(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141889
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】通信ネットワークにおけるサービスアクセス経験品質問題の予想及び根本原因の推奨
(51)【国際特許分類】
G06F 11/30 20060101AFI20170529BHJP
G06F 11/34 20060101ALI20170529BHJP
H04L 12/70 20130101ALI20170529BHJP
H04W 24/00 20090101ALI20170529BHJP
【FI】
G06F11/30 155
G06F11/34 152
G06F11/30 140D
H04L12/70 100Z
H04W24/00
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-561426(P2014-561426)
(86)(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公表番号】特表2015-516620(P2015-516620A)
(43)【公表日】2015年6月11日
(86)【国際出願番号】EP2013055053
(87)【国際公開番号】WO2013135734
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2014年9月12日
(31)【優先権主張番号】61/609,529
(32)【優先日】2012年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ナガラジュ シリシュ
(72)【発明者】
【氏名】カムダール カシャプ
(72)【発明者】
【氏名】シャムバーガー マーク
(72)【発明者】
【氏名】コンダ プラダップ ヴェンカトラマナン
【審査官】
多胡 滋
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−536360(JP,A)
【文献】
特開2002−342185(JP,A)
【文献】
特開2011−209879(JP,A)
【文献】
特開2010−183220(JP,A)
【文献】
登内敏夫,最尤分析を用いた派生障害に対する障害分析,電子情報通信学会技術研究報告 TM2007−34〜41 テレコミュニケーションマネジメント,日本,社団法人電子情報通信学会,2007年11月 8日,第107巻,第313号,pp.29-34
【文献】
安藤淳,外2名,アンサンブル学習を用いた木構造状画像変換の高精度化,情報処理学会論文誌 数理モデル化と応用,日本,社団法人情報処理学会,2010年 4月15日,第3巻,第2号,pp.65-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/30
G06F 11/34
H04L 12/70
H04W 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインモジュールが、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを含むネットワークデータを受け取り、
前記オンラインモジュールが、前記ネットワークデータの集合から設定間隔でサンプルを発生させることによって、入力セットを準備し、
前記オンラインモジュールが、リアルタイムの前記ネットワークデータから、モデルを使用して推定されたサービスアクセス経験品質(QoE)指示子を出力し、
オフラインモジュールが、セッションログを受け取り、前記セッションログに基づいて出力セットを準備し、
前記オフラインモジュールが、前記入力セット及び前記出力セットに基づき、前記モデルをサービスアクセス経験品質(QoE)問題の領域で学習させることによってオフラインでトレーニングし、
前記オフラインモジュールが、前記トレーニングされたモデルを周期的に前記オンラインモジュールに送り、及び
前記オンラインモジュールが、送られた前記トレーニングされたモデルで前記モデルを更新する、
ことを含む方法。
【請求項2】
前記欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取ることは、少なくとも1つのネットワークマネージメントエンティティからオンライン及びオフラインモードで前記欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セッションログを受け取ることは、少なくとも1つのネットワークエレメントからセッションログを受け取ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セッションログから登録抹消エントリを抽出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記入力セット及び出力セットをデータベースに記憶することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
を備えた装置において、前記装置は、オンラインモジュールとオフラインモジュールとを更に備え、前記少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、少なくとも、
前記オンラインモジュールが、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを含むネットワークデータを受け取り、
前記オンラインモジュールが、前記ネットワークデータの集合から設定間隔でサンプルを発生させることによって、入力セットを準備し、
前記オンラインモジュールが、リアルタイムの前記ネットワークデータから、モデルを使用して推定されたサービスアクセス経験品質(QoE)指示子を出力し、
オフラインモジュールが、セッションログを受け取り、前記セッションログに基づいて出力セットを準備し、
前記オフラインモジュールが、前記入力セット及び前記出力セットに基づき、前記モデルをサービスアクセス経験品質(QoE)問題の領域で学習させることによってオフラインでトレーニングし、
前記オフラインモジュールが、前記トレーニングされたモデルを周期的に前記オンラインモジュールに送り、及び
前記オンラインモジュールが、送られた前記トレーニングされたモデルで前記モデルを更新する、
ようにさせるよう構成された、装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置が、少なくとも1つのネットワークマネージメントエンティティからオンライン及びオフラインモードで前記欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取るようにさせるよう更に構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置が、少なくとも1つのネットワークエレメントからセッションログを受け取るようにさせるよう更に構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置が、前記セッションログから登録抹消エントリを抽出するようにさせるよう更に構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置が、前記入力セット及び出力セットをデータベースに記憶するようにさせるよう更に構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
コンピュータ読み取り可能な媒体で実施されるコンピュータプログラムにおいて、このコンピュータプログラムは、プロセスを遂行するためにプロセッサをコントロールするように構成され、前記プロセスは、
オンラインモジュールが、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを含むネットワークデータを受け取り、
前記オンラインモジュールが、前記ネットワークデータの集合から設定間隔でサンプルを発生させることによって、入力セットを準備し、
前記オンラインモジュールが、リアルタイムの前記ネットワークデータから、モデルを使用して推定されたサービスアクセス経験品質(QoE)指示子を出力し
オフラインモジュールが、セッションログを受け取り、前記セッションログに基づいて出力セットを準備し、
前記オフラインモジュールが、前記入力セット及び前記出力セットに基づき、前記モデルとサービスアクセス経験品質(QoE)問題の領域で学習させることによってオフラインでトレーニングし、
前記オフラインモジュールが、前記トレーニングされたモデルを周期的に前記オンラインモジュールに送り、及び
前記オンラインモジュールが、送られた前記トレーニングされたモデルで前記モデルを更新する、
ことを含むものである、コンピュータプログラム。
【請求項12】
前記欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取ることは、少なくとも1つのネットワークマネージメントエンティティからオンライン及びオフラインモードで前記欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取ることを含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記セッションログを受け取ることは、少なくとも1つのネットワークエレメントからセッションログを受け取ることを含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記セッションログから登録抹消エントリを抽出することを更に含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記入力セット及び出力セットをデータベースに記憶することを更に含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照:本出願は、2012年3月12日に出願された米国プロビジョナル特許出願第61/609,529号の利益を主張するものである。この早期出願の内容は、参考としてここにそのまま援用される。
【0002】
本発明は、一般的に、通信ネットワークに関するもので、より詳細には、ネットワークマネージメント及びオペレーション、並びにデータ分析及び機械学習に関する。
【背景技術】
【0003】
通信ネットワークは、ネットワークのモニタリング及びマネージメントを可能にするためにネットワーク性能データを供給する。欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)は、国際標準化機構(ISO)の、ネットワークマネージメントのためのテレコミュニケーションマネージメントネットワークモデル及びフレームワークである。欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティは、ISOモデルがネットワークマネージメントタスクを定義するところのマネージメントカテゴリである。
【0004】
欠陥マネージメントは、通信ネットワークに生じる欠陥を確認し、分離し、修正し及び記録するのに使用される。欠陥マネージメントは、ネットワークを常に利用できるようにトレンド分析を使用してエラーを予想する。
【0005】
コンフィギュレーションマネージメントは、ネットワーク装置からコンフィギュレーションを収集し記憶し、装置のコンフィギュレーションを簡単化すべき仕方を識別し、コンフィギュレーションの変化を追跡し、そして拡張及びスケーリングをプランニングすることを含む。
【0006】
アカウンティングマネージメントは、ユーザ又は顧客に、彼等の使用統計データに基づいて勘定請求する。又、アカウンティングマネージメントは、使用割り当てが実施されることも保証する。
【0007】
性能マネージメントは、ネットワークの効率を監視し、決定し、そして将来の要求に対してネットワークを準備する。ネットワーク性能は、例えば、スループット、パーセント利用率、エラー率、及び応答時間を含む。
【0008】
セキュリティマネージメントは、一般的に、ネットワークのエレメントへのアクセスをコントロールするための手順を指す。これらの手順は、例えば、認証及び暗号化を含む。
【0009】
異常の理由で消費者又はユーザにより使用されるサービス/装置の登録抹消は、サービスアクセス問題を引き起こし、ユーザの経験品質(QoE)に著しく影響を及ぼす。その結果、ネットワークサービスプロバイダーは、異常ネットワーク登録抹消を監視し、分析しそしてその修正アクションを遂行するためにFCAPSデータを利用する。そのような事象は、例えば、ネットワークエントリー/セッション確立中、セッション進行時、又はセッション進行中のハンドオーバー時に生じる。ネットワーク登録抹消は、移動装置又はステーション、無線アクセスネットワーク(RAN)のネットワークエレメント、コアネットワーク、及び/又はサービングエンティティにより開始される。
【発明の概要】
【0010】
本発明の1つの実施形態は、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取り、及びセッションログを受け取ることを含む方法に関する。又、この方法は、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを入力セット及び出力セットへ分類し、区画化し及び準備することも含み、その入力セット及び出力セットは、オフライン及びオンライン予想を発生しそしてサービスアクセス経験品質(QoE)問題のオフライン根本原因推奨を与えるように構成される。この方法は、次いで、出力セットに基づき、サービスアクセス経験品質(QoE)問題の領域で学習するように構成されたモデルをオフライントレーニングし、評価し及び確認し、そしてそのトレーニングされ、評価され及び確認されたモデルを使用して、予想機能を実行し、サービスアクセス経験品質(QoE)問題に対するオフライン根本原因推奨を与えることも含む。
【0011】
別の実施形態は、装置に関する。この装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、この装置が、少なくとも、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取り、及びセッションログを受け取るようにさせる。この装置は、更に、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを入力セット及び出力セットへ分類し、区画化し及び準備するようにされ、その入力セット及び出力セットは、オフライン及びオンライン予想を発生しそしてサービスアクセス経験品質(QoE)問題のオフライン根本原因推奨を与えるように構成される。又、この装置は、出力セットに基づき、サービスアクセス経験品質(QoE)問題の領域で学習するように構成されたモデルをオフライントレーニングし、評価し及び確認し、そしてそのトレーニングされ、評価され及び確認されたモデルを使用して、予想機能を実行し、サービスアクセス経験品質(QoE)問題に対するオフライン根本原因推奨を与えるようにされる。
【0012】
別の実施形態は、装置に関する。この装置は、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取り、及びセッションログを受け取るための手段を備えている。又、この装置は、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを入力セット及び出力セットへ分類し、区画化し及び準備するための手段も備え、その入力セット及び出力セットは、オフライン及びオンライン予想を発生しそしてサービスアクセス経験品質(QoE)問題のオフライン根本原因推奨を与えるように構成される。更に、この装置は、出力セットに基づき、サービスアクセス経験品質(QoE)問題の領域で学習するように構成されたモデルをオフライントレーニングし、評価し及び確認するための手段と、そのトレーニングされ、評価され及び確認されたモデルを使用して、予想機能を実行し、サービスアクセス経験品質(QoE)問題に対するオフライン根本原因推奨を与えるための手段も備えている。
【0013】
別の実施形態は、コンピュータ読み取り可能な媒体で実施されるコンピュータプログラムに関する。このコンピュータプログラムは、プロセスを遂行するためのプロセッサをコントロールするように構成される。このプロセスは、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを受け取り、及びセッションログを受け取ることを含む。又、このプロセスは、欠陥、コンフィギュレーション、アドミニストレーション、性能、及びセキュリティ(FCAPS)データを入力セット及び出力セットへ分類し、区画化し及び準備することも含み、その入力セット及び出力セットは、オフライン及びオンライン予想を発生しそしてサービスアクセス経験品質(QoE)問題のオフライン根本原因推奨を与えるように構成される。このプロセスは、次いで、出力セットに基づいて、サービスアクセス経験品質(QoE)問題の領域で学習するように構成されたモデルをオフライントレーニングし、評価し及び確認し、そしてそのトレーニングされ、評価され及び確認されたモデルを使用して、予想機能を実行し、サービスアクセス経験品質(QoE)問題に対するオフライン根本原因推奨を与えることを含む。
【0014】
本発明を適切に理解するため、添付図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の1つの実施形態によるシステムを示す。
【
図2】1つの実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面に示して一般的に説明する本発明のコンポーネントは、種々様々な異なるコンフィギュレーションで配置され設計されることが容易に理解されよう。従って、添付図面に示した通信ネットワーク内のサービスアクセス経験品質問題に対する根本原因分析の推奨を予想し及び与えるシステム、方法、装置及びコンピュータプログラム製品の実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の範囲を限定するように意図されたものではなく、本発明の選択された実施形態を単に例示するものに過ぎない。
【0017】
必要に応じて、以下に述べる異なる機能を異なる順序及び/又は互いに同時に遂行することもできる。更に、必要に応じて、以下に述べる機能の1つ以上は、任意のものでもよいし、組み合わされてもよい。従って、以下の説明は、本発明の原理、教示及び実施形態を単に例示するもので、それに限定されないと考えるべきである。
【0018】
サービスプロバイダーは、RANに収集されたログからネットワーク登録抹消(de-registration)情報を抽出し、そして分析を行って、根本原因のネットワーク登録抹消問題を識別することができる。しかしながら、サービスプロバイダー及びベンダーは、この解決策に伴う次の問題に直面している。
【0019】
ネットワーク登録抹消情報のような、ネットワークから収集された全てのデータは、後処理されそして手動で分析される。データのサイズがそのような分析を非常に困難で且つ時間のかかるものにする。例えば、ネットワークよって多数のタイプの登録抹消がある。マイクロ波アクセスの世界的相互運用性(WiMAX)ネットワークは、登録抹消の原因/タイプとして報告できる309の異なる登録抹消(DEREG)コードを有する。長期進化(LTE)ネットワークでは、無線リソースコントロール(RRC)だけで、リリース/リジェクションについて25個以上の原因がある(例えば、リジェクション(1)、リリース(6)、欠陥(8)、プロトコルエラー原因(6)、RAT内変更欠陥(4)、等)。
【0020】
更に、市場の規模が登録抹消問題の取り扱いを困難にする。例えば、シカゴ市は、3500ヶ所のWiMAXアクセスポイント(AP)があり、3週間の期間中に2.5GB PMの統計データ及び1.5GBの登録抹消記録を発生する。
【0021】
その結果、各ベンダー/サービスプロバイダー/顧客は、登録抹消を監視するため特別なステップをとらねばならない。典型的に、データベースは、データをマネージしそしてレポートを提示するように開発される。
【0022】
顧客構内装置(CPE)登録抹消の重要業績評価指標(KPI)は、根本原因分析には不充分である。暗号的原因コードは、特別な分析を要求すると共に、ベンダー専門技術の頻繁な利用を要求し、ベンダーの利益を消耗させる。従って、全ての重要な顧客に対してソフトウェア分析及びテスト(SWAT)チームが要求される。
【0023】
更に、慣習的な統計学的方法は、時間及びコストのために、そして単に根本原因に対してノーズダイブ(nose dive)のエリアすら識別できないために、無効とされる。
【0024】
以上に鑑み、本発明のある実施形態は、異なるマシン学習アルゴリズムをモデリングエンジンとして使用する通信ネットワークのためのインテリジェントなネットワークマネージメント機能を与える完全な解決策を提供する。ある実施形態は、ネットワーク統計データを入力として使用してユーザ経験停止及び登録抹消をモデリングし、そしてオンライン推奨及び可視化ツールと、オフラインレポート作成エンジンとの両方を提供する。
【0025】
1つの実施形態は、進歩型の統計学的データ分析を使用して、3G/4GネットワークのようなネットワークにおけるサービスアクセスQoE問題の根本原因分析のための推奨を予想し及び与える。FCAPSデータを予想変数として使用して、ある実施形態は、サービスアクセスQoE関連指示子を推定するために、問題を予想回帰又は分類問題として設定するように構成される。又、ある実施形態は、種々の非直線的な統計学的モデリングアルゴリズムのトレーニング及びチューニングを、RANログからのネットワーク登録抹消情報を使用して、例えば、ツリー及びアンサンブル方法に基づいて遂行する。
【0026】
図1に示した実施形態は、2つのモジュール、即ちオフラインモジュール100、及びオンライン予想モジュール110を備えている。ある実施形態では、オフラインモジュール100及びオンライン予想モジュール110は、ハードウェアで実施されるプロセッサによって実行されるように構成されたソフトウェアコード又は実行可能なインストラクションを含む。従って、オフラインモジュール100及びオンライン予想モジュール110は、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせである。他の実施形態では、オフラインモジュール100及びオンライン予想モジュール110は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、等のハードウェアで全体的に実施される。
【0027】
オフラインモジュール100は、サーバーにより収集された履歴データに基づく統計学的モデルのトレーニング及びチューニングを含む。1つの実施形態では、オフラインモジュール100は、種々のカテゴリのサービスアクセスQoE問題に対して根本原因推奨を出力するように構成される。オンライン予想モジュール110は、オフラインモジュール100によって与えられるチューニングされたモデルを使用し、リアルタイムデータを使用して推定されたサービスアクセスQoE指示子を出力する。
【0028】
図2は、1つの実施形態によるオフラインモジュール100及びオンライン予想モジュール110の機能を示す。この実施形態によれば、オンライン予想モジュール110は、FCAPSデータを含むネットワークデータを収集し、予想変数を準備し、アグリゲーションを遂行して選択された間隔でサンプルを発生し、そしてオフラインモジュール100への入力データを準備して与える。セッションログから、オフラインモジュール100は、登録抹消エントリを抽出する。次いで、オフラインモジュール100は、アグリゲーションを遂行して設定間隔でサンプルを発生し、高レベルのQoEサービスアクセス分類を遂行し、出力データを準備し、そしてカテゴリごとにトレーニング及び確認評価セットを準備する。オフラインモジュール100は、次いで、トレーニング機能を実行し、確認機能を実行し、評価機能を実行し、そしてモデルを更新する。
【0029】
1つの実施形態では、更新されたモデルがオンライン予想モジュール110へ送られ、このモジュールは、オフラインモジュール100により送られたその更新されたモデルを使用して、リアルタイム予想結果、即ちリアルタイムデータを使用して推定されたサービスアクセスQoE指示子を出力する。
【0030】
特に、
図2は、オフラインモジュール100に関連してオンラインモジュール110により遂行される方法のフローチャートの一例を示す。この例では、方法は、200で始まり、そして210において、ネットワークFCAPSデータ205が収集される。215において、この方法は、予想変数を準備し、そして220において、アグリゲーションを遂行して選択された間隔でサンプルを発生することを含む。225において、入力データセットが準備される。この方法は、235に進み、セッションログ233から登録抹消エントリを抽出する。240において、この方法は、アグリゲーションを遂行して設定間隔でサンプルを発生し、そして245において、高レベルQoEサービスアクセス分類を遂行することを含む。この方法は、250において、出力データセットを準備することを含む。一実施形態において、入力データ及び出力データセットがデータベース300に記憶される。この方法は、更に、255において、ステップ245で分類された各カテゴリに対してトレーニング、確認及び評価のセットを準備することを含む。260、265及び270において、トレーニング機能、確認機能、及び評価機能が実行され、及びそれらを使用して、モデル400を更新する。更新されたモデル400は、次いで、230において予想機能を実行するのに使用される。1つの実施形態では、予想機能の結果もデータベース300に記憶される。
【0031】
従って、本発明の実施形態は、通信ネットワークにおいてサービスアクセスQoE関連問題の予想及び根本原因推奨を発生し、生成し及び/又は与える方法、装置、及び/又はコンピュータプログラム製品を提供する。又、1つの実施形態は、FCAPSデータを予想変数として使用して進歩型統計学的データ分析を適用し、そして問題を予想回帰又は分類問題として設定して、サービスアクセスQoE関連指示子を推定する。又、ある実施形態は、モデルオフラインをトレーニングし、評価し及び確認して、サービスアクセスQoE問題の根本原因分析のための推奨を発生する目的で、履歴FCAPSデータを使用して入力セットを生成すると共に、RANログからの情報を使用して出力セットを生成する。これら実施形態は、次いで、モデル生成オフラインをリアルタイムFCAPSデータと共に適用して、サービスアクセスQoE問題を予想する。この情報は、次いで、根本原因分析のための可視化、オフライン分析、監視及びディープダイブ(deep dive)に対して与えられる。
【0032】
1つの実施形態は、通信ネットワークにおけるサービスアクセスQoE問題の予想及び根本原因推奨の方法に関するものである。この方法は、ネットワークマネージメントエンティティからオフライン(履歴)及びオンラインモードでFCAPSデータを受け取り及び使用し、そしてネットワークエレメントからセッションログを受け取ることを含む。この方法は、更に、データを入力及び出力セットに分類し、区画化し及び準備することを含み、データを、オフライン及びオンラインの予想を発生するのに使用できると共に根本原因推奨を与えるのにも使用できるようにする。又、この方法は、スーパーバイズ型及び非スーパーバイズ型解決策の組み合わせと共にマシン学習アルゴリズムを使用して構築されたモデルをオフライントレーニングし、評価し及び確認することも含む。更に、この方法は、トレーニングされたモデルをサービスアクセスQoE問題のオフライン根本原因推奨に使用すると共に、オフライントレーニングされたモデル及びその結果をサービスアクセスQoE問題のオンライン予想及び可視化に向けて使用することも含む。
【0033】
ある実施形態では、ここに述べるいずれの方法の機能も、メモリ又は他のコンピュータ読み取り可能な媒体或いは有形な媒体に記憶されたソフトウェアにより実施され、そしてプロセッサにより実行される。他の実施形態では、その機能は、ハードウェアにより遂行され、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はハードウェア及びソフトウェアの他の組み合わせの使用を通して遂行される。
【0034】
上述したコンピュータ読み取り可能な媒体は、伝送線、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、磁気ディスク、ホログラフィックディスク又はテープ、フラッシュメモリ、磁気抵抗メモリ、集積回路、或いは他のデジタル処理装置のメモリデバイスによって少なくとも一部分実施される。
【0035】
図3は、一実施形態による装置10を示す。一実施形態において、装置10は、ネットワークのサービスアクセスQoE問題に対する根本原因分析の推奨を予想し及び与えるように構成されたネットワークエレメント又はエンティティである。例えば、一実施形態によれば、装置10は、ネットワークマネージメントドメインのアプリケーションサーバーのようなネットワークエレメントである。ある実施形態では、装置10により与えられる機能は、ネットワークマネージメントシステム又はエレメントマネージメントシステムの顧客経験マネージメント(CEM)及び/又はオペレーションサポートシステム(OSS)レイヤに存在するか、又は或いはOSS、コア及びRANのようなネットワークの他のエレメントにリンクされたアプリケーションサーバーに存在する。
【0036】
装置10は、情報を処理し及びインストラクション又はオペレーションを実行するプロセッサ22を備えている。プロセッサ22は、任意の形式の汎用又は特殊目的プロセッサである。
図3には単一のプロセッサ22しか示されていないが、他の実施形態によれば、複数のプロセッサが使用されてもよい。実際に、プロセッサ22は、例えば、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャーに基づくプロセッサ、の1つ以上を含む。
【0037】
装置10は、更に、プロセッサ22によって実行される情報及びインストラクションを記憶するためにプロセッサ22に結合されたメモリ14も備えている。このメモリ14は、1つ以上のメモリで、ローカルアプリケーション環境に適したタイプで、そして適当な揮発性又は不揮発性データストレージ技術、例えば、半導体ベースのメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学的メモリ装置及びシステム、固定メモリ、及び取り外し可能なメモリを使用して実施される。例えば、メモリ14は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、磁気又は光学ディスクのようなスタティックストレージ、或いは他の形式の非一時的マシン又はコンピュータ読み取り可能な媒体の組み合わせで構成される。メモリ14に記憶されるインストラクションは、プロセッサ22により実行されたときに、装置10がここに述べるタスクを遂行できるようにするプログラムインストラクション又はコンピュータプログラムコードを含む。
【0038】
又、装置10は、装置10への及び装置10からの信号及び/又はデータを送受信するための1つ以上のアンテナ(図示せず)も備えている。装置10は、更に、トランシーバ28も備え、これは、アンテナによって送信するために搬送波に情報を変調すると共に、アンテナを経て受信した情報を、装置10の他のエレメントで更に処理するために復調する。他の実施形態では、トランシーバ28は、信号又はデータを直接的に送信及び受信することができる。
【0039】
プロセッサ22は、装置10の動作に関連した機能を遂行し、それら機能は、アンテナ利得/位相パラメータの事前コード化、通信メッセージを形成する個々のビットのエンコード及びデコード、情報のフォーマット化、及び通信リソースのマネージメントに関連したプロセスを含む装置10の全体的なコントロールを含むが、これに限定されない。
【0040】
一実施形態において、メモリ14は、プロセッサ22によって実行されたときに機能を発揮するソフトウェアモジュールを記憶する。それらモジュールは、上述したオフラインモジュール100及びオンライン予想モジュールを含む。又、それらモジュールは、装置10のオペレーティングシステム機能を与えるオペレーティングシステム15も備えている。又、メモリは、装置10の付加的な機能を与えるためにアプリケーション又はプログラムのような1つ以上の機能的モジュール18も記憶する。装置10のコンポーネントは、ハードウェアで実施されるか、又はハードウェア及びソフトウェアの適当な組み合わせとして実施される。
【0041】
1つの実施形態によれば、装置10は、ネットワークマネージメントエンティティからオフライン(履歴)及びオンラインモードでFCAPSデータを受け取りそして利用すると共に、ネットワークエレメントからセッションログを受け取るように構成される。装置10は、更に、データを入力及び出力セットに分類し、区画化し及び準備するように構成され、データを、オフライン及びオンラインの予想を発生するのに使用できると共に根本原因推奨を与えるのにも使用できるようにする。又、装置10は、スーパーバイズ型及び非スーパーバイズ型解決策の組み合わせと共にマシン学習アルゴリズムを使用して作られたモデルをオフライントレーニングし、評価し及び確認するようにも構成され、そのモデルは、サービスアクセスQoE問題の領域で学習するように作られる。装置10は、次いで、トレーニングされたモデルをサービスアクセスQoE問題のオフライン根本原因推奨及び可視化に使用する。更に、装置10は、オフライントレーニングされたモデルを使用し、その結果をサービスアクセスQoE問題のオンライン予想及び可視化に向けて適用する。
【0042】
以上のことから、本発明の実施形態は、ネットワークマネージメント問題の根本原因分析の遂行においてエンドユーザサービスに影響し且つ著しい効率をもたらす主要な指示子を理解するための専門のシステムを構築する上で、管理サービスプロバイダー(GNOC/SOC)、最適なサービスプロバイダー及びオペレータの助けとなろう。本発明の実施形態は、オペレータに提供されるツールに採用することができる。更に、これら実施形態は、一回限りの分析を遂行してレポートを作成することを許す。重要なことに、これらの実施形態では、迅速な根本原因分析、及びGNOC/SOCからのマルチベンダーネットワークの良好な監視が行われる。その結果、現場の問題を解決するための利益の流出は、根本原因分析の時間を短縮することで減少される。分析期間が短いほど、顧客の問題に対する応答時間が迅速になる。
【0043】
ここに述べる幾つかの機能的特徴は、その実施の独立性を特に強調するために、モジュール、ファンクション又はアプリケーションとして提示されたことに注意されたい。例えば、モジュール、ファンクション又はアプリケーションは、カスタムVLSI回路又はゲートアレイや、ロジックチップ、トランジスタ又は他の個別コンポーネントのような既製の半導体を含むハードウェア回路として実施されてもよい。又、モジュール、ファンクション又はアプリケーションは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジック装置、等のプログラマブルハードウェア装置において実施することもできる。
【0044】
又、モジュール、ファンクション又はアプリケーションは、種々のタイプのプロセッサにより実行するためのソフトウェアで部分的に又は完全に実施されてもよい。実行可能なコードの識別されたモジュールは、例えば、コンピュータインストラクションの1つ以上の物理的又は論理的ブロックを含み、これらは、例えば、オブジェクト、手順又はファンクションとして編成される。それでも、識別されたモジュールの実行可能なものを物理的に一緒に配置する必要はなく、異種のインストラクションを異なる位置に記憶して、論理的に一緒に繋いだときに、モジュールを構成してその述べられた目的を果たすようにしてもよい。
【0045】
実際に、実行可能なコードのモジュールは、単一のインストラクションでも多数のインストラクションでもよく、そして多数の異なるコードセグメントにわたり、異なるプログラムの間で、及び多数のメモリ装置を横切って、分散されてもよい。同様に、オペレーションデータは、ここでは識別されてモジュール内に示され、そして適当な形態で実施され、適当なタイプのデータ構造体内に編成されてもよい。又、オペレーションデータは、単一データセットとして収集されてもよいし、異なるストレージ装置にわたることを含む異なる位置にわたって分散されてもよく、そして少なくとも一部は、システム又はネットワーク上に単に電子信号として存在してもよい。
【0046】
本発明の上述した特徴、効果及び特性は、1つ以上の実施形態において適当な仕方で結合されてもよい。当業者であれば、本発明は、特定の実施形態の特定の特徴又は効果の1つ以上を伴わずに実施できることが認識されよう。他の点では、本発明の全ての実施形態に存在しない付加的な特徴及び効果が、ある実施形態において認識され得る。
【0047】
当業者であれば、以上の述べた本発明は、順序の異なるステップで、及び/又はここに開示したものとは異なる構成のハードウェアエレメントで実施されてもよいことが容易に理解されよう。それ故、本発明は、これらの好ましい実施形態に基づいて説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、幾つかの変更、修正及び代替構造が明らかとなろう。それ故、本発明の境界及び範囲を決定するには、特許請求の範囲を参照されたい。
【符号の説明】
【0048】
10:装置
14:メモリ
15:オペレーティングシステム
18:機能的モジュール
22:プロセッサ
28:トランシーバ
100:オフラインモジュール
110:オンライン予想モジュール