(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(a)の少なくとも1種の非イオン界面活性剤が、炭素数20〜22の炭素鎖及び18〜50個のエチレンオキシド基を有するエトキシル化アルコールである第1非イオン界面活性剤と、炭素数11〜18の炭素鎖及び1〜50個のエチレンオキシド基を有するエトキシル化アルコールである第2非イオン界面活性剤と、を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
前記(a)の少なくとも1種の非イオン界面活性剤が、炭素数20〜22の炭素鎖及び18〜50個のエチレンオキシド基を有するエトキシル化アルコールである第1非イオン界面活性剤と、炭素数11〜18の炭素鎖及び1〜50個のエチレンオキシド基を有するエトキシル化アルコールである第2非イオン界面活性剤と、を含む、請求項2に記載の洗浄組成物。
前記洗浄組成物の前記硬質表面への適用の直後に又はそれから予め決められた時間経過した後に、前記組成物を前記硬質表面上で手動で移動させて前記硬質表面を洗浄する、請求項1に記載の洗浄組成物。
前記洗浄組成物の前記硬質表面への適用の直後に又はそれから予め決められた時間経過した後に、前記組成物を前記硬質表面上で手動で移動させて前記硬質表面を洗浄する、請求項2に記載の洗浄組成物。
前記洗浄組成物の前記硬質表面への適用の直後に又はそれから予め決められた時間が経過した後に、前記組成物を前記硬質表面上で手動で移動させて前記硬質表面を洗浄する、請求項12に記載の洗浄組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[定義]
本明細書で使用するとき、「組成物」とは、1成分以上を有する任意の物質を指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、「粘着性の(self−adhesive)」又は「粘着性(self−adhering)」とは、別個の接着剤又は他のサポート装置を必要とせずに硬質表面に貼りつく組成物の能力を指す。一実施形態において、粘着性組成物は、当該組成物を使い切ったときに残留物又は他の物質(すなわち、追加の接着剤)を全く残さない。
【0014】
本明細書で使用するとき、「ゲル」は、通常の固体でも通常の液体でもなく、むしろ降伏応力が0ではない相互作用粒子又はポリマーのネットワークを有する液体から構成される無秩序固体(disordered solid)を指す。ゲルの粘度は、ゲル全体を通じて100%均一でなくてもよいが、ゲルの任意の点では、開示された範囲内、すなわち約600,000cp〜約1,500,000cpの範囲である。
【0015】
本明細書で使用するとき、「芳香剤」とは、任意の香料、消臭剤、臭気マスキング剤など、及びこれらの組み合わせを指す。いくつかの実施形態において、芳香剤は、消費者又はユーザの嗅覚に効果を発揮し得る任意の物質である。
【0016】
本明細書で使用するとき、「重量%」は、全配合中の成分の重量割合を指し、ここで、全配合は100重量%に等しい。例えば、活性成分10%の成分は組成物中に1重量%の量で含まれるとされると、これは配合に対してかかる量で含まれているのであって、活性成分に基づくものではなく、活性成分0.1重量%(すなわち、1重量%の10%)である。
【0017】
本明細書で使用するとき、「硬質表面」とは、任意の多孔性表面及び/又は無孔表面を指す。一実施形態において、硬質表面は、セラミック、ガラス、金属、ポリマー、石材、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。別の実施形態においては、硬質表面は、シリコンウェハ及び/又は他の半導体材料を包含しない。セラミック表面の限定されない例としては、便器、シンク、シャワー、タイルなど、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ガラス表面の限定されない例としては、窓などが挙げられる。金属表面の限定されない例としては、ドレン管、シンク、自動車など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリマー表面の限定されない例としては、PVC管、ガラス繊維、アクリル樹脂、コーリアン(登録商標)など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。石材硬質表面の限定されない例としては、花崗岩、大理石などが挙げられる。
【0018】
硬質表面は、任意の形状、サイズであってよく、又はその所望の目的に適した任意の配向性を有してもよい。一つの限定されない例では、硬質表面は、鉛直構成で配向し得る窓であってよい。別の限定されない例では、硬質表面は、セラミック便器などの曲面の表面であってよい。また別の限定されない例では、硬質表面は、縦方向及び横方向の要素を有し、更には曲面要素を有する管の内部であってよい。硬質表面の形状、サイズ及び/又は配向性は、以下に記載の条件下での組成物の輸送特性が予想外に強いため、本発明の組成物に影響を及ぼさないと考えられる。
【0019】
本明細書で使用するとき、「界面活性剤」とは、液体、例えば水の表面張力を低下させる任意の試薬を指す。本発明での使用に好適であり得る例示的な界面活性剤の例は以下に記載する。
【0020】
使用する際、本発明の組成物は、便器、シャワー又は浴槽のエンクロージャ、ドレン、窓などのように処理しようとする、例えば洗浄しようとする濡れた又は乾燥した硬質表面上に直接適用され、その硬質表面に対し、粘着性組成物及び前記表面の上を通過する複数の水の流れ、例えばトイレのすすぎ水、シャワー、すすぎ液などを包含するものによって粘着し得る。組成物上に水が流れるたびに、組成物の一部が、組成物上を流れる水の中に放出される。表面を覆う水に放出された組成物の一部は、連続湿潤膜を表面に生じさせ、その結果、組成物に含まれる活性剤に応じて、即時及び長期の洗浄及び/又は殺菌及び/又は芳香又は他の表面処理を提供する。組成物ひいては組成物の活性剤は、表面と直接接している初期の組成物の配置から広がって又は運ばれて、表面上の広範囲の面積を連続して被覆し得ると考えられる。湿潤膜は、コーティングとして働いて、粘着性組成物からあらゆる方向へ、すなわちすすぎ水の流れに逆らう方向も含む組成物から360°の方向に広がる。液体の表面の動きは、表面下の流体の動きと連動しているので、液体の動きによって通常は表面に応力が生じ、そしてその逆もまた同様に生じる。ゲル及び/又は活性成分の動きに関するメカニズムを以下に更に詳細に述べる。
【0021】
[組成物]
この組成物は、ゲル又はゲル様の稠度を有する。前記実施形態においては、組成物は堅いが、固体のように剛性ではない。ゲル組成物は、約600,000cp〜約1,500,000cpの粘度を有し、その粘度が、物理的安定性を有するゲル組成物をもたらし、組成物を予め決められたサイズの部分に提供することができ、また、ユーザが所望量のゲル組成物を、洗浄しようとする硬質表面に適用ディスペンサーなしで手動で配置することもできる。手動で配置するための前記サイズの部分を供給する例は、(1)熱成形された水溶性トレー内に前記部分を供給すること、及び(2)前記部分に材料の剥離ストリップを供給することである。トレーの実施形態において、先ず、その上部開放部を、剥離可能なシールで密封する。各実施形態は、前記組成物部分の少なくとも一面が、硬質表面に適用するまで露出し得るように供給されるように構築される。ゲル組成物は、次いで、硬質表面に粘着させるために、ユーザがゲル組成物の露出面を硬質表面に押し付けることによって単に指圧により配置され、その結果、付着したゲル組成物の上を複数の別個の水が流れてもゲル組成物はその配置に留まっている。水溶性トレー実施形態では、トレーは、洗浄組成物をすすぎ水の流れに最後まで溶解させる。剥離ストリップを用いた実施形態では、ストリップは、剥離によって手動で除去することが可能であり、又は水溶性形態で提供することも可能である。
【0022】
本発明の組成物によって得られる改善された粘着性は、複数のすすぎ水の流れによって剥離されず、さらに組成物の一部が時間が経つにつれて徐々に洗い流されることなしに垂直表面への適用を可能にし、所望の洗浄及び/又は殺菌及び/又は芳香又は他の処理作用を提供する。この組成物は、完全に洗い流されると、除去すべきものは何も残っておらず、組成物は単に塗布されているだけである。
【0023】
本発明の高粘度の洗浄組成物は、すすぎ水の作用下でも寸法安定性を有するものであり、好ましい実施形態においては、少なくとも1種の非イオン界面活性剤、好ましくはエトキシル化アルコールと、少なくとも1種のアニオン界面活性剤、好ましくはアルキルエーテル硫酸又はアルキルエーテルスルホン酸のアルカリ金属塩と、非極性炭化水素、好ましくは鉱油と、非エトキシル化直鎖第一級アルコール混合物又はエトキシル化直鎖第一級アルコール混合物を含む第二の非イオン界面活性剤であって、混合物のアルコールがそれぞれ、9〜17個の炭素を含有する炭素鎖を含むもの(本明細書では利便性のために、それぞれ「非エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物」及び「エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物」と称する)と、多価アルコールと、被膜形成性親水性ポリマーと、水と、任意で芳香剤、着色料、保存料、溶媒、酸及び研磨剤と、を含む。第二の非イオン界面活性剤は、前記の少なくとも1種の非イオン界面活性剤とは異なる。
【0024】
被膜形成性親水性ポリマーは、表面及び/又は周囲環境を処理するための活性剤が付着するのに有用であるだけでなく、前記活性剤の拡散ひいては伝達をも拡大させる。いくつかの実施形態では、組成物はまた、湿潤被膜の拡張を増強させる超湿潤化合物を含んでもよい。組成物は、外部の吊り具又はホルダーを必要とせずに使用時の安定性を示すので、長時間経過後に前記表面に組成物を新たに適用することを要するのみであり、どの道具も取り外す必要がない。非エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物及びエトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物はそれぞれ、処理中に組成物のゲル化温度を低下させるのに役立ち、それによって組成物を低温で処理することができ、組成物成分の劣化又は劣化する可能性を軽減する。これは特に、熱処理を利用するときに当てはまり、この場合、鉱油がゲル化温度を上昇させる。直鎖第一級アルコール混合物は、その温度を低下させるのに役立つ。そのため、非エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物又はエトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物を含むことで、更に安定な成分、そして更に安定な製品が提供される。本発明の組成物にとって重要な配合パラメータは、粘着性である。一般に、製品性能を改善するために、組成物の粘着特性を高める。また一方、粘着性が向上すると、組成物のゲル点も高くなる。最適な製品性能のためには、ゲル点を安定させて、処理温度を最小にしながらバランスをとると同時に、輸送中、保管中及び使用条件下での組成物のゲル構造を維持することが求められる。このことは、前記直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物又はエトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物を含むことよって達成され、粘着性、作動力及び最大ゲル粘度への影響を最小限に抑えながらゲル点を所望の値まで低下させる又は抑制するのに役立つ。
【0025】
少なくとも1種の(すなわち、第一の)非イオン界面活性剤は、約20重量%〜約80重量%、好ましくは約20重量%〜約60重量%の量で、最も好ましくは約20重量%〜約30重量%の量で存在する。1種以上の非イオン界面活性剤は、好ましくは炭素数19〜20の平均配合鎖長分布(average formula chain length distribution)を有するように使用され得る。したがって、豊富な量の1種の非イオン界面活性剤を使用することが可能であり、又は、例えば、一方が大きな炭素鎖数を有し、もう一方が小さな炭素鎖数を有する、例えばC
22非イオン界面活性剤とC
16〜18非イオン界面活性剤といった、2種の非イオン界面活性剤を使用することも可能である。
【0026】
使用に適した例示的な非イオン界面活性剤としては、18〜50個のエチレンオキサイド基(EO)を有するC
20〜C
22アルキルエトキシレートが挙げられる。別の実施形態では、C
20〜C
22アルキルエトキシレートは、25〜35個のエチレンオキサイド基を、好ましくは粘着促進剤及び非イオン界面活性剤として含む。
【0027】
使用に適した別の非イオン界面活性剤の更に限定されない例としては、アルキルポリグリコシド、例えばヘンケル(シンシナティ、オハイオ、米国)から商品名グルコポン(GLUCOPON)として入手可能なものが挙げられる。アルキルポリグリコシドは次の式:RO−(R’O)
x−Z
nで表され、前記式中、Rは、8〜20個の炭素原子を含有する一価のアルキルラジカル(アルキル基は、直鎖又は分枝状であってよく、飽和又は不飽和であってもよい。)であり、Oは酸素原子であり、R’は、2〜4個の炭素原子を含有する二価のアルキルラジカル、好ましくはエチレン又はプロピレンであり、xは、平均値が0〜12の数であり、zは、5個又は6個の炭素原子を含有する還元型サッカライド部分、好ましくはグルコース、ガラクトース、グルコシル、又はガラクトシル残基であり、nは、平均値が約1〜10の数である。さまざまなアルキルグルコシドの詳細な説明については、米国法定の特許登録H468及び米国特許第4,565,647号を参照し、これらは参照として本明細書に組み込まれる。いくつかの例示的なグルコポンは、表Aに示す通りである(ここで、Zはグルコース部分であり、そしてx=0である。)。
【0029】
使用に適した非イオン界面活性剤の別の限定されない例としては、アルコールエトキシレート、例えばBASF(ルートヴィヒスハーフェン、ドイツ)から商品名ルテンソル(LUTENSOL)として入手可能なものが挙げられる。これらの界面活性剤は、一般式C
13H
25/C
15H
27−OC
2H
4)
n−OH(アルキル基は、C
13/C
15の混合物である。)で表される。ルテンソルAO3(n=3)、AO8(n=8)、及びAO10(n=10)が特に好ましい。別のアルコールエトキシレートとしては、(OC
2H
4)と縮合された第二級アルカノール、例えば、Dow Surfactantsから入手可能なタージトール(TERGITOL)15−S−12、すなわち12(OC
2H
4)と縮合されたC
11〜C
15第二級アルカノールが挙げられる。使用に適した非イオン界面活性剤のもう別の例は、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルである。アミンオキシドもまた好適である。
【0030】
少なくとも1種のアニオン界面活性剤は、好ましくは、組成物中に含まれ、約7.5重量%〜約20重量%の量で含まれる。アニオン界面活性剤は、消費者を大いに満足させる特に強い「発泡」特徴を有する製品をもたらす。
【0031】
使用に適した例示的なアニオン界面活性剤としては、C
6〜C
18アルキルエーテル硫酸のアルカリ金属塩、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩、α−オレフィンスルホン酸塩又はメチルタウリドが挙げられる。別の好適なアニオン界面活性剤としては、アルキル、アルケニル及びアルキルアリール硫酸並びにスルホン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。いくつかのかかるアニオン界面活性剤は一般式RSO
4M又はRSO
3Mで表され、ここで、Rは、炭素原子数約8〜約20のアルキル基若しくはアルケニル基、又はアルキルアリール基であってよく、それらのアルキル部分は炭素原子数約9〜約15の直鎖又は分枝鎖アルキル基であってよく、それらのアリール部分はフェニル又はその誘導体であってよく、そしてMは、アルカリ金属(例えば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム又はリチウム)であってよい。
【0032】
非極性炭化水素、例えば鉱油(好ましくは高純度の白色鉱油)は、本発明の高い粘度を達成する能力をの一因となる。鉱油等の非極性炭化水素を含むことは、さらに、組成物の安定性及び硬質表面、特にセラミック表面への粘着性を向上させるのに役立つ。鉱油は、組成物の全重量に対して約1重量%〜約5重量%の量で含まれる。一実施形態において、鉱油は、約1.5重量%〜約3.5重量%の量で含まれる。別の実施形態において、鉱油は、約1.75重量%〜約2.5重量%の量で含まれる。含まれる鉱油の量は、望ましい粘度だけでなく、配合物の残部の付着性能にも依存する。鉱油の量が増加するにつれて、組成物の粘度及び粘着性もまた向上する。
【0033】
鉱油は、組成物中に用いると利益をもたらすが、界面活性剤及び/又は増粘剤及び/又は粘着促進成分の量を低下させずに鉱油を多量に含有されると、製造及び使用中に組成物の処理を困難にする程組成物が増粘されるとも考えられる。というのも、組成物の堅さが増強されることで処理し難くなるためである。製造中、処理は、高温で行うことも可能だが、そうすることで製造コストも増加し、また、高い温度レベルが原因で別の問題も生じる。
【0034】
非エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物又はエトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物は、0重量%超〜約2.0重量%の量で、好ましくは約0.2重量%〜約1.75重量%の量で、更に好ましくは約1.0重量%〜約1.5重量%の量で含まれる。本発明の組成物中に非エトキシル化直鎖アルコールの混合物又はエトキシル化直鎖第一級アルコールの混合物(ここで、前記混合物のアルコールはそれぞれ、炭素数9〜17の炭素鎖を包含する。)を含有することは、そうすることで組成物中に含まれる前記混合物0.1重量%毎にゲル化温度が約2℃低下することが分かっているため、有効である。非エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物又はエトキシル化直鎖C9〜C17アルコール混合物を含有することにより、洗浄製品を低温で製造可能となり、組成物の少なくともいくつかの成分の劣化又は劣化する可能性が軽減され、成分の安定性ひいては組成物の安定性もが改善される。こうして、製品成分の安定性の向上に起因して洗浄特性が改善された製品が得られる。
【0035】
非エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物又はエトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物を含有することによってゲル化温度を低下させることは有効である。というのも、洗浄組成物形成成分の原材料のいくつかは45℃を超える温度で処理してはならないためである。したがって、処理中のゲル化温度の低下は、処理中に前記材料に生じるあらゆる劣化を軽減して、製造される組成物中に含まれる全成分の量及びその特性につながる。これはまた、劣化が生じる原因となる大量の前記成分を利用しなくてもよいので、必然的にコスト効率が更に高い製品をもたらす。非エトキシル化アルコール混合物又はエトキシル化アルコール混合物を含有することで、粘着性が改善されて、組成物のゲル点を抑制し続けることで組成物処理温度を抑えると同時に、輸送中、保管中及び利用条件下において所望のゲル構造を保持することにより、製品性能が改善できる。本明細書に記載の混合物は、粘着特性、作動力及び最大ゲル粘度への影響を最小限に抑えながら、ゲル点を所望の値まで低下させるのに役立つ。
【0036】
本発明での使用に適した非エトキシル化C9〜C17第一級アルコール混合物の限定されない例は、C12及びC13アルコール、C9〜C11アルコール、C12〜C15アルコール、C14及びC15アルコール、C11−C13−C15アルコール、C16及びC17アルコール、及びC10〜C12アルコールを含有する混合物、並びにこれらの混合物のエトキシレートである。かかるアルコールは、シェル(Shell Company)から市販されており、また、商品名ネオドル(NEODOL)として販売されている。非エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物の例としては、NEODOL 23、NEODOL 91、NEODOL 25、NEODOL 45、NEODOL 135、NEODOL 67及びNEODOL 1が挙げられる。前記混合物のアルコールの一般式は、C
nH
(2n+1)OHであり、ここで、n=9〜17である。
【0037】
使用に適したNEODOLエトキシレートは、同じ親アルコール(parent alcohol)の記載の後に、付加されるエチレンオキシドの平均モル数を示す数字を保有するものであり、例えば、NEODOL 23−1、NEODOL 23−3、NEODOL 23−6.5、NEODOL 23−2、NEODOL 91−8、NEODOL 91−2.5、NEODOL 91−5、NEODOL 91−6、NEODOL 25−2.5、NEODOL 25−3、NEODOL 25−7、NEODOL 25−9、NEODOL 25−5、NEODOL 25−1.3、NEODOL 45−4、NEODOL 45−7、NEODOL 45−6.8及びNEODOL 1−9が挙げられる。
【0038】
本発明での使用に適した直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物の好ましい例は、C12及びC13第一級アルコールの混合物であって、例えば商品名NEODOL 23として販売されている。NEODOL 23の例示的な特性は次の通りである。
【0039】
特性 値
C11以下のアルコール <1%質量/質量
C12アルコール 41%質量/質量
C13アルコール 58%質量/質量
C14以上のアルコール <1%質量/質量
規定濃度最少 75%質量/質量
ヒドロキシル価 285〜294mgKOH/g
分子量 191〜197g/モル
【0040】
C12〜C13第一級アルコール混合物は、好ましくは約1.0重量%〜約1.5重量%の量で使用される。
【0041】
非エトキシル化直鎖C9〜C17第一級アルコール混合物及びそれらのエトキシル化混合物としての使用に適した混合物の例から明らかなように、例えば混合物の提供の仕方で生じる副生物などの、少量の別の直鎖第一級アルコールが含まれていてもよい。本発明の組成物において有用な非エトキシル化直鎖アルコール混合物及びエトキシル化直鎖アルコール混合物は、C9〜C17鎖長のアルコールを混合物の主成分として含有するものであって、それらを合計すると、含まれる大部分のアルコールとなる。非直鎖アルコールは混合物に含まれない。
【0042】
組成物の多価アルコール成分は、0重量%超〜約10重量%、好ましくは0重量%超〜約5重量%の量で含まれる。好ましい多価アルコールはグリセリンである。使用に適した別の多価アルコールとしては、例えばポリオキシエチレンが挙げられる。
【0043】
洗浄組成物中での使用に適した被膜形成性親水性ポリマーとしては、天然及び合成ポリマー、例えばポリアクリレート、多糖類、ポリビニルアルコール、又はポリビニルピロリドンが挙げられる。これらポリマーは、組成物の粘着性を高めるのに役立つことができる。本発明の高粘度の組成物を生成するためには、ポリアクリレートが好ましい。本明細書において有用な被膜形成性ポリマーの限定されない例には、例えば、米国特許第6,593,288号、同第6,767,410号、同第6,703,358号、同第6,569,261号、及び同第7,923,428号に記載されているような、アクリル酸系及びアクリレート系のものを含む。好適なポリマーは、ローディア(Rhodia)から商品名ミラポール(MIRAPOL) SURF Sとして販売されている。好ましいポリマーは、MIRAPOL SURF S−500である。ポリマーは、約0.5重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量〜約5重量%の量で含まれている。更に好ましくは、約1重量%〜約2重量%である。
【0044】
組成物は、水、並びに任意で芳香剤、着色料、保存料、酸、研磨剤、溶媒など、及びこれらの組み合わせといった成分で100重量%にしてもよい。ゲル組成物に含有される研磨剤は、洗浄利益を付与するだけでなく、組成物の粘着特性を高めるのにも役立つ。
【0045】
芳香剤及び芳香物質は、周囲外気の質を向上させるために含有され得る。ゲル組成物は、好ましくは、6重量%未満の芳香剤、更に好ましくは0重量%超〜6重量%の芳香剤を含有する。さらに別の実施形態では、ゲル組成物は、0重量%超〜約5重量%の芳香剤を含み、最も好ましくは、ゲル組成物は、約2重量%〜約5重量%の芳香剤を含有する。
【0046】
少なくとも1種の溶媒を任意で組成物中に含有することで、界面活性剤とその他の液体との混合に役立つことがある。溶媒は、0重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約12重量%の量で、更に好ましくは約5重量%〜約10重量%の量で含まれる。使用に適した溶媒の例は、炭素原子数8個以下の脂肪族アルコール、炭素原子数6以下のアルキレングリコール、アルキレン基1個につき炭素原子数6以下のポリアルキレングリコール、グリコール基当たりの炭素原子数6以下及び各アルキル基中の炭素原子数6以下のアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールのモノ−又はジアルキルエーテル、並びにグリコール基当たりの炭素原子数6個以下及び各エステル基中の炭素原子数6以下のアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールのモノ−又はジエステルである。溶媒の具体例としては、t−ブタノール、t−ペンチルアルコール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、ベンジルアルコール又は2−フェニルエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、グリセリン、エタノール、イソプロパノール及びジプロピレングリコールモノアセテートが挙げられる。好ましい溶媒の一つは、ポリエチレングリコールである。
【0047】
約600,000cp〜約1,500,000cpの粘度を有する本発明によるゲル組成物は、適用すると、粘着性によって濡れた又は乾燥した硬質表面に付着する。組成物は寸法安定性があるため、組成物の上を流れる複数の水の流れによって「広がら」ない又は「流れ出さ」ない。配置中のみならず使用中も複数のすすぎ水を通じてであっても組成物の粘着性及び形状が損なわれないので、消費者はかかる組成物を好むと考えられる。しかし、上述のように、集中的な洗浄が求められる場合、適用した組成物をブラシ、スポンジなどを用いて手動で分散させて前記表面の即時洗浄を提供してもよい。
【0048】
例示的な組成物について以下の表Bに記す。
【0050】
[活性成分の輸送]
上述のように、本発明の組成物は、便器、シャワー又は浴槽のエンクロージャなどといった洗浄しようとする衛生対象の表面に直接適用されてもよく、そして粘着性組成物の上を流れる複数の水の流れ、例えば洗浄水又はシャワーによって前記表面に粘着する。組成物の上を水が流れるたびに、組成物の一部が、組成物が付着する表面へ放出されるだけでなく、水中にも放出されて、長期間の洗浄、殺菌、香り付け、防汚、表面改質、UV保護、ホワイトニング、漂白などを提供する。前記成分を含有することで組成物が、硬質表面に沿って、組成物が当初付着されなかった領域へ拡散及び/又は輸送され、それによって、あらゆる残留利益を組成物から得ることができると考えられる。より具体的には、組成物、ひいては組成物の活性剤は、表面と直接接触している初期の組成物の配置から展開して又は輸送されて、表面上の隣接する拡張された領域を被覆する。液体表面の移動は、表面下の流体の移動と連動しているので、液体の移動によって通常は表面に応力が生じ、そしてその逆もまた同様に生じる。表面の移動、及び表面張力の勾配によって生じる同伴流体の移動は、マランゴニ効果と称される(IUPAC Compendium of Chemical Terminology、第2版、1994年)。そのため、本発明の組成物によれば、液体は液体−空気界面に沿って表面張力の低い領域から表面張力の高い領域へと流れると規定される。マランゴニ流はマクロ対流である。すなわち、撹乱によって流れが生じ、それがやがて増幅されるミクロ対流(不安定性)とは対照的に、界面張力の勾配が非対称的に系に現れる。そのため、組成物によって被覆されている又は組成物と直接隣接している局所領域のみとは対照的に、本発明の組成物の上を水が流れると、組成物は外側へ拡散して、拡大された隣接する表面積を被覆する。
【0051】
すなわち、この効果は、液体層の表面張力に差があるために液体層上又は液体層中で物質移動が生じることにより確認されると考えられる。理論により制限されるわけではないが、比較的高い表面張力を有する液体は比較的低い表面張力を有する液体に比べて周囲の液体を強く引き寄せるので、表面張力の勾配が、液体を比較的低い表面張力の領域から比較的高い表面張力の領域へと流れさせると考えられる。かかる特性であるマランゴニ効果は、高機能半導体ウェハ−処理に用いられる。限定されない例としては、米国特許第7,343,922号及び同第7,383,843号及び同第7,417,016号が挙げられる。
【0052】
しばしばマランゴニ数と称される無次元単位が、材料のマランゴニ効果及びその他の輸送特性が推定するのに用いるられる得ることは、当業者には明らかであろう。材料のマランゴニ効果を推定するのに使用され得るファクターの一つであるマランゴニ数は、式1で表され得る。マランゴニ数は、粘性力に対する表面張力の勾配に起因する力の測定を表す無次元パラメータを提供することが、当業者には明らかであろう。
【0053】
マランゴニ数、M
a=−Γ(dσ/dc)/Dμ
ここで、M
aは、マランゴニ数であり、
Γは、界面活性剤の表面過剰濃度(モル/m
2)であり、
σは、表面張力(N/m)であり、
cは、バルク界面活性剤濃度(モル/m
3)であり、
μは、バルク動的粘度(パスカル秒)であり、
Dは、バルク界面活性剤の拡散係数(m
2/秒)である。
【0054】
上述のように、活性成分を表面近くに輸送するのに用いられる組成物は数多く存在する。しかし、前記組成物の多くは、組成物を表面近くに輸送するための単独メカニズムとして液体の重力又は接着−凝集に依存する。同様に、例えば、従来の液体の浴室クリーナー又は浴室洗浄分野における同様の組成物は、多くの場合、例えばユーザがブラシやその他の用具を用いて組成物を表面近くに手動で拡散させる必要がある。
【0055】
前記の輸送メカニズムは、液体層が付与されるどの硬質表面でも利用でき、しかも便器での使用に必ずしも限定されないことが当業者には明らかであろう。例えば、ユーザは組成物を水又は他の液体が供給され得るシンク、窓、ドレーン、又は任意の他の硬質表面の表面に適用してもよいと仮定される。更なる例示的な表面については、本明細書全般にわたって説明している。
【0056】
この製品は、最初の製品適用領域から360°外側の拡張領域に広がり得る。さらに、組成物は、表面の初期処理及び/又は更なる残留物処理を提供し得る。拡散速度は重要である。というのも、連続フィルムに付与する際には水が必須成分なので、表面上で水が乾燥するまでに要望通りの拡散範囲が完成されなければならないためである。
【0057】
[使用方法]
上述のように、本発明の組成物は、硬質表面に適用したときに硬質表面に即時利益及び/又は残留利益を提供するために使用されてもよく、この場合、前記表面は、表面エネルギー勾配のための層をもたらす水又は何かの別の液体に晒されているものとする。
【0058】
一実施形態では、本発明の組成物は、次の工程:(1)1回分以上の分量の組成物を硬質表面上に適用する工程と、(2)硬質表面そして続いて前記1回分以上の量の組成物を液体層に暴露して、組成物層を拡散及び分散させる工程と、を含んでもよい。製品の使用方法は、更に次の任意の工程:(3)硬質表面そして続いて前記の拡散及び分散された組成物層を液体層に暴露して、組成物層を更に拡散及び分散させる工程、を含んでもよい。組成物が完全に消散するまで前記(3)を無制限に繰り返してよいことが当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態において、液体層は水である。
【0059】
上述のように、硬質表面は、セラミック、ガラス、金属、ポリマー、ガラス繊維、アクリル樹脂、石材など、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0060】
液体層は、意図される機能に適した任意の手段によって提供され得る。例えば、便器の場合、1回分の分量の組成物を便器の内側表面(セラミック硬質表面)に適用してよく、そして便器の洗浄水を流すことで、前記組成物を便器のあちこちへ輸送することを促すのに必要な液体層が供給され得る。別の例では、1回分の分量の組成物を窓の外側表面に適用してもよい。ユーザがホース又はパワーウォッシャーを用いて窓の外側表面に水を散布してもよく、あるいは雨によって窓に水の層を付着させてもよい。また別の例では、1回分の分量の組成物をシンク又はドレーン管の内側に適用してもよい。ユーザが単に蛇口を開けることで、シンク又はドレーン管に水の層を供給してもよい。更に別の例では、1回分の分量の組成物をシャワー室の壁に適用してもよい。ユーザがシャワーを作動させることで、前記表面に液体層を供給してもよい。更に別の例では、液体層は蒸気又は比較的高い湿度によって供給されてもよいと想定されている。
【0061】
約600,000cp〜約1,500,000cpの高粘度を有する本発明のゲル組成物は、使用時に更に変化を引き起こす。特に、ゲル組成物は、予め決められた量、形状などで供給することが可能であり、また、適用ディスペンサーを必要とせずに手動で硬質表面に適用することも可能である。組成物は、剥離ストリップの付いた水溶性トレイなどに予め決められた分量で提供することも可能であり、そのためユーザは、その一表面を露出させて組成物を硬質表面に付着させることで、組成物に触れずに配置を行うことができる。これは、ディスペンサー装置が不要であり、梱包削減の必要性につながるので、製造コスト、ひいては消費者のコストをも削減する。さらに、販売時及び使用していない間の保管時の両方で保管スペースの縮小も消費者に要求されている。高粘度ゲル組成物はまた、硬質表面に適用した後の連続洗浄と、組成物及び表面の上にすすぎ水が通過した後の時間をかけた部分剥離のどちらにも役立つだけでなく、表面に適用直後の使用、又は連続使用期間の経過直後からなくなるまでの使用にも役立つ。後者の場合、集中的な一回限りの表面洗浄のために、ブラシ、スポンジなどを用いて硬質表面上でゲル組成物を移動させる。
【0062】
本発明の組成物のさまざまな適用及び実施形態には、所望の適用に応じて変更可能なさまざまな活性成分又は有益な物質が提供され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0063】
[表面拡散]
約600,000cp〜約1,500,000cpの高粘度を有する本発明の組成物は、とりわけ、移動性及び輸送の向上という利益をもたらす。前記表Bに記載の実施例1及び2の組成物の表面拡散については、以下に記載する「表面拡散法」を用いて試験した。
【0064】
実施例1及び2の組成物の輸送速度係数は、50秒未満、特に約46秒未満である。
【0065】
製品の表面拡散に関する結果(輸送速度係数)を、以下の表Cに記す。輸送速度係数は、秒(時間)で提示する。
【0066】
製品の表面拡散は、以下に記載の表面拡散試験によって測定する。
【0068】
[表面拡散試験]
「輸送速度係数」は、以下のようにして測定する。
【0069】
12インチ×12インチの艶消し又はエッチングガラス板を十分に支持する大きさの平底の試験水槽内に、このガラス板を取り付ける。試験水槽は、約22℃の室温において周囲条件下で実験を行うときにガラス板の表面に水が溜まらないように排水手段を備えている。試験水槽底部上に、4インチ×4インチのセラミックタイル(ガラス板の底縁の各辺にタイル1枚ずつ)を用いてガラス板を支持する。ガラス板の中央4インチ部分は底部に接触していないので、水がガラス板から流れ落ちて流出させることができる。ガラス板は、試験水槽の底部から約39°の角度となるように並置する。
【0070】
ガラス板の第1の辺からそれと対向する辺までには0.5インチ刻みの計測目印が付いている。
【0071】
ガラス板の9インチ目印よりも約3.5インチ上にガラス漏斗(長さ40mm×内径出口15mm、容量>100ml)を供給する。
【0072】
ガラス板を室温の水で洗浄して界面活性剤の痕跡を除去する。洗浄したガラス板上に広がる波状曲線が確認できなくなるまで、この洗浄したガラス板をすすぐ。
【0073】
組成物試料約7g(ゲルの場合、直径約1.5インチの円)を、ガラス板の目印0の位置に適用する。4個のビーカーの水(それぞれ約200ml)を9インチの高さからガラス板の上部に徐々に注ぎ、組成物がつくようにガラス板から水を流れ落とす。
【0074】
約1分後、漏斗に栓をして約100mlの水を供給する。約9インチの目印の位置から更に100mlの水をガラス板上に徐々に注ぐ。約10秒後、栓を外して、ガラス板上に漏斗内の水が流れ出したときにタイマーをスタートする。
【0075】
組成物上に放出された水膜の表面上の波形が、ガラスまで上がってくるのを観察して、組成物が5インチ目印に到達するまでの時間を記録する。
【0076】
この試験を10回繰り返して、その時間(秒)を平均して、「輸送速度係数(秒)」として記録する。
【0077】
本発明の組成物の追加実施例は、以下の表Dに実施例3〜6として記載する。
【0079】
本明細書に開示された例示的な実施形態は、本発明の範囲を網羅するものでもなく、又はそれを不必要に制限するものでもない。これら例示的な実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に本発明の原理を説明することを目的として選択し説明したものである。当業者には明白なように、前述の記載範囲内ではさまざまな変更を行うことが可能である。かかる変更は、当業者の能力の範囲内のものであって、本発明の一部を成し、しかも添付の特許請求の範囲に包含されるものである。