特許第6141915号(P6141915)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6141915有機発光ダイオードディスプレー及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141915
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】有機発光ダイオードディスプレー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/22 20060101AFI20170529BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20170529BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20170529BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20170529BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20170529BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   H05B33/22 Z
   H05B33/02
   H05B33/10
   H05B33/12 B
   H05B33/14 A
   G09F9/30 365
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-144201(P2015-144201)
(22)【出願日】2015年7月21日
(65)【公開番号】特開2016-152230(P2016-152230A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2015年8月6日
(31)【優先権主張番号】2015100838155
(32)【優先日】2015年2月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514093877
【氏名又は名称】エバーディスプレイ オプトロニクス(シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
(72)【発明者】
【氏名】ツェン イーンシアン
【審査官】 野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−272968(JP,A)
【文献】 特開2012−204017(JP,A)
【文献】 特開2013−186448(JP,A)
【文献】 特開2014−240962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/22
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/02
H05B 33/10
H05B 33/12
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベース上に設けられたポリシリコン層及びゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に設けられた第1の金属層及び第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に設けられた第2の金属層及び第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に設けられた有機平坦層とを含む有機発光ダイオードディスプレーにおいて、
前記第2の絶縁層は、前記第2の金属層を覆っており、
前記第2の金属層の一部が、前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層とを貫通する第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されて、初期化電圧の配線となし、初期化電圧が前記ポリシリコン層に導入されることを特徴とする有機発光ダイオードディスプレー。
【請求項2】
前記有機平坦層上に設けられた、前記有機平坦層を貫通する第2の電気接続孔、及び第2の領域に位置し前記第2の電気接続孔に連通する前記第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されるアノード層と、前記アノード層を露出させる開口を有する画素定義層と、
前記画素定義層の開口内に位置するとともに前記アノード層を覆う画素電極と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオードディスプレー。
【請求項3】
ベースを提供し、前記ベースにポリシリコン層とゲート絶縁層とを形成する工程と、
前記ゲート絶縁層上に第1の金属層と第1の絶縁層とを形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に第2の金属層と前記第2の金属層を覆う第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層とを貫通する第1の電気接続孔を形成し、前記第2の金属層の一部を前記第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続し、初期化電圧を前記ポリシリコン層に導入することができる初期化電圧の配線を構成する工程と、
前記第2の絶縁層上に有機平坦層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機発光ダイオードディスプレーの製造方法。
【請求項4】
前記有機平坦層を貫通する第2の電気接続孔を形成するとともに、前記有機平坦層上に、前記第2の電気接続孔に連通し、前記第2の電気接続孔及び前記第2の電気接続孔に連通する第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されるアノード層を形成する工程と、
前記有機平坦層と前記アノード層上に、前記アノード層に対応して前記アノード層を露出させる開口が形成される画素定義層を形成する工程と、
前記開口内に、前記アノード層を覆う画素電極を形成する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の有機発光ダイオードディスプレーの製造方法。
【請求項5】
前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層とを貫通する第1の電気接続孔を形成し、前記第2の金属層の一部を前記第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続する工程において、
前記第2の絶縁層上に第1の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された第1の接続孔を前記ポリシリコン層の上方に位置させることと、前記第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層と、前記ゲート絶縁層とを貫通し、対応する前記ポリシリコン層を露出させる第1の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記第2の絶縁層、前記第1の絶縁層、及び前記ゲート絶縁層をエッチングすることとを含む、前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層とを貫通する第1の電気接続孔を形成する工程と、
前記第2の絶縁層上に接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された接続孔を前記第2の金属層の上方に位置させることと、前記第2の絶縁層を貫通し、前記第2の金属層の一部を露出させる接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、第2の絶縁層をエッチングすることとを含む、前記第2の絶縁層を貫通する電気接続孔を形成する工程と、
前記第2の金属層の一部が、第3の金属層を介して前記ポリシリコン層に接続されるように、前記第1の接続孔の底部及び周壁、前記接続孔の底部及び周壁、前記第2の絶縁層上に第3の金属層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の有機発光ダイオードディスプレーの製造方法。
【請求項6】
前記有機平坦層を貫通する第2の電気接続孔を形成するとともに、前記有機平坦層上に、前記第2の電気接続孔に連通するアノード層を形成する工程において、
前記有機平坦層上に、第2の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義する工程と、
前記有機平坦層を貫通し、前記第3の金属層を露出させる第2の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記有機平坦層をエッチングする工程と、
前記第2の接続孔の底部及び周壁と、前記有機平坦層上に、第4の金属層を形成し、そのうち、前記有機平坦層上に形成された第4の金属層をアノード層とする工程と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオードディスプレーの製造方法。
【請求項7】
ベースと、前記ベース上に設けられたポリシリコン層及びゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に設けられた第1の金属層及び第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に設けられた第2の金属層及び第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に設けられた有機平坦層とを含む有機発光ダイオードディスプレーにおいて、
前記第2の絶縁層は、前記第2の金属層を覆っており、
前記第2の金属層の一部が、前記第1の絶縁層を貫通する第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されて、初期化電圧の配線となし、初期化電圧が前記ポリシリコン層に導入され、
前記第1の電気接続孔は、その底部とその周壁が金属で構成されており、その他の部分は、前記第2の絶縁層と同材料によって充たされていることを特徴とする有機発光ダイオードディスプレー。
【請求項8】
前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層とを貫通する第2の電気接続孔、及び前記有機平坦層を貫通する第3の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されているアノード層と、前記アノード層を露出させる開口を有する画素定義層と、
前記画素定義層の開口内に位置するとともに前記アノード層を覆う画素電極と、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の有機発光ダイオードディスプレー。
【請求項9】
ベースを提供し、前記ベースにポリシリコン層とゲート絶縁層とを形成する工程と、
前記ゲート絶縁層上に第1の金属層と第1の絶縁層とを形成する工程と、
前記第1の絶縁層を貫通する第1の電気接続孔を形成するとともに、前記第1の絶縁層上に、一部が前記第1の電気接続孔の周壁と底部を介して前記ポリシリコン層に接続される第2の金属層を形成して、初期化電圧を前記ポリシリコン層に導入することができる初期化電圧の配線を構成する工程と、
前記第1の絶縁層と前記第2の金属層上に、第2の絶縁層を形成するとともに前記第1の電気接続孔の前記底部および前記周壁以外の他の部分を、前記第2の絶縁層と同材料によって充たす工程と、
前記第2の絶縁層上に有機平坦層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機発光ダイオードディスプレーの製造方法。
【請求項10】
前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層とを貫通する第2の電気接続孔を形成するとともに、前記第2の絶縁層上に、前記第2の電気接続孔を介して前記ポリシリコン層に接続される第3の金属層を形成する工程と、
前記有機平坦層を貫通し、前記第2の電気接続孔に連通する第3の電気接続孔を形成するとともに、前記有機平坦層上に、前記第3の電気接続孔と前記第2の電気接続孔を介して前記ポリシリコン層に接続され、前記第3の電気接続孔に連通するアノード層を形成する工程と、
前記有機平坦層と前記アノード層上に、前記アノード層に対応して前記アノード層を露出させる開口が形成される画素定義層を形成する工程と、
前記開口内に、前記アノード層を覆う画素電極を形成する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の有機発光ダイオードディスプレーの製造方法。
【請求項11】
前記第1の絶縁層を貫通する第1の電気接続孔を形成するとともに、前記第1の絶縁層上に第2の金属層を形成する工程は、
前記第1の半導体上に、第1の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された第1の接続孔を前記ポリシリコン層の上方に位置させる工程と、
前記第1の絶縁層と前記ゲート絶縁層とを貫通し、対応する前記ポリシリコン層を露出させる第1の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記第1の絶縁層及び前記ゲート絶縁層をエッチングする工程と、
前記第1の接続孔の底部及び周壁上に金属層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に、前記第1の接続孔における金属層を介して前記ポリシリコン層に接続される第2の金属層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の有機発光ダイオードディスプレーの製造方法。
【請求項12】
前記第2の絶縁層と前記第1の絶縁層とを貫通する第2の電気接続孔を形成するとともに、前記第2の絶縁層上に第3の金属層を形成する工程は、
前記第2の絶縁層上に、第2の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義する工程と、
前記第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層と、前記ゲート絶縁層とを貫通し、対応する前記ポリシリコン層を露出させる第2の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記第2の絶縁層、前記第1の絶縁層、及び前記ゲート絶縁層をエッチングする工程と、
前記第2の接続孔の底部及び周壁と、前記第2の絶縁層上に、前記第3の金属層を形成する工程と、を含み、
前記有機平坦層を貫通する第3の電気接続孔を形成するとともに、前記有機平坦層上に、前記第3の電気接続孔に連通するアノード層を形成する工程において、
前記有機平坦層上に、第3の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義する工程と、
前記有機平坦層を貫通し、前記第3の金属層を露出させる第3の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記有機平坦層をエッチングする工程と、
前記第3の接続孔の底部及び周壁と、前記有機平坦層上に、第4の金属層を形成し、そのうち、前記有機平坦層上に形成された第4の金属層をアノード層とする工程と、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の有機発光ダイオードディスプレーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレー及びその製造方法に関し、特に、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)ディスプレー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED、即ち有機発光ダイオードは、自発光の特性を有し、非常に薄い有機材料コートとガラス基板を採用しており、電流が流れると、有機材料は発光し、そして、OLEDディスプレーは視野角が大きいとともに著しく消費電力を節約できるので、OLEDディスプレーは、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレー)が比較にならない利点をたくさん備えている。
【0003】
従来のOLEDディスプレーのパネル(panel)は、TFT(Thin Film Transistor、薄膜電界効果トランジスタ)を駆動する閾値電圧を補償する回路を設計し、OLEDの画面の質量が閾値電圧ドリフトによって画面の輝度ムラを生じることを回避する必要があるが、OLEDパネルの高PPI(Pixel Per Inch、インチ毎が表現する画素の数)の要求のため、限りのある画素の面積の内に、回路配線及びOLED発光面積の要求を同時に満たすことは、従来のOLEDの設計が臨む早急に解決すべき問題である。
【0004】
従来のOLED、例えば低温ポリシリコン(LTPS、Low Temperature Poly-Silicon)を適用するトップエミッション(Top Emission)型OLEDの画素回路において、Vint(初期電圧)の配線は、アノード材料を採用して配線するので、高PPIの要求に臨む際に、Vint配線と元のOLED材料の下方におけるアノードとは、限りのある画素空間の内に、互いの位置及び大きさに影響し、OLEDの発光する面積はその発光の寿命に影響を与えるが、また、Vintの配線によって制限され、両方は互いに牽制し影響し合う。
【0005】
Vint電圧は、アノード材料を採用して配線し、高PPIの要求のために画素の面積を小さくするたり、またはOLEDの発光面の要求が増えると、図1に示すように、Vint配線1(アノード材料)とアノード2(アノード材料)との間の距離を接近させようとするが、それぞれに異なる電位を帯びているので、一定の距離を保持する必要がある場合、OLEDの開口率を犠牲することが多く、輝度に影響するとともに、OLEDの寿命を低下させてしまう。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、従来技術において初期電圧Vintの配線が、アノード材を採用して配線することによって互いに干渉し影響し合い、OLEDの開口率が犠牲され、輝度に影響するとともにOLEDの寿命を低下させるなどの問題を解決するための、有機発光ダイオードディスプレー及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明は、ベースと、前記ベース上に設けられたポリシリコン層及びゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に設けられた第1の金属層及び第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に設けられた第2の金属層及び第2の半導体層と、前記第2の半導体層上に設けられた有機平坦層とを含み、前記第2の金属層の一部が、前記第2の半導体層と前記第1の半導体層とを貫通する第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されている有機発光ダイオードディスプレーを提供する。
【0008】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの更なる改善は、前記有機発光ダイオードディスプレーは、前記有機平坦層上に設けられた、前記有機平坦層を貫通する第2の電気接続孔、及び第2の領域に位置し前記第2の電気接続孔に連通する前記第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されているアノード層と、前記アノード層を露出させる開口を有する画素定義層と、前記画素定義層の開口内に位置するとともに前記アノード層を覆う画素電極と、をさらに含むことにある。
【0009】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの更なる改善は、前記有機発光ダイオードディスプレーは、前記有機平坦層上に設けられた、前記有機平坦層を貫通する第2の電気接続孔、及び前記第2の半導体層と前記第1の半導体層とを貫通し、前記第2の電気接続孔に連通する第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されているアノード層と、前記アノード層を露出させる開口を有する画素定義層と、前記画素定義層の開口内に位置するとともに前記アノード層を覆う画素電極と、をさらに含むことにある。
【0010】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの更なる改善は、前記第1の半導体層はSiNx層であり、前記第2の半導体層はSiNx層であることにある。
【0011】
本発明が提供する有機発光ダイオードディスプレーは、第2の金属層によって、初期化電圧Vintの配線を行い、アノード層と影響し合うことを有効的に回避することができるとともに、開口面積を大きくし、輝度及び寿命を向上させることができる。
【0012】
また、本発明は、ベースを提供し、前記ベースにポリシリコン層とゲート絶縁層とを形成する工程と、前記ゲート絶縁層上に第1の金属層と第1の半導体層とを形成する工程と、前記第1の半導体層上に第2の金属層と第2の半導体層を形成する工程と、前記第2の半導体層と前記第1の半導体層とを貫通する第1の電気接続孔を形成し、前記第2の金属層の一部を前記第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続する工程と、前記第2の半導体層上に有機平坦層を形成する工程と、を含む有機発光ダイオードディスプレーの製造方法を提供する。
【0013】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの製造方法の更なる改善は、前記有機発光ダイオードディスプレーの製造方法は、前記有機平坦層を貫通する第2の電気接続孔を形成するとともに、前記有機平坦層上に、前記第2の電気接続孔及び前記第2の電気接続孔に連通する第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続され、前記第2の電気接続孔に連通するアノード層を形成する工程と、前記有機平坦層と前記アノード層上に、前記アノード層に対応して前記アノード層を露出させる開口が形成される画素定義層を形成する工程と、前記開口内に、前記アノード層を覆う画素電極を形成する工程と、をさらに含むことにある。
【0014】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの製造方法の更なる改善は、前記第2の半導体層と前記第1の半導体層とを貫通する第1の電気接続孔を形成し、前記第2の金属層の一部を前記第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続する工程において、前記第2の半導体層上に第1の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された第1の接続孔を前記ポリシリコン層の上方に位置させることと、前記第2の半導体層と、前記第1の半導体層と、前記ゲート絶縁層とを貫通し、対応する前記ポリシリコン層を露出させる第1の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記第2の半導体層、前記第1の半導体層、及び前記ゲート絶縁層をエッチングする工程とを含む、前記第2の半導体層と前記第1の半導体層とを貫通する第1の電気接続孔を形成する工程と、前記第2の半導体層上に接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された接続孔を前記第2の金属層の上方に位置させることと、前記第2の半導体層を貫通し、前記第2の金属層の一部を露出させる接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、第2の半導体層をエッチングすることとを含む、前記第2の半導体層を貫通する電気接続孔を形成する工程と、前記第2の金属層の一部が前記第3の金属層を介して前記ポリシリコン層に接続されるように、前記第1の接続孔の底部及び周壁、前記接続孔の底部及び周壁、前記第2の半導体層上に第3の金属層を形成することと、を含むことにある。
【0015】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの製造方法の更なる改善は、前記有機平坦層を貫通する第2の電気接続孔を形成するとともに、前記有機平坦層上に、前記第2の電気接続孔に連通するアノード層を形成する工程において、前記有機平坦層上に、第2の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義する工程と、前記有機平坦層を貫通し、前記第3の金属層を露出させる第2の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記有機平坦層をエッチングする工程と、前記第2の接続孔の底部及び周壁と、前記有機平坦層上に、第4の金属層を形成し、そのうち、前記有機平坦層上に形成された第4の金属層をアノード層とする工程と、を含むことにある。
【0016】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの製造方法の更なる改善は、前記第1の半導体層はSiNx層であり、前記第2の半導体層はSiNx層であることにある。
【0017】
本発明が提供する有機発光ダイオードディスプレーの製造方法は、第2の金属層によって、初期化電圧Vintの配線を行い、アノード層と影響し合うことを有効的に回避することができるとともに、開口面積を大きくし、輝度及び寿命を向上させることができる。
【0018】
さらに、本発明は、ベースと、前記ベース上に設けられたポリシリコン層及びゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に設けられた第1の金属層及び第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に設けられた第2の金属層及び第2の半導体層と、前記第2の半導体層上に設けられた有機平坦層とを含み、前記第2の金属層の一部は、前記第1の半導体層を貫通する第1の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されている有機発光ダイオードディスプレーを提供する。
【0019】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの更なる改善は、前記有機発光ダイオードディスプレーは、前記有機平坦層上に設けられた、前記第2の半導体層と前記第1の半導体層とを貫通する第2の電気接続孔、及び前記有機平坦層を貫通する第3の電気接続孔を介して、前記ポリシリコン層に接続されるアノード層と、前記アノード層を露出させる開口を有する画素定義層と、前記画素定義層の開口内に位置するとともに前記アノード層を覆う画素電極と、をさらに含むことにある。
【0020】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの更なる改善は、前記第1の半導体層はSiNx層であり、前記第2の半導体層はSiNx層であることである。
【0021】
本発明が提供する有機発光ダイオードディスプレーは、第2の金属層によって、初期化電圧Vintの配線を行い、アノード層と影響し合うことを有効的に回避することができるとともに、開口面積を大きくし、輝度及び寿命を向上させることができる。
【0022】
さらに、本発明は、ベースを提供し、前記ベースにポリシリコン層とゲート絶縁層とを形成する工程と、前記ゲート絶縁層上に第1の金属層と第1の半導体層とを形成する工程と、前記第1の半導体層を貫通する第1の電気接続孔を形成するとともに、前記第1の半導体層上に、一部が前記第1の電気接続孔を介して前記ポリシリコン層に接続される第2の金属層を形成する工程と、前記第1の半導体層と前記第2の金属層上に、第2の半導体層を形成する工程と、前記第2の半導体層上に有機平坦層を形成する工程と、を含む有機発光ダイオードディスプレーの製造方法を提供する。
【0023】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの製造方法の更なる改善は、前記第2の半導体層と前記第1の半導体層とを貫通する第2の電気接続孔を形成するとともに、前記第2の半導体層上に、前記第2の電気接続孔を介して前記ポリシリコン層に接続される第3の金属層を形成する工程と、前記有機平坦層を貫通し、前記第2の電気接続孔に連通する第3の電気接続孔を形成するとともに、前記有機平坦層上に、前記第3の電気接続孔と前記第2の電気接続孔を介して前記ポリシリコン層に接続され、前記第3の電気接続孔に連通するアノード層を形成する工程と、前記有機平坦層と前記アノード層上に、前記アノード層に対応して前記アノード層を露出させる開口が形成される画素定義層を形成する工程と、前記開口内に、前記アノード層を覆う画素電極を形成する工程と、をさらに含むことにある。
【0024】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの製造方法の更なる改善は、前記第1の半導体層を貫通する第1の電気接続孔を形成するとともに、前記第1の半導体層上に第2の金属層を形成する工程は、前記第1の半導体上に、第1の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された第1の接続孔を前記ポリシリコン層の上方に位置させる工程と、前記第1の半導体層と前記ゲート絶縁層とを貫通し、対応する前記ポリシリコン層を露出させる第1の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記第1の半導体層及び前記ゲート絶縁層をエッチングする工程と、前記第1の接続孔の底部及び周壁上に金属層を形成する工程と、前記第1の半導体層上に、前記第1の接続孔における金属層を介して前記ポリシリコン層に接続される第2の金属層を形成する工程と、を含むことにある。
【0025】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの製造方法の更なる改善は、
前記第2の半導体層と前記第1の半導体層とを貫通する第2の電気接続孔を形成するとともに、前記第2の半導体層上に第3の金属層を形成する工程は、前記第2の半導体層上に、第2の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義する工程と、前記第2の半導体層と、前記第1の半導体層と、前記ゲート絶縁層とを貫通し、対応する前記ポリシリコン層を露出させる第2の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記第2の半導体層、前記第1の半導体層、及び前記ゲート絶縁層をエッチングする工程と、前記第2の接続孔の底部及び周壁と、前記第2の半導体層上に、第3の金属層を形成する工程と、を含み、
前記有機平坦層を貫通する第3の電気接続孔を形成するとともに、前記有機平坦層上に、前記第3の電気接続孔に連通するアノード層を形成する工程において、前記有機平坦層上に、第3の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義する工程と、前記有機平坦層を貫通し、前記第3の金属層を露出させる第3の接続孔を形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、前記有機平坦層をエッチングする工程と、前記第3の接続孔の底部及び周壁と、前記有機平坦層上に、第4の金属層を形成し、そのうち、前記有機平坦層上に形成された第4の金属層をアノード層とする工程と、を含むことにある。
【0026】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの製造方法の更なる改善は、前記第1の半導体層はSiNx層であり、前記第2の半導体層はSiNx層であることにある。
本発明が提供する有機発光ダイオードディスプレーの製造方法は、第2の金属層によって、初期化電圧Vintの配線を行い、アノード層と互いに影響し合うことを有効的に回避することができ、開口面積を大きくし、輝度及び寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来の有機発光ダイオードディスプレーの構造模式図である。
図2】本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの第1の実施例の構造模式図である。
図3】本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの第2の実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、所定の具体的な実施例によって、本発明の実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容によって、本発明のほかの利点と効果を容易に了解できる。本発明は、他の異なる具体的な実施形態によって、実施または適用してもよい。本明細書における各細部も、異なる観点と適用によって、本発明の精神を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができる。
【0029】
図面を参照する。本実施例に提供された図面は、本発明の基本な構想を模式的に説明するものに過ぎないので、図面には、本発明に関係がある部材のみ示されており、実際に実施する際の部材の数、形状及び寸法によって描かれるものではなく、実際に実施する際の各部材の形態、数及び割合は、任意に変更できるものであり、その部材のレーアウトの形態もより複雑なものであってもよいこと、を説明すべきである。
【0030】
以下、本発明の請求項を詳しく説明するために、図面を参照して、本発明の好ましい実施例を説明する。
【0031】
本発明にかかる有機発光ダイオードディスプレーの第1の実施例における構造模式図である図2を参照する。
【0032】
図2に示すように、本発明にかかる有機発光ダイオードディスプレーは、ベース11と、ポリシリコン層と、ゲート絶縁層13と、第1の金属層14と、第1の半導体層15と、第2の金属層16と、第2の半導体層17と、有機平坦層21と、アノード層22と、画素定義層23と、画素電極24とを含む。
【0033】
本実施例において、ベース11は、ガラス、石英、セラミック、又はプラスチックにより形成された絶縁ベースであり、好ましくは、ベース11はガラス基板である。
【0034】
ポリシリコン層は、ベース11上に設けられている。本実施例において、前記ポリシリコン層は、第1の領域に位置するポリシリコン層121と、第2の領域に位置するポリシリコン層123とに区画されている。
【0035】
ゲート絶縁層13は、ベース11上に設けられているとともに前記ポリシリコン層を覆っている。本実施例において、ゲート絶縁層13は、好ましくは窒化ケイ素層又はシリカ層である。
【0036】
第1の金属層14は、ゲート絶縁層13上に設けられている。本実施例において、第1の金属層14の一部は、ポリシリコン層123の上方に対応して位置する。
【0037】
第1の半導体層15は、ゲート絶縁層13上に設けられているとともに第1の金属層14を覆っている。本実施例において、第1の半導体層15はSiNx層である。
【0038】
第2の金属層16は、第1の半導体層15上に設けられている。本実施例において、第2の金属層16の一部は第1の領域に近接している。また、第2の金属層16は、第1の金属層14と材料が同じである。
【0039】
第2の半導体層17は、第1の半導体層15上に設けられているとともに第2の金属層16を覆っている。本実施例において、第2の半導体層17はSiNx層である。
【0040】
特に、本実施例において、第1の領域に近接する第2の金属層16は、第1の領域に位置し、第2の半導体層17と第1の半導体層15とを貫通する第1の電気接続孔と、第1の電気接続孔に接続された電気接続孔とを介して、ポリシリコン層121に接続され、初期化電圧Vintが引き込まれる。具体的に、第1の領域に位置するポリシリコン層121の真上に、第2の半導体層17と第1の半導体層15とを貫通するし、対応するポリシリコン層121を露出させる第1の接続孔Aを開け、第1の領域に位置する第2の金属層16の真上に、第2の半導体層17を貫通し、対応する第2の金属層16を露出させる接続孔Bを開け、さらに、第1の接続孔Aの底部及び周壁、接続孔Bの底部及び周壁、第2の半導体層17上に、第2の金属層16とポリシリコン層121に接続される第3の金属層18を形成する。
【0041】
尚、本実施例において、前記のように第1の接続孔Aを形成すると同様に、第2の領域に対して、ポリシリコン層123の両端に第1の接続孔C、Dを形成し、第1の接続孔C、Dの底部及び周壁と、第2の半導体層17上に、それぞれ、ポリシリコン層123に接続される第3の金属層19、20を形成することができる。
【0042】
有機平坦層21は、第2の半導体層17上に設けられているとともに第3の金属層18、19、20を覆っている。
【0043】
アノード層22は、有機平坦層21上に設けられている。本実施例において、アノード層22は、有機平坦層21を貫通する第2の電気接続孔、及び、第2の領域に位置し第2の電気接続孔に連通する第1の電気接続孔(第1の接続孔Dに対応する)を介して、ポリシリコン層123に接続されている。具体的に、有機平坦層21上に、第3の金属層20を露出させるように有機平坦層21を貫通する第2の接続孔Eを開け、さらに、第2の接続孔Eの底部及び周壁と、有機平坦層21上に、第4の金属層22を形成し、そのうち、前記有機平坦層上に形成された第4の金属層22をアノード層とすることができる。
【0044】
画素定義層23は、有機平坦層21上に設けられているとともにアノード層22を覆い、アノード層を露出させる開口Fを有する。本実施例において、画素定義層23は、アクリル系材料又は有機樹脂材料である。
【0045】
画素電極24は、画素定義層23の開口F内に設けられているとともにアノード層22を覆っている。
【0046】
第1の実施例に提供された有機発光ダイオードディスプレーは、第1の領域の第2の金属層によって、初期化電圧Vintの配線を行い、そうすると、初期電圧Vint線は、第2の領域のアノード層の金属線と衝突することなく、従来技術における双方の相互影響と、製品のPPIの増加又は発光区の面積の増大によるショート(short)のリスクとを有効的に回避することができ、従来技術に対して、開口の面積を大きくし、輝度及び寿命を向上させることができる。
【0047】
図2に示す第1の実施例における有機発光ダイオードディスプレーの製造方法について、以下の工程を含んでよい。
【0048】
S101には、ベース11を提供し、ベース11にポリシリコン層を形成する。本実施例において、ベース11にポリシリコン層を形成する工程は、具体的に、成長プロセスを採用し、ベース11にポリシリコン層を成長させ、フォトレジストを塗工するとともにフォトリソグラフィパターンを形成することにより、第1の領域に位置するポリシリコン層121と第2の領域に位置するポリシリコン層123とを形成する工程を含む。
【0049】
S103には、ベース11とポリシリコン層との上にゲート絶縁層13を形成する。本実施例において、ゲート絶縁層13は、好ましくは窒化ケイ素層又はシリカ層である。
【0050】
S105には、ゲート絶縁層13上に第1の金属層14を形成する。本実施例において、第1の金属層を形成する工程は、ゲート絶縁層13の上方に金属を一層コーティングし、フォトレジストを塗工するとともにフォトリソグラフィパターンを形成し、当該層の金属をエッチングすることにより、第1の金属層14を形成する工程を含む。
【0051】
S107には、ゲート絶縁層13と第1の金属層14との上に第1の半導体層15を形成する。本実施例において、第1の半導体層15はSiNx層である。
【0052】
S109には、第1の半導体層15上に第2の金属層16を形成する。本実施例において、第2の金属層16を形成する工程は、第1の半導体層15上に金属を一層コーティングし、フォトレジストを塗工するとともにフォトリソグラフィパターンを形成して、当該層の金属をエッチングすることにより、第2の金属層16を形成する工程を含む。本実施例において、第2の金属層の一部は、第1の領域に近接している。また、第2の金属層16は、第1の金属層14と材料が同じである。
【0053】
S111には、第1の半導体層15と第2の金属層16との上に第2の半導体層17を形成する。本実施例において、第2の半導体層17はSiNx層である。
【0054】
S113には、第2の半導体層17と第1の半導体層15とを貫通する第1の電気接続孔と、第2の半導体層17を貫通する電気接続孔とを形成する。本実施例において、第2の半導体層17と第1の半導体層15とを貫通する第1の電気接続孔を形成する工程は、第2の半導体層17上に、第1の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された第1の接続孔A、C、Dを前記ポリシリコン層の上方に位置させる工程と、第2の半導体層17と、第1の半導体層15と、ゲート絶縁層13とを貫通し、対応するポリシリコン層121、123を露出させる第1の接続孔A、C、Dを形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、第2の半導体層17、第1の半導体層15、及びゲート絶縁層13をエッチングする工程とを含む。第2の半導体層17を貫通する電気接続孔を形成する工程は、第2の半導体層17上に、接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された接続孔を第2の金属層16の上方に位置させる工程と、第2の半導体層17を貫通し、対応する第2の金属層16を露出させる接続孔Bを形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、第2の半導体層17をエッチングする工程とを含む。
【0055】
S115には、第1の接続孔Aの底部及び周壁、接続孔Bの底部及び周壁、第2の半導体層17上に、第3の金属層18を形成し、第1の接続孔Cの底部及び周壁、第2の半導体層17上に、第3の金属層19を形成し、第1の接続孔Dの底部及び周壁、第2の半導体層17上に、第3の金属層20を形成する。具体的に、第1の接続孔A、C、Dの底部及び周壁、接続孔Bの底部及び周壁、第2の半導体層17上に、金属を一層コーティングし、フォトレジストを塗工するとともにフォトリソグラフィパターンを形成して、当該層の金属をエッチングすることにより、第3の金属層18、19、20を形成する。このように、第2の金属層16は、第1の領域に位置する第1の接続孔Aを介して、ポリシリコン層121に接続され、第3の金属層18を介して、初期化電圧Vintを引き込む。
【0056】
S117には、第2の半導体層17上に、有機平坦層21を形成して、第3の金属層18、19、20を覆う。
【0057】
S119には、有機平坦層21を貫通する第2の電気接続孔を形成する。本実施例において、有機平坦層21を貫通する第2の電気接続孔を形成する工程は、有機平坦層21上に、第2の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義する工程と、有機平坦層21を貫通し、第2の領域に位置する第3の金属層20を露出させる第2の接続孔Eを形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、有機平坦層21をエッチングする工程とを含む。
【0058】
S121には、有機平坦層21上にアノード層22を形成する。本実施例において、アノード層22を形成する工程は、具体的に、第2の接続孔Eの底部及び周壁、有機平坦層21上に、第3の金属層20に接続される第4の金属層22を形成し、そのうち、有機平坦層21上に形成された第4の金属層22をアノード層とする工程を含む。このように、アノード層22は、第2の接続孔Eと第1の接続孔Dを介して、ポリシリコン層123に接続される。
【0059】
S123には、有機平坦層21の上方と、アノード層22の上方に、画素定義層23を形成する。
【0060】
S125には、画素定義層23上に、アノード層22を露出させる開口Fを形成する。本実施例において、開口Fを発光区とする。
【0061】
S127には、前記開口F内に画素電極24を形成する。本実施例において、画素電極24は有機発光ダイオードである。
【0062】
本発明に係る有機発光ダイオードディスプレーの第2の実施例における構造模式図である図3を参照する。
【0063】
図3に示すように、本発明にかかる有機発光ダイオードディスプレーは、ベース31と、ポリシリコン層と、ゲート絶縁層33と、第1の金属層34と、第1の半導体層35と、第2の金属層36と、第2の半導体層37と、有機平坦層40と、アノード層41と、画素定義層42と、画素電極43とを含む。
【0064】
本実施例において、ベース31は、ガラス、石英、セラミック、又はプラスチックにより形成された絶縁ベースであり、好ましくは、ベース31はガラス基板である。
【0065】
ポリシリコン層は、ベース31上に設けられている。本実施例において、前記ポリシリコン層は、第1の領域に位置するポリシリコン層321と第2の領域に位置するポリシリコン層323とに区画される。
【0066】
ゲート絶縁層33は、ベース31上に設けられているとともに前記ポリシリコン層を覆っている。本実施例において、ゲート絶縁層33は、好ましくは窒化ケイ素層又はシリカ層である。
【0067】
第1の金属層34は、ゲート絶縁層33上に設けられている。本実施例において、第1の金属層34の一部は、ポリシリコン層323の上方に対応して位置している。
【0068】
第1の半導体層35は、ゲート絶縁層33上に設けられているとともに第1の金属層34を覆っている。本実施例において、第1の半導体層35はSiNx層である。
【0069】
第2の金属層36は、第1の半導体層35上に設けられている。本実施例において、また、第2の金属層36は、第1の金属層34と材料が同じである。
【0070】
特に、第2の金属層361の一部は、第1の領域に近接しているとともに、第1の領域に位置し、第1の半導体層35を貫通する第1の電気接続孔を介して、ポリシリコン層321に接続され、初期化電圧Vintが引き込まれる。具体的に、第1の領域に位置するポリシリコン層321の真上に、第1の半導体層35を貫通する第1の接続孔aを開け、第1の接続孔aの底部及び周壁と、第1の半導体層35上に、ポリシリコン層321に接続される第2の金属層361を形成する。
【0071】
第2の半導体層37は、第1の半導体層35上に設けられているとともに第2の金属層36を覆っている。本実施例において、第2の半導体層37はSiNx層である。
【0072】
有機平坦層40は、第2の半導体層37に設けられている。
【0073】
アノード層41は、有機平坦層40上に設けられ、本実施例において、アノード層41は、第2の領域に位置し、第2の半導体層37と第1の半導体層35とを貫通する第2の電気接続孔、及び有機平坦層40を貫通する第3の電気接続孔を介して、ポリシリコン層323に接続されている。具体的に、第2の半導体層37、第1の半導体層35、及びゲート絶縁層33上に、対応するポリシリコン層323を露出させる第2の接続孔cを開け、第2の接続孔cの底部及び周壁と、第2の半導体層37上に、第3の金属層39を形成し、有機平坦層40上に、第3の金属層39を露出させるように第3の接続孔dを開け、第3の接続孔dの底部及び周壁と、有機平坦層40上に、第4の金属層41を形成し、そのうち、前記有機平坦層上に形成された第4の金属層41をアノード層とすることができる。
【0074】
画素定義層42は、有機平坦層40上に設けられているとともにアノード層41を覆い、アノード層を露出させる開口eを有する。本実施例において、画素定義層42は、アクリル系材料又は有機樹脂材料である。
【0075】
画素電極43は、画素定義層42の開口e内に設けられているとともにアノード層41を覆っている。
【0076】
第2の実施例に提供された有機発光ダイオードディスプレーは、第1の実施例に比べて、一つのフォトマスクを追加し第1の接続孔aを形成する必要があり、第2の金属層36の一部によって、初期電圧Vintをポリシリコン層321に導入し、そうすると、初期電圧Vint線は、第2の領域のアノード層の金属線と衝突することなく、従来技術における双方の相互影響と、製品のPPIの向上又は発光区の面積の増大によるショート(short)のリスクとを有効的に回避でき、従来技術に対して、開口の面積を大きくし、輝度及び寿命を向上させることができる。
【0077】
図3に示す第2の実施例における有機発光ダイオードディスプレーの製造方法について、以下の工程を含んでよい。
【0078】
S201には、ベース31を提供し、ベース31にポリシリコン層を形成する。本実施例において、ベース31にポリシリコン層を形成する工程は、具体的に、成長プロセスを採用し、ベース31にポリシリコン層を成長させ、フォトレジストを塗工するとともにフォトリソグラフィパターンを形成することにより、第1の領域に位置するポリシリコン層321と第2の領域に位置するポリシリコン層323とを形成することを含む。
【0079】
S203には、ベース31とポリシリコン層との上にゲート絶縁層33を形成する。本実施例において、ゲート絶縁層33は、好ましくは窒化ケイ素層又はシリカ層である。
【0080】
S205には、ゲート絶縁層33上に第1の金属層34を形成する。本実施例において、第1の金属層を形成する工程は、ゲート絶縁層33の上方に金属を一層コーティングし、フォトレジストを塗工するとともにフォトリソグラフィパターンを形成して、当該層の金属をエッチングすることにより、第1の金属層34を形成する工程を含む。
【0081】
S207には、ゲート絶縁層33と第1の金属層34との上に第1の半導体層35を形成する。本実施例において、第1の半導体層35はSiNx層である。
【0082】
S209には、第1の半導体層35上に第2の金属層36を形成する。本実施例において、第2の金属層36を形成する工程は、第1の領域に位置する第1の半導体層35上に、第1の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された第1の接続孔を前記ポリシリコン層の上方に位置させる工程と、第1の半導体層35とゲート絶縁層33とを貫通し、対応する前記ポリシリコン層321を露出させる第1の接続孔aを形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、第1の半導体層35及びゲート絶縁層33をエッチングする工程と、第1の半導体層35と、第1の接続孔aの底部及び周壁上に、金属を一層コーティングし、フォトレジストを塗工するとともにフォトリソグラフィパターンを形成し、当該層の金属をエッチングすることにより、第2の金属層36を形成し、そのうち、第1の領域に位置する第2の金属層361の一部は、第1の接続孔aを介して、ポリシリコン層321に接続され、初期化電圧Vintを引き込む工程とを含む。また、第2の金属層36は、第1の金属層34と材料が同じである。
【0083】
S311には、第1の半導体層35と第2の金属層36との上に第2の半導体層37を形成する。本実施例において、第2の半導体層37はSiNx層である。
【0084】
S313には、第2の領域に、第2の半導体層37と第1の半導体層35とを貫通する第2の電気接続孔を形成する。本実施例において、第2の半導体層37と第1の半導体層35とを貫通する第2の電気接続孔を形成する工程は、第2の半導体層37上に、第2の接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義し、定義された第2の接続孔をポリシリコン層323的の上方に位置させる工程と、第2の半導体層37と、第1の半導体層35と、ゲート絶縁層33とを貫通し、対応するポリシリコン層323を露出させる第2の接続孔b、cを形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、第2の半導体層37、第1の半導体層35、及びゲート絶縁層33をエッチングする工程とを含む。
【0085】
S315には、第2の接続孔bの底部及び周壁と、第2の半導体層37上に、第3の金属層38を形成し、第2の接続孔cの底部及び周壁と、第2の半導体層37上に、第3の金属層39を形成する。具体的に、第2の半導体層37と、第2の接続孔b、cの底部及び周壁上に、金属を一層コーティングし、フォトレジストを塗工するとともにフォトリソグラフィパターンを形成して、当該層の金属をエッチングすることにより、第3の金属層38、39を形成する。
【0086】
S317には、第2の半導体層37上に、有機平坦層40を形成して、第3の金属層38、39を覆う。
【0087】
S319には、有機平坦層40を貫通する第3の電気接続孔を形成する。本実施例において、有機平坦層40を貫通する第3の電気接続孔を形成する工程は、有機平坦層40上に、第3の電気接続孔を形成するためのパターン化フォトレジストを定義する工程と、有機平坦層40を貫通し、第2の領域に位置する第3の金属層39を露出させる第3の接続孔dを形成するように、前記パターン化フォトレジストをマスクとして、有機平坦層40をエッチングする工程とを含む。
【0088】
S321には、有機平坦層40上にアノード層41を形成する。本実施例において、アノード層41を形成する工程は、具体的に、第3の接続孔dの底部及び周壁と、有機平坦層40上に、第3の金属層39に接続される第4の金属層41を形成し、そのうち、有機平坦層40に形成された第4の金属層41をアノード層とする工程を含む。このように、アノード層41は、第3の接続孔dと第2の接続孔cを介して、ポリシリコン層323に接続される。
【0089】
S323には、有機平坦層40の上方と、アノード層41の上方に、画素定義層42を形成する。
【0090】
S325には、画素定義層42上に、アノード層41を露出させる開口eを形成する。本実施例において、開口eを発光区とする。
【0091】
S327には、前記開口e内に画素電極43を形成する。本実施例において、画素電極43は有機発光ダイオードである。
【0092】
上記具体的な実施例により、本発明の解决しようとする技術課題、請求項及び有益な效果をさらに詳しく説明した。以上に述べたのは、本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の精神と原則の内に行われた何らの修正、等価な置換、改善などは、いずれも本発明の保護する範囲の内に含まれることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0093】
1 : Vint配線
2 : アノード
11 : ベース
13 : ゲート絶縁層
14 : 第1の金属層
15 : 第1の半導体層
16 : 第2の金属層
17 : 第2の半導体層
18、19、20 : 第3の金属層
21 : 有機平坦層
22 : アノード層
23 : 画素定義層
24 : 画素電極
31 : ベース
33 : ゲート絶縁層
34 : 第1の金属層
35 : 第1の半導体層
36 : 第2の金属層
37 : 第2の半導体層
38 : 第3の金属層
39 : 第3の金属層
40 : 有機平坦層
41 : アノード層
42 : 画素定義層
43 : 画素電極
121 : ポリシリコン層
123 : ポリシリコン層
321 : ポリシリコン層
361 : 第2の金属層
a : 第1の接続孔
A : 第1の接続孔
b、c : 第2の接続孔
B : 接続孔
C、D : 第1の接続孔
d : 第3の接続孔
e : 開口
E : 第2の接続孔
F : 開口
図1
図2
図3