120816
【審査請求日】2015年1月13日
(31)【優先権主張番号】2006152
(32)【優先日】2011年2月7日
(33)【優先権主張国】NL
(31)【優先権主張番号】2007192
(32)【優先日】2011年7月28日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】508122091
【氏名又は名称】ブレイビロア・ホールディング・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】Bravilor Holding B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ベルホエベン、ロマヌス・エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】フイベルトス、ヨハネス・テオドルス・エメレンティア
【審査官】 木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−098026(JP,U)
【文献】 特開2011−007309(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/015950(WO,A1)
【文献】 実開昭60−101027(JP,U)
【文献】 特開2010−221028(JP,A)
【文献】 実開平02−018350(JP,U)
【文献】 実開平01−042298(JP,U)
【文献】 国際公開第2006/053456(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/46
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手によって高さ調整可能である放出体(3)が設けられた飲料準備デバイスであり、前記放出体(3)は、供給端(9a)でヒンジ点(S)にハウジング(4)にヒンジ状に取り付けられた調整アーム(9)を備えており、前記調整アーム(9)は、押し下げまたは押し上げられることができ、その調整アーム(9)は、デリバリー端(9b)において、デリバリー開口(7)をもつデリバリーヘッド(6)を懸架しており、
前記デリバリーヘッド(6)は、前記調整アーム(9)を旋回させたときに前記デリバリー開口(7)が実質的に一定の方向を維持するように、前記デリバリー端(9b)に配され旋回軸(Z)に配されたヒンジ手段(8a,8b)を介した前記調整アーム(9)からの懸架によって前記調整アーム(9)に直交して配された前記旋回軸(Z)のまわりに旋回可能である飲料準備デバイスにおいて、
前記調整アーム(9)は、放出体部分(5)とカバー(2)を備えており、前記カバー(2)は、前記旋回軸(Z)上で前記デリバリーヘッド(6)と前記カバー(2)の間に配されている前記ヒンジ手段(8a,8b)を介して前記放出体部分(5)が取り外し可能に取り付けられるが、前記ヒンジ点(S)で前記ハウジング(4)に取り付けられたままであり、
前記デリバリーヘッド(6)はさらに、らなるヒンジ手段(22a,22b)を介した前記放出体部分(5)からの懸架によってらなる旋回軸(Z2)のまわりに旋回可能であり、前記さらなる旋回軸(Z2)は、前記放出体部分(5)に直交して配され、かつ、前記旋回軸(Z1)に平行に走っており、前記さらなるヒンジ手段(22a,22b)は、前記デリバリー端(9b)に配され、かつ、前記さらなる旋回軸(Z2)上に配されており、
前記カバー(2)は、前記放出体部分(5)の長手方向にシフト可能であることを特徴とする飲料準備デバイス(1)。
【請求項2】
前記ヒンジ手段(8a,8b)は、前記デリバリーヘッド(6)から前記旋回軸(Z)に沿って反対方向に延びているヒンジ突出部(20a,20b)を備えており、前記ヒンジ突出部(20a,20b)は、前記調整アーム(9)の前記カバー(2)に備えられたヒンジ凹部(21a,21b)の中に延びている請求項1に記載の飲料準備デバイス(1)。
【請求項3】
前記調整アーム(9)の前記カバー(2)の前記ヒンジ凹部(21a,21b)の中に延びている前記ヒンジ突出部(20a,20b)は、前記デリバリーヘッド(6)に配された弾力手段(19a,19b)との前記ヒンジ突出部(20a,20b)の連結によって前記ヒンジ凹部(21a,21b)を介して外側から内向きに押されることができ、前記弾力手段(19a,19b)は前記旋回軸(Z)に沿って弾力がある、請求項2に記載の飲料準備デバイス(1)。
【請求項4】
前記弾力手段(19a,19b)は、前記旋回軸(Z)に直交して配され、前記調整アーム(9)の前記カバー(2)の中の湾曲案内溝に係合する案内突出部(10a,10b)が設けられている、請求項3に記載の飲料準備デバイス(1)。
【請求項5】
前記調整アーム(9)は、スプリング要素(12,13,14)と摩擦デバイス(11)を介して前記ヒンジ点(S)で前記ハウジング(4)と連結されている、請求項1ないし4のいずれか一つに記載の飲料準備デバイス(1)。
【請求項6】
前記摩擦デバイス(11)は、ロッキングリング(14)と締結具プレート(12)の間に配置されており、その外側に皿ばね(13)が配置されている、請求項5に記載の飲料準備デバイス(1)。
【請求項7】
前記摩擦デバイス(11)は摩擦リングを備えている、請求項5または6に記載の飲料準備デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手によって高さ調整可能な放出体が設けられた飲料準備デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような準備デバイスは、たとえばDE29.810.291から知られている。この刊行物は、手によって調整可能な高さ調整可能出口をもつコーヒーマシーンを説明している。出口は、飲料準備デバイスの装置本体に対して高さ調整可能な回収トレイの形をしたハウジングを備えており、その中に装置本体に堅く連結されたコーヒーデリバリーチャンネルが放出する。回収トレイの下側部分には、一つ以上のデリバリー開口が、回収トレイからカップまたはジャグなどの飲料容器にコーヒーをデリバリーするために設けられている。出口の高さは、回収トレイに取り付けられたハンドルによって使用者によって手動で調節されることができ、それで、コーヒーデリバリーチャンネルをもつ装置本体に対して垂直方向に回収トレイは移動されることができる。使用者による高さセッティング調節は、回収トレイ上の強磁性体の二つのストリップを引き付ける装置本体に取り付けられた二つの磁石のために維持される。
【0003】
そのような飲料準備デバイスの不具合は、回収トレイの高さを調節するために相当な力が必要とされることであり、それは、互いにこすれる表面の結果として回収トレイは移動の際に比較的多くの摩擦に遭遇するからである。さらに、磁石は、回収トレイの移動時に、強磁性体のストリップに比較的高い永久的引き付け力を及ぼし、高さの調整をさらに妨害する。
【0004】
したがって、手によって高さ調整可能である放出体が設けられた、高さ調整がより滑らかに実行されることができる飲料準備デバイスを提供することが本発明の目的である。
【0005】
飲料の放出方向がすべてのセッティングに対して実質的に一定である飲料準備デバイスを提供することが本発明のさらなる目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE29.810.291
【発明の概要】
【0007】
この目的のために、手によって高さ調整可能である放出体が設けられた飲料準備デバイスは、放出体デバイスが、供給端でヒンジ点にハウジングにヒンジ状に取り付けられた調整アームを備えており、その調整アームは、デリバリー端に、デリバリー開口をもつデリバリーヘッドを備えており、前記デリバリーヘッドは、前記調整アームを旋回させたときに前記デリバリー開口が実質的に一定の方向を維持するように、前記デリバリー端に配され旋回軸に配されたヒンジ手段を介した前記調整アームからの懸架によって前記調整アームに直交して配された前記旋回軸のまわりに旋回可能である、ことを特徴とする。
【0008】
前記調整アームが、ヒンジ点に取り付けられた高さ調整機構を使用するという事実のため、放出体デバイスの高さを調節することがより容易であり、ただ一点に比較的小さい摩擦が生じ、したがって、高さ調整はより少ない力を必要とするので、調整アームの押し下げまたは押し上げの際に使用者は比較的小さい抵抗に遭遇する。それとともに、前記ヒンジ点に及ぼされる曲げモーメントは、前記アームによって押し上げられ、それにより、高さ調整は、より滑らかに実行されることができる。
【0009】
また、前記デリバリーヘッドも、前記デリバリー端に配され旋回軸に配されたヒンジ手段を介した前記調整アームからの懸架によって前記調整アームに直交して配された前記旋回軸のまわりに旋回可能であるので、調整の際に前記デリバリーヘッドと前記デリバリー開口の方向は同じままであり、前記デリバリーヘッドは重力ベクトルに整列している。それから、前記デリバリー開口は、通常、実質垂直軌道に従う。
【0010】
一つの実施形態は、前記ヒンジ手段が、前記デリバリーヘッドから前記旋回軸に沿って反対方向に延び、前記調整アームに備えられたヒンジ凹部の中に延びているヒンジ突出部を備えている、飲料準備デバイスに関する。このようにして、前記デリバリーヘッドと前記調整アームの間の比較的単純で信頼できるヒンジ連結が得られる。
【0011】
さらなる実施形態は、前記調整アームの中の前記ヒンジ突出部が、前記デリバリーヘッドに配された弾力手段との前記ヒンジ突出部の連結によって前記ヒンジ凹部を介して外側から内向きに押されることができ、前記弾力手段は前記旋回軸に沿って弾力がある。たとえば親指と人差し指を使用することによって、前記ヒンジ突出部が外側から内向きに押されることができるという事実のため、たとえばクリーニングのために前記デリバリーヘッドが分解されることができるように、前記ヒンジ突出部と前記調整アームの間の連結を使用者が容易に壊すことができる。前記弾力手段は、前記デリバリーヘッドが前記調整アームから落ちないように、使用のあいだ、前記ヒンジ突出部が前記ヒンジ凹部の中に配置されたままにする。
【0012】
またさらなる実施形態は、前記弾力手段が、前記旋回軸に垂直に配され、前記調整アームの中の湾曲案内溝に係合する案内突出部が設けられている、飲料準備デバイスに関する。前記案内突出部および湾曲案内溝は、前記デリバリーヘッドのヒンジに、前記デリバリーヘッドと前記調整アームの間のより良く、より頑丈な連結が得られることをもたらす。前記弾力手段、使用のあいだ、前記案内突出部が前記案内溝の中によく配置されたままにする。
【0013】
またさらなる実施形態は、前記調整アームが、放出体部分と、前記放出体部分に取り外し可能に取り付けられるカバーを備えている、飲料準備デバイスに関する。クリーニング快適さを高めるため、前記調整アームは前記放出体部分で作られることができ、それを介して飲料が前記デリバリー端と前記デリバリーヘッドまで流れ、前記カバーは取り外し可能である。前記カバーは、前記放出体部分に固定されることができる。前記カバーはさらに、前記デリバリーヘッドの上側を覆う。
【0014】
またさらなる実施形態は、前記ヒンジ手段が、前記デリバリーヘッドと前記カバーの間に配されている、飲料準備デバイスに関する。
【0015】
さらなる実施形態は、前記デリバリーヘッドがさらに、らなるヒンジ手段を介した前記放出体部分からの懸架によってらなる旋回軸のまわりに旋回可能であり、前記さらなる旋回軸は、前記放出体部分に直交して配され、かつ、前記旋回軸に平行に走っており、前記さらなるヒンジ手段は、前記デリバリー端に配され、かつ、前記さらなる旋回軸上に配されており、前記カバーは、前記放出体部分の長手方向にシフト可能である、飲料準備デバイスに関する。前記デリバリーヘッドは、前記カバーのほかに、前記放出体部分に旋回可能に連結されているので、前記調整アームは、前記デリバリーヘッドが「たれ下がる」ことなく、所定の位置に配置されることができる。加えて、前記カバーが、前記放出体部分に対して同様の方法でシフトまたは移動可動であることは適切である。
【0016】
さらなる実施形態は、前記調整アームが、スプリング要素と摩擦デバイスを介して前記ヒンジ点で前記ハウジングと連結されている、飲料準備デバイスに関する。前記摩擦デバイスは、前記調整アームの調整のあいだに調節された位置が前記ハウジングに対して維持されるようにする。前記スプリング要素は、前記摩擦デバイスに余分な圧力を与える。
【0017】
またさらなる実施形態は、前記摩擦デバイスが、ロッキングリングと締結具プレートの間に配置されており、その外側に皿ばねが配置されている、飲料準備デバイスに関する。前記皿ばねは、前記締結具プレートに圧力を及ぼし、その結果、これは前記摩擦リングに対して押し付けられる。
【0018】
またさらなる実施形態は、前記摩擦デバイスが摩擦リングを備えている、飲料準備デバイスに関する。前記調整アームの回転動作が生じるので、前記摩擦リングを使用することは有益である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明による放出体デバイスをもつ飲料準備デバイスの実施形態の一例が、添付の図に関連して説明される。
図1図1は、本発明による放出体デバイスをもつ飲料準備デバイスの斜視図を示している。
図2図2は、図1の放出体デバイスの詳細図を示している。
図3図3は、放出体デバイスのカバーが取り外された図2の放出体デバイスを示している。
図4a図4aは、第一の調整セッティングにある本発明による放出体デバイスの断面の側面図を示している。
図4b図4bは、第二の調整セッティングにある本発明による放出体デバイスの断面の側面図を示している。
図5図5は、調整アームがハウジングから取り外された本発明による放出体デバイスの斜視図を示している。
図6図6は、ハウジングに対してカバーを固定するための心出しデバイスが示された本発明による分解された放出体デバイスの斜視図を示している。
図7図7は、その中に供給ダクトが配置された放出体部分の斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明による飲料出口3をもつ飲料準備デバイス1の斜視図を示している。飲料出口3は、大部分が飲料準備デバイス1の外側に配置されており、樽形状デリバリーヘッド6が設けられた調整アーム9と共に、支持プレート23によって支持されるカップやジャグなどの飲料容器24の上方に配されている。調整アーム9は、飲料準備デバイス1の一つまたはさらに多くの供給ダクトに供給端で連結されている。飲料準備デバイスに配されたコントロールパネルを介した使用者による飲料の注文とその飲料のデバイスによる準備の後、準備された飲料は、さらなる供給ダクトを通って、調整アームの供給端に供給され、続いてデリバリーヘッドとデリバリー開口7をもつデリバリー端に導かれる。そこで、飲料は飲料出口3を去る。飲料容器24に対する飲料出口3の高さを使用者が調節することができるので、ジャグなどの比較的高い飲料容器24が飲料出口3の下に適合しないこと、また、比較的低い飲料容器では、デリバリー開口7と飲料容器24の間の距離が一般に比較的大きく、飛び散りが生じることが防止される。
【0021】
図2は、図1の飲料出口3の詳細図を示している。調整アーム9は、放出体部分5の供給端9aがハウジング4の中に配されており、ヒンジ軸Sのまわりで回転可能である。デリバリーヘッド6も、調整アーム9のデリバリー端(図示せず)に対して軸Z1のまわりに旋回可能に配されている。デリバリーヘッド6は、ヒンジ手段8a,8bを介してカバー2から懸架されている。図示された実施形態では、ヒンジ手段8a,8bは、カバー2のヒンジ穴21a,21bの中に配置されるヒンジ突出部20aを備えている。カバー2は、放出体部分5に取り外し可能に接続されている。二つの回転軸SおよびZ1の存在のため、デリバリー開口7は、調整するとき、ハウジング4に対して同じ方向を維持することができる。図2に示されるように、回転軸SおよびZ1は、使用のあいだ、実質的に水平に延びている。回転軸SおよびZ1はまた、好ましくは互いに平行に走っている。
【0022】
述べられたように、調整アーム9の位置は使用者によって手動で合わせられることができ、調整アーム9と、一方ではカバー2との間に、他方ではハウジング4との間に配された心出しデバイス16が、ハウジングに対して調整アーム9の位置を固定する。
【0023】
図3は、放出体デバイスのカバーが取り外された図2の放出体デバイスを示している。放出体部分5は、長手方向に延びている三つのデリバリーチャンネル18が設けられていることが見てとれる。デリバリーチャンネル18は、デリバリー端9bにおいてデリバリーヘッド6の下側にある二つのデリバリー開口7の中に放出する。デリバリーチャンネル18の二つは、一つのデリバリー開口7で合流する。このように、たとえば、二つの飲料供給流れは、最終飲料の配合に影響を及ぼすために混合されることができる。必要に応じて、放出体部分5の中のデリバリーチャンネル18は、飲料供給ダクトの固定/案内として役立つことができる。これは、さらに図7に関連して説明される。
【0024】
ヒンジ突出部20a,20bは圧力表面が設けられており、ヒンジ突出部20a,20bの上に配された二つの案内突出部10a,10bに連結されている。使用のあいだ、案内突出部10a,10bは、カバー2のデリバリーヘッドの案内回転を可能にし、案内突出部10a,10bは、カバー2の内側にある同中心に配された凹部または曲線溝の中を移動することができる。圧力表面が使用者によって内向きに押されたとき、カバー2がデリバリーヘッド6から取り外されることができるように、カバー2との連結が外れる。したがって、デリバリーチャンネル18は、たとえばクリーニングやメンテナンスのために、良好にアクセス可能である。図3に見られ得るように、さらなるヒンジ部分22a,22bが、調整アーム9から第二の旋回軸Z2に沿ってデリバリーヘッド6の中の凹部の中へ反対方向に突出している。軸Z2は、前述された軸Z1およびSに実質的に平行に走っている。あるいは、凹部が調整アーム9の中に配され、さらなるヒンジ部分がデリバリーヘッド7上に配されることもできる。
【0025】
図4aは、第一の旋回位置にある本発明による飲料出口3の断面の側面図を示している。デリバリー開口7は、この代表的実施形態では鉛直に整列していることが見てとれる。図示された調整アーム9は、互いに対して実質的に垂直に配置された二つの部分を備えており、第一の部分は、点Sにおいてハウジング4の中にヒンジ状に配されている。第一の部分に堅く連結された調整アーム9の第二の部分は、一つ以上のデリバリーチャンネル18を備えている。心出しデバイス16は、図4aおよび4bに関連して説明され、調整アーム9をこの位置に固定させる。
【0026】
図4bは、第二の旋回位置にある本発明による飲料出口3の断面の側面図を示している。図bにおいて、飲料出口3が図4aの第一の位置に対して下方に回転されたことが見てとれる。デリバリー開口7をもつデリバリーヘッド6も、デリバリーヘッド6を調整アーム9に対して旋回可能に配することによって、鉛直に整列している。さらなるヒンジ部分をデリバリーヘッド6と放出体部分5の間に配することによって、デリバリーヘッド6はカバー2と放出体部分5の両方に取り付けられるので、デリバリーヘッド6のたれ下がりが防止される。カバー2が放出体部分5に沿ってシフト可能であることは適切であり、そうでなければ、旋回軸Z1のまわりのデリバリーヘッド6の回転は可能でない。図示されたような位置は、第一の位置で使用されるような飲料容器よりも低い高さをもつ飲料容器に適している。
【0027】
図5は、調整アームがハウジングから取り外された本発明による飲料出口3の斜視図を示している。カバー2は、放出体部分5を取り外したときに、ハウジング4の中に残ることができ、メンテナンスやクリーニングをより簡単にする。
【0028】
図6は、ハウジングに対してカバーを固定するための心出しデバイスが示された本発明による分解された放出体デバイスの斜視図を示している。使用のあいだ、カバー2は、カバー回転穴17aおよび17bがカバー回転突出部15aおよび15bを覆って配置される。心出しデバイス16は、ロッキングリング14と締結具プレート12を備えており、それらの間に摩擦リング11が配されている。使用のあいだ、ロッキングリング14と摩擦リング11と締結具プレート12は、ハウジング4の直立壁とカバー回転突出部15aの間に配置されている。カバー回転突出部15aと締結具プレート12の間に、皿ばね13が、追加圧力を生成するために配置されている。
【0029】
図7は、その中に供給ダクトが配置された放出体部分5の斜視図を示している。準備された飲料の放出体部分5を介したデリバリーヘッドへのよりコントロールされた輸送を達成するためにデリバリーチャンネルの中に一つ以上の供給ダクト25を置くことも必要に応じて可能である。供給端9aにおいて、一つ以上のダクト25は、飲料準備デバイスのさらなる一つまたは複数の供給ダクトに連結されている。準備された飲料は、後に、一つ以上のダクト25を介してデリバリーヘッドをもつデリバリー端9bに輸送される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 手によって高さ調整可能である放出体(3)が設けられた飲料準備デバイスにおいて、前記放出体(3)は、供給端(9a)でヒンジ点(5)にハウジング(4)にヒンジ状に取り付けられた調整アーム(9)を備えており、前記調整アーム(9)は、押し下げまたは押し上げられることができ、その調整アーム(9)は、デリバリー端(9b)に、デリバリー開口(7)をもつデリバリーヘッド(6)を備えており、前記デリバリーヘッド(6)は、前記調整アーム(9)を旋回させたときに前記デリバリー開口(7)が実質的に一定の方向を維持するように、前記デリバリー端(9b)に配され旋回軸(Z)に配されたヒンジ手段(8a,8b)を介した前記調整アーム(9)からの懸架によって前記調整アーム(9)に垂直に配された前記旋回軸(Z)のまわりに旋回可能である、ことを特徴とする飲料準備デバイス(1)。
[2] 前記ヒンジ手段(8a,8b)は、前記デリバリーヘッド(6)から前記旋回軸(Z)に沿って反対方向に延び、前記調整アーム(9)に備えられたヒンジ凹部(21a,21b)の中に延びているヒンジ突出部(20a,20b)を備えている、[1]に記載の飲料準備デバイス(1)。
[3] 前記調整アーム(9)の中の前記ヒンジ突出部(20a,20b)は、前記デリバリーヘッド(6)に配された弾力手段(19a,19b)との前記ヒンジ突出部(20a,20b)の連結によって前記ヒンジ凹部(21a,21b)を介して外側から内向きに押されることができ、前記弾力手段(19a,19b)は前記旋回軸(Z)に沿って弾力がある、[2]に記載の飲料準備デバイス(1)。
[4] 前記弾力手段(19a,19b)は、前記旋回軸(Z)に垂直に配され、前記調整アーム(9)の中の湾曲案内溝に係合する案内突出部(10a,10b)が設けられている、[3]に記載の飲料準備デバイス(1)。
[5] 前記調整アーム(9)は、放出体部分(5)と、前記放出体部分(5)に取り外し可能に取り付けられるカバー(2)を備えている、[1]ないし[4]のいずれか一つに記載の飲料準備デバイス(1)。
[6] 前記ヒンジ手段(8a,8b)は、前記デリバリーヘッド(6)と前記カバー(2)の間に配されている、[5]に記載の飲料準備デバイス(1)。
[7] 前記デリバリーヘッド(6)はさらに、前記デリバリー端(9b)に配されさらなる旋回軸(Z2)上に配されたさらなるヒンジ手段(22a,22b)を介した前記放出体部分(5)からの懸架によって前記放出体部分(5)に垂直に配され前記旋回軸(Z1)に平行に走っているさらなる旋回軸(Z2)のまわりに旋回可能であり、前記カバー(2)は、前記放出体部分(5)の長手方向にシフト可能である、[5]または[6]に記載の飲料準備デバイス(1)。
[8] 前記調整アーム(9)は、スプリング要素(12,13,14)と摩擦デバイス(11)を介して前記ヒンジ点(S)で前記ハウジング(4)と連結されている、[1]ないし[7]のいずれか一つに記載の飲料準備デバイス(1)。
[9] 前記摩擦デバイス(11)は、ロッキングリング(14)と締結具プレート(12)の間に配置されており、その外側に皿ばね(13)が配置されている、[8]に記載の飲料準備デバイス(1)。
[10] 前記摩擦デバイス(11)は摩擦リングを備えている、[8]または[9]に記載の飲料準備デバイス(1)。
【0030】
参照数字
1. 飲料準備デバイス
2. カバー
3. 飲料出口
4. ハウジング
5. 放出体部分
6. デリバリーヘッド
7. デリバリー開口
8a. 第一のヒンジ突出部
8b.第二のヒンジ突出部
9. 調整アーム
9a. 供給端調整アーム
9b. デリバリー端調整アーム
10a. 第一の案内突出部
10b. 第二の案内突出部
11. 摩擦リング
12. 締結具プレート
13. 皿ばね
14. ロッキングリング
15a. 第一のカバー回転突出部
15b. 第二のカバー回転突出部
16. 心出しデバイス
17a. 第一のカバー回転穴
17b. 第二のカバー回転穴
18. デリバリーチャンネル
19a. 第一の弾力部分
19b. 第二の弾力部分
20. 支持プレート
21a. 第一のヒンジ穴
21b. 第二のヒンジ穴
22a. 第一のさらなるヒンジ部分
22b. 第二のさらなるヒンジ部分
23. 支持プレート
24. 飲料容器
25. 供給ダクト
Z1. 旋回軸
Z2. さらなる旋回軸
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7