(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前方向」とし、その逆方向を「後方向」とする。また、同様に、「左方向」や「右方向」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図2を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0014】
(上パネル20)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。
【0015】
(図柄表示窓部16)
この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、図柄表示窓部16を介して複数の図柄61を変動表示可能なものである。
【0016】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の奥には、
図2に示すように、リールユニット60が配置されている。
リールユニット60は、複数、例えば20個の図柄61が個別に表示された複数、例えば3個の回転リール62を個別に回転可能なものである。
なお、リールユニット60については、
図10を用いて後述する。
【0017】
(演出手段70)
前記前扉14には、演出手段70が配置されている。演出手段70は、遊技の進行に応じ、各種の演出を実行するものである。演出手段70は、前扉14に配置されたスピーカー72と、画像表示部84と、演出用ランプ78とを備えている。
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記画像表示部84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0018】
(下パネル22)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。
【0019】
(操作部30)
そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38から予めメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0020】
(精算スイッチ36)
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0021】
(ストップスイッチ50)
この精算スイッチ36の左側には、複数、例えば3個のストップスイッチ50が配置されている。ストップスイッチ50は、複数、例えば3個の回転リール62の各々に対応して設けられ、遊技者の操作により回転中の複数の回転リール62を個別に停止可能なものである。
ストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。
すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0022】
(スタートスイッチ40)
ストップスイッチ50の左側には、スタートスイッチ40が配置されている。スタートスイッチ40は、遊技者の操作により複数、例えば3個の回転リール62の回転を開始させるためのものである。スタートスイッチ40は、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に、回転リール62の回転を開始させるためのものである。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0023】
(マックスベットスイッチ34)
スタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。
なお、本実施の形態では、後述するように有効ライン86は1本であるため、マックスベットスイッチ34の他に、クレジットしたメダルを1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けていないが、有効ラインを1本以外の2本以上の複数本設定されている場合は、投入枚数を遊技者が選択可能にするために、シングルベットスイッチを設けるようにしてもよい。
【0024】
(払出手段24)
前記前扉14の下部の奥には、払出手段24(
図4参照)が配置されている。払出手段24は、複数、例えば3個の回転リール62の停止表示された図柄61の組み合わせに基づいて、所定の遊技媒体、例えばメダルを払い出し可能なものである。払出手段24には、図示しないが、ホッパーユニットが使用されている。
なお、遊技媒体として、メダルを例示したが、これに限定されず、例えばパチンコ球でもよい。
また、前扉14の下部の奥には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置が配置されている。
【0025】
(メダル払出口28、メダル受け皿26)
前扉14の下部には、所定の場合に払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。
このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0026】
(1回の遊技及び有効ライン86)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。
そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果にもとづいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。
【0027】
遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、「有効ライン86」という。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
なお、「有効ライン86」は、後述の遊技結果判定手段230の判定対象となるラインを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左リール64の下段と、中リール66及び右リール68の中段とを結んだ1本のみからなるものである。また、有効ライン86は1本に限定されず、2本以上であってもよい。
【0028】
(図柄61)
図3に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「赤7」(R7)、「青7」(B7)、「ベル」(BE)、「リプレイ」(RP)、「チェリー」(CH)、「スイカ」(WM)、「バー」(BR)、「枠無」(B1)、「赤枠」(B2)、「青枠」(B3)の複数の種々の図柄61が形成されている。なお、前記括弧内の記号は略記号を示すものである。
【0029】
これら図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたリールテープ63を回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図3の図柄番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0030】
(遊技制御手段100)
遊技機10の内部には、
図4に示すように、遊技機10の全体の動作を制御するための遊技制御手段100が形成されている。
前記遊技制御手段100は、大別すると、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの命令(コマンド及びデータを含む。)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御手段300を備えている。
【0031】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われている。
メイン制御手段200は、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50等の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び払出手段24の作動を制御する。
【0032】
サブ制御手段300は、メイン制御手段200から信号を入力し、画像表示部84等の演出手段70の作動を制御する。
サブ制御手段300の出力側には、演出手段70としてのスピーカー72、画像表示部84、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0033】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12の内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0034】
メイン制御手段200、サブ制御手段300のそれぞれは、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0035】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、役抽選手段210、停止制御手段220、遊技結果判定手段230、遊技状態制御手段240、メイン側共通制御手段250、払出制御手段260及び送信制御手段270の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段の全てをメイン制御手段200が制御することなく、その一部をサブ制御手段300側で制御してもよいし、或いはメイン制御手段200とサブ制御手段300とが共働して制御するようにしてもよい。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0036】
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を実行するためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として「3」が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。
そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0037】
本実施の形態では、役として、大別すると、「一般役」、「ボーナス役」、いずれにも当選していない「非当選」(ハズレ)がある「非当選役」が含まれている。
「一般役」には、「小役」(メダルの払い出しを伴う役)、「再遊技役」(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆる「リプレイ役」)が含まれている。
「ボーナス役」は、遊技状態の移行を伴う役であり、「レギュラーボーナス役」(以下、単に「ボーナス役」ともいう。)と、「シングルボーナス役」が含まれる。「レギュラーボーナス役」は、次ゲーム以降に持ち越せる役であり、「シングルボーナス役」は1G(ゲーム)限りの役であり、次ゲーム以降に持ち越せない。
【0038】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0039】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して払い出される。
【0040】
メイン制御手段200により制御される遊技状態としては、
図8に示すように、大別すると、「一般遊技」、「ボーナス遊技」(RB)、「ボーナス内部中遊技」(RBF)が設けられている。
「一般遊技」は、ボーナス遊技及びボーナス内部中遊技以外の遊技状態であり、「ノーマル状態」(RT0)、「シングルボーナス状態」(SB)が設けられている。
【0041】
また、メイン制御手段200により主として制御され、当該メイン制御手段200からの指示で行われるサブ制御手段300の制御により実行される遊技状態としては、
図9に示すように、大別すると、「通常遊技」(非AT状態)、「有利遊技」(AT状態)が設けられている。
「有利遊技」には、「AT準備状態」、「AT基本状態」が含まれている。
「AT」は、いわゆる「アシストタイム」の略語であり、本実施の形態では、「AT」中の状態を、「AT状態」ともいう。
【0042】
「AT状態」は、ストップスイッチ50の押し順を報知する遊技状態であり、後述する「非AT状態」と比較し、押し順操作が発生する役に当選する頻度が高く設定されている。「AT状態」は、メイン制御手段200とサブ制御手段300とにより共通に制御され、メイン制御手段200のAT抽選手段254に当選すると、当該AT当選がサブ制御手段300に送信され、サブ制御手段300に接続された画像表示部84を用いて、ストップスイッチ50の押し順を視覚的に報知される。
なお、画像表示部84を用いて視覚的に報知したが、これに限定されず、同様に演出用ランプ78を用いて視覚的に報知したり、スピーカー72を用いて聴覚的に報知するようにしたりしてもよく、これを併用してもよい。
これに対し、「非AT状態」は、「AT状態」とは異なり、ストップスイッチ50の押し順の報知が発生しづらい、若しくは発生しない遊技状態である。
なお、「有利遊技」として、「AT状態」を例示したが、これに限定されず、いわゆる「ART」、「ボーナス」、いわゆる「疑似ボーナス」等でもよい。
【0043】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、「ボーナス役」又は「一般役」のいずれかに当選か、又は非当選、すなわち「ハズレ」かの抽選(役抽選)により決定するものである。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
なお、役抽選手段210による処理は、後述するステップS12(
図13参照)において行われる。
【0044】
(停止制御手段220)
停止制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。停止制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とにもとづいて、各回転リール62の回転を停止させる。
具体的には、各回転リール62の駆動モータを制御することで、回転方向に予め定められた図柄数分、本実施の形態では4コマ以内の図柄までの範囲に、当選した役に対応する図柄が含まれている場合には、当該図柄が有効ライン86上に揃うように引き込み制御を行い、且つ、当選していない役に対応した図柄が有効ライン86上に揃わないように蹴飛ばし制御を行う。
【0045】
なお、停止制御手段220による処理は、後述するステップS13(
図13参照)において行われる。
具体的には、停止制御手段220には、
図5に示すように、大別すると、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(4)については後述する。
(1)モータ制御手段221
(2)ステップ数カウント手段222
(3)ステップ数リセット手段223
(4)リール回転位置変化手段224
なお、停止制御手段220の手段は、上記した(1)〜(4)の手段に限定されない。
【0046】
(遊技結果判定手段230)
遊技結果判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
なお、遊技結果判定手段230は、リセット後のステップ数から有効ライン86上に停止した図柄の判定するため、後述するリセットタイミング(図柄61の停止位置)をずらす処理を行った場合でも、リセットタイミング(図柄61の停止位置)をずらす処理を行っていない図柄の組み合わせが有効ライン86上に停止したと判定する。
【0047】
(遊技状態制御手段240)
遊技状態制御手段240は、
図8に示す「遊技状態」を制御するためのものである。
具体的には、遊技状態制御手段240には、
図6に示すように、大別すると、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)一般遊技制御手段241
(2)ボーナス内部中遊技制御手段242
(3)ボーナス遊技制御手段243
なお、遊技状態制御手段240の手段は、上記した(1)〜(3)の手段に限定されない。
【0048】
(メイン側共通制御手段250)
メイン側共通制御手段250は、
図9に示す「共通制御状態」を、メイン制御手段200側で制御するためのものである。
具体的には、メイン側共通制御手段250には、
図7に示すように、大別すると、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(4)については後述する。
(1)メイン側通常状態制御手段251
(2)メイン側AT準備状態制御手段252
(3)メイン側AT状態制御手段253
(4)AT抽選手段254
なお、メイン側共通制御手段250の手段は、上記した(1)〜(4)の手段に限定されない。
【0049】
(払出制御手段260)
払出制御手段260は、遊技結果判定手段230の判定結果にもとづいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段260は、遊技結果判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
なお、払出制御手段260による処理は、後述するステップS14(
図13参照)において行われる。
【0050】
(送信制御手段270)
送信制御手段270は、サブ制御手段300へ信号を送信するためのものである。
【0051】
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、受信制御手段310、サブ側共通制御手段320及び報知制御手段330の各手段を有する。手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段の全てをサブ制御手段300が制御することなく、その一部をメイン制御手段200側で制御してもよいし、或いはメイン制御手段200とサブ制御手段300とが協同して制御するようにしてもよい。
【0052】
サブ制御手段300は、演出装置70が接続され、所定の演出を実行する。
例えば、サブ制御手段300は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、画像表示部84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0053】
(受信制御手段310)
受信制御手段310は、メイン制御手段200側の送信制御手段270からの信号を受信するものである。
【0054】
(サブ側共通制御手段320)
サブ側共通制御手段320は、
図9に示す「共通制御状態」を、サブ制御手段300側で制御するためのものである。
サブ側共通制御手段320は、
図4に示すように、次の手段を備える。
なお、サブ側共通制御手段320の手段は、上記した(1)〜(3)に限定されない。
(1)サブ側通常状態制御手段321
サブ側通常状態制御手段321は、
図9に示す「共通制御状態」のうち、「通常遊技」(非AT状態)である「通常状態」を、サブ制御手段300側から制御するものである。
【0055】
(2)サブ側AT準備状態制御手段322
サブ側AT準備状態制御手段322は、
図9に示す「共通制御状態」のうち、「有利遊技」(AT状態)の一つである「AT準備状態」を、サブ制御手段300側から制御するものである。
(3)サブ側AT状態制御手段323
サブ側AT状態制御手段323は、
図9に示す「共通制御状態」のうち、「有利遊技」(AT状態)の一つである「AT基本状態」を、サブ制御手段300側から制御するものである。
【0056】
(報知制御手段330)
報知制御手段330は、役抽選手段210において特定役に当選という役抽選結果が決定された場合に、特定役に設定されている停止操作情報に基づいて停止操作順序(押し順)を報知可能なものである。報知制御手段330は、演出装置70の主として画像表示部84を用いて、3個のストップスイッチ50の押し順を遊技者に視覚的に報知している。
なお、画像表示部84を用いて視覚的に報知したが、これに限定されず、同様に演出用ランプ78を用いて視覚的に報知したり、スピーカー72を用いて聴覚的に報知するようにしたりしてもよく、これを併用してもよい。
【0057】
(
図5に示すモータ制御手段221)
モータ制御手段221は、リールユニット60の後述するステッピングモータ410(
図10)を制御するためのものである。
【0058】
(
図5に示すステップ数カウント手段222)
ステップ数カウント手段222は、
図12に示すように、ステッピングモータ410(
図10)の駆動させるための駆動パルスをステップ数としてカウントするためのものである。具体的には、ステップ数カウント手段222は、駆動パルスの立ち上がりをカウントしている。
なお、駆動パルスの立ち上がりをカウントしたが、これに限定されず、駆動パルスの立ち下がりをカウントさせてもよい。
【0059】
(
図5に示すステップ数リセット手段223)
ステップ数リセット手段223は、リールユニット60の後述するリール検出手段430の検出結果に基づいて、ステップ数カウント手段222のカウント値をリセットするためのものである。
【0060】
(
図5に示すリール回転位置変化手段224)
リール回転位置変化手段224は、リールユニット60の後述するリール検出手段430の検出結果に基づいて、回転リール62の回転位置を検出するとともに、役抽選手段210による役抽選の結果又は遊技状態にもとづいて、検出した回転リール62の回転位置を所定量、変化させるものである。
なお、リール回転位置変化手段224は、役抽選の結果、すなわち当選役に関わらず、遊技状態にもとづいて、回転リール62の回転位置を変化させるようにしてもよい。
ここで、「所定量」としては、「停止ライン上に停止する図柄61を変化させる量」や、「停止ラインに対して図柄(61)をずらした位置に停止させる量」がある。
【0061】
上記例示した「停止ライン上に停止する図柄61を変化させる量」を変化させた結果が、
図15(b)に示す通りである。なお、
図15(a)は変化させない状態を示している。また、3個のリール64,66,68を全て変化させた場合のほか、3個のリール64,66,68のうち、1個、或いは2個を変化させてもよく、中リール66と右リール68との計2個を変化させた場合を、例えば
図16に例示する。
上記例示した「停止ラインに対して図柄61をずらした位置に停止させる量」を変化させた結果が、
図17(b)に示す通りである。なお、
図17(a)は変化させない状態を示している。また、3個のリール64,66,68を全て変化させた場合のほか、3個のリール64,66,68のうち、1個、或いは2個を変化させてもよい。
【0062】
ここで、「所定量」として、図柄(61)の停止位置を1コマ分(例えば
図15参照)や、半コマ分(例えば
図17参照)、ずらした場合を例示したが、これに限定されず、2コマ分以上ずらしてもよいし、或いは半コマ、すなわち1/2単位でなく、1/3、1/4、1/5のように分母を変化させてもよい。
【0063】
ここで、「所定量、変化させる」としては、
図12に示すように、ステッピングモータ410のステップ数をカウントしておき、被検出部420の検出信号を入力する度に、カウントしたステップ数をリセットする実施の形態を前提とし、リセットするタイミングを1コマ分や半コマ分、ずらすことにより実現している。
ここで、「所定量、変化させる」としては、カウントしたステップ数をリセットするタイミングを1コマ分や半コマ分、ずらすことにより実現したが、これに限定されず、コマ数をカウントさせ、コマ数のカウント値のリセットのタイミングを1コマ分や半コマ分、ずらすことにより実現してもよい。
【0064】
(
図6に示す一般遊技制御手段241)
一般遊技制御手段241は、一般遊技の進行を制御するものである。
ここで、「一般遊技」は、
図8に示すように、ボーナス遊技及びボーナス内部中遊技以外の遊技状態である。
【0065】
一般遊技制御手段241には、
図6に示すように、次の手段を含む。
(1)ノーマル状態制御手段244
ノーマル状態制御手段244は、
図8に示すノーマル状態(RT0)の進行を制御するものである。
【0066】
(2)シングルボーナス状態制御手段245
シングルボーナス状態制御手段245は、
図8に示すシングルボーナス状態(SB)の進行を制御するものである。
ここで、「シングルボーナス状態」は、ノーマル状態と互いに移行可能なものであり、ノーマル状態と遊技状態を異にする。本実施の形態では、「シングルボーナス状態」は、ノーマル状態において、シングルボーナス役に当選し、且つシングルボーナス図柄が表示されると移行し、1G(ゲーム)を消化すると終了し、ノーマル状態に移行する。シングルボーナス役は、持ち越し役であるボーナス役と異なり、持ち越せない1G限りの役である。
【0067】
(
図6に示すボーナス内部中遊技制御手段242)
ボーナス内部中遊技制御手段242は、ボーナス内部中遊技(RBF)の進行を制御するものである。
ここで、「ボーナス内部中遊技」は、一般遊技においてボーナス役に当選すると移行し、当該ボーナス内部中遊技において、ボーナス遊技の移行に対応した図柄が表示されると、当該ボーナス内部中遊技からボーナス遊技に移行する。
【0068】
(
図6に示すボーナス遊技制御手段243)
ボーナス遊技制御手段243は、ボーナス遊技(RB)の進行を制御するものである。
ここで、「ボーナス遊技」は、入賞となる図柄組み合わせ(小役)の数を増加させたり、或いは小役の当選確率を上昇させたりすることで、小役の入賞を容易にする遊技状態であり、いわゆる「レギュラーボーナス」(RB、第一種特別役物)が実行される。
本実施の形態では、一般遊技においてボーナス役に当選すると、当該ボーナス役は次ゲーム移行に持ち越せる役であるため、一般遊技からボーナス内部中遊技に移行する。移行後、ボーナス内部中遊技において、ボーナス図柄が表示されると、当該ボーナス内部中遊技からボーナス遊技に移行する。ボーナス遊技においては、例えば所定枚数のメダルを払い出すと、終了し、一般遊技(ノーマル状態)に移行する。
【0069】
なお、「ボーナス遊技」として、「RB」を例示したが、これに限定されず、いわゆるチャレンジ・ボーナス(CB、第二種特別役物)でもよい。チャレンジ・ボーナス(CBは、全ての小役を当選状態にすることで小役の入賞を容易にする遊技状態である。また、「ボーナス遊技」の終了条件として、メダル数を例示したが、これに限定されず、例えば遊技回数、セット数或いはポイント数等でもよい。
【0070】
(
図7に示すメイン側通常状態制御手段251)
メイン側通常状態制御手段251は、
図9に示す「共通制御状態」のうち、「通常遊技」(非AT状態)である「通常状態」を、メイン制御手段200側から制御するものである。
【0071】
(
図7に示すメイン側AT準備状態制御手段252)
メイン側AT準備状態制御手段252は、
図9に示す「共通制御状態」のうち、「有利遊技」(AT状態)の一つである「AT準備状態」を、メイン制御手段200側から制御するものである。
【0072】
(
図7に示すメイン側AT状態制御手段253)
メイン側AT状態制御手段253は、
図9に示す「共通制御状態」のうち、「有利遊技」(AT状態)の一つである「AT基本状態」を、メイン制御手段200側から制御するものである。
(
図7に示すAT抽選手段254)
AT抽選手段254は、役抽選手段210の役抽選結果にもとづいて、「AT状態」に移行させるかを抽選により決定するものである。
【0073】
(
図8を用いたメイン制御手段200側で管理される遊技状態の説明)
図8は、メイン制御手段200側で管理される遊技状態の一例を示している。
遊技状態としては、大別すると、「一般遊技」、「ボーナス遊技」(RB)、「ボーナス内部中遊技」(RBF)が含まれる。
【0074】
(
図8に示す一般遊技)
一般遊技は、ボーナス遊技及びボーナス内部中遊技以外の遊技状態である。一般遊技は、
図6に示す一般遊技制御手段241により制御されている。
一般遊技には、次の遊技状態が含まれる。
(1)ノーマル状態(RT0)
「ノーマル状態」は、ノーマル或いは一般的に行われる遊技状態である。ノーマル状態は、
図6に示すノーマル状態制御手段244により制御される。
【0075】
(2)シングルボーナス状態(SB)
「シングルボーナス状態」は、ノーマル状態と互いに移行可能なものであり、ノーマル状態と遊技状態を異にする。シングルボーナス状態は、
図6に示すシングルボーナス状態制御手段245により制御される。
本実施の形態では、「シングルボーナス状態」は、ノーマル状態において、シングルボーナス役に当選し、且つシングルボーナス図柄が表示されると移行し、1G(ゲーム)を消化すると終了し、ノーマル状態に移行する。シングルボーナス役は、持ち越し役であるボーナス役と異なり、持ち越せない1G限りの役である。
【0076】
(
図8に示すボーナス内部中遊技)
「ボーナス内部中遊技」(RBF)は、ボーナス役に当選、すなわちボーナス役のフラグが立った状態の遊技状態である。ボーナス内部中遊技は、
図6に示すボーナス内部中遊技制御手段242により制御される。
ボーナス内部中遊技は、一般遊技においてボーナス役に当選すると移行し、当該ボーナス内部中遊技において、ボーナス状態の移行に対応した図柄が表示されると、当該ボーナス内部中遊技からボーナス遊技に移行する。
【0077】
(
図8に示すボーナス遊技)
「ボーナス遊技」(RB)は、一般的には、入賞となる図柄組み合わせ(小役)の数を増加させたり、或いは小役の当選確率を上昇させたりすることで、小役の入賞を容易にする遊技状態である。本実施の形態では、ボーナス状態(RB)は、ボーナス中は特定の役だけが当選し、いわゆる「レギュラーボーナス」(RB、第一種特別役物)が実行される。ボーナス遊技は、
図6に示すボーナス遊技制御手段243により制御される。
【0078】
本実施の形態では、一般遊技においてボーナス役に当選すると、当該ボーナス役は次ゲーム移行に持ち越せる役であるため、一般遊技からボーナス内部中遊技に移行する。移行後、ボーナス内部中遊技において、ボーナス遊技の移行に対応した図柄が表示されると、当該ボーナス内部中遊技からボーナス遊技に移行する。ボーナス遊技においては、例えば所定枚数のメダルを払い出すと、終了し、一般遊技(ノーマル状態)に移行する。
なお、一般遊技においてボーナス役に当選し、且つボーナス遊技の移行に対応した図柄が表示されると、当該通常遊技からボーナス遊技に直接移行する場合もある。
また、ボーナス遊技として、「RB」を例示したが、これに限定されず、いわゆるチャレンジ・ボーナス(CB、第二種特別役物)でもよい。チャレンジ・ボーナス(CBは、全ての小役を当選状態にすることで小役の入賞を容易にする遊技状態である。
さらに、ボーナス遊技の終了条件として、メダル数を例示したが、これに限定されず、例えば遊技回数、セット数或いはポイント数等でもよい。
【0079】
(
図9に示す共通制御状態)
「共通制御状態」は、
図8に示す「遊技状態」と独立して制御並びに進行し、大別すると、「通常遊技」(非AT状態)と、当該通常遊技よりも有利な「有利遊技」(AT状態)の2つの遊技から構成されている。
【0080】
(
図9に示す通常遊技(非AT状態))
「通常遊技」は、「非AT状態」であり、「通常状態」から構成される。
「通常状態」中に「AT移行抽選」に当選すると、「有利遊技」に移行する。
【0081】
(
図9に示す有利遊技(AT状態))
「有利遊技」は、「AT状態」であり、「AT準備状態」、「AT基本状態」の2つの状態から構成されている。
ここで、「AT」は、いわゆる「アシストタイム」の略語であり、本実施の形態では、「AT」中の状態を、「AT状態」ともいう。
「AT状態」においては、ストップスイッチ50の押し順が設定された抽選結果(役)に当選した場合に押し順(例えば、遊技者にとって有利な役が成立する特定の押し順)を報知する確率が高く設定されている。
「AT状態」は、開始及び終了がメイン制御手段200により制御され、メイン制御手段200からのコマンドにより、サブ制御手段300により実行される。具体的には、サブ制御手段300に接続された画像表示部84を用いて、ストップスイッチ50の押し順が視覚的に報知される。
【0082】
なお、「AT状態」の開始及び終了を、メイン制御手段200により制御したが、これに限定されず、サブ制御手段300と共働して制御するようにしてもよい。
「非AT状態」(通常状態)は、「AT状態」と異なり、ストップスイッチ50の押し順の報知が発生しづらい、若しくは発生しない遊技状態である。
【0083】
(
図9に示すAT準備状態)
「AT準備状態」は、「通常状態」中に「AT移行抽選」に当選すると、移行する。
「AT準備状態」への移行時に、「AT準備状態」のゲーム数を、所定のゲーム数、例えば「1G又は5G」の何れかから決定し、この決定されたゲーム数に応じたAT準備状態へ移行する。AT準備状態では、後のAT基本状態の上乗せ抽選を行っており、前記決定されたゲーム数を消化すると、AT基本状態へ移行する。
【0084】
(
図9に示すAT基本状態)
「AT基本状態」は、ストップスイッチ50の押し順が設定された抽選結果(役)に当選した場合に押し順(例えば、遊技者にとって有利な役が成立する特定の押し順)を報知する確率が高く設定されている状態をいう。
「AT状態」は、所定の区間、継続し、例えばゲーム数により管理され、所定のゲーム数を消化することで終了し、「通常状態」に移行する。ゲーム数は、「AT状態」に移行時もしくは移行後に決定される。また、「AT状態」中に、「上乗せ特化ゾーン」(図示せず)に移行し、ゲーム数が上乗せされる場合もある。
【0085】
(
図10を用いたリールユニット60の説明)
リールユニット60は、
図10にその一部を示すように、回転リール62上に所定の間隔で図柄61が配置されている。
リールユニット60は、
図2及び
図10に示すように、次の構成を備える。
(1)フレーム400
フレーム400は、回転リール62を回転可能に支持するためのものである。
【0086】
(2)ステッピングモータ410
ステッピングモータ410は、各回転リール62を個別に回転可能なものである。
ステッピングモータ410は、フレーム400に固定され、当該ステッピングモータ410のモータ軸に回転リール62の中心が直結され、回転リール62はステッピングモータ410を介して回転リール62がフレーム400に回転可能に支持される。
ステッピングモータ410は、パルス電力に同期して動作する同期電動機であり、例えば1回転200ステップのものを使用している。
【0087】
なお、ステッピングモータ410として、1回転200ステップのものを使用したが、これに限定されず、例えば1回転400ステップのものを使用してもよい。
ステッピングモータ410は、
図4に示す遊技制御手段100のメイン制御手段200に接続される。ステッピングモータ410は、
図4に示すメイン制御手段200の停止制御手段220、すなわち
図5に示すモータ制御手段221により制御される。
【0088】
(3)被検出部420
被検出部420は、各回転リール62に関して、個別に設けられ、ステッピングモータ410、または当該回転リール62の回転に基づいて回転する回転リール62の回転位置を検出するためのものである。
被検出部420は、回転リール62に形成され、回転リール62から凸状に突出する。なお、被検出部420を、回転リール62に形成したが、これに限らず、
図18を用いて後述するが、ステッピングモータ410により回転する第2歯車530に形成したり、或いは、図示しないが、ステッピングモータ410のモータ軸に、当該モータ軸と一体的に回転する被検出部を形成したりしてもよい。また、被検出部420を、凸状に形成したが、これに限定されず、
図18に示すように、透孔状、或いは穴状に形成してもよいし、又、凹状に形成してもよい。
【0089】
(4)リール検出手段430
リール検出手段430は、各被検出部420を検出するものである。
リール検出手段430は、被検出部420の移動ないしは回転軌跡内に位置し、フレーム400に支持される。
ここで、リール検出手段430としては、被検出部420の通過を光学的に検出可能な、「フォトインタラプタ」(通過型光センサ)から構成している。
リール検出手段430は、
図4に示す遊技制御手段100のメイン制御手段200に接続される。
ここで、リール検出手段430としては、「フォトインタラプタ」(通過型光センサ)を例示したが、これに限定されず、機械的に検出するセンサ(例えばマイクロスイッチ)や磁気的に検出するセンサ(例えば磁気センサ)から構成してもよい。
なお、回転リール62は、全て、同様の構成を備えている。
【0090】
(
図11を用いた図柄配置とステッピングモータ410の駆動パルスのカウント数との関係の説明)
図11を用いて、図柄配置とステッピングモータ410の駆動パルスのカウント数との関係の一例を説明する。
ステッピングモータ410として、1回転200ステップのものを使用している。図柄61は、20個有ることから、駆動パルス、10個分、すなわちカウント数、10個で図柄61を1個、すなわち1コマ移動する。なお、カウント数は、図柄61の回転方向の中央、すなわち1個の図柄61の図柄で考えると、その高さの中央を基準としている。
【0091】
(
図12を用いたステッピングモータ410の駆動パルスのカウント数と検出信号との関係の説明)
図12を用いて、ステッピングモータ410の駆動パルスのカウント数と検出信号との関係の一例を説明する。
ステッピングモータ410として、1回転200ステップのものを使用している。ステッピングモータ410は、モータ制御手段221(
図5)から出力される駆動パルスを入力する度に、1ステップずつ回転し、駆動パルスを200個で一周回転する。
【0092】
このとき、ステップ数カウント手段222は、同図(a)に示すように、モータ制御手段221から出力される駆動パルスを1個ずつ、カウントする。
回転リール62は、ステッピングモータ410のモータ軸に直結され、モータ軸が1回転すると、1回転する。
【0093】
回転リール62が1回転する度に、その被検出部420が回転リール62と一体的に回転し、リール検出手段430により検出され、同図(b)に示すように、検出信号が出力される。
検出信号が出力される度に、ステップ数リセット手段223は、ステップ数カウント手段222にリセット信号を出力し、当該リセット信号を入力すると、同図(a)に示すように、ステップ数カウント手段222はカウント値をリセット、すなわち「0」にリセットする。なお、ステップ数カウント手段222にリセット信号を出力すると説明したが、単に検出信号をステップ数カウント手段222に入力するだけでもよい。
図12(a)及び(b)は、検出信号の入力時にカウント数をリセットした場合である。
これに対し、同図(c)及び(d)は、リール回転位置変化手段224により、検出信号の入力時に対し、リセットのタイミングをずらした例である。
【0094】
(
図12(c)に示すリセットのタイミングを1コマ分、ずらした場合)
同図(c)は、リセットのタイミングをカウント数にして10個分、すなわち図柄61の1コマ分、ずらした場合、すなわちリセットのタイミング、1コマ分、遅らせてリセットさせた場合である。
その結果、同じタイミングで回転リール62を停止した場合には、有効ライン86に対して1コマ分(図柄61、1個分)、遅れて図柄61を停止表示させることができる。
【0095】
図15を用いて説明すると、同図(a)はリセット信号の入力時に、カウント値をリセット、すなわち「0」にリセットした場合であり、
図12(a)及び(b)に相当する。
このとき、中央の横一線のライン(以下、「中央ライン」という。)上には、「WM、BE、BE」、その上側の横一線のライン(以下、「上ライン」という。)上には「CH、B2、RP」、下側の横一線のライン(以下、「下ライン」という。)上には「BE、CH、CH」がそれぞれ停止表示される。
【0096】
図15(b)は、リセットのタイミングを1コマ分、ずらした(遅らせた)例であり、
図12(c)に相当する。
図15(a)と同じタイミングで図柄61を停止表示させると、
図12(c)に示すように、リセットのタイミングが1コマ分、ずれている(遅れている)ため、
図15(b)に示すように、中央ライン上には、先に上ラインに停止表示されていた「CH、B2、RP」が、下ライン上には、先に中央ラインに停止表示されていた「WM、BE、BE」がそれぞれ停止表示される。
このため、リセットのタイミングが1コマ分、ずらす(遅らせる)ことで、各ラインに停止表示される図柄61を1コマ分、ずらすことができる。その結果、同一の停止タイミングで図柄61を停止したときに、有効ライン86に停止表示される図柄61を変更することできる。
【0097】
(
図12(d)に示すリセットのタイミングを半コマ分、ずらした場合)
図12(d)は、リセットのタイミングをカウント数にして5個分、すなわち図柄61の半コマ分、ずらした場合、すなわちリセットのタイミング、半コマ分、遅らせてリセットさせた場合である。その結果、同じタイミングで回転リール62を停止した場合には、有効ライン86に対して半コマ分(図柄61、半個分)、図柄61を遅らせて停止表示させることができる。
【0098】
図17を用いて説明すると、同図(a)中、500は図柄61のなかの2コマ図柄の下側図柄であり、510は、上側図柄であり、両図柄500,510は、上下に関連性を持ち、2個を同時に見ることで一つの意味のある図柄61と見えるものである。同図では、下側、上側図柄500,510を、全体として略円形を構成するように形成している。
同図(a)は、リセット信号の入力時に、カウント値をリセット、すなわち「0」にリセットした場合であり、
図12(a)及び(b)に相当する。
このとき、中央ライン上には、下側図柄500の高さ中央が、上ライン上には上側図柄510の高さ中央がそれぞれ位置する。
【0099】
図17(b)は、リセットのタイミングを半コマ分、ずらした例であり、
図12(d)に相当する。
図17(a)と同じタイミングで図柄61を停止表示させると、
図12(d)に示すように、リセットのタイミングが半コマ分ずれているため、
図17(b)に示すように、中央ラインが下側図柄500と上側図柄510との境目に位置し、中央ラインを挟んで下側図柄500と上側図柄510とが線対称に位置し、両図柄500,510が中央ラインを挟んで全体として略円形に見える。
その結果、同じタイミングで回転リール62を停止した場合には、有効ライン86に対して半コマ分(図柄61、半個分)、ずれた位置に図柄61を停止表示させることができる。
【0100】
(
図13を用いた遊技の流れの概略説明)
図13を用いて、遊技の流れについて説明する。
先ず、ステップS10において、賭け数設定処理が行われる。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数に達しているか否かの判定が行われる。本実施の形態では、規定の賭け数は、3枚である。このため、所定数の賭け数が設定された場合に、次のステップS11に進む。所定数の賭け数が設定されていない場合には当該ステップにとどまることになる。
【0101】
ステップS11において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS12に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS11となる。
【0102】
ステップS12において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS13に進む。
【0103】
ステップS13において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御手段200により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、停止制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する停止操作順番は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。ここで、第3番目のストップスイッチ50の停止操作が行われると、メイン制御手段200からサブ制御手段300へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、全ての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS14に進む。
【0104】
ステップS14において、払出制御手段260により、図柄の停止態様に対応した払出処理等が行われる。なお、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0105】
(
図14に示す回転リール62の回転位置を変化させるための処理の流れの概略説明)
図14を用いて、回転リール62の回転位置を変化させるための処理の流れについて説明する。
レバーON、すなわちスタートスイッチ40を操作すると、ステップS20に進み、インデックス位置がデフォルトか否か、判定する。「インデックス位置」は、
図12(a)のカウント数のリセット位置を意味する。「デフォルト」は、同図(b)の検出信号の入力タイミングと、リセット位置とが一致している場合を意味する。すなわち、「リセット位置=デフォルト」とは、同図(a)及び(b)の場合を意味する。同判定は、
図5に示す停止制御手段220により実行している。
【0106】
上記判定の結果、「リセット位置=デフォルト」の場合には、ステップ20から次のステップ21に進み、「クジNo ≠(Not =(ノットイコール)) 0」か判定する。同判定は、
図5に示すリール回転位置変化手段224により実行している。
【0107】
「クジNo」は役抽選の結果に対応し、リセット位置をずらす第1のグループ(クジNo=”0”or”1”)、検出信号の入力時にリセットする第2のグループ(クジNo > 2)と、に大別している。さらに、前者の第1のグループを、「+方向」に移動するグループ(クジNo = 0)と、「−方向」に移動するグループ(クジNo = 1)とに分けることで実現可能である。
【0108】
「+方向」は、回転リール62の回転方向の前方を意味する。すなわち、
図12(c)に示すように、検出信号の入力に対し、リセットのタイミングを遅らせることで、回転リール62の回転方向の前方の位置する図柄61を停止表示させることができる。「−方向」は回転方向の後方を意味する。すなわち、図示しないが、検出信号の入力に対し、リセットのタイミングを早めることで、回転リール62の回転方向の前方の位置する図柄61を停止表示させることができる。実際には、リセットのタイミングは、検出信号の入力以降であるので、
図12(a)及び(b)を用いて説明すると、1コマ分、「−方向」に移動するには、検出信号の入力後、カウント数が「190」の時に、カウント数をリセットすることで実現可能である。
【0109】
これに対し、ステップS20における判定の結果、「リセット位置=デフォルト」でない場合には、当該ステップ20から分岐し、次のステップ23に進み、インデックス(リセット位置)をデフォルト位置へ戻す処理を実行する。同処理は、初期化の処理であり、
図12(a)及び(b)に示すように、リセット位置と検出信号の入力タイミングを一致させる処理である。同処理は、
図5に示す停止制御手段220により実行している。ステップS20の処理後、ステップ21に進む。
【0110】
一方、ステップ21における判定の結果、「クジNo ≠ 0」の場合、すなわち「クジNo > 1」の場合には、次のステップ22に進み、「クジNo ≠ 1」か、否かを判定する。
これに対し、「クジNo ≠ 0」でない場合、すなわち「クジNo = 0」の場合には、ステップ21から分岐し、ステップ24に進み、インデックス(リセット位置)を「+方向」すなわち回転リール62の回転方向の前方に向かって1コマ分、移動する処理を実行する。同処理は、
図12(c)に示すように、リセット位置を、検出信号の入力タイミングを1コマ分ずらす処理である。同処理は、
図5に示す停止制御手段220により実行している。ステップ24の処理後、本処理が終了する。
【0111】
一方、ステップ22における判定の結果、「クジNo ≠ 1」の場合、すなわち「クジNo > 2」のインデックス(リセット位置)を移動しないグループの場合には、本処理が終了する。
これに対し、ステップ22における判定の結果、「クジNo ≠ 1」でない場合、すなわち、「クジNo = 1」の場合には、ステップ22から分岐し、ステップ25に進み、インデックス(リセット位置)を「−方向」、すなわち回転リール62の回転方向の後方に向かって1コマ分、移動する処理を実行する。同処理は、
図5に示す停止制御手段220により実行している。ステップ25の処理後、本処理が終了する。
なお、半コマ分ずらす処理は、ステップ24、25の1コマが半コマに変更するだけであるため、説明は省略する。
【0112】
(
図15を用いた回転リールの回転位置の変化状態の一例の説明)
(
図15を用いて、回転リール62の回転位置の変化状態の一例について説明する。
同図(a)は、初期状態であり、
図12(a)及び(b)に示すように、リセット信号の入力時に、カウント値をリセット、すなわち「0」にリセットした場合である。
同図(b)は、
図12(c)に示すように、リセットのタイミングを1コマ分、ずらした場合である。
【0113】
まず、同図(a)は、初期状態であり、中央ライン上には、「WM、BE、BE」、その上側の上ライン上には「CH、B2、RP」、下側の下ライン上には「BE、CH、CH」がそれぞれ停止表示される。
【0114】
同図(b)は、リセットのタイミングを1コマ分、ずらした例であり、同図(a)と同じタイミングで図柄61を停止表示させると、中央ライン上には、先に上ラインに停止表示されていた「CH、B2、RP」が、下ラインには先に中央ラインに停止表示されていた「WM、BE、BE」がそれぞれ停止表示される。また、上ライン上には、先に図柄表示窓16に出現していなかった「B1、B1、B1」が停止表示される。
このため、リセットのタイミングが1コマ分、ずらすことで、各ラインに停止表示される図柄61を1コマ分、ずらすことができる。その結果、同一の停止タイミングで図柄61を停止したときに、有効ライン86に停止表示される図柄61を変更することできる。
【0115】
なお、本例において、回転リール62の回転位置を、回転方向に前方に向かって「1コマ」ずらしたが、「2コマ」以上、ずらしてもよいし、或いは回転方向の後方に向かって「1コマ」以上ずらしてもよい。
【0116】
(
図16を用いた回転リールの回転位置の変化状態の他の一例の説明)
図16を用いて、
図15に示した回転リール62の回転位置の変化状態の他の一例について説明する。
先に説明した
図15(b)においては、左リール64、中リール66、右リール68の計3個の回転リール62の全ての回転位置を変化させたが、本
図16においては、3個のうち、中リール66、右リール68の計2個の回転位置を変化させたものである。
【0117】
同
図16は、中リール66、右リール68について、リセットのタイミングを1コマ分、ずらした例であり、
図15(a)と同じタイミングで図柄61を停止表示させると、中央ライン上には、「WM、B2、RP」が、上ライン上には、「CH、B1、B1」が、下ラインには「BE、BE、BE」がそれぞれ停止表示される。
本例では、中リール66、右リール68について、同一の停止タイミングで図柄61を停止したときに、左リール64については図柄61を変更することなく、中リール66、右リール68についてのみ、有効ライン86に停止表示される図柄61を変更することできる。
【0118】
なお、本例において、中リール66、右リール68の計2個について、回転リール62の回転位置を、回転方向に前方に向かって「1コマ」ずらしたが、左リール64と中リール66と組み合わせ、左リール64と右リール68との組み合わせでもよいし、或いは左リール64、中リール66、右リール68のいずれか1個だけでもよい。さらに、回転方向も前方に限らず、後方でもよく、又、「コマ数」も「2個」以上でもよい。
【0119】
(
図17を用いた本発明の第2の実施の形態の説明)
図17を用いて、本発明の第2の実施の形態の一例について説明する。同図は、本処理をいわゆる2コマ図柄に適用した場合を示し、同図(a)変化させない状態、(b)は変化させた状態をそれぞれ示すものである。
本実施の形態の特徴は、「半コマ」ずらしの処理と、2コマ図柄とを組み合わせた点にある。
【0120】
2コマ図柄は、上下に並んだ下側、上側図柄500,510を、上下に関連性を持つように図案化することで、上下の2個を同時に見ることで一つの意味のある図柄61と見えるようにしたものである。本実施の形態では、上下に並んだ下側、上側図柄500,510を、線対称の半円形に形成することで、全体として略円形を構成するように図案化している。
同図(a)は、リセット信号の入力時に、カウント値をリセット、すなわち「0」にリセットした場合であり、
図12(a)及び(b)に相当する。
2コマ図柄を停止表示可能な役に当選した場合に2コマ図柄を上ライン、中央ラインに停止させるように目押しした場合、中央ラインには、下側図柄500の高さ中央が、上ラインには上側図柄510の高さ中央がそれぞれ位置する。なお、中央ラインに停止させるように目押しした場合について例示したが、これに限定されず、中央ライン、下ラインに停止させるように目押しした場合も同様に、図示しないが、中央ラインには上側図柄510の高さ中央が、下ラインには下側図柄500の高さ中央がそれぞれ位置するように停止表示される。
【0121】
図17(b)は、リセットのタイミングを半コマ分、ずらした例であり、
図12(d)に相当する。
2コマ図柄を停止表示可能な役に当選した場合に2コマ図柄を上ライン、中央ラインに停止させるように目押しした場合、
図17(a)と同じタイミングで図柄61を停止表示させると、
図12(d)に示すように、リセットのタイミングが半コマ分ずれているため、
図17(b)に示すように、中央ラインが下側図柄500と上側図柄510との境目に位置し、中央ラインを挟んで下側図柄500と上側図柄510とが線対称に位置し、両図柄500,510が中央ラインを挟んで全体として略円形に見える。なお、中央ラインに停止させるように目押しした場合について例示したが、これに限定されず、中央ライン、下ラインに停止させるように目押しした場合も同様である。
その結果、同じタイミングで回転リール62を停止した場合には、有効ライン86に対し、当該回転方向に対して半コマ分、図柄61がずらして停止表示させることができる。
【0122】
(
図18を用いた本発明の第3の実施の形態の説明)
図18を用いて、本発明の第3の実施の形態の一例を説明する。同図は、リールユニット60の一部の概略平面図である。
本実施の形態は、被検出部630を、ステッピングモータ600により回転する歯車610,620の一つに形成した点である。
すなわち、ステッピングモータ600のモータ軸には、回転リール62と第1歯車610とを接続する。第1歯車610には、第2歯車620をかみ合わせ、当該第2歯車620には、その軸中心からずれた位置に透孔状、或いは穴状の被検出部630を形成する。被検出部630の移動ないしは回転軌跡内に、リール検出手段640を配置し、当該リール検出手段640により各被検出部630を検出させる。
【0123】
ここで、リール検出手段640としては、被検出部630の通過を光学的に検出可能な、「フォトインタラプタ」(通過型光センサ)から構成している。
本実施の形態によれば、リール検出手段640を、回転リール62の位置にかかわらず、自由な位置に配置でき、設計上の自由度を持たせることができる利点がある。
【0124】
(
図19を用いた第4の実施の形態の説明)
図19を用いて、本発明の第4の実施の形態の説明について説明する。
同図は、回転リール62の回転位置の変化状態の一例について説明するものであり、同図(a)は、変化させない状態、(b)は変化させた状態の一例をそれぞれ示すものである。
本実施の形態の特徴は、「役の抽選結果」と回転リール62の回転位置の変化状態との関係のバリエーションを提供するものである。
本実施例では、中央の横一線のライン(以下、「中央ライン」という。)を、有効ライン86として説明する。
【0125】
例えば、「R7、R7、R7」(赤7、赤7、赤7)を中央ライン(有効ライン86)上に停止可能な役に当選し、遊技者が当該「R7、R7、R7」を中央ライン(有効ライン86)上に停止させるように目押しした場合に、変化させない状態であれば、 同図(a)に示すように、中央ライン(有効ライン86)上に「R7、R7、R7」を停止表示可能である。
これに対し、左リール64、中リール66、右リール68の3個の回転リール62のうち、左リール64と右リール68との2個の回転リール62のリセットのタイミングを、回転リール62の回転方向の後方側、すなわち「−方向」(マイナス方向)に1コマ分、ずらした場合である。なお、中リール66については、リセットのタイミングをずらしていない。
【0126】
上記と同様に、例えば、「R7、R7、R7」を中央ライン(有効ライン86)上に停止可能な役に当選し、遊技者が当該「R7、R7、R7」を中央ライン(有効ライン86)上に停止させるように目押しした場合に、 同図(b)に示すように、中央ライン(有効ライン86)上に「B2、R7、RP」(赤枠、赤7、リプレイ)が停止表示される。このとき、左リール64の上ラインには「R7」が、右リール68の同じく上ラインには「R7」がそれぞれ停止表示される。このため、左リール64、中リール66、右リール68の3個の回転リール62の「R7」(赤7)が略V字形に停止表示され、遊技者に遊技状態の変化や、特殊な役の当選を予感させることができる。
【0127】
本実施の形態によれば、「役の抽選結果」と回転リール62の回転位置の変化状態とを組み合わせることで、回転リール62の停止態様にバリエーションを持たせることができる。
なお、「役の抽選結果」と回転リール62の回転位置の変化状態とを組み合わせたが、これに限定されず、「役の抽選結果」に代えて「遊技状態」と回転リール62の回転位置の変化状態とを組み合わせてもよいし、或いは「役の抽選結果」と「遊技状態」との組み合わせに応じて、回転リール62の回転位置の変化状態を変更させるようにしてもよい。
【0128】
(実施の形態の補足的な説明)
上記実施の形態は、以下の技術思想を包含する特徴点を含むものである。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)第1の特徴点
(1−1)第1の特徴点の構成
第1の特徴点は、次の通りである。
第一に、遊技機(10)は、例えば
図1、
図4及び
図10に示すように、次の構成を備える。
(1)リールユニット(60)
リールユニット(60)は、例えば
図1に示すように、複数の図柄(61)が個別に表示された複数の回転リール(62)を個別に回転可能なものである。
(2)スタートスイッチ(40)
スタートスイッチ(40)は、例えば
図1に示すように、遊技者の操作により複数の回転リール(62)の回転を開始させるためのものである。
(3)複数のストップスイッチ(50)
複数のストップスイッチ(50)は、例えば
図1に示すように、複数の回転リール(62)の各々に対応して設けられ、遊技者の操作により回転中の複数の回転リール(62)を個別に停止可能なものである。
(4)払出手段(24)
払出手段(24)は、例えば
図4に示すように、複数の回転リール(62)の停止表示された図柄(61)の組み合わせに基づいて、所定の遊技媒体を払い出し可能なものである。
(5)演出手段(70)
演出手段(70)は、例えば
図4に示すように、遊技の進行に応じ、各種の演出を実行するものである。
(6)遊技制御手段(100)
遊技制御手段(100)は、例えば
図4に示すように、リールユニット(60)、スタートスイッチ(40)、複数のストップスイッチ(50)、払出手段(24)及び演出手段(70)がそれぞれ接続され、遊技の進行を制御するものである。
第二に、遊技制御手段(100)は、
(7)役抽選手段(210)
役抽選手段(210)は、例えば
図4に示すように、スタートスイッチ(40)の操作に基づき役抽選を実行するためのものである。
(8)停止制御手段(220)
停止制御手段(220)は、例えば
図4に示すように、役抽選手段(210)による役抽選の結果及びストップスイッチ(50)の停止操作タイミングに応じて回転リール(62)の停止制御を実行するものである。
第三に、リールユニット(60)は、例えば
図10に示すように、回転リール(62)上に所定の間隔で図柄(61)が配置されている。
第四に、リールユニット(60)は、例えば
図10に示すように、次の構成を備える。
(9)ステッピングモータ(410)
ステッピングモータ(410)は、各回転リール(62)を個別に回転可能なものである。
(10)被検出部(420)
被検出部(420)は、各回転リール(62)に関して、個別に設けられ、ステッピングモータ(410)、または当該回転リール(62)の回転に基づいて回転する回転リール(62)の回転位置を検出するためのものである。
(11)リール検出手段(430)
リール検出手段(430)は、各被検出部(420)を検出するものである。
第五に、遊技制御手段(100)は、例えば
図5に示すように、次の構成を備える。
(12)モータ制御手段(221)
モータ制御手段(221)は、ステッピングモータ(410)を制御するものである。
(13)リール回転位置変化手段(224)
リール回転位置変化手段(224)は、リール検出手段(430)の検出結果に基づいて、回転リール(62)の回転位置を検出するとともに、役抽選手段(210)による役抽選の結果又は遊技状態にもとづいて、検出した回転リール(62)の回転位置を所定量、変化させるものである。なお、リール回転位置変化手段(224)は、役抽選の結果、すなわち当選役に関わらず、遊技状態にもとづいて、回転リール(62)の回転位置を変化させるようにしてもよい。
【0129】
(1−2)第1の特徴点と実施の形態との対応関係
第1の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「複数の図柄(61)」は、例えば
図3に示すように、20個の図柄(61)から構成されている。
ここで、「複数の回転リール(62)」は、例えば
図1に示すように、3個の回転リール(62)から構成されている。
ここで、「複数のストップスイッチ(50)」は、例えば
図1に示すように、3個のストップスイッチ(50)から構成されている。
ここで、「所定の遊技媒体」には、図示しないが、例えば「メダル」が相当する。
ここで、「演出手段(70)」には、例えば
図1及び
図4に示すように、画像表示部(84)、演出用ランプ(78)、スピーカー(72)等が相当する。
ここで、「被検出部(420)」として、例えば
図10に示すように、「回転リール(62)」から凸状に突出させている。
ここで、「前記ステッピングモータ(410)、または当該回転リール(62)の回転に基づいて回転する」とは、「回転リール(62)の回転に基づいて回転する」場合には、例えば
図10に示すように、回転リール(62)から凸状に突出する「被検出部(420)」を形成した場合が相当する。「前記ステッピングモータ(410)・・・の回転に基づいて回転する」場合には、例えば
図18に示すように、ステッピングモータ(410)により回転する歯車(例えば第2歯車530)に透孔状に被検出部(520)を形成した場合が相当する。
ここで、「リール検出手段(430)」としては、例えば
図10に示すように、「被検出部(420)」の通過を光学的に検出可能な、「フォトインタラプタ」(通過型光センサ)から構成している。
ここで、「所定量」としては、「停止ライン上に停止する図柄(61)を変化させる量」や、「停止ラインに対して図柄(61)をずらした位置に停止させる量」がある。
上記例示した「停止ライン上に停止する図柄(61)を変化させる量」を変化させた結果が、例えば
図15(b)に示す通りである。なお、
図15(a)は変化させる前の状態を示している。また、3個のリール(64,66,68)を全て変化させた場合のほか、3個のリール(64,66,68)のうち、1個、或いは2個を変化させてもよく、中リール(66)と右リール(68)との計2個を変化させた場合を、例えば
図16に例示する。
上記例示した「停止ラインに対して図柄(61)をずらした位置に停止させる量」を変化させた結果が、例えば
図17(b)に示す通りである。なお、
図17(a)は変化させる前の状態を示している。また、3個のリール(64,66,68)を全て変化させた場合のほか、3個のリール(64,66,68)のうち、1個、或いは2個を変化させてもよい。
ここで、「所定量、変化させる」としては、例えば
図12に示すように、ステッピングモータ(410)のステップ数をカウントしておき、被検出部(420)の検出信号を入力する度に、カウントしたステップ数をリセットする実施の形態を前提とし、リセットするタイミングを1コマ分や半コマ分、ずらすことにより実現している。
【0130】
(1−3)第1の特徴点のバリエーション
第1の特徴点のバリエーションも、次の通りである。
ここで、「複数の図柄(61)」として、20個を例示したが、これに限定されず、複数であればよく、2〜19個や21個以上でもよい。
ここで、「複数の回転リール(62)として、3個を例示したが、これに限定されず、複数であればよく、2個や4個以上でもよい。
ここで、「複数のストップスイッチ(50)」は、3個を例示したが、これに限定されず、複数であればよく、2個や4個以上でもよい。
ここで、「所定の遊技媒体」として、「メダル」を例示したが、これに限定されず、例えば「パチンコ球」でもよい。
ここで、「演出手段(70)」として、画像表示部(84)、演出用ランプ(78)、スピーカー(72)を例示したが、これらの1個でもよいし、又、他の構成を追加してもよい。
ここで、「被検出部(420)」として、例えば
図10に示すように、「回転リール(62)」から凸状に突出した「被検出部(420)」や、例えば
図18に示すように、歯車(例えば第2歯車530)に透孔状に形成した被検出部(520)を例示したが、これらに限定されず、図示しないが、例えばステッピングモータ(410)のモータ軸に、当該モータ軸と一体的に回転する被検出部を形成してもよい。また、「被検出部(420)」を、凸状や透孔状、或いは穴状に形成したが、これに限定されず、凹状に形成してもよい。
ここで、「リール検出手段(430)」としては、「フォトインタラプタ」(通過型光センサ)を例示したが、これに限定されず、機械的に検出するセンサ(例えばマイクロスイッチ)や磁気的に検出するセンサ(例えば磁気センサ)から構成してもよい。
ここで、「所定量」として、図柄(61)の停止位置を1コマ分(例えば
図15参照)や、半コマ分(例えば
図17参照)、ずらした場合を例示したが、これに限定されず、2コマ分以上ずらしてもよいし、或いは半コマ、すなわち1/2単位でなく、1/3、1/4、1/5のように分母を変化させてもよい。
ここで、「所定量、変化させる」としては、カウントしたステップ数をリセットするタイミングを1コマ分や半コマ分、ずらすことに実現したが、これに限定されず、コマ数をカウントさせ、コマ数のカウント値のリセットのタイミングを1コマ分や半コマ分、ずらすことに実現してもよい。
【0131】
(1−4)第1の特徴点の作用効果
第1の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第1の特徴点によれば、検出した回転リールの回転位置を所定量、変化させることで、役抽選の結果に対し、回転リールの回転位置のずらし量の決定、回転リールの回転位置を検出するための被検出片等の物理的手段の位置、及び回転リールの停止制御を変更することなく、回転リールの停止位置を簡便に変化させることができる。
付随的な効果としては、次の効果がある。
ここで、「回転リールの回転位置を検出するための被検出片等の物理的手段の位置」とは、例えば「被検出片等の物理的手段の位置」の変更を意味する。例えば、回転リールのリール軸を中心とする円周に沿って、被検出片の位置を駆動機構等で移動させることで、回転リールの停止位置を変化させることが仮にできたとしても、このような構成を採用することなく、第1の特徴点を採用することで、回転リールの停止位置を変化させることができる利点がある。また、回転リールのリール軸を中心とする円周に沿って、「フォトインタラプタ」(透過型光センサ)等の「リール検出手段」側の位置を駆動機構等で移動させることで、回転リールの停止位置を変化させることが仮にできたとしても、このような構成を採用することなく、第1の特徴点を採用することで、回転リールの停止位置を変化させることができる利点がある。
第一に、設定変更時、回転リールを手動で動かした際に発生する、いわゆる「ガックン」を電断時に本構成を採用して再調整を行うことで、一律に発生させることも可能であり、いわゆる朝一の有利不利という点の対策が可能となる、という効果がある。
第二に、遊技状態を移行させる移行役の場合、本構成を採用して、停止ライン上に停止する図柄を変化させることにより、見た目上、異なる表示形態を実現可能になる、という効果がある。
第三に、2コマ図柄を停止可能な契機に、本構成を採用して、停止ラインに対して図柄をずらした位置に停止させることにより、リールの中央に2コマ図柄を停止可能になる、という効果がある。
【0132】
(2)第2の特徴点
(2−1)第2の特徴点の構成
第2の特徴点は、上記した第1の特徴点に加え、次の通りである。
所定量は、停止ライン上に停止する図柄(61)を変化させる量である。
【0133】
(2−2)第2の特徴点と実施の形態との対応関係
第2の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「停止ライン上に停止する図柄(61)を変化させる量」は、例えば
図11に示す図柄番号の「1個」分に相当する「コマ数」を意味する。「停止ライン上に停止する図柄(61)を変化させる量」を変化させた結果が、例えば
図15(b)に示す通りである。なお、
図15(a)は変化させる前の状態を示している。また、3個のリール(64,66,68)を全て変化させた場合のほか、3個のリール(64,66,68)のうち、1個、或いは2個を変化させてもよく、中リール(66)と右リール(68)との計2個を変化させた場合を、例えば
図16に例示する。
【0134】
(2−3)第2の特徴点のバリエーション
第2の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「停止ライン上に停止する図柄(61)を変化させる量」として、1コマ分(例えば
図15参照)、ずらした場合を例示したが、これに限定されず、2コマ分以上ずらしてもよい。
【0135】
(2−4)第2の特徴点の作用効果
第2の特徴点は、上記した第1の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第2の特徴点によれば、停止ライン上に停止する図柄を変化させることができる。
【0136】
(3)第3の特徴点
(3−1)第3の特徴点の構成
第3の特徴点は、上記した第1の特徴点又は第2の特徴点に加え、次の通りである。
所定量は、停止ラインに対して図柄(61)をずらした位置に停止させる量である。
【0137】
(3−2)第3の特徴点と実施の形態との対応関係
第3の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「停止ラインに対して図柄(61)をずらした位置に停止させる量」は、例えば
図11に示す図柄番号の「1個」分を「1コマ」とした場合に、「0コマ」を超え、「1コマ」未満の量であり、例えば「半コマ分」が相当する。「停止ラインに対して図柄(61)をずらした位置に停止させる量」を変化させた結果が、例えば
図17(b)に示す通りである。なお、
図17(a)は変化させる前の状態を示している。また、3個のリール(64,66,68)を全て変化させた場合のほか、3個のリール(64,66,68)のうち、1個、或いは2個を変化させてもよい。
【0138】
(3−3)第3の特徴点のバリエーション
第3の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「停止ラインに対して図柄(61)をずらした位置に停止させる量」として、半コマ分(例えば
図17参照)、ずらした場合を例示したが、これに限定されず、半コマ、すなわち1/2単位でなく、1/3、1/4、1/5のように分母を変化させてもよい。
【0139】
(3−4)第3の特徴点の作用効果
第3の特徴点は、上記した第1の特徴点又は第2の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第3の特徴点によれば、停止ラインに対して図柄をずらした位置に停止させることができる。